JP2003104099A - 車両用座席昇降装置および車両用座席昇降方法 - Google Patents

車両用座席昇降装置および車両用座席昇降方法

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JP2003104099A
JP2003104099A JP2001298970A JP2001298970A JP2003104099A JP 2003104099 A JP2003104099 A JP 2003104099A JP 2001298970 A JP2001298970 A JP 2001298970A JP 2001298970 A JP2001298970 A JP 2001298970A JP 2003104099 A JP2003104099 A JP 2003104099A
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seat
vehicle
arm
rotation
standby position
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Seiichi Hori
清市 堀
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TOOSUTE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 座る人に快適な制御を可能にする変位機構を
備えた車両用座席昇降装置および車両用座席昇降方法を
提供すること。 【解決手段】 座席9を備え付ける座席支持部2と、座
席支持部2に回動自在に取り付けた一対の第1のアーム
3と、一対の第2のアーム4と、ベース部5とにより平
行クランク機構を形成する。また、第1のアーム3を軸
支する第1の回動支軸5aと、第2のアーム4を軸支す
る第2の回動支軸5bと、を結ぶ線に平行をなす方向に
沿う、第1のアーム3と第2のアーム4とを連結する連
結リンク部材6を設ける。そして、駆動機構7が第1の
アーム3の少なくとも一方を回動させ、座席9を変位さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座席を車両内位置
と車両外位置とに変位させる車両用座席昇降装置および
車両用座席昇降方法に係り、特に、平行クランク機構を
利用した座席の回動により前記座席を変位させる車両用
座席昇降装置および車両用座席昇降方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、障害者や高齢者など、車両へ
の乗降を容易に行うことができない人を補助するため
に、車両用座席昇降装置が提案されている。具体的に
は、乗降が困難な人を乗せる座席を車両内位置と車両外
位置とに変位させて、車両への乗降を簡便に実現させる
変位機構を設けた構成を採用している。
【0003】例えば、特開2001−1812号公報や
特開平8−337137号公報に開示されるように、平
行クランク機構を形成するように対になるアームを設
け、そのリンクを構成するアームを回動させることによ
り、座席の位置を変位させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、前述した特開2001−1812号公報に開示され
た平行リンク機構では、静止節を構成する基台部材(ス
ライダ)に設けられたアームの取付軸を斜め方向に上下
となるように並設する構成を採用しているが、このよう
な平行クランク機構を採用すると、基台部材はある程度
の高さを必要とする。
【0005】したがって、座席昇降装置自体が大きくな
り、専用の車両フレームを必要とするという不都合があ
った。
【0006】また、本願発明者は、単に前述した特開2
001−1812号公報に開示された平行リンクの静止
節を水平にした構成、すなわち特開平8−337137
号公報に開示された回動支軸を水平方向に並設する構成
を試作し、実験を試みた。
【0007】その結果、特開平8−337137号公報
のように、平行クランク機構の静止節に対向する側のリ
ンクを構成する座席をとりつけるフレームに設けられた
回動支点が、前記回動支軸と同じ高さになると、挙動が
不安定になるという現象が生じた。すなわち、すべての
回動支点と回動支軸が直線上に並んだあたりから挙動が
不安定になり、座席に乗る人に不安感を抱かせるという
問題が生じる。したがって、安定した挙動により、使用
者に快適な座席昇降を可能にする変位機構を備えた車両
用座席昇降装置が求められていた。
【0008】また、従前の構成では、車両に同乗する人
数の確保に重点をおいており、座席昇降装置により制御
される座席の位置は、車両内で固定されているに等し
く、前述した特開2001−1812号公報や特開平8
−337137号公報にあるように回動機構を用いて座
席を昇降する構成では、その回動軌跡に車両の乗降口が
干渉する事態を招いていた。したがって、座席を利用す
る障害者や高齢者は、昇降に際して首をすくめるなど、
不自然な姿勢を強要されていた。このため、車両の乗降
口による干渉を受けないという観点からも、使用者に快
適な座席昇降を可能にする変位機構を備えた車両用座席
昇降装置が求められていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上述した問題点を解消し、座
る人に快適な制御を可能にする変位機構を備えた車両用
座席昇降装置および車両用座席昇降方法を提供すること
を目的とする。特に、挙動が安定し、かつ、自由度の高
い昇降方法を実現できる車両用座席昇降装置および車両
用座席昇降方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、座席を備え付ける座席
支持部と、当該座席支持部に回動自在に取り付けた一対
の第1のアームと、当該第1のアームに従動するように
前記座席支持部に取り付けた一対の第2のアームと、前
記第1のアームを軸支する第1の回動支軸と、前記第2
のアームを軸支する第2の回動支軸と、を備えるととも
に、前記座席支持部、前記第1のアーム、および前記第
2のアーム、とにより平行クランク機構を形成するベー
ス部と、前記第1の回動支軸の中心と前記第2の回動支
軸の中心とを結ぶ線に平行をなす方向に沿ったリンクを
形成し、前記第1のアームと前記第2のアームとを連結
する連結リンク部材と、前記第1のアームの少なくとも
一方を回動させる駆動機構と、を備える。
【0011】本発明によると、平行クランク機構を形成
する第1のアームと第2のアームとを連結リンク部材で
連結するので、座席支持部が形成するリンクとベース部
が形成するリンクとの平行関係を確実に実現できる。
【0012】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の車両用座席昇降装置において、前記ベース部
は、前記第1の回動支軸の中心と前記第2の回動支軸の
中心とを結ぶ線が水平方向に沿うように、当該第1の回
動支軸と当該第2の回動支軸とを並設した。
【0013】本発明によると、第1の回動支軸と当該第
2の回動支軸とを水平方向に並設するので、ベース部の
高さを低く抑えることができる。
【0014】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1乃至請求項2に記載の車両用座席昇降装置において、
車両内の床面に沿う方向であって、車両内空間の車幅方
向に沿う方向に前記ベース部を移動させるスライド機構
を備え、前記スライド機構は、前記ベース部を回転自在
に支持する。
【0015】本発明によると、スライド機構がベース部
を回転自在に支持するので、車両内における回動動作の
実行位置選択に自由度を持たせることができる。
【0016】また、請求項4に記載の発明では、請求項
3に記載の車両用座席昇降装置において、前記駆動機構
と前記スライド機構とを制御し、前記座席を車両内の初
期待機位置から車両外の乗降位置へ変位させる制御手段
を備え、当該制御手段は、外部指示信号に応じて、前記
座席が前記車両内位置にある状態で、前記第1のアーム
および前記第2のアームを回動させ、前記座席支持部を
初期待機位置から、少なくとも、車両内の床面に対して
最も高くなる位置を通過した、一時待機位置に変位させ
る第1の回動ステップと、当該第1の回動ステップにお
いて、前記一時待機位置に変位させた前記座席支持部
を、当該一時待機位置に維持した状態で、前記スライド
機構を駆動しベース部をスライドさせ、前記座席支持部
を前記車両外へ変位させる移動ステップと、当該移動ス
テップにおいて、前記車両外へ移動させた前記座席支持
部を、前記第1のアームおよび前記第2のアームを回動
させ、前記一時待機位置から乗降位置に変位させる第2
の回動ステップと、を実行する。
【0017】本発明によると、第1の回動ステップの
後、移動ステップをはさんで第2の回動ステップを行う
ので、座席に乗る人の座高に応じた変位操作が可能であ
る。
【0018】また、請求項5に記載の発明では、請求項
3乃至請求項4に記載の車両用座席昇降装置において、
前記スライド機構は、前記ベース部を前記車両内の運転
席後部から助手席後部にまで移動させるスライド幅を有
する。
【0019】本発明によると、スライド機構が、ベース
部を車両内の運転席後部から助手席後部にまで移動させ
るスライド幅を有するので、乗降口を左右どちらにも設
けることができ、また、車両用座席昇降装置により制御
される座席よりも後列の座席への乗り降りが容易とな
る。
【0020】また、請求項6に記載の発明では、請求項
3に記載の車両用座席昇降装置を用いて、座席を車両内
の初期待機位置から車両外の乗降位置へ変位させる車両
用座席昇降方法であって、前記座席が前記車両内位置に
ある状態で、前記第1のアームおよび前記第2のアーム
を回動させ、前記座席支持部を初期待機位置から、少な
くとも、車両内の床面に対して最も高くなる位置を通過
した一時待機位置に変位させる第1の回動ステップと、
当該第1の回動ステップにおいて前記一時待機位置に変
位させた前記座席支持部を、当該一時待機位置に維持し
た状態で、前記スライド機構を駆動しベース部をスライ
ドさせ、前記座席支持部を前記車両外へ変位させる移動
ステップと、当該移動ステップにおいて前記車両外へ移
動させた前記座席支持部を、前記第1のアームおよび前
記第2のアームを回動させ、前記一時待機位置から乗降
位置に変位させる第2の回動ステップと、を有する。
【0021】本発明によると、第1の回動ステップの
後、移動ステップをはさんで第2の回動ステップを行う
ので、座席に乗る人の座高に応じた変位操作が可能であ
る。
【0022】以上により、前述した目的を達成しようと
するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
乃至図7に基づいて説明する。
【0024】図1は、本発明にかかる車両用座席昇降装
置1の一例を示す概略斜視図である。ただし、図1は、
説明の容易のため、主要な構成を図示するにとどめてお
り、後述する動力伝達機構の詳細は省略している。
【0025】図1に示したように、車両用座席昇降装置
1は、座席9を備え付ける座席支持部2と、座席支持部
2に回動自在に取り付けた一対の第1のアーム3と、第
1のアーム3に従動するように座席支持部2に取り付け
た一対の第2のアーム4と、を有する。
【0026】また、車両用座席昇降装置1は、第1のア
ーム3を軸支する第1の回動支軸5aと、第2のアーム
4を軸支する第2の回動支軸5bと、を備えるととも
に、座席支持部2、第1のアーム3、および第2のアー
ム4、とにより平行クランク機構を形成するベース部5
を有する。
【0027】そして、車両用座席昇降装置1は、第1の
回動支軸5aの中心と第2の回動支軸5bの中心とを結
ぶ線に平行をなす方向に沿ったリンクを形成し、第1の
アーム3と第2のアーム4とを連結する連結リンク部材
6と、第1のアーム3の少なくとも一方を回動させる駆
動機構7と、を有する。
【0028】以下、より詳細に各要素を説明する。
【0029】座席支持部2は、座席を備え付けるための
部材である。図1において座席9を仮想的に記載した
が、本実施形態では、座席9を載置し、保持する断面が
U字形状の座席ホルダを採用した。また、座席支持部2
は、第1のアーム3を回動自在に取り付ける回動支軸2
aと第2のアーム4を回動自在に取り付ける回動支軸2
bとを備える。
【0030】第1のアーム3は、座席支持部2に取り付
けられる一対の部材であり、その端部が回動支軸2aに
より軸支される。また、第1のアーム3は、くの字型と
なるように屈曲部を有している。これは、座席9の形状
にあわせて屈曲部を配置することにより、座席9に座る
使用者の邪魔にならないような形状にするとともに、使
用者の乗降位置をできるだけ低くする構成を実現したも
のである。
【0031】また、第1のアーム3には、連結リンク部
材6の端部を軸支するための回動支軸3aが、回動支軸
2aにより軸支される端部と回動支軸5aにより軸支さ
れる端部との間であって、屈曲部近傍の端部間領域に設
けられている。
【0032】さらに、第1のアーム3は、回動用平歯車
3bが設けられている。回動用平歯車3bは、所定の角
度範囲で第1のアーム3を回動させればよいので、本実
施形態では、部分的に切断した加工歯車を採用した。な
お、回動用平歯車3bは、第1のアーム3と一体に成形
されたものであってもよいし、第1のアーム3とは別部
材として製造されてもよい。
【0033】第2のアーム4は、第1のアーム3と同様
に、座席支持部2に取り付けられる一対の部材であり、
その端部が回動支軸2bにより軸支され、くの字型とな
るように屈曲部を有している。これも、座席9の形状に
あわせて屈曲部を配置することにより、座席9に座る使
用者の邪魔にならないような形状にするとともに、使用
者の乗降位置をできるだけ低くする構成を実現したもの
である。
【0034】また、第2のアーム4には、連結リンク部
材6の端部を軸支するための回動支軸4aが、回動支軸
2bにより軸支される端部と回動支軸5bにより軸支さ
れる端部との間であって、屈曲部近傍の端部間領域に設
けられている。
【0035】ベース部5は、側部に第1の回動支軸5a
および第2の回動支軸5bを備える。ここで、回動支軸
5aは、第1のアーム3の回動支軸2aにより軸支され
ている端部とは異なる端部を軸支する。また、回動支軸
5bは、第2のアーム4の回動支軸2bにより軸支され
ている端部とは異なる端部を軸支する。
【0036】また、ベース部5は、第1の回動支軸5a
の中心と第2の回動支軸5bの中心とを結ぶ線が水平方
向に沿うように、第1の回動支軸5aと第2の回動支軸
5bとを並設している。このように、第1の回動支軸5
aと第2の回動支軸5bとを水平方向に並設するので、
ベース部に必要な高さを低く抑えることができる。ひい
ては、ベース部を高さ方向においてコンパクトに設計す
ることが可能となる。
【0037】そして、ベース部5は、前述したように、
座席支持部2、第1のアーム3、および第2のアーム
4、とにより平行クランク機構を形成する。ここで、本
実施形態にかかる平行クランク機構において、ベース部
5は、回動支軸5aと回動支軸5bとともに静止節とな
り、座席支持部2は、回動支軸2aと回動支軸2bとと
もに静止節に対向する連結節となる。また、第1のアー
ム3と第1のアーム4はクランクとなり、第1のアーム
3が原動節となる。ただし、本実施形態では第1のアー
ム3を原動節としたが、第2のアーム4を原動節として
もよい。
【0038】連結リンク部材6は、第1のアーム3と第
2のアーム4とを連結するべく、第1のアーム3に設け
られた回動支軸3aに一方の端部を軸支され、他端を第
2のアーム4に設けられた回動支軸4aに軸支される。
ここで、連結リンク部材6は、前述した平行クランク機
構の動作を阻害しないように、第1の回動支軸5aの中
心と第2の回動支軸5bの中心とを結ぶ線に平行をなす
方向に沿ったリンクとなるように軸支される。
【0039】駆動機構7は、第1のアームを回動させる
動力を供給する手段であり、本実施形態では電気モータ
を採用している。これは、油圧機構を用いた場合に比
べ、車両内の汚損の程度をおさえることができるからで
ある。また、伸縮機構などを設けなくてすむため、車両
用座席昇降装置1をコンパクトな設計にすることが可能
となる。
【0040】制御手段8は、前述した駆動機構7の回転
方向や回転数、回転量などを制御する手段であり、不図
示の遠隔操作手段など、外部支持信号を受け付ける外部
信号受け付け手段を備える。詳細は後述するが、この制
御手段8の制御下において、駆動機構7が、ウォーム1
1bとウォームホイール12aとからなるウォーム歯車
を介して駆動軸12を回転させ、駆動軸12に固定され
た駆動用平歯車12bを回転させることにより、この駆
動用平歯車12bと噛み合う回動用平歯車3bが回転
し、第1のアーム3が回動する。
【0041】以上説明したように、平行クランク機構の
クランクとなる第1のアーム3と第2のアーム4とを連
結する連結リンク部材6を備える平行リンクを形成する
機構を採用することにより、第1のアーム3を駆動機構
7により回動させた場合に、座席支持部2の底部を水平
に維持することができる。すなわち、座席を載置した状
態で、座席支持部2が形成するリンク(連結節)とベー
ス部5が形成するリンク(静止節)との平行関係を確実
に実現できる。ひいては、第1のアーム3の回動動作が
なされても、座席支持部2は、安定した挙動を呈すの
で、使用者に快適な座席昇降を可能にする変位機構を備
えた車両用座席昇降装置1を提供できる。
【0042】そして、回動支軸2a,2bに軸支される
第1のアーム3の両端部間と回動支軸5a,5bとによ
り軸支される第2のアーム4の両端部間、すなわち、第
1のアーム3および第2のアーム4の軸支される端部間
を、連結リンク部材6で連結することにより、寸法公差
や歯車の遊びなどによる座席支持部2の揺動を規制し、
座席支持部2に載置する座席9を実用上問題が生じない
水平状態に維持することができる。
【0043】加えて、連結リンク部材6が第1のアーム
3および第2のアーム4の軸支される端部間に配される
ことにより、構造上および動作中の負荷を連結リンク部
材6が主として受け止める構成となるので、座席支持部
2やベース部5にかかる負荷を軽減することができる。
このため、回動する要素である座席支持部2の軽量化を
図ることも可能となり、回動支軸2a,2b,5a,5
bなど各部材の耐久性の向上を実現できる。
【0044】なお、座席支持部2の形態は、上述した形
態に限られるものではなく、平行クランク機構の連結節
を形成できる部材であればよく、例えば、座席9に固着
されるプレート状の部材であってもよい。
【0045】また、第1のアーム3、および第2のアー
ム4の形状は、上述した形状に限られるものではなく、
平行クランク機構のクランクを形成できるように、回動
支軸2aと回動支軸5aとの回動中心間距離と、回動支
軸2bと回動支軸5bとの回動中心間距離が等しければ
形状は自由であり、例えば、屈曲部の屈曲の程度を異な
らせたり、二段階屈曲形状としてもよい。
【0046】同様に、連結リンク部材6の形状も、上述
した形状に限られるものではなく、平行クランク機構の
動作を阻害しないように、前述した回動中心間距離に等
しくなるように回動支軸3aおよび回動支軸4aに軸支
され、その回動支軸3aの中心と回動支軸4aの中心と
を結んだ線が、ベース部5の回動支軸5aの中心と回動
支軸5bの中心を結んだ線と平行になる構成を実現でき
れば、任意の形状を採用し得る。
【0047】続いて、本実施形態にかかる車両用座席昇
降装置1における、駆動機構7から第1のアーム3に動
力を伝達する動力伝達機構の詳細について図2および図
3に基づき説明する。ここで、図2は、車両用座席昇降
装置1の動力伝達機構を示す概略平面図である。また、
図3は、図2に示した動力伝達機構のA−A断面を示す
概略断面図である。なお、図2および図3において、説
明の容易のため、主要な構成以外は、省略または仮想線
で示している。
【0048】図2および図3に示したように、本実施形
態における動力伝達機構は、駆動機構7が、同期軸1
0、伝達軸11、駆動軸12を介して回動用平歯車3b
を回転させ、第1のアーム3を回動させる構成を採用す
る。
【0049】まず、駆動機構7の駆動にともないウォー
ム11bが回転するまでの機構を、図2に基づき説明す
る。
【0050】図2に示したように、同期軸10は、一方
の端部近傍に平歯車10aを備え、さらに、両端部に傘
歯車10bを備える。両端の傘歯車10bは、同じもの
を設ける。
【0051】伝達軸11は、一方の端部に傘歯車11a
が、他端部にウォーム11bが固着されている。このウ
ォーム11bは、駆動軸12に設けられる不図示のウォ
ームホイール12aとウォーム歯車を形成する。
【0052】そして、駆動機構7が平歯車7aを回転さ
せると、この平歯車7aと噛み合う同期軸10に設けら
れた平歯車10aが回転する。そして、平歯車10aの
回転にともない、同期軸10の両端の傘歯車10bが同
期した状態で回転する。
【0053】この傘歯車10bと噛み合う伝達軸11の
傘歯車11aが、傘歯車10bの回転に応じて回転し、
他方の端部に固着されたウォーム11bも回転する。
【0054】以上が、駆動機構7の回転にともないウォ
ーム11bが回転するまでの動力伝達機構である。
【0055】続いて、ウォーム11bの回転に応じて回
動用平歯車3bが回転するまでの動力伝達機構を図3に
基づき説明する。
【0056】図3に示したように、駆動軸12は、両方
の端部と端部の間、詳しくは各々の端部近傍にウォーム
ホイール12aを備える。このウォームホイール12a
は、前述したウォーム11bと噛み合い、ウォーム歯車
を形成する。さらに、駆動軸12の両端部には、駆動用
平歯車12bが固着されている。
【0057】前述した図2に示したように、駆動機構7
の回転を受けて回転するウォーム11bの回転にともな
い、ウォームホイール12aが回転する。そして、ウォ
ームホイール12aの回転に応じて駆動軸12が回転す
るので、結果として駆動軸12の端部の駆動用平歯車1
2bが回転する。
【0058】続いて、駆動用平歯車12bの回転にとも
ない、駆動用平歯車12bと噛み合う、第1のアーム3
に固着された回動用平歯車3bが回転し、第1のアーム
3が回動する。
【0059】以上が、ウォーム11bの回転に応じて回
動用平歯車3bが回転するまでの動力伝達機構である。
【0060】本実施形態では、上述した図2および図3
に示した動力伝達機構により、駆動機構7の駆動により
第1のアーム3の回動を実現し、ひいては、駆動機構7
の回転方向や回転速度を制御することにより、第1のア
ーム3の回動方向および回動速度を制御する。
【0061】なお、本実施形態では、一対の第1のアー
ム3の双方ともに動力を伝達する構成を採用した。最低
限の構成としては、少なくとも、一対のアーム3のうち
いずれか一方を駆動させれば足りる。しかしながら、図
1乃至図3に示したように、一対の第1のアーム3の双
方に、駆動用平歯車12bにより駆動トルクをかける構
成とすることにより、片方にのみ駆動トルクをかけた場
合よりも、安定した回動挙動を実現することができるこ
とから、本実施形態の構成がより望ましいといえる。ひ
いては、当該構成により、さらに使用者に安心感、安定
感を感じてもらえる車両用座席昇降装置1を提供できる
といえる。
【0062】以下、上述した車両用座席昇降装置1を車
両に取り付ける場合を、図4乃至図6に基づき説明す
る。
【0063】図4は、本発明にかかる車両用座席昇降装
置1を車両20に搭載した状態を示す概略平面図であ
る。図4において、図中X方向が車両前方であり、図中
Y方向が車両横方向、すなわち車幅方向である。
【0064】図4に示したように、車両用座席昇降装置
1は、車両20の一列目の座席となる運転席20b、助
手席20cと、三列目の座席となる最後部の後部座席2
0gとの間の二列目の座席領域に設置され、スライドド
ア20fにより開閉される乗降口20eに隣接するよう
に設置される。
【0065】この設置に際し、車両用座席昇降装置1
は、車両20内の床面20aに沿う方向であって、車両
内空間の車幅方向に沿う方向にベース部5を移動させる
スライド機構21を、さらに備える。そして、スライド
機構21は、ベース部を回転自在に支持する。
【0066】具体的には、本発明にかかる車両用座席昇
降装置1は、車両20に専用の車体フレームを備えさせ
ることなく、車両20内の二列目の座席を取り外し、そ
の座席に代えてスライド機構21を固定する。
【0067】ベース部5をスライドさせるスライド機構
21がベース部5を回転自在に支持するので、車両20
内における回動動作の実行位置選択に自由度を持たせる
ことができる。したがって、座席20dに座る人に応じ
て座席の回動・スライド経路を設定できる。
【0068】以下、このスライド機構21を、図4に加
え、図5および図6を用いて詳述する。図5は、スライ
ド機構21の一例を示す概略平面図である。また、図6
は、図5におけるB−B断面を示す概略断面図である。
なお、図5において、説明の容易のため、ベース部5を
回転自在に支持する機構や、ベース部5に取り付けられ
る第1のアーム3等を省略し、ベース部5を理解の容易
のため仮想的に示すにとどめた。
【0069】図4乃至図6に示したように、スライド機
構21は、フレーム22と、案内棒23と、送りねじ軸
24と、送りねじ軸24を駆動するスライド用モータ2
5と、摺動部材26と、回転機構27と、を備える。
【0070】ここで、フレーム22は、ベース部5を車
両20内の運転席20b後部から助手席20c後部にま
で移動させるスライド幅を有する。これにより、ベース
部5に載置された座席20dを車両内空間の車幅方向全
体にわたって移動させることができる。したがって、車
両20の乗降口20eを左右どちらにも設けることがで
き、また、車両用座席昇降装置1により制御される座席
20dよりも後列の後部座席20gへの乗り降りが容易
となる。
【0071】以下、スライド機構21を図5および図6
に基づき詳述する。なお、本実施形態では、ベース部5
が、回転機構27により保持され、その回転機構27は
摺動部材26に取り付けられる構成を採用している。
【0072】摺動部材26は、貫通孔26aを両側部近
傍に平行になるように2つ備えるとともに、中央部付近
に雌ねじ部26bを備える。
【0073】案内棒23は、ベース部5のスライド方向
を規制する部材であり、摺動部材26に設けられた貫通
孔26aに挿し込まれる。
【0074】送りねじ軸24は、摺動部材26の雌ねじ
部26bと噛み合うように、軸全体にわたり所定のねじ
切りが施される。また、送りねじ軸24の端部には、モ
ータ25のマイタ歯車25aと噛み合うマイタ歯車24
aが固定される。
【0075】そして、モータ25がマイタ歯車25aを
回転させ、それに伴い、噛み合うマイタ歯車24aを回
転させる。その結果、送りねじ軸24の回転に応じて摺
動部材26がスライドする。このスライド方向およびス
ライド量は、モータ25の正逆回転および回転量により
制御される。
【0076】また、回転機構27は、ベース部5を回転
させる既知の構成を採用し、本実施形態では必要に応じ
手動で回転させる。なお、図4に示したように、運転席
20b側、後部座席20g側、および乗降口20e側に
向くことができるように、少なくとも180度回転する
構成とする。ただし、車両20の左右両側に乗降口20
eを設けた場合には、少なくとも270度、望ましくは
360度回転可能な構成を採用する。
【0077】続いて、車両用座席昇降装置1の基本的な
車両用座席昇降方法について図4および図7に基づき説
明する。図7は、車両用座席昇降装置1の昇降手順の一
例を示す概略図であり、図7(a)は、座席支持部2が
初期待機位置にある状態を示す。図7(b)は、座席支
持部2が最も高くなる位置にある状態を示す。図7
(c)は、座席支持部2の回動支軸2a,2bとベース
部5の回動支軸5a,5bとが同一線上にある状態を示
す。図7(d)は、座席支持部2が乗降位置にある状態
を示す。なお、図7に示した二点鎖線は、座席支持部2
を軸支する回動支軸2a,2bの回動軌跡を示す仮想線
である。
【0078】まず、車両用座席昇降装置1は、前述した
制御手段8の制御下においてスライド機構21が操作さ
れ、図4に示した、乗降口20eに対向する仮想座席位
置20hに配される。このとき、車両用座席昇降装置1
は、図7(a)に示したように、座席支持部2が初期待
機位置にあるように制御される。ここで、初期待機位置
とは、使用者が車両20内で座席に着座した状態を提供
する位置をいい、座席支持部2がベース部5に近接また
は隣接する状態をいう。
【0079】そして、前述した制御手段8の指示に基づ
き、駆動用モータ7を駆動させ、第1のアーム3を回動
させて、平行クランク機構を稼働させ、座席支持部2を
前述した初期待機位置から車両外の乗降位置へ変位させ
る。
【0080】図7(b)は、座席支持部2が最も高くな
る位置(最頂位置)にある状態を示しており、この状態
が最も座席に座った使用者の頭部が車両内空間の天井部
に近くなる。
【0081】図7(c)は、座席支持部2の回動支軸2
a,2bとベース部5の回動支軸5a,5bとが同一線
上にある状態、すなわち、平行クランク機構の回動支軸
(回動支点)が直線上にならんだ状態を示す。前述した
ように、従来であればこの状態で座席支持部2の水平状
態が維持できなかったが、第1のアーム3と第2のアー
ム4とを連結リンク部材6で連結することにより、この
状態における回動挙動を安定させることができる。
【0082】図7(d)は、座席支持部2が乗降位置に
ある状態を示している。具体的には、車両外に座席支持
部2を出し、使用者が容易に乗降できるように、地面に
近接する位置にまで回動させる。
【0083】以上のように、第1のアーム3を回動させ
ることにより、平行クランク機構を稼働させて、座席支
持部2に載置される座席を車両内の初期待機位置から、
車両外の乗降位置へ変位させる車両用座席昇降方法を実
現する。
【0084】〔変形例〕
【0085】次に、車両用座席昇降方法の変形例を図1
乃至図6および図8に基づき説明する。図8は、本変形
例にかかる車両用座席昇降方法の主要な昇降手順を示す
概略図であり、図8(a)は、座席支持部2が初期待機
位置にある状態を示す。図8(b)は、座席支持部2
が、座席支持部2を水平移動させるときの一時待機位置
にある状態を示す。図8(c)は、座席支持部2が乗降
位置にある状態を示す。
【0086】なお、本変形例においても、前述した図1
乃至図6に記載の車両用座席昇降装置1を用い、制御手
段8が、駆動機構7とスライド機構21とを制御し、座
席9を車両内の初期待機位置から車両外の乗降位置へ変
位させる。
【0087】以下、本変形例にかかる車両用座席昇降方
法を説明する。制御手段8は、外部指示信号に応じて、
座席が車両内位置にある状態で、第1のアーム3および
第2のアーム4を回動させ、座席支持部2を初期待機位
置から、少なくとも、車両20内の床面に対して最も高
くなる位置を通過した、一時待機位置に変位させる(図
8(a)参照)第1の回動ステップと、当該第1の回動
ステップにおいて、一時待機位置に変位させた座席支持
部2を、当該一時待機位置に維持した状態で、スライド
機構21を駆動しベース部5をスライドさせ、座席支持
部2を車両外へ変位させる(図8(b)参照)移動ステ
ップと、当該移動ステップにおいて、車両外へ移動させ
た座席支持部2を、第1のアーム3および第2のアーム
4を回動させ、一時待機位置から乗降位置に変位させる
(図8(c)参照)第2の回動ステップと、を実行す
る。
【0088】以上説明したように、第1の回動ステップ
の後、移動ステップをはさんで第2の回動ステップを行
うので、座席に乗る人の座高に応じた変位操作が可能で
ある。したがって、回動・スライド経路の選択の幅があ
る自由度の高い昇降方法を提供できる。
【0089】また、車両用座席昇降装置1を上述したよ
うに制御することにより、座席に乗る人の座高に応じた
変位操作が可能である。したがって、座席の昇降に際し
て、使用者に快適な座席昇降を実現できる変位機構を提
供できる。
【0090】以下、詳細に上述した昇降手順を説明す
る。
【0091】まず、車両用座席昇降装置1は、前述した
制御手段8の制御下においてスライド機構21が操作さ
れ、前述した図6にあるようにスライド機構21のスラ
イド幅の真ん中付近にベース部5を保持する。本変形例
では、前述した図7に示した昇降手順とは異なり、初期
待機位置を乗降口20eから離隔した位置(離隔初期待
機位置)とする。この離隔初期待機位置は、車両20の
乗降口20eの配置との兼ね合いにより定められる。
【0092】ここで、本変形例における車両用座席昇降
装置1も、車両20に専用の車体フレームを備えさせる
ことなく、車両20内の二列目の座席を取り外し、その
座席に代えてスライド機構21を固定する。そして、一
般に、車両20の乗降口20eの開口上部20iは、車
両の構造上の安全性などに鑑み、車両内空間の天井部分
よりも低く設けられる(図8(a)参照)。
【0093】このため、特に、身長の高い使用者が車両
用座席昇降装置1を用いる場合には、車両20の乗降口
20eの開口上部20iが、座席支持部2の回動に伴う
使用者の頭部の移動経路に干渉する事態を招くことが生
じ得る。したがって、このような、回動における干渉を
受けないように、乗降口20eから離隔した位置に車両
用座席昇降装置1のベース部5を配し、回動における干
渉を受けないようにしたのが本変形例の昇降手順であ
る。
【0094】以下、本変形例にかかる車両用座席昇降方
法を具体的に説明する。図8(a)に示したように、制
御手段8は、外部から受け付けた指示信号にしたがい、
駆動機構7を駆動して、座席が車両内位置にある状態
で、第1のアーム3および第2のアーム4を回動させ、
離隔初期待機位置にある座席支持部2を図中C方向に変
位させる。そして、少なくとも、車両20内の床面に対
して最も高くなる位置(最頂部)を通過した、一時待機
位置に変位させる。ここで、一時待機位置は、最頂部を
過ぎ、さらに座席に座った使用者の頭部が乗降口20e
の開口上部20iに接触しない位置(頭部非接触位置)
とする。これで、第1の回動ステップを完了する。
【0095】続いて、図8(b)に示したように、制御
手段8は、外部から受け付けた指示信号にしたがい、ス
ライド機構21のモータ25を駆動し、前述した一時待
機位置に変位させた座席支持部2を、当該一時待機位置
に維持した状態で、図中D方向へベース部5全体をスラ
イドさせる。そして、最終的に座席支持部2を車両外へ
変位させ、移動ステップを完了する。
【0096】最後に、図8(c)に示したように、制御
手段8は、外部から受け付けた指示信号にしたがい、再
び駆動機構7を駆動し、第1のアーム3および第2のア
ーム4を図中E方向へ回動させる。そして、前述した移
動ステップにおいて車両外へ移動させた座席支持部2
を、一時待機位置から乗降位置に変位させて、第2の回
動ステップを完了する。
【0097】以上説明した、回動ステップを二回設け
る、言うなれば二段階昇降手順を採用することにより、
車両の乗降口の開口上部による干渉を受けない回動経路
を自由に設定でき、使用者の体格に応じた快適な座席昇
降制御を実現できる。
【0098】なお、本発明は、以上説明した実施形態お
よび変形例に限られるものではない。例えば、以上説明
した車両用座席昇降装置1は、車両に対して取り外し可
能な構成としたが、車両を構成する車体フレームに直接
スライド機構21を固着する構成を採用してもよい。
【0099】また、十分に乗降口を広くとることができ
る車種に、本発明にかかる車両用座席昇降装置1を用い
る場合には、スライド機構21を省略し、回転機構27
を直接、車両の乗降口に隣接して設け、その場において
回転するように車両に設置する構成も採用し得る。なぜ
なら、最低限、連結リンク部材6を用いる構成を選択す
ることにより、安定した回動挙動による使用者の乗降を
可能にする点で十分に機能するものだからである。
【0100】さらに、制御手段8が有線リモコンなどの
遠隔操作手段により外部指示信号を受け付ける構成のみ
ならず、車両に専用の外部指示信号を生成する制御コン
ソールなどを設ける構成としてもよいことは言うまでも
ない。
【0101】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され、機能
するので、これによると、請求項1に記載の発明では、
平行クランク機構を形成する第1のアームと第2のアー
ムとを連結リンク部材で連結するので、座席支持部が形
成するリンクとベース部が形成するリンクとの平行関係
を確実に実現できる。したがって、第1のアームの回動
動作がなされても座席支持部は、安定した挙動を呈すの
で、使用者に快適な制御を可能にする変位機構を備えた
車両用座席昇降装置を提供できる。
【0102】また、請求項2に記載の発明では、第1の
回動支軸と当該第2の回動支軸とを水平方向に並設する
ので、ベース部に必要な高さを低く抑えることができ
る。したがって、ベース部を高さ方向においてコンパク
トに設計することが可能となる。
【0103】また、請求項3に記載の発明では、スライ
ド機構がベース部を回転自在に支持するので、車両内に
おける回動動作の実行位置選択に自由度を持たせること
ができる。したがって、座席に座る人に応じて座席の回
動・スライド経路を設定できる。
【0104】また、請求項4に記載の発明では、第1の
回動ステップの後、移動ステップをはさんで第2の回動
ステップを行うので、座席に乗る人の座高に応じた変位
操作が可能である。したがって、座席の昇降に際して、
使用者に快適な座席昇降を実現できる変位機構を提供で
きる。
【0105】また、請求項5に記載の発明では、スライ
ド機構が、ベース部を車両内の運転席後部から助手席後
部にまで移動させるスライド幅を有するので、乗降口を
左右どちらにも設けることができ、また、車両用座席昇
降装置により制御される座席よりも後列の座席への乗り
降りが容易となる。
【0106】また、請求項6に記載の発明では、第1の
回動ステップの後、移動ステップをはさんで第2の回動
ステップを行うので、座席に乗る人の座高に応じた変位
操作が可能である。したがって、回動・スライド経路の
選択の幅がある自由度の高い昇降方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車両用座席昇降装置の一例を示
す概略斜視図である。
【図2】図1に示した車両用座席昇降装置の動力伝達機
構を示す概略平面図である。
【図3】図2に示した動力伝達機構の概略断面図であ
る。
【図4】図1に示した車両用座席昇降装置を車両に設置
した際の概略図である。
【図5】図4に示した車両用座席昇降装置のスライド機
構の一例を示す平面図である。
【図6】図5に示したスライド機構の概略断面図であ
る。
【図7】図1に示した車両用座席昇降装置の昇降手順の
一例を示す概略図である。(a)は、座席支持部が待機
位置にある状態を示す。(b)は、座席支持部が最も高
くなる位置にある状態を示す。(c)は、座席支持部の
回動支軸とベース部の回動支軸とが同一線上にある状態
を示す。(d)は、座席支持部が乗降位置にある状態を
示す。
【図8】図1に示した車両用座席昇降装置の他の昇降手
順を示す概略図である。(a)は、座席支持部が初期待
機位置にある状態を示す。(b)は、座席支持部が座席
支持部を水平移動させる一時待機位置にある状態を示
す。(c)は、座席支持部が乗降位置にある状態を示
す。
【符号の説明】
1 車両用座席昇降装置 2 座席支持部 2a 回動支軸 2b 回動支軸 3 アーム 3a 回動支軸 3b 回動用平歯車 4 アーム 4a 回動支軸 5 ベース部 5a 回動支軸 5b 回動支軸 6 連結リンク部材 7 駆動機構(駆動用モータ) 7a 平歯車 8 制御手段 9 座席 10 同期軸 10a 平歯車 10b 傘歯車 11 伝達軸 11a 傘歯車 11b ウォーム 12 駆動軸 12a ウォームホイール 12b 駆動用平歯車 20 車両 20a 床面 20b 運転席 20c 助手席 20d 座席 20e 乗降口 20f スライドドア 20g 後部座席 20h 仮想座席位置 20i 開口上部 21 スライド機構 22 フレーム 23 案内棒 24 送りねじ軸 24a マイタ歯車 25 スライド用モータ 25a マイタ歯車 26 摺動部材 26a 貫通孔 26b 部 27 回転機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座席を備え付ける座席支持部と、 当該座席支持部に回動自在に取り付けた一対の第1のア
    ームと、 当該第1のアームに従動するように前記座席支持部に取
    り付けた一対の第2のアームと、 前記第1のアームを軸支する第1の回動支軸と、前記第
    2のアームを軸支する第2の回動支軸と、を備えるとと
    もに、前記座席支持部、前記第1のアーム、および前記
    第2のアーム、とにより平行クランク機構を形成するベ
    ース部と、 前記第1の回動支軸の中心と前記第2の回動支軸の中心
    とを結ぶ線に平行をなす方向に沿ったリンクを形成し、
    前記第1のアームと前記第2のアームとを連結する連結
    リンク部材と、 前記第1のアームの少なくとも一方を回動させる駆動機
    構と、を有することを特徴とする車両用座席昇降装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用座席昇降装置に
    おいて、 前記ベース部は、前記第1の回動支軸の中心と前記第2
    の回動支軸の中心とを結ぶ線が水平方向に沿うように、
    当該第1の回動支軸と当該第2の回動支軸とを並設した
    ことを特徴とする車両用座席昇降装置。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至請求項2に記載の車両用座
    席昇降装置において、 車両内の床面に沿う方向であって、車両内空間の車幅方
    向に沿う方向に前記ベース部を移動させるスライド機構
    を備え、 前記スライド機構は、前記ベース部を回転自在に支持す
    ることを特徴とする車両用座席昇降装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の車両用座席昇降装置に
    おいて、 前記駆動機構と前記スライド機構とを制御し、前記座席
    を車両内の初期待機位置から車両外の乗降位置へ変位さ
    せる制御手段を備え、 当該制御手段は、外部指示信号に応じて、 前記座席が前記車両内位置にある状態で、前記第1のア
    ームおよび前記第2のアームを回動させ、前記座席支持
    部を初期待機位置から、少なくとも、車両内の床面に対
    して最も高くなる位置を通過した、一時待機位置に変位
    させる第1の回動ステップと、 当該第1の回動ステップにおいて、前記一時待機位置に
    変位させた前記座席支持部を、当該一時待機位置に維持
    した状態で、前記スライド機構を駆動しベース部をスラ
    イドさせ、前記座席支持部を前記車両外へ変位させる移
    動ステップと、 当該移動ステップにおいて、前記車両外へ移動させた前
    記座席支持部を、前記第1のアームおよび前記第2のア
    ームを回動させ、前記一時待機位置から乗降位置に変位
    させる第2の回動ステップと、を実行することを特徴と
    する車両用座席昇降装置。
  5. 【請求項5】 請求項3乃至請求項4に記載の車両用座
    席昇降装置において、前記スライド機構は、前記ベース
    部を前記車両内の運転席後部から助手席後部にまで移動
    させるスライド幅を有することを特徴とする車両用座席
    昇降装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の車両用座席昇降装置を
    用いて、座席を車両内の初期待機位置から車両外の乗降
    位置へ変位させる車両用座席昇降方法であって、 前記座席が前記車両内位置にある状態で、前記第1のア
    ームおよび前記第2のアームを回動させ、前記座席支持
    部を初期待機位置から、少なくとも、車両内の床面に対
    して最も高くなる位置を通過した一時待機位置に変位さ
    せる第1の回動ステップと、 当該第1の回動ステップにおいて前記一時待機位置に変
    位させた前記座席支持部を、当該一時待機位置に維持し
    た状態で、前記スライド機構を駆動しベース部をスライ
    ドさせ、前記座席支持部を前記車両外へ変位させる移動
    ステップと、 当該移動ステップにおいて前記車両外へ移動させた前記
    座席支持部を、前記第1のアームおよび前記第2のアー
    ムを回動させ、前記一時待機位置から乗降位置に変位さ
    せる第2の回動ステップと、を有することを特徴とする
    車両用座席昇降方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114750668A (zh) * 2022-03-14 2022-07-15 上海金盾特种车辆装备有限公司 装卸机构及车辆

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