JP2003103587A - 可塑化装置及び可塑化装置内へのガス注入方法 - Google Patents

可塑化装置及び可塑化装置内へのガス注入方法

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JP2003103587A
JP2003103587A JP2001306169A JP2001306169A JP2003103587A JP 2003103587 A JP2003103587 A JP 2003103587A JP 2001306169 A JP2001306169 A JP 2001306169A JP 2001306169 A JP2001306169 A JP 2001306169A JP 2003103587 A JP2003103587 A JP 2003103587A
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gas
resin
screw
phase groove
cylinder
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JP2001306169A
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Tetsuo Uechi
哲男 上地
Toshihiko Kariya
俊彦 苅谷
Kiyoshi Kinoshita
木下  清
Takumi Matsumura
卓美 松村
Hiroshi Terayama
寺山  寛
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ガス状物質を効率よく溶融樹脂中
に分散・溶解させ、製品品質の向上を図ることが可能な
可塑化装置及び可塑化装置内へのガス注入方法を提供す
ることにある。 【解決手段】 本発明は、シリンダ5内に駆動可能に設
けられた可塑化スクリュ6を回転駆動させることによ
り、シリンダ5内に供給された熱可塑性樹脂3を溶融し
て移送すると共に、シリンダ5内に注入したガス又は液
状ガス又は臨界状態ガスGを溶融樹脂32に溶解させる
可塑化射出装置1において、スクリュ6の軸方向に沿っ
て配置される螺旋状のメインフライト7間に固体樹脂を
堰き止めるバリヤフライト10を設け、バリヤフライト
10によってメインフライト7間に固相溝33と液相溝
34とを形成し、スクリュ6の回転駆動時に、スクリュ
6の液相溝34側を樹脂未充満状態とし、この状態の液
相溝34にガス又は液状ガス又は臨界状態ガスGを注入
するように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機や押出
機等に適用され、発泡成形などで必要となるガス又は液
状ガス又は超臨界状態ガスをシリンダ側又はスクリュ側
からシリンダ内に注入し、当該ガス又は液状ガス又は超
臨界状態ガスを溶融樹脂に溶解させる可塑化射出装置及
びその可塑化射出装置内へのガス注入方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】各種の樹脂製品を得る方法としては、可
塑化射出装置のノズルから熱可塑性の溶融樹脂を成形用
金型の製品対応形状に形成されたキャビティ内に射出注
入し、そこで発泡させて成形する射出発泡成形法があ
る。このような樹脂を発泡させる方法には、ガス発泡と
化学発泡とがあり、ガス発泡は発泡剤としてCO2、N2
等の不活性ガスを用い、これを超臨界状態あるいは液体
状態あるいは気体状態にして樹脂の溶融段階で溶融樹脂
に注入し、当該不活性ガスを溶融樹脂に分散・溶解(浸
透)させて、溶融樹脂を金型のキャビティ内に射出注入
後発泡させている。一方、化学発泡は、予め発泡剤をペ
レット状の樹脂に混入させておき、可塑化と同時に化学
発泡剤からCO2、N2等の不活性ガスを発生させて、当
該不活性ガスを溶融樹脂に分散・溶解(浸透)させて、
この状態で金型のキャビティ内に射出して発泡させてい
る。これら発泡方法のうち、ガス発泡は高価な化学発泡
剤を必要とせず、成形性及び製品品質の点などで化学発
泡よりも優れている。
【0003】従来の射出発泡成形機を図5に示す。射出
発泡成形機は樹脂を溶解しその樹脂に発泡ガスを溶解さ
せ、さらに金型に射出する可塑化射出装置51と、射出
された溶融樹脂を発泡成形する成形用金型2を取付ける
型締め装置101に分れる。この可塑化射出装置51で
は、ホッパ54に投入されたペレット状の熱可塑性樹脂
53をシリンダ55内に供給し、シリンダ55内に駆動
可能に設けられたスクリュ56を回転駆動させると、そ
の螺旋状のフライト57間の溝に導入された熱可塑性樹
脂54がスクリュ56の推進力でシリンダ55の先端側
へ移送され、その移送の途中で熱可塑性樹脂53がヒー
タ58の加熱や剪断発熱により溶融される。しかも、シ
リンダ55の中間部には、溶融樹脂を成形用金型2内で
ガス発泡させるためのガス又は液状ガス又は超臨界状態
ガス(これらを併せてガス状物質とも呼ぶ)の注入口5
9が設けられており、移送中の溶融樹脂にガス又は液状
ガス又は超臨界状態ガスを高圧力の下で注入し、溶融樹
脂中に分散・溶解させている。一般的に本可塑化射出装
置のスクリュには、図6に示すような第1ステージ61
と第2ステージ62を持つ2ステージ型スクリュ56が
使用される。この型式のスクリュ56では、基端側より
先端側にかけて順に第1ステージ供給部63、第1ステ
ージ圧縮部64、第1ステージメタリング部65、第2
ステージ供給部(減圧部)66、第2ステージ圧縮部6
7、第2ステージメタリング部68が設けられている。
さらに逆流防止弁160、スクリュチップ161が設け
られている。減圧部66は、第2ステージ部62の開始
部分に位置し、ここにガス状物質が注入口59を介して
注入される。
【0004】図5に示すように、成形用金型2では、ダ
イヘッド102に取付けられる固定型2aと、可動プラ
テン103に取付けられる可動型2bとを備えており、
ガス状物質の分散・溶解した溶融樹脂が可塑化装置51
から型締め・昇圧状態のキャビティ2c内に射出充填さ
れると、キャビティ2c内で溶融樹脂がガス発泡しなが
ら成形され、冷却固化後に成形用金型52を開いて樹脂
製品の取り出しが行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の可塑
化射出装置51においては、第1ステージ61では、ス
クリュ56により加圧されながらシリンダ55の先端側
へ移送される固体樹脂(固相樹脂)54がシリンダ55
の内表面に接した部分で溶融し、図7に示すように溶融
樹脂(液相樹脂)32となってフライト57の側面に溜
まり、メルトプール732を形成する。第1ステージ6
1終端部では固相の溶融がほぼ完了し、液相が第2ステ
ージ62に送られる。第2ステージ62の第2ステージ
供給部66では、第2ステージ供給部66の圧力が大気
圧あるいは注入ガス状物質の圧力以上であると充満状態
であるが、第2ステージ供給部66の圧力が大気圧以下
となったり、第2ステージフィード部62の圧力以上の
ガス状物質を注入すると、図8のように押圧フライト5
7a側に樹脂滞留部を、引きフライト57b側にガス状
物質滞留部73を形成する。押圧フライト57a側の樹
脂滞留部の溶融樹脂32がフライト57を乗り越えてガ
ス状物質滞留部73のシリンダ壁面に形成される溶融フ
ィルム層42となる。大部分の溶融樹脂32は、溶融フ
ィルムを形成せず、対流41による表面更新はあるもの
の、溶融樹脂滞留部としてシリンダ55の先端側へ移送
されてしまうので、ガスの効率的吸収が行われる薄い溶
融フィルム層42の状態でガス状物質に接触するのは一
部の樹脂に限られ、ガス状物質との接触表面積が小さ
く、効率的に溶融樹脂32中へのガス状物質の溶解が促
進されないという不具合を有していた。しかも、ガス交
換が行われる区間は第2ステージ減圧部66に限られ、
ガス交換時間が短いという問題があった。したがって、
従来の可塑化射出装置51では、必要かつ十分なガス状
物質が均一に分散・溶解した溶融樹脂32を成形用金型
2のキャビティ2c内に射出充填することが難しいた
め、発泡成形される樹脂製品の品質向上を図ることが困
難であった。
【0006】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ガス状物質を効率よく溶融
樹脂中に分散・溶解させ、製品品質の向上を図ることが
可能な可塑化装置及び可塑化装置内へのガス注入方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本発明は、シリンダ内に駆動可能
に設けられたスクリュを回転駆動させることにより、前
記シリンダ内に供給された熱可塑性樹脂を溶融して移送
すると共に、前記シリンダ内に注入したガス又は液状ガ
ス又は超臨界状態ガスを溶融樹脂に溶解させる可塑化装
置において、前記スクリュの軸方向に沿って配置される
螺旋状のメインフライト間に固体樹脂を堰き止めるバリ
ヤフライトを設け、該バリヤフライトによって前記メイ
ンフライト間に固相溝と液相溝とを形成し、前記スクリ
ュの回転駆動時に、前記スクリュの液相溝側を樹脂未充
満状態とし、この状態の液相溝に前記ガス又は液状ガス
又は超臨界状態ガスを注入するように構成している。
【0008】また、本発明は、シリンダ内に駆動可能に
設けられ、かつ固体樹脂を堰き止めるバリヤフライトに
よって螺旋状のメインフライト間に固相溝と液相溝とが
形成されたバリヤ型スクリュを用い、このスクリュを回
転駆動させて前記液相溝側を樹脂未充満状態とし、さら
に前記固相溝で溶融した熱可塑性樹脂を、前記シリンダ
内表面に溶融フィルム層を生成しながら前記液相溝側に
流出させると共に、前記樹脂未充満状態の液相溝にガス
又は液状ガス又は超臨界状態ガスを注入し、この注入し
たガス又は液状ガス又は超臨界状態ガスを前記溶融フィ
ルム層及び樹脂滞留部を介して前記溶融樹脂中に溶解さ
せている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。ここで、図1は本発明の実
施の形態に係る可塑化射出装置と型締め装置及び成形用
金型の側面図、図2は図1の可塑化射出装置に配設され
るスクリュの側面図、図3は図1の可塑化射出装置にお
いて、ガス注入部分の樹脂状態の側面図、図4は図3の
A−A断面図である。
【0010】本発明の実施形態に係る可塑化射出装置1
及び成形用金型2は、各種の樹脂製品を射出発泡成形法
により成形する場合に使用されており、可塑化射出装置
1は成形材料の熱可塑性樹脂3を溶融して可塑化するも
のであり、成形用金型2は可塑化射出装置1により射出
された溶融樹脂を発泡成形するものである。可塑化射出
装置1は、図1に示す如く、シリンダ5と、該シリンダ
5の内部に駆動可能に設けられた可塑化スクリュ6とを
備えている。シリンダ5の基端側(図中右側)には、ペ
レット状の熱可塑性樹脂3を貯留して当該シリンダ5内
に供給するホッパ4が設けられ、シリンダ5の先端側
(図中左側)には、溶融可塑化された熱可塑性樹脂3を
成形用金型2側へ射出するノズル12が設けられてい
る。本例では、可塑化安定性向上のため、熱可塑性樹脂
3は、定量フィーダ11を経て、スクリュ基部に供給さ
れる例を示すが、定量フィーダは無くてもかまわない。
また、シリンダ5の軸方向の中間部であって、シリンダ
5内の圧力が低下する減圧位置には、ガス状態又は液状
態又は超臨界状態にあるCO2、N2などの不活性ガスG
をシリンダ5内に注入する注入口9が設けられており、
該注入口9は、ポンプ13、バルブ14等の計量装置を
介してガス供給源15に接続されている。なお、シリン
ダ5の外周囲には、シリンダ5を加熱するヒータ8が配
装されている。
【0011】上記可塑化スクリュ6は、熱可塑性樹脂3
を溶融しながらシリンダ6の先端側へ向かって移送する
ものであって、モータ16で矢印a方向へ回転駆動され
ると共に、矢印b方向(シリンダ5の軸方向)へ前後移
動するように構成されている。また、可塑化スクリュ6
には、図2に示すように、軸方向に沿って配置される螺
旋状のメインフライト7が形成されている。
【0012】そして、第1ステージ相当区間21と第2
ステージ22に分かれる。第1ステージ相当区間21
は、バリヤスクリュ供給部23とバリヤ区間24に分か
れる。バリヤ区間24は、可塑化スクリュ6の中間部分
に位置し、メインフライト7の間には、バリヤフライト
10がメインフライト7の高さと同じかやや低い突条に
形成されており、供給された熱可塑性樹脂3のうち、固
体樹脂(固相樹脂)31を堰き止める。各メインフライ
ト7間には、バリヤフライト10によって固相溝33と
液相溝34とが形成されており、固相溝33はバリヤフ
ライト10をはさんで可塑化スクリュ6の回転方向上流
側に配置され、液相溝34は可塑化スクリュ6の回転方
向下流側に配置されている。第2ステージ22は、第2
ステージ供給部(減圧部)26と第2ステージ圧縮部2
7、第2ステージメタリング部28からなる。メタリン
グ部の先端側には、混合性向上のため、ダルメージ等の
ミキシング部29が設けられる場合がある。このよう
に、可塑化スクリュ6は、バリヤフライト10を有する
バリヤ型スクリュとして構成されており、その回転駆動
時に、当該スクリュ6の液相溝34側を樹脂未充満状態
とし、この状態の液相溝34に注入口9より不活性ガス
Gを注入するようになっている。なお、ここでいうバリ
ヤ型スクリュとは、メインフライト7間のバリヤフライ
ト10が閉じた構造のスクリュであり、固体樹脂31と
溶融樹脂(液相樹脂)32とを分離する機能を有するも
ののみならず、一旦溶融した樹脂が通過する部分にバリ
ヤフライト10を持つものでも良く、可塑化スクリュ6
内を移送される全ての樹脂が一旦はこのバリヤフライト
10の頂部を通過する構造のものをいう。
【0013】一方、上記成形用金型2には、樹脂製品の
形状と対応した製品キャビティ2cが形成されており、
この製品キャビティ2cには、可塑化射出装置1のノズ
ル12から溶融樹脂32が射出注入され、「型閉」、
「型締め・昇圧」、「型寸開」、「型停止」、「型開」
及び「製品取出」などの各工程を経て射出成形の1サイ
クルが終了するようになっている。そのため、成形用金
型2は、ダイヘッド102に取付けられる固定型2a
と、可動プラテン103に取付けられる可動型2bとを
備えており、これら固定型2a及び可動型2bは、ダイ
ヘッド102と可動プラテン103との間で互いに対向
して配設され、図示しない型締ラムを動かすことによっ
て、可動プラテン103及び可動型2bが一体となって
前後進するように構成されている。
【0014】次に、本発明の実施形態に係る可塑化射出
装置1の作用及び当該可塑化射出装置1内へのガス注入
方法を説明する。先ず、図1に示す如く、ペレット状の
熱可塑性樹脂3をホッパ4から可塑化射出装置1のシリ
ンダ5内に落下させ、熱可塑性樹脂3をバリヤ型可塑化
スクリュ6の周囲に供給すると共に、モータ16により
可塑化スクリュ6を回転駆動させる。すると、熱可塑性
樹脂3は可塑化スクリュ6の推進力によりフライト溝に
沿ってシリンダ5の先端側に移送され、移送されている
間にヒータ8による加熱及び剪断発熱で溶融して可塑化
される。
【0015】熱可塑性樹脂3の固体樹脂31及び溶融樹
脂32がバリヤフライト10のある区間に移送される
と、図3及び図4に示す如く、固体樹脂31がバリヤフ
ライト10により堰き止められて上流側の固相溝33に
留まる。そして、固体樹脂31は、固相溝33に留まっ
ている間に溶融される。溶融樹脂32は、バリヤフライ
ト10の頂部を乗り越えて、下流側の未充満状態の液相
溝34に流出することになる。液相溝34の圧力を大気
圧以下にするか、あるいは液相溝圧力以上のガス状物質
を供給すると液相溝34が樹脂で未充満状態となり、ガ
ス状物質滞留部を形成し、溶融樹脂はシリンダ内表面に
薄膜の溶融フィルム層42を常に生成しながら、液相溝
34に流出する。この間、ガス供給源15からガス又は
液状ガス又は臨界状態ガスである不活性ガスGが注入口
9に供給され、樹脂未充満状態の液相溝34に注入され
ているため、不活性ガスGは溶融フィルム層42を介し
て溶融樹脂32中に均一に分散・溶解する。すなわち、
供給されたすべての熱可塑性樹脂3は、溶融フィルム層
42の状態で不活性ガスGと接触することになるので、
効率よくガス状物質を溶融樹脂中に吸収させることがで
きる。また、ガス注入部を可塑化部とバリヤ区間24で
重複させることができるので、従来と同様の第2ステー
ジ供給部(減圧部)のガス接触と合わせ、スクリュ内の
樹脂とガスの接触時間を増大させることが可能になり、
ガス状物質の樹脂への溶解を促進できると共にスクリュ
長を低減できる。
【0016】その後、このような手順で不活性ガスGを
溶解させた溶融樹脂32が可塑化スクリュ6の回転駆動
によりシリンダ5の先端側に順次移送され、所定の量が
溜められると、可塑化スクリュ6を軸方向へ前進移動さ
せ、製品体積に対応した量の溶融樹脂32をノズル12
から成形用金型2の製品キャビティ2c内に射出する。
すると、溶融樹脂32は製品キャビティ2c内でガス発
泡して成形されることになるから、冷却固化して成形用
金型2を開き、樹脂製品を取り出せば、成形作業は完了
する。
【0017】ところで、可塑化スクリュ6内を通過する
熱可塑化樹脂3に不活性ガスGなどを溶解させるために
は、ガス圧を高めること、樹脂温度を低くすることと共
に、不活性ガスGと溶融樹脂32との接触面積を大きく
取ること、不活性ガスGが溶解した接触部の溶融樹脂3
2を更新し、ガス濃度の低い樹脂をガス表面に接触させ
ることが必要である。本発明の実施形態に係る可塑化射
出装置1及びガス注入方法では、シリンダ5内に配置さ
れる可塑化スクリュ6のメインフライト7間にバリヤフ
ライト10を設け、このバリヤフライト10によってメ
インフライト7間に固相溝33と液相溝34とを形成し
て、可塑化スクリュ6の回転駆動時に、液相溝34を樹
脂未充満状態とし、この部分に不活性ガスGを注入口9
より注入するため、可塑化区間とガス交換区間をラップ
させることができ、バリヤフライト区間に続く、従来ス
クリュと同等の機能を有する第2ステージ供給部(減圧
部)26の存在とあいまって、樹脂とガスの接触時間を
増大させると共に、固相溝33で溶融した溶融樹脂32
が常に薄膜の溶融フィルム層42を生成しながら液相溝
34に流出することになる。したがって、溶融樹脂32
は、溶融フィルム層42を介して不活性ガスGと接触す
ることになり、当該不活性ガスGとの接触面積が大き
く、不活性ガスGを溶融樹脂32中に効率よく分散・溶
解させることができる。
【0018】以上、本発明の実施の形態につき述べた
が、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更
が可能である。例えば、本発明の実施の形態では、1条
のメインフライト7間にバリヤフライト10を設置した
が、機種等に対応して多条のメインフライトのそれぞれ
の溝にバリヤフライト10を設置しても良い。また、本
発明の実施の形態では、不活性ガスGをシリンダ5に設
けた注入口9より注入したが、可塑化スクリュ6の内部
を通って対応する位置の連通孔より注入しても良い。
【0019】
【発明の効果】上述の如く、本発明に係る可塑化装置
は、シリンダ内に駆動可能に設けられたスクリュを回転
駆動させることにより、前記シリンダ内に供給された熱
可塑性樹脂を溶融して移送すると共に、前記シリンダ内
に注入したガス又は液状ガス又は超臨界状態ガスを溶融
樹脂に溶解させるものであって、前記スクリュの軸方向
に沿って配置される螺旋状のメインフライト間に固体樹
脂を堰き止めるバリヤフライトを設け、該バリヤフライ
トによって前記メインフライト間に固相溝と液相溝とを
形成し、前記スクリュの回転駆動時に、前記スクリュの
液相溝側を樹脂未充満状態とし、この状態の液相溝に前
記ガス又は液状ガス又は超臨界状態ガスを注入するよう
に構成しているので、ガス交換部と可塑化部をラップで
き、したがってスクリュ内の樹脂とガスとの接触時間を
増大させることが可能になると共に、溶融樹脂を溶融樹
脂フィルムの状態でガス又は液状ガス又は超臨界状態ガ
スと接触させることできる。その結果、溶融樹脂中に効
率よく均一に分散・溶解させることができ、品質の優れ
た樹脂製品を得ることができる。
【0020】また、本発明に係る可塑化装置内へのガス
注入方法は、シリンダ内に駆動可能に設けられ、かつ固
体樹脂を堰き止めるバリヤフライトによって螺旋状のメ
インフライト間に固相溝と液相溝とが形成されたバリヤ
型スクリュを用い、このスクリュを回転駆動させて前記
液相溝側を樹脂未充満状態とし、さらに前記固相溝で溶
融した熱可塑性樹脂を、前記シリンダ内表面に溶融フィ
ルム層を生成しながら前記液相溝側に流出させると共
に、前記樹脂未充満状態の液相溝にガス又は液状ガス又
は超臨界状態ガスを注入し、この注入したガス又は液状
ガス又は超臨界状態ガスを前記溶融フィルム層及び樹脂
滞留部を介して前記溶融樹脂中に溶解させているので、
ガス交換部と可塑化部を重複配置でき、バリヤフライト
区間に続く従来ガス交換区間と同等の機能を有する低圧
区間の存在とあいまって、ガス又は液状ガス又は超臨界
状態ガスを溶融樹脂中に円滑かつ確実に効率よく溶解さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る可塑化射出装置と成
形用金型を含む型締め装置を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る可塑化射出装置に配
設されるスクリュの側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る可塑化射出装置に配
設されるスクリュのうち、ガス注入部分を示す側面図で
ある。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】従来の可塑化射出装置と成形用金型を含む型締
め装置を示す側面図である。
【図6】従来の可塑化射出装置に配設されるスクリュの
側面図である。
【図7】従来の可塑化射出装置の可塑化スクリュにおけ
る、ガス注入部の側面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 可塑化射出装置 2 成形用金型 2a 固定型 2b 可動型 2c 製品キャビティ 3 熱可塑性樹脂 4 原料ホッパ 5 可塑化シリンダ 6 可塑化スクリュ 7 メインフライト 8 ヒータ 9 ガス注入口 10 バリヤフライト 11 定量フィーダ 12 ノズル 13 ガス状物質定量ポンプ 14 バルブ 15 ガス供給源 16 モータ 21 第1ステージ相当区間 22 第2ステージ 23 バリヤスクリュ供給部 24 バリヤ区間 26 第2ステージ供給部(減圧部) 27 第2ステージ圧縮部 28 第2ステージメタリング部 29 ミキシング部 31 固体樹脂 32 溶融樹脂 33 固相溝 34 液相溝 35 ガス状物質滞留部 41 樹脂滞留部の対流 42 溶融フィルム層 120 逆流防止弁 121 スクリュチップ G 不活性ガス(ガス又は液状ガス又は臨界状態ガス)
の流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 清 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 松村 卓美 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 寺山 寛 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社産業機器事業部内 Fターム(参考) 4F206 JA07 JF04 JF12 JF23 JL02 JN03 JQ17 JQ22 JQ41

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に駆動可能に設けられたスク
    リュを回転駆動させることにより、前記シリンダ内に供
    給された熱可塑性樹脂を溶融して移送すると共に、前記
    シリンダ内に注入したガス又は液状ガス又は超臨界状態
    ガスを溶融樹脂に溶解させる可塑化装置において、前記
    スクリュの軸方向に沿って配置される螺旋状のメインフ
    ライト間に固体樹脂を堰き止めるバリヤフライトを設
    け、該バリヤフライトによって前記メインフライト間に
    固相溝と液相溝とを形成し、前記スクリュの回転駆動時
    に、前記スクリュの液相溝側を樹脂未充満状態とし、こ
    の状態の液相溝に前記ガス又は液状ガス又は超臨界状態
    ガスをシリンダ側又はスクリュ側に設けた注入孔から注
    入するように構成したことを特徴とする可塑化装置。
  2. 【請求項2】 前記固相溝は前記スクリュのバリヤフラ
    イトに対し回転方向上流側に配置され、前記液相溝は前
    記スクリュの回転方向下流側に配置されていることを特
    徴とする請求項1に記載の可塑化装置。
  3. 【請求項3】 シリンダ内に駆動可能に設けられ、かつ
    固体樹脂を堰き止めるバリヤフライトによって螺旋状の
    メインフライト間に固相溝と液相溝とが形成されたバリ
    ヤ型スクリュを用い、このスクリュを回転駆動させて前
    記液相溝側を樹脂未充満状態とし、さらに前記固相溝で
    溶融した熱可塑性樹脂を、前記シリンダ内表面に溶融フ
    ィルム層を生成しながら前記液相溝側に流出させると共
    に、前記樹脂未充満状態の液相溝にガス又は液状ガス又
    は超臨界状態ガスを注入し、この注入したガス又は液状
    ガス又は超臨界状態ガスを前記溶融フィルム層及び樹脂
    滞留部を介して前記溶融樹脂中に溶解させることを特徴
    とする可塑化装置内へのガス注入方法。
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