JP2003103252A - 被処理液の加熱滅菌方法及び装置 - Google Patents

被処理液の加熱滅菌方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】被処理液を連続的に加熱滅菌する滅菌装置の下
流路の汚染を確実に防止できる加熱滅菌方法及び装置を
提供する。 【解決手段】被処理液Aを加熱器2で滅菌温度に加熱の
うえ保持手段3で所要時間保持し且つ保持後の処理済液
Eを予熱器6、7に導いて加熱前の被処理液Aの予熱に
用いる加熱滅菌において、保持手段3と予熱器6、7と
の間に抜取路14を切替手段V1・V2経由で接続し、加熱器
2の出口の温度不足検出時に加熱器2への被処理液Aの
流入を停止すると共に切替手段V1・V2を抜取路14側へ切
り替えて加熱器2及び保持手段3内の残留液を排液路14
へ抜き取り、滅菌再開時に切替手段V1・V2を戻して加熱
器2への被処理液Aの流入を再開する。好ましくは、加
熱器2への被処理液A又は洗浄液Iの流入開始時又は再
開時に該流入液を加熱器2の出口で滅菌温度となる初期
流量で流入させ、加熱器2の出口の液温が滅菌温度とな
るように流量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被処理液の加熱滅菌
方法及び装置に関し、とくに微生物及び/又はウィルス
(細菌、糸状菌、酵母、らん藻、原生動物、ウィルス・
ファージ、プリオン等から選択された1以上のものをい
う。以下、同じ。)の存在が懸念される廃液・排水その
他の被処理液を不活化する加熱滅菌方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】微生物及び/又はウィルスの存在が懸念
される廃液や排水等(以下、被処理液ということがあ
る。)を排出する血液製剤等の製薬工場や病院等の施設
では、被処理液による施設内での感染防止と共に、施設
外へ排出する被処理液の不活化が求められる。被処理液
の不活化とは被処理液中の微生物及びウィルスの活動を
抑制することであり、微生物及びウィルスの種類によっ
て条件は異なるが、滅菌・殺菌・消毒等(以下、これら
を纏めて滅菌という。)により達成される。
【0003】従来から被処理液に対して(1)pH調整や
凝集沈澱処理により沈澱部分を分離して焼却処分し、液
相部分は次亜塩素酸ナトリウム等の薬剤により滅菌した
のち過剰薬剤を中和して施設外へ排出する方法、(2)
キルタンクやオートクレーブ等に貯え、バッチ処理によ
り蒸気又は薬液を直接投入して加熱処理又は化学処理し
たのち施設外へ排出する方法等の滅菌が行われている。
しかし、薬剤による滅菌は多量の薬剤と焼却エネルギー
とを要するので、ランニングコストが嵩む問題点があ
る。また、キルタンクやオートクレーブによる滅菌はバ
ッチ式であるため大規模な装置が必要となり、設備コス
トが嵩む問題点がある。
【0004】これに対し熱交換器を用いれば、比較的小
さな装置で被処理液を連続的に処理できるので、経済的
な滅菌が期待できる。ただし、熱交換器による滅菌で
は、熱処理時に固化変性した被処理液中の微生物・ウィ
ルスその他の有機物(例えば血液製剤等の被処理液中の
血漿蛋白質等)が伝(電)熱板や配管内に沈澱・付着し
て管路を閉塞するおそれがある。
【0005】本発明者は、被処理液を蛋白質が沈澱しな
いpHとして熱交換器に通すことにより、配管の閉塞を生
じさせない熱交換器利用の滅菌方法及び装置を開発し、
特願2000-165344に開示した。図3を参照するに、同出
願の滅菌装置は、微生物及び/又はウィルス含有排水A'
を貯める原水受槽31、原水受槽31中の排水A'のpHを調整
するpH調整装置32、排水A'を滅菌温度で所要時間保持す
る熱交換装置33、及び原水受槽31中の排水A'を熱交換装
置33へ送る送水管38を有し、pH調整装置32により排水A'
を微生物及び/又はウィルスの構成蛋白質が滅菌による
変性後も沈澱しないpHとしたのち熱交換装置33へ送る。
熱交換装置33は、熱交換器34により排水A'を滅菌温度に
昇温した上で、滅菌温度の高温排水D'をホールディング
チューブ35により所要時間保持する。熱交換装置33によ
る滅菌効果は排水A'のpHにより影響されない。同図の滅
菌装置によれば蛋白質の管路への沈澱が抑制できるの
で、メンテナンス及び管理の容易化、ランニングコスト
の低減が図れる。
【0006】更に、送水管38に熱交換装置33へ通す前の
排水A'を滅菌温度に保持後の滅菌済排水E'との熱交換で
昇温する予熱装置42、43を設けることにより、熱交換装
置33での昇温及び滅菌済排水E'の降温に必要なエネルギ
ーを節減すると共に昇温に必要なエネルギーも回収再利
用でき、ランニングコストの更なる抑制を図ることがで
きる。同図の符号36は熱交換器34の出口の液温を測定す
る温度センサ、符号37はホールディングチューブ35内の
圧力を測定する圧力センサを示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図3のように
排水A'を連続処理する滅菌装置では、排水A'の流入初期
段階や何らかの異常時(流量制御不調時やポンプ故障時
等)に、排水A'の加熱不足が生じ得る問題点がある。一
般に滅菌保証レベル(Sterility Assurance Level)
は、初期生菌数N0に対する滅菌後の生菌数Nの生存割合
(=N/N0)が100万分の1(10-6)以下と定義される
(古橋正吉著「滅菌・消毒マニュアル」日本醫事新報
社、1999年1月、p37。以下、6桁滅菌という)。例えば
一般細菌の6桁滅菌には121℃で9分間(好ましくは15
分間)以上、134℃では0.45分間(好ましくは3分間)
以上の保持が必要である。またB型肝炎ウィルスの6桁
滅菌には98℃で2分間、108℃では72秒間の保持が必要
である(前掲「滅菌・消毒マニュアル」p49。佐々木次
雄他著「日本薬局方に準拠した滅菌法及び微生物殺滅
法」日本規格協会、1998年2月、p19)。このように6桁
滅菌の確保には滅菌温度への加熱と所要時間に亘る滅菌
温度の保持とが必要とされるため、熱交換器34の加熱不
足により滅菌温度が得られなければホールディングチュ
ーブ35の保持時間では6桁滅菌が確保できなくなり、排
水A'が滅菌不十分のまま予熱装置42、43及びその下流の
放水管41へ流れ出るおそれがある。
【0008】排水A'が滅菌不十分のままホールディング
チューブ35から流れ出ると、その排水A'を回収するだけ
では解決とならず、ホールディングチューブ35より下流
側の管路(以下、滅菌装置の下流路ということがあ
る。)の微生物やウィルスによる汚染の問題が生じる。
下流路が微生物やウィルスで汚染されると、熱交換装置
33の加熱が回復して6桁滅菌が確保できるようになって
も、ホールディングチューブ35からの滅菌済排水E'が下
流路を経由する過程で微生物及び/又はウィルスに再汚
染される可能性がある。とくに予熱装置42、43を設けた
図3の例では予熱装置42、43において滅菌済排水E'の温
度が下がるので、滅菌済排水E'による下流路の滅菌作用
は期待できない。従って、滅菌装置の下流路が汚染され
た場合は、下流路の分解・滅菌という大規模な消毒処理
操作や工事等が必要となる。被処理液の連続的な加熱滅
菌処理では、滅菌装置の下流路の微生物及び/又はウィ
ルスによる汚染を防ぎ、下流路での再汚染を避ける対策
が必要である。
【0009】そこで本発明の目的は、被処理液を連続的
に加熱滅菌する滅菌装置の下流路の汚染を確実に防止で
きる加熱滅菌方法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1のブロック図及び図
2の流れ図を参照するに、本発明の被処理液の加熱滅菌
方法は、被処理液Aを加熱器2により滅菌温度に加熱の
うえ保持手段3で所要時間保持し且つ保持後の処理済液
Eを予熱器6、7に導いて加熱前の被処理液Aの予熱に
用いる加熱滅菌方法において、保持手段3と予熱器6、
7との間に排液溜18へ連通した抜取路14を切替手段V1・
V2経由で接続し、加熱器2の出口の温度不足検出時に加
熱器2への被処理液Aの流入を停止すると共に切替手段
V1・V2を抜取路14側へ切り替えて加熱器2及び保持手段
3内の残留液を排液溜18へ抜き取り、滅菌再開時に切替
手段V1・V2を戻して加熱器2への被処理液Aの流入を再
開してなるものである。
【0011】好ましくは、加熱器2の出口の温度不足検
出時に加熱器2経由で流入させた洗浄液Iにより前記残
留液を排液溜18へ押し出す。更に好ましくは、加熱器2
への被処理液A又は洗浄液Iの流入開始時又は再開時に
該流入液を加熱器2の出口で滅菌温度となる初期流量で
流入させ、加熱器2の出口の液温が滅菌温度となるよう
に被処理液A又は洗浄液Iの流量を制御する。
【0012】また図1のブロック図を参照するに、本発
明の被処理液の加熱滅菌装置は、被処理液Aを滅菌温度
に加熱する加熱器2、加熱器2の入口に連通する被処理
液Aの送入路11に設けた開閉弁V3、加熱器2の出口に連
通し滅菌温度の被処理液Aを所要時間保持する保持手段
3、保持手段3通過後の処理済液Eにより加熱前の被処
理液Aを昇温する予熱器6、7、排液溜18に連通し保持
手段3と予熱器6、7との間に切替手段V1・V2を介して
接続した抜取路14、加熱器2の出口の液温を検出する温
度検出器8、及び温度検出器8による温度不足検出時に
開閉弁V3を閉鎖し且つ切替手段V1・V2を抜取路14側へ切
り替えて加熱器2及び保持手段3内の残留液を排液溜18
へ抜き取る抜取手段10を備えてなるものである。
【0013】好ましくは、送入路11に洗浄液弁V4を介し
て連通する洗浄液槽17を設け、前記温度不足検出時に洗
浄液弁V4を開放し加熱器2経由で流入させた洗浄液Iに
より前記残留液を排液溜18へ押し出す。更に好ましく
は、送入路11に、加熱器2への被処理液A又は洗浄液I
の流入開始時又は再開時に該流入液を加熱器2の出口で
滅菌温度となる初期流量で流入させ且つ加熱器2の出口
の液温が滅菌温度となるように被処理液A又は洗浄液I
の流量を制御する流量制御手段20を設ける。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、血液製剤等の製薬施設・
工場や病院等のCIP(Cleaning in Place;生産状態のま
まで、特に装置に追加的機器を取り付けることなく又は
生産設備を分解することなく行われる自動洗浄をいう。
以下同じ。)排水、洗浄室からの洗浄排水、床排水等の
被処理液Aの滅菌に本発明を適用した実施例のブロック
図を示す。同図を参照するに、本発明の加熱滅菌装置
は、被処理液Aを滅菌温度に加熱する加熱器2と、加熱
器2の出口に連通し滅菌温度の被処理液Aを所要時間保
持するホールディングチューブ等の保持手段3と、保持
手段3通過後の処理済液Eにより加熱前の被処理液Aを
昇温する予熱器6、7とを有する。
【0015】加熱器2及び保持手段3により、被処理液
Aを、微生物・ウィルスの種類に応じた滅菌温度で所要
時間保持する滅菌路4を構成する。加熱器2の一例は熱
交換器であるが、本発明は熱交換器による加熱に限定さ
れない。好ましくは、加熱器2による加熱温度及び保持
手段3による保持時間を調節可能とし、微生物・ウィル
スの種類に応じて滅菌路4で6桁滅菌を確保できるよう
にする。
【0016】本発明者は、血液製剤の製薬施設からの被
処理液Aについて、滅菌路4において135℃に90秒以上
保持することにより、混在の危険性が否定できない細菌
類及びヒト免疫不全ウィルス(HIV)、B型肝炎ウィル
ス(HBV)やC型肝炎ウィルス(HCV)等の肝炎ウィル
ス、その他現在、血液と血液製剤で感染が確認されてい
る下記表1の全てのウィルス(WHO:GLOBAL BLOOD SAFE
TY INITIATIVE、1992年、p374参照)が6桁滅菌できる
ことを実験的に確認した。
【0017】更に本発明による加熱滅菌装置は、保持手
段3と予熱器6、7との間に切替手段V1・V2を介して接
続した抜取路14と、加熱器2の出口の液温を検出する温
度検出器8と、温度検出器8による温度不足検出時に送
入路11の開閉弁V3を閉鎖し且つ切替手段V1・V2を抜取路
14側へ切り替えて加熱器2及び保持手段3内の残留液を
排液溜18へ抜き取る抜取手段10とを有する。切替手段V1
・V2の一例は一対の開閉弁又は切替弁であり、弁V1の開
放又は閉鎖時に弁V2を閉鎖又は開放するものである。
【0018】滅菌処理時は、加熱器2の入口に連通する
送入路11の開閉弁V3を開放し、例えば後述する流量制御
手段20により被処理液Aを予熱器6、7経由で滅菌路4
へ送る。また、保持手段3と予熱器6、7との間の切替
手段V1、V2を放出路12側へ切り替え、滅菌路4で滅菌さ
れた高温の処理済液Eを放出路12により予熱器6、7へ
戻し、送入路11上の比較的低温の被処理液Aとの熱交換
により降温したち、排液路13へ送る。排液路13へ送られ
た処理済液Eは、必要に応じて中和処理やBOD除去の
ための処理が施されたのち、一般の廃液・排水と共に施
設外へ放出する。処理済液Eと被処理液Aとの間の熱交
換の利用により、被処理液Aの昇温・降温に要するエネ
ルギーの最小化を図ることができる。
【0019】
【表1】
【0020】図2は本発明の滅菌方法の流れ図の一例を
示す。以下、図1のブロック図と図2の流れ図とを参照
して本発明の滅菌方法を説明する。先ずステップ201に
おいて、加熱器2に滅菌温度が得られる熱量を加えつ
つ、被処理液Aの加熱器2への流入を開始する。被処理
液Aの流入開始時は加熱器2の加熱不足が発生しがちで
あるが、本発明者は、被処理液Aの流入を加熱器2の一
通過工程(ワンパス)で滅菌温度に昇温できる初期流量
で開始することにより、滅菌不十分な被処理液Aの発生
を避け得ることに注目した。流入開始時に被処理液Aを
滅菌温度に昇温できれば、その後は保持手段3から戻る
処理済液Eにより予熱器6、7が働くので、加熱器2の
出口は徐々に滅菌温度以上に上昇する。この温度上昇に
応じて被処理液Aの流量を制御することにより、滅菌不
十分な被処理液Aの発生を避けながら被処理液Aの流量
を滅菌路4の定常流量(例えば、滅菌路4において135
℃に90秒以上保持できる最大流量)まで増やすことがで
きる。この場合、加熱器2の容量の増加により流入初期
段階の加熱不足を避けることも可能であるが、省スペー
ス及び省エネルギーの点からは被処理液Aの流量制御に
よる方が望ましい。
【0021】図2のステップ201では、加熱器2への流
入開始時に被処理液Aを加熱器2の出口で滅菌温度とな
る初期流量で流入させ、加熱器2の出口の液温が滅菌温
度となるように流量を制御する。このような流量処理
は、図1の送入路11に設けた流量制御手段20により実現
できる。流量制御手段20の一例は、与えられた目標値に
従って送入路11の流量を制御すると共に、温度検出器8
の出力信号によって流量の目標値を変えるように構成し
たカスケード制御計である。例えば、温度検出器8の出
力信号が1〜2℃上昇するに応じて流量の目標値を変更
する。図1の符号5は流量制御手段20により制御可能な
ポンプ等の送入手段を示す。
【0022】加熱器2への被処理液Aの流入を開始した
のち、ステップ202において加熱器2の出口温度を温度
検出器8で継続的に検出し、ステップ203において出口
温度が不足しているか否かを判断する。ステップ202以
降は、定常流量まで増加した後だけでなく、定常流量ま
で増加する間も継続的に行うことができる。例えば加熱
器出口の液温が滅菌温度以上である場合は温度不足なし
と判断してステップ207へ進み、出口温度が滅菌温度に
保たれるように被処理液Aの流量及び/又は加熱器2に
加える熱量を制御する。加熱器2を熱交換器とした図1
の例では、ステップ207において熱媒入力弁V7の開度の
調節により加熱器2の出口温度を制御する。ただし、ス
テップ207における制御は図示例に限定されず、従来技
術に属する他の制御技術を用いることができる。
【0023】ステップ203において温度不足と判断した
場合はステップ204へ進み、抜取手段10により送入路11
の開閉弁V3を閉鎖し、滅菌不十分な被処理液Aが滅菌路
4の下流路へ流出するのを防止する。保持手段3による
保持時間では6桁滅菌が確保できないような加熱器2の
出口の液温低下又はその持続、例えば(滅菌温度−2
℃)の液温の1分間以上の持続は温度不足に該当する。
また、加熱器2により被処理液Aを滅菌温度より2℃程
度高温に加熱し、加熱器出口で(滅菌温度−2℃)程度
の液温が検出された時点で温度不足と判断してもよい。
更にステップ205において温度不足の原因を調査し、例
えば熱媒入力弁V7、流量制御手段20、送入手段5等の装
置・器具に異常が無いことを確認する。必要な場合は装
置・器具を修理又は調整する。
【0024】装置・器具に異常が無いことを確認したの
ち、ステップ206において抜取手段10により切替手段V1
・V2を抜取路14側へ切り替え、加熱器2及び保持手段3
内の滅菌不十分な残留液を排液溜18へ抜き取る。例えば
排液溜18を加熱前の被処理液Aの貯液槽19(図1参照)
とし、抜き取った残留液を他の被処理液Aと共に再び滅
菌路4へ戻すことができる。また、後述するライン洗浄
ユニット16を排液溜18とし、排液溜18に抜き取った残留
液をライン洗浄ユニット16においてバッチ処理により加
熱滅菌又は化学滅菌することも可能である。ライン洗浄
ユニット16を排液溜18とする場合は、抜取路14上に設け
た切替手段V5、V6を抜取手段10により洗浄ユニット16側
へ切り替える。切替手段V5、V6の一例も、切替手段V1、
V2と同様の一対の開閉弁又は切替弁である。
【0025】加熱器2及び保持手段3内の残留液は、例
えば抜取路14上に設けた引抜ポンプ(図示せず)等によ
り排液溜18へ引き抜くことができる。また、送入路11に
洗浄液V4を介して連通する洗浄液槽17(図1参照)を設
け、洗浄液弁V4の開放により送入路11から加熱器2へ流
入させた洗浄液Iにより前記残留液を排液溜18に押し出
してもよい。この場合は、洗浄液Iを水酸化ナトリウム
(NaOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)等の添加によ
り蛋白質が沈澱しないpHとした水溶液とし、残留液の押
し出し時に加熱器2及び保持手段3内における蛋白質の
沈澱を抑制することが望ましい。また、ステップ201に
おける被処理液Aの流量制御と同様に、洗浄液Iの流入
を加熱器2の出口で滅菌温度となる初期流量で開始し、
加熱器2の出口の液温が滅菌温度となるように洗浄液I
の流量を制御することにより、洗浄液Iを滅菌しながら
前記残留液を押し出すことも可能である。このような洗
浄液Iの流量制御も、図1の流量制御手段20により実現
可能である。前記残留液の抜き取り後に洗浄液弁V4を閉
鎖する。
【0026】加熱器2及び保持手段3内の残留液を抜き
取った後ステップ201へ戻り、被処理液Aの流入を再開
する。流入の再開時も、被処理液Aを前記初期流量で流
入させ、加熱器2の出口の温度上昇に応じて流量を制御
することにより、滅菌不十分な被処理液Aの発生を避け
る。すなわち図2の流れ図によれば、滅菌不十分な被処
理液Aの発生を極力抑えることができ、たとえ発生した
場合でも滅菌路4の下流路への流出を防止できるので、
下流路の微生物及び/又はウィルスによる汚染を確実に
防止できる。
【0027】こうして本発明の目的である「被処理液を
連続的に加熱滅菌する滅菌装置の下流路の汚染を確実に
防止できる加熱滅菌方法及び装置」の提供が達成でき
る。
【0028】なお、例えば加熱器2により被処理液Aを
滅菌温度より2℃程度高温に加熱し、加熱器出口で(滅
菌温度−2℃)程度の液温を検出した時点で温度不足と
判断する場合は、温度不足検出時点で既に加熱器2及び
保持手段3内の残留液は滅菌温度に達しているので、ス
テップ204〜205において残留液の温度が低下しなければ
ステップ206における残留液の抜き取りを省略し、ステ
ップ205からステップ201へ戻してもよい。さらに例え
ば、送入路11の閉鎖時にも加熱器2による加熱を継続す
れば前記残留液の温度低下を防ぐことができ、再開時に
ステップ201の初期流量及び流量制御を行えば滅菌不十
分な被処理液Aの発生を防止できる。
【0029】
【実施例】90m3/日の被処理液Aを10時間で滅菌処理す
ると仮定して図1に示す装置を試設計し、図2の流れ図
による滅菌処理が可能であることを確認した。先ず、被
処理液Aの温度が30℃であることに基づき、加熱器2の
伝熱板で焦げ付きが生じない最小流速0.06m/secが確
保できるように、流量制御手段20により被処理液Aの初
期流量を20リットル/分に調整して加熱器2への流入を
開始した。この流量の被処理液Aが加熱器2へ流入して
から排出するまでの時間(加熱器2の通過時間)は7.5
分間であり、加熱器2の出口で135℃の滅菌温度となる
ことが確認できた。また、被処理液Aの温度が20℃であ
る場合も、初期流量の調整により加熱器2の出口で135
℃の滅菌温度とすることができた。
【0030】初期流量での流入を7.5分間以上継続した
のち、温度検出器8の出力信号により流量制御手段20の
目標値を変更するカスケード制御に移行した。本設計の
保持手段3において90秒の保持時間が確保できる最大流
量は150リットル/分であり、前記カスケード制御によ
り加熱器2の出口で135℃の滅菌温度を保ちながら被処
理液Aの流量を150リットル/分まで徐々に増加させる
ことができた(ステップ201)。
【0031】また、加熱器2の出口の温度不足が発生し
たと仮定して、抜取手段10により送入路11の開閉弁V3を
閉鎖すると共に切替手段V1・V2を抜取路14側へ切り替
え、加熱器2及び保持手段3内の滅菌不十分な残留液を
排液溜18へ抜き取った(ステップ202〜206)。残留液の
抜き取り後、30℃の被処理液Aの流入を20リットル/分
の初期流量で再開し、前記カスケード制御により被処理
液Aの流量を150リットル/分まで増加させた。
【0032】この再開過程においても加熱器2の出口で
135℃の滅菌温度が保たれることが確認できた。また、
再開後に排液路13から排出された処理済液E中の生菌数
を確認したところ、6桁滅菌が確保できていることが確
認できた。このことから、前記流量のカスケード制御と
残留液の抜き取りとにより、滅菌路4の下流路の微生物
及び/又はウィルスによる汚染が防止できることが確認
できた。
【0033】比較のため、前記カスケード機能のない流
量制御手段20を設けた図1の装置に、90m3/日の被処理
液A(温度30℃)を150リットル/分の流量で流入させ
たところ、被処理液Aの流入初期段階において加熱器2
の出口の温度検出器8は90℃程度までしか上昇しなかっ
た。被処理液Aの流入の継続により加熱器2の出口温度
は135℃の滅菌温度に上昇したが、滅菌温度まで上昇後
に処理済液E中の生菌数を確認したところ6桁滅菌が確
保できていないことが確認された。これは、流入初期段
階の滅菌不十分な被処理液Aが滅菌路4の下流路へ流れ
出たことにより下流路が微生物やウィルスにより汚染さ
れ、滅菌温度まで上昇した後も下流路で再汚染が起こる
からと考えられる。この比較実験から、本発明における
被処理液Aの流量のカスケード制御と残留液の抜き取り
とが6桁滅菌の確保に極めて有効であることが確認でき
た。
【0034】図1の実施例では、加熱器2を熱媒(蒸
気)と被処理液Aとの熱交換器とし、2段の予熱器6、
7を被処理液Aと同量の処理済液Eとが流入する熱交換
器としている。例えば被処理液Aの受け入れ温度を30℃
とし、90m3/日の被処理液Aを加熱器2で135℃に昇温
して90秒保持するとした場合、予熱器6、7の伝熱面積
を45m2、加熱器2の伝熱面積を8m2とすると、被処理液
Aは前段予熱器6により75℃に昇温し、後段予熱器7に
より120℃に昇温し、加熱器2により135℃となる。ま
た、保持手段3から排出される処理済液Eは後段予熱器
7により90℃まで降温し、前段予熱器6により45℃とな
る。この場合、加熱器2には4KGの蒸気圧力で300kg/
時の熱媒(蒸気)を投入すれば足りる。
【0035】他方、90m3/日の被処理液Aをキルタンク
(直接蒸気投入式の密閉容器)又は単一の直接熱交換器
を用いて135℃、90秒保持の滅菌処理をする場合は、必
要な蒸気量は2,200kg/時となる。更にこの場合は、保
持手段3通過後の処理済液Eを降温するため、別途に降
温エネルギーを加えるか又は降温する時間とスペースが
必要となる。このことから、本発明のように予熱器6、
7を設けることにより、外部から供給するエネルギーの
節減により省エネルギーが図れることを確認できた。
【0036】本発明は予熱器を1台の熱交換器とした場
合も適用できるが、熱交換器1台で30℃の被処理液Aを
120℃まで昇温しようとすると熱交伝面を大きくする必
要があり、熱交伝面が大きくなると偏流が発生しやすく
なり、偏流は被処理液Aの温度分布ムラの原因となる。
加熱殺菌における被処理液Aの温度分布ムラの発生は、
滅菌温度に加熱できない部分が生じるおそれがあるので
好ましくない。
【0037】本発明者は、低温流体と同量の高温流体と
が流入する熱交換器において、低温流体の入口温度と高
温流体の出口温度との温度差ΔT1に対する低温流体の上
昇温度又は高温流体の下降温度ΔT2(交換温度差)の比
(ΔT2/ΔT1)が4より大きくなると、前記温度分布ム
ラが発生しやすいことを実験的に見出した。例えば、図
1の予熱器を1台の熱交換器とすると、交換温度差ΔT2
(低温流体である被処理液Aの上昇温度又は高温流体で
ある処理済液Eの下降温度)は90℃(=120℃−30℃)
であり、低温流体である被処理液Aの入口温度と高温流
体である処理済液Eの出口温度との温度差ΔT1は15℃
(45℃−30℃)であるから、前記比ΔT2/ΔT1は6(=
90/15)となり温度分布ムラの発生が懸念される。
【0038】図1の実施例では、低温流体と同量の高温
流体とが流入する熱交換器を直列に接続した多段熱交換
器を予熱器6、7とし、各熱交換器における前記比ΔT2
/ΔT1を4以下、好ましくは3程度とすることにより、
被処理液Aの温度分布ムラの発生を予防している。すな
わち、図1の前段予熱器6では交換温度差ΔT2は45℃
(=75℃−30℃)、低温流体の入口温度と高温流体の出
口温度との温度差ΔT1は15℃(45℃−30℃)であるから
前記比ΔT2/ΔT1は3(=45/15)となる。また、後段
予熱器7においても交換温度差ΔT2は45℃(=120℃−7
5℃)、低温流体の入口温度と高温流体の出口温度との
温度差ΔT1は15℃(90℃−75℃)であるから前記比ΔT2
/ΔT1は3(=45/15)となる。被処理液Aの温度分布
ムラの発生を予防することにより、滅菌温度に加熱でき
ない部分の発生の防止が期待できる。
【0039】図1における加熱器2、及び予熱器6、7
として使う熱交換器に特に制限はないが、例えばスパイ
ラル式熱交換器とすることができる。スパイラル式熱交
換器は多管式熱交換器に比し流路が単一で滑らかであ
る。このため、熱交換器の配管内にスケールが付着する
と付着箇所の断面積が小さくなることによって流速が増
大し、スケールを剥離させる自己浄化作用が働く。従っ
てスパイラル式熱交換器の使用により、スケールが付着
し難くメンテナンスが容易な装置とすることが期待でき
る。
【0040】更に図1の実施例では、加熱器2へ送る被
処理液Aの貯液槽19にpH調整装置32を設け、被処理液A
を微生物及び/又はウィルスの構成蛋白質やその他の有
機物が滅菌による変性後も沈澱しないpHとすることによ
り、輸液路内への蛋白質の沈澱を抑制している。また、
輸液路内に蛋白質又は無機物等のスケールが沈澱・付着
した場合の対策として、予熱器6、7通過後の処理済液
Eの排液路13と送入路11との間に弁V8、V9、V10を介し
てライン洗浄ユニット16を接続している。送入路11と滅
菌路4と放出路12と予熱装置6、7とからなる輸液路の
洗浄時に、弁V8、V9、V10の切替により、前記輸液路と
ライン洗浄ユニット16とからなる閉流路を形成する。
【0041】例えば滅菌処理の開始前又は中断時に、開
閉弁V3を閉鎖して弁V10を開放することによりライン洗
浄ユニット16を送入路11に接続し、切替手段V8、V9を洗
浄路15側へ切り替え、前記閉流路にスケール除去剤その
他の薬液を循環させることにより前記輸液路内を洗浄す
る。切替手段V8、V9の一例も一対の開閉弁又は切替弁で
ある。好ましくは前記輸液路をステンレス製とし、硝酸
を循環させる。硝酸はスケールを溶解すると共にステン
レス配管に不動態皮膜を形成し耐食性を増加させる。不
動態皮膜の形成により寿命の長い装置とすることが期待
できる。ただし、薬液は硝酸に限定されず他の適当な酸
又はアルカリ等を利用することができる。
【0042】ライン洗浄ユニット16は、前記輸液路のあ
らゆる部分に十分な量の適切な温度の洗浄液又は蒸気を
行き渡らせる従来技術のCIPユニットとすることができ
る。加熱器2を熱交換器とした場合は、加熱器2の出口
蒸気をライン洗浄ユニット16へ導いて再利用することに
より、全ての輸液路及び装置を熱洗浄ないし熱滅菌(St
erilization-in-place、SIP)することが可能である。
薬液のみでなく蒸気を用いた簡易滅菌により、装置の開
放点検などの頻度を減らし、メンテナンスの更なる容易
化を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明による
被処理液の加熱滅菌方法及び装置は、被処理液を加熱器
で滅菌温度に加熱のうえ保持手段で所要時間保持し且つ
保持後の処理済液を予熱器に導いて加熱前の被処理液の
予熱に用いる加熱滅菌において、保持手段と予熱器との
間に抜取路を切替手段経由で接続し、加熱器出口の温度
不足検出時に加熱器への被処理液の流入を停止すると共
に前記切替手段を抜取路側へ切り替えて加熱器及び保持
手段内の残留液を抜き取るので、次の顕著な効果を奏す
る。
【0044】(イ)滅菌不十分な被処理液が滅菌装置の
下流路へ流出するのを防止できるので、下流路の微生物
及び/又はウィルスによる汚染を確実に防止できる。 (ロ)抜き取った残留液を加熱前の被処理液の貯液槽等
に戻し、容易に再滅菌処理することが可能である。 (ハ)被処理液を加熱器出口で滅菌温度となる初期流量
で流入させ、加熱器出口の温度上昇に応じて流量を増加
させる被処理液の流量制御と組合わせることにより、滅
菌不十分な被処理液の発生を極力防止しながら被処理液
を連続的に処理することができる。 (ニ)大量の被処理液を連続的に処理することが可能で
あり、省スペースかつコンパクトな装置とすることがで
きる。
【0045】(ホ)被処理液を蛋白質が沈澱しないpHと
することにより、配管の閉塞等を避けつつ、大量の被処
理液を連続的に処理することが可能である。 (ヘ)加熱器経由で流入させた洗浄液で残留液を抜き取
る場合は、洗浄液を蛋白質が沈澱しないpHとすることに
より、抜き取り時の蛋白質の沈澱等を避けることができ
る。 (ト)高温の処理済液を加熱前の被処理液の予熱に用い
るので、直接蒸気投入等のバッチ式熱処理法に比し、外
部から供給するエネルギーを減らして省エネルギーが図
れる。
【0046】(チ)加熱処理により滅菌するので、薬液
では充分に滅菌できない細菌・ウィルスも、滅菌温度及
び時間の調整により確実に不活化することが可能であ
る。 (リ)薬剤による滅菌処理に比し環境を汚染するおそれ
が少ない。また、薬剤コストが削減できるのでランニン
グコストを大幅に削減できる。 (ヌ)例えば蒸気圧力を変えることで任意に滅菌温度
(不活化温度)を変更することが可能であり、将来の未
知の細菌やウィルスを含む排水の滅菌処理にも容易に対
応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明装置の一実施例のブロック図であ
る。
【図2】は、本発明方法を示す流れ図の一例である。
【図3】は、従来の滅菌装置の説明図である。
【符号の説明】
1…滅菌装置 2…加熱器 3…保持手段 4…滅菌路 5…送入手段 6…前段予熱器 7…後段予熱器 8…温度検出器 9…圧力検出器 10…抜取手段 11…送入路 12…放出路 13…排液路 14…抜取路 15…洗浄路 16…ライン洗浄ユニット 17…洗浄液槽 18…排液溜 19…貯液槽 20…流量制御手段 31…原水受槽 32…pH調整装置 33…熱交換装置 34…熱交換器 35…ホールディングチューブ 36…温度センサ 37…圧力センサ 38…送水管 39…輸液ポンプ 40…温度センサ 41…放水管 42…予熱装置 43…予熱装置 44…管路洗浄ユニット 45…弁 46…弁 A…被処理液 E…処理済液 G…熱媒 I…洗浄液 A'…微生物及び/又はウィルス含有排水 B'…昇温排水 C'…昇温排水 D'…高温排水 E'…滅菌済排水 F'…低温排水 G'…蒸気 H'…処理水

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理液を加熱器により滅菌温度に加熱の
    うえ保持手段で所要時間保持し且つ保持後の処理済液を
    予熱器に導いて加熱前の被処理液の予熱に用いる加熱滅
    菌方法において、保持手段と予熱器との間に排液溜へ連
    通する抜取路を切替手段経由で接続し、加熱器出口の温
    度不足検出時に加熱器への被処理液の流入を停止すると
    共に前記切替手段を抜取路側へ切り替えて加熱器及び保
    持手段内の残留液を排液溜へ抜き取り、滅菌再開時に前
    記切替手段を戻して加熱器への被処理液の流入を再開し
    てなる被処理液の加熱滅菌方法。
  2. 【請求項2】請求項1の加熱滅菌方法において、加熱器
    出口の温度不足検出時に加熱器経由で流入させた洗浄液
    により前記残留液を排液溜へ押し出してなる被処理液の
    加熱滅菌方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の加熱滅菌方法において、
    加熱器への被処理液又は洗浄液の流入開始時又は再開時
    に該流入液を加熱器出口で滅菌温度となる初期流量で流
    入させ、加熱器出口の液温が滅菌温度となるように被処
    理液又は洗浄液の流量を制御してなる被処理液の加熱滅
    菌方法。
  4. 【請求項4】請求項1から3の何れかの加熱滅菌方法に
    おいて、被処理液又は洗浄液を蛋白質が沈澱しないpHと
    して加熱器へ流入させてなる被処理液の加熱滅菌方法。
  5. 【請求項5】請求項1から4の何れかの加熱滅菌方法に
    おいて、前記排液溜を前記加熱前の被処理液の貯液槽と
    してなる被処理液の加熱滅菌方法。
  6. 【請求項6】被処理液を滅菌温度に加熱する加熱器、前
    記加熱器の入口に連通する被処理液の送入路に設けた開
    閉弁、前記加熱器の出口に連通し滅菌温度の被処理液を
    所要時間保持する保持手段、前記保持手段通過後の処理
    済液により加熱前の被処理液を昇温する予熱器、排液溜
    に連通し前記保持手段と予熱器との間に切替手段を介し
    て接続した抜取路、前記加熱器出口の液温を検出する温
    度検出器、及び前記温度検出器による温度不足検出時に
    前記開閉弁を閉鎖し且つ前記切替手段を抜取路側へ切り
    替えて加熱器及び保持手段内の残留液を排液溜へ抜き取
    る抜取手段を備えてなる被処理液の加熱滅菌装置。
  7. 【請求項7】請求項6の加熱滅菌装置において、前記送
    入路に洗浄液弁を介して連通する洗浄液槽を設け、前記
    温度不足検出時に洗浄液弁を開放し加熱器経由で流入さ
    せた洗浄液により前記残留液を排液溜へ押し出してなる
    被処理液の加熱滅菌装置。
  8. 【請求項8】請求項6又は7の加熱滅菌装置において、
    前記送入路に、前記加熱器への被処理液又は洗浄液の流
    入開始時又は再開時に該流入液を加熱器出口で滅菌温度
    となる初期流量で流入させ且つ加熱器出口の液温が滅菌
    温度となるように被処理液又は洗浄液の流量を制御する
    流量制御手段を設けてなる被処理液の加熱滅菌装置。
  9. 【請求項9】請求項6から8の何れかの加熱滅菌装置に
    おいて、加熱器へ送る被処理液又は洗浄液を蛋白質が沈
    澱しないpHに調製するpH調製装置を設けてなる被処理液
    の加熱滅菌装置。
  10. 【請求項10】請求項6から9の何れかの加熱滅菌装置
    において、前記残留液溜を前記送入路に連通する被処理
    液の貯液槽としてなる被処理液の加熱滅菌装置。
  11. 【請求項11】請求項6から10の何れかの加熱滅菌装
    置において、前記予熱器を処理済液と同量の被処理液と
    が流入する熱交換器又は該熱交換器が直列に接続された
    多段熱交換器としてなる被処理液の加熱滅菌装置。
  12. 【請求項12】請求項11の加熱滅菌装置において、各
    熱交換器における被処理液の入口温度と処理済液の出口
    温度との温度差ΔT1に対する被処理液の上昇温度又は処
    理済液の下降温度ΔT2の比(ΔT2/ΔT1)を4以下とし
    てなる被処理液の加熱滅菌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011016117A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Hitachi Plant Technologies Ltd バラスト水処理方法、およびバラスト水処理装置
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