JP5110493B1 - 排水の不活化方法及びシステム - Google Patents

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Abstract

原水槽及びその内部に貯えた排水を経済的に不活化できる方法及びシステムを提供する。
原水槽1に貯えた排水Aを不活化する方法において、排水Aを入力して所定温度θに加熱しつつ所定時間D保持する加熱装置5の出口に放流路12又は原水槽1へ選択的に接続する切替弁15を設け、切替弁15の放流路12への接続時に加熱装置5を所定保持時間Dで所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θに加熱して入力排水Aを不活化し、切替弁15の原水槽1への接続時に加熱装置5の出力排水Fの還流により原水槽1を低滅菌温度θに加熱し且つその低滅菌温度θを前記所定滅菌レベルが得られる時間D以上保持して原水槽1内の排水を不活化する。好ましくは、加熱装置5の出力排水Fの還流によって原水槽1の気相部を含む内側全体を低滅菌温度θ以上に加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は排水の不活化方法及びシステムに関し、とくに微生物(細菌、糸状菌、酵母、らん藻、原生動物、ウィルス・ファージ、プリオン等から選択された1以上のものを含む。以下、同じ)の存在が懸念される排水(以下、微生物含有排水ということがある)を不活化する方法及びシステムに関する。
ワクチンやバイオ製剤等の製薬工場又は研究所、細胞培養を利用する製薬工場や食品工場又は研究所、血液製剤工場、病院等の施設では、感染の懸念される微生物が排水に随伴して施設外に漏出・拡散するのを防ぐため、施設外へ排出する前に排水中の微生物を滅菌(以下、不活化ということがある)することが求められる。オートクレーブ(高圧蒸気滅菌装置)や薬品消毒等を用いて不活化することも可能であるが、比較的小さな熱交換器を用いて排水を連続的に不活化できる加熱滅菌は経済的に有利であり、薬品では充分に不活化できない微生物にも加熱温度を高めることで対応できる利点がある。ただし、従来の加熱滅菌方法は、加熱時に固化変性した排水中の微生物その他の有機物が系内配管に沈殿・付着して閉塞を起こすおそれがあり、また何らかの異常(流量制御不調、ポンプ故障等)により加熱不充分な排水が生じると系内配管が広範囲にわたって未浄化の排水で汚染されてしまうおそれがあった。特許文献1〜3は、このような系内配管の閉塞や汚染を防止できる排水の加熱滅菌方法を提案している。以下、図4を参照して特許文献3の開示する加熱滅菌システムを、本発明の理解に必要な限度において説明する。
図4の加熱滅菌システムは、排水Aを貯える原水槽1と、原水槽1の排水AのpHを調整するpH調整装置43と、原水槽1から排水Aを取り入れて加熱滅菌する加熱装置5と、加熱装置5から出力される滅菌済排水Fを放流する放流路12とを有する。加熱装置5は、例えば蒸気Gとの熱交換により排水Aを所要滅菌温度(例えば135℃)に加熱する加熱器6と、加熱器6の出口に連通して加熱後の高温排水Eを滅菌に必要な所要時間(例えば90秒)保持するホールディングチューブ等の保持管7とで構成されている。排水AをpH調整装置43により微生物の構成蛋白質が変性後も沈澱しないpHに調整したうえで加熱器6の入口へ送り、保持管7の出口から排出される滅菌済排水Fを適当に冷却して(放流水Hとして)放流路12へ放流する。図示例のように排水のpHを調整したうえで加熱滅菌処理することにより系内配管における蛋白質の沈澱を有効に抑制できる。
また図4の加熱滅菌システムは、保持管7の出口に連なる高温流路13a、13bと加熱器6の入口に連なる低温流路14a、14bとを有する予熱器11a、11bを設け、原水槽1からの低温の排水Aを保持管7から排出される高温の滅菌済排水Fとの熱交換で昇温している。更に洗浄液Iを貯える洗浄液槽30を設け、予熱器11aの低温流路14aの入口を選択的に原水槽1又は洗浄液槽30へ接続する入口選択弁20と、予熱器11aの高温流路13aの出口を選択的に放流路12、原水槽1又は洗浄液槽30へ接続する出口選択弁25と、入口選択弁20及び出口選択弁25の切り替えを制御する制御装置41とを設けている。
排水Aの不活化処理時に、制御装置41により入口選択弁20を原水槽1へ接続すると共に出口選択弁25を放流路11へ接続し、原水槽1の排水Aを予熱器15a、15b経由で昇温しながら加熱器6へ送り、保持管7で所定時間保持した高温の滅菌済排水Fを予熱器15b、15a経由で冷却しながら放流路11から系外(例えば下水道)へ放流する。予熱器15において加熱装置5の出力排水Fの余熱を利用して入力排水Aを昇温することにより、加熱滅菌に必要なランニングコストの低減を図ることができる。また、加熱器6の出口に設けた温度計8で加熱不足を検出した時に、入口選択弁20を洗浄液槽30に切り替えると共に出口選択弁25を原水槽1に切り替え、系内に洗浄液Iを送入して残留排水を押し出すことにより原水槽1へ返送する。更に、残留排水が全て原水槽1に返送されたのち、出口選択弁25を洗浄液槽30に接続替えして系内に洗浄液Iを還流・循環させる。この洗浄液Iの系内循環により、加熱不充分な排水で汚染された系内配管(管路内に付着・沈着した微生物その他の有機物)を洗い流すことができる。
特開2001−340844号公報 特開2003−103252号公報 特開2003−164855号公報
高野光男・横山理雄「食品の殺菌−その科学と技術−」幸書房、1998年6月25日発行、pp.37−49
図4の加熱滅菌システムによれば、変性固化した微生物の沈澱を避けながら大量の排水Aを連続的且つ経済的に不活化処理することが可能であり、たとえ何らかの異常により加熱不足が発生しても未処理排水の系外への排出及び未処理排水による系内配管の汚染を防ぐことができ、しかも加熱温度が回復した時に排水の不活化処理を容易に再開することができる。しかし、図示例のシステムは原水槽1から加熱装置5へ送り出された排水Aを不活化処理するものであり、原水槽1内の排水Aを不活化処理することができない問題点がある。
例えば図4のシステムにおいて原水槽1に何らかの異常(原水槽内の沈殿物堆積、流量制御不調、ポンプ故障等)が発生して原水槽1を点検又は開放するときは、作業員が未処理排水Aに接触するおそれがあり、また未処理排水Aの飛沫が微生物を随伴して原水槽周辺の雰囲気中に拡散する懸念もあるため、点検又は開放前に原水槽1及びその内部の排水Aを滅菌・不活化することが望ましい。この場合に従来のオートクレーブ(高圧蒸気滅菌装置)と同様に原水槽1を高温・高圧にして不活化する方法も考えられるが、そのような方法では原水槽1自体を高温・高圧に耐えられる構造としなければならず、しかも新たな熱源を用いて原水槽1を加熱し続けるコストが必要となる。排水Aを経済的に不活化できるという加熱滅菌の利点を損なうことなく、原水槽1及びその内部の排水Aを経済的に不活化することができる技術の開発が望まれている。
そこで本発明の目的は、原水槽及びその内部に貯えた排水を経済的に不活化できる方法及びシステムを提供することにある。
本発明者は、図4の加熱滅菌システムにおいて、加熱装置5から出力される滅菌済排水Fの余熱を利用して原水槽1を加熱滅菌処理することに着目した。滅菌済排水Fを利用して原水槽1を加熱すれば、新たな熱源を必要としないので経済的な滅菌処理が期待できる。また、比較的小さな加熱装置5の出力排水Fの余熱によって比較的大きな原水槽1を同様の高温度にまで加熱することは容易でないが、原水槽1の加熱温度が低い場合であってもその加熱温度の保持時間を長くすれば加熱装置5と同様の不活化レベル(以下、滅菌レベルということがある)が得られることに着目した。
すなわち、一般に加熱による排水中の微生物数(生菌数)Nの減少速度(死滅速度)は、死滅速度定数k(単位時間当たりの死滅確率)[min−1]を用いて(1)式のように表すことができ、初期生菌数Nを用いた積分により(2)式のように変形することができる。(2)式を2次元平面にプロットすると図5(A)の死滅曲線となり、その曲線の傾きから排水中の微生物数(生菌数)Nが10分の1に減少する加熱保持時間D[min](以下、D値ということがある)を求めることができる。また、一般に加熱による排水中の微生物全滅時間(熱死滅時間、TDT)は加熱温度θの上昇に伴って対数的に小さくなることが知られており、熱死滅時間TDTはD値と比例関係にあると考えられている。従って、D値と温度θとの関係は(3)式又は図5(B)の耐熱性曲線として表すことができ、その曲線からD値を10分の1に短縮するために必要な上昇温度Z[℃](以下、Z値ということがある)を求めることができる(非特許文献1参照)。
dN/dt=−kN ………………………………………………………(1)
log(N/N)=−(k/2.303)t=−(1/D)t ……(2)
log(D)=−(1/Z)θ+C ……………………………………(3)
log(D/D)=−(θ−θ)/Z ……………………………(4)
(3)式のZ値は微生物の菌種毎に定まる値であり、不活化対象の微生物のZ値が分かれば(4)式に示すように異なる滅菌温度θ、θにおいて同じ滅菌レベルを得るために必要な加熱保持時間D、Dを算出することができる。例えば、不活化対象の微生物がZ値=10℃である場合、日本の食品衛生法に規定された「滅菌温度θ=120℃で保持時間D=4分間にわたる加熱」と同様の滅菌レベルを得るために、(4)式に基づき滅菌温度θ=110℃では保持時間D=40分間(=4分×l0)とし、滅菌温度θ=100℃では保持時間D=400分間(=4分×l0)とし、滅菌温度θ=90度では保持時間D=4000分間(=4分×l0)とすればよい。上述したように原水槽1を加熱装置5に比して低い温度までしか加熱できない場合でも、その低い温度に応じた加熱保持時間を(4)式により求めて適用すれば、加熱装置5と同様のレベルまで原水槽1を不活化することが期待できる。本発明は、この知見に基づく研究開発の結果、完成に至ったものである。
図1を参照するに、本発明による排水の不活化方法は、原水槽1に貯えた排水Aを不活化する方法において、排水Aを入力して所定温度θに加熱しつつ所定時間D保持する加熱装置5の出口に放流路12又は原水槽1へ選択的に接続する切替弁15を設け、切替弁15の放流路12への接続時に加熱装置5を所定保持時間Dで所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θに加熱して入力排水Aを不活化し、切替弁15の原水槽1への接続時に加熱装置5の出力排水Fの還流により原水槽1を低滅菌温度θに加熱し且つその低滅菌温度θを前記所定滅菌レベルが得られる時間D以上保持して原水槽1内の排水を不活化してなるものである。
また図1を参照するに、本発明による排水の不活化システムは、排水Aを貯える原水槽1、排水Aを入力して所定温度θに加熱しつつ所定時間D保持する加熱装置5、加熱装置5の出口を放流路12又は原水槽1へ選択的に接続する切替弁15、及び切替弁15の放流路12への接続時に加熱装置5を所定保持時間Dで所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θに加熱して入力排水Aを不活化し、切替弁15の原水槽1への接続時に加熱装置5の出力排水Fの還流により原水槽1を低滅菌温度θに加熱し且つその低滅菌温度θを前記所定滅菌レベルが得られる時間D以上保持して原水槽1内の排水を不活化する制御装置40を備えてなるものである。
好ましくは、制御装置40に、所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θ及びその保持時間Dと排水A中の微生物数が10分の1に滅菌される保持時間Dを10分の1に短縮するための上昇温度Zとを記憶する記憶手段45、及びその保持時間Dと上昇温度Zとから(4)式により前記低滅菌温度θで所定滅菌レベルが得られる保持時間Dを求める算出手段を含める。また、切替弁15の原水槽1への接続時に、加熱装置5の出力排水Fの還流によって原水槽1の気相部を含む内側全体を低滅菌温度θ以上に加熱することが望ましい。
更に好ましくは、図1に示すように、原水槽1と加熱装置5との間に、加熱装置5の出力排水Fを通す高温流路13と加熱装置5の入力排水Aを通す低温流路14とを有し且つ高温流路13の出力排水Fで低温流路14の入力排水Aを昇温する予熱器11を設け、切替弁15を加熱装置5の出口と予熱器11との間に設ける。望ましくは、予熱器11の低温流路14の入口に原水槽1又は洗浄液槽30へ選択的に接続する入力選択弁20を設け、予熱器11の高温流路13の出口に放流路12、原水槽1又は洗浄液槽30へ選択的に接続する出力選択弁25を設け、制御装置40により、原水槽1内の排水の不活化終了後に切替弁15を放流路12に切り替えると共に入口選択弁20及び出口選択弁25をそれぞれ洗浄液槽30に接続してシステム内に洗浄液Iを還流させ、加熱装置5を高滅菌温度θに加熱したのち入口選択弁20及び出口選択弁25をそれぞれ原水槽1及び放流路12に切替えて入力排水Aの不活化を再開する。
本発明による排水の不活化方法及びシステムは、排水Aを入力して所定温度θに加熱しつつ所定時間D保持する加熱装置5の出口に、滅菌前排水Aを貯える原水槽1又は滅菌済排水Fの放流路12へ選択的に接続する切替弁15を設け、切替弁15の放流路12への接続時に原水槽1から加熱装置5へ排水Aを入力すると共に制御装置40によって加熱装置5を所定保持時間Dで所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θに加熱して入力排水Aを不活化し、切替弁15の原水槽1への接続時に加熱装置5の出力排水Fの還流により原水槽1を低滅菌温度θに加熱すると共に制御装置40によってその低滅菌温度θを所定滅菌レベルが得られる時間D以上保持して原水槽1内の排水を不活化するので、次の有利な効果を奏する。
(イ)加熱装置5から出力される滅菌済排水Fを原水槽1に還流させて原水槽1を加熱することにより、加熱装置5へ送り出された排水Aだけでなく、原水槽1及びその内部の排水Aも加熱滅菌処理により不活化することができる。
(ロ)また、原水槽1に残った排水Aを加熱装置5との間で還流させて原水槽1を加熱するので、新たな熱源を用いることなく比較的小さなランニングコストで原水槽1を経済的に加熱滅菌処理することができる。
(ハ)加熱するに際して原水槽1を高温・高圧に耐えられる構造とする必要がないので、原水槽1を例えば樹脂水槽、パネルタンク等の合理的で安価な構造とすることができる。
(ニ)原水槽1の加熱温度θを加熱装置5の加熱温度θに比して低く抑え、原水槽1の加熱保持時間Dを加熱装置5の加熱保持時間Dに比して長くすることにより、比較的小さな加熱装置5の昇温エネルギーで比較的大きな原水槽1を同様の滅菌レベルまで加熱滅菌処理することができる。
(ホ)加熱装置5の出力排水Fの還流によって原水槽1を加熱することにより、原水槽1内の排水Aだけでなく揮発する蒸気で気相部を含む内側全体を低滅菌温度θ以上に加熱することができ、原水槽1の全体を確実に所定滅菌レベルとすることができる。
(ヘ)原水槽1の滅菌処理終了後に系内配管に洗浄液を充填して循環させ、その洗浄液を加熱装置で所定温度θに加熱しながら原水槽1の排水Aと置き換えることにより、排水Aの不活化処理を容易に再開することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態及び実施例を説明する。
は、本発明による不活化システムの一実施例の図式的ブロックである。 は、加熱装置の出力排水の還流により原水槽を加熱した実験結果を示すグラフの一例である。 は、本発明による不活化方法を示す流れ図の一例である。 は、従来技術の加熱滅菌システムの一例を示す図式的ブロックである。 は、一般的な加熱滅菌モデルにおける死滅曲線(同図(A))のD値及び耐熱性曲線(同図(B))のZ値の説明図である。
図1は、インフルエンザワクチンの製薬工場からの排水Aに本発明の不活化システムを適用した実施例を示す。図示例の不活化システムは、この場合インフルエンザウィルスが含まれる微生物含有排水Aを貯える原水槽1と、その排水Aを入力して所要滅菌温度θに加熱しつつ所定時間D保持して不活化する加熱装置5と、加熱装置5の出口を放流路12又は原水槽1へ選択的に接続する切替弁15と、その加熱装置5の滅菌温度θ及び切替弁15の切り替えを制御する制御装置40とを有する。加熱装置5は、図4と同様に、例えば蒸気Gとの熱交換により排水Aを所要滅菌温度θに加熱する加熱器6と、加熱した高温排水Eを所要時間D以上保持して滅菌するホールディングチューブ等の保持管7とで構成することができる。また図示例の制御装置40は、加熱器6の出口温度を検出する温度計8と、加熱器6に供給する蒸気Gの流量を調節する制御弁10とに接続されており、温度計8の検出温度に応じて流量制御弁10の開度を調節することにより加熱器6の滅菌温度θを制御することができる。切替弁15の一例は一対の開閉弁16、17からなる装置であり、弁16の開放又は閉鎖時に弁17を閉鎖又は開放するものである。
また図示例の不活化システムは、原水槽1と加熱装置5との間に、加熱装置5の出力排水Fを通す高温流路13と加熱装置5の入力排水Aを通す低温流路14とを有する予熱器11を設け、その予熱器11と加熱装置5の出口との間に切替弁15を設けている。予熱器11の高温流路13と低温流路14との間の伝熱(熱交換)により、システム全体における入力排水Aの加熱及び出力排水Fの冷却に必要なエネルギーを節減してランニングコストを低く抑えることができる。なお、図示例は1段構成の予熱器11を示しているが、高温流路13と低温流路14との間の熱交換に温度分布ムラを生じるおそれがあるときは図4の予熱器11a、11bのように2段構成とし、或いは3段以上(任意段数)の予熱器に変更することも可能である。
一般に予熱器11の熱交伝面が大きくなると偏流が起こりやすくなり、熱伝達力が下がって温度分布ムラを生じやすくなり、滅菌温度まで加熱できない部分(加熱不足)を生じる原因となる。本発明者の実験的解析によると、予熱器11の低温流路14の入口温度と高温流路13の出口温度との温度差ΔTに対する低温流路14の上昇温度又は高温流路13の下降温度ΔT(交換温度差)の比(=ΔT/ΔT)が4より大きくなると温度分布ムラを生じやすくなる。例えば原水槽1内の排水Aを30℃とし、加熱器6の入力温度を120℃とし、加熱器6による滅菌温度(出力温度)θを135℃とし、放流路12の放流温度を45℃とすると、予熱器11が1台であると交換温度差ΔTは90℃(=120−30)であり、低温流路14の入口温度(30℃)と高温流路13の出口温度(45℃)との温度差ΔTは15℃(=45−30)であるから、その比ΔT/ΔTは6(=90/15)となり温度分布ムラの発生が懸念される。
図1のシステムにおいて1台の予熱器11で温度分布ムラを生じるおそれがあるときは、図4と同様に予熱器11a、11bを2段構成とし、各予熱器11a、11bにおける前記比ΔT/ΔTを4以下、好ましくは3程度とすることにより温度分布ムラの発生を予防する。たとえば、前述した温度条件において2段の予熱器11a、11bの中間点の高温流路13、低温流路14をそれぞれ90℃、75℃となるように構成すれば、予熱器11bにおいて前記比ΔT/ΔT=(120−75)/(90℃−75℃)=3となり、予熱器11aにおいてΔT/ΔT=(90−45)/(45℃−30℃)=3となるので、何れの予熱器においても温度分布ムラの発生を予防することができる。なお、本発明において予熱器11及び加熱器6として用いる熱交換器の種類にとくに制限はないが、スケールが付着しにくくメンテナンスが容易な熱交換器とすることが望ましく、例えば高温流路13及び低温流路14が何れも渦巻き状であるスパイラル式熱交換器とすることが望ましい。
図1のシステムにおいて原水槽1が正常であるときは、図4の場合と同様に、制御装置40により切替弁15を放流路12に接続すると共に、保持管7における所要時間Dの保持により所定滅菌レベル(例えば初期生菌数Nに対する滅菌後の微生物数(生菌数)Nの生存割合(=N/N)が100万分の1(10−6)以下となる6桁滅菌レベル)が得られるように加熱器6の滅菌温度θを制御装置40によって設定する(図3のステップS204〜207参照)。例えばインフルエンザウィルスを含む排水Aを不活化する場合は、保持時間Dが30秒以上の保持管7を用いると共に加熱器6を滅菌温度θ=96℃に設定することにより、6桁以上の滅菌レベルを確保できる。切替弁15及び加熱器6を設定したうえで、原水槽1から予熱器11経由で加熱装置5へ排水Aを供給し、加熱装置5に入力された排水Aを滅菌温度θに加熱しつつ所定時間D保持することにより不活化し、不活化された滅菌済排水Fを切替弁15及び予熱器11経由で放流路12へ送り、例えば系外の下水路等へ放流する。
他方、図1のシステムにおいて原水槽1に異常が発生したときは、原水槽1から加熱装置5へ排水Aの供給を維持しながら、制御装置40により切替弁15を原水槽1に切替え、加熱装置5の出力排水F(滅菌済排水F)を原水槽1へ還流させることにより、原水槽1を比較的低い滅菌温度θに加熱する。また制御装置40により、上述した加熱装置5の比較的高い滅菌温度θ及び保持時間Dと、排水A中の微生物数が10分の1に滅菌される保持時間Dを10分の1に短縮するための上昇温度Z(上述した(3)式のZ値)とから、比較的低い滅菌温度θにおいて加熱装置5と同様の滅菌レベル(例えば6桁滅菌レベル)を得るために必要な保持時間Dを求める。例えば制御装置40を記憶手段45及び算出手段46が設けられたコンピュータとし、その記憶手段45に加熱装置5の高滅菌温度θ及び保持時間Dと排水A中の微生物(図示例ではインフルエンザウィルス)のZ値とを記憶し、上述した(4)式に基づき原水槽1の滅菌温度θにおいて加熱装置5と同様の滅菌レベルが得られる保持時間Dを算出手段46で算出する。
例えばインフルエンザウィルス含有排水Aの原水槽1を滅菌処理する場合は、インフルエンザウィルスのZ値が約7.7であり、上述したように滅菌温度θ=96℃、保持時間D=30秒で6桁以上の滅菌レベルが得られることから、加熱装置5の出力排水Fの還流により原水槽1を滅菌温度θ=80℃程度まで加熱し、(4)式により保持時間D=60分(≒0.5分×102.08)、2.08≒(96−80)/7.7)に設定して排水Fの還流を継続すれば、原水槽1において加熱装置5と同様の6桁以上の滅菌レベルを確保することができる(図3のステップS211〜214参照)。
加熱装置5からの高温出力排水Fの還流によって原水槽1を加熱することにより、原水槽1内の排水Aだけでなく揮発する蒸気によって原水槽1の気相部を含む内側全体を低滅菌温度θ以上とすることができ、加熱不足部位の発生を避けることができる。好ましくは、出力排水Fの還流を開始したのち原水槽1の気相部全体に蒸気が揮発して回り込む時間を確保して内側全体を低滅菌温度θ以上とし、その回り込み時間の経過後に上述した保持時間Dを更に確保して原水槽1の内側全体を所要滅菌レベル(例えば6桁滅菌レベル)とする。望ましくは、原水槽1の気相部に温度計18を取り付け、その温度計18により原水槽1が滅菌温度θに加熱されたことを検知し、その検知後に上述した保持時間Dを確保して所要滅菌レベルとする。図1の制御装置40は、原水槽1の気相部を含む複数部位に取り付けた温度計18a、18bと接続されており、何れの温度計18a、18bも滅菌温度θ以上となるときに原水槽1が滅菌温度θに加熱されたと検知している。ただし、本発明は複数の温度計18を必須とするものではなく、たとえば原水槽1の蒸気が最も回り込みにくい内側部位に取り付けた単独の温度計18を用いれば足り、或いは原水槽1の気相部全体に蒸気が回り込む時間を予め求めておけば温度計18を省略することもできる。
[実験例1]
液相部、気相部、及び複数のノズル部の各々にそれぞれ温度計18を取り付けた原水槽1(全容積27.5m、有効容積20m)に約8mの排水Aを貯え、その原水槽1から加熱装置5に供給して滅菌温度θ=96℃、保持時間D=30秒で不活化処理された出力排水Fを原水槽1に還流させ、その還流開始後の原水槽1の各部位における温度計18の経時的温度変化を計測する実験を行った。実験結果を図2のグラフに示す。図2のグラフは、原水槽1の液相部(排水A)は排水Fの還流開始後約8.5時間で目的温度=80℃に達するのに対し、原水槽1の気相部及びノズルの一部分が目的温度=80℃に達するには排水Fの還流開始後約25時間が必要であることを示している。この実験結果から、原水槽1の気相部は温度がとくに上昇しにくく、原水槽1内の加熱不足部位の発生を避けるためには原水槽1の気相部に温度計18を取り付けて温度を検知することが有効であることを確認できた。或いは図2のグラフから、排水Fの還流を開始したのち25時間を確保すれば、原水槽1の内側全体に蒸気を回り込ませて低滅菌温度θ以上とすることができるので、温度計18を省略できることを確認できた。
原水槽1を滅菌温度θに設定時間D保持して所定滅菌レベルとしたのち、必要に応じて加熱装置5からの出力排水Fの還流を停止して原水槽1を点検・開放・修理する(図3のステップS215参照)。原水槽1を所定レベルまで滅菌したうえで点検・開放することにより、周辺雰囲気中への微生物の拡散を防止し、点検・修理作業員が未処理排水Aに接触する危険も避けることができる。原水槽1の点検・修理が完了したのち排水Aの不活化処理を再開するときは、再び上述したように制御装置40によって切替弁15を放流路12に接続すると共に加熱器6を滅菌温度θに設定し、原水槽1から加熱装置5への排水Aの供給を再開する。
本発明によれば、加熱装置5の出力排水Fを原水槽1へ還流することにより、原水槽1から加熱装置5に入力した排水Aだけでなく、原水槽1及びその内部の排水Aをも加熱滅菌処理することができる。また、原水槽1の残存排水Aの還流によって原水槽1を加熱するので、新たな熱源を用いることなく小さなランニングコストで原水槽1を経済的に不活化することができる。更に、加熱装置5の滅菌温度θに比して原水槽1の滅菌温度θを低く抑え、比較的長い加熱保持時間Dをかけて原水槽1を加熱滅菌することにより、原水槽1の昇温エネルギーを小さく抑えつつ加熱装置5と同程度の滅菌レベルまで原水槽1を不活化することができる。従って、原水槽1を高温・高圧に耐えられる構造とする必要がなくなり、例えば樹脂水槽、パネルタンク等の合理的で安価な構造の原水槽1とすることも可能となる。
こうして、本発明の目的である「原水槽及びその内部に貯えた排水を経済的に不活化できる方法及びシステム」の提供が達成できる。
なお、図1の不活化システムにおいても、図4の場合と同様に洗浄液Iを貯える洗浄液槽30を設け、予熱器11の低温流路14の入口を選択的に原水槽1又は洗浄液槽30へ接続する入口選択弁20と、予熱器11の高温流路13の出口を選択的に放流路12、原水槽1又は洗浄液槽30へ接続する出口選択弁25とを設け、制御装置40により入口選択弁20及び出口選択弁25の切り替えを制御することができる。図1の不活化システムにおいて、排水Aの不活化処理中に加熱器6の温度不足が発生した時は、入口選択弁20を洗浄液槽30に切り替えると共に出口選択弁25を原水槽1に切り替えて系内の残留排水を原水槽1へ押し出し、更に出口選択弁25を洗浄液槽30に接続替えして系内に洗浄液Iを還流・循環させることにより、未処理排水で汚染された系内配管を洗浄することができる。また後述するように、上述した排水Aの還流・循環による原水槽1の不活化処理終了後に入口選択弁20及び出口選択弁25をそれぞれ洗浄液槽30に接続してシステム内に洗浄液Iを還流させ、そののち加熱装置5を高滅菌温度θに保持しつつ入口選択弁20及び出口選択弁25をそれぞれ原水槽1及び放流路12に切替えて排水Aの不活化処理時を再開することにより、原水槽1の加熱滅菌処理から排水Aの不活化処理を容易に再開することが可能となる。
30m/日のインフルエンザウィルスを含む排水Aを10時間で不活化処理することを想定して図1に示す不活化システムを試設計し、図3の流れ図に沿って原水槽1及びその内部の排水Aの加熱滅菌処理が可能であることを確認する実験を行った。図3の流れ図では、先ずステップS201において切替弁15を放流路12に接続すると共に入口選択弁20及び出口選択弁25をそれぞれ洗浄液槽30へ接続し、スタートアップ時の系内配管に洗浄液Iを還流・循環させる。図示例は、洗浄液Iとして水酸化ナトリウムと硝酸(又はスルファミン酸等の無機酸やクエン酸等の有機酸)を使用し、その洗浄液Iを洗浄液槽30から入口選択弁20、ポンプ3、流量調節器4、予熱器11を介して加熱装置5へ投入し、加熱装置5から出力された洗浄液Iを切替弁15、予熱器11、出力選択弁25を介して洗浄液槽30へ戻すことにより還流・循環させた。ステップS202において制御装置40により所要時間D=30秒で所定滅菌レベル(例えば6桁滅菌レベル)が得られるように加熱器6の滅菌温度θ=96℃を設定し、ステップS203において温度計8による加熱器6の出口温度を制御装置40で検出しながら洗浄液Iの循環を継続した。加熱器6の出口温度不足の検出時は、ステップS203からステップS202に戻って蒸気流量制御弁10の開閉により洗浄液Iの温度を調整した。
次いでステップS204において入口選択弁20を原水槽1に切り替えると共に出力選択弁25を放流路12に切り替え、ステップS205において加熱器6を滅菌温度θ=96℃に維持しながら原水槽1の排水Aを系内に流入させて洗浄液Iと置換した。本設計の保持管7において30秒の保持時間Dが確保できる最大流量は150リットル/分であることから、排水Aの流入を初期流量=150リットル/分で開始したところ、ステップ206において温度計8の指示温度(加熱器6の出口温度)は流入当初から96℃であった。すなわち、従来の加熱滅菌処理では排水Aの流入初期段階において加熱器6の加熱不足が生じやすく、加熱不足が生じないように流量調節器12等で初期流量を調節しなければならなかったが、図3のステップS201〜S206のように洗浄液Iを系内配管に還流・循環させて予め加熱したのち排水Aを流入させて洗浄液Iと置換するスタートアップ処理とすることにより、排水Aの流入初期段階における加熱不足の発生等を避けられることが確認できた。ステップS207において排水Aの不活化処理を終了するか否かを判断し、不活化処理を継続する場合はステップS205へ戻って排水Aの流入を継続する。
排水Aの不活化処理の継続中に何らかの異常が発生し、ステップS206において加熱不足が検出されたときは、ステップ208へ進んで加熱不足の原因の調査・修理を行い、原水槽1の点検・開放が必要か否か(原水槽1の滅菌処理が必要か否か)を判断する。原水槽1の滅菌処理を必要としない場合はステップS209へ進み、入口選択弁20の弁21を閉鎖して排水Aの流入を停止すると共に、出口選択弁25の弁26を閉鎖して排水Aの系外への放流を停止する。次いでステップS210において、図4の場合と同様に入口選択弁20の弁22を開放して洗浄液Iを系内に送入すると共に、出口選択弁25の弁27を開放して系内の残留排水を原水槽1へ押し出し、更にステップS201へ戻って出口選択弁25を洗浄液槽30に接続替えして系内に洗浄液Iを還流・循環させる。
ステップS208において原水槽1の点検・開放が必要であると判断したときはステップS211へ進み、上述した加熱装置5の比較的高い滅菌温度θ及びその保持時間Dと、排水A中の微生物数が10分の1に滅菌される保持時間Dを10分の1に短縮するための上昇温度Z(上述した(3)式のZ値)とから、原水槽1を加熱装置5と同様の滅菌レベル(例えば6桁滅菌レベル)とするために必要な低滅菌温度θ及びその保持時間D(例えば滅菌温度θ=80℃、保持時間D=60分)を設定する。次いでステップS212〜214において、原水槽1から加熱装置5への排水Aの供給を維持しながら切替弁15を原水槽1に切替え、加熱装置5の出力排水Fを原水槽1へ還流させて原水槽1を滅菌温度θに加熱し、更に保持時間Dが経過するまで切替弁15を維持することにより、原水槽1及びその内部の排水Aを所定滅菌レベルに不活化する。原水槽1を所定レベルに加熱滅菌したのち、ステップS215において排水Aの還流を停止すると共に原水槽1を開放・点検・修理し、その後ステップS201へ戻って入口選択弁20及び出口選択弁25をそれぞれ洗浄液槽30に接続して系内に洗浄液Iを還流・循環させる。
図3の流れ図において原水槽1の加熱滅菌処理(ステップS211〜S215)からステップ201に戻り、更にステップS201〜206を繰り返して排水Aの不活化処理再開後に排出された滅菌済排水F中の生菌数を計測したところ、排水Aの6桁滅菌が確保できていることを確認できた。すなわち、図3の流れ図に沿って原水槽1の加熱滅菌処理後に洗浄液Iを系内に充填しながら排水Aの不活化処理を再開すれば、再開時における加熱器6の加熱不足の発生も避けることができ、6桁滅菌を確保しながら排水Aの不活化処理を再開するために極めて有効であることが確認できた。ステップ207において排水Aの不活化処理を終了する時は、入口選択弁20により排水Aの流入を休止すると共に出口選択弁25により排水Fの系外への放流を休止するが、不活化処理を容易に再開できるように、入口選択弁20及び出口選択弁25をそれぞれ洗浄液槽30へ接続して休止時の系内配管内に洗浄液Iを還流・循環させておくことができる。
1…原水槽 2…取水路
3…ポンプ 4…流量調節器
5…加熱装置 6…加熱器
7…保持管 8…温度計
9…圧力計 10…流量制御弁
11…予熱器 11a…第一予熱器
11b…第二予熱器 12…放流路
13…高温流路 14…低温流路
15…切替弁 16、17…開閉弁
18a、18b…温度計 20…入口選択弁
21、22…開閉弁 25…出口選択弁
26、27、28…開閉弁 30…洗浄液槽
31…洗浄液(水酸化ナトリウム)貯蔵タンク
32…洗浄液濃度制御装置 33…濃度計(導電率計)
34、35…流量制御弁
40…制御装置 41…滅菌制御装置
42…加熱制御装置 43…pH調整装置
45…記憶手段 46…算出手段
A…排水 B、C…昇温排水
E…高温排水 F…滅菌済排水
G…蒸気 H…放流水
I…洗浄液 W…希釈水

Claims (10)

  1. 原水槽に貯えた排水を不活化する方法において、前記排水を入力して所定温度に加熱しつつ所定時間D保持する加熱装置の出口に放流路又は原水槽へ選択的に接続する切替弁を設け、前記切替弁の放流路への接続時に加熱装置を所定保持時間Dで所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θに加熱して入力排水を不活化し、前記切替弁の原水槽への接続時に加熱装置の出力排水の還流により原水槽を低滅菌温度θに加熱し且つその低滅菌温度θを前記所定滅菌レベルが得られる時間D以上保持して原水槽内の排水を不活化してなる排水の不活化方法。
  2. 請求項1の不活化方法において、前記低滅菌温度θで所定滅菌レベルが得られる保持時間Dを、前記所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θ及びその保持時間Dと、前記排水中の微生物数が10分の1に滅菌される保持時間Dを10分の1に短縮するための上昇温度Zとから次式により求めてなる排水の不活化方法。
    log(D /D )=−(θ −θ )/Z
  3. 請求項1又は2の不活化方法において、前記切替弁の原水槽への接続時に加熱装置の出力排水の還流により原水槽の気相部を含む内側全体を低滅菌温度θ以上に加熱してなる排水の不活化方法。
  4. 請求項1から3の何れかの不活化方法において、前記原水槽と加熱装置との間に、前記加熱装置の出力排水を通す高温流路と加熱装置の入力排水を通す低温流路とを有し且つ高温流路の出力排水で低温流路の入力排水を昇温する予熱器を設け、前記切替弁を加熱装置の出口と予熱器との間に設けてなる排水の不活化方法。
  5. 請求項4の不活化方法において、前記予熱器の低温流路の入口に原水槽又は洗浄液槽へ選択的に接続する入力選択弁を設け、前記予熱器の高温流路の出口に放流路、原水槽又は洗浄液槽へ選択的に接続する出力選択弁を設け、前記原水槽内の排水の不活化終了後に切替弁を放流路に切り替えると共に入口選択弁及び出口選択弁をそれぞれ洗浄液槽に接続してシステム内に洗浄液を還流させ、前記加熱装置を高滅菌温度θに加熱したのち入口選択弁及び出口選択弁をそれぞれ原水槽及び放流路に切替えて入力排水の不活化を再開してなる排水の不活化方法。
  6. 排水を貯える原水槽、前記排水を入力して所定温度に加熱しつつ所定時間D保持する加熱装置、前記加熱装置の出口を放流路又は原水槽へ選択的に接続する切替弁、及び前記切替弁の放流路への接続時に加熱装置を所定保持時間Dで所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θに加熱して入力排水を不活化し、前記切替弁の原水槽への接続時に加熱装置の出力排水の還流により原水槽を低滅菌温度θに加熱し且つその低滅菌温度θを前記所定滅菌レベルが得られる時間D以上保持して原水槽内の排水を不活化する制御装置を備えてなる排水の不活化システム。
  7. 請求項6の不活化システムにおいて、前記制御装置に、前記所定滅菌レベルが得られる高滅菌温度θ及びその保持時間Dと前記排水中の微生物数が10分の1に滅菌される保持時間Dを10分の1に短縮するための上昇温度Zとを記憶する記憶手段、及びその保持時間Dと上昇温度Zとから次式により前記低滅菌温度θで所定滅菌レベルが得られる保持時間Dを求める算出手段を含めてなる排水の不活化システム。
    log(D /D )=−(θ −θ )/Z
  8. 請求項6又は7の不活化システムにおいて、前記切替弁の原水槽への接続時に加熱装置の出力排水の還流により原水槽の気相部を含む内側全体を低滅菌温度θ以上に加熱してなる排水の不活化システム。
  9. 請求項6から8の何れかの不活化システムにおいて、前記原水槽と加熱装置との間に、前記加熱装置の出力排水を通す高温流路と加熱装置の入力排水を通す低温流路とを有し且つ高温流路の出力排水で低温流路の入力排水を昇温する予熱器を設け、前記切替弁を加熱装置の出口と予熱器との間に設けてなる排水の不活化システム。
  10. 請求項9の不活化システムにおいて、前記予熱器の低温流路の入口に原水槽又は洗浄液槽へ選択的に接続する入力選択弁を設け、前記予熱器の高温流路の出口に放流路、原水槽又は洗浄液槽へ選択的に接続する出力選択弁を設け、前記制御装置により、前記原水槽内の排水の不活化終了後に切替弁を放流路に切り替えると共に入口選択弁及び出口選択弁をそれぞれ洗浄液槽に接続してシステム内に洗浄液を還流させ、前記加熱装置を高滅菌温度θに加熱したのち入口選択弁及び出口選択弁をそれぞれ原水槽及び放流路に切替えて入力排水の不活化を再開してなる排水の不活化システム。
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