JPWO2017010525A1 - ソフト水熱プロセスによる流通式高圧水蒸気滅菌方法および流通式滅菌装置 - Google Patents

ソフト水熱プロセスによる流通式高圧水蒸気滅菌方法および流通式滅菌装置 Download PDF

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伸洋 渡辺
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Abstract

ソフト水熱プロセスによる流通式の小型滅菌装置(1)では、水蒸気を、蒸気飽和度が100%を下回らない高飽和水蒸気の状態で、圧力容器(3)を経由して流通させて、被滅菌物を滅菌するソフト水熱プロセスによる高圧水蒸気滅菌工程を行う。高圧水蒸気滅菌工程では、所定の圧力および温度の水蒸気を、所定の開度に維持した給蒸モーター弁(23)を介して所定の流量で圧力容器に供給し、圧力容器(3)の下流側において、圧力容器(3)の内部圧力に応じて排気モーター弁(33)の開度を調整して、圧力容器(3)の内部温度および内部圧力がそれぞれ所定値に維持されるように制御する。滅菌後の被滅菌物の乾燥時間を大幅に短縮できる。

Description

本発明は、病院、医療、製薬などの分野における滅菌乾燥、および、実験動物施設における医療器具、リネン、金属器具、マウス・ラットの床敷、飼育ケージ・飼育機材等の滅菌乾燥に適したソフト水熱プロセスの化学特性を応用した流通式高圧水蒸気滅菌方法および流通式滅菌装置に関する。
医療機器などの滅菌装置としては、オートクレーブ(高圧水蒸気滅菌器)が知られている。オートクレーブによる滅菌処理においては、圧力容器内の凝結を嫌うので、スチームトラップで蒸気供給管および圧力容器内の凝結水を除去し、乾き度の高い蒸気を圧力容器内に供給する。
また、オートクレーブによる滅菌処理においては、残存空気を除去し、昇温時の凝結水および断熱膨張による凝結水を除去するために、空気排除工程、減圧工程、蒸気通過工程、蒸気充填工程、蒸気排出工程に加えて、滅菌対象物を乾燥させるための乾燥工程が必要である。
なお、医療現場における滅菌処理は、例えば日本国においては、非特許文献1に示すガイドラインに沿ったものであることが要求される。オートクレーブによる滅菌は、当該文献の第23頁以降の「3.蒸気滅菌における滅菌バリデーションおよび日常管理」に基づき行われている。
本発明者等は、基礎的研究例が殆ど無いソフト水熱プロセス(200℃以下の高温高圧の水および水蒸気)の化学特性を応用して、既存のオートクレーブでは不可能とされた高温耐性の蛋白質あるいは酵素、および、細菌内毒素の不活性化が可能であることを見出している(特許文献1、2、3)。
オートクレーブによる滅菌処理においては、上記のように、圧力容器内の凝結水を嫌うために、乾き度の高い蒸気を圧力容器内に供給している。これでは、蒸気飽和度が100%を下回り、効率的に被滅菌物の加水分解が亢進されない。この結果、バイオバーデン(bioburden)が高くなり、滅菌性能が低下し、あるいは、滅菌性能にバラツキが生じるという問題点がある。
また、オートクレーブによる滅菌処理においては、滅菌工程の終了までの間に、圧力容器内に凝結水が発生するので、滅菌処理後に乾燥工程が必須である。このために、滅菌処理時間が長く、病院の中央材料室に作業効率の低下、手術・治療サイクル確保のための治療器具の余剰確保、および滅菌処理に要する時間のために患者に対する治療行為等に遅れが生じる等の問題点がある。
「医療現場における滅菌保証のガイドライン 2010」、2010年12月1日初版、「日本医療機器学会」発行
特開2011−083206号公報 特開2010−075619号公報 特開2009−240206号公報
本発明者等は、このような問題を解決するために、ソフト水熱プロセスに着目して乾燥工程を省略した滅菌乾燥方法を提案している(PCT/JP2014/080255:出願日2014年11月14日)。
ここで、滅菌対象物は各種の形態で圧力容器に投入されて滅菌処理が施される。例えば、リネン等のシートによって包まれた状態で、圧力容器内において滅菌処理が施される。このような場合には、圧力容器内での処理中に発生する凝結水が外部に排出され難いので、被滅菌物を十分に乾燥できないおそれがある。よって、滅菌後の被滅菌物を乾燥する乾燥工程が必要とされる場合が多い。
本発明の課題は、ソフト水熱プロセスによる滅菌方法を採用して、滅菌性を保証しつつ、被滅菌物の乾燥時間を短縮可能なソフト水熱プロセスによる流通式高圧水蒸気滅菌方法および流通式滅菌装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のソフト水熱プロセスによる流通式高圧水滅菌乾燥方法は、
被滅菌物を入れた圧力容器から空気を排除する空気排除工程と、
前記圧力容器に水蒸気を供給すると共に当該圧力容器を外側からヒーターによって加熱して、当該圧力容器の内部温度および内部圧力を所定の温度および圧力に高める昇温昇圧工程と、
水蒸気を、蒸気飽和度が100%を下回らない高飽和水蒸気の状態で、前記圧力容器を経由して流通させて、前記被滅菌物を滅菌するソフト水熱プロセスによる高圧水蒸気滅菌工程と、
前記圧力容器内の前記被滅菌物を乾燥する乾燥工程と
を含み、
前記高圧水蒸気滅菌工程では、
所定の圧力および温度の水蒸気を、所定の開度に維持した給蒸弁を介して所定の流量で前記圧力容器に対して水蒸気流通方向の上流側から供給し、
前記圧力容器に対して前記水蒸気流通方向の下流側において、前記圧力容器の内部圧力に応じて排気弁の開度を調整して、前記圧力容器の内部温度および前記内部圧力がそれぞれ所定値に維持されるように制御し、
前記高圧水蒸気滅菌工程の終了後に、前記ヒーターの発熱温度を当該高圧水蒸気滅菌工程における発熱温度よりも高くして前記乾燥工程を行うことを特徴としている。
ここで、飽和水蒸気量と温度および圧力との関係は、下記の気体の状態方程式に基づき導き出すことができる。
PV=nRT(PV=G/M・RT)
P:圧力(MPa)
V:体積(dm
n:モル数(mol)
G:HOの質量(kg)
M:HOの分子量(18.015)
R:ガス定数(8.31×10−3dm・MPa/K・mol)
T:温度(K[℃+273℃])
また、高飽和水蒸気とは、高蒸気飽和度の飽和水蒸気および飽和水蒸気圧より高い圧力の水蒸気をいう。ソフト水熱プロセスとは、200℃以下の高飽和水蒸気を反応媒体とした化学反応をいう。高蒸気飽和度とは、蒸気飽和度が100%以上の状態をいい、蒸気飽和度は、次の式により表される。
{蒸気密度(kg/m)/飽和水蒸気密度(kg/m)}×100(%)
本発明の方法では、高飽和水蒸気を、滅菌処理槽である圧力容器を経由して流通させることにより、圧力容器内の被滅菌物を滅菌している。本発明者等の実験によれば、本発明の方法によって、既存のオートクレーブによる場合に比べて、滅菌性能が高く、滅菌性能のバラツキが少ない信頼性、再現性、および普遍性の高い滅菌処理を実現できることが確認された。
また、本発明の方法では、ソフト水熱プロセスを利用しており、また、高飽和水蒸気を、圧力容器を経由して流通させながら滅菌処理を行っている。すなわち、高圧水蒸気滅菌工程では、所定の圧力および温度の水蒸気を、供給側(上流側)から所定の開度に維持した供給弁を介して所定の流量で常に圧力容器に供給している。圧力容器の水蒸気排出側では、圧力容器の内部圧力に応じて排気弁の開度を調整して、圧力容器の内部温度および内部圧力がそれぞれ所定値に維持されるように制御している。これに対して、従来のオートクレーブにおいては、滅菌工程において、密閉状態の圧力容器の内部温度に応じて、その上流側から、水蒸気の供給および供給停止を切り換え制御している。
本発明者等の実験によれば、高飽和水蒸気を用いることにより、従来のオートクレーブに比べて、被滅菌物の滅菌処理における凝結水発生量を低減出来ることが確認された。また、高飽和水蒸気を圧力容器を通して流通させることにより、凝結水発生量を更に低減できることが確認された。
高圧水蒸気滅菌処理においては、処理時間に占める滅菌後の被滅菌物の乾燥時間の割合が大きい。したがって、乾燥時間を短くすることで高圧水蒸気滅菌処理時間を短縮でき、滅菌処理の効率化を達成できる。高圧水蒸気滅菌処理において乾燥時間を短くするためには、圧力容器内の凝結水発生量を減らすこと、および発生した凝結水を速やかに排除することが有効である。
本発明では、上記のように、ソフト水熱プロセスを利用して、圧力容器に高飽和水蒸気を流通させながら滅菌を行っている。圧力容器に高飽和水蒸気を流通させることにより、圧力容器内の凝結水発生量を低減でき、さらに凝結水を速やかに排除できる。これにより、滅菌後の被滅菌物の乾燥時間を短縮でき、一連の滅菌処理に必要な作業時間を短縮できる。
また、本発明者は、高圧水蒸気滅菌工程後にヒーター発熱温度を当該滅菌工程における場合よりも上げることにより、被滅菌物が所定の乾燥度に到達するために必要な乾燥時間を短縮できることも見出した。これに基づき、本発明では、高圧水蒸気滅菌工程の終了後に、ヒーターの発熱温度を前記の滅菌工程における発熱温度よりも高くして乾燥工程を行うようにしている。これにより、滅菌後の被滅菌物の乾燥時間を更に短縮でき、一連の滅菌処理に必要な作業時間を大幅に短縮できる。
特に、滅菌対象物がリネン等のシートによって包まれた状態で圧力容器内において滅菌処理が施される場合には、空気排除工程、昇温昇圧工程および滅菌工程において発生する凝結水のために、乾燥工程の時間が長くなる。本発明の方法は、このような滅菌対象物を滅菌する場合にきわめて有効である。
ここで、前記高圧水蒸気滅菌工程において、例えば非特許文献1に示すガイドラインに沿って、前記圧力容器の内部温度を134℃に維持し、前記圧力容器の内圧を0.204Mpaに維持する場合には、前記高圧水蒸気滅菌工程の終了後において前記ヒーターの発熱温度を135℃から145℃に上げることが望ましい。
本発明者は、ソフト水熱プロセスを用いた流通式高圧水蒸気滅菌処理において、各種の滅菌条件の下で圧力容器内の凝結水発生状態を実験により調べ、これに基づき、凝結水発生量に影響を与える以下の要因を見出した。
1)真空パルス方式の空気排除工程における真空パルスのパルス数およびパルス幅
(パルス数が増える程、また、パルス幅が広がる程、凝結水発生量が少なくなる。)
2)空気除去工程、昇温昇圧工程および滅菌工程において、給蒸弁の開度によって規定される圧力容器を流れる水蒸気流通量
(水蒸気流通量が増える程、凝結水発生量が少なくなる。)
3)滅菌工程におけるボイラ圧力(上流側の水蒸気圧力)
(ボイラ圧力を圧力容器の滅菌用の内部圧力に比べて所定量だけ高くすると、凝結水発生量にバラツキが少なくなる。)
4)圧力容器を加熱するヒーターの設定温度
(乾燥量、乾燥率は、ヒーター温度が高いほど改善される。)
本発明の流通式高圧水蒸気滅菌方法では、これらの新たな知見に基づき、上記の各要因1)〜4)のうちの1つ、複数、または全てを調整して、高圧水蒸気滅菌工程後における凝結水発生量を低減することにより、乾燥工程において所望の乾燥度が得られる乾燥時間を短縮するようにしている。例えば、上記の各要因1)〜4)をそれぞれ所定の値に設定した場合における凝結水発生量を所定値以下に低減して、予め定めた乾燥時間内で滅菌後の被滅菌物を乾燥できるように、これら各要因のうちの少なくとも1つ、複数、または全てを、所定量だけ大きな値に変更する。
すなわち、本発明では、真空パルス方式の前記空気排除工程における真空パルスのパルス数およびパルス幅のうちのいずれか一つ、または両方を調整して、前記滅菌工程の終了時点における前記圧力容器内の凝結水発生量を所定量以下に低減するようにしている。
また、本発明では、前記給蒸弁の開度によって規定される前記圧力容器を流れる水蒸気流通量を調整して、前記滅菌工程の終了時点における前記圧力容器内の凝結水発生量を所定量以下に低減するようにしている。
さらに、本発明では、前記高圧水蒸気滅菌工程において、前記上流側の水蒸気圧力を、前記圧力容器の内部圧力に比べて所定量だけ高くして、前記滅菌工程の終了時点における前記圧力容器内の凝結水発生量のバラツキを抑制するようにしている。
例えば、前記高圧水蒸気滅菌工程において、例えば非特許文献1に示すガイドラインに沿って、前記圧力容器の内部温度を134℃に維持し、前記圧力容器の内圧を0.204Mpaに維持する場合には、前記上流側の水蒸気圧力を前記内圧に比べて0.2MPa高い値に設定することが望ましい。
なお、高圧水蒸気滅菌工程時の内部温度の差が1.5℃以内となるように、ヒーターの発熱温度を設定内部温度に対して1℃高い温度にすることが望ましい。例えば、設定内部温度が134℃の場合には、ヒーター発熱温度を135℃に上げることが望ましい。
また、本発明において、前記高圧水蒸気滅菌工程における前記圧力容器の内部温度は、120℃〜150℃の範囲内の値に設定することができる。また、前記高圧水蒸気滅菌乾燥工程における前記圧力容器の内圧は、100kPa〜376kPaの範囲内の値に設置することができる。
本発明を適用した小型滅菌装置の概略構成・配管系統図である。 図1の小型滅菌装置の処理動作を示す概略フローチャートである。 扉シールサブルーチン(図2のステップST3)を示すフローチャートである ボイラサブルーチン(図2のステップST4)を示すフローチャートである。 圧力容器(缶体)ヒーターサブルーチン(図2のステップST5)を示すフローチャートである。 滅菌サブルーチン(図2のステップST9)の一例を示すフローチャートである。 処理済の被滅菌物を取り出すための扉シール解除サブルーチン(図2のステップST11)を示すフローチャートである。 滅菌処理動作パターンのタイムチャートである。 滅菌処理動作の別のパターン例を示すタイムチャートである。 小型滅菌装置の予熱工程の一例を示すフローチャートである。 予熱工程のタイムチャートである。 使用した被滅菌物のサンプル1〜6を示す図面代用写真である。 実験で採用した滅菌処理動作の基本パターンの圧力変化を示すグラフである。 滅菌処理動作の基本パターンの温度変化を示すグラフである。 滅菌工程における圧力および温度の変化を示すグラフである。 実験結果を示すグラフおよび表である。 実験結果を示すグラフおよび表である。 実験結果を示すグラフおよび表である。 実験結果を示すグラフおよび表である。 実験結果を示すグラフおよび表である。 実験結果を示すグラフおよび表である。
以下に、図面を参照して、本発明のソフト水熱プロセスによる流通式高圧水蒸気滅菌方法を用いた小型滅菌装置の実施の形態を説明する。
[全体構成]
図1は、本実施の形態に係る流通型の小型滅菌装置を示す概略構成・配管系統図である。小型滅菌装置1は高圧水蒸気滅菌処理を行う処理ユニット2を備え、処理ユニット2は投入された被滅菌物Wの滅菌処理を行う容量80リットルの圧力容器3(缶体)を備えている。圧力容器3には、当該圧力容器3を外部から加熱するためのヒーター4、および、当該圧力容器3の内部温度および内部圧力を検出する温度検出部5、圧力検出部6が配置されている。また、圧力容器3の扉3aの開閉機構7が配置されている。
圧力容器3に対して水蒸気流通方向の上流側には、圧力容器3に水蒸気を供給するためのボイラユニット10が配置されている。ボイラユニット10はボイラ11およびボイラ給水タンク12を備えている。圧力容器3に対して水蒸気流通方向の下流側には、圧力容器3を真空引きするための真空ポンプ13と、排水タンク14を備えた排水冷却ユニット15とが配置されている。
小型滅菌装置1の高圧水蒸気滅菌処理の動作は制御盤16によって制御される。制御盤16には操作・表示部17が接続されている。操作・表示部17は、表示画面18と複数の操作ボタン19が配列されている。操作ボタン19を操作して、後述の滅菌処理時の温度、圧力、処理時間を設定入力可能である(本小型滅菌装置ではタッチパネルにより操作している)。表示画面18には、高圧水蒸気滅菌処理時の温度、圧力を含む装置動作状態を表示可能である。
図1を参照して小型滅菌装置1の配管系統の主要部分を説明する。処理ユニット2の圧力容器3には、その缶体の外周面、後端面を取り囲む状態に、複数のヒーター4(H1〜H6)が配置されている。ヒーター4により加熱される圧力容器3の内部温度を検出する温度検出部5は、例えば、横置き状態の圧力容器3の内部における中心軸線の方向の中央位置における上側の部位、中心の部位および下側の部位の温度を検出する3個の温度センサTE8、TE9、TE10と、中心部分における下流側の部位および上流側の部位の温度を検出する2個の温度センサTE11、TE12が備わっている。圧力容器3の内圧を検出する圧力検出部6は1個の圧力センサPT1および1個の圧力計PT2を備えている。
圧力容器3には、給蒸管21を介して、ボイラ11が繋がっている。給蒸管21には、その上流側には給蒸電磁弁22が配置され、その下流側には、所定の開度に維持される給蒸モーター弁23が配置されている。圧力容器3の下流側には圧力センサPT1によって検出された内部圧力に応じて所定の開度に維持される排気モーター弁33が配置されている。ボイラ11は、ボイラ給水タンク12から供給される軟水を加熱して水蒸気を発生させる。発生した水蒸気は、給蒸管21を介して圧力容器3に供給される。ボイラ11は排水管24およびボイラ排水弁25を介して、排水タンク14に繋がっている。
圧力容器3の入り口側に取り付けられている扉3aの開閉機構7は、コンプレッサ26、扉開放電磁弁27、扉締付電磁弁28を備えている。圧力容器3には給気管34および排気管31が接続されている。給気管34、真空ポンプ給気弁(給気電磁弁)35を介して、圧力容器3に給気される。排気管31は、真空モーター弁32を介して真空ポンプ13の吸引側に接続されており、排気モーター弁33を介して排水タンク14に接続されている。また、真空ポンプ13には真空ポンプ給水弁36を介して給水される。
[高圧水蒸気滅菌処理動作]
図2は小型滅菌装置1の高圧水蒸気滅菌処理動作を示す概略フローチャートである。処理の動作モードとして、単一のパターンあるいは複数種類のパターンを用意しておき、これらの動作のパターンを制御盤16に設定しておくことができる。例えば、操作者は、操作・表示部17の操作ボタン19を操作して、これらのうちの一つを選択できる。
高圧水蒸気滅菌処理動作(以下、単に、「滅菌処理動作」と呼ぶ場合もある。)においては、最初に、圧力容器3の予熱工程が行われ、予熱工程の後に、図2に示す滅菌処理動作が開始される。予熱工程については後述する(図10、図11参照)。
滅菌処理動作においては、まず、圧力容器3内に被滅菌物を投入して扉3aを閉め(ステップST1)、滅菌処理を開始する(ステップST2)。滅菌処理においては、扉シールサブルーチン(ステップST3:図3参照)、ボイラサブルーチン(ステップST4:図4参照)および圧力容器(缶体)3のヒーターサブルーチン(ステップST5:図5参照)がそれぞれ行われ、扉3aのシール圧を規定シール圧に高め、ボイラ11から供給される水蒸気圧力を規定圧力に高め、ヒーター4の発熱温度を規定温度に高める(ステップST6、7、8)。
このようにして準備工程が終了した後は、圧力容器3内において被滅菌物の滅菌動作を行う(ステップST9:空気排除工程、昇温昇圧工程、滅菌工程および乾燥工程、図6参照)。滅菌終了後に圧力容器3の内圧を大気圧に戻し(ステップST10)、扉シールを解除し(ステップST11:図7参照)、扉3aを開けて滅菌された後の被滅菌物を取り出す(ステップST12)。以下、各ステップについて更に説明する。
図3は扉シールサブルーチン(図2のステップST3)を示すフローチャートである。被滅菌物を圧力容器3に入れて扉3aを閉めると、それがドア閉じリミットスイッチLS1、LS2(図1参照)によって検知され(ステップST301)、扉締付電磁弁28が開き、コンプレッサ26が入り(オンし)、設定圧で保持し規定シール圧で扉3aをシールし(ステップST302、303)、コンプレッサ26を切り(オフし)、扉締付電磁弁28を閉じる(ステップST304)。この一連の動作により、滅菌終了までそのシール状態を維持する(ステップST302〜305)。滅菌終了後は、扉締付電磁弁28を閉じ、その後開放弁を開け真空ポンプを入りにする(オンする)。これにより扉3aのシールが解除される。
図4はボイラサブルーチン(図2のステップST4)を示すフローチャートである。ボイラ11の運転中においては(ステップST401)、水位が低水位から高水位の間に保持されるように給水ポンプWP(図1参照)を駆動制御する(ステップST402〜405)。また、発生水蒸気の圧力が規定圧力に維持されるように内蔵のヒーターを制御する(ステップST406〜409)。これにより、規定圧力に制御された水蒸気が圧力容器3の側に供給される。
図5は圧力容器(缶体)ヒータサブルーチン(図2のステップST5)を示すフローチャートである。ヒーター4の駆動中においては(ステップST501)、その発熱温度が規定温度に維持されるように、ヒーター4の入り切り制御が行われる(ステップST502〜505)。
図6は滅菌サブルーチン(図2のステップST9)の一例を示すフローチャートであり、図8は当該滅菌処理動作パターンのタイムチャートである。図6において、図2のステップST1〜ST8に示す工程が準備工程である。
滅菌処理動作においては、まず、圧力容器3の空気排除工程を行う。排気モーター弁33、給気電磁弁35を閉じ、真空ポンプ13をオンにし、真空モーター弁32および真空ポンプ給水弁36を開き(ステップST901、902)、圧力容器3の内圧を規定陰圧にした後に、真空モーター弁32を閉じ、真空ポンプ13を切り、真空ポンプ給水弁36を閉じる(ステップST903、904)。
次に、給蒸モーター弁23、給蒸電磁弁22の開閉制御を行って、圧力容器3に真空パルスを2パルス分加える昇温昇圧工程(パルス昇圧)を行い、圧力容器3の内圧を規定の滅菌圧力である0.204MPaまで上げる(ステップST905〜914)。なお、昇圧動作に並行して、ヒーター4により圧力容器3の内部温度も規定の滅菌温度である134℃となるように制御される(図6の缶体ヒーターサブルーチン参照)。
次に、内部圧力が安定するまで待った後に(ステップST915)、滅菌圧力を所定時間に亘って維持して滅菌工程を行う(ステップST916)。滅菌工程においては、給蒸電磁弁22は開き状態に維持され、給蒸モーター弁23は、一定の開度、例えば70%の大きな開度に維持され、所定流量の水蒸気が圧力容器3を介して流通する。制御盤16(図1参照)は、圧力容器3の内部圧力に基づき、排気モーター弁33の開度を調節して、圧力容器3の内圧および内部温度を滅菌に適した値(例えば、0.204MPa、134℃)に維持する。これにより、圧力容器3内には高飽和水蒸気が流通して、ソフト水熱プロセスを利用した被滅菌物の滅菌が行われる。
規定の滅菌時間が経過した後は、給蒸モーター弁23、給蒸電磁弁22を閉じて圧力容器3からの排気を行い、圧力容器3の内圧を大気圧よりも僅かに高い圧力状態にする(ステップST917、918)。次に、排気モーター弁33を閉じ、真空ポンプ給水弁36を開き、圧力容器3の内圧を大気圧よりも僅かに低い状態にする(ステップST919〜921)。このようにして、圧力容器3の排気を行った後に、給気電磁弁35を開き、送風規定時間だけ圧力容器3に送風する(ステップST922、923)。これらの排気、送風からなる乾燥工程を経て、圧力容器3内の滅菌後の被滅菌物を乾燥する。
この後は、真空モーター弁32を閉じ、真空ポンプ13を切り、真空ポンプ給水弁36を閉じる(ステップST924)。
次に、図7は、処理済の被滅菌物を取り出すための扉シール解除サブルーチン(図2のステップST11)を示すフローチャートである。まず、真空ポンプ13を入れて、扉開放電磁弁27を開き、規定時間に亘って、その状態を維持してシール圧力を解除し、真空ポンプ13を切り、扉開放電磁弁27を閉じる(ステップST111〜113)。これにより扉3aを開けることが可能になる。この後は、扉3aを開き、被滅菌物を取り出す。
小型滅菌装置1の動作を終了する場合には、ヒーター4を切り、ボイラ11の運転を止める。
(滅菌処理動作の別のパターン例)
図9は滅菌処理動作の別のパターン例を示すタイムチャートである。本例のパターンは、上述した図8に示すパターンにおける空気排除工程が、真空引きおよび水蒸気導入を1パルスとして3パルス分繰り返される真空パルス方式により行われる点と、昇温昇圧工程(パルス昇圧)におけるパルスの印加回数を1回のみとした点と、乾燥工程を真空引きによる真空乾燥と、負圧状態での真空引きと給気をパルス状に2回繰り返す混合乾燥とした点が相違している。滅菌工程は同一である。
[予熱工程の例]
なお、図10は小型滅菌装置1の予熱工程の一例を示すフローチャートであり、図11はそのタイムチャートである。これらに示すように、ボイラ11で発生させた水蒸気を圧力容器3に供給し、これと並行して、圧力容器3を加熱して、常温常圧状態の圧力容器3を所定の規定圧力および所定の規定温度まで上げ、扉3aのシール圧力を規定シール圧まで上げる(図10のステップST131〜138)。これらの動作は、図3に示すステップST1〜ST8の場合と同様である。この後は、規定温度、規定圧力の状態を一定時間に亘って維持した後に、圧力容器3から水蒸気を排出してその内圧を大気圧まで戻す(ステップST139〜145)。
(実験内容)
本発明者等は、上記構成の小型滅菌装置1を用いて、例えば非特許文献1に示すガイドラインに沿って、134℃、0.204MPa、滅菌時間3.5分間の条件で、滅菌工程を行い、乾燥性を評価するための実験を行った。
図12は使用した被滅菌物Wのサンプル1〜6を示す図面代用写真である。これらのサンプル1〜6は、多数個のボルト、ナット等の鋼製小物であり、それぞれの重量を7.5kgとした。これらのサンプル1〜6のそれぞれを、7.5kgを2組ずつ圧力容器に入れて滅菌処理を行った。また、これらのサンプル1〜6は、通気性のシートで包んだ状態、本実験においてはリネンで包んだ状態で、圧力容器3に入れ、処理中に発生した凝結水が圧力容器3から排出されないようにした。
図13は実験で採用した滅菌処理動作の基本パターンの圧力変化を示すグラフであり、図14はその温度変化を示すグラフであり、図15は滅菌工程における圧力および温度の変化を示すグラフである。
実験においては、ソフト水熱プロセスを利用した滅菌処理において、乾燥性に関して次の関係を分析した。
分析項目1:
本発明の滅菌方法における乾燥時間を変えて、サンプルの質量増加率、質量増加量、滅菌後質量を測定し、必要とされる乾燥時間を、従来のオートクレーブにおける乾燥時間と比較した。このために、実験は、図13に示す基本パターンによるパルス式の乾燥工程においてボイラ設定圧力、高圧水蒸気流通量、およびヒーター発熱温度を変化させた場合と、この基本パターンによる真空パルスのパルス回数、パルス幅(パルス遅延量)を変えた場合について行った。
分析項目2:
ボイラ設定圧力(上流側の水蒸気圧力)を変えて、滅菌工程終了時点におけるサンプルの質量増加率、質量増加量および質量を測定し、ボイラ設定圧力と、ソフト水熱プロセスを利用した滅菌方法における凝結水発生量との関係を分析した。
分析項目3:
昇温昇圧工程、空気排除工程および滅菌工程において上流側の給蒸モーター弁の開度を変えて圧力容器3の高圧水蒸気流通量を変えて、滅菌工程終了時点におけるサンプルの質量増加率、質量増加量および滅菌後質量を測定し、開度(水蒸気流量)と、ソフト水熱プロセスを利用した滅菌方法における凝結水発生量との関係を分析した。
分析項目4:
滅菌工程後のヒーター発熱温度を変えて、サンプルの質量増加率、質量増加量および滅菌処理後の質量を測定し、ヒーター発熱温度と、ソフト水熱プロセスを利用した滅菌方法における凝結水発生量との関係を分析した。
分析項目5:
滅菌工程前の空気排除工程を真空パルス方式により行った場合において、パルス回数、パルス幅(パルス遅延量)を変えて、サンプルの滅菌工程後における質量増加率、質量増加量および滅菌処理後質量を測定し、真空パルスの印加形態と、ソフト水熱プロセスを利用した滅菌方法における凝結水発生量との関係を分析した。
(実験結果および分析結果)
分析項目1:乾燥時間
図16は、サンプル5、6(図12参照)についての実験結果を示すグラフよび図表である。サンプル5、6の場合には、既存のオートクレーブの場合には、乾燥時間が40分で、質量増加率が−0.17%以下になり、これが乾燥性の指標となる。
本発明の滅菌方法では、通常の乾燥工程を採用した場合には乾燥時間が25分で、質量増加率が−0.17%になり、パルス幅(パルス遅延量)を変えて、ヒーター発熱温度を変えた乾燥工程を採用した場合には乾燥時間が20分で、質量増加率が−0.17%を下回る−0.21%になった。したがって、既存の滅菌装置と比較して、乾燥時間を40分から20分に短縮できることが確認された。
分析項目2:ボイラ設定圧力
図17は、サンプル1(図12参照)についての実験結果を示すグラフおよび図表である。これらから分かるように、ボイラ設定圧力が変化しても質量増加(凝結水発生量)に殆ど違いが無く、圧力が0.4MPaの場合には、質量増加のバラツキ(SD)が少ない。例えば、圧力容器の滅菌工程温度を134℃、内部圧力を0.204MPaとした場合には、ボイラ設定圧力を、0.2MPa高く設定することにより、凝結水発生量を安定的に低減でき、これにより、乾燥工程における乾燥時間を安定的に短縮できる。
分析項目3:開度(水蒸気流通量)
図18は、サンプル1、2および3についての実験結果を示すグラフおよび図表である。給蒸モーター弁開度が大きい程、したがって、水蒸気量が多い程、乾燥が亢進することが分かる。具体的には、空気除去工程、昇温昇圧工程および滅菌工程での開度を75%以上として、所定の温度および圧力の水蒸気量を多くすると乾燥が亢進するので好ましい。
分析項目4:ヒーター発熱温度
図19は、サンプル2についての実験結果を示すグラフおよび図表である。質量増加は、ヒーター発熱温度が高い程、マイナス側に大きな値となる。換言すると、ヒーター発熱温度が高い程、乾燥が亢進する。例えば、圧力容器の滅菌工程温度を134℃、内部圧力を0.204MPaとした場合には、滅菌工程後のヒーター発熱温度を、滅菌工程における発熱温度である135℃から145℃に上げることが好ましい。
分析項目5:パルス印加形態
図20は、サンプル3についてのパルス数を変えた場合の実験結果を示すグラフおよび図表である。滅菌工程前の真空パルス方式の空気排除工程において、ダイナミックパルス方式により、0.03MPa〜−0.092MPaのパルスの回数を増やすと、乾燥が亢進することが分かる。
図21は、サンプル3についての空気除去工程のパルス幅を変えた場合の実験結果を示すグラフおよび図表である。パルス遅延時間(分)は、各パルスにおける−0.065MPaから−0.092MPaまでの間の時間である。パルス時間を延ばすと乾燥が亢進することが分かる。
したがって、乾燥工程において必要とされる乾燥時間を短くするためには、空気排除工程におけるパルス回数を増やし、パルス時間を長くすればよい。全体の工程時間の短縮を考慮するとパルス幅(パルス遅延量)を長くする方が効率的で望ましい。
以上説明したように、ソフト水熱プロセスを利用した流通式の小型滅菌装置では、図16に示すように、通常の乾燥工程を採用した場合には乾燥時間が25分で、質量増加率が−0.17%になる。また、真空パルスのパルス幅(パルス遅延量)を適宜調整し、ヒーター発熱温度を適宜調整した乾燥工程を採用した場合には、乾燥時間が20分で、質量増加率が−0.17%を下回る−0.21%になった。したがって、既存の滅菌装置と比較して、乾燥時間を40分から20分に短縮できることが確認された。例えば、圧力容器の滅菌工程温度を134℃、内部圧力を0.204MPaとした場合には、圧力容器のヒーターの設定温度(発熱温度)を乾燥工程において135℃から145℃に上げることにより、さらに、滅菌工程前の真空パルス方式の空気排除工程におけるパルス回数を増やし、あるいは、パルス幅を広げることにより、乾燥工程における乾燥時間を20分以内に短縮できることが示唆された。
これに加えて、圧力容器の上流側において給蒸モーター弁の開度を大きくして、蒸気流通量を増やすことにより、凝結水発生量を低減できるので、乾燥工程における乾燥時間を更に短縮できる。
また、ボイラ設定圧力(上流側の水蒸気圧力)を、例えば圧力容器の滅菌工程温度を134℃、内部圧力を0.204MPaとした場合には、滅菌工程における圧力容器内圧である0.204MPaよりも0.2MPa高くすることにより、凝結水発生量を安定的に低減できるので、乾燥後の被滅菌物の乾燥状態にバラツキを無くすことができる。

Claims (7)

  1. 被滅菌物を入れた圧力容器から空気を排除する空気排除工程と、
    前記圧力容器に水蒸気を供給すると共に当該圧力容器を外側からヒーターによって加熱して、当該圧力容器の内部温度および内部圧力を所定の温度および圧力に高める昇温昇圧工程と、
    水蒸気を、蒸気飽和度が100%を下回らない高飽和水蒸気の状態で、前記圧力容器を経由して流通させて、前記被滅菌物を滅菌するソフト水熱プロセスによる高圧水蒸気滅菌工程と、
    前記圧力容器内の前記被滅菌物を乾燥する乾燥工程と
    を含み、
    前記高圧水蒸気滅菌工程では、
    所定の圧力および温度の水蒸気を、所定の開度に維持した給蒸弁を介して所定の流量で前記圧力容器に対して水蒸気流通方向の上流側から供給し、
    前記圧力容器に対して前記水蒸気流通方向の下流側において、前記圧力容器の内部圧力に応じて排気弁の開度を調整して、前記圧力容器の内部温度および前記内部圧力がそれぞれ所定値に維持されるように制御し、
    前記高圧水蒸気滅菌工程の終了後に、前記ヒーターの発熱温度を当該高圧水蒸気滅菌工程における発熱温度よりも高くして前記乾燥工程を行う流通式高圧水蒸気滅菌方法。
  2. 請求項1において、
    前記高圧水蒸気滅菌工程の終了時点における前記圧力容器内の凝結水発生量が所定値以下となるように、真空パルス方式の前記空気排除工程における真空パルスのパルス数およびパルス幅のうちのいずれか一つ、あるいは双方を調整する流通式高圧水蒸気滅菌方法。
  3. 請求項1において、
    前記高圧水蒸気滅菌工程の終了時点における前記圧力容器内の凝結水発生量が所定値以下となるように、前記給蒸弁の開度によって規定される前記圧力容器を流れる水蒸気流通量を調整する流通式高圧水蒸気滅菌方法。
  4. 請求項1において、
    前記高圧水蒸気滅菌工程において、前記上流側の水蒸気圧力を、前記圧力容器の内部圧力に比べて所定量だけ高くして、前記高圧水蒸気滅菌工程の終了時点における前記圧力容器内の凝結水発生量のバラツキを抑制する流通式高圧水蒸気滅菌方法。
  5. 請求項1において、
    前記高圧水蒸気滅菌工程の終了後に、前記ヒーターの発熱温度を前記高圧水蒸気滅菌工程における発熱温度よりも高くして前記乾燥工程を行う流通式高圧水蒸気滅菌方法。
  6. 請求項1において、
    前記高圧水蒸気滅菌工程の終了時点における前記圧力容器内の凝結水発生量が所定値以下となるように、真空パルス方式の前記空気排除工程における真空パルスのパルス数およびパルス幅のうちのいずれか一つ、あるいは双方を調整し、かつ、前記給蒸弁の開度によって規定される前記圧力容器を流れる水蒸気流通量を調整し、
    前記高圧水蒸気滅菌工程において、前記上流側の水蒸気圧力を、前記圧力容器の内部圧力に比べて所定量だけ高くして、前記高圧水蒸気滅菌工程の終了時点における前記圧力容器内の凝結水発生量のバラツキを抑制する流通式高圧水蒸気滅菌方法。
  7. 被滅菌物が投入される圧力容器と、
    前記圧力容器に供給される水蒸気を発生する蒸気発生部と、
    前記圧力容器を外部から加熱するヒーターと、
    前記圧力容器の内部温度および内部圧力を検出する検出部と、
    前記圧力容器に供給される水蒸気量を調整する給蒸弁と、
    前記圧力容器を経由して流通する水蒸気量を調整する排気弁と、
    前記検出部によって検出される前記内部温度および前記内部圧力に基づき、前記蒸気発生部、前記ヒーター、前記給蒸弁、および前記排気弁を制御して、請求項1ないし6のうちのいずれか一つの項に記載の方法を実行する制御部と、
    前記圧力容器の前記内部温度および前記内部圧力を含む滅菌処理条件を前記制御部に設定入力可能な操作部、並びに、前記内部温度、前記内部圧力を含む装置動作状態を表示可能な表示部を備えた操作・表示部と
    を有している流通型滅菌装置。
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