JP2003103147A - 精密ろ過フィルターカートリッジ - Google Patents

精密ろ過フィルターカートリッジ

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JP2003103147A
JP2003103147A JP2001302632A JP2001302632A JP2003103147A JP 2003103147 A JP2003103147 A JP 2003103147A JP 2001302632 A JP2001302632 A JP 2001302632A JP 2001302632 A JP2001302632 A JP 2001302632A JP 2003103147 A JP2003103147 A JP 2003103147A
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filter cartridge
microporous
membrane support
support
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JP2001302632A
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Sumio Otani
純生 大谷
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造工程で頻繁に用いられる塩酸過水
と略称される塩酸と過酸化水素水との混合液及びイソプ
ロパノール等の60℃から80℃の高温ろ過に耐性を有し、
流量特性に優れ、安価なフィルターカートリッジを提供
すること。 【解決手段】 少なくとも一枚の微孔性ろ過膜、少なく
とも二枚の膜サポート、コアー、外周カバー及び二つの
エンドプレートにより構成されるプリーツ型精密ろ過フ
ィルターカートリッジにおいて、(a)微孔性ろ過膜のエ
タノールバブルポイントが0.1MPa以上で且つ、(b)膜
サポートのエタノールバブルポイントが0.05MPa以
下であり、(c) 膜サポートが実質直線状の微細な溝及び
又は凸部を多数形成した微孔性膜であることを特徴とす
る精密ろ過フィルターカートリッジによって達成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注射液や目薬の如
き医薬品製造過程における雑菌や微細混濁粒子の除去、
ミネラルウォーター、生ビール及び生酒の容器充填工程
における雑菌や微細懸濁粒子の除去、あるいは半導体製
造工程で用いる水や薬品中の微細懸濁粒子の除去で使用
される、微孔性ろ過膜を使用したフィルターカートリッ
ジに関する。本発明は特に、耐薬品性と流量特性に優れ
て安価な微孔性精密ろ過膜を使用したフィルターカート
リッジに関する。
【0002】
【従来の技術】近年半導体の製造においては、有機溶
剤、酸、アルカリ及び酸化剤あるいはアルコール類とい
った薬液に対する耐性が強く溶出物の少ない濾過用フィ
ルターが求められるようになっている。現在このような
薬液の濾過には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
を素材とする微孔性精密ろ過膜を使用し、その他のフィ
ルターカートリッジ構成部材には弗素系ポリマーを用い
たろ過用フィルターカートリッジ、即ち所謂オール弗素
フィルターカートリッジが使用されている。しかし、こ
のオール弗素フィルターで使用されているテトラフルオ
ロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体(以下、TFE-PFAともいう)を素材とする不織布や
織布・ネットはきわめて高価で、このことがオール弗素
フィルターが高価である原因になっている。また、ポリ
スルホン系ポリマー及びPTFEは耐熱性と耐薬品性を兼ね
備えているが、ポリスルホン系ポリマー繊維及びPTFE繊
維は一般には市販されていないため、ポリスルホン系ポ
リマー及びPTFEでできている不織布や織布・ネットは入
手困難である。しかるに、上記のような薬液の濾過には
より安価で耐熱性・耐薬品性に優れたフィルターカート
リッジが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、半導
体製造工程で頻繁に用いられる酸、アルカリ、酸化剤あ
るいはアルコール類、その中でも特に塩酸過水と略称さ
れる塩酸と過酸化水素水との混合液及びイソプロパノー
ル等の60℃から80℃の高温ろ過に耐性を有し、流量特性
に優れ、より安価なフィルターカートリッジを提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の精密
ろ過フィルターカートリッジによって達成できた。 (1)少なくとも一枚の微孔性ろ過膜、少なくとも二枚
の膜サポート、コアー、外周カバー及び二つのエンドプ
レートにより構成されるプリーツ型精密ろ過フィルター
カートリッジにおいて、(a)微孔性ろ過膜のエタノール
バブルポイントが0.1MPa以上で且つ、(b)膜サポート
のエタノールバブルポイントが0.05MPa以下であり、
(c)膜サポートが実質直線状の微細な溝及び又は凸部を
多数形成した微孔性膜であることを特徴とする精密ろ過
フィルターカートリッジ。 (2)前記膜サポートに形成された溝の深さが25μm以
上であることを特徴とする上記(1)に記載の精密ろ過
フィルターカートリッジ。 (3)前記膜サポートに形成されたプリーツ折目と溝と
が交差する角度が10から80度の間に有ることを特徴とす
る上記(1)または(2)に記載の精密ろ過フィルター
カートリッジ。 (4)前記膜サポートの面積に占める溝面積の割合が50
から90%であることを特徴とする上記(1)〜(3)の
いずれかに記載の精密ろ過フィルターカートリッジ。 (5)前記微孔性ろ過膜がポリテトラフルオロエチレン
でできており、膜サポート、コアー、外周カバー及びエ
ンドプレートがテトラフルオロエチレン・パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体の微孔性膜でできてい
ることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記
載の精密ろ過フィルターカートリッジ。 (6)フィルターカートリッジを構成する微孔性ろ過
膜、膜サポート、コアー、外周カバー及びエンドプレー
トのすべてがポリスルホン系ポリマーの微孔性膜ででき
ていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか
に記載の精密ろ過フィルターカートリッジ。
【0005】
【発明の実施の形態】フィルターカートリッジにはろ過
膜とろ過膜を保護する膜サポートをプリーツ状に折り束
ねた構造のプリーツカートリッジと、複数個の平板型ろ
過ユニットを積層してなる平板積層カートリッジとが知
られている。プリーツカートリッジの構造については、
例えば特開平4-235722号や同10-66842号などに開示され
ている。平板積層カートリッジの構造については例えば
特開昭63-80815号、特開昭56-129016号及び同58-98111
号などに開示されている。本発明は特にプリーツカート
リッジに対して有用である。以下プリーツカートリッジ
を例にしてその構造を説明する。図1は一般的なプリー
ツ型精密ろ過膜フィルターカートリッジの全体構造を示
す展開図である。精密ろ過膜3は2枚の膜サポート2、
4によってサンドイッチされた状態でひだ折りされ、集
液口を多数有するコアー5の周りに巻き付けられてい
る。その外側には液供給口を多数有する外周カバー1が
あり、精密ろ過膜を保護している。円筒の両端にはエン
ドプレート6a、6bにより、精密ろ過膜がシールされ
ている。エンドプレートはガスケット7を介してフィル
ターハウジング(図示なし)のシール部と接する。一つ
のエンドプレート部にO-リングが設けられ、O-リングを
介してフィルターハウジングと接するタイプのものもあ
る。ガスケット又はO-リングは、廃却の際容易に脱着で
きる。ろ過された液体はコアーの集液口から集められ、
コアーの中空部を経て円筒の端部に設けられた流体出口
8から排出される。流体出口は円筒の両端に設けられた
ものと、流体出口が片端のみに設けられ片端は塞がれて
いるタイプのものがある。
【0006】本発明において、精密ろ過膜3は芳香族ポ
リアリルエーテルスルホン、ポリオレフィン、セルロー
ズエステル類、ポリ弗化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)やポリアミド等使用することができ
る。芳香族ポリアリルエーテルスルホン、ポリオレフィ
ンやポリアミド等のハロゲン非含有ポリマーを材料にし
て作られた膜は、使用済フィルターを焼却できる点で好
ましい。中でも芳香族ポリアリルエーテルスルホン(以
後ポリスルホン系ポリマーという)を材料にしてつくら
れた親水性膜が耐熱性や耐薬品性の幅が広く優れている
ので特に好ましい。また、PTFEは微孔性精密ろ過膜素材
として、多くの薬品に対して安定した耐薬品性を有する
特長があるため好ましい。
【0007】ポリスルホン系ポリマーの代表的な化学構
造を化学式1から3に示す。化学式1に示したポリマー
はユーデルポリスルホンの商品名でアモコ社から発売さ
れている。一方化学式2に示したポリエーテルスルホン
がスミカエクセルPESの商品名で住友化学より発売され
ている。本発明では耐薬品性の幅が特に広いためにポリ
エーテルスルホンの使用が特に好ましい。ポリスルホン
系ポリマーを材料とする親水性の微孔性精密ろ過膜の製
法は、特開昭56-154051号、特開昭56-86941号、特開昭5
6-12640号、特開昭62-27006号、特開昭62-258707号、特
開昭63-141610号などに詳しく記載されている。
【0008】
【化1】
【0009】PTFEも微孔性精密ろ過膜素材として好まし
い。即ちほとんどどんな薬品に対しても安定した耐薬品
性を有する特長がある。PTFE微孔性精密ろ過膜の製法
は、特公昭57-18991号、特開昭54-97686号、特開昭55-1
08425号、特公平7-119303号などに記載されている。
【0010】ろ過膜の孔径は通常0.02μmから5μmであ
るが、半導体製造用途では0.02μmから0.45μmのものが
好ましく使用され、特に高集積IC製造においては表示
孔径0.02μmから0.2μmのものが好ましい。このような
膜の特性はASTM F316(JISK3832法に則り、測定に使用
した液体はエタノールである)の方法で測定したエタノ
ールバブルポイント値で表すと0.1MPa以上となる。
特に好ましくはエタノールバブルポイントで0.3から
0.7MPaである。膜はみかけの体積に対する孔の割合
が多い方がろ過抵抗が少なくて好ましい。一方あまり孔
が多いと膜強度が低下して壊れやすくなる。従って好ま
しいろ過膜の空隙率は40%から90%である。特に好
ましいのは57%から85%である。また膜厚さは通常
30μmから220μmである。厚すぎるとカートリッジ
に組込める膜面積が減少し、一方薄いと膜強度が低下す
るため、特に好ましい膜厚さは50μmから160μmで
ある。更に好ましい膜厚さは70μmから135μmであ
る。
【0011】膜サポートの役割は、ろ過圧変動に対して
ろ過膜を補強する役割、液供給側からろ過側に液を透過
する役割、そしてプリーツひだの奥にろ過膜に平行な方
向に液を導入する役割も担っている。従って適度な通液
性とろ過膜を十分に保護可能な物理強度を有している必
要がある。このような機能を有するシート材料であれば
何でも使用可能であるが、本発明で使用可能な膜サポー
トとしては上記一般的な機能の他に耐熱性と耐薬品性が
兼ね備わっている必要がある。従ってろ過膜3と同じ素
材あるいはそれ以上の耐熱性と耐薬品性を有するポリマ
ーの使用が好ましい。
【0012】本発明で用いられる膜サポートは、エタノ
ールバブルポイントが50kPa以下の大孔径の微孔性膜で
ある。その製法は基本的に本発明の微孔性精密ろ過膜と
同じである。膜サポートに用いる微孔性膜のエタノール
バブルポイントは6〜50kPaであることが好ましく、12〜
35kPaであればなお好ましい。膜サポート面に対して垂
直方向の水透過性は、0.1MPaの差圧をかけた時の水流量
が1分間当り150ml/cm 2以上が好ましく、200ml/cm2以上
であればなお好ましい。膜サポートのミューレン破裂強
度は80kPa以上あることが好ましく、120kPa以上あれば
なお好ましい。
【0013】また、本発明の膜サポートは、実質直線状
の微細な溝及び又は凸部を多数形成した微孔性膜であ
る。膜サポートに溝及び又は凸部を形成する方法は特に
限定されないが、表面に多数の突起を形成した金属ロー
ルと表面が平らなバックアップロールとの間に微孔性膜
を挟んで連続圧着処理する、エンボスカレンダー加工を
行えば、本目的は達成できる。硬いバックアップロール
を使用すると膜サポートには溝だけが形成される。柔ら
かいバックアップロールを使用すると溝の反対面に突起
が同時に形成される。溝を多く形成することによりプリ
ーツひだ内部への液浸透抵抗は小さくなるが、一方溝の
部分は孔が潰されて膜サポートの表面から裏面への液透
過抵抗が増大するので、溝形成面積は膜サポート全体の
20から95%にすることが好ましい。特に好ましくは50か
ら90%である。
【0014】膜サポートに付与する溝及び(又は)凸部は
膜サポートの片面だけに付与してもよいし、両面に付与
してもよい。膜サポートに付与する溝の幅は5μmから2
mmが使用可能である。好ましくは20μmから1mmであり、
特に好ましくは0.1mmから0.8mmである。形成する溝の深
さは経験的に25μm以上が好ましい。35μm以上が更に好
ましい。ろ過圧によってろ過膜がサポート膜上の溝を塞
ぐように湾曲する。従って溝幅は広すぎては却って不都
合である。また溝深さは単純計算で必要な深さよりも深
くする必要がある。本発明における「実質直線状」と
は、膜サポート上に形成する溝の幾何学パターンは等間
隔平行の直線形状であることが好ましいが、極端でなけ
れば正確な等間隔や平行である必要はない。また正確に
直線である必要もない。溝と溝との間隔は3mm以下が好
ましく、1.6mm以下が更に好ましい。0.3から0.8mmの間
が最も好ましい。互いに交差する多数の縦方向と横方向
の溝から構成されておればなお好ましい。溝とプリーツ
折目とが交差する角度は10から80度であることが好まし
い。90度近辺の場合は折り返したサポート膜上の凸部が
溝にはまりこんで溝を塞ぐ可能性がある。膜サポートの
膜厚さは60μmから300μmが好ましく、100μmから220μ
mが特に好ましい。薄すぎるとろ過膜を補強する機能が
劣り、厚すぎるとカートリッジに組込める膜面積が少な
くなって不都合である。
【0015】コアー5、外周カバー1及びエンドプレー
ト6に使用する材料も耐熱性と耐薬品性を備えている必
要がある。ろ過膜、膜サポート材、外周カバー、コアー
あるいはエンドプレートのすべてあるいはどれか一つが
異種素材であると、耐薬品性は最も弱い素材によって決
定される。例えばアルカリ類に弱い材料をろ過膜に使用
し、サポート材には酸に弱い材料を使用し、エンドプレ
ートには有機溶剤に弱い材料を使用すると、できたフィ
ルターカートリッジは水以外の液体には使用できない、
大変耐薬品性の乏しいものになってしまう。従ってろ過
膜、膜サポート材、外周カバー、コアー及びエンドプレ
ートのすべてが同一素材あるいはよく似た素材でできて
いることが好ましい。同一素材であれば接着性がよいの
でなお好ましい。PTFEでできているろ過膜を使用する場
合は膜サポート、外周カバー、コアー及びエンドプレー
トにテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体が最も好ましく使用される。ま
た、ポリスルホン系ポリマーでできているろ過膜を使用
する場合は膜サポート、外周カバー、コアー及びエンド
プレートに同じ分子組成のポリスルホン系ポリマーが最
も好ましく使用される。
【0016】精密ろ過膜3は膜サポート2、4の間に挟
んで、通常公知の方法でプリーツ加工される。使用する
微孔性精密ろ過膜は少なくとも一枚、場合によっては複
数枚の膜を使用することもできる。膜サポートは片側に
少なくとも一枚、場合によっては複数枚の膜サポートを
使用できる。片面だけに溝又は凸部を形成したサポート
膜は、溝又は凸部のない平らな面を微孔性ろ過膜と接す
るように配置して、プリーツするのが好ましい。
【0017】プリーツ加工されたろ材は両端部をそろえ
るためにカッターナイフ等で両端部の不揃いを切り落と
し、円筒状に丸めてその合わせ目のひだをヒートシール
あるいは接着剤を用いて液密にシールする。接着シール
は精密ろ過膜と膜サポート計6層を合わせて行うことも
あれば、サポート2あるいは4を除外してろ過膜同士が
直接重なるように接着シールすることもある。ひだの合
わせ目に熱可塑性シートを挟んでヒートシールしてもよ
い。ここで使用する接着剤や熱可塑性シートはろ過膜と
同じ材料が接着性をよくするために好ましい。接着剤を
使用する場合、例えばポリスルホン系ポリマー接着剤は
溶剤に溶解した状態で使用する。例えばポリエーテルス
ルホン10部を塩化メチレン30部、ジエチレングリコ
ール20部の混合溶液に溶解し、ジエチレングリコール
140部を徐々に添加混合する。溶剤は接着後加熱揮発
させてフィルターカートリッジ中に残さない。ろ過膜素
材にPTFEを使用した場合はヒートシール法を採用するこ
とが好ましい。
【0018】このようにしてできた円筒状ろ材の内側に
コアー5を挿入し、外周カバー1をかぶせたものをプリ
ーツ体という。エンドプレート6にプリーツ体の両端部
を液密に接着シールするエンドシール工程は熱溶融によ
る方法と、溶剤接着による方法とに大きく分けられる。
熱溶融法ではエンドプレートのシール面のみを熱板に接
触させたりあるいは赤外線ヒーターを照射して表面だけ
を加熱溶解し、プリーツ体の片端面をプレートの溶解面
に押し付けて接着シールする。溶剤接着法の場合は溶剤
の選定が重要である。通常はろ過膜を溶解しないあるい
はろ過膜に対する溶解性が低く、且つエンドプレートに
対しては溶解性のある溶剤を選ぶ。溶剤は単独化学種で
あってもよく混合溶剤であってもよい。2種以上の溶剤
を混合する時は、少なくとも沸点の高い方の溶剤はろ過
膜に対して溶解性を有しないものを選択する。溶剤接着
剤にポリマーを1%から7%程度溶解させておくとなお
よい。溶解するポリマーはエンドプレートと同材質ある
いは少なくともエンドプレートと接着しやすい材料を選
ぶ。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)特開昭63−139930号公報の実施例
1に記載されている方法でエタノールバブルポイント25
0kPaのポリスルホン膜を製膜し、これを微孔性ろ過膜と
する(膜Aと呼ぶ)。一方特開昭63−139930号
公報の実施例3に記載されている方法でエタノールバブ
ルポイント18kPaのポリスルホン膜を製膜する。この膜
をB膜と呼ぶ。B膜の一方の面に溝幅約0.4mm、溝と
溝との間隔が1mm、深さ約55μmの溝を、エンボスカ
レンダー処理により形成する。この膜Cを膜サポートと
して使用する。膜A、膜Cの膜厚さは、それぞれ、130
μm、135μmであった。二枚の膜Cの間に膜Aを挟んで
通常の方法でプリーツ加工する。膜Cが膜Aに接触する
のは、一次側膜Cも二次側膜Cもいずれも溝を形成して
いない平らな面とする。折り目の間隔は10.5mm、膜幅
は240mmで、約120山分で折った膜束を切断し,円筒状
にして両端の襞を合わせてヒートシールする。ポリスル
ホン外周カバーに膜束とコアーを収容し、両端をそろえ
てプリーツ体をつくる。ポリスルホン丸棒から削り出し
でつくったエンドプレートの表面に赤外線ヒーターを照
射し、エンドプレートの表面を約300℃に熱して溶か
し、これに十分に予熱したプリーツ体の端部を押しつけ
て接着シールする。プリーツ体の反対側も同様にエンド
プレートを溶着シールして、フィルターカートリッジを
完成する。
【0020】(比較例1)実施例1で使用したと同じ膜
Bをエンボスカレンダー処理を施さずに一次側及び二次
側膜サポートとして使用した他は実施例1と同様にして
フィルターカートリッジをつくる。 (実施例2)住友電工製フルオロポアFP-1000の一方の面
に溝幅約0.3mm、溝と溝との間隔が0.6mm、深さ約40
μmの溝を、エンボスカレンダー処理により形成する。
この膜Dを膜サポートとして使用する。住友電工製フル
オロポアFP-010を二枚の膜Dではさんだ状態で、通常の
方法でプリーツ加工する。膜Dがろ過膜フルオロポアFP
-010に接触するのは、一次側膜Dも二次側膜Dもいずれ
も溝を形成していない平らな面とする。ろ過膜フルオロ
ポアFP-010、膜Dのエタノールバブルポイントは、それ
ぞれ180kPa、25kPaであった。また、ろ過膜フルオロポ
アFP-010、膜Dの膜厚さは、それぞれ60μm、110μm
であった。折り目の間隔は10.5mm、膜幅は240mm
で、約120山分で折った膜束を切断し、円筒状にして両
端の襞を合わせてヒートシールする。膜サポートDと同
一素材で作製した外周カバーに膜束と膜サポートDと同
一素材で作製したコアーを収容し、両端をそろえてプリ
ーツ体をつくる。膜サポートDと同一素材で作製した丸
棒から削り出しでつくったエンドプレートの表面に赤外
線ヒーターを照射し、エンドプレートの表面を約380℃
に熱して溶かし、これに十分に予熱したプリーツ体の端
部を押しつけて接着シールする。プリーツ体の反対側も
同様にエンドプレートを溶着シールして、フィルターカ
ートリッジを完成する。
【0021】(比較例2)微孔性ろ過膜には実施例1で
使用したのと同じ膜Aを、一次側及び二次側サポートに
はポリプロピレン不織布(三井石油化学製シンテックス
PS-106、繊維サイズ2デニール、目付け30g/m2)を用
い、コアー、外周カバー及びエンドプレートにもポリプ
ロピレンの成型品を用いて、約140山のプリーツ膜束か
らなるフィルターカートリッジをつくる。
【0022】(評価1)実施例1、2及び比較例1及び
2のフィルターカートリッジの耐薬品性を比較測定し
た。評価に使用した薬品は塩酸過水である。塩酸過水に
フィルターカートリッジを浸漬し、毎日8時間、通算480
時間80℃に加熱する。その後フィルターカートリッジの
完全性維持測定と外観観察を行う。塩酸過水は濃塩酸1
対30%過酸化水素水1対超純水5の割合で調合する。塩
酸過水は劣化するので、毎日新しい液に交換する。測定
結果を表1に示す。ポリプロピレンが塩酸過水浸漬によ
り著しく劣化するのに対して、ポリスルホン、PTFE及び
TFE-PFAはほとんど劣化しない。比較例2のポリスルホ
ン膜は膜サポートの支えを失い、エンドプレート溶着部
付近に亀裂を生じ、完全性は維持できなくなった。
【0023】
【表1】
【0024】(評価2)実施例1、2と比較例1のフィ
ルターカートリッジの流量特性を比較測定した。流量特
性は、ろ過器に装着したフィルターカートリッジにポン
プで水を0.02m3/minの流量で供給し、その時のろ過差圧
を測定した。実施例1、2は流量特性が優れているが、
エンボスカレンダー処理を行っていない膜サポートを使
用する比較例1は流量特性が著しく劣る。測定結果を表
2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明のフィルターカートリッジは、耐
薬品性と流量特性に優れて安価な微孔性精密ろ過膜を使
用したものであり、半導体製造工程で頻繁に用いられる
塩酸と過酸化水素水との混合液及びイソプロパノール等
の高温ろ過に耐性を有し、流量特性に優れ、より安価な
フィルターカートリッジを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なプリーツ型フィルターカートリッジの
構造を表す展開図。
【符号の説明】
1.外周カバー 2.膜サポート 3.精密ろ過膜 4.膜サポート 5.コアー 6a、6b.エンドプレート 7.ガスケット 8.液体出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA07 HA72 JA03B JA03C JA08C JA27C JA30C MA04 MA09 MC16X MC17X MC22X MC28X MC29X MC30X MC60X MC62X NA45 NA47 PB02 PB20 PB24 PC01 PC11 PC42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一枚の微孔性ろ過膜、少なく
    とも二枚の膜サポート、コアー、外周カバー及び二つの
    エンドプレートにより構成されるプリーツ型精密ろ過フ
    ィルターカートリッジにおいて、(a)微孔性ろ過膜のエ
    タノールバブルポイントが0.1MPa以上で且つ、(b)膜
    サポートのエタノールバブルポイントが0.05MPa以下
    であり、(c)膜サポートが実質直線状の微細な溝及び又
    は凸部を多数形成した微孔性膜であることを特徴とする
    精密ろ過フィルターカートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記膜サポートに形成された溝の深さが
    25μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の精
    密ろ過フィルターカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記膜サポートに形成されたプリーツ折
    目と溝とが交差する角度が10から80度の間に有ることを
    特徴とする請求項1または2に記載の精密ろ過フィルタ
    ーカートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記膜サポートの面積に占める溝面積の
    割合が50から90%であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の精密ろ過フィルターカートリッジ。
  5. 【請求項5】 フィルターカートリッジを構成する微孔
    性ろ過膜がポリテトラフルオロエチレンでできており、
    膜サポート、コアー、外周カバー及びエンドプレートが
    テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニル
    エーテル共重合体の微孔性膜でできていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の精密ろ過フィルタ
    ーカートリッジ。
  6. 【請求項6】 フィルターカートリッジを構成する微孔
    性ろ過膜、膜サポート、コアー、外周カバー及びエンド
    プレートのすべてがポリスルホン系ポリマーの微孔性膜
    でできていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の精密ろ過フィルターカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023017784A1 (ja) * 2021-08-10 2023-02-16 帝人株式会社 積層膜

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