JP2001224932A - 精密ろ過フィルターカートリッジ - Google Patents

精密ろ過フィルターカートリッジ

Info

Publication number
JP2001224932A
JP2001224932A JP2000178443A JP2000178443A JP2001224932A JP 2001224932 A JP2001224932 A JP 2001224932A JP 2000178443 A JP2000178443 A JP 2000178443A JP 2000178443 A JP2000178443 A JP 2000178443A JP 2001224932 A JP2001224932 A JP 2001224932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
filter cartridge
microporous
filtration membrane
filtration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000178443A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Otani
純生 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000178443A priority Critical patent/JP2001224932A/ja
Publication of JP2001224932A publication Critical patent/JP2001224932A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的安価に作製し得て、且つフィルターカ
ートリッジの流量特性の低下を改善し得る構造の膜サポ
ートを備えていて、比較的安価で流量特性に優れたフィ
ルターカートリッジを提供すること。 【解決手段】 少なくとも一枚の微孔性ろ過膜、少なく
とも二枚の膜サポート、コアー、外周カバー及び二つの
エンドプレートにより構成されるプリーツ型精密ろ過フ
ィルターカートリッジにおいて、上記膜サポートに微細
な溝及び/又は凸部を多数形成した微孔性膜を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注射液や目薬の如
き医薬品製造過程における雑菌や微細混濁粒子の除去、
ミネラルウォーター、生ビール及び生酒の容器充填工程
における雑菌や微細懸濁粒子の除去、或いは半導体製造
工程で用いる水や薬品中の微細懸濁粒子の除去等に使用
される、就中半導体製造工程で用いる水や薬品中の微細
懸濁粒子の除去に好適に使用される、微孔性ろ過膜を使
用した精密ろ過フィルターカートリッジに関する。本発
明は特に、流量特性に優れ、比較的安価に作製し得て、
且つ材質を選択することにより耐薬品性等にも優れた、
上記のような精密ろ過フィルターカートリッジに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の製造においては、有機溶
剤、酸、アルカリ及び酸化剤といった薬液に対する耐性
が強く溶出物の少ない濾過用フィルターが求められるよ
うになっている。現在このような薬液の濾過には、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)を素材とする微孔
性精密ろ過膜を使用し、その他のフィルターカートリッ
ジ構成部材には弗素系ポリマーを用いたフィルターカー
トリッジ、即ち所謂オール弗素フィルターカートリッジ
が使用されている。
【0003】一般に、フィルターカートリッジには、微
孔性精密ろ過膜と、該ろ過膜を保護する膜サポートをプ
リーツ状に折り束ねた構造のプリーツ型カートリッジ
と、複数個の平板型ろ過ユニットを積層してなる平板積
層型カートリッジとが知られている。プリーツ型カート
リッジの構造については、その例が、例えば特開平4−
235722号や同10−66842号などの各公報に
開示されている。
【0004】ところで、従来のプリーツ型の上記所謂オ
ール弗素フィルターカートリッジにおいては、膜サポー
トとして、弗素系ポリマーの不織布、織布或いはネット
などの弗素系ポリマーの繊維から誘導されたものが用い
られており、このらの不織布、織布或いはネットなどは
非常に高価であり、そのためフィルターカートリッジが
高価となり、もっと安価なオール弗素フィルターカート
リッジが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の状況に鑑み、比較的安価に作製し得て、且つフィ
ルターカートリッジの流量特性の低下を改善し得る構造
の膜サポートを備えていて、比較的安価で流量特性に優
れたフィルターカートリッジを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、少なくとも一枚の微孔性ろ過膜、少なく
とも二枚の膜サポート、コアー、外周カバー及び二つの
エンドプレートにより構成されるプリーツ型精密ろ過フ
ィルターカートリッジにおいて、該膜サポートが微細な
溝及び/又は凸部を多数形成した微孔性膜であることを
特徴とする精密ろ過フィルターカートリッジを提供す
る。以下詳細に本発明を説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、本発明が対象とするプリー
ツ型精密ろ過フィルターカートリッジの構造を説明す
る。図1は、一般的なプリーツ型精密ろ過フィルターカ
ートリッジの全体構造を示す展開図である。即ち、フィ
ルターカートリッジにおいては、一般に、微孔性ろ過膜
3が2枚の膜サポート2、4によってサンドイッチされ
た状態でひだ折りされ、集液口を多数有するコアー5の
周りに巻き付けられている。その外側には、液供給口を
多数有する外周カバー1があり、微孔性ろ過膜3を保護
している。上記各要素で構成された円筒の両端は、エン
ドプレート6a、6bにより、微孔性ろ過膜3がシール
されている。エンドプレート6aは、ガスケット7を介
してフィルターハウジング(図示なし)のシール部と接
する。一つのエンドプレート部にO−リングが設けら
れ、O−リングを介してフィルターハウジングと接する
タイプのものもある。ガスケット或いはO−リングは、
廃却の際容易に脱着できる。ろ過された液体はコアー5
の集液口から集められ、コアー5の中空部を経て円筒の
端部に設けられた液体出口8から排出される。液体出口
が円筒の両端に設けられたタイプのものと、液体出口が
片端のみに設けられ片端は塞がれているタイプのものが
ある。
【0008】本発明のフィルターカートリッジにおい
て、微孔性ろ過膜3としては、芳香族ポリアリルエーテ
ルスルホンなどのポリスルホン系ポリマー、ポリオレフ
ィン、セルローズエステル類、ポリ弗化ビニリデン、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリアミド等
の各種ポリマーを素材として作られた微孔性精密ろ過膜
を用いることができる。ポリスルホン系ポリマー、ポリ
オレフィンやポリアミド等のハロゲン非含有ポリマーを
素材として作られた膜は、使用済フィルターを焼却でき
る点で好ましい。これらの中でも、ポリスルホン系ポリ
マーを素材として作られた親水性膜が、耐熱性や耐薬品
性の幅が広く、且つエアーロックを起こし難くてろ過安
定性に優れているので特に好ましい。微孔性精密ろ過膜
の作製素材として、ポリスルホン系ポリマーの中でも、
ポリエーテルスルホンが耐薬品性の幅が一層広いために
特に好ましく用いられる。このポリエーテルスルホンの
代表的な例として、下記一般式(I)、(II)及び(II
I)で表されるポリマーが挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】上記の一般式(I)で表されるポリマーに
は、ユーデルポリスルホンの商品名でアモコ社から発売
されているものがある。一般式(II)で表されるポリマ
ーには、スミカエクセルPESの商品名で住友化学より
発売されていものがある。また、ポリスルホン系ポリマ
ーを素材とする親水性の微孔性精密ろ過膜の製法は、特
開昭56−154051号、特開昭56−86941
号、特開昭56−12640号、特開昭62−2700
6号、特開昭62−258707号、特開昭63−14
1610号などの各公報に記載されている。
【0011】上記微孔性ろ過膜3に関し、PTFEは、
微孔性精密ろ過膜素材として、上記ポリスルホン系ポリ
マーとは違った意味で非常に優れているために好まし
い。即ち、PTFEは、ほとんどどんな薬品に対しても
安定した耐薬品性を有する特長がある点で、微孔性ろ過
膜素材として好ましく用いられる。PTFEを素材とす
る微孔性精密ろ過膜の製法は、特公昭57−18991
号、特開昭54−97686号、特開昭55−1084
25号、特公平7−119303号などの各公報に記載
されている。
【0012】本発明のフィルターカートリッジで用いる
微孔性ろ過膜3の孔径は、通常0.02μmから5μm
であるが、半導体製造用途では0.02μmから0.4
5μmのものが好ましく使用され、特に高集積IC製造
においては表示孔径0.02μmから0.2μmのもの
が好ましい。このような膜の特性は、ASTM F31
6の方法で測定した水バブルポイント値で表すと0.3
MPa以上となり、エタノールバブルポイントでは0.
1から1MPaと表せる。特に好ましくはエタノールバ
ブルポイントで0.3から0.7MPaである。また、
膜は、みかけの体積に対する孔の割合が多い方がろ過抵
抗が少なくて好ましい。一方、あまり孔が多いと膜強度
が低下して壊れ易くなる。従って、好ましいろ過膜の空
隙率は40%から90%である。特に好ましいのは57
%から85%である。また、膜厚さは、通常30μmか
ら220μmである。厚すぎるとカートリッジに組込め
る膜面積が減少し、一方薄いと膜強度が低下するため、
好ましい膜厚さは50μmから160μmであり、更に
好ましい膜厚さは70μmから135μmである。
【0013】上記微孔性ろ過膜3は、膜サポート2、4
の間に挟んで、通常公知の方法でプリーツ加工される。
従来のプリーツ型カートリッジにおいては、膜サポート
2、4としては、上記のように不織布、織布或いはネッ
トなどが使用される。オール弗素フィルターカートリッ
ジでは、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)ででき
た不織布、織布或いはネットの膜サポートが用いられて
いるが、このいずれもがPTFE膜以上に高価である。
膜サポートの役割は、ろ過圧変動に対してろ過膜を補強
する役割、液供給側からろ過側に液を透過する役割を担
っており、そしてプリーツひだの奥にろ過膜に平行な方
向に液を導入する役割も担っている。従って、適度な通
液性と、ろ過膜を十分に保護可能な物理強度を有してい
る必要がある。上記のような一般的な機能を有するシー
ト材料であれば、一応何でも使用可能であり、従来のフ
ィルターカートリッジでは、安価であることからポリエ
ステル或いはポリプロピレン等の不織布等が使用された
ものもある。しかし、上記一般的な機能の他に耐熱性と
耐薬品性が兼ね備わっていることが求められる場合は、
上記微孔性ろ過膜3の場合と同様に、耐熱性と耐薬品性
を兼ね備えた素材で膜サポートを作る必要がある。かか
る耐熱性と耐薬品性を兼ね備えた膜サポートの作製素材
として、ポリスルホン系ポリマー或いはPTFEが好ま
しく用いられる。ところで、ポリスルホン系ポリマー繊
維或いはPTFE繊維は製造されていないため、これら
を素材とする不織布、織布、ネットなどを入手すること
は困難である。また、従来のオール弗素フィルターカー
トリッジで使用されているPFAを素材とする不織布や
ネット等はきわめて高価で、これがオール弗素フィルタ
ーカートリッジが高価となる原因になっている。
【0014】本発明のフィルターカートリッジでは、膜
サポートとして微孔性膜を使用する。この微孔性膜は、
ろ過膜と同じ素材でできた大孔径の微孔性膜を使用する
ことが好ましい。この膜サポートとする微孔性膜の製法
は、基本的には、上記微孔性精密ろ過膜の製法と同じで
ある。膜サポートとする微孔性膜の水バブルポイントは
20から150kPaであることが好ましく、40から
100kPaであればなお好ましい。膜サポート面に対
して垂直方向の水透過性は、0.1MPaの差圧をかけ
た時の水流量が1分間当り150ml/cm2以上が好
ましく、200ml/cm2以上であればなお好まし
い。膜サポートのミューレン破裂強度は80kPa以上
あることが好ましく、120kPa以上あればなお好ま
しい。
【0015】そして、上記微孔性膜は、微細な溝及び/
又は凸部を多数形成して膜サポートとして用いられる。
微孔性膜に溝及び/又は凸部を付与する方法は特に限定
されない。例えば、表面に多数の突起を形成した金属ロ
ールと表面が平らなバックアップロールとの間に微孔性
膜を挟んで連続圧着処理するエンボスカレンダー加工を
行うことにより、微孔性膜に所望の溝及び/又は凸部を
好適に付与することができる。硬いバックアップロール
を使用すると、微孔性膜には溝だけが形成される。柔ら
かいバックアップロールを使用すると、溝の反対面に突
起が同時に形成される。一般に、溝の部分は孔が潰され
て水透過性が消失するので、溝形成面積は膜サポートと
する微孔性膜全体の半分以下にすることが好ましい。
【0016】膜サポートとする微孔性膜に付与する溝及
び/又は凸部は、微孔性膜の片面だけに付与してもよい
し、両面に付与してもよい。微孔性膜に付与する凹凸の
深さは5μmから0.25mmが使用可能であり、好ま
しくは20μmから0.15mmであり、特に好ましく
は50μmから0.1mmである。微孔性膜に付与する
溝及び山(以下省略して「溝」という)の幅は5μmか
ら1mmが使用可能であり、好ましくは20μmから
0.4mmであり、特に好ましくは50μmから0.2
mmである。形成する溝の幅や深さはどこも一定である
必要はない。溝を形成する場合は互いに独立した円形や
多角形の形状は好ましくない。溝が連通して液が面方向
に流動できる構造が好ましい。互いに交差する多数の縦
方向と横方向の溝から構成されておればなお好ましい。
溝と溝との間隔は広い所でも4mm以下であることが好
ましく、0.15mm以上2mm以下であればなお好ま
しい。また、膜サポートとする微孔性膜の厚さは、60
μmから300μmが好ましく、100μmから220
μmが特に好ましい。薄すぎるとろ過膜を補強する機能
が劣り、厚すぎるとカートリッジに組込める膜面積が少
なくなって不都合である。
【0017】上記のような微細な溝及び/又は凸部を多
数形成した微孔性膜は、PFAを素材とする不織布やネ
ット等よりは安価に入手することができ、また、ポリス
ルホン系ポリマー或いはPTFEを素材として容易かつ
安価に作製することができる。また、この微孔性膜を膜
サポートとして用いると、それに形成されている多数の
溝及び/又は凸部により、供給された液のろ過膜全面へ
の均一分散供給が促進され、従来の膜サポートに起因す
るフィルターカートリッジの流量特性が向上する。
【0018】また、本発明では、膜サポートとしてポリ
スルホン系ポリマーを素材とするフイルムに穴をあけ、
且つ例えばエンボスカレンダー加工によって該フイルム
表裏に凹凸を付与したものを使用することもできる。フ
イルムに穴をあける方法は特に限定されない。例えば、
打抜きパンチによる方法、鋭利な針を突き刺す方法、レ
ーザーで焼ききる方法、ウォータージェットで打ち抜く
方法などがある。穴の大きさは、直径或いは一辺が10
μmから5mmまでの円、楕円或いは長方形に相当する
大きさが使用可能である。好ましい穴の大きさは30μ
mから1.5mmであり、特に好ましくは60μmから
0.5mmである。フイルム面積中の穴面積の割合は1
0から90%の範囲で使用可能である。穴面積割合が少
なすぎるとろ過抵抗が大きくなりすぎ、一方穴面積割合
が大きくなりすぎると機械強度が低下して微孔性ろ過膜
を補強できなくなる。大きな穴をあける場合は大きな穴
面積割合が必要で、小さな穴をあける場合は比較的小さ
な穴面積割合でよい。
【0019】上記フイルムに付与する凹凸の深さ或いは
高さは5μmから1mmが使用可能である。好ましくは
20μmから0.4mmであり、特に好ましくは50μ
mから0.2mmである。形成する凹凸の高さや深さは
どこも一定である必要はない。フイルムに形成する凹部
は互いに独立した円形、多角形やその他の形状は好まし
くない。凹部が互いに連通して、形成された溝を液が面
方向に流動できる構造が必要である。互いに交差する多
数の縦方向と横方向の溝から構成されておればなお好ま
しい。溝の幅は5μmから1000μmの範囲が好まし
く、20μmから400μmの範囲であればなお好まし
く、特に50μmから200μmの範囲が好ましい。溝
と溝との間隔は広い所でも4mm以下であることが好ま
しく、0.15mm以上2mm以下であればなお好まし
い。あけた穴の全てに溝がつながっていることが理想で
ある。溝の形成に伴って溝の反対面に形成される凸部の
パターンは本来は、互いにつながって連続していても、
互いに孤立して存在していてもどちらでもよい。しか
し、エンボス加工を行った場合は、凸部と凹部とは表と
裏の関係になる。従って、一つの面から見たときに孤立
した凸部は、反対面から見た時には非連続で孤立した凹
部を形成することになり、付与する凹凸のパターンとし
て好ましくない。膜サポートに使用するフイルムの厚さ
は、25μmから125μmが好ましく、50μmから
100μmが特に好ましい。薄すぎるとろ過膜を補強す
る機能が劣り、厚すぎるとプリーツ加工が難しくなる。
【0020】さらにまた、本発明では、膜サポートとし
てポリスルホン系ポリマーを素材とするネットを使用す
ることもできる。このネットは、ポリスルホン系ポリマ
ーを直径50μmから300μmのモノフィラメントに
紡糸し、これを編むことによって作製することができ
る。ネットに使用するモノフィラメントは不織布用糸に
比べて太くて強いので、比較的容易に紡糸できる。糸径
は細い方が出来あがりのネットが薄くなり、プリーツ加
工し易い。一方、糸径が細いと紡糸が難しくなり、また
出来あがったネットの強度も低下する。従って、好まし
いフィラメントの直径は100μmから200μmであ
る。
【0021】本発明のフィルターカートリッジの作製
は、従来のプリーツ型カートリッジの作製方法に準じて
行うことができる。即ち、一般に、微孔性ろ過膜3の両
側を上記微孔性膜からなる膜サポート2、4で挟み、こ
の状態で通常の方法でプリーツする。使用する微孔性ろ
過膜は少なくとも一枚、場合によっては複数枚の膜を使
用することもできる。膜サポートは片側に少なくとも一
枚、場合によっては複数枚の膜サポートを使用できる。
片面だけに溝又は凸部を形成した膜サポートは、溝又は
凸部のない平らな面を微孔性ろ過膜と接するように配置
して、プリーツするのが好ましい。
【0022】プリーツ加工された微孔性ろ過膜と膜サポ
ートとからなるろ材は、両端部をそろえるためにカッタ
ーナイフ等で両端部の不揃いを切り落とし、一般に円筒
状に丸めてその合わせ目のひだをヒートシール或いは接
着剤を用いて液密にシールする。この接着シールは、微
孔性ろ過膜3と膜サポート2、4の計6層を合わせて行
うこともできるし、膜サポート2、4を除外して微孔性
ろ膜3同士が直接重なるように接着シールすることもで
きる。ひだの合わせ目に熱可塑性シートを挟んでヒート
シールしてもよい。ここで使用する接着剤や熱可塑性シ
ートは、ろ過膜と同じ素材のものが接着性をよくするた
めに好ましい。接着剤を使用する場合、例えばポリスル
ホン系ポリマー接着剤は溶剤に溶解した状態で使用す
る。例えば、ポリエーテルスルホン10部を塩化メチレ
ン30部、ジエチレングリコール20部の混合溶液に溶
解し、ジエチレングリコール140部を徐々に添加混合
して接着剤が調製される。溶剤は、接着後加熱揮発させ
てフィルターカートリッジ中に残さないようにする。ま
た、ろ過膜素材にPTFEを使用した場合は、一般にヒ
ートシール法が採用される。
【0023】上記のようにしてできた円筒状ろ材の内側
にコアー5を挿入し、外周カバー1をかぶせ、所謂プリ
ーツ体を作製する。このプリーツ体の両端部をエンドプ
レート6で液密に接着シールするエンドシール工程は、
熱溶融による方法、或いは溶剤接着による方法などで行
うことができる。熱溶融法では、エンドプレートのシー
ル面のみを熱板に接触させたり或いは赤外線ヒーターを
照射して表面だけを加熱溶解し、プリーツ体の片端面を
エンドプレートの溶解面に押し付けて接着シールする。
溶剤接着法の場合は、溶剤の選定が重要である。通常は
ろ過膜を溶解しない或いはろ過膜に対する溶解性が低
く、且つエンドプレートに対しては溶解性のある溶剤を
選ぶ。溶剤は単独化学種であってもよく、混合溶剤であ
ってもよい。2種以上の溶剤を混合する時は、少なくと
も沸点の高い方の溶剤はろ過膜に対して溶解性を有しな
いものを選択する。溶剤接着剤にポリマーを1%から7
%程度溶解させておくとなおよい。溶解するポリマー
は、一般にエンドプレートと同材質或いは少なくともエ
ンドプレートと接着し易い材料から選ばれる。
【0024】フィルターカートリッジに耐熱性と耐薬品
性が求められる場合は、上記コアー5、外周カバー1及
びエンドプレート6も耐熱性と耐薬品性を備えている必
要がある。ろ過膜、膜サポート、コアー、外周カバー及
びエンドプレートの全て或いはどれか一つが異種素材で
あると、例えば耐薬品性は最も弱い素材によって決定さ
れる。例えば、アルカリ類に弱い素材をろ過膜に使用
し、膜サポートには酸に弱い素材を使用し、エンドプレ
ートには有機溶剤に弱い素材を使用すると、できたフィ
ルターカートリッジは水以外の液体には使用できない、
大変耐薬品性の乏しいものになってしまう。従って、ろ
過膜、膜サポート、コアー、外周カバー及びエンドプレ
ートの全てが同一素材乃至同一系統の素材でできている
ことが好ましい。同一素材であれば接着性がよいのでな
お好ましい。また、PTFEのろ過膜を使用する場合
は、膜サポート材、コアー、外周カバー及びエンドプレ
ートの素材としてPFAが好ましく使用される。
【0025】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を更に具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定さ
れるものではない。
【0026】実施例1 特開昭63−139930号公報の実施例1に記載され
ている方法でアモコ社製ユーデルポリスルホンP−35
00を使ってエタノールバブルポイント250kPaの
ポリスルホン膜を製膜し、これを微孔性ろ過膜とした
(膜Aと呼ぶ)。一方、特開昭63−139930号公
報の実施例3に記載されている方法で同じユーデルポリ
スルホンP−3500を使ってエタノールバブルポイン
ト50kPaのポリスルホン膜を製膜した(膜Bと呼
ぶ)。膜Bの一方の面に、溝幅約0.15mm、溝と溝
との間隔0.15から0.3mm、深さ約55μmの溝
を、エンボスカレンダー処理により形成した(膜Cと呼
ぶ)。この膜Cを膜サポートとして使用し、二枚の膜C
の間に膜Aを挟んで通常の方法でプリーツ加工した。膜
Cが膜Aに接触するのは、一次側膜Cも二次側膜Cもい
ずれも溝を形成していない平らな面とした。折り目の間
隔は10.5mm、膜幅は240mmで、約120山分
で折った膜束を切断し、円筒状にして両端のひだを合わ
せてヒートシールした。同じポリスルホン樹脂を使って
作ったポリスルホン製外周カバーに膜束とポリスルホン
製コアーを収容し、両端をそろえてプリーツ体を作っ
た。ポリスルホン製丸棒から削り出しで作ったエンドプ
レートの表面に赤外線ヒーターを照射し、エンドプレー
トの表面を約300℃に熱して溶かし、これに十分に予
熱したプリーツ体の端部を押しつけて接着シールした。
プリーツ体の反対側も同様にエンドプレートを溶着シー
ルして、フィルターカートリッジを完成した。
【0027】比較例1 実施例1で使用したと同じ膜Bをエンボスカレンダー処
理を施さずに一次側及び二次側膜サポートとして使用し
た他は実施例1と同様にしてフィルターカートリッジを
作った。
【0028】実施例2 住友電工社製フルオロポアFP−1000(商品名)の
一方の面に溝幅約0.15mm、溝と溝との間隔0.1
5から0.3mm、深さ約40μmの溝を、エンボスカ
レンダー処理により形成した(膜Dと呼ぶ)。この膜D
を膜サポートとして使用し、微孔性ろ過膜とする住友電
工社製フルオロポアFP−010(商品名)を二枚の膜
Dではさんだ状態で、通常の方法でプリーツ加工した。
膜Dがろ過膜フルオロポアFP−010に接触するの
は、一次側膜Dも二次側膜Dもいずれも溝を形成してい
ない平らな面とした。折り目の間隔は10.5mm、膜
幅は240mmで、約120山分で折った膜束を切断
し、円筒状にして両端のひだを合わせてヒートシールし
た。PFA製外周カバーに膜束とPFA製コアーを収容
し、両端をそろえてプリーツ体を作った。PFA製丸棒
から削り出しで作ったエンドプレートの表面に赤外線ヒ
ーターを照射し、エンドプレートの表面を約380℃に
熱して溶かし、これに十分に予熱したプリーツ体の端部
を押しつけて接着シールした。プリーツ体の反対側も同
様にエンドプレートを溶着シールして、フィルターカー
トリッジを完成した。
【0029】比較例2 微孔性ろ過膜には実施例1で使用したのと同じ膜Aを、
一次側及び二次側膜サポートにはポリプロピレン製不織
布(三井石油化学社製、シンテックスPS−106(商
品名)、繊維サイズ2デニール、目付け30g/m2
を用い、コアー、外周カバー及びエンドプレートにもポ
リプロピレン製の成形品を用いて、常法により約140
山のプリーツ膜束からなるフィルターカートリッジを作
った。
【0030】実施例3 実施例1と2、及び比較のため比較例1の各フィルター
カートリッジの流量特性を測定した。この流量特性の測
定は、ろ過器に装着したフィルターカートリッジにポン
プで水を0.02m3/minの流量で供給し、その時
のろ過差圧を測定した。この測定結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、エンボスカレン
ダー処理を行った膜サポートを使用した実施例1と2は
流量特性が優れているが、エンボスカレンダー処理を行
っていない膜サポートを使用した比較例1は流量特性が
著しく劣る。
【0033】実施例4 実施例1と2、及び比較のため比較例1と2の各フィル
ターカートリッジの耐薬品性を測定した。この耐薬品性
の測定は次のようにして行った。即ち、薬品として塩酸
過水を使用し、塩酸過水にフィルターカートリッジを浸
漬し、毎日8時間、通算480時間80℃に加熱した。
その後フィルターカートリッジの完全性維持測定と外観
観察を行った。使用した塩酸過水は、濃塩酸1対30%
過酸化水素水1対超純水5の割合で調合したものであ
り、塩酸過水は劣化するので、毎日新しいものに交換し
た。この測定結果をを表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】表2から明らかなように、ポリプロピレン
が塩酸過水浸漬により著しく劣化するのに対して、ポリ
スルホン、PTFE及びPFAはほとんど劣化しない。
比較例2のポリスルホン膜は膜サポートの支えを失い、
エンドプレート溶着部付近に亀裂を生じ、完全性は維持
できなくなった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、比較的安価に作製し得
て、且つフィルターカートリッジの流量特性の低下を改
善し得る構造の膜サポートを備えていて、比較的安価で
流量特性に優れたフィルターカートリッジが提供され
る。本発明のフィルターカートリッジの作製に当たり、
微孔性ろ過膜、膜サポート、コアー、外周カバー、エン
ドプレートなどの各構成要素を、耐薬品性、耐熱性に優
れたポリスルホン系ポリマー或いはPTFE、PFAな
どの弗素系ポリマーを素材としたものとすれば、優れた
耐薬品性、耐熱性をも兼ね備えたフィルターカートリッ
ジが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的プリーツ型フィルターカートリッジの構
造を示す展開図。
【符号の説明】
1 外周カバー 2 膜サポート 3 微孔性ろ過膜 4 膜サポート 5 コアー 6a エンドプレート 6b エンドプレート 7 ガスケット 8 液体出口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一枚の微孔性ろ過膜、少なく
    とも二枚の膜サポート、コアー、外周カバー及び二つの
    エンドプレートにより構成されるプリーツ型精密ろ過フ
    ィルターカートリッジにおいて、該膜サポートが微細な
    溝及び/又は凸部を多数形成した微孔性膜であることを
    特徴とする精密ろ過フィルターカートリジ。
  2. 【請求項2】 微孔性ろ過膜のバブルポイントが0.3
    MPa以上で且つ膜サポートのバブルポイントが0.1
    5MPa以下であることを特徴とする請求項1載の精密
    ろ過フィルターカートリッジ。
  3. 【請求項3】 フィルターカートリッジを構成する微孔
    性ろ過膜がポリテトラフルオロエチレンでできており、
    膜サポート、コアー、外周カバー及びエンドプレートが
    パーフルオロアルコキシ樹脂でできていることを特徴と
    する請求項1記載の精密ろ過フィルターカートリッジ。
  4. 【請求項4】 フィルターカートリッジを構成する微孔
    性ろ過膜、膜サポート、コアー、外周カバー及びエンド
    プレートの全てがポリスルホン系ポリマーでできている
    ことを特徴とする請求項1記載の精密ろ過フィルターカ
    ートリッジ。
JP2000178443A 1999-12-10 2000-06-14 精密ろ過フィルターカートリッジ Pending JP2001224932A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000178443A JP2001224932A (ja) 1999-12-10 2000-06-14 精密ろ過フィルターカートリッジ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-351839 1999-12-10
JP35183999 1999-12-10
JP2000178443A JP2001224932A (ja) 1999-12-10 2000-06-14 精密ろ過フィルターカートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001224932A true JP2001224932A (ja) 2001-08-21

Family

ID=26579493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000178443A Pending JP2001224932A (ja) 1999-12-10 2000-06-14 精密ろ過フィルターカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001224932A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017531552A (ja) * 2014-10-07 2017-10-26 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドW.L. Gore & Associates, Incorporated 熱処理されかつ収縮させたフルオロポリマー編物を用いたろ過物品

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017531552A (ja) * 2014-10-07 2017-10-26 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドW.L. Gore & Associates, Incorporated 熱処理されかつ収縮させたフルオロポリマー編物を用いたろ過物品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6511600B1 (en) Microfilter cartridge
JP3430783B2 (ja) 液体分離素子、装置および処理方法
TWI450758B (zh) 過濾用平膜元件及平膜過濾模組
US7048855B2 (en) Cross flow filtration materials and cartridges
CA2721391C (en) Filter compound material, method for the production thereof and flat filter elements made of the filter compound material
KR102430207B1 (ko) 스파이럴형 막 엘리먼트
JP2011189345A (ja) ペル弗化熱可塑性フィルタカートリッジ
JP2001224932A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ
JP2001224929A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ
JP2002224537A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ及びその製造方法
JP2001353424A (ja) 半導体集積回路用ウエハー洗浄液のろ過方法
US20220134290A1 (en) Flat sheet membrane with integral posts
JP2005199141A (ja) スパイラル型膜エレメント及びその製造方法
JP2002028458A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ
JP2003181227A (ja) フィルタカートリッジ
JP2001353427A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジの製造方法
JP2015142911A (ja) 分離膜および分離膜エレメント
JP2003103147A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ
JP2002066268A (ja) 耐薬品性フィルター
JP2000051668A (ja) 液体分離素子および造水方法
JP2001353428A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ
JP2002028457A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ
JP2002066275A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ
JP2002052319A (ja) 平板積層型精密ろ過フィルターカートリッジ
JP2002066281A (ja) 精密ろ過フィルターカートリッジ及びその製法