JP2002052319A - 平板積層型精密ろ過フィルターカートリッジ - Google Patents

平板積層型精密ろ過フィルターカートリッジ

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JP2002052319A
JP2002052319A JP2000241459A JP2000241459A JP2002052319A JP 2002052319 A JP2002052319 A JP 2002052319A JP 2000241459 A JP2000241459 A JP 2000241459A JP 2000241459 A JP2000241459 A JP 2000241459A JP 2002052319 A JP2002052319 A JP 2002052319A
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membrane
filter cartridge
filtration
flat
cartridge
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JP2000241459A
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Sumio Otani
純生 大谷
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸、アルカリ酸化剤、及び高温のアルコール
に耐性を持ち、ろ過膜は親水性でエアーロックをおこさ
ず、かつ使用済みのフィルターカートリッジは容易に焼
却処理できる平板積層型精密ろ過フィルターカートリッ
ジを提供すること。 【解決手段】 (1) Oリングあるいはガスケットを除
くフィルターカートリッジを構成するすべての部材の材
料がポリスルホン系ポリマーで作製された平板積層型精
密ろ過フィルターカートリッジ。とくにポリスルホン系
ポリマーがポリエーテルスルホンであるもの、膜サポー
ト材が微細な溝及び又は凸部を多数形成した微孔性膜で
あるもの、微孔性ろ過膜の水バブルポイントが0.3MPa以
上で且つ膜サポート材の水バブルポイントが0.15MPa以
下であるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微孔性ろ過膜を使
用したカートリッジフィルターに関する。本発明は特
に、耐薬品性に優れた親水性の微孔性精密ろ過膜を使用
した平板積層型カートリッジフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】近年半導体の製造においては、有機溶
剤、酸、アルカリ及び酸化剤といった薬液に対する耐性
が強く溶出物の少ない濾過用フィルターが求められるよ
うになっている。現在このような薬液の濾過には、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)を素材とする微孔
性精密ろ過膜を使用し、その他のフィルター構成部材に
は弗素系ポリマーを用いたろ過用フィルターが使用され
ている。しかるにPTFEろ過膜は疎水性が極めて強
く、濾過の始めにイソプロパノールで湿潤しても、僅か
の気泡の混入でエアーロックをおこして濾過できなくな
る。又使用済みの弗素系ポリマーフィルターの廃棄処理
にあたっては、焼却により有毒ガスを発生するなどの問
題点がある。フィルターカートリッジにはろ過膜とろ過
膜を保護する膜サポート材をプリーツ状に折り束ねた構
造のプリーツカートリッジと、複数個の平板型ろ過ユニ
ットを積層してなる平板積層型カートリッジとが知られ
ている。本発明は平板積層型カートリッジに関する。平
板積層型フィルターカートリッジの構造及び製造法は特
開昭56−129016号公報に記載されているように
基本的には以下の通りである。
【0003】外周及び中心部を円形ないしは多角形に打
抜いた二枚のろ過膜を(円形の場合にはドーナツ状にな
る)、平行な面を有する平板状支持体(場合によっては
二枚の成型部材を貼り合せて一体とした支持体もある)
に外周縁部、内周縁部あるいは必要に応じて所定の部位
において貼着した構成である。特に外周縁部と内周縁部
は液密性のあるように貼着によってシールされなければ
ならない。
【0004】平板状支持体は、普通二枚のろ過膜を表裏
して貼り合せることにより内部空間が構成され、ろ過さ
れた液体の流路を形成するように設計されている。すな
わち、平板状支持体は、上記の如く二枚のろ過膜を内側
から保持すると共に、ろ過された液体が平板型ろ過ユニ
ットの中央部へ所望の流出ができるように、該支持体の
内周リムにろ液流出用の中央開口部を備えた骨幹構造に
なっている。また複数の平板型ろ過ユニット同士を接着
させて積層することによりろ過膜構造体が形成される。
この構造体の上部にろ過膜を保護するための上部保護板
が最上段の平板型ユニットのろ過膜と一定の間隔を設け
て結合される。また最下部も同様の目的で下部保護板が
設けられる。下部保護板には通常脱着可能なOリングを
装着し、Oリングを介してフィルターハウジングに液密
に装着シールされる。Oリングの代わりに平板状ガスケ
ットを使用することもある。
【0005】しかし従来の平板型ろ過ユニットにおいて
は、たとえば特開昭56−129016号公報に開示さ
れた構造は、図5に示す如く、内周中央に開口部23を
設ける構造であるため、上下二つの支持体部材20、2
1を貼り合せる事により、二次側流路22が構成され
る。このように二つの部材を貼り合せたろ過ユニットの
ため、複雑な形状を有する支持体の製作、組み立てとな
りコストが多くかかった。特開昭63−80815号の
ように支持体構造を単純化した場合には、図1から図4
に示す如く、ろ過膜と支持体との密着を防止したりろ過
膜の強度を保ために不織布や織布あるいはネット等を膜
サポート材として使用する必要がある。しかしながら、
耐薬品性が高く且つ親水性でろ過適性に優れ焼却可能な
ポリスルホン系ポリマーで本構造の平板ろ過ユニットを
作ろうとすると、ポリスルホン系ポリマー繊維は製造さ
れていないため、ポリスルホン系ポリマーネット、不織
布や織布の使用は難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記の従来の精密ろ過フィルターの問題点を解
決することであって,具体的には,酸、アルカリ、酸化
剤、及び高温のアルコールに耐性を持ち、ろ過膜は親水
性でエアーロックをおこさず、かつ使用済みのフィルタ
ーカートリッジは容易に焼却処理できる平板積層型精密
ろ過フィルターカートリッジを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、次の発
明によって達成された。 (1) Oリングあるいはガスケットを除くフィルター
カートリッジを構成するすべての部材の材料がポリスル
ホン系ポリマーでできていることを特徴とする、平板積
層型精密ろ過フィルターカートリッジ。
【0008】(2)ポリスルホン系ポリマーがポリエー
テルスルホンであることを特徴とする、(1)に記載の
平板積層型精密ろ過フィルターカートリッジ。
【0009】(3)膜サポート材が微細な溝及び又は凸
部を多数形成した微孔性膜であることを特徴とする
(1)又は(2)に記載の平板積層型精密ろ過フィルタ
ーカートリッジ。
【0010】(4)微孔性ろ過膜の水バブルポイントが
0.3MPa以上で且つ膜サポート材の水バブルポイントが0.
15MPa以下であることを特徴とする、(1)〜(3)の
いずれかに記載の平板積層型精密ろ過フィルターカート
リッジ。
【0011】(5)膜サポート材がポリスルホン系フイ
ルムに物理的に穴をあけると共に該フイルムに多数の凹
凸変形を付与したものであり、且つ該凹部が連通した微
細溝を形成していることを特徴とする、(1)〜(4)
のいずれかに記載の平板積層型精密ろ過フィルターカー
トリッジ。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に例示した本発明の実
施態様について説明する。図1は本発明の一実施態様を
説明する要部正面図である。図2は図1の平板積層フィ
ルターカートリッジの軸を含む断面図である。図3は図
2における一つのろ過ユニットの拡大断面図、図4は図
3の精密ろ過膜と膜サポート材を除いたろ過ユニットの
斜視図である。図2に示すように、ろ過膜構造体1は、
上下二枚のたとえば円盤状のろ過膜2により構成される
最小単位の平板型ろ過ユニットが複数個積み重ねられた
構成となっている。即ち、中央には液透過窓を多数有す
るコア4が設けられ、そのコア4の外周にろ過膜2が貼
着された内側リング3と支持体6の内周部が交互に嵌合
積層されており、積層された内側リング3と支持体6と
の間にはコア4に通じるろ過液取り出し口である連通孔
5が形成されて、またろ過膜構造体1の最上部と最下部
にはろ過膜2を保護し、二次側流路を形成するための上
部保護板7及び下部保護板8が設けられている。内側リ
ングに設けられた突起状の内周リム部はすぐ隣する支持
体内周縁部11bと液密に接着シールする。
【0013】また、図3に示すように、ろ過膜2は支持
体の外周縁部12、内側リング3の内周縁部11a及び
支持体の内周縁部11bにおいて貼着されている。また
この支持体6にはたとえばろ過ユニット厚さ方向に凹凸
の連結部17、18が設けられており、ろ過ユニットが
複数個積み重ねられた時に、該連結部分17、18同士
が嵌合されること及び積層されたろ過ユニットの上下に
上下保護板7、8を取り付けることにより、一次側液流
入口を形成する。この内周縁部11a,b及び外周縁部
12における貼着の幅(半径方向の幅)は特に限定する
ものではないが、液密性及び貼着による有効面積の低減
等を考慮し、ある程度の幅を有するように構成すること
が好ましく、具体的には0.1から5mmが好ましい。支持体
の外周リム6は内周縁部11bと複数のスポーク15で
連結されている。精密ろ過膜2とスポーク15の間に
は、精密ろ過膜をろ過圧から保護するためと、ろ過膜が
スポークに邪魔されて液の透過が妨げられないように、
合成樹脂からなる膜サポート材19を挟持する構造であ
る。なお、以下の本発明の説明においても、上記と同様
にカートリッジフィルターの各部材に番号を付して説明
する場合は、図1〜図4の各部材の部材番号を用いて説
明する。
【0014】精密ろ過膜2には芳香族ポリアリールエー
テルスルホン、ポリオレフィンやポリアミド等のハロゲ
ン非含有ポリマーを材料にして作られた膜が好ましい。
中でも芳香族ポリアリールエーテルスルホン(以後ポリ
スルホン系ポリマーという)を材料にしてつくられた親
水性膜が耐熱性や耐薬品性が優れているので好まし
い。。ポリスルホン系ポリマーの代表的な化学構造を一
般式Iから一般式IIIに示す。一般式Iに示したポリマ
ーはユーデルポリスルホンの商品名でアモコ社から発売
されている。その中でも高分子量グレードのP-3500が好
ましく使用される。一方一般式IIに示したポリエーテル
スルホンがスミカエクセルPESの商品名で住友化学より
発売されている。本発明では耐薬品性が特に優れている
ためにポリエーテルスルホンの使用が特に好ましい。そ
の中でも高分子量グレードの4800Gが好ましく使用され
る。ポリスルホン系ポリマーを材料とする親水性の微孔
性精密ろ過膜の製法は、特開昭56-154051号、特開昭56-
86941号、特開昭56-12640号、特開昭62-27006号、特開
昭62-258707号、特開昭63-141610号などに詳しく記載さ
れている。
【0015】
【化1】
【0016】ろ過膜の孔径は通常0.02μmから5μmであ
るが、半導体製造用途では0.02μmから0.45μmのものが
好ましく使用され、特に高集積IC製造においては表示
孔径0.02μmから0.2μmのものが好ましい。このような
膜の特性はASTM F316の方法で測定した水バブルポイン
ト値で表すと0.3MPa以上となり、エタノールバブルポイ
ントでは0.1から1MPaと表せる。特に好ましくはエタノ
ールバブルポイントで0.3から0.7MPaである。膜はみか
けの体積に対する孔の割合が多い方がろ過抵抗が少なく
て好ましい。一方あまり孔が多いと膜強度が低下して壊
れやすくなる。従って好ましいろ過膜の空隙率は40%
から90%である。特に好ましいのは57%から85%
である。また膜厚さは通常30μmから220μmであ
る。厚すぎるとカートリッジに組込める膜面積が減少
し、一方薄いと膜強度が低下するため、特に好ましい膜
厚さは60μmから160μmである。更に好ましい膜厚
さは90μmから140μmである。
【0017】通常膜サポート材19としては不織布、織
布、ネットなどが使用される。膜サポート材の役割は、
ろ過圧に対してろ過膜を補強する役割、ろ過された液を
効率よく中央流路に導く役割を担っている。従って適度
な通液性とろ過膜を十分に保護可能な物理強度を有して
いる必要がある。このような機能を有するシート材料で
あれば何でも使用可能であるが、従来は安価で優れた性
能からほとんどの場合ポリエステルあるいはポリプロピ
レンの不織布が使用されてきた。本発明で使用可能な膜
サポート材としては上記一般的な機能の他に耐熱性と耐
薬品性が兼ね備わり、且つ焼却可能な材料である必要が
ある。従ってろ過膜2と同じ素材あるいはそれ以上の耐
熱性と耐薬品性を有するハロゲン非含有ポリマーの使用
が好ましい。中でもポリスルホン系ポリマーが耐熱性と
耐薬品性を兼ね備えており特に好ましい。しかしながら
ポリスルホン系ポリマー繊維は製造されていないため、
ポリスルホン系ポリマー不織布や織布の使用は難しい。
【0018】本発明では膜サポート材としてポリスルホ
ン系ポリマーを素材とする微孔性膜を使用する。その製
法は基本的に本発明でいう微孔性精密ろ過膜と同じであ
る。膜サポート材に用いる微孔性膜の水バブルポイント
は20から150kPaであることが好ましく、40から100kPaで
あればなお好ましい。膜サポート材面に対して垂直方向
の水透過性は、0.1MPaの差圧をかけた時の水流量が1分
間当り150ml/cm2以上が好ましく、200ml/cm2以上であれ
ばなお好ましい。膜サポート材のミューレン破裂強度は
80kPa以上あることが好ましく、120kPa以上あればなお
好ましい。膜サポート材に溝及び又は凸部を付与する方
法は特に限定されない。表面に多数の突起を形成した金
属ロールと表面が平らなバックアップロールとの間に微
孔性膜を挟んで連続圧着処理する、エンボスカレンダー
加工を行えば、本目的は達成できる。硬いバックアップ
ロールを使用すると膜サポート材には溝だけが形成され
る。柔らかいバックアップロールを使用すると溝の反対
面に突起が同時に形成される。溝の部分は孔が潰されて
水透過性が消失するので、溝形成面積は膜サポート材膜
全体の半分以下にすることが好ましい。
【0019】膜サポート材に付与する溝及び(又は)凸部
は膜サポート材膜の片面だけに付与してもよいし、両面
に付与してもよい。膜サポート材に付与する凹凸の深さ
は5μmから0.25mmが使用可能である。好ましくは20μm
から0.15mmであり、特に好ましくは50μmから0.1mmであ
る。膜サポート材に付与する溝及び山(以下省略して溝
という)の幅は5μmから1mmが使用可能である。好まし
くは20μmから0.4mmであり、特に好ましくは50μmから
0.2mmである。形成する溝の幅や深さはどこも一定であ
る必要はない。溝を形成する場合は互いに独立した円形
や多角形の形状は好ましくない。溝が連通して液が面方
向に流動できる構造が好ましい。互いに交差する多数の
縦方向と横方向の溝から構成されておればなお好まし
い。溝と溝との間隔は広い所でも4mm以下であることが
好ましく、0.15mm以上2mm以下であればなお好ましい。
膜サポート材に使用する微孔性膜の厚さは60μmから300
μmが好ましく、100μmから220μmが特に好ましい。薄
すぎるとろ過膜を補強する機能が劣り、厚すぎるとろ過
ユニットの厚さが厚くなり、一個のカートリッジに積層
可能なユニット数が減少して不都合である。
【0020】本発明ではポリスルホン系ポリマーフイル
ムに穴をあけ、且つ例えばエンボスカレンダー加工によ
って該フイルム表裏に凹凸を付与した膜サポート材も使
用できる。フイルムに穴をあける方法は特に限定されな
い。例えば打抜きパンチによる方法、鋭利な針を突き刺
す方法、レーザーで焼ききる方法、ウォータージェット
で打ちぬく方法などがある。穴の大きさは直径あるいは
直径あるいは一辺が10μmから5mmまでの円、楕円あるい
は長方形に相当する大きさが使用可能である。好ましい
穴の大きさは30μmから1.5mmであり、特に好ましくは60
μmから0.5mmである。膜サポート材面積中の穴面積の割
合は10から90%の範囲で使用可能である。穴面積割合が
少なすぎるとろ過抵抗が大きくなりすぎ、一方穴面積割
合が大きくなりすぎると機械強度が低下して微孔性ろ過
膜を補強できなくなる。大きな穴をあける場合は大きな
穴面積割合が必要で、小さな穴をあける場合は比較的小
さな穴面積割合でよい。
【0021】フイルムに付与する凹凸の深さあるいは高
さは5μmから1mmが使用可能である。好ましくは20μm
から0.4mmであり、特に好ましくは50μmから0.2mmであ
る。形成する凹凸の高さや深さはどこも一定である必要
はない。フイルムに形成する凹部は互いに独立した円
形、多角形やその他の形状は好ましくない。凹部が互い
に連通して、形成された溝を液が面方向に流動できる構
造が必要である。互いに交差する多数の縦方向と横方向
の溝から構成されておればなお好ましい。溝の幅は5か
ら1000μmの範囲が好ましく、20から400μmの範囲であ
ればなお好ましく、特に50から200μmの範囲が好まし
い。溝と溝との間隔は広い所でも4mm以下であることが
好ましく、0.15mm以上2mm以下であればなお好ましい。
先にあけたすべての穴に溝がつながっていることが理想
である。溝の形成に伴って溝の反対面に形成される凸部
のパターンは本来は、互いにつながって連続していても
互いに孤立して存在していてもどちらでもよい。しかし
エンボス加工を行った場合は、凸部と凹部とは表と裏の
関係になる。従って一つの面から見たときに孤立した凸
部は、反対面から見た時には非連続で孤立した凹部を形
成することになり、本発明に使用するには好ましくはな
い。膜サポート材に使用するフイルムの厚さは25μmか
ら125μmが好ましく、50μmから100μmが特に好まし
い。薄すぎるとろ過膜を補強する機能が劣り、厚すぎる
とろ過ユニットの厚さが厚くなり、一個のカートリッジ
に積層可能なユニット数が減少して不都合である。
【0022】本発明の平板積層型ろ過カートリッジを構
成するコア4、内側リング3、支持体6、上下保護板
7、8等の材料も耐熱性と耐薬品性を備えている必要が
あり、かつ焼却容易な材料でなければならない。従って
ハロゲン非含有ポリマーが好ましく、なかでもポリスル
ホン系ポリマーが好ましい。ポリエーテルスルホンは耐
熱性・耐薬品性に優れかつ比較的安価である点で特に好
ましい。これら部材は主に射出成型で製作する。従って
好ましいポリエーテルスルホンは流動性のよい低分子量
グレードのものであり、例えばスミカエクセルPES36
00G、同4100G(以上住友化学工業(株)製)、レーデルA3
00、同A200A(以上アモコポリマーズ社製)、ウルトラゾ
ーンE1010、E2010(BASF社製)などがある。化学構造が若
干異なり、耐熱性と耐薬品性がポリエーテルスルホンよ
りも僅かに劣るが、ユーデルP-1700(アモコポリマーズ
社製)も十分使用可能である。各部材の材質は互いに接
着できれば必ずしも同一である必要はないが、同一素材
であれば接着性がよいのでなお好ましい。すべての材料
をポりエーテルスルホンで統一すると耐薬品性の幅が広
くなりかつ接着シール性の点で特に好ましい。フィルタ
ーカートリッジとハウジングとを液密にシールするため
のOリングあるいはガスケットは、脱着容易にすること
により、ハロゲン含有材料を使用しても構わない。その
場合は、廃棄に際して取り外し、フィルター本体だけを
焼却処理する。
【0023】本発明における精密ろ過膜2と内周縁部1
1a,11b及び外周縁部12との接着方法は、溶剤型
の接着剤を用いる方法、あるいは、ヒートシールの方法
等を適用して容易に接着させることができる。ここで使
用するろ過膜、支持体、内側リング及び接着剤はろ過膜
と同じ材料(分子量グレードは異なっていても問題無い)
が接着性をよくするために好ましい。接着剤を使用する
場合、ポリスルホン系ポリマーを溶剤に溶解した状態で
使用する。例えばポリエーテルスルホン10部を塩化メ
チレン30部、ジエチレングリコール20部の混合溶液
に溶解し、ジエチレングリコール140部を徐々に添加
混合する。溶剤は接着後加熱揮発させてフィルターカー
トリッジ中に残さない。内側リングと支持体との接着シ
ールには接着剤を用いる方法と超音波振動による摩擦熱
でポリマーを熱溶融させて接着する方法がある。接着剤
を使用する場合は、膜と支持体との接着と同様の接着剤
で可能である。上記の如く構成したろ過膜構造体1を備
えたフィルターカートリッジにおけるろ液の経路は、第
三図の矢印で示すようになっている。即ちハウジング
(図示しない)に流入したろ液はろ過ユニットの外周リ
ム9の周辺に形成された液取り入れ口から入り、上下ろ
過膜2の外側(一次側)より適宜液圧によってろ過膜2
に浸透していき、微粒子や微生物等の不純物がろ過され
てろ過膜2の内側(二次側)に浸入し、引き続いて内周
縁部11a,11bの間に形成された連通孔5を通り、
コア4の中空部である中央開口部14を経て、フィルタ
ーカートリッジから排出される。所望のろ過が達成され
るならば流路を逆に使用する事は何ら差し支えない。ッ
トルから10リットルで、ろ液の比抵抗値が理論超純水レ
ベルになるまで通水を続ける。通常10分から30分の通水
で終了可能になる。
【0024】
【実施例】(実施例1)図1〜図4を用いて説明した構
造を有する平板積層型精密ろ過装置を製作した。その材
に、ろ過膜には、スミカエクセルPES(住友化学工業
(株)製)を用い、特開昭63−139930号公報に記
載されている方法で、エタノールバブルポイント250kPa
のポリエーテルスルホン膜を製膜し、これを微孔性ろ過
膜2に用いた。一方,同じポリエーテルスルホン樹脂を
材料として、特開昭63−139930号公報の実施例
3に記載されている方法でエタノールバブルポイント50
kPaのポリエーテルスルホン膜を製膜し、その膜の一方
の面に溝幅約0.15mm、溝と溝との間隔が0.15から0.3
mm、深さ約55μmの溝を、エンボスカレンダー処理に
より形成し、これを成形して膜サポート19として使用
した。膜サポート材の部材厚みは、150μmとした。
このようにして作製したろ過ユニットを5層積層してろ
過カートリッジに組んだ。
【0025】平板積層型ろ過カートリッジのその他の構
成部材すなわちコア4、内側リング3、支持体6、上下
保護板7、8等の材料には、流動性のよい低分子量グレ
ードのポリエーテルスルホン系樹脂であるスミカエクセ
ルPES3600G(住友化学工業(株)製)を使用して射出
成形方によって作製した。
【0026】濃塩酸1対30%過酸化水素水1対超純水
5の割合で調合した塩酸過水にフィルターカートリッジ
を浸漬し、毎日8時間,通算480時間80℃に加熱し
た。その後,このフィルターカートリッジの完全性試験
と概観検査とを行った。フィルターカートリッジの完全
性は,水洗したフィルターカートリッジに100KPa
の圧力をかけて行ったが,フィルターの2次側に透過し
てくる空気流量は、1ml/min以下で、通常の拡散
透過流量と変わらなかった。したがって、塩酸過水処理
によるフィルターカートリッジの完全性劣化は認められ
なかった。また、外観変化もほとんど認められなかっ
た。この試験のさいには、塩酸過水は、劣化するので,
毎日新液と交換して行った。
【0027】
【発明の効果】本発明の精密ろ過フィルターカートリッ
ジは、平板積層型であって、しかも構造上の複雑さを伴
わないカートリッジであり、かつ酸、アルカリ酸化剤、
及び高温のアルコールに耐性を持ち、ろ過膜は親水性で
エアーロックをおこさず、かつ使用済みのフィルターカ
ートリッジは容易に焼却処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を説明するフィルターカート
リッジの正面図。
【図2】第一図のフィルターカートリッジの中心軸を含
む断面図。
【図3】第二図のろ過ユニット拡大図。
【図4】第三図のろ過膜と膜サポート材を除いたろ過ユ
ニットの斜視図。
【図5】従来の平板積層型フィルターカートリッジの概
略断面図。
【符号の説明】
1.ろ過膜構造体 2.精密ろ過膜 3.内側リング 4.コア 5.連通孔 6.支持体 7.上部保護板 8.下部保護板 9. 外周リム 10. 内周リム 11. 内周縁部 12. 外周縁部 14. 中央開口部 15. スポーク 16. Oリング溝 17. 連結部分(凸) 18. 連結部分(凹) 19. 膜サポート材 20. 上部支持体 21. 下部支持体 22. 二次側流路 23. 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA07 HA42 HA91 JA03A JA03B JA03C JA03Z JA07C JA07Z JA19C JA19Z JA22A JA22C JA23C JA30C JB06 JB07 JB13 KE16P LA06 MA03 MA06 MA22 MA24 MA31 MB02 MB11 MB12 MB13 MB15 MB16 MB20 MC22 MC54 MC63X NA47 PA01 PB12 PB14 PB20 PC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Oリングあるいはガスケットを除くフィル
    ターカートリッジを構成するすべての部材の材料がポリ
    スルホン系ポリマーでできていることを特徴とする、平
    板積層型精密ろ過フィルターカートリッジ。
  2. 【請求項2】ポリスルホン系ポリマーがポリエーテルス
    ルホンであることを特徴とする、請求項1記載の平板積
    層型精密ろ過フィルターカートリッジ。
  3. 【請求項3】膜サポート材が微細な溝及び又は凸部を多
    数形成した微孔性膜であることを特徴とする請求項1記
    載の平板積層型精密ろ過フィルターカートリッジ。
  4. 【請求項4】微孔性ろ過膜の水バブルポイントが0.3MPa
    以上で且つ膜サポート材の水バブルポイントが0.15MPa
    以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の平板積層型精密ろ過フィルターカートリッ
    ジ。
  5. 【請求項5】膜サポート材がポリスルホン系フイルムに
    物理的に穴をあけると共に該フイルムに多数の凹凸変形
    を付与したものであり、且つ該凹部が連通した微細溝を
    形成していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の平板積層型精密ろ過フィルターカートリ
    ッジ。
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