JP2003103095A - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

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慎 竹内
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  • Textile Engineering (AREA)
  • Main Body Construction Of Washing Machines And Laundry Dryers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラム式洗濯機において洗濯物の出し入れの
容易性を高める。 【解決手段】 左右方向に延伸する水平軸を中心に回転
自在のドラム23を外槽20内に配設し、外箱の上面前
部に設けた洗濯物投入口3の下方に外槽扉20bを有す
る外槽開口20bを設けるとともに、ドラム23の周面
には前後方向に観音開き自在のドラム扉23bを有する
開口23bを設け、その回転停止位置で開口23bを外
槽開口20bに一致させる。ドラム扉23bは開放方向
に付勢されつつ、ツメ43と係合穴53との係合によっ
て閉鎖状態を維持する。使用者により外槽扉20bをラ
ッチ又はラッチ解除するための操作レバー63bが回動
されると、ドラム扉開閉機構65を介してロッド65
a,65bがそれぞれ進出・後退し、ドラム扉23bの
係合・係合解除を行う。これにより、外槽扉20bの開
閉に連動してドラム扉23bが開閉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水平軸又は傾斜軸
を中心に回転するドラムを有するドラム式洗濯機に関す
る。なお、一般にドラム式洗濯機は洗濯から乾燥までを
連続的に行うことができるものであることが多いが、こ
こで言うドラム式洗濯機は乾燥が行えないものであって
もよい。
【0002】
【従来の技術】ドラム式洗濯機は、水平軸又は傾斜軸を
中心に円筒籠状のドラムを回転自在に配置した構成を備
えており、このドラム内に洗濯物を収容して水を貯留し
た外槽内で回転させることによって、洗濯物の叩き洗い
を行っている。従来よく知られているドラム式洗濯機で
は、略直方体形状の外箱の前面に衣類を投入するための
扉体が横開きに設けられており、その扉体を開くと外槽
に設けた開口を通して、ドラムの一端面に設けられた洗
濯物投入口が覗くように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうしたドラム式洗濯
機に対する一般消費者の大きな不満の一つは、衣類の出
し入れがしにくいことである。すなわち、上記構成のた
めにドラム式洗濯機では洗濯物投入口が非常に低い位置
にあり、洗濯機を専用の置台上に載置した場合であって
も、衣類投入のしにくさは完全には解消されない。この
ような不満に対応するため、従来、市販されているドラ
ム式洗濯機では、傾斜軸を用いてドラムの洗濯物投入口
をやや斜め上向きにしたものがある。また、洗濯物投入
口をできるだけ大きくすることも試みられている。しか
しながら、このような構成によっても、渦巻き式洗濯機
の操作性に慣れた者にとってみれば必ずしも充分とは言
えない。
【0004】更に、一般の消費者の洗濯方法として、バ
ケツなどに漂白剤などを溶解させた液を入れて洗濯物を
付け置き、その液と一緒に又は洗濯物のみ取り出して洗
濯機の洗濯槽内に移して洗濯を行うという場合がある。
しかしながら、従来のドラム式洗濯機の構成では、洗濯
物のみをバケツから洗濯槽に移す場合に液が床に垂れ易
く、また液自体をバケツから洗濯槽に移し替えることは
非常に困難である。こうしたこともドラム式洗濯機の使
いにくさの1つである。
【0005】本発明に係るドラム式洗濯機はこのような
課題を解決するために成されたものであり、その主たる
目的は、使用者にとって使い勝手が良好な、特に渦巻き
式洗濯機に比べて従来劣る傾向にあった使い勝手を向上
させたドラム式洗濯機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段、及び効果】上記課題を解
決するために成された第1発明は、外箱内に配設した外
槽の内部に、周面が略円筒形状のドラムを略左右方向に
延伸する軸を中心に回転自在に配設したドラム式洗濯機
であって、前記ドラムはその周面に洗濯物投入用開口を
有し、前記外箱は上面から前面にかけて下方向に傾斜す
る傾斜部を有し、前記洗濯物投入用開口に通じる開口部
が該傾斜部にかかるように形成されるとともに該開口部
を開閉する上蓋を備え、且つ、該傾斜部には操作キーが
配設された操作パネルを設けたことを特徴としている。
【0007】上記課題を解決するために成された第2発
明は、外箱内に配設した外槽の内部に、周面が略円筒形
状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に回転自在
に配設したドラム式洗濯機であって、前記ドラムはその
周面に洗濯物投入用開口を有し、前記外箱は上面から前
面にかけて下方向に傾斜する傾斜部を有し、前記洗濯物
投入用開口に通じる開口部が該傾斜部にかかるように形
成されるとともに該開口部を開閉する上蓋を備え、且
つ、該傾斜部には前方に引き出し自在に洗剤容器を設け
たことを特徴としている。
【0008】上記課題を解決するために成された第3発
明は、外箱内に配設した外槽の内部に、周面が略円筒形
状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に回転自在
に配設したドラム式洗濯機であって、前記ドラムはその
周面に洗濯物投入用開口を有し、前記外箱は上面から前
面にかけて下方向に傾斜する傾斜部を有し、前記洗濯物
投入用開口に通じる開口部が該傾斜部にかかるように形
成されるとともに該開口部を開閉する上蓋を備え、該上
蓋は少なくとも前後に分割された折れ構造を有し、該上
蓋の開放時には折れ状態で前記開口部の後方に待機可能
としたことを特徴としている。
【0009】上記課題を解決するために成された第4発
明は、外箱内に配設した外槽の内部に、周面が略円筒形
状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に回転自在
に配設したドラム式洗濯機であって、前記ドラムはその
周面に洗濯物投入用開口を有し、前記外箱は上面から前
面にかけて下方向に傾斜する傾斜部を有し、前記洗濯物
投入用開口に通じる開口部が該傾斜部にかかるように形
成されるとともに該開口部を開閉する上蓋を中央に備
え、操作キーが配設された操作パネルと前方に引き出し
自在の洗剤容器とを該上蓋を挟んだ左右両側に分けて、
又はいずれか一方の側に配設したことを特徴としてい
る。
【0010】すなわち、ドラム式洗濯機における上記の
ような使い勝手の悪さを解消する一つの方法は、従来の
一般の渦巻き式洗濯機と同じように、洗濯物投入口を外
箱の前面ではなく上面に設けることである。上記第1〜
第4発明に係るドラム式洗濯機では、単に外箱の上面に
衣類投入のための開口部が形成されているのみならず、
上面から前面にかけて下方向に傾斜した傾斜部にかかる
ように開口部が形成されているため、洗濯機の前方に立
位姿勢をとった使用者が無理なく楽な姿勢で洗濯物の出
し入れをすることができる。また、上記発明に係るドラ
ム式洗濯機では、略円筒形状のドラムが略左右方向に延
伸する軸を中心に回転するべく配設された構造であるた
め、もともと外箱の上面と前面との間の角部の内側は無
駄な空間となり易い。したがって、上述のように外箱に
傾斜部を設ける場合でも洗濯容量が減少することがな
く、外箱内部のスペースを有効活用しつつ使い勝手を向
上させることができる。
【0011】これに加え、第1発明に係るドラム式洗濯
機ではその傾斜部に操作パネルが配置されているため、
操作パネルは斜め上方を指向しており、使用者は無理な
姿勢をとることなく操作パネルに対して垂直に近い状態
で見下ろすことができる。そのため、操作パネルに配設
されている操作キーに関する説明表記の文字などが見易
く、操作キーの操作も行い易い。また、好ましくは、洗
濯行程の進捗状況や残り時間などを表示するための各種
表示器も傾斜部に配置するとよい。一般に、LEDや液
晶などを使用した表示器では斜めから見ると見にくいこ
とがあるが、表示器を傾斜部に配置しておけば、表示を
その正面に近い位置で見ることができるので非常に見易
くすることができる。
【0012】また、第2発明に係るドラム式洗濯機では
上記傾斜部に洗剤容器が配置されているため、洗剤容器
を少し引き出しただけでも上面が広く開口した状態とな
り、しかも洗剤容器の下部は広く保持されているため脱
落しにくい。そのため、使用者は洗剤容器を大きく引き
出すことなく洗剤や柔軟仕上げ剤を洗剤容器に容易に収
容することができる。
【0013】また、第3発明に係るドラム式洗濯機では
上蓋が折れ状態で開口部の後方に待機するので、洗濯物
の出し入れの際に上蓋が邪魔になることがない。また、
背が低い人でも無理なく上蓋を開放させることができ
る。
【0014】なお、第3発明に係るドラム式洗濯機にお
いて、前記上蓋を二つ折れ構造とし、前記外箱の上面に
あって傾斜部後端である屈曲部近傍が折れ位置であるよ
うな構成とすることが好ましい。この構成によれば、上
蓋を二つ折れ状態にしたときにその厚みが小さくなり、
開口部後方に待機した状態でも前方へ出っ張ることがな
い。したがって、上蓋が洗濯物の出し入れに邪魔になる
ことを一層確実に回避することができる。また、外槽に
設けた開口を開閉する扉を後方側に開放する構成とした
場合でも、上蓋が外槽の扉の開放の邪魔になることがな
い。
【0015】更にまた、第4発明に係るドラム式洗濯機
では、上蓋を閉鎖したまま洗剤容器を引き出して洗剤を
収容したり、或いは操作パネルでキー操作を行ったりす
ることができる。また、上蓋を後方側へ開放する構成と
した場合には、上蓋を開放した状態でも洗剤容器や操作
パネルが上蓋の陰にならないので、上蓋を開放した状態
のまま洗剤容器に洗剤を収容したり操作パネルでキー操
作を行ったりすることができる。
【0016】上述したように洗濯物投入口を外箱の上面
に設け、その洗濯物投入口を開閉するように上蓋を設置
した構成では、洗濯物投入口の直下に外槽が配設され、
その外槽の内部にドラムが収容されている。そのため、
ドラム内に洗濯物を出し入れするためには少なくとも、
外槽に設けられた開口を開閉する外槽扉、及び、ドラム
に設けられた開口を開閉するドラム扉を開くことが必要
となる。そこで、このような扉の開閉操作の手間を軽減
するために、第5発明又は第6発明に係るドラム洗濯機
の構造とすればよい。
【0017】すなわち、第5発明は、外箱内に配設した
外槽の内部に、周面が略円筒形状のドラムを水平軸又は
傾斜軸を中心に回転自在に配設したドラム式洗濯機であ
って、 a)外箱の上面に形成され、上蓋によって開閉自在の洗濯
物投入口と、 b)該洗濯物投入口の下方の外槽の周面に形成され、外槽
扉によって開閉自在の外槽開口と、 c)前記ドラムの周面に形成され、ドラム扉によって開閉
自在のドラム開口と、 d)該ドラム開口が前記外槽開口と略一致した位置になる
ようにドラムの停止位置を決めるドラム停止位置固定手
段と、 e)前記ドラムの回転が停止され、前記外槽扉及びドラム
扉が共に閉鎖された状態にあるときに、該外槽扉の開放
動作に連動して前記ドラム扉を開放させる扉連動手段
と、 を備えることを特徴としている。
【0018】この第5発明に係るドラム式洗濯機によれ
ば、ドラムが停止した状態では、ドラム停止位置固定手
段によりドラム開口が外槽開口とほぼ一致した位置とな
るようにドラムの停止位置が定められており、使用者が
上蓋を開け、更に外槽扉を開放するための操作を行う
と、扉連動手段により外槽扉の開放動作に連動してドラ
ム扉も開放動作する。したがって、外槽扉を開けた後に
ドラム扉を開けるという2段階の扉開放操作が不要であ
り、ドラム扉を開閉するための操作を使用者が特に意識
的に行う必要がなく、洗濯物を出し入れする際に要する
手間が軽減される。
【0019】更にまた、使用者の操作の手間を一層軽減
するためには、前記扉連動手段は、前記外槽扉及びドラ
ム扉が共に開放した状態にあるときに、該外槽扉の閉鎖
動作に連動して前記ドラム扉を閉鎖させる構成とすると
よい。これにより、扉を閉鎖する操作も2段階でなく1
回で済む。
【0020】なお、前記ドラム扉は前記外槽扉の開放動
作に追随する程度の付勢力でもって開放方向に付勢され
ている構成とすることが好ましい。すなわち、該付勢力
が大きすぎると、ドラム扉の閉鎖状態が解除されたとき
にドラム扉が勢いよく外槽扉を押し上げて外槽扉を開放
させてしまうこととなり、外槽扉が使用者の手に当たる
等の恐れがある。他方、上記付勢力が小さすぎると、ド
ラム扉の閉鎖状態が解除されたにも拘わらずそのことに
使用者が気付かず、また使用者が外槽扉を開けたにも拘
わらずドラム扉の開きが不充分であるような事態も生じ
得る。そこで、上記のような構成としておけば、ドラム
扉の閉鎖状態が解除されるとドラム扉は僅かに外槽扉を
押し上げて浮かせ、更に使用者によって外槽扉が開かれ
るとそれに追随してドラム扉も開放する。こうして安全
に且つ高い操作感で扉の開閉を行うことができる。
【0021】上記第5発明をより具体化した第6発明
は、外箱内に配設した外槽の内部に、周面が略円筒形状
のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に回転自在に
配設したドラム式洗濯機であって、 a)外箱の上面に形成され、上蓋によって開閉自在の洗濯
物投入口と、 b)該洗濯物投入口の下方の外槽の周面に形成され、外槽
扉によって開閉自在の外槽開口と、 c)前記ドラムの周面に形成され、前後方向に観音開きす
る二枚の扉体から成るドラム扉によって開閉自在のドラ
ム開口と、 d)該ドラム開口が前記外槽開口と略一致した位置になる
ようにドラムの停止位置を決めるドラム停止位置固定手
段と、 e)外槽側からドラム側に向けて進退自在の一個以上の作
動片を含み、前記外槽扉の開閉動作に連動して前記作動
片を進退させることにより前記ドラム扉を開閉させるド
ラム扉開閉手段と、 を備え、前記ドラム扉の二枚の扉体はそれぞれ開放方向
に付勢されつつドラム扉係合手段により閉鎖状態に保持
可能とされ、前記ドラム扉開閉手段は、外槽扉開放操作
時に前記作動片の進退動作により該ドラム扉係合手段に
よる係合を解除し、外槽扉閉鎖操作時には該作動片の進
退動作により該ドラム扉係合手段による係合を行うこと
を特徴としている。
【0022】この第6発明に係るドラム式洗濯機によれ
ば、外槽扉を開放するに伴ってドラム扉も開放し、逆に
外槽扉を閉鎖して開かないようにラッチ(又はロック)
する操作を行えばドラム扉も閉鎖する。したがって、ド
ラム扉を開閉するための操作を使用者が特に意識的に行
う必要がなく、洗濯物を出し入れする際に要する手間が
軽減される。また、ドラム扉の二枚の扉体は前後方向に
観音開き状態となるため、前方側の扉体は手前に倒れる
ことになり、ドラムと外槽との隙間や外槽と外箱との間
の隙間が塞がれる。そのため、洗濯物を出し入れする際
に、そうした隙間に洗濯物が落下したり挟まったりする
ことを防止することができる。なお、前記ドラム扉開閉
手段は、外槽扉が閉鎖した状態を保持するためのラッチ
又はロックの操作に連動して前記作動片が進退動作する
構成とすることができる。
【0023】上述のようにドラム扉を観音開き構造とし
た場合、手前側に倒れた前方側扉の突出量が大きすぎる
と洗濯物の出し入れの邪魔になる。そこで、次の第7発
明に係るドラム式洗濯機の構成とするとよい。すなわ
ち、第7発明は、外箱内に配設した外槽の内部に、周面
が略円筒形状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心
に回転自在に配設したドラム式洗濯機であって、 a)外箱の上面の前寄りに形成され、上蓋によって開閉自
在の洗濯物投入口と、 b)該洗濯物投入口の下方の外槽の周面に形成され、外槽
扉によって開閉自在の外槽開口と、 c)前記ドラムの周面に形成されたドラム開口と、 d)該ドラム開口を開閉するべく、前後方向に観音開き可
能である二枚の扉体から成り、そのうちの前方側扉は後
方側扉よりも前後方向に短いサイズを有するドラム扉
と、 e)該ドラム開口が前記外槽開口と略一致した位置になる
ようにドラムの停止位置を決めるドラム停止位置固定手
段と、 を備えることを特徴としている。
【0024】この構成では、洗濯物投入口は外箱上面の
前寄りに配置され、ドラム扉のうちの前方側扉は後方側
扉よりも前後方向に短いサイズであるため、ドラム扉開
放時に前方側扉が前方に倒れた場合でもその突出量は小
さくてすむ。これにより、前方側扉が洗濯物の出し入れ
を妨げない。なお、好ましくは、前方側扉が手前側に倒
れたときに外箱前面よりも前方に突出しない、或いは突
出するとしても僅かであるようにサイズを定めておくと
よい。これにより、洗濯物が外箱前面から突出した扉に
引掛かったり、使用者が接触したりすることを避けるこ
とができる。
【0025】また、上記第6発明に係るドラム式洗濯機
におけるドラム扉係合手段の具体的な一態様としては、
一方の扉体に形成された突状のツメと、他方の扉体に形
成された上記ツメが嵌合する孔とすることができる。こ
うした係合では、二枚の扉体の重ね合わせ部において一
方の扉体が他方の扉体よりも必ず上になるようにする必
要がある。そこで、ドラム扉の閉鎖動作時においてこの
ような関係を維持するために、次の第8発明に係るドラ
ム式洗濯機の構成とするとよい。
【0026】すなわち、第8発明は、外箱内に配設した
外槽の内部に、周面が略円筒形状のドラムを水平軸又は
傾斜軸を中心に回転自在に配設したドラム式洗濯機であ
って、 a)外箱の上面に形成され、上蓋によって開閉自在の洗濯
物投入口と、 b)該洗濯物投入口の下方の外槽の周面に形成され、外槽
扉によって開閉自在の外槽開口と、 c)前記ドラムの周面に形成されたドラム開口と、 d)該ドラム開口を開閉するべく、観音開き可能であると
ともに閉鎖時には重ね合わせ部で互いに係合する二枚の
扉体から成るドラム扉と、 e)該ドラム扉の二枚の扉体の開閉動作をリンクさせる連
結手段と、 f)前記ドラム開口が前記外槽開口と略一致した位置にな
るようにドラムの停止位置を決めるドラム停止位置固定
手段と、 を備えることを特徴としている。
【0027】この構成では、連結手段によりドラム扉の
二枚の扉体は常に所定の関係を維持して、具体的には一
方の扉体が他方の扉体よりも先行して閉鎖する。したが
って、両扉体の重ね合わせ部での係合を確実に行い、ド
ラム開口をドラム扉で確実に閉鎖した状態で洗濯を開始
させることができる。なお、連結手段がドラムの外径よ
りも外側に飛び出ていると、外槽との接触を回避するた
めに外槽のサイズを大きくする必要が生じてしまう。そ
こで、連結手段はドラムの内側に設けるようにするとよ
い。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例であるド
ラム式洗濯機について図面を参照して説明する。図1は
本実施例のドラム式洗濯機の外観正面図、図2は外観上
面図、図3は外観右側面図、図4は上蓋を開放した状態
での要部の側面断面図、図5(a)は外箱1内の上部空
間に設けられた給水装置の構成を示す上面一部破断図、
図5(b)は洗剤容器5の上面図である。
【0029】図1〜図3に示すように、本ドラム式洗濯
機の外形を成す外箱1は、その上面1aにおいてほぼ前
半分位が僅かに外方に湾曲した傾斜部1cに形成されて
前面1bに連なっており、屈曲部Bを挟んで上面1a後
方の水平部1dから傾斜部1cにかけて上蓋2が設けら
れている。したがって、横から見たときの上蓋2の形状
は、全体がほぼくの字状で前方が斜め下向きに傾斜して
いる。
【0030】図4に示すように、上蓋2は、左右方向に
略水平に延伸する中間軸2dを中心に蝶動自在の第1蓋
部材2aと第2蓋部材2bとから成り、第2蓋部材2b
の後端は上面1a後方にあって左右方向に略水平に延伸
する後方軸2cに軸着されている。これにより、図3に
示すように上蓋2が閉鎖した状態から、使用者が第1蓋
部材2aに凹状に形成されている把手部2eを掴んで上
方に引き上げながら後方側へ押すと、上蓋2は図4に示
すように二つ折れ状態で洗濯物投入口3の後方に起立す
る。
【0031】上述したように、上蓋2は外箱1の上面1
aの水平部1dと傾斜部1cとに跨っているため、その
境目である屈曲部Bを含むが、中間軸2dの位置、つま
り上蓋2の二つ折れ位置は屈曲部Bよりも手前でその近
傍とされている。そのため、図4に示すように上蓋2を
二つ折れ状態としたときにでも厚みが小さくてすみ、洗
濯物投入口3の上に被さることなく、その後方に整然と
保持される。
【0032】また、上蓋2の最下位置、つまり洗濯物投
入口3の前縁位置Aの高さが高すぎると背の低い人が洗
濯物を出し入れしにくくなり、一方、前縁位置Aの高さ
が低すぎると上蓋2の開閉がたいへんになる。通常、洗
濯機の全高Hは設置場所の制限等からほぼその範囲が決
まっているから、前縁位置Aは全高Hの約70〜90%
の範囲に収まるようにするとよい。
【0033】図1、図2に示すように、傾斜部1cにあ
って上蓋2の左側には前方に引き出し自在の洗剤容器5
が、右側には前後方向に延伸して操作パネル6が配設さ
れている。操作パネル6には、洗濯コースや予約時間等
を設定するためなどの各種の操作キーと、これら設定に
応じて点灯したり、洗濯行程の進捗状況を報知したり、
或いは予約や運転の残り時間などを表示するための各種
の表示器が適宜に分散して配置されている。操作パネル
6はその殆どが斜め上方を指向しているため、使用者が
本洗濯機の前方に立った姿勢で斜め下方を見下ろしたと
き、操作パネル6面はその視線に対して垂直に近い状態
となり、表示が見易く、且つ操作キーも押し易い。
【0034】図5(b)に示すように、洗剤容器5はそ
の上面全体が開放した箱状体であり、その内部は粉末洗
剤収容部5a、液体洗剤収容部5b、及び柔軟仕上剤収
容部5cに区画されている。上述のように、この洗剤容
器5は傾斜部1cに引き出し自在に設けられているか
ら、洗剤容器5を前方に少し引き出しただけでも上面開
口が広く露出し、一方、洗剤容器5の下面は広く保持さ
れている。したがって、使用者は洗剤容器5を大きく引
き出すことなく洗剤や柔軟仕上げ剤を洗剤容器5に収容
することができる。
【0035】図5(a)に示すように、外箱1の上面1
aにあって上蓋2の後方には、外部の給水ホースを接続
する給水口7と、風呂水ホースを接続する風呂水ホース
給水口8とが設けられている。風呂水ホース給水口8の
直下には風呂水ポンプ10が設置され、給水口7の直下
には四連の給水バルブ9が設置されている。ここで四連
のバルブを使用するのは、洗剤容器5を介した通常の給
水を行うのみならず、洗剤供給又は柔軟仕上剤供給の選
択を行ったり、後述する遠心脱水時のバランス調整用の
給水を行ったり、或いは、乾燥運転時に洗濯物から吐出
された水蒸気を含む湿った空気を水冷するための水を供
給したりするためである。
【0036】給水バルブ9や風呂水ポンプ10による水
は洗剤容器5を収納する洗剤容器ケース11に供給さ
れ、該ケース11内に洗剤容器5が収納されているとき
には洗剤容器5内の粉末洗剤収容部5a、液体洗剤収容
部5b、又は柔軟仕上剤収容部5cのいずれか一箇所又
は二箇所以上に水が流れ込む。
【0037】図6は本ドラム洗濯機の内部構造を示す要
部の正面縦断面図、図7は外箱1を取り除いた状態での
要部の左側面図である。従来の一般的なドラム式洗濯機
では、周面が略円筒形状のドラムは前後方向に水平又は
やや前上がり傾斜を有する軸の周囲に回転自在に配設さ
れているが、本ドラム式洗濯機では、ドラムは左右方向
に水平な軸の周囲に回転自在に配設されている。
【0038】すなわち、外箱1の内部にあっては、周面
が略円筒形状で両端面がほぼ閉塞された外槽20が外箱
1の左右両側上方から牽引する二本のばね21と、前後
方向に外槽20下部を支持するダンパ22とにより適度
に揺動自在に保持されている。外槽20の内部には、洗
濯物を収容するための、周面が略円筒形状で両端面がほ
ぼ閉塞されたドラム23が、左右方向に延伸する水平軸
線Cを中心に回転自在に設けられている。ドラム23に
は多数の通水穴230が穿孔されている。水平軸線C
は、ドラム23の左端面に固定された主軸24が外槽2
0の左端面に固定されている軸受ケース27に保持され
た第1軸受26により支承され、他方、ドラム23の右
端面に固定された補助軸25が外槽20の右端面に固定
されている軸受ケース29に保持された第2軸受28に
より支承されることにより形成される。主軸24及び補
助軸25と各軸受ケース27、29との間はオイルシー
ル31により水封されており、外槽20内に水が貯留し
た状態でも第1、第2軸受26、28が被水しないよう
になっている。
【0039】外槽20の左側方へと突出した主軸24の
先端には、アウタロータ型の直流ブラシレスモータであ
るモータ30のロータ30bが取り付けられ、一方、上
記軸受ケース27には同じモータ30のステータ30a
が固定されている。永久磁石を含む30bは巻線を含む
ステータ30aの外周側を取り囲むように配置されてお
り、これによりモータ30は水平軸線Cの方向に薄型の
構造を有している。このようにモータ30は主軸24を
介してドラム23をダイレクト駆動する構成であるた
め、図示しない制御回路からステータ30aに駆動電流
が供給されるとそれによってロータ30bが回転し、主
軸24を介してロータ30bと同一の回転速度でドラム
23が回転駆動される。
【0040】外槽20の底部には排水口200が設けら
れ、排水口200は排水バルブ36を介し図示しない排
水ホースを通して外部の排水溝へと接続されている。排
水バルブ36はトルクモータ37の動作により開閉す
る。なお、ここでは詳しく述べないが、外槽20の右外
側には乾燥時に温風を供給するための温風流路が形成さ
れており、ドラム23内に供給されるようになってい
る。
【0041】従来の一般的なドラム式洗濯機におけるド
ラムの片持支持構造とは異なり、本ドラム式洗濯機では
上述したとおり、ドラム23は両側で支承されている。
そのため、遠心脱水時に洗濯物が片寄っていた場合でも
振動は比較的生じにくい。しかしながら、振動の抑制を
確実に行うために2つのバランス調整手段を用いてい
る。その1つは、ドラム23にあってモータ30と同一
の左端面の外周側に装着された流体バランサ32であ
る。この流体バランサ32は従来の渦巻き式洗濯機に利
用されているバランスリングとほぼ同様の作用を有する
もので、略中空環状体の内部に封入した流体の移動を適
度に規制することによってドラム23の振動を抑制する
ことができる。
【0042】一方、ドラム23を挟んで流体バランサ3
2と反対側のドラム23右端面の外周側には、内周側に
開口した複数のポケット状の貯水槽33が放射状に設け
られている。この貯水槽33は、その開口部に向けて水
を放出するノズル34や図示しないものの該ノズル34
に上記給水バルブ9より水を供給するための給水流路な
どと共に、重量可変型のバランス調整部を構成してい
る。すなわち、ドラム23が所定の回転位置にあるとき
に、ノズル34から水を放出させ該ノズル34に近接す
る貯水槽33の内部に水を入れて遠心力によってその内
部に保持させると、保持した水の重量によってそれ自身
がドラム23の偏心荷重となる。そこで、洗濯物の片寄
りによる偏心荷重に対し軸を挟んで対向する位置近傍の
貯水槽33にこうした水による重量を適宜付加すること
により、ドラム23全体の偏心量を小さくすることがで
きる。なお、こうしたバランス調整方法や具体的な構成
については、例えば特願2001−161855号で本
出願人が提案しているものを利用することができる。
【0043】本ドラム式洗濯機では、上述したように外
箱1の上面1aの水平部1dから傾斜部1cに跨って洗
濯物投入口3が設けられており、後述するように、外槽
20の周面に形成された外槽開口20b及びドラム23
の周面に形成されたドラム開口23bを通してドラム2
3内に洗濯物が出し入れされるようになっている。但
し、ドラム23は外槽20内で回転するため、その回転
が停止したときにドラム開口23bが外槽開口20bと
一致した位置になる必要がある。そこで、外槽20の左
端面にはドラム位置固定装置35が設けられ、該装置3
5から突出する係合凸部とロータ30bに形成されてい
る係合凹部との噛み合いによりドラム23の停止位置が
決まるように構成されている。
【0044】次に、図8〜図11を参照して、本ドラム
式洗濯機の特徴の1つである、洗濯物を出し入れするた
めの扉の開閉構造について説明する。図8は本ドラム式
洗濯機における洗濯物投入口3周辺の要部の側面断面
図、図9はドラム23の扉の開閉構造を示す平面図、図
10はドラム23の扉の開閉構造を示す側面断面図、図
11はドラム23の扉の開閉動作を説明するための要部
の拡大図である。
【0045】図8に示すように、上蓋2により閉塞され
る洗濯物投入口3の直下には、ドラム23が外槽20内
に内包された状態にある。外槽開口20b及びドラム開
口23bはいずれも真上よりもやや前方側に指向して形
成されており、外槽開口20bを開閉するために外槽扉
20aが、ドラム開口23bを開閉するためにドラム扉
23aが設けられている。したがって、ドラム23内に
洗濯物を収容するには、外槽扉20aとドラム扉23a
という2つの扉を開放する必要がある。もちろん、それ
ぞれ個別に扉を開放するようにしてもよいが、そうする
と、洗濯物を投入するために、上蓋2、外槽20の扉、
ドラム23の扉と3段階の開放操作を行わなければなら
ず面倒である。そこで、本ドラム式洗濯機では、外槽扉
20aとドラム扉23aとが簡単な1回の操作で開くよ
うに構成されている。
【0046】図9、図10に示すように、ドラム扉23
aは、左右方向に略平行に延伸する前方側軸41を中心
に回動自在の前方側扉40と、同じく左右方向に略平行
に延伸する後方側軸51を中心に回動自在の後方側扉5
0との2枚から構成され、閉鎖時には前方側扉40と後
方側扉50の縁端部が重なり合い(図8参照)、開放時
には両扉40、50が観音開き状態となる。このような
観音開き構造とすると、前方側扉40が開いた際に手前
側で外槽20とドラム23との間隙を塞ぐことができ
る。そのため、洗濯物を投入する際に外槽20とドラム
23との間隙に洗濯物が落下したり挟まったりすること
を防止することができる。しかしながら、前方側扉40
が手前側に開いたときにその突出量が大きいと、洗濯物
の投入作業の邪魔になる。そこで、前方側扉40の扉長
(奥行方向の長さ)を後方側扉50の扉長よりも短くし
ておくことによって、上記突出量を小さくしている。
【0047】前方側扉40は前方側軸41に巻回された
ばね42によって開放方向に付勢され、また、上記重ね
合わせ部分に上に指向したツメ43が設けられている。
このツメ43はばね性を有する受け板部44と連結され
ており、受け板部44をドラム23外側から押圧すると
ツメ43はドラム23内周側へと沈み込み、上記押圧が
解除されるとその沈み込みから復帰する。一方、後方側
扉50は前方側扉40と同様に後方側軸51に巻回され
たばね52によって開放方向に付勢され、また、上記重
ね合わせ部分に上記ツメ43が係合する係合孔53が設
けられている。
【0048】更に前方側扉40と後方側扉50とは両側
に設けられた連結棒55により連結され、その上方はカ
バー56で被覆されている。連結棒55は前方側扉40
とは連結軸55aで、後方側扉50とは連結軸55bで
接続されており、その機能は、前方側扉40と後方側扉
50とを所定の関係を保って連動して開閉させることに
ある。具体的には、両扉40、50が開放状態から閉鎖
する際には前方側扉40が後方側扉50よりも先行して
閉じるようにする。これにより、閉鎖時には必ず後方側
扉50の縁端部が前方側扉40の縁端部の上に載った状
態で重なり、その逆となることはない。
【0049】外槽扉20aは上記ドラム扉23aと異な
り、左右方向に略水平に延伸する軸61を中心に回転自
在に設けられた1枚の扉体である。外槽扉20aは軸6
1に巻回されたばね62によって開放方向に付勢されて
いる。また、外槽扉20aとその手前側の外槽20に
は、互いに係合することにより外槽扉20aを閉鎖した
状態に保つための扉側ラッチ機構63、槽側ラッチ機構
64が設けられている。すなわち、扉側ラッチ機構63
は、軸63aを中心に左右方向に回動自在の操作レバー
63bを有しており、操作レバー63bをラッチ位置に
すると、ラッチ機構63,64の係合により外槽扉20
aは閉鎖状態でラッチされる。逆に操作レバー63bを
ラッチ解除位置にすると、ラッチ機構63,64の係合
が解除されて外槽扉20aは開放可能な状態になる。
【0050】扉側ラッチ機構63はその後方に位置する
ドラム扉開閉機構65と一体化されている。ドラム扉開
閉機構65は、外槽20の内側に指向して進出・後退可
能な二本の第1ロッド65a、第2ロッド65bを含
み、前方側の第1ロッド65aはドラム扉23aが閉鎖
した状態において進出すると、前方側扉40の受け板部
44に当接する位置にある。他方、後方側の第2ロッド
63bは同じくドラム扉23aが閉鎖した状態で進出す
ると、後方側扉50の被押圧部54に当接する位置にあ
る。
【0051】第1、第2ロッド65a、65bはそれぞ
れ操作レバー63bの左右方向の回動操作に応じて進出
・後退する。具体的には、操作レバー63bがラッチ位
置からラッチ解除位置に回動されるときには、第1ロッ
ド65aが一時的に進出し、操作レバー63bの回動終
了位置では第1ロッド65aは元の収納位置に後退す
る。逆に操作レバー63bがラッチ解除位置からラッチ
位置に回動されるときには、第2ロッド65bが一時的
に突出し、操作レバー63bの回動終了位置では第2ロ
ッド65bは元の収納位置に後退する。
【0052】ドラム23内に洗濯物を出し入れする際の
上記構成の動作は次のようになる。いま、図8に示すよ
うに、上蓋2が洗濯物投入口3を閉鎖し、外槽扉20a
が外槽開口20bを閉鎖し、ドラム扉23aがドラム開
口23bを閉鎖した状態にあるものとする。使用者は上
蓋2の把手部2eに指を差し入れて上に引き上げながら
後方へと押す。すると、上述したように、上蓋2は洗濯
物投入口3の後方に二つ折れ状態で起立する(図4参
照)。次に、使用者は操作レバー63bをラッチ位置か
らラッチ解除位置まで回動させる。これにより、ラッチ
機構63、64の係合が解除されて外槽扉20aは軸6
1を中心に回動自在の状態となる。
【0053】また、上記操作レバー63bの回動操作時
に、ドラム扉開閉機構65の第1ロッド65aが一時的
に進出する。上述した通り、第1ロッド65aの進出位
置はちょうど前方側扉40の受け板部44であるため、
図11(b)に示す状態において受け板部44が下に押
圧され、図11(a)に示すように前方側扉40は軸4
1を中心に沈み込むように回動する。すると、ツメ43
が係合孔53から外れるから、後方側扉50を下方に引
っ張っていた力が解除され、後方側扉50はばね52の
付勢力により開放方向に回動する。このとき、既に外槽
扉20aのラッチが解除されていれば、後方側扉50は
外槽扉20aを持ち上げる。後方側扉50は外槽扉20
aの重量を支えることになるから、ばね52の付勢力を
適度に設定しておくことにより、後方側扉50が外槽扉
20aを少し持ち上げた位置で止まるようにすることが
できる。このようにしておけば、使用者は外槽扉20a
を開くことができる状態になったことを容易に認識でき
るとともに、外槽扉20aを開け易くなる。
【0054】一方、第1ロッド65aが元の位置に戻る
と前方側扉40を押圧する力が解除されるため、前方側
扉40はばね42の付勢力によって開放方向に回動しよ
うとする。このとき、後方側扉50が大きく開放してい
なければ、前方側扉40は後方側扉50の下側に待機し
た状態となるが、ツメ43は係合孔53に入り込まない
ので、この状態では前方側扉40と後方側扉50とは係
合することはない。
【0055】使用者が外槽扉20aを後方側へ開くと、
図10に示すように、これに追随してばね52の付勢力
によって後方側扉50は後方側へ回動し、連結棒55を
介して遅れて前方側扉40は前方側へと回動する。この
ようにして、外槽扉20aの開放操作と連動させてドラ
ム扉23aを観音開きすることができ、使用者は大きく
開いた開口を通してドラム23内に洗濯物を投入する、
又は逆にドラム23内から洗濯物を取り出すことができ
る。
【0056】例えば使用者がドラム23内に洗濯物を投
入した後には、使用者は後方側へ少し倒れた状態にある
外槽扉20aを手前側に回動させて閉じる操作を行う。
このとき、外槽扉20aに押されるようにして後方側扉
50は回動するが、連結棒55の作用により、後方側扉
50に先行して前方側扉40は回動してドラム開口23
bを閉鎖位置に達する(図10参照)。使用者は外槽扉
20aを所定位置まで押し下げた後、操作レバー63b
をラッチ解除位置からラッチ位置まで回動させて外槽扉
20aの開放を禁止する。
【0057】上記操作レバー63bの回動操作の際に、
ドラム扉開閉機構65の第2ロッド65bが一時的に進
出する。上述した通り、第2ロッド65bの進出位置は
ちょうど後方側扉50の被押圧部54であるため、図1
1(a)に示す状態において被押圧部54が下に押圧さ
れ、後方側扉50は軸51を中心に沈み込むように回動
して前方側扉40を押さえ付ける。すると、ツメ43が
係合孔53に嵌り込み、後方側扉50の前縁端は前方側
扉40の受け板部44に相対するように押し込まれて、
両者は嵌合する。このようにして、外槽扉20aの閉鎖
操作及びラッチ操作と連動させてドラム扉23aを閉鎖
することができる。
【0058】使用者は洗濯物の投入の前後の適宜のとき
に、洗剤容器5に洗剤や柔軟仕上剤などを収容してお
く。また、洗濯物を投入し終えたら、操作パネル6上で
所定の操作を行って洗濯運転を指示する。こうした指示
に応答して洗濯が開始されると、先ず、風呂水又は外部
の給水栓から供給された水が洗剤容器5を通って外槽2
0内に注がれる。このとき排水バルブ36は閉鎖してお
り、洗剤容器5内に収容されている洗剤が溶け出した洗
浄水が外槽20内に貯留する。
【0059】こうして外槽20に貯留した水は、通水穴
230などを通してドラム23内へ流入し、洗濯物は水
に浸る。洗い運転が開始されると、モータ30のステー
タ30aに駆動電流が供給され、これによりドラム23
は所定方向に所定速度で回転する。それによって洗濯物
はドラム23内で叩き洗いされる。洗いが終了すると、
同様にしてすすぎが実行される。また、洗いの後及びす
すぎの後には中間脱水や最終脱水が実行される。このと
きには、モータ30の回転速度は例えば1000rpm
程度まで上昇され、ドラム23が同速度で回転すること
によって遠心脱水が達成される。このような遠心脱水に
際しては、流体バランサ32が機能するとともに、必要
に応じてバランス調整部も機能し、ドラム23や外槽2
0、更には外箱1が大きく振動することを防止する。こ
うして洗濯を終了した後にはドラム23内に温風を供給
し洗濯物を乾燥させる。
【0060】なお、上記実施例は本発明の一例であっ
て、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えること
は明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるドラム式洗濯機の外
観正面図。
【図2】 本実施例のドラム式洗濯機の外観上面図。
【図3】 本実施例のドラム式洗濯機の外観右側面図。
【図4】 本実施例のドラム式洗濯機において上蓋を開
放した状態での要部の側面断面図。
【図5】 本実施例のドラム式洗濯機における給水路の
構成を示す上面図及び洗剤容器の上面図。
【図6】 本実施例のドラム式洗濯機の内部構造を示す
要部の正面縦断面図。
【図7】 本実施例のドラム式洗濯機において外箱を取
り除いた状態での要部の左側面図。
【図8】 本実施例のドラム式洗濯機における洗濯物投
入口周辺の要部の右側面断面図。
【図9】 本実施例のドラム式洗濯機におけるドラム扉
の開閉構造を示す平面図。
【図10】 本実施例のドラム式洗濯機におけるドラム
扉の開閉構造を示す右側面断面図。
【図11】 本実施例のドラム式洗濯機におけるドラム
扉の開閉動作を説明するための要部の拡大図。
【符号の説明】
1…外箱 1a…上面 1b…前面 1c…傾斜部 1d…水平部 2…上蓋 2a…第1蓋部材 2b…第2蓋部材 2c…後方軸 2d…中間軸 2e…把手部 3…洗濯物投入口 5…洗剤容器 6…操作パネル 20…外槽 20a…外槽扉 20b…外槽開口 23…ドラム 23a…ドラム扉 23b…ドラム開口 24…主軸 25…補助軸 26、28…軸受 27、29…軸受ケース 30…モータ 35…ドラム位置固定装置 40…前方側扉 41…前方側軸 42…ばね 43…ツメ 44…受け板部 50…後方側扉 51…後方側軸 52…ばね 53…係合孔 54…被押圧部 55…連結棒 55a、55b…連結軸 56…カバー 61…軸 63…扉側ラッチ機構 63a…操作軸 63b…操作レバー 64…槽側ラッチ機構 65…ドラム扉開閉機構 65a…第1ロッド 65b…第2ロッド A…前縁位置 B…屈曲部 C…水平軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 謙治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 福井 孝司 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 竹内 慎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 船田 順久 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 竹内 晴美 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 3B155 AA21 AA25 BA26 BB02 CA02 CB07 DA05 DA07 DA09 DC21 JA02 KA36 MA02 MA10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外箱内に配設した外槽の内部に、周面が
    略円筒形状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に
    回転自在に配設したドラム式洗濯機であって、 前記ドラムはその周面に洗濯物投入用開口を有し、 前記外箱は上面から前面にかけて下方向に傾斜する傾斜
    部を有し、前記洗濯物投入用開口に通じる開口部が該傾
    斜部にかかるように形成されるとともに該開口部を開閉
    する上蓋を備え、 且つ、該傾斜部には操作キーが配設された操作パネルを
    設けたことを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 【請求項2】 外箱内に配設した外槽の内部に、周面が
    略円筒形状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に
    回転自在に配設したドラム式洗濯機であって、 前記ドラムはその周面に洗濯物投入用開口を有し、 前記外箱は上面から前面にかけて下方向に傾斜する傾斜
    部を有し、前記洗濯物投入用開口に通じる開口部が該傾
    斜部にかかるように形成されるとともに該開口部を開閉
    する上蓋を備え、 且つ、該傾斜部には前方に引き出し自在に洗剤容器を設
    けたことを特徴とするドラム式洗濯機。
  3. 【請求項3】 外箱内に配設した外槽の内部に、周面が
    略円筒形状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に
    回転自在に配設したドラム式洗濯機であって、 前記ドラムはその周面に洗濯物投入用開口を有し、 前記外箱は上面から前面にかけて下方向に傾斜する傾斜
    部を有し、前記洗濯物投入用開口に通じる開口部が該傾
    斜部にかかるように形成されるとともに該開口部を開閉
    する上蓋を備え、 該上蓋は少なくとも前後に分割された折れ構造を有し、
    該上蓋の開放時には折れ状態で前記開口部の後方に待機
    可能としたことを特徴とするドラム式洗濯機。
  4. 【請求項4】 前記上蓋を二つ折れ構造とし、前記外箱
    の上面にあって傾斜部後端である屈曲部近傍を折れ位置
    としたことを特徴とする請求項3に記載のドラム式洗濯
    機。
  5. 【請求項5】 外箱内に配設した外槽の内部に、周面が
    略円筒形状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に
    回転自在に配設したドラム式洗濯機であって、 前記ドラムはその周面に洗濯物投入用開口を有し、 前記外箱は上面から前面にかけて下方向に傾斜する傾斜
    部を有し、前記洗濯物投入用開口に通じる開口部が該傾
    斜部にかかるように形成されるとともに該開口部を開閉
    する上蓋を中央に備え、 操作キーが配設された操作パネルと前方に引き出し自在
    の洗剤容器とを該上蓋を挟んだ左右両側に分けて、又は
    いずれか一方の側に配設したことを特徴とするドラム式
    洗濯機。
  6. 【請求項6】 外箱内に配設した外槽の内部に、周面が
    略円筒形状のドラムを水平軸又は傾斜軸を中心に回転自
    在に配設したドラム式洗濯機であって、 a)外箱の上面に形成され、上蓋によって開閉自在の洗濯
    物投入口と、 b)該洗濯物投入口の下方の外槽の周面に形成され、外槽
    扉によって開閉自在の外槽開口と、 c)前記ドラムの周面に形成され、ドラム扉によって開閉
    自在のドラム開口と、 d)該ドラム開口が前記外槽開口と略一致した位置になる
    ようにドラムの停止位置を決めるドラム停止位置固定手
    段と、 e)前記ドラムの回転が停止され、前記外槽扉及びドラム
    扉が共に閉鎖された状態にあるときに、該外槽扉の開放
    動作に連動して前記ドラム扉を開放させる扉連動手段
    と、 を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  7. 【請求項7】 前記扉連動手段は、前記外槽扉及びドラ
    ム扉が共に開放した状態にあるときに、該外槽扉の閉鎖
    動作に連動して前記ドラム扉を閉鎖させることを特徴と
    する請求項6に記載のドラム式洗濯機。
  8. 【請求項8】 前記ドラム扉は前記外槽扉の開放動作に
    追随する程度の付勢力でもって開放方向に付勢されてい
    ることを特徴とする請求項7に記載のドラム式洗濯機。
  9. 【請求項9】 外箱内に配設した外槽の内部に、周面が
    略円筒形状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心に
    回転自在に配設したドラム式洗濯機であって、 a)外箱の上面に形成され、上蓋によって開閉自在の洗濯
    物投入口と、 b)該洗濯物投入口の下方の外槽の周面に形成され、外槽
    扉によって開閉自在の外槽開口と、 c)前記ドラムの周面に形成され、前後方向に観音開きす
    る二枚の扉体から成るドラム扉によって開閉自在のドラ
    ム開口と、 d)該ドラム開口が前記外槽開口と略一致した位置になる
    ようにドラムの停止位置を決めるドラム停止位置固定手
    段と、 e)外槽側からドラム側に向けて進退自在の一個以上の作
    動片を含み、前記外槽扉の開閉動作に連動して前記作動
    片を進退させることにより前記ドラム扉を開閉させるド
    ラム扉開閉手段と、 を備え、前記ドラム扉の二枚の扉体はそれぞれ開放方向
    に付勢されつつドラム扉係合手段により閉鎖状態に保持
    可能とされ、前記ドラム扉開閉手段は、外槽扉開放操作
    時に前記作動片の進退動作により該ドラム扉係合手段に
    よる係合を解除し、外槽扉閉鎖操作時には該作動片の進
    退動作により該ドラム扉係合手段による係合を行うこと
    を特徴とするドラム式洗濯機。
  10. 【請求項10】 外箱内に配設した外槽の内部に、周面
    が略円筒形状のドラムを略左右方向に延伸する軸を中心
    に回転自在に配設したドラム式洗濯機であって、 a)外箱の上面の前寄りに形成され、上蓋によって開閉自
    在の洗濯物投入口と、 b)該洗濯物投入口の下方の外槽の周面に形成され、外槽
    扉によって開閉自在の外槽開口と、 c)前記ドラムの周面に形成されたドラム開口と、 d)該ドラム開口を開閉するべく、前後方向に観音開き可
    能である二枚の扉体から成り、そのうちの前方側扉は後
    方側扉よりも前後方向に短いサイズを有するドラム扉
    と、 e)該ドラム開口が前記外槽開口と略一致した位置になる
    ようにドラムの停止位置を決めるドラム停止位置固定手
    段と、 を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  11. 【請求項11】 外箱内に配設した外槽の内部に、周面
    が略円筒形状のドラムを水平軸又は傾斜軸を中心に回転
    自在に配設したドラム式洗濯機であって、 a)外箱の上面に形成され、上蓋によって開閉自在の洗濯
    物投入口と、 b)該洗濯物投入口の下方の外槽の周面に形成され、外槽
    扉によって開閉自在の外槽開口と、 c)前記ドラムの周面に形成されたドラム開口と、 d)該ドラム開口を開閉するべく、観音開き可能であると
    ともに閉鎖時には重ね合わせ部で互いに係合する二枚の
    扉体から成るドラム扉と、 e)該ドラム扉の二枚の扉体の開閉動作をリンクさせる連
    結手段と、 f)前記ドラム開口が前記外槽開口と略一致した位置にな
    るようにドラムの停止位置を決めるドラム停止位置固定
    手段と、 を備えることを特徴とするドラム式洗濯機。
  12. 【請求項12】 前記連結手段をドラムの内側に備える
    ことを特徴とする請求項11に記載のドラム式洗濯機。
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