JP2003101236A - 貫通孔にメタライズインクが充填されたセラミックグリーンシートの製造方法及びセラミックグリーンシートに形成した貫通孔内へのメタライズインクの充填方法 - Google Patents

貫通孔にメタライズインクが充填されたセラミックグリーンシートの製造方法及びセラミックグリーンシートに形成した貫通孔内へのメタライズインクの充填方法

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JP2003101236A JP2002197677A JP2002197677A JP2003101236A JP 2003101236 A JP2003101236 A JP 2003101236A JP 2002197677 A JP2002197677 A JP 2002197677A JP 2002197677 A JP2002197677 A JP 2002197677A JP 2003101236 A JP2003101236 A JP 2003101236A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 確実にパッドをドーム状に突出した形状とす
ることができる積層セラミック基板の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 ビア用貫通孔Hが形成された搭載面用セ
ラミックグリーンシートGを、ゴム弾性平面Ua上に載
置する載置工程と、ビア用貫通孔H内にビア用メタライ
ズインク13をビア用貫通孔H内に充填し、ドーム状に
突出する突出部13aを形成するインク充填突出工程と
搭載面用セラミックグリーンシートGと他のセラミック
グリーンシート等とを積層し焼成して、搭載面からドー
ム状に突出するビアの突出部を有する積層セラミック基
板を形成する積層焼成工程とを有する。これにより、I
CチップCのハンダバンプと接続する際に、実質的に1
点で接触するので、ハンダ内に空気やフラックス分解ガ
スを巻き込まない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品のバンプ
と接続するためのパッドを有する積層セラミック基板の
製造方法に関し、特に、パッドまたはその一部がドーム
状に突出した形状とされた積層セラミック基板の製造方
法、及びこれに適したセラミックグリーンシートに形成
した貫通孔内へのメタライズインクの充填方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】セラミックグリーンシート(以下、単に
シートともいう)の所定位置にあけたビア用貫通孔にビ
ア用メタライズインクを充填し、および/または、シー
トの表面に所定パターンの配線用メタライズインクを印
刷しておき、このシートを所定の順序で複数枚積層した
後、同時焼成によって焼成し、積層セラミック基板を形
成する技術が知られている。近年の小型化、高密度化の
要請に従い、このような積層セラミック基板(以下、単
に基板ともいう)に集積回路チップ(以下、単にICチ
ップともいう)等の電子部品を搭載・接続する手法に、
電子部品の接続端子としてバンプを形成しておき、基板
にはこれに対応した位置にパッドを形成して、このバン
プとパッドを接続するフリップチップ法がある。
【0003】さらにこのフリップチップ法には、基板の
うち電子部品を搭載する搭載面にパッドを形成してお
き、このパッドと電子部品に形成された略球状あるいは
半球状のハンダバンプとを当接させて加熱し、ハンダバ
ンプのハンダを溶融させて、パッドをハンダバンプと接
続させるものがある。この手法によって接続するもの
は、金属球等をハンダで固定した金属球バンプとパッド
とを別途ハンダによって接続するような手法に比較し
て、金属球を扱う必要が無く、安価で容易に形成できる
利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
て電子部品と基板とを接続した場合には、ハンダバンプ
の接続強度が低下する場合のあることが判った。そこ
で、ハンダバンプを介して接続された電子部品を基板か
ら引き剥がすことにより、接続強度を評価する試験(以
下、引張破壊試験ともいう)を行うと、良好な接続がな
されている場合には、柔らかいハンダ(ハンダバンプ)
が引っ張られることにより、中央部がくびれるようにし
て伸びて、電子部品側及び基板側の両側に略円錐形状の
ハンダを残して破断する。ところが、上記接続方法で接
続したものの中には、この試験を行うと、基板側のパッ
ド近傍で、破面が細かな凹凸となった破断が生じる場合
のあることが判った。このような破断の生じる接続で
は、実使用中においても破断しやすく接続信頼性が低
い。これは、接続後のハンダバンプ中に細かなボイド
(空孔)が含まれていたためである。このボイドは、パ
ッドにハンダバンプを溶着させる際に、空気やフラック
スがパッドとハンダバンプの間に閉じこめられ、この空
気や加熱により分解して生じたフラックス分解ガスが、
溶融したハンダバンプ(ハンダ)中に巻き込まれて移行
したものと推測される。
【0005】さらに調査すると、平板状のパッドの表面
は、実際には微細な凹凸を有しているので、ハンダバン
プとの接触部分が実質上一点にならず、多点あるいは面
状に接触していること、および、ハンダバンプを加熱す
ると、ハンダバンプとパッドの接触部分で優先的に溶け
始め、この接触部分から溶融部分が拡がることが判っ
た。
【0006】これに対し、パッド全体あるいは一部の形
状をドーム状にすることで、パッドとハンダバンプとを
実質的に一点で接触させると、ハンダバンプのハンダを
溶融させる際に、パッドとの接触点から溶け始めてパッ
ド上に濡れ拡がる。このため、空気やフラックスをパッ
ドとの界面から追い出しつつハンダが拡がる状態となる
ので、空気やフラックス分解ガスが内部に閉じこめられ
ることが無くなり、ハンダ内にボイドを生じさせること
がない。従って、引張破壊試験でも良好な結果が得られ
る。また、電子部品と基板との接続が強固になされ、高
い接続信頼性を得ることが出来る。
【0007】一方、特開平3−112191号公報に
は、スルーホールの径が小さくなり、かつ多数になりつ
つある現状に鑑み、強度良好な接合用パッドを提供する
ことを目的として、スルーホール(貫通孔)の開口部か
ら導体層(ビア)の一端が突出した凸部からなる接合用
パッドを有するセラミックス配線基板を開示している。
さらに、そのような接合用パッドを形成することができ
る製法として、以下が開示されている、すなわち、焼成
収縮率の異なる2種の導体ペーストを用意し、最上層と
なるグリーンシートのスルーホールには、グリーンシー
トととの焼成収縮率の差が大きい導体ペースト、つまり
焼成収縮率の小さな導体ペーストを加圧充填によりスル
ーホール内に充填する。一方、他のグリーンシートのス
ルーホールには焼成収縮率の差が小さい導体ペーストを
充填する。その後、これらのグリーンシートを積層、同
時焼成し、最上層においてスルーホールから導体層(ビ
ア)を突出させて接合用パッドを形成するセラミックス
配線基板の製造方法を開示している。
【0008】しかしながら、この技術では、ビアを突出
させるのにビア用メタライズインクとシートの焼成収縮
率の差だけを利用しているため、突出量を大きくするた
めに焼成収縮率の差を大きくすると、ビアの周囲のセラ
ミック層に放射状のクラックが発生し、メッキ液等が浸
透し残留するために絶縁抵抗が低下する等の不具合が生
じる。
【0009】また、通常の加圧充填の手法は、具体的に
は以下のようである。即ち、図13(a)に示すよう
に、金属板等の硬い平板状治具UH上に貫通孔Hを形成
したセラミックグリーンシートGを載置し、さらにこの
貫通孔Hと対応する位置に透孔MHを設けたメタルマス
クMを載せる。次いで、図13(b)に示すように、ス
キージ等でメタルマスクMの透孔MHを通じて貫通孔H
内にビア用メタライズインクINを加圧しながら充填す
る。
【0010】しかし、この手法では、充填したインクI
Nのうち平板状治具UHと接する端面形状INaが必ず
しも平坦にならないで、例えば、端面の一部(例えば中
央部)がその周囲より低位、すなわち陥没した状態とな
ったり、端面に皺状の凹凸が生じたりすることがしばし
ば発生する。このような状態となる原因は明確ではない
が、高粘度で充填性の悪いビア用メタライズインクIN
を加圧によって貫通孔H内に充填すること、貫通孔Hの
一端(図中下端)が硬い平板状治具UHで塞がれている
ことなどにより、充填されたインクINが貫通孔Hの一
端で平板状治具UHに倣った平面を形成しにくいものと
考えられる。このような端面形状INaを持つインクI
Nが充填されたシートGを積層・焼成して、焼成収縮率
の差によって搭載面CSaからビアMTを突出させた基
板CSを形成したとしても、図13(c)に示すよう
に、焼成後までインクINの端面形状INaに影響され
て、上記したようにハンダバンプと一点で接触するドー
ム状とならないため、このような形状のものでは、上記
したように、接続後のハンダバンプ内にボイドが含まれ
るものができ、接続強度が低下し接続信頼性が低くなる
ことがある。
【0011】なお、ビア用メタライズインクを充填後、
この端面を覆うようにシートにカバー層を印刷した上で
焼成して、パッドとして用いる手法もあるが、この手法
では、カバー層の印刷工程が増える上、印刷精度の向上
に限界があるため、ファインピッチの接続用パッドとし
ては使用困難である。
【0012】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであって、確実にパッドをドーム状に突出した形状
とすることができる積層セラミック基板の製造方法を提
供すること、また、これに適したセラミックグリーンシ
ートに形成した貫通孔内へのメタライズインクの充填方
法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】そして、
その解決手段は、第1主面と第2主面とを有し、第1主
面と第2主面の間を貫通するビア用貫通孔が形成された
搭載面用セラミックグリーンシートを、押圧により押圧
部が凹むゴム弾性平面上に上記第1主面が接した状態に
載置するグリーンシート載置工程と、上記搭載面用セラ
ミックグリーンシートの第2主面側から上記ビア用貫通
孔内にビア用メタライズインクを圧入して、上記ビア用
メタライズインクを上記ビア用貫通孔内に充填し、か
つ、上記第1主面よりも上記ゴム弾性平面側にドーム状
に突出させるインク充填突出工程と、上記第1主面のう
ち少なくとも上記ビア用メタライズインクの突出する領
域を露出させて上記搭載面用セラミックグリーンシート
と他のセラミックグリーンシートとを積層し焼成して、
搭載面からドーム状に突出するビアの突出部を有する積
層セラミック基板を形成する積層焼成工程と、を有する
積層セラミック基板の製造方法である。
【0014】本発明よれば、インク充填突出工程で、予
めビア用メタライズインクをシートの第1主面から突出
させておいたので、搭載面から突出したパッドが確実に
形成できる。また、このインク充填突出工程では、グリ
ーンシートをゴム弾性平面上に載置してビア用メタライ
ズインクを充填したので、その充填時のインクの押圧力
でゴム弾性平面が凹み、自然に貫通孔の中心軸近傍、つ
まり中心付近の突出高さが最も高い良好なドーム形状に
インクを突出させることができる。これは押圧力で凹む
ゴム弾性平面を用いたので、ビア用メタライズインクの
加圧充填時の変形でインクがゴム弾性平面の形状に倣い
やすくなり、凹凸を生じること無く、なめらかなドーム
状に突出したものと考えられる。従って、焼成後には、
電子部品を搭載する搭載面から突出した、しかも中心付
近の高さが最も高い良好なドーム形状のビア突出部が確
実に形成された基板を製造することができる。このた
め、このビア突出部をパッドとし、あるいはビア突出部
にさらにニッケルメッキ等のメッキを施してパッドと
し、パッドとICチップ等のハンダバンプと接続すれ
ば、バンプ内にボイドが形成されることもなく、高い信
頼性をもって接続することができる。また、これらのパ
ッドは、ビアの径とほぼ同寸法であるため、パッドを印
刷によって搭載面に形成した場合と異なり、微細な寸法
や間隔のパッドとすることができる。
【0015】なお、積層セラミック基板は、ビアのみな
らず、セラミック層間に配線層が形成されたものであっ
ても良い。また、この基板をなすセラミックとしては、
公知の材料を用いれば良く、例えば、アルミナ、窒化ア
ルミニウム、ムライト、ガラスセラミック等が挙げられ
る。さらに、ビア用メタライズインク、すなわちビアの
材質は、使用するセラミックの材質に応じて選択すれば
よいが、タングステン、モリブデン、モリブデン−マン
ガン、銅、銀、銀−白金、銀−パラジウム等が挙げられ
る。また、焼成工程で形成されたビア突出部のハンダ付
け性を改善するために、ビア突出部にニッケルメッキを
施し、さらに金メッキ施すなど、1種または複数種のメ
ッキを施しても良い。
【0016】ここで、前記インク充填突出工程におい
て、ビア用メタライズインクの前記第1主面からの突出
高さを1〜10μmとしたことを特徴とする積層セラミ
ック基板の製造方法とすると良い。
【0017】本発明によれば、インク充填突出工程でビ
ア用メタライズインクを予め突出させる突出高さは、1
〜10μmとされる。1μm未満の突出高さに突出させ
る程度では、インクの充填性が改善できないため、ビア
突出部の表面に上記した従来場合と同様の凹凸が生じ
る。一方、突出高さが10μmを越えると、同時に形成
するビア突出部同士の高さが揃いにくくなり、コプラナ
リティが低下するため、ICチップ等のハンダバンプと
ビア突出部を用いたパッドとの接続性が低下するためで
ある。なお、突出高さを調整する手法としては、ビア用
メタライズインク充填時の押圧力を調整したり、ゴム弾
性平面の柔らかさを変える等の手法が挙げられる。
【0018】さらに、前記ビア用メタライズインクの焼
成収縮率が、前記搭載面用セラミックグリーンシートの
焼成収縮率よりも小さいことを特徴とする積層セラミッ
ク基板の製造方法とすると良い。
【0019】本発明によれば、ビア用メタライズインク
の焼成収縮率を搭載面用シートのそれより小さくしたの
で、積層したシートを焼成する際に、焼成収縮率の差に
よって搭載面用シート(セラミック層)の方が収縮し、
ビア用メタライズインク(ビア)が第1主面(搭載面)
側に突出するため、予め形成しておいたインクのドーム
状突出部の突出高さと重畳され、さらにビア突出部の突
出高さを高くすることができる。なお、これとは逆に、
ビア用メタライズインクの焼成収縮率が搭載面用シート
のそれより大きくした場合には、せっかくインクを第1
主面から突出するように充填したのに、その突出高さを
小さくする方向に変形するので、少なくとも、ビア用メ
タライズインクの焼成収縮率を搭載面用シートのそれと
同等以下とすると良い。
【0020】さらに、前記ビア用メタライズインクの焼
成収縮率を、前記インク充填突出工程において突出させ
たビア用メタライズインクの突出高さと、前記焼成工程
で形成されたパッドの突出高さとの差が、5μm以下と
なる範囲で選択したことを特徴とする積層セラミック基
板の製造方法とすると良い。
【0021】ビア用メタライズインクの焼成収縮率を搭
載面用シートのそれより小さくするほど焼成収縮率の差
に起因するビア突出部の突出高さの増加量が大きくでき
る。しかし、あまり焼成収縮率の違いを大きくすると、
この差によってビアとそれを囲むセラミックとの間に生
じる応力が大きくなりすぎて、ビア周縁のセラミックに
放射状のクラックが生じ、甚だしい場合には、隣り合う
ビア間でクラックが繋がることがある。このため、メッ
キ液がクラック内に残留して絶縁抵抗が低下するなどの
不具合が発生する。従って、極端に焼成収縮率の差を大
きくするのは好ましくない。本発明では、ビア用メタラ
イズインクの焼成収縮率を、インク充填突出工程におい
て突出させたビア用メタライズインクの突出高さと焼成
工程で形成されたパッドの突出高さとの差が5μm以下
となる範囲、つまり、シートの焼成収縮率の差に起因す
るビアの突出高さの増加量が5μm以下となる範囲で選
択する。これにより、焼成収縮率の差大きくなり過ぎな
いようにして不具合の発生を防止しつつ、焼成収縮率の
差による突出高さの増加の効果を得ることができる。
【0022】さらに、前記積層焼成工程において積層さ
れる前記他のセラミックグリーンシートは、前記搭載面
用セラミックグリーンシートと同材質であり、上記他の
セラミックグリーンシートのビア用貫通孔にも、前記ビ
ア用メタライズインクが充填されていることを特徴とす
る積層セラミック基板の製造方法とすると良い。
【0023】本発明におけるビア用メタライズインク
は、搭載面用セラミックグリーンシートの焼成収縮率よ
りも適度に小さな焼成収縮率を有しているので焼成収縮
率の差に起因する不具合を生じることがない。従って、
搭載面用シートと積層する他のシートに、同材質の、つ
まり同じ焼成収縮率のシートを用いる場合には、このシ
ートに形成するビア用貫通孔にも搭載面用シートに使用
したビア用メタライズインクを使用しても良い。そこ
で、グリーンシート、ビア用メタライズインク共に、共
通の(つまり1種類の)材質を用いて基板を形成すれ
ば、インク等を複数種用意する必要が無く、製造工程も
共通にできるので基板をより安価に製造できる。
【0024】さらに、前記ゴム弾性平面は、硬質基体の
グリーンシート載置側平面を被覆するゴム弾性層の表面
であることを特徴とする積層セラミック基板の製造方法
とすると良い。
【0025】ゴム弾性平面は、ビア用メタライズインク
を貫通孔に充填した際に、インクに押されて凹み、ビア
用メタライズインクが第1主面を越えて突出して充填さ
れるのであるが、ゴム弾性平面の柔らかく極端に凹む場
合には、インクが貫通孔の軸に対して直交する方向(第
1主面に沿う方向)にも拡がる。このため、隣接する貫
通孔間でインク同士の間隔が狭くなり、焼成後の基板に
おいてビア同士間の絶縁抵抗が低下し、極端な場合には
ショートする原因となる場合がある。また、スキージ等
を用いてインク貫通孔に充填する際に、スキージの押圧
力がシート全体にかかり、この押圧力によってゴム弾性
平面が大きく歪み、グリーンシート自身が大きく変形す
ると、シートに皺が生じるなどして好ましくない。
【0026】しかるに、本発明によれば、ゴム弾性平面
は、硬質基体のグリーンシート搭載側平面を被覆するゴ
ム弾性層の表面である。このため、スキージ等の押圧力
などシート全体にかかる押圧力は硬質基体が受けるか
ら、シート自身の変形は抑えられる。一方、ビア貫通孔
にインクを充填すると、ゴム弾性層の表面であるゴム弾
性平面は、充填されたインクに押されて適度に凹むた
め、インクを適度な突出高さで第1主面からドーム状に
突出させることができ、第1主面に沿う方向にインクが
拡がることもない。また、インク充填突出工程におい
て、シート自身に皺が発生するなどの不具合を生させる
ことなく、確実にシートの第1主面からインクを突出さ
せることができる。
【0027】さらに他の解決手段は、貫通孔が形成され
たセラミックグリーンシートをゴムシート上に載置し、
上記セラミックグリーンシート上に貫通孔を有するマス
クを載置し、上記マスクの貫通孔を通じて、上記セラミ
ックグリーンシートに形成された貫通孔内にメタライズ
インクを圧入するセラミックグリーンシートに形成した
貫通孔内へのメタライズインクの充填方法である。
【0028】本発明では、ゴムシート上にセラミックグ
リーンシートを載置してメタライズインクを圧入するの
で、圧入されたメタライズインクは、セラミックグリー
ンシートに形成した貫通孔からゴムシーとを押し下げる
ように突出し、ドーム状の突出部となる。
【0029】
【発明の実施の形態】(実施形態1)次いで、本発明に
かかる積層セラミック基板の製造方法のうち、第1の実
施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態にか
かる基板10(図5参照)は、焼成され後にメッキが施
される基板(以下、メッキ前基板ともいう)1に、ニッ
ケルメッキ及び金メッキを施したものである。このメッ
キ前基板1(図3(b)参照)は、セラミック成分のう
ち92%がアルミナであるアルミナセラミックのグリー
ンシートGを製造し、さらに、以下のように、タングス
テンやモリブデンを主成分とするビア用メタライズペー
ストを用いて、ビアおよびパッド(ビアの突出部)とな
る部分を形成した上で、内部配線やビア等を形成した他
のグリーンシートG2,G3と積層し、同時焼成して形
成する。即ち、図1(a)に示すように、直径120μ
mの貫通孔Hが形成されたグリーンシートGを柔らかい
ゴムシートUのゴム弾性平面Ua上に載置する。なお、
この際、焼成後に上面(ICチップを搭載する搭載面)
1aとなる一方の面(第1主面)GaをゴムシートUの
ゴム弾性平面Uaとの当接面(図中下側)とする。つい
で、各貫通孔Hに対応した位置に貫通孔MHを有するメ
タルマスクMを、他方の面(第2主面)Gb上に載せ
る。
【0030】さらに、図1(b)に示すように、ビア用
メタライズインク13を、メタルマスクMの貫通孔MH
を通じて、グリーンシートGの貫通孔H内に圧入する。
圧入されたインク13は、貫通孔Hから第1主面Gaを
越えてゴムシートUを押し下げるように突出し、図2
(a)(b)に示すように、貫通孔Hの中心軸近傍が最
も高い(深い)なめらかな表面のドーム状の突出部13
aとなる。このときの突出部13aの高さHGAは2μ
mである。突出部13aの高さHGAを、10μm以下
の値(本実施形態では2μm)としたので、インク突出
部13aの高さのバラツキや焼成収縮率による突出量の
バラツキ、さらにはメッキ層の厚さのバラツキを加味し
ても、後述するようにして形成したビア3の突出部3a
の高さHGB(図3(c)参照)やパッド2の高さHG
C(図4参照)のバラツキは1〜2μm以内のわずかな
範囲内に収まる。このため、突出部3aの、さらには、
各パッド2のコプラナリティを十分小さくできるので、
ICチップのバンプとの接続性を高くできる。
【0031】なお、ビア用メタライズインク13は、モ
リブデン粉末を主成分とし、グリーンシートGの焼成時
の焼成収縮量に適合しつつこれよりも若干小さい焼成収
縮量(具体的には、シートGの焼成収縮率約17.5%
に対し、インク13の焼成収縮率約17%)となるよう
に、モリブデン粉末の粒径やガラス成分等の添加物量を
調整し、さらに、ビヒクルや溶剤を加えて混練したもの
である。
【0032】その後、図3(a)に示すように、焼成後
に内部配線となる配線用メタライズインク16,17や
ビアとなるビア用メタライズインク14,15、接続パ
ッドとなるパッド用インク18が公知の手法で塗布、充
填され、シートGと同材質からなる他のグリーンシート
G2、G3と、このシートGとを積層し(本実施形態で
は3層積層)、還元雰囲気中で、約1550℃で焼成す
る。なお、ビア用メタライズインク14,15は、シー
トGに充填したビア用メタライズインク13と同材質の
インクを用い、配線用メタライズインク16,17に
も、モリブデンを主成分とするインクを用いた。また、
積層の際、グリーンシートGの第1主面Gaが外側とな
るように積層する。
【0033】これにより、図3(b)に示すように、ア
ルミナセラミックからなる3層のセラミック絶縁層L
1,L2,L3と、モリブデンを主成分とし、上面(搭
載面)1aを越えて突出する突出部3aを有するビア3
を備え、さらに、絶縁層間に内部配線6,7、絶縁層L
2,L3を貫通してその層の上下を導通するビア4,5
を備えたメッキ前基板1を形成する。また、裏面1bに
は接続パッド8が形成される。搭載面1aは、後述する
メッキを施した後、図中破線で示すようなハンダバンプ
SBを有するICチップCを搭載する側の面である。
【0034】上記したように、ビア用メタライズインク
13の突出部13aを予め設けておいた。さらに、イン
ク13の焼成収縮率をグリーンシートGのそれより若干
小さくしておいた。このため、ビア3は、図3(c)に
示すように、焼成前のビア用メタライズインク13の形
状とほぼ相似形状に焼成され、焼成前のメタライズイン
ク13の突出部13aがドーム状であったので、突出部
3aもその上面がドーム状となる。なお、焼成収縮率の
差がビア3の突出に寄与したため、突出部3aの高さH
GBは、インク突出部13aの高さHGAの2μmよ
り、3μmだけ高い5μmとなった。インク13とシー
トGの焼成収縮率の違いを、これによるビア3の突出量
(HGB−HGA)が5μm以下(本実施形態では3μ
m)となる程度のわずかな違いにしたので、ビア3の周
囲のセラミック絶縁層L1に、放射状のクラックが生じ
るなどの不具合も生じなかった。
【0035】さらに、インク14,15はインク13
と、シートG2,G3はシートGと同材質であるので、
同様に焼成収縮率が異なるが、その差はわずかであるの
で、セラミック絶縁層L2,L3においても、クラック
その他の不具合を生じることもない。したがって、シー
トGとシートG2,G3とで異なる焼成収縮率のインク
を用いて貫通孔に充填する必要がなく、1種類のビア用
メタライズインクで足りるので、製造工程が簡単になっ
た。
【0036】その後、このメッキ前基板1に、公知の無
電解メッキ法により、無電解Niメッキ(厚さ3.5μ
m)および無電解Auメッキ(厚さ0.05μm)を施
して、2層からなるメッキ層4を形成して、図4に示す
ように、ビア3の突出部3aとメッキ層4とからなる構
造のパッド2を有する基板10を完成する(図5参
照)。このパッド2の表面2sは、略中央部の高さがそ
の周囲よりも高くなめらかなドーム状をなし、パッド2
の高さHGCは8.5μm程度となった。また、ビア3
は、メッキ前基板1内部に形成された内部配線6と接続
し、内部配線6は、さらに他の内部配線7やビア4,5
と接続している。
【0037】なお、本実施形態では、モリブデンを主成
分とするメタライズインクを用いてビア3を形成した
が、タングステンを用いても、さらには、タングステン
とモリブデンの合金(あるいは混合物)を用いても良
い。また、メッキ層4として、2層のNi/Auメッキ
層を用いたが、Ni層のみでもよく、Cu,Ag等のメ
ッキ層を用いても良い。また、電気的な導通を確保でき
るならば、電解メッキの手法によってメッキ層を形成し
ても良い。また、バレルメッキによって電解メッキを施
しても良い。
【0038】図5は、ICチップCを基板10に搭載す
る様子を示す説明図である。この集積回路チップCの下
面Cbには、IC側パッドPが縦横格子状に多数形成さ
れ、各IC側パッドPには、略球状(略3/4球状)の
ハンダバンプSBがそれぞれ形成されている。このハン
ダバンプSBは、3Sn−97Pb高温ハンダからな
る。パッド2は、上記した集積回路チップCに形成され
たIC側パッドPにそれぞれ対応した位置で、縦横格子
状に形成されている。
【0039】このような集積回路チップCと基板10と
を以下のようにして接続(フリップチップ接続)する。
即ち、基板10の搭載面1aおよびこれに形成したパッ
ド2に、ハンダ付け用のフラックスFを塗布し、図6
(a)のように、チップCと向かい合わせ、ハンダバン
プSBがパッド2と対応(対向)するように位置決め
し、ハンダバンプSBとパッド2が接触するようにし
て、基板10上にチップCを載置する。このとき、チッ
プCは、図6(b)に示すように、フラックスFの粘着
力により固定され、ハンダバンプSBの頂部SBtは、
パッド2とごくわずかな面積で接触する、即ち、パッド
2の表面2sがドーム状とされているので、この表面2
sと略1点(接触点2p)で接触する。
【0040】ついで、赤外線リフローによりハンダバン
プSBを溶融させて、チップCおよび基板10を接続す
る。このとき、フラックスFは、加熱により粘性が低下
して流動しやすくなり、さらに加熱すると、ハンダバン
プSB表面およびパッド2のメッキ層4の酸化膜を除去
してハンダ濡れ性を向上させ、ガス化して飛散してゆ
く。また、図7(a)に示すように、ハンダバンプSB
は、パッド2の接触点2pと接触している頂部SBtか
ら優先的に溶け始める。この理由は明確ではないが、ハ
ンダバンプSBの表面のうち頂部SBtのみが圧力を受
けていることや、この頂部SBtでは、パッド2が接触
している影響で、表面状態が変化することにより、この
頂部SBt近傍のみ、融点が僅かに低下するためと推測
される。
【0041】従って、ハンダバンプ頂部SBtから優先
的に溶け始めたハンダSは、接触点2pを中心として、
パッド2の表面2s上に濡れ拡がる。このとき、はんだ
Sは、パッド2表面から空気やフラックスFを排除しつ
つ濡れ拡がるので、ハンダS内に、空気やフラックスF
のガスを巻き込むことがない。このようにして、図7
(b)に示すように、チップ側パッドPとパッド2とを
ハンダSで接続することにより、チップCと基板10と
が接続される。このハンダSは、上記したようにその内
部に空気やフラックスFを巻き込まないでパッド表面2
sに濡れ拡がったので、このような空気やフラックスF
のガスによるボイドが、ハンダSの内部に形成されるこ
とがない。
【0042】ついで、後述する引張破壊試験に、上記実
施形態1の基板10と共に供試するための比較形態の基
板について説明する。 (比較形態1)第1の比較形態の基板20は、図8
(a)に示すように、パッド22の上面部が平坦な点で
実施形態1の基板10と異なり、その他は、ほぼ同じで
ある。また、基板20は、実施形態1の基板10とほぼ
同じ材質から形成されている。即ち、アルミナを主成分
とするセラミック製のメッキ前基板21にはモリブデン
を主成分とするビア23が形成され、その上面23a
は、基板上面(搭載面)21aと面一にされている。ま
た、その表面には、Ni/Auメッキによるメッキ層2
4が形成されて、上面23aとメッキ層24とでパッド
22を構成している。
【0043】このメッキ前基板21は、上記実施形態1
のメッキ前基板1と同様に形成するが、メタライズイン
クの圧入の際に、複数枚のグリーンシートを重ね、ビア
用メタライズインクを圧入した後、各グリーンシートを
分離して貫通孔内にインクを充填したため、インクに突
出部が形成されない点で異なる。このために、ビア23
では突出部が形成されず、基板上面21aとその端面が
略面一となる。ビア23がこのような形状であるので、
略一定厚さのメッキ層24を被着したパッド22の上面
も平坦となる。
【0044】(比較形態2)第2の比較形態の基板30
は、図8(b)に示すように、パッド32の上面の略中
央部が窪んだものである。また、ビア33の上面33a
がメッキ前基板31の上面(搭載面)31aよりも低位
となっており、この上面33aとこの上に形成されたメ
ッキ層34とでパッド32を構成している。このメッキ
前基板31は、上記実施形態1のメッキ前基板1と同様
に形成するが、ビア用メタライズインクの溶剤量が若干
多めにされ、このインクの焼成収縮量も大きくされてい
る点で異なる。このために、貫通孔Hにビア用メタライ
ズインクを充填した後、しばらくすると、溶剤が揮発
し、乾燥と共に比較的大きく収縮し、上部が凹んだ形状
となる。さらに、焼成すると、他(アルミナセラミッ
ク)より大きく収縮し、ビア33は、上面33aが貫通
孔内に引きさがり、略中央部に凹部が形成されたものと
なる。ビア33がこのような形状であるので、その上面
33aに略一定厚さのメッキ層34を被着して構成され
るパッド32も中央部に凹部を有するものとなる。
【0045】(比較形態3)第3の比較形態の基板は、
上記実施形態1と同様にして形成したものであるが、グ
リーンシートGへのビア用メタライズインクの充填の際
に、硬い平面UHaを有する金属板UH上にシートGを
載置しインクを充填した点で異なっており、図13
(a)(b)に示す従来の製造方法によってインクを充
填したものである。本比較形態3では、前記したように
インクINの端面形状INaが必ずしも平坦にならず、
一部に図13(c)に示すような凹凸の生じたビアMT
を持つメッキ前基板CSに、さらにメッキを施した基板
40を用いた。
【0046】(試験例)ついで、チップCをそれぞれ接
続した上記実施形態1,比較形態1,2、3の基板の接
続状態を下記のようにして比較した。比較に用いた引張
破壊試験は、図9(a)に例示したように、基板10
(20,30,40)を固定し、搭載面1a(21a,
31,CSa)にハンダSを介して搭載、接続した集積
回路チップCを上方に引き上げるものである。具体的に
は、チップCに接着剤(図示しない)で引張り治具Tを
固着し、引張り治具Tを図中上方に引き上げる。
【0047】このようにすると、ハンダS内にボイドが
ない良好な接続の場合には、柔らかい金属であるハンダ
Sは、図中上下方向に引っ張られて、中央が細く引き延
ばされるようになり、ついには破断する。その形状を見
ると、正常に破断したハンダは、図9(b)に示すよう
な略円錐形状となる。このようになるのは、ハンダ内部
にボイドがないために、途中で破断せずに十分細く引き
延ばされるからである。一方、接続が不良である場合に
は、図9(a)の右端に例示したように、パッド2(破
線で表示する)の上面近傍で破断し、チップC側に大半
のハンダSn2が残り、基板10側には、僅かなハンダ
Sn1が残る。また、図9(c)に示すように、その破
断面には、微少な凹凸が観察される。この凹凸は、ボイ
ドの痕跡と考えられる。このことから、ハンダSのパッ
ド2付近にボイドが多数偏在したため、このボイドの偏
在部分では、実質的なハンダSの断面積が小さくなり、
ハンダSが細く引き延ばされる前に、破断したものと考
えられる。
【0048】そこで、この引張破壊試験を、上記実施形
態1,比較形態1,2,3の基板10,20,30,4
0とチップCとを接続したもので行った。ここで使用し
た、基板とチップとの接続点の数は、680点/ケであ
り、5組の基板とチップとの組合せ(=3400点)に
ついて、計2回、即ち、10組分について行い、図9
(c)のような状態になった接続部の数(不良率)を百
分率で表す。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1から明らかなように、パッド表面が平
坦あるいは凹状となっている比較形態1,2において
は、図9(c)のような破断状態となる接続が存在した
が、実施形態1においては、不良が発生しなくなった。
また、表面に凹凸の生じたパッドがある比較形態3で
も、図9(c)のような破断状態となる接続が存在し
た。これは、平坦状(比較形態1)の場合には、パッド
22上面の細かな凹凸やハンダバンプSBの変形のため
に、両者間の接触面積が比較的大きくなり、実際には、
パッド22とハンダバンプSBとの接触点が多数存在し
たと考えられる。このため、この多数点でほぼ同時に溶
融したハンダが、その近傍の空気やフラックスを閉じこ
め、この空気やフラックスの分解ガスがボイドとなって
ハンダS中に巻き込まれたものと推測される。このこと
は、さらにハンダバンプSBとパッド32との接触面積
が大きくなる凹状(比較形態2)において、不具合の数
が増えていることから、より確からしいと思われる。ま
た、比較形態3でも不具合が生じたのは、表面の凹凸に
よってパッドとハンダバンプSBとの接触点が多数存在
したためであると考えられる。
【0051】これに対し、実施形態1においては、パッ
ド2がドーム状となっているので、ハンダバンプSBと
の接触面積がより小さく、実質的に1点で接触し、空気
やフラックスをハンダSとパッド2の界面から追い出す
ようにして濡れ拡がるので、空気やフラックスのガスの
巻き込みが無いか非常に少なくなる。
【0052】しかも、パッド2がドーム状であるので、
チップCが多少ずれたとしても、ハンダバンプSBとパ
ッド2とは、常に1点で接触するため、ハンダS中にボ
イドを生じない。このため、常に安定してボイドによる
不具合を防止することができる。このことは、チップC
とパッド32との位置関係によって接触面積が変動しや
すい比較形態2において、第1回と第2回の試験では、
大きく不良率が変動しているのに対して、本実施形態に
おいては、どちらの試験においても不良が発生しない点
からも裏付けられる。このように、本実施形態によれ
ば、確実にドーム状の突出部3aを持つビア3、さらに
パッド2を形成することができ、ICチップCとの高い
接続信頼性を得ることができる。しかも、ゴムシートU
を用いてインク13を充填すれば足りるので、従来と比
較して何ら工程を増加させることもなく、メッキ前基板
1さらには基板10を安価に製造することができる。
【0053】(実施形態2)次いで、第2の実施の形態
について説明する。上記実施形態1では、ゴムシートU
の表面Ua上にグリーンシートGを載置し、マスクMを
重ねてインクを充填した。しかし、硬度が低く(柔らか
く)かつ厚さが厚いゴムシートU2を用いた場合には、
押圧力がかかると大きく凹むため、例えば図10(a)
に示すように、スキージSQの押圧力でゴムシートU2
上のシートG及びマスクMが大きく歪み、シートGに皺
が生じる場合、あるいはマスクMが変形してしまう場合
がある。また、図10(b)に示すように、圧入したイ
ンク13Nの突出部13Naが第1主面Gaに沿う方向
に拡がって、その径が大きくなることがあり、これによ
り、隣接するビア同士の絶縁抵抗が低下し、甚だしい場
合にはショートすることがある。
【0054】これに対し、本実施形態では、図11
(a)に示すように、ステンレスからなる硬い平面を持
つ基体USHのシート搭載面USHa側(図中上側)
に、ゴムラテックスを塗布し乾燥させて形成した、厚さ
20μmの柔らかいゴムからなるゴム層USSを有する
シート載置治具USを用いる。なお、この治具USを用
いた場合には、そのゴム弾性平面USaは、ゴム層US
Sの弾性によりゴム弾性を示すが、ゴム層USSの厚さ
が薄いうえ、基体USHが変形しないので、押圧力によ
るゴム層USSの変形(凹み)の量に限度がある。本実
施形態は、上記実施形態1とこのシート載置治具USを
用いた点で異なるのみであるので、同様な部分は省略あ
るいは簡略化して説明する。
【0055】このシート載置治具USの上面のゴム弾性
平面USaにグリーンシートG及びメタルマスクMを載
置し(図11(b)参照)、実施形態1におけるインク
13と同材質のビア用メタライズインク113を貫通孔
H内に充填すると、充填時のスキージ等による押圧力で
のシートGの変形は抑制され、シートGに皺等が発生す
ることはない。一方、図11(c)に示すように、貫通
孔H内に圧入されたインク113は、ゴム層USSの弾
性によりその第1主面Gaを越えてゴム層USS側に突
出する。従って、図12(a)に示すように、シートG
に形成した貫通孔Hの中心軸近傍が最も高いなめらかな
表面のドーム状の突出部113aとなる。このときの突
出部113aの高さHGDは4μmである。
【0056】その後は、図12(b)に示すように、上
記実施形態1と同じく、焼成後に内部配線やビア、パッ
ドになるインク14,15,16,17,18を塗布・
充填したグリーンシートG2,G3と積層し、同時焼成
してメッキ前基板101を形成する。これにより、図1
2(c)に示すように、アルミナセラミックからなる3
層のセラミック絶縁層L101,L2,L3と、内部に
モリブデンを主成分とし、上面(搭載面)101aを越
えて突出する突出部103aを有するビア103を備
え、さらに、絶縁層間に内部配線6,7、絶縁層L2,
L3を貫通してその層の上下を導通するビア4,5を備
えたメッキ前基板101を形成する。また、裏面101
bには接続パッド8が形成される。搭載面101aは、
後述するメッキを施した後、図中破線で示すようなハン
ダバンプSBを有するICチップCを搭載する側の面で
ある。その後、実施形態1と同様に、メッキ前基板10
1にさらにニッケルメッキ及び金メッキを施すことで、
積層セラミック基板を完成させることができる。
【0057】本実施形態では、ゴム層USSを有するシ
ート搭載治具USを用いてインク113を貫通孔Hに充
填して突出部113aを形成したので、シートGに皺等
を発生させることなく、インク113を充填できる。従
って、さらに高い歩留りで、高い接続信頼性を有する基
板を製造することができる。
【0058】以上において、本発明を実施形態に即して
説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適
用できることはいうまでもない。例えば、上記実施形態
では、略平板状の基板10等を形成したが、基板の凹所
内にICチップを収納するように、ICチップの搭載領
域の周囲を搭載領域よりも高位となるようにシートを積
層しても良い。また、上記実施形態では、モリブデンか
らなるビア3等にニッケル及び金メッキを施したが、ビ
アの材質によってはメッキを施さないで、直接ICチッ
プのハンダバンプと接続するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は搭載面用セラミックグリーンシートのグリーン
シート載置工程、(b)はインク充填工程を示す説明図
である。
【図2】実施形態1にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は図1(b)で示したインク充填工程でインクを
充填されたグリーンシートの断面図、(b)はそのうち
突出部近傍のA部部分拡大断面図である。
【図3】実施形態1にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は積層する各シートを、(b)は焼成後の積層セ
ラミック基板を示す断面図、(c)はそのうちパッド近
傍のB部部分拡大断面図である。
【図4】実施形態1にかかる基板の製造方法のうち、図
3(c)に示すパッドにメッキを施した状態を示す部分
拡大断面図である。
【図5】集積回路チップを実施形態1にかかる基板に搭
載する様子を示す斜視説明図である。
【図6】集積回路チップと基板とを接続する工程におい
て、ハンダバンプをパッドに接触させるまでの工程を示
す説明図である。
【図7】集積回路チップと基板とを接続する工程におい
て、ハンダバンプをパッドに接続するまでの工程を示す
説明図である。
【図8】比較形態1,2にかかる基板の部分拡大断面図
である。
【図9】引張破壊試験を説明する模式図および試験後の
パッド上に残ったハンダの状態を示す説明図である。
【図10】インク充填突出工程において、ゴムシートU
2が柔らかすぎる場合の不具合を説明する説明図であ
り、(a)は加圧充填の際のゴムシート、グリーンシー
ト、メタルマスクの変形の様子を、(b)は充填された
インクの突出部の形状を示す。
【図11】実施形態2にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は図10のゴムシートU2に代えて用いるシート
搭載治具、(b)は搭載面用セラミックグリーンシート
のグリーンシート載置工程、(c)はインク充填工程を
示す説明図である。
【図12】実施形態2にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は図11(c)で示したインク充填工程でインク
を充填されたグリーンシートのうち突出部近傍の部分拡
大断面図、(b)は積層する各シートを、(c)は焼成
後の積層セラミック基板を示す断面図である。
【図13】従来にかかる基板の製造方法のうち、(a)
は搭載面用セラミックグリーンシートのグリーンシート
載置工程、(b)はインク充填工程の説明図、(c)は
焼成後の基板のパッド近傍を示す部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
G,G2,G3 セラミックグリー
ンシート Ga 第1主面 Gb 第2主面 H ビア用貫通孔 M メタルマスク U ゴムシート US シート搭載治具 Ua,USa ゴム弾性平面 US シート搭載治具 USH 基体 USS ゴム層 13,14,15,103 ビア用メタライズ
インク 13a,103a (ビア用メタライズ
インク)の突出部 16,17 配線用メタライズ
インク 10 積層セラミック基
板(基板) 1,101 積層セラミック基
板(メッキ前基板) 1a,101a 搭載面 2 パッド 2p 接触点 4 メッキ層 3,4,5,103 ビア 3a,103a (ビアの)突出部 6,7 内部配線 L1,L2,L3,L101 セラミック絶縁層 C 集積回路チップ SB ハンダバンプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月8日(2002.7.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 貫通孔にメタライズインクが充
填されたセラミックグリーンシートの製造方法及びセラ
ミックグリーンシートに形成した貫通孔内へのメタライ
ズインクの充填方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品のバンプ
と接続するためのパッドを有し、このパッドまたはその
一部がドーム状に突出した形状とされた積層セラミック
基板の製造などに用いるセラミックグリーンシートの製
造方法、及びセラミックグリーンシートに形成した貫通
孔へのへのメタライズインクの充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックグリーンシート(以下、単に
シートともいう)の所定位置にあけたビア用貫通孔にビ
ア用メタライズインクを充填し、および/または、シー
トの表面に所定パターンの配線用メタライズインクを印
刷しておき、このシートを所定の順序で複数枚積層した
後、同時焼成によって焼成し、積層セラミック基板を形
成する技術が知られている。近年の小型化、高密度化の
要請に従い、このような積層セラミック基板(以下、単
に基板ともいう)に集積回路チップ(以下、単にICチ
ップともいう)等の電子部品を搭載・接続する手法に、
電子部品の接続端子としてバンプを形成しておき、基板
にはこれに対応した位置にパッドを形成して、このバン
プとパッドを接続するフリップチップ法がある。
【0003】さらにこのフリップチップ法には、基板の
うち電子部品を搭載する搭載面にパッドを形成してお
き、このパッドと電子部品に形成された略球状あるいは
半球状のハンダバンプとを当接させて加熱し、ハンダバ
ンプのハンダを溶融させて、パッドをハンダバンプと接
続させるものがある。この手法によって接続するもの
は、金属球等をハンダで固定した金属球バンプとパッド
とを別途ハンダによって接続するような手法に比較し
て、金属球を扱う必要が無く、安価で容易に形成できる
利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
て電子部品と基板とを接続した場合には、ハンダバンプ
の接続強度が低下する場合のあることが判った。そこ
で、ハンダバンプを介して接続された電子部品を基板か
ら引き剥がすことにより、接続強度を評価する試験(以
下、引張破壊試験ともいう)を行うと、良好な接続がな
されている場合には、柔らかいハンダ(ハンダバンプ)
が引っ張られることにより、中央部がくびれるようにし
て伸びて、電子部品側及び基板側の両側に略円錐形状の
ハンダを残して破断する。ところが、上記接続方法で接
続したものの中には、この試験を行うと、基板側のパッ
ド近傍で、破面が細かな凹凸となった破断が生じる場合
のあることが判った。このような破断の生じる接続で
は、実使用中においても破断しやすく接続信頼性が低
い。これは、接続後のハンダバンプ中に細かなボイド
(空孔)が含まれていたためである。このボイドは、パ
ッドにハンダバンプを溶着させる際に、空気やフラック
スがパッドとハンダバンプの間に閉じこめられ、この空
気や加熱により分解して生じたフラックス分解ガスが、
溶融したハンダバンプ(ハンダ)中に巻き込まれて移行
したものと推測される。
【0005】さらに調査すると、平板状のパッドの表面
は、実際には微細な凹凸を有しているので、ハンダバン
プとの接触部分が実質上一点にならず、多点あるいは面
状に接触していること、および、ハンダバンプを加熱す
ると、ハンダバンプとパッドの接触部分で優先的に溶け
始め、この接触部分から溶融部分が拡がることが判っ
た。
【0006】これに対し、パッド全体あるいは一部の形
状をドーム状にすることで、パッドとハンダバンプとを
実質的に一点で接触させると、ハンダバンプのハンダを
溶融させる際に、パッドとの接触点から溶け始めてパッ
ド上に濡れ拡がる。このため、空気やフラックスをパッ
ドとの界面から追い出しつつハンダが拡がる状態となる
ので、空気やフラックス分解ガスが内部に閉じこめられ
ることが無くなり、ハンダ内にボイドを生じさせること
がない。従って、引張破壊試験でも良好な結果が得られ
る。また、電子部品と基板との接続が強固になされ、高
い接続信頼性を得ることが出来る。
【0007】一方、特開平3−112191号公報に
は、スルーホールの径が小さくなり、かつ多数になりつ
つある現状に鑑み、強度良好な接合用パッドを提供する
ことを目的として、スルーホール(貫通孔)の開口部か
ら導体層(ビア)の一端が突出した凸部からなる接合用
パッドを有するセラミックス配線基板を開示している。
さらに、そのような接合用パッドを形成することができ
る製法として、以下が開示されている、すなわち、焼成
収縮率の異なる2種の導体ペーストを用意し、最上層と
なるグリーンシートのスルーホールには、グリーンシー
トととの焼成収縮率の差が大きい導体ペースト、つまり
焼成収縮率の小さな導体ペーストを加圧充填によりスル
ーホール内に充填する。一方、他のグリーンシートのス
ルーホールには焼成収縮率の差が小さい導体ペーストを
充填する。その後、これらのグリーンシートを積層、同
時焼成し、最上層においてスルーホールから導体層(ビ
ア)を突出させて接合用パッドを形成するセラミックス
配線基板の製造方法を開示している。
【0008】しかしながら、この技術では、ビアを突出
させるのにビア用メタライズインクとシートの焼成収縮
率の差だけを利用しているため、突出量を大きくするた
めに焼成収縮率の差を大きくすると、ビアの周囲のセラ
ミック層に放射状のクラックが発生し、メッキ液等が浸
透し残留するために絶縁抵抗が低下する等の不具合が生
じる。
【0009】また、通常の加圧充填の手法は、具体的に
は以下のようである。即ち、図13(a)に示すよう
に、金属板等の硬い平板状治具UH上に貫通孔Hを形成
したセラミックグリーンシートGを載置し、さらにこの
貫通孔Hと対応する位置に透孔MHを設けたメタルマス
クMを載せる。次いで、図13(b)に示すように、ス
キージ等でメタルマスクMの透孔MHを通じて貫通孔H
内にビア用メタライズインクINを加圧しながら充填す
る。
【0010】しかし、この手法では、充填したインクI
Nのうち平板状治具UHと接する端面形状INaが必ず
しも平坦にならないで、例えば、端面の一部(例えば中
央部)がその周囲より低位、すなわち陥没した状態とな
ったり、端面に皺状の凹凸が生じたりすることがしばし
ば発生する。このような状態となる原因は明確ではない
が、高粘度で充填性の悪いビア用メタライズインクIN
を加圧によって貫通孔H内に充填すること、貫通孔Hの
一端(図中下端)が硬い平板状治具UHで塞がれている
ことなどにより、充填されたインクINが貫通孔Hの一
端で平板状治具UHに倣った平面を形成しにくいものと
考えられる。このような端面形状INaを持つインクI
Nが充填されたシートGを積層・焼成して、焼成収縮率
の差によって搭載面CSaからビアMTを突出させた基
板CSを形成したとしても、図13(c)に示すよう
に、焼成後までインクINの端面形状INaに影響され
て、上記したようにハンダバンプと一点で接触するドー
ム状とならないため、このような形状のものでは、上記
したように、接続後のハンダバンプ内にボイドが含まれ
るものができ、接続強度が低下し接続信頼性が低くなる
ことがある。
【0011】なお、ビア用メタライズインクを充填後、
この端面を覆うようにシートにカバー層を印刷した上で
焼成して、パッドとして用いる手法もあるが、この手法
では、カバー層の印刷工程が増える上、印刷精度の向上
に限界があるため、ファインピッチの接続用パッドとし
ては使用困難である。
【0012】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであって、焼成したとき確実にパッドをドーム状に
突出した形状とすることができるセラミックグリーンシ
ートの製造方法を提供すること、あるいは、焼成したと
きパッドを確実にドーム状に突出した形状とするため
の、セラミックグリーンシートに形成した貫通孔内への
メタライズインクの充填方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】そして、
その解決手段は、第1主面と第2主面とを有し、第1主
面と第2主面の間を貫通するビア用貫通孔が形成された
搭載面用セラミックグリーンシートを、押圧により押圧
部が凹むゴム弾性平面上に上記第1主面が接した状態に
載置するグリーンシート載置工程と、上記搭載面用セラ
ミックグリーンシートの第2主面側から上記ビア用貫通
孔内にビア用メタライズインクを圧入して、上記ビア用
メタライズインクを上記ビア用貫通孔内に充填し、か
つ、上記第1主面よりも上記ゴム弾性平面側にドーム状
に突出させるインク充填突出工程と、を有する貫通孔に
メタライズインクが充填されたセラミックグリーンシー
の製造方法である。
【0014】本発明よれば、インク充填突出工程で、予
めビア用メタライズインクをシートの第1主面から突出
させておいたので、このシートを焼成すれば、第1主面
搭載面から突出したパッドが確実に形成できる。ま
た、このインク充填突出工程では、グリーンシートをゴ
ム弾性平面上に載置してビア用メタライズインクを充填
したので、その充填時のインクの押圧力でゴム弾性平面
が凹み、自然に貫通孔の中心軸近傍、つまり中心付近の
突出高さが最も高い良好なドーム形状にインクを突出さ
せることができる。これは押圧力で凹むゴム弾性平面を
用いたので、ビア用メタライズインクの加圧充填時の変
形でインクがゴム弾性平面の形状に倣いやすくなり、凹
凸を生じること無く、なめらかなドーム状に突出したも
のと考えられる。従って、このシートの焼成後には、電
子部品を搭載する搭載面から突出した、しかも中心付近
の高さが最も高い良好なドーム形状のビア突出部が確実
に形成された基板を製造することができる。このため、
このビア突出部をパッドとし、あるいはビア突出部にさ
らにニッケルメッキ等のメッキを施してパッドとし、パ
ッドとICチップ等のハンダバンプと接続すれば、バン
プ内にボイドが形成されることもなく、高い信頼性をも
って接続することができる。また、これらのパッドは、
ビアの径とほぼ同寸法であるため、パッドを印刷によっ
て搭載面に形成した場合と異なり、微細な寸法や間隔の
パッドとすることができる。
【0015】なお、積層セラミック基板は、ビアのみな
らず、セラミック層間に配線層が形成されたものであっ
ても良い。また、このセラミックグリーンシートをなす
セラミックとしては、公知の材料を用いれば良く、例え
ば、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト、ガラスセ
ラミック等が挙げられる。さらに、ビア用メタライズイ
ンク、すなわちビアの材質は、使用するセラミックの材
質に応じて選択すればよいが、タングステン、モリブデ
ン、モリブデン−マンガン、銅、銀、銀−白金、銀−パ
ラジウム等が挙げられる。また、焼成工程で形成された
ビア突出部のハンダ付け性を改善するために、ビア突出
部にニッケルメッキを施し、さらに金メッキ施すなど、
1種または複数種のメッキを施しても良い。
【0016】ここで、前記インク充填突出工程におい
て、ビア用メタライズインクの前記第1主面からの突出
高さを1〜10μmとしたことを特徴とする貫通孔にメ
タライズインクが充填されたセラミックグリーンシート
の製造方法とすると良い。
【0017】本発明によれば、インク充填突出工程でビ
ア用メタライズインクを予め突出させる突出高さは、1
〜10μmとされる。1μm未満の突出高さに突出させ
る程度では、インクの充填性が改善できないため、この
シートの焼成後には、ビア突出部の表面に上記した従来
場合と同様の凹凸が生じる。一方、突出高さが10μm
を越えると、同時に形成するビア突出部同士の高さが揃
いにくくなり、コプラナリティが低下するため、ICチ
ップ等のハンダバンプとビア突出部を用いたパッドとの
接続性が低下するためである。なお、突出高さを調整す
る手法としては、ビア用メタライズインク充填時の押圧
力を調整したり、ゴム弾性平面の柔らかさを変える等の
手法が挙げられる。
【0018】さらに、前記ビア用メタライズインクの焼
成収縮率が、前記搭載面用セラミックグリーンシートの
焼成収縮率よりも小さいことを特徴とする貫通孔にメタ
ライズインクが充填されたセラミックグリーンシート
製造方法とすると良い。
【0019】本発明によれば、ビア用メタライズインク
の焼成収縮率を搭載面用シートのそれより小さくしたの
で、この搭載面用シートを焼成する際に、焼成収縮率の
差によって搭載面用シート(セラミック層)の方がメタ
ライズインクよりも大きく収縮し、ビア用メタライズイ
ンク(ビア)が第1主面(搭載面)側に突出するため、
予め形成しておいたインクのドーム状突出部の突出高さ
と重畳され、さらにビア突出部の突出高さを高くするこ
とができる。なお、これとは逆に、ビア用メタライズイ
ンクの焼成収縮率が搭載面用シートのそれより大きくし
た場合には、せっかくインクを第1主面から突出するよ
うに充填したのに、その突出高さを小さくする方向に変
形するので、少なくとも、ビア用メタライズインクの焼
成収縮率を搭載面用シートのそれと同等以下とすると良
い。
【0020】さらに、前記ビア用メタライズインクの焼
成収縮率を、前記インク充填突出工程において突出させ
たビア用メタライズインクの突出高さと、前記貫通孔に
メタライズインクが充填されたセラミックグリーンシー
トを焼成して形成たパッドの突出高さとの差が、5μ
m以下となる範囲で選択したことを特徴とする請求項3
に記載の貫通孔にメタライズインクが充填されたセラミ
ックグリーンシートの製造方法とすると良い。
【0021】ビア用メタライズインクの焼成収縮率を搭
載面用シートのそれより小さくするほど焼成収縮率の差
に起因するビア突出部の突出高さの増加量が大きくでき
る。しかし、あまり焼成収縮率の違いを大きくすると、
この差によってビアとそれを囲むセラミックとの間に生
じる応力が大きくなりすぎて、ビア周縁のセラミックに
放射状のクラックが生じ、甚だしい場合には、隣り合う
ビア間でクラックが繋がることがある。このため、メッ
キ液がクラック内に残留して絶縁抵抗が低下するなどの
不具合が発生する。従って、極端に焼成収縮率の差を大
きくするのは好ましくない。本発明では、ビア用メタラ
イズインクの焼成収縮率を、インク充填突出工程におい
て突出させたビア用メタライズインクの突出高さとこの
搭載面用シートを焼成して形成たパッドの突出高さと
の差が5μm以下となる範囲、つまり、シートの焼成収
縮率の差に起因するビアの突出高さの増加量が5μm以
下となる範囲で選択する。これにより、焼成収縮率の差
大きくなり過ぎないようにして不具合の発生を防止し
つつ、焼成収縮率の差による突出高さの増加の効果を得
ることができる。
【0022】上述した搭載面用セラミックグリーンシー
トに用いるビア用メタライズインクは、搭載面用セラミ
ックグリーンシートの焼成収縮率よりも適度に小さな焼
成収縮率を有しているので焼成収縮率の差に起因する不
具合を生じることがない。従って、搭載面用シートと積
層する他のシートに、同材質の、つまり同じ焼成収縮率
のシートを用いる場合には、このシートに形成するビア
用貫通孔にも搭載面用シートに使用したビア用メタライ
ズインクを使用しても良い。そこで、グリーンシート、
ビア用メタライズインク共に、共通の(つまり1種類
の)材質を用いて基板を形成すれば、インク等を複数種
用意する必要が無く、製造工程も共通にできるので基板
をより安価に製造できる。
【0023】さらに、前記ゴム弾性平面は、硬質基体の
グリーンシート載置側平面を被覆するゴム弾性層の表面
であることを特徴とする貫通孔にメタライズインクが充
填されたセラミックグリーンシートの製造方法とすると
良い。
【0024】ゴム弾性平面は、ビア用メタライズインク
を貫通孔に充填した際に、インクに押されて凹み、ビア
用メタライズインクが第1主面を越えて突出して充填さ
れるのであるが、ゴム弾性平面の柔らかく極端に凹む場
合には、インクが貫通孔の軸に対して直交する方向(第
1主面に沿う方向)にも拡がる。このため、隣接する貫
通孔間でインク同士の間隔が狭くなり、焼成後の基板に
おいてビア同士間の絶縁抵抗が低下し、極端な場合には
ショートする原因となる場合がある。また、スキージ等
を用いてインク貫通孔に充填する際に、スキージの押圧
力がシート全体にかかり、この押圧力によってゴム弾性
平面が大きく歪み、グリーンシート自身が大きく変形す
ると、シートに皺が生じるなどして好ましくない。
【0025】しかるに、本発明によれば、ゴム弾性平面
は、硬質基体のグリーンシート搭載側平面を被覆するゴ
ム弾性層の表面である。このため、スキージ等の押圧力
などシート全体にかかる押圧力は硬質基体が受けるか
ら、シート自身の変形は抑えられる。一方、ビア貫通孔
にインクを充填すると、ゴム弾性層の表面であるゴム弾
性平面は、充填されたインクに押されて適度に凹むた
め、インクを適度な突出高さで第1主面からドーム状に
突出させることができ、第1主面に沿う方向にインクが
拡がることもない。また、インク充填突出工程におい
て、シート自身に皺が発生するなどの不具合を生させる
ことなく、確実にシートの第1主面からインクを突出さ
せることができる。
【0026】さらに他の解決手段は、貫通孔が形成され
たセラミックグリーンシートをゴムシート上に載置し、
上記セラミックグリーンシート上に貫通孔を有するマス
クを載置し、上記マスクの貫通孔を通じて、上記セラミ
ックグリーンシートに形成された貫通孔内にメタライズ
インクを圧入する貫通孔内にメタライズインクを充填し
たセラミックグリーンシートの製造方法である。
【0027】本発明では、ゴムシート上にセラミックグ
リーンシートを載置してメタライズインクを圧入するの
で、圧入されたメタライズインクは、セラミックグリー
ンシートに形成した貫通孔からゴムシーとを押し下げる
ように突出し、ドーム状の突出部となる。このため、こ
のシートを焼成すれば、第1主面から突出したパッドが
確実に形成できる。
【0028】さらに他の解決手段は、貫通孔が形成され
たセラミックグリーンシートをゴムシート上に載置し、
上記セラミックグリーンシート上に貫通孔を有するマス
クを載置し、上記マスクの貫通孔を通じて、上記セラミ
ックグリーンシートに形成された貫通孔内にメタライズ
インクを圧入するセラミックグリーンシートに形成した
貫通孔内へのメタライズインクの充填方法である。
【0029】本発明では、ゴムシート上にセラミックグ
リーンシートを載置してメタライズインクを圧入するの
で、圧入されたメタライズインクは、セラミックグリー
ンシートに形成した貫通孔からゴムシーとを押し下げる
ように突出し、ドーム状の突出部となる。かくして、焼
成すれば第1主面から突出したパッドが確実に形成でき
るシートを得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】(実施形態1)次いで、本発明に
かかるセラミックグリーンシートの製造方法と、これを
用いた積層セラミック基板の製造方法のうち、第1の実
施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態にか
かる基板10(図5参照)は、焼成され後にメッキが施
される基板(以下、メッキ前基板ともいう)1に、ニッ
ケルメッキ及び金メッキを施したものである。このメッ
キ前基板1(図3(b)参照)は、本実施形態にかか
り、セラミック成分のうち92%がアルミナであるアル
ミナセラミックのグリーンシートGを製造し、さらに、
以下のように、タングステンやモリブデンを主成分とす
るビア用メタライズペーストを用いて、ビアおよびパッ
ド(ビアの突出部)となる部分を形成した上で、内部配
線やビア等を形成した他のグリーンシートG2,G3と
積層し、同時焼成して形成する。即ち、図1(a)に示
すように、直径120μmの貫通孔Hが形成されたグリ
ーンシートGを柔らかいゴムシートUのゴム弾性平面U
a上に載置する。なお、この際、焼成後に上面(ICチ
ップを搭載する搭載面)1aとなる一方の面(第1主
面)GaをゴムシートUのゴム弾性平面Uaとの当接面
(図中下側)とする。ついで、各貫通孔Hに対応した位
置に貫通孔MHを有するメタルマスクMを、他方の面
(第2主面)Gb上に載せる。
【0031】さらに、図1(b)に示すように、ビア用
メタライズインク13を、メタルマスクMの貫通孔MH
を通じて、グリーンシートGの貫通孔H内に圧入する。
圧入されたインク13は、貫通孔Hから第1主面Gaを
越えてゴムシートUを押し下げるように突出し、図2
(a)(b)に示すように、貫通孔Hの中心軸近傍が最
も高い(深い)なめらかな表面のドーム状の突出部13
aとなる。このときの突出部13aの高さHGAは2μ
mである。突出部13aの高さHGAを、10μm以下
の値(本実施形態では2μm)としたので、インク突出
部13aの高さのバラツキや焼成収縮率による突出量の
バラツキ、さらにはメッキ層の厚さのバラツキを加味し
ても、後述するようにして形成したビア3の突出部3a
の高さHGB(図3(c)参照)やパッド2の高さHG
C(図4参照)のバラツキは1〜2μm以内のわずかな
範囲内に収まる。このため、突出部3aの、さらには、
各パッド2のコプラナリティを十分小さくできるので、
ICチップのバンプとの接続性を高くできる。
【0032】なお、ビア用メタライズインク13は、モ
リブデン粉末を主成分とし、グリーンシートGの焼成時
の焼成収縮量に適合しつつこれよりも若干小さい焼成収
縮量(具体的には、シートGの焼成収縮率約17.5%
に対し、インク13の焼成収縮率約17%)となるよう
に、モリブデン粉末の粒径やガラス成分等の添加物量を
調整し、さらに、ビヒクルや溶剤を加えて混練したもの
である。
【0033】その後、図3(a)に示すように、焼成後
に内部配線となる配線用メタライズインク16,17や
ビアとなるビア用メタライズインク14,15、接続パ
ッドとなるパッド用インク18が公知の手法で塗布、充
填され、シートGと同材質からなる他のグリーンシート
G2、G3と、このシートGとを積層し(本実施形態で
は3層積層)、還元雰囲気中で、約1550℃で焼成す
る。なお、ビア用メタライズインク14,15は、シー
トGに充填したビア用メタライズインク13と同材質の
インクを用い、配線用メタライズインク16,17に
も、モリブデンを主成分とするインクを用いた。また、
積層の際、グリーンシートGの第1主面Gaが外側とな
るように積層する。
【0034】これにより、図3(b)に示すように、ア
ルミナセラミックからなる3層のセラミック絶縁層L
1,L2,L3と、モリブデンを主成分とし、上面(搭
載面)1aを越えて突出する突出部3aを有するビア3
を備え、さらに、絶縁層間に内部配線6,7、絶縁層L
2,L3を貫通してその層の上下を導通するビア4,5
を備えたメッキ前基板1を形成する。また、裏面1bに
は接続パッド8が形成される。搭載面1aは、後述する
メッキを施した後、図中破線で示すようなハンダバンプ
SBを有するICチップCを搭載する側の面である。
【0035】上記したように、ビア用メタライズインク
13の突出部13aを予め設けておいた。さらに、イン
ク13の焼成収縮率をグリーンシートGのそれより若干
小さくしておいた。このため、ビア3は、図3(c)に
示すように、焼成前のビア用メタライズインク13の形
状とほぼ相似形状に焼成され、焼成前のメタライズイン
ク13の突出部13aがドーム状であったので、突出部
3aもその上面がドーム状となる。なお、焼成収縮率の
差がビア3の突出に寄与したため、突出部3aの高さH
GBは、インク突出部13aの高さHGAの2μmよ
り、3μmだけ高い5μmとなった。インク13とシー
トGの焼成収縮率の違いを、これによるビア3の突出量
(HGB−HGA)が5μm以下(本実施形態では3μ
m)となる程度のわずかな違いにしたので、ビア3の周
囲のセラミック絶縁層L1に、放射状のクラックが生じ
るなどの不具合も生じなかった。
【0036】さらに、インク14,15はインク13
と、シートG2,G3はシートGと同材質であるので、
同様に焼成収縮率が異なるが、その差はわずかであるの
で、セラミック絶縁層L2,L3においても、クラック
その他の不具合を生じることもない。したがって、シー
トGとシートG2,G3とで異なる焼成収縮率のインク
を用いて貫通孔に充填する必要がなく、1種類のビア用
メタライズインクで足りるので、製造工程が簡単になっ
た。
【0037】その後、このメッキ前基板1に、公知の無
電解メッキ法により、無電解Niメッキ(厚さ3.5μ
m)および無電解Auメッキ(厚さ0.05μm)を施
して、2層からなるメッキ層4を形成して、図4に示す
ように、ビア3の突出部3aとメッキ層4とからなる構
造のパッド2を有する基板10を完成する(図5参
照)。このパッド2の表面2sは、略中央部の高さがそ
の周囲よりも高くなめらかなドーム状をなし、パッド2
の高さHGCは8.5μm程度となった。また、ビア3
は、メッキ前基板1内部に形成された内部配線6と接続
し、内部配線6は、さらに他の内部配線7やビア4,5
と接続している。
【0038】なお、本実施形態では、モリブデンを主成
分とするメタライズインクを用いてビア3を形成した
が、タングステンを用いても、さらには、タングステン
とモリブデンの合金(あるいは混合物)を用いても良
い。また、メッキ層4として、2層のNi/Auメッキ
層を用いたが、Ni層のみでもよく、Cu,Ag等のメ
ッキ層を用いても良い。また、電気的な導通を確保でき
るならば、電解メッキの手法によってメッキ層を形成し
ても良い。また、バレルメッキによって電解メッキを施
しても良い。
【0039】図5は、ICチップCを基板10に搭載す
る様子を示す説明図である。この集積回路チップCの下
面Cbには、IC側パッドPが縦横格子状に多数形成さ
れ、各IC側パッドPには、略球状(略3/4球状)の
ハンダバンプSBがそれぞれ形成されている。このハン
ダバンプSBは、3Sn−97Pb高温ハンダからな
る。パッド2は、上記した集積回路チップCに形成され
たIC側パッドPにそれぞれ対応した位置で、縦横格子
状に形成されている。
【0040】このような集積回路チップCと基板10と
を以下のようにして接続(フリップチップ接続)する。
即ち、基板10の搭載面1aおよびこれに形成したパッ
ド2に、ハンダ付け用のフラックスFを塗布し、図6
(a)のように、チップCと向かい合わせ、ハンダバン
プSBがパッド2と対応(対向)するように位置決め
し、ハンダバンプSBとパッド2が接触するようにし
て、基板10上にチップCを載置する。このとき、チッ
プCは、図6(b)に示すように、フラックスFの粘着
力により固定され、ハンダバンプSBの頂部SBtは、
パッド2とごくわずかな面積で接触する、即ち、パッド
2の表面2sがドーム状とされているので、この表面2
sと略1点(接触点2p)で接触する。
【0041】ついで、赤外線リフローによりハンダバン
プSBを溶融させて、チップCおよび基板10を接続す
る。このとき、フラックスFは、加熱により粘性が低下
して流動しやすくなり、さらに加熱すると、ハンダバン
プSB表面およびパッド2のメッキ層4の酸化膜を除去
してハンダ濡れ性を向上させ、ガス化して飛散してゆ
く。また、図7(a)に示すように、ハンダバンプSB
は、パッド2の接触点2pと接触している頂部SBtか
ら優先的に溶け始める。この理由は明確ではないが、ハ
ンダバンプSBの表面のうち頂部SBtのみが圧力を受
けていることや、この頂部SBtでは、パッド2が接触
している影響で、表面状態が変化することにより、この
頂部SBt近傍のみ、融点が僅かに低下するためと推測
される。
【0042】従って、ハンダバンプ頂部SBtから優先
的に溶け始めたハンダSは、接触点2pを中心として、
パッド2の表面2s上に濡れ拡がる。このとき、はんだ
Sは、パッド2表面から空気やフラックスFを排除しつ
つ濡れ拡がるので、ハンダS内に、空気やフラックスF
のガスを巻き込むことがない。このようにして、図7
(b)に示すように、チップ側パッドPとパッド2とを
ハンダSで接続することにより、チップCと基板10と
が接続される。このハンダSは、上記したようにその内
部に空気やフラックスFを巻き込まないでパッド表面2
sに濡れ拡がったので、このような空気やフラックスF
のガスによるボイドが、ハンダSの内部に形成されるこ
とがない。
【0043】ついで、後述する引張破壊試験に、上記実
施形態1のシートGを用いた基板10と共に供試するた
めの比較形態の基板について説明する。 (比較形態1)第1の比較形態の基板20は、図8
(a)に示すように、パッド22の上面部が平坦な点で
実施形態1の基板10と異なり、その他は、ほぼ同じで
ある。また、基板20は、実施形態1の基板10とほぼ
同じ材質から形成されている。即ち、アルミナを主成分
とするセラミック製のメッキ前基板21にはモリブデン
を主成分とするビア23が形成され、その上面23a
は、基板上面(搭載面)21aと面一にされている。ま
た、その表面には、Ni/Auメッキによるメッキ層2
4が形成されて、上面23aとメッキ層24とでパッド
22を構成している。
【0044】このメッキ前基板21は、上記実施形態1
のメッキ前基板1と同様に形成するが、メタライズイン
クの圧入の際に、複数枚のグリーンシートを重ね、ビア
用メタライズインクを圧入した後、各グリーンシートを
分離して貫通孔内にインクを充填したシートを用いた
め、インクに突出部が形成されない点で異なる。このた
めに、ビア23では突出部が形成されず、基板上面21
aとその端面が略面一となる。ビア23がこのような形
状であるので、略一定厚さのメッキ層24を被着したパ
ッド22の上面も平坦となる。
【0045】(比較形態2)第2の比較形態の基板30
は、図8(b)に示すように、パッド32の上面の略中
央部が窪んだものである。また、ビア33の上面33a
がメッキ前基板31の上面(搭載面)31aよりも低位
となっており、この上面33aとこの上に形成されたメ
ッキ層34とでパッド32を構成している。このメッキ
前基板31は、上記実施形態1のメッキ前基板1と同様
に形成するが、ビア用メタライズインクの溶剤量が若干
多めにされ、このインクの焼成収縮量も大きくされてい
る点で異なる。このために、貫通孔Hにビア用メタライ
ズインクを充填した後、しばらくすると、溶剤が揮発
し、乾燥と共に比較的大きく収縮し、上部が凹んだ形状
となる。さらに、焼成すると、他(アルミナセラミッ
ク)より大きく収縮し、ビア33は、上面33aが貫通
孔内に引きさがり、略中央部に凹部が形成されたものと
なる。ビア33がこのような形状であるので、その上面
33aに略一定厚さのメッキ層34を被着して構成され
るパッド32も中央部に凹部を有するものとなる。
【0046】(比較形態3)第3の比較形態の基板は、
上記実施形態1と同様にして形成したものであるが、グ
リーンシートGへのビア用メタライズインクの充填の際
に、硬い平面UHaを有する金属板UH上にシートGを
載置しインクを充填した点で異なっており、図13
(a)(b)に示す従来の製造方法によってインクを充
填したものである。本比較形態3では、前記したように
インクINの端面形状INaが必ずしも平坦にならず、
一部に図13(c)に示すような凹凸の生じたビアMT
を持つメッキ前基板CSに、さらにメッキを施した基板
40を用いた。
【0047】(試験例)ついで、チップCをそれぞれ接
続した上記実施形態1,比較形態1,2、3の基板の接
続状態を下記のようにして比較した。比較に用いた引張
破壊試験は、図9(a)に例示したように、基板10
(20,30,40)を固定し、搭載面1a(21a,
31,CSa)にハンダSを介して搭載、接続した集積
回路チップCを上方に引き上げるものである。具体的に
は、チップCに接着剤(図示しない)で引張り治具Tを
固着し、引張り治具Tを図中上方に引き上げる。
【0048】このようにすると、ハンダS内にボイドが
ない良好な接続の場合には、柔らかい金属であるハンダ
Sは、図中上下方向に引っ張られて、中央が細く引き延
ばされるようになり、ついには破断する。その形状を見
ると、正常に破断したハンダは、図9(b)に示すよう
な略円錐形状となる。このようになるのは、ハンダ内部
にボイドがないために、途中で破断せずに十分細く引き
延ばされるからである。一方、接続が不良である場合に
は、図9(a)の右端に例示したように、パッド2(破
線で表示する)の上面近傍で破断し、チップC側に大半
のハンダSn2が残り、基板10側には、僅かなハンダ
Sn1が残る。また、図9(c)に示すように、その破
断面には、微少な凹凸が観察される。この凹凸は、ボイ
ドの痕跡と考えられる。このことから、ハンダSのパッ
ド2付近にボイドが多数偏在したため、このボイドの偏
在部分では、実質的なハンダSの断面積が小さくなり、
ハンダSが細く引き延ばされる前に、破断したものと考
えられる。
【0049】そこで、この引張破壊試験を、上記実施形
態1,比較形態1,2,3の基板10,20,30,4
0とチップCとを接続したもので行った。ここで使用し
た、基板とチップとの接続点の数は、680点/ケであ
り、5組の基板とチップとの組合せ(=3400点)に
ついて、計2回、即ち、10組分について行い、図9
(c)のような状態になった接続部の数(不良率)を百
分率で表す。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1から明らかなように、パッド表面が平
坦あるいは凹状となっている比較形態1,2において
は、図9(c)のような破断状態となる接続が存在した
が、実施形態1においては、不良が発生しなくなった。
また、表面に凹凸の生じたパッドがある比較形態3で
も、図9(c)のような破断状態となる接続が存在し
た。これは、平坦状(比較形態1)の場合には、パッド
22上面の細かな凹凸やハンダバンプSBの変形のため
に、両者間の接触面積が比較的大きくなり、実際には、
パッド22とハンダバンプSBとの接触点が多数存在し
たと考えられる。このため、この多数点でほぼ同時に溶
融したハンダが、その近傍の空気やフラックスを閉じこ
め、この空気やフラックスの分解ガスがボイドとなって
ハンダS中に巻き込まれたものと推測される。このこと
は、さらにハンダバンプSBとパッド32との接触面積
が大きくなる凹状(比較形態2)において、不具合の数
が増えていることから、より確からしいと思われる。ま
た、比較形態3でも不具合が生じたのは、表面の凹凸に
よってパッドとハンダバンプSBとの接触点が多数存在
したためであると考えられる。
【0052】これに対し、実施形態1においては、パッ
ド2がドーム状となっているので、ハンダバンプSBと
の接触面積がより小さく、実質的に1点で接触し、空気
やフラックスをハンダSとパッド2の界面から追い出す
ようにして濡れ拡がるので、空気やフラックスのガスの
巻き込みが無いか非常に少なくなる。
【0053】しかも、パッド2がドーム状であるので、
チップCが多少ずれたとしても、ハンダバンプSBとパ
ッド2とは、常に1点で接触するため、ハンダS中にボ
イドを生じない。このため、常に安定してボイドによる
不具合を防止することができる。このことは、チップC
とパッド32との位置関係によって接触面積が変動しや
すい比較形態2において、第1回と第2回の試験では、
大きく不良率が変動しているのに対して、本実施形態に
おいては、どちらの試験においても不良が発生しない点
からも裏付けられる。このように、本実施形態によれ
ば、確実にドーム状の突出部3aを持つビア3、さらに
パッド2を形成することができ、ICチップCとの高い
接続信頼性を得ることができる。しかも、ゴムシートU
を用いてインク13を充填すれば足りるので、従来と比
較して何ら工程を増加させることもなく、メッキ前基板
1さらには基板10を安価に製造することができる。
【0054】(実施形態2)次いで、第2の実施の形態
について説明する。上記実施形態1では、ゴムシートU
の表面Ua上にグリーンシートGを載置し、マスクMを
重ねてインクを充填した。しかし、硬度が低く(柔らか
く)かつ厚さが厚いゴムシートU2を用いた場合には、
押圧力がかかると大きく凹むため、例えば図10(a)
に示すように、スキージSQの押圧力でゴムシートU2
上のシートG及びマスクMが大きく歪み、シートGに皺
が生じる場合、あるいはマスクMが変形してしまう場合
がある。また、図10(b)に示すように、圧入したイ
ンク13Nの突出部13Naが第1主面Gaに沿う方向
に拡がって、その径が大きくなることがあり、これによ
り、隣接するビア同士の絶縁抵抗が低下し、甚だしい場
合にはショートすることがある。
【0055】これに対し、本実施形態では、図11
(a)に示すように、ステンレスからなる硬い平面を持
つ基体USHのシート搭載面USHa側(図中上側)
に、ゴムラテックスを塗布し乾燥させて形成した、厚さ
20μmの柔らかいゴムからなるゴム層USSを有する
シート載置治具USを用いる。なお、この治具USを用
いた場合には、そのゴム弾性平面USaは、ゴム層US
Sの弾性によりゴム弾性を示すが、ゴム層USSの厚さ
が薄いうえ、基体USHが変形しないので、押圧力によ
るゴム層USSの変形(凹み)の量に限度がある。本実
施形態は、上記実施形態1とこのシート載置治具USを
用いた点で異なるのみであるので、同様な部分は省略あ
るいは簡略化して説明する。
【0056】このシート載置治具USの上面のゴム弾性
平面USaにグリーンシートG及びメタルマスクMを載
置し(図11(b)参照)、実施形態1におけるインク
13と同材質のビア用メタライズインク113を貫通孔
H内に充填すると、充填時のスキージ等による押圧力で
のシートGの変形は抑制され、シートGに皺等が発生す
ることはない。一方、図11(c)に示すように、貫通
孔H内に圧入されたインク113は、ゴム層USSの弾
性によりその第1主面Gaを越えてゴム層USS側に突
出する。従って、図12(a)に示すように、シートG
に形成した貫通孔Hの中心軸近傍が最も高いなめらかな
表面のドーム状の突出部113aとなる。このときの突
出部113aの高さHGDは4μmである。
【0057】その後は、図12(b)に示すように、上
記実施形態1と同じく、焼成後に内部配線やビア、パッ
ドになるインク14,15,16,17,18を塗布・
充填したグリーンシートG2,G3と積層し、同時焼成
してメッキ前基板101を形成する。これにより、図1
2(c)に示すように、アルミナセラミックからなる3
層のセラミック絶縁層L101,L2,L3と、内部に
モリブデンを主成分とし、上面(搭載面)101aを越
えて突出する突出部103aを有するビア103を備
え、さらに、絶縁層間に内部配線6,7、絶縁層L2,
L3を貫通してその層の上下を導通するビア4,5を備
えたメッキ前基板101を形成する。また、裏面101
bには接続パッド8が形成される。搭載面101aは、
後述するメッキを施した後、図中破線で示すようなハン
ダバンプSBを有するICチップCを搭載する側の面で
ある。その後、実施形態1と同様に、メッキ前基板10
1にさらにニッケルメッキ及び金メッキを施すことで、
積層セラミック基板を完成させることができる。
【0058】本実施形態では、ゴム層USSを有するシ
ート搭載治具USを用いてインク113を貫通孔Hに充
填して突出部113aを形成したので、シートGに皺等
を発生させることなく、インク113を充填できる。従
って、さらに高い歩留りで、高い接続信頼性を有する基
板を製造することができる。
【0059】以上において、本発明を実施形態に即して
説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適
用できることはいうまでもない。例えば、上記実施形態
では、略平板状の基板10等を形成したが、基板の凹所
内にICチップを収納するように、ICチップの搭載領
域の周囲を搭載領域よりも高位となるようにシートを積
層しても良い。また、上記実施形態では、モリブデンか
らなるビア3等にニッケル及び金メッキを施したが、ビ
アの材質によってはメッキを施さないで、直接ICチッ
プのハンダバンプと接続するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は搭載面用セラミックグリーンシートのグリーン
シート載置工程、(b)はインク充填工程を示す説明図
である。
【図2】実施形態1にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は図1(b)で示したインク充填工程でインクを
充填されたグリーンシートの断面図、(b)はそのうち
突出部近傍のA部部分拡大断面図である。
【図3】実施形態1にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は積層する各シートを、(b)は焼成後の積層セ
ラミック基板を示す断面図、(c)はそのうちパッド近
傍のB部部分拡大断面図である。
【図4】実施形態1にかかる基板の製造方法のうち、図
3(c)に示すパッドにメッキを施した状態を示す部分
拡大断面図である。
【図5】集積回路チップを実施形態1にかかる基板に搭
載する様子を示す斜視説明図である。
【図6】集積回路チップと基板とを接続する工程におい
て、ハンダバンプをパッドに接触させるまでの工程を示
す説明図である。
【図7】集積回路チップと基板とを接続する工程におい
て、ハンダバンプをパッドに接続するまでの工程を示す
説明図である。
【図8】比較形態1,2にかかる基板の部分拡大断面図
である。
【図9】引張破壊試験を説明する模式図および試験後の
パッド上に残ったハンダの状態を示す説明図である。
【図10】インク充填突出工程において、ゴムシートU
2が柔らかすぎる場合の不具合を説明する説明図であ
り、(a)は加圧充填の際のゴムシート、グリーンシー
ト、メタルマスクの変形の様子を、(b)は充填された
インクの突出部の形状を示す。
【図11】実施形態2にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は図10のゴムシートU2に代えて用いるシート
搭載治具、(b)は搭載面用セラミックグリーンシート
のグリーンシート載置工程、(c)はインク充填工程を
示す説明図である。
【図12】実施形態2にかかる基板の製造方法のうち、
(a)は図11(c)で示したインク充填工程でインク
を充填されたグリーンシートのうち突出部近傍の部分拡
大断面図、(b)は積層する各シートを、(c)は焼成
後の積層セラミック基板を示す断面図である。
【図13】従来にかかる基板の製造方法のうち、(a)
は搭載面用セラミックグリーンシートのグリーンシート
載置工程、(b)はインク充填工程の説明図、(c)は
焼成後の基板のパッド近傍を示す部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】 G,G2,G3 セラミックグリー
ンシート Ga 第1主面 Gb 第2主面 H ビア用貫通孔 M メタルマスク U ゴムシート US シート搭載治具 Ua,USa ゴム弾性平面 US シート搭載治具 USH 基体 USS ゴム層 13,14,15,103 ビア用メタライズ
インク 13a,103a (ビア用メタライズ
インク)の突出部 16,17 配線用メタライズ
インク 10 積層セラミック基
板(基板) 1,101 積層セラミック基
板(メッキ前基板) 1a,101a 搭載面 2 パッド 2p 接触点 4 メッキ層 3,4,5,103 ビア 3a,103a (ビアの)突出部 6,7 内部配線 L1,L2,L3,L101 セラミック絶縁層 C 集積回路チップ SB ハンダバンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 賀津雄 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 板井 基彦 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 5E317 AA24 AA27 CC17 CC25 CD27 CD32 GG05 GG07 5E346 AA02 AA12 AA15 AA22 AA32 AA43 AA51 BB16 CC16 DD34 EE24 EE27 EE28 FF18 FF45 GG05 GG06 GG08 GG09 HH11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1主面と第2主面とを有し、第1主面と
    第2主面の間を貫通するビア用貫通孔が形成された搭載
    面用セラミックグリーンシートを、押圧により押圧部が
    凹むゴム弾性平面上に上記第1主面が接した状態に載置
    するグリーンシート載置工程と、 上記搭載面用セラミックグリーンシートの第2主面側か
    ら上記ビア用貫通孔内にビア用メタライズインクを圧入
    して、上記ビア用メタライズインクを上記ビア用貫通孔
    内に充填し、かつ、上記第1主面よりも上記ゴム弾性平
    面側にドーム状に突出させるインク充填突出工程と、 上記第1主面のうち少なくとも上記ビア用メタライズイ
    ンクの突出する領域を露出させて上記搭載面用セラミッ
    クグリーンシートと他のセラミックグリーンシートとを
    積層し焼成して、搭載面からドーム状に突出するビアの
    突出部を有する積層セラミック基板を形成する積層焼成
    工程と、を有する積層セラミック基板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記インク充填突出工程において、ビア用
    メタライズインクの前記第1主面からの突出高さを1〜
    10μmとしたことを特徴とする請求項1に記載の積層
    セラミック基板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ビア用メタライズインクの焼成収縮率
    が、前記搭載面用セラミックグリーンシートの焼成収縮
    率よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の積層セラミック基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記ビア用メタライズインクの焼成収縮率
    を、前記インク充填突出工程において突出させたビア用
    メタライズインクの突出高さと、前記焼成工程で形成さ
    れたパッドの突出高さとの差が、5μm以下となる範囲
    で選択したことを特徴とする請求項3に記載の積層セラ
    ミック基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記積層焼成工程において積層される前記
    他のセラミックグリーンシートは、前記搭載面用セラミ
    ックグリーンシートと同材質であり、 上記他のセラミックグリーンシートのビア用貫通孔に
    も、前記ビア用メタライズインクが充填されていること
    を特徴とする請求項4に記載の積層セラミック基板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】前記ゴム弾性平面は、硬質基体のグリーン
    シート載置側平面を被覆するゴム弾性層の表面であるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    積層セラミック基板の製造方法。
  7. 【請求項7】貫通孔が形成されたセラミックグリーンシ
    ートをゴムシート上に載置し、 上記セラミックグリーンシート上に貫通孔を有するマス
    クを載置し、 上記マスクの貫通孔を通じて、上記セラミックグリーン
    シートに形成された貫通孔内にメタライズインクを圧入
    するセラミックグリーンシートに形成した貫通孔内への
    メタライズインクの充填方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012114352A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Kyocera Corp 配線基板
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JP2020198359A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品の製造方法、セラミックグリーンシートおよび積層セラミック電子部品
CN114222446A (zh) * 2021-12-30 2022-03-22 无锡天杨电子有限公司 一种双面陶瓷覆铜板的大电流过孔的金属化方法

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