JP2003101047A - 積層型太陽電池装置 - Google Patents
積層型太陽電池装置Info
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Abstract
場合に、より効率的に電流を得るための積層型太陽電池
構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 非晶質シリコン系太陽電池セルと微結晶
シリコン系太陽電池セルを積層した積層型太陽電池装置
において、発電に寄与する活性層の積層順序が光入射側
より非晶質シリコン系層3、微結晶シリコンゲルマニウ
ム層4、微結晶シリコン層5で構成され、微結晶シリコ
ンゲルマニウム層4の禁制帯幅は、微結晶シリコン層5
よりも小さいことを特徴とする。
Description
太陽電池装置に関する。
射側より各発電に寄与する活性層(発電層)を禁制帯幅
(バンドギャップ)の広い順に積層している。これは狭
いバンドギャップを持つ発電層がより長波長の光も吸収
して発電できるため、各層の光感度を考慮してのことで
ある。
は、微結晶シリコン(Si)と微結晶シリコンゲルマニ
ウム(SiGe)の組み合わせを考える。微結晶シリコ
ンゲルマニウムの光吸収係数は微結晶シリコンに比べて
高く、より薄膜で同等の電流が得られるが、低い出力電
圧を補うために、積層型太陽電池装置への応用が必須で
ある。
コン太陽電池セル、微結晶シリコンゲルマニウム太陽電
池セル、もしくは非晶質シリコン太陽電池セルとの組み
合わせを加えて、非晶質シリコン層、微結晶シリコン
層、微結晶シリコンゲルマニウム層と積層することが一
般的であった。
示す。図2に示すように、ガラス基板21上に、透明電
極膜22として酸化錫(SnO2)層が形成される。こ
の透明電極膜22は酸化錫の形成条件により表面に光閉
じ込め効果に適した凹凸が形成されている。この透明電
極膜22上に第1の発電層として、非晶質シリコン(a
−Si)を発電層とする非晶質シリコン太陽電池セル2
3が形成されている。そして、この非晶質シリコン(a
−Si)太陽電池セル23上に第2の発電層として、微
結晶シリコン(μc−Si)を発電層(i層)とする微
結晶シリコン(μc−Si)太陽電池セル24が形成さ
れている。この微結晶シリコン(μc−Si)セル24
上に第3の発電層として微結晶シリコンゲルマニウム
(μc−SiGe)を発電層(i層)としてする微結晶
シリコンゲルマニウム太陽電池セル25が形成される。
この微結晶シリコンゲルマニウム太陽電池セル25上に
裏面電極26として銀がスパッタ法により形成され、積
層型太陽電池装置が構成されている。
ン層23は凹凸を有する透明電極膜22上に成膜される
が、成膜と同時に透明電極膜22に存在する凹凸は平坦
化される。また、第2層として微結晶シリコン層24を
形成するが、平坦に近い非晶質シリコン層22上に形成
された微結晶シリコン層24は凹凸度を増大しながら成
膜される。しかし、第3層で微結晶シリコンゲルマニウ
ム層25を形成することで、再度平坦化される。この結
果、裏面側での光閉じ込め効果は小さく、裏面で反射さ
れる光は第1層の非晶質シリコン23まで指数関数的に
低下することになる。
側より発電層のバンドギャップの広い順で積層して効果
があるのは、あくまでも各層界面が平面もしくは、表面
形状が維持される場合であって、現実の太陽電池装置に
おいては膜堆積と共に、凹凸が平坦化される場合や、逆
に凹凸の度合いが増すような場合に必ずしも該当しな
い。
材料の場合、微結晶シリコン層は堆積が進むと凹凸度が
増大する傾向があり、微結晶シリコンゲルマニウム層は
平坦化する方向に堆積される傾向にある。凹凸基板上に
堆積される太陽電池装置においては、太陽電池装置内の
光吸収は一部分に偏ることがわかっているので、各層の
形状が平坦か、凹凸かで、各層内での光吸収のされ方が
異なる。したがって、より効果的に最大の電流が得られ
るような太陽電池装置の設計は、これらの形状の違いを
考慮した設計をしなければならず、従来のように、単
に、光入射側より各発電層のバンドギャップの広い順に
積層する考え方は当てはまらない。
ものにして、微結晶シリコン系材料を用いた場合に、よ
り効率的に電流を得るための積層型太陽電池構造を提供
することを目的とする。
コン系太陽電池セルと微結晶シリコン系太陽電池セルを
積層した積層型太陽電池装置において、3層以上のセル
が積層され、ボトム側の発電に寄与する活性層が微結晶
シリコンで形成され、この微結晶シリコンを含む太陽電
池セルの前段の光入射側に位置する太陽電池セルの発電
に寄与する活性層が微結晶シリコンよりも狭い禁制帯幅
を有する非晶質シリコン系材料もしくは微結晶シリコン
アロイで形成されていることを特徴とする。
側より非晶質シリコン系層、微結晶シリコンアロイ層、
微結晶シリコン層で構成され、前記微結晶シリコンアロ
イ層の禁制帯幅は、微結晶シリコン層よりも狭いことを
特徴とする。
ン、微結晶シリコンアロイ層は微結晶シリコンゲルマニ
ウムを用いればよい。
近で凹凸度の増大により、効果的に光の散乱、反射が起
こる。この微結晶シリコン層の中では、シリコン側から
電極方向を見て凹凸の凸部分で光が閉じ込められ、光の
吸収量は指数関数で予想されるよりも多く吸収される。
この結果、より高い電流値を薄い膜厚で得られることが
できるので、性能と生産性の両面から改善することがで
きる。
図1を参照して説明する。図1は、この発明による積層
型太陽電池装置の構造を示す模式的断面図である。
錫(SnO2)層あるいは酸化亜鉛(ZnO)層が堆積
されている。この透明電極膜2は表面に凹凸が形成され
ている。この透明電極膜2上に第1の発電層としてi型
非晶質シリコン(a−Si)層を有する非晶質シリコン
系太陽電池セル層3が形成される。非晶質シリコン層
は、成膜と同時に透明電極膜2に存在する凹凸は平坦化
される。
セル層3上に第2の発電層としてi型微結晶シリコンゲ
ルマニウム(μc−SiGe)を有する微結晶シリコン
ゲルマニウム太陽電池セル層4が設けられる。
セル層4上に第3の発電層としてi型微結晶シリコン
(μc−Si)を有する微結晶シリコン太陽電池セル層
5が設けられる。この微結晶シリコン層は凹凸度を増大
しながら成膜される。
銀(Ag)などの裏面電極6がスパッタ法により形成さ
れる。この微結晶シリコン層5と裏面電極6との界面付
近は凹凸度の増大により、効果的に光の散乱、反射が起
こる。この結果、この層5の中では、シリコン側から電
極方向を見て凹凸の凸部分で光が閉じ込められる。
コン系太陽電池セル層3を構成する非晶質シリコン膜は
凹凸を有する透明電極膜2上に成膜されるが、成膜と同
時に透明電極膜2に存在する凹凸は平坦化される。
物理第69巻第7号684ページに示されるように、短
波長側での反射の低減に効果があるが、光閉じ込めには
あまり効果はないことがわかっており、光の吸収の分布
はほぼ指数関数で近似してよい。その次に、第2層とし
て微結晶シリコンゲルマニウム太陽電池セル層4を構成
する微結晶シリコンゲルマニウム膜を形成するが、平坦
に近い非晶質シリコン層3上に形成された微結晶シリコ
ンゲルマニウム層4中では光の吸収は光の進行方向に指
数関数的に減少する。
結晶シリコンに比べ吸収係数が大きく、しかも長波長側
に高い感度特性を有するので、微結晶シリコンを第2層
に使用する場合よりも小さな膜厚で所望の電流が得られ
る。したがって、第3層の微結晶シリコン層5へ透過さ
れる光の絶対量が大きくできる。微結晶シリコン太陽電
池セル層5を構成する微結晶シリコン層は凹凸度を増大
しながら成膜される。そして、裏面電極6との界面付近
で凹凸度の増大により、効果的に光の散乱、反射が起こ
る結果、この微結晶シリコン層5の中では、シリコン側
から電極方向を見て凹凸の凸部分で光が閉じ込められ
る。したがって、光の吸収量は指数関数で予想されるよ
りも多く吸収される。
た場合には、図2に示すように、微結晶シリコン層24
が凹凸化されても、第3層で微結晶シリコンゲルマニウ
ム層25を形成することで、再度平坦化され、裏面側で
の光閉じ込め効果は小さく、裏面で反射される光は第1
層の非晶質シリコン層22まで指数関数的に低下する。
したがって、第2層の膜厚、第3層の膜厚共に大きくし
ないと第1層との電流バランスがとれない。また、厚く
することで、太陽電池装置の生産性が悪くなるばかり
か、各層内でのキャリア再結合の絶対量が増えるので、
太陽電池特性も低くなる。第1層を薄くして電流バラン
スをとったとしても、電流は潜在的な能力として得られ
る期待値よりも小さな値となる。
とにより、より高い電流値を薄い膜厚で得られることが
できるので、性能と生産性の両面から改善することがで
きる。
態について以下に説明する。
錫層あるいは酸化亜鉛層を堆積した上に第1の発電層と
して非晶質シリコン太陽電池セル層1を形成した。この
実施形態では、透明電極膜2として酸化錫層を用いた。
酸化錫は、形成条件により表面に光閉じ込め効果に適し
た凹凸が形成される。非晶質シリコン太陽電池セル層3
の形成条件を表1に示す。
層に持つ微結晶シリコンゲルマニウム太陽電池セル層4
を形成した。形成条件を表2に示す。
晶シリコン太陽電池セル層5を形成した。形成条件を表
3に示す。
て形成し、太陽電池装置を完成させた。上記条件を用い
て各太陽電池セル層の膜厚を最適化させたときの太陽電
池特性を表4に示す。
ンゲルマニウム層の膜厚は従来例では1.5μm、0.
6μmであり、この発明では1.3μm、0.5μmで
あった。この発明構造により、堆積時間を律速する微結
晶シリコン及びシリコンゲルマニウム層の膜厚を小さく
してかつ、より高い変換効率が得られることが確認され
た。
り徐々に高温になっていっているが、そのことによる最
も低い温度で作成した非晶質シリコン太陽電池層への悪
影響が懸念される。形成温度の最適化をすることで更に
高い値も期待できる。
から順に、微結晶シリコンゲルマニウム太陽電池層、非
晶質シリコン太陽電池層と堆積するいわゆる逆タイプの
太陽電池構造としても、微結晶シリコンゲルマニウムの
凹凸形状が以降の成膜の際に影響を及ぼし、良好な同様
の結果が得られる。
ンよりも狭い禁制帯幅を持つ材料は、微結晶シリコンゲ
ルマニウムに限定されるものではなく、SiSnなど微
結晶シリコンアロイ系材料を用いてもよい。
射側の1層目の太陽電池セルに非晶質シリコンからなる
発電層を用いたが、非晶質シリコンカーバイドを発電層
に用いることもできる。また、非晶質シリコンカーバイ
トを第1層目の発電層として用いた場合、第2層目の発
電層として非晶質シリコンを用いることもできる。
面電極との界面付近で凹凸度の増大により、効果的に光
の散乱、反射が起こり、この層の中では、シリコン側か
ら電極方向を見て凹凸の凸部分で光が閉じ込められ、光
の吸収量は指数関数で予想されるよりも多く吸収され
る。この結果、より高い電流値を薄い膜厚で得られるこ
とができるので、性能と生産性の両面から改善すること
ができる。
す模式的断面図である。
断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 非晶質シリコン系太陽電池セルと微結晶
シリコン系太陽電池セルを積層した積層型太陽電池装置
において、3層以上のセルが積層され、ボトム側の発電
に寄与する活性層が微結晶シリコンで形成され、この微
結晶シリコンを含む太陽電池セルの前段の光入射側に位
置する太陽電池セルの発電に寄与する活性層が微結晶シ
リコンよりも狭い禁制帯幅を有する非晶質シリコン系材
料もしくは微結晶シリコンアロイで形成されていること
を特徴とする積層型太陽電池装置。 - 【請求項2】 発電に寄与する活性層の積層順序が光入
射側より非晶質シリコン系層、微結晶シリコンアロイ
層、微結晶シリコン層で構成され、前記微結晶シリコン
アロイ層の禁制帯幅は、微結晶シリコン層よりも狭いこ
とを特徴とする請求項1に記載の積層型太陽電池装置。 - 【請求項3】 非晶質シリコン系層は非晶質シリコン、
微結晶シリコンアロイ層は微結晶シリコンゲルマニウム
からなることを特徴とする請求項2に記載の積層型太陽
電池装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001296226A JP4243050B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 積層型太陽電池装置 |
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JP2001296226A JP4243050B2 (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 積層型太陽電池装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP4243050B2 JP4243050B2 (ja) | 2009-03-25 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010064455A1 (ja) * | 2008-12-05 | 2010-06-10 | 三菱重工業株式会社 | 光電変換装置 |
-
2001
- 2001-09-27 JP JP2001296226A patent/JP4243050B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2010064455A1 (ja) * | 2008-12-05 | 2010-06-10 | 三菱重工業株式会社 | 光電変換装置 |
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CN102113129A (zh) * | 2008-12-05 | 2011-06-29 | 三菱重工业株式会社 | 光电转换装置 |
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