JP5188487B2 - 光電変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置とその製造方法に関する。
入射光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置のうち、太陽電池は白色光である太陽光を電気エネルギーに変換するものであり、広い波長域の光を電気エネルギーに変換する。そのため、高い変換効率を達成するためには、太陽電池は広い波長領域全体にわたって無駄なく光を吸収する必要がある。
その解決手段の一つとして、異なるバンドギャップの光活性層を含む光電変換素子が積層された積層型光電変換装置が知られている。この積層型光電変換装置は、バンドギャップが相対的に広い光活性層を光入射側に用いた光電変換素子を配置して短波長の光を吸収させ、その下にバンドギャップが相対的に狭い半導体を用いた光電変換素子を配置することで、上部の素子を透過した長波長の光を吸収させることにより、広い波長域で効率よく光を吸収利用するものである。
このような積層型光電変換装置の各光電変換素子の接合部は、その下の光電変換素子にできる限り多くの光を入射させるための高い透光性と、各光電変換素子で発生したキャリアを滞りなく伝導させるための高い導電性とを有することが求められる。
従来のpin接合を有する複数のシリコン系光電変換層が積層された積層型の薄膜光電変換装置においては、例えば、各光電変換素子で発生したキャリアを滞りなく伝導させるために、2つのシリコン系光電変換層の間に導電性と透光性を併せ持つ中間層を挟持させるものがある。このような中間層としては、酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO)あるいは酸化錫(SnO)のような透明導電膜が用いられている。例えば、特許文献1には、中間層の材料として酸化インジウム(In)、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする層を用いることが示されている。
特開2009−33206号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、光電変換層で発生したキャリアが接合部に多く流れる(電流が大きい)場合には、酸化インジウム(In)や酸化亜鉛(ZnO)などの中間層を用いても、電流が中間層の抵抗によって律速され、光電変換装置の光電変換効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、下層の光電変換素子に光を入射させる透光性を低下させることなく、接合部でのキャリア伝導性を向上させることが可能な光電変換装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の光電変換装置は、n型半導体層とp型半導体層とを有する第1光電変換層と、n型半導体層とp型半導体層とを有するとともに前記第1光電変換層と光吸収波長特性が異なる第2光電変換層と、前記第1光電変換層のn型半導体層と前記第2光電変換層のp型半導体層との間に挟まれた位置にあり、前記第1光電変換層のn型半導体層と接する位置にあって酸素欠陥を有する酸化ランタン膜よりなり、前記n型半導体層のエネルギーバンドを負の方向に傾斜させる正の固定電荷が存在する酸化膜を含む第1中間層と、前記第2光電変換層のp型半導体層と接する位置にあって、前記p型半導体層のエネルギーバンドを正の方向に傾斜させる負の固定電荷が存在する、過剰酸素を有する酸化アルミニウム膜を含む第2中間層との少なくとも2層の膜よりなる透光性の中間層とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、下層の光電変換素子に光を入射させる透光性を低下させることなく、接合部でのキャリア伝導性を向上させることが可能という効果を奏する。
図1は、本発明に係る光電変換装置の実施の形態1の概略構成を示す断面図である。 図2は、本発明に係る光電変換装置の実施の形態1の中間層とその両側に接合された半導体層のエネルギーバンドを示す図である。 図3は、本発明に係る光電変換装置の実施の形態2の中間層とその両側に接合された半導体層のエネルギーバンドを示す図である。 図4は、本発明に係る光電変換装置の実施の形態3の中間層とその両側に接合された半導体層のエネルギーバンドを示す図である。
以下に、本発明に係る光電変換装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る光電変換装置の実施の形態1の概略構成を示す断面図である。図1において、この光電変換装置では、透光性絶縁基板1上には、第1電極層となる透明電極層2、透明電極層2上に形成された第1の薄膜半導体層である第1光電変換層3、第1光電変換層3上に形成された中間層4、中間層4上に形成された第2の薄膜半導体層である第2光電変換層5、第2光電変換層5上に形成され第2電極層となる裏面電極層6が順次積層されている。なお、透光性絶縁基板1は、ガラスや透明樹脂、プラスチック、石英などの種々の透光性を有する絶縁基板が用いられる。
透明電極層2は、ZnO、ITO、SnO、Inのうちの少なくとも1種を含む透明導電性酸化膜(TCO:Transparent Conducting Oxide)によって構成される。また、これらの透明導電性酸化膜にアルミニウム(Al)を添加した膜などの透光性膜によって構成されてもよい。また、透明電極層2は、表面に凹凸が形成された表面テクスチャー構造を有してもよい。この表面テクスチャー構造は、入射した太陽光を散乱させ、第1光電変換層3での光利用効率を高める機能を有する。このような透明電極層2は、スパッタリング法、電子ビーム堆積法、常圧化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、低圧CVD法、有機金属化学気相蒸着法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ゾルゲル法、印刷法、スプレー法等の種々の方法により作製することができる。
第1光電変換層3は、pin接合を有するシリコン系薄膜半導体層からなり、透光性絶縁基板1の主面に略平行なp型半導体層3a、i型半導体層3bおよびn型半導体層3cが順次積層されたpin半導体接合を含んでいる。ここで、シリコン系薄膜半導体層は、シリコン半導体、または炭素、ゲルマニウム、酸素またはその他の元素の少なくとも1つが添加された薄膜から構成することができる。この第1光電変換層3は、プラズマCVD法または熱CVD法等を用いて堆積形成される。
また、第1光電変換層3における各層の接合特性を改善するために、p型半導体層3aとi型半導体層3bとの間、i型半導体層3bとn型半導体層3cとの間に、各接合層のバンドギャップの中間、または同等の大きさのバンドギャップを有する非単結晶シリコン(Si)層や非単結晶炭化シリコン(Si1−x)層等の半導体層を介在させてもよい。すなわち、p型半導体層3aとi型半導体層3bとの間には、p型半導体層3aとi型半導体層3bのバンドギャップの中間の大きさのバンドギャップを有する非単結晶シリコン(Si)層や非単結晶炭化シリコン(Si1−x)層等の半導体層を介在させてもよい。同様に、i型半導体層3bとn型半導体層3cとの間には、i型半導体層3bとn型半導体層3cのバンドギャップの中間、または同等の大きさのバンドギャップを有する非単結晶シリコン(Si)層や非単結晶炭化シリコン(Si1−x)層等の半導体層を介在させてもよい。
第2光電変換層5は、pin接合を有するシリコン系薄膜半導体層からなり、中間層4上に、透光性絶縁基板1の主面に略平行なp型半導体層5a、i型半導体層5b、およびn型半導体層5cが順次積層されたpin半導体接合を含んでいる。ここで、シリコン系薄膜半導体層は、シリコン半導体、または炭素、ゲルマニウム、酸素またはその他の元素の少なくとも1つが添加された薄膜から構成することができる。この第2光電変換層5は、第1光電変換層3と同様にプラズマCVD法、熱CVD法等を用いて堆積形成されるが、第2光電変換層5のi型半導体層5bのバンドギャップは第1光電変換層3のi型半導体層3bのバンドギャップよりも小さいことが好ましい。
また、第2光電変換層5における各層の接合特性を改善するために、第1光電変換層3の場合と同様に、p型半導体層5aとi型半導体層5bとの間、i型半導体層5bとn型半導体層5cとの間に、各接合層のバンドギャップの中間、または同等の大きさのバンドギャップを有する非単結晶シリコン(Si)層や非単結晶炭化シリコン(Si1−x)層等の半導体層を介在させてもよい。
裏面電極層6は、透明導電層と高反射率を有する導電層とが第2光電変換層5側からこの順で積層された積層構造であってもよい。裏面電極層6がこのような積層構造である場合は、高反射率を有する導電層と第2光電変換層5との間に透明導電層が介在するため、高反射率を有する導電層に含まれる元素が第2光電変換層5へ拡散することを抑制することができる。また、光閉じ込め効果や、第2光電変換層5と裏面電極層6との界面における光反射率の向上効果が得られる。このような裏面電極層6は、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、原子層堆積法、CVD法、ゾルゲル法、印刷法、塗布法等により形成される。
中間層4は、第1光電変換層3と第2光電変換層5とに挟まれた層である。中間層4は、第1光電変換層3で吸収されなかった光を第2光電変換層5に透過させるとともに、第1光電変換層3と第2光電変換層5との間を電気的に導通させるように、光透過性およびキャリア伝導性の双方の特性を有する膜により構成される。また、中間層4が第2光電変換層5で吸収される波長域の光を透過させる一方、第1光電変換層3で吸収される波長域の光を第1光電変換層3側へ反射させる光学特性を備えると、第1光電変換層3を通過した光が再び第1光電変換層3を通過するため、実効的な光の航路長が増加して光電変換効率が向上する。
中間層4は、その層の両側に接合された光電変換層で発生したキャリアを滞りなく伝導させるため、キャリア伝導性が必須である。光電変換層の接合部でキャリア伝導が妨げられると、実効的な素子間接続抵抗が高くなり、太陽電池特性の曲線因子(FF:Fill Factor)が低下するため、結果として発電効率が低下する。本実施の形態1では、中間層4として、n型半導体層3cのエネルギーバンドを負の方向に傾斜させる正の固定電荷を持った第1中間層4aと、p型半導体層5aのエネルギーバンドを正の方向に傾斜させる負の固定電荷を持った第2中間層4bが設けられている。第1中間層4aとしては、例えば、第1光電変換層3側においてn型半導体層3cのエネルギーバンドを負の方向に傾斜させる正の固定電荷を持った酸化ランタン層、第2中間層4bとしては、例えば、第2光電変換層5側においてp型半導体層5aのエネルギーバンドを正の方向に傾斜させる負の固定電荷を持った酸化アルミニウム層を用いることができる。
第1中間層4aとして用いられる酸化ランタン層は、酸化ランタンターゲットを用いたRFスパッタ法により成膜した。このほか、真空蒸着法や原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などでも形成することができる。このとき、酸化ランタン層の組成比La/Oは0.67〜1.0とし、成膜時の酸素分圧により制御した。
第2中間層4bとして用いられる酸化アルミニウム層は、酸化アルミニウムターゲットを用いたRFスパッタ法により成膜し、組成比Al/Oは0.50〜0.67となるように成膜時の酸素分圧を制御した。
中間層4では、主としてトンネル伝導とキャリア再結合とによって第1光電変換層3と第2光電変換層5との間に電流が流れる。本実施の形態1の中間層4を構成する酸化ランタンと酸化アルミニウム層は基本的に絶縁性の材料であるが、十分に薄くすることによってトンネル電流が流れるようになる。それらの厚みはたとえば一原子層レベル〜10nm程度とするとよい。ここでは酸化ランタン層および酸化アルミニウムともに1nmとした。また、中間層4を構成する酸化ランタン層および酸化アルミニウム層は2次元的に連続膜となることが望ましいが、それぞれの界面をおおむね覆っていればよく、完全な連続膜とならずに一部に開口部を有するような膜であってもよい。
なお、第1光電変換層3形成後から、中間層4である酸化ランタン層および酸化アルミニウムを形成して、第2光電変換層5形成開始までは、雰囲気の湿度を40%以下に保持することが望ましく、真空を保持するとさらに望ましい。中間層4内に大気中の水分などが吸着されて特性が劣化するなどの現象を防止できる。
次に、このような中間層4の作用について説明する。これまで、high−k材料とシリコンとの接合界面においては、シリコンのエネルギーバンドが傾斜することが知られており、この傾斜はhigh−k材料とシリコンとの界面の固定電荷あるいは界面ダイポールの形成に起因していると考えられている。このとき、界面に正の固定電荷が発生したり、high−k材料からシリコンへ酸素原子(負電荷)が移動したりすることによりダイポールが形成されると、シリコンのエネルギーバンドは負側へ傾斜する。界面に負の固定電荷が発生したり、シリコンからhigh−k材料へ酸素原子(負電荷)が移動したりすることによりダイポールが形成されると、シリコンのエネルギーバンドは正側へ傾斜する。このシリコンのエネルギーバンドの傾斜は、主にシリコンに接合されるhigh−k材料の膜種に支配されると考えられている。
酸化ランタンはシリコンのエネルギーバンドを負側へ傾斜させ、酸化アルミニウムはシリコンのエネルギーバンドを正側へ傾斜させる材料であることから、酸化ランタン層に接しているn型半導体層3cの酸化ランタン層との界面近傍のエネルギーバンドは下側(電子のポテンシャルが低くなる側)に傾斜し、酸化アルミニウム層に接しているp型半導体層5aの酸化アルミニウム層との界面近傍のエネルギーバンドは上側(ホールのポテンシャルが低くなる側)に傾斜する。このとき、酸化ランタン層の膜中に酸素欠陥が多いほど酸素ランタン層中の正の固定電荷が増加するため、シリコンのエネルギーバンドはより負の方向へ傾斜することになり、酸化アルミニウム層の膜中に過剰酸素が多いほど酸化アルミニウム層中の負の固定電荷が増加するため、シリコンのエネルギーバンドはより正の方向へ傾斜することになる。このため、第1光電変換層3内のn型半導体層3cの伝導帯エネルギーと第2光電変換層5内のp型半導体層5aの価電子帯エネルギーの差が狭くなり、これらの光電変換素子間のトンネル伝導、キャリア再結合の効率が向上する。
図2は、本発明に係る光電変換装置の実施の形態1の中間層とその両側に接合された半導体層のエネルギーバンドを示す図である。なお、図中の点線はフェルミレベルを示す。図2において、n型半導体層3c側を正の固定電荷を持った酸化ランタン層、p型半導体層5a側を負の固定電荷を持った酸化アルミニウム層としたことにより、それぞれの層の電荷と正孔の蓄積傾向の違いによって、第1中間層4aとの界面の近傍ではn型半導体層3cのエネルギーレベルの傾きが変化し、第2中間層4bの界面の近傍ではp型半導体層5aのエネルギーレベルの傾きが変化する。このため、n型半導体層3cの伝導帯エネルギー(Ec,n)と、p型半導体層5aの価電子帯エネルギー(Ev,p)が接近する。中間層4に接するn型半導体層3c中の電子エネルギーレベルは中間層に接する部分で最も低く、中間層に接するp型半導体層中5aの正孔エネルギーレベルは中間層に接する部分で最も低くなる。つまり、n型半導体層3cおよびp型半導体層5aの中間層4との接合膜界面近傍でn型半導体層3cの電子エネルギーレベルとp型半導体層5aの正孔エネルギーレベルが近づくようにそれぞれのエネルギーレベルが変化している。このように、n型層伝導帯−p型層価電子帯間のエネルギーギャップが狭いと、層間のトンネル伝導性が向上し、キャリア再結合が促進されて、電流が流れやすくなる。
以上のように、本実施の形態1では、n型半導体層3cの電子エネルギーレベルとp型半導体層5aの正孔エネルギーレベルが近づき、p型半導体層5aとn型半導体層3cとの間でトンネル電流が流れやすくなり、結果として光電変換装置の効率が改善される。
また、中間層4としてトンネル酸化膜を用いることにより、中間層4を絶縁体で構成することができ、中間層4がn型半導体層3cおよびp型半導体層5aと合金化するのを防止することができる。このため、接合界面近傍のエネルギーバンドの傾斜を急峻化することが可能となり、トンネル伝導性を向上させることが可能となることから、各光電変換素子で発生したキャリアを滞りなく伝導させることができる。
また、中間層4としてトンネル酸化膜を用いることにより、中間層4とn型半導体層3cおよびp型半導体層5aとの間の界面の順位を低減することができ、キャリア損失を低減することが可能となることから、光電変換装置の効率が改善される。
また、中間層4の電荷の正負に応じて中間層4とn型半導体層3cおよびp型半導体層5aとの間の界面近傍のエネルギーバンドを傾斜させ、接合部のエネルギーギャップを縮小させることにより、n型半導体層3cおよびp型半導体層5aのフェルミレベルピンニングを利用する方法に比べて、バンド制御性を向上させることができる。
ここに示した中間層4は、酸化ランタンと酸化アルミニウムの場合に最も顕著な効果が得られる。その他、酸化ランタンの代わりに酸化イットリウムや酸化セリウム等を適用し、酸化アルミニウムの代わりに酸化シリコン、酸化ハフニウム、酸化スカンジウム等を適用しても同様の効果が得られる。
実施の形態2.
図3は、本発明に係る光電変換装置の実施の形態2の中間層とその両側に接合された半導体層のエネルギーバンドを示す図である。図3において、本実施の形態2の光電変換装置は、実施の形態1の光電変換装置の中間層4を挟持するように、第1の光電変換層3のn型半導体層3cと第1中間層4aとの間に相対的に高ドープのn型半導体層7を形成し、第2の光電変換層5のp型半導体層5aと第2中間層4bとの間に相対的に高ドープのp型半導体層8を形成したものである。
型半導体層7はn型半導体層3cよりもフェルミレベルが伝導体に近接しており、p型半導体層8はp型半導体層5aよりもフェルミレベルが価電子帯に近接していることから、n+層とp+層を中間層4とそれぞれ接合させると、n層とp層を中間層4に接合させる場合と比較して、n型層伝導帯−p型層価電子帯間のエネルギーギャップが狭くなり、層間のトンネル伝導性が向上するため電流が流れやすくなる。
実施の形態3.
図4は、本発明に係る光電変換装置の実施の形態3の中間層とその両側に接合された半導体層のエネルギーバンドを示す図である。図4において、本実施の形態3の光電変換装置は実施の形態1の光電変換装置の第2中間層4bと第2光電変換層5のp型半導体層5aとの間に酸化シリコン層4cを形成したものである。ここでは、酸化シリコンをターゲットとし、スパッタで1nmの膜を成膜した。
第2中間層4bと第2光電変換層5のp型半導体層5aとの間に酸化シリコン膜を挟持させることにより、p型半導体層5aの中間層4との接合近傍のエネルギーバンドがより正の方向へ傾斜するため、n型半導体層3cの伝導帯とp型半導体層5aの価電子帯が近づき、これらの層間のトンネル電流が流れやすくなる。このため光電変換装置の変換効率が向上する。
以上の実施の形態で述べたように本発明の光電変換装置では、それぞれn型の半導体層とp型の半導体層とを有するとともに互いに光吸収波長特性の異なる第1光電変換層および第2光電変換層が積層され、第1光電変換層のn型半導体層と第2光電変換層のp型半導体層との間に透光性の中間層を有し、中間層の成膜条件を制御することで、中間層との界面における第1光電変換層のn型半導体層の電子エネルギーレベルと第2光電変換層のp型半導体層の正孔エネルギーレベルとが近づくように、第1光電変換層のn型半導体層の中間層との界面近傍の電子エネルギーレベルまたは第2光電変換層のp型半導体層の中間層との界面近傍の正孔エネルギーレベルが変化する。このため、中間層を挟む第1光電変換層のn型半導体層と第2光電変換層のp型半導体層との間での実効的な接続抵抗が低下し、発電効率の高い光電変換装置が実現できる。
以上の実施の形態の構成は薄膜光電変換層を2層積層したタンデム型薄膜光電変換装置を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、薄膜光電変換層を3層以上の任意の層数だけ積層した薄膜光電変換装置に適用することも可能である。すなわち、本発明は、上記のような2つの薄膜光電変換層間に中間層が1つ存在するタンデム型に限定されることはなく、中間層が2つ以上存在する多接合型の薄膜光電変換装置に適用することも可能である。
また、本発明は、特にSiを主成分とする半導体層からなる光電変換層の変換効率向上に適するがSi系以外の化合物半導体系、有機物系などの材料にも適用可能である。
また、本発明は、スーパーストレート型のシリコン系薄膜光電変換装置に限定されることなく、サブストレート型のシリコン系薄膜光電変換装置、および化合物系や有機物系の半導体光電変換層を用いたスーパーストレート型またはサブストレート型の場合にも適用可能である。
以上のように本発明に係る光電変換装置は、各光電変換層の接合界面にシリコン層のエネルギーバンドをベンディングさせる透光性材料からなる層を形成することにより、n型シリコン層のエネルギーバンドを負の方向に傾斜させ、p型シリコン層のエネルギーバンドを正の方向に傾斜させることができる。このため、n層の導電帯とp層の価電子帯とのエネルギーギャップを縮小させることができ、接合部でのキャリア伝導性を向上させ、光電変換セルの変換効率を向上させる方法に適している。
1 透光性絶縁基板
2 透明電極層
3 第1光電変換層
3a p型半導体層
3b i型半導体層
3c n型半導体層
4 中間層
4a 第1中間層
4b 第2中間層
4c 酸化シリコン層
5 第2光電変換層
5a p型半導体層
5b i型半導体層
5c n型半導体層
6 裏面電極層
7 n型半導体層
8 p型半導体層

Claims (5)

  1. n型半導体層とp型半導体層とを有する第1光電変換層と、
    n型半導体層とp型半導体層とを有するとともに前記第1光電変換層と光吸収波長特性が異なる第2光電変換層と、
    前記第1光電変換層のn型半導体層と前記第2光電変換層のp型半導体層との間に挟まれた位置にあり、
    前記第1光電変換層のn型半導体層と接する位置にあって酸素欠陥を有する酸化ランタン膜よりなり、前記n型半導体層のエネルギーバンドを負の方向に傾斜させる正の固定電荷が存在する酸化膜を含む第1中間層と、
    前記第2光電変換層のp型半導体層と接する位置にあって、前記p型半導体層のエネルギーバンドを正の方向に傾斜させる負の固定電荷が存在する、過剰酸素を有する酸化アルミニウム膜を含む第2中間層と
    の少なくとも2層の膜よりなる透光性の中間層とを備えることを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記第1中間層は、La/O組成比が0.67〜1.0の値を有する酸化ランタン膜である、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記中間層に接するn型半導体層中の電子エネルギーレベルは中間層に接する部分で最も低く、
    前記中間層に接するp型半導体層中の正孔エネルギーレベルは中間層に接する部分で最も低いことを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  4. 前記第1光電変換層のn型半導体層と前記第1中間層との間に形成された相対的に高ドープのn型半導体層と、
    前記第2光電変換層のp型半導体層と前記第2中間層との間に形成された相対的に高ドープのp型半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換装置。
  5. 前記第2中間層と前記第2光電変換層のp型半導体層との間に形成された酸化シリコン層をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換装置。
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