JP2003100632A - 半導体装置の製造方法および製造装置、並びに、半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および製造装置、並びに、半導体装置

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JP2003100632A
JP2003100632A JP2001291404A JP2001291404A JP2003100632A JP 2003100632 A JP2003100632 A JP 2003100632A JP 2001291404 A JP2001291404 A JP 2001291404A JP 2001291404 A JP2001291404 A JP 2001291404A JP 2003100632 A JP2003100632 A JP 2003100632A
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manufacturing
semiconductor device
heat treatment
film
cgs
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Yasumori Fukushima
康守 福島
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドメイン境界の無いCGS膜を形成する。 【解決手段】 α‐Si膜12上に触媒金属元素として
のNi元素13を添加した後、窒素雰囲気中で熱処理を
行って固相結晶化を行う際に、基板の中心部から外側に
向かって550℃〜600℃の温度領域を順次拡大して
行く。こうすることによって、基板全体を一つのCGS
ドメインに成長させてドメイン境界が存在しないCGS
膜14を形成できる。こうして形成されたCGS膜14
をチャネル領域として用いることによって、チャネル領
域にCGSドメイン境界を含まなく電気特性のばらつき
が小さい薄膜トランジスタあるいはCMOSトランジス
タを形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多結晶シリコン
膜や単結晶シリコン膜等の結晶性を有するシリコン薄膜
を用いた半導体装置の製造方法およびその製造装置、並
びに、その製造方法で形成された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタの特性を向上させるた
めに、従来より多結晶シリコン膜を用いた薄膜トランジ
スタの研究が続けられてきているが、近年、Continuous
GrainSilicon膜(以下CGS膜と省略する)を利用し
て、従来の多結晶シリコンよりも特性の優れた薄膜トラ
ンジスタを形成できることが報告されている。このCG
S膜の製造方法は、特開平6‐244103号公報に記
載されているように、非晶質シリコン膜上にNi等の触
媒金属を導入した後、熱処理することによって非常に結
晶性の優れたシリコン薄膜を形成するものである。
【0003】さらに、結晶成長後にCGS膜中に残った
触媒金属は、特開平10‐223533号公報に記載さ
れているように、CGS膜の一部に五族元素(例えばリ
ン元素(P))をドーピングした後に熱処理を行うことに
よって、CGS膜中の触媒金属が五族元素をドーピング
した領域へ吸い寄せられる。即ち、ゲッタリングされ
る。その後、上記五族元素が注入された領域のCGS膜
をエッチング等によって除去するのである。こうするこ
とによって、CGS膜中の触媒金属を取り除くことがで
きるのである。
【0004】以上の方法によって形成されたCGS膜を
用いることによって、従来の多結晶シリコン膜を用いた
場合に比べて、移動度やサブスレッシュホールド等の特
性が優れた薄膜トランジスタを形成することができるの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、上記
CGS膜は優れたトランジスタ特性を実現できるシリコ
ン薄膜である。しかしながら、従来CGS膜の形成方法
には以下に示すような問題がある。
【0006】すなわち、従来のCGS膜の形成方法にお
いては、非晶質シリコン膜上にNi等の触媒金属を導入
した後、熱処理することによって非常に結晶性の優れた
シリコン薄膜を形成するようにしている。図10は、そ
の場合における成長の様子を模式的に示す平面図(基板
の表面側から見た図)である。以下、図10に従って、
CGS膜の成長の過程について説明する。
【0007】始めに、図10(a)に示すように、石英基
板上にCVD(化学気相成長法)等によって堆積された非
晶質シリコン膜1の表面にNi(図示せず)等の触媒金属
を添加する。次に、550℃〜600℃の温度で1時間
程度の熱処理を行う。そうすると、図10(b)に示すよ
うに、結晶成長の核2が基板上にランダムに形成され
る。尚、形成される核2の発生密度は、触媒金属の濃度
や熱処理温度,非晶質シリコン膜1の膜質等に依存する
と考えられる。
【0008】その後、熱処理を続けることによって、結
晶成長の核2を起点として結晶成長が進み、図10(c)
に示すようにCGS膜3が形成される。このように一つ
の核2を起点として成長したCGS膜3の領域をドメイ
ンと言う。ドメイン3内は多結晶状態であるが、ドメイ
ン3内において隣接する結晶同士の結晶方位は連続して
いる(Continuous Grain)状態である。
【0009】さらに熱処理を続けると、図10(d)に示
すように、成長したドメイン3同士が互いにぶつかり合
い、基板全面がCGS膜3となって成長が終了する。ド
メイン3同士がぶつかった場所はドメイン境界4と呼ば
れる。その場合におけるドメインサイズは、作成条件に
よっても異なるが、大きいもので直径200ミクロンを
超すドメイン3が形成される場合もある。
【0010】以上のようにして形成されたCGS膜3を
用いて薄膜トランジスタを形成した場合、ドメイン境界
4が存在するために、チャネル領域にドメイン境界4を
含む薄膜トランジスタがある確率で形成されると予想さ
れる。これを、アクティブマトリク表示装置内の薄膜ト
ランジスタに当て嵌めてみると、例えば、図10(e)に
示すように、破線5のように各画素が区切られて薄膜ト
ランジスタ6が配置されている場合には、中央およびそ
の下の画素7,8の薄膜トランジスタ6内にドメイン境
界4が含まれることになる。
【0011】上記ドメイン境界4においては結晶方位が
不連続なため、チャネル領域にドメイン境界4を含まな
い薄膜トランジスタ6に比べて、チャネル領域にドメイ
ン境界4を含む薄膜トランジスタ6はその電気特性が劣
り、その結果、特性ばらつきを引き起こす。特に、アク
ティブマトリクス液晶表示装置に使用されるスイッチン
グトランジスタの場合には、トランジスタ特性のばらつ
きが直接液晶表示品位に影響を及ぼすという問題があ
る。
【0012】そこで、この発明の目的は、ドメイン境界
の無いCGS膜を形成することができる半導体装置の製
造方法およびその製造装置、並びに、その製造方法で形
成された半導体裝置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明の半導体装置の製造方法は、基板表面に
非晶質シリコン膜を形成する工程と、上記非晶質シリコ
ン膜上に結晶化を促進させる触媒金属を導入する工程
と、上記基板の一部分のみを加熱して上記非晶質シリコ
ン膜の結晶化を行って,加熱部分のみに結晶領域を形成
する第1熱処理工程と、引き続いて,上記加熱部分を徐
々に周囲に広げて上記結晶化を行い,上記結晶領域を周
囲に拡大する第2熱処理工程と、形成された結晶性シリ
コン膜を活性領域として用いて半導体装置を形成する工
程を備えたことを特徴とする。
【0014】上記構成によれば、基板の表面に形成され
た非晶質シリコン膜上に結晶化を促進させる触媒金属を
導入した後、上記基板の一部分のみが加熱されて上記非
晶質シリコン膜における加熱部分のみに結晶領域(CG
Sドメイン)が形成される。そうした後、上記加熱部分
が徐々に周囲に広げられて上記結晶化が行われる。そう
すると、最初に形成された上記CGSドメインが周囲に
拡大成長されて、上記基板全体に一つのCGSドメイン
が成長される。その結果、形成される結晶性シリコン膜
内にはCGSドメインのドメイン境界は存在しない。
【0015】したがって、上記形成された結晶性シリコ
ン膜が活性領域として用いられて半導体装置が形成され
た場合には、チャネル領域にCGSドメイン境界を含ま
ない半導体装置が形成される。すなわち、電気特性のば
らつきが小さい半導体装置が形成されるのである。
【0016】また、1実施例では、上記第1の発明半導
体装置の製造方法において、上記非晶質シリコン膜を形
成する工程の後であって、上記触媒金属を導入する工程
の前に、上記非晶質シリコン膜上にレジスト膜を形成し
て,上記第1熱処理工程において加熱される部分のみを
開口するように上記レジスト膜をパターニングする工程
と、全面にプラズマ処理を行う工程を備えている。
【0017】この実施例によれば、基板の表面に形成さ
れた非晶質シリコン膜上に結晶化を促進させる触媒金属
が導入されるに先立って、上記基板上に形成されたレジ
スト膜の一部分が開口するようにパターニングされて、
全面にプラズマ処理が行われる。したがって、上記非晶
質シリコン膜の上記一部分におけるCGS核成長確率が
高められ、後の第1熱処理工程によって、上記非晶質シ
リコン膜の一部分により確実に且つ短時間にCGSドメ
インが形成される。
【0018】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法において、上記第2熱処理工程にお
ける第2熱処理温度は、上記第1熱処理工程における第
1熱処理温度よりも高くなっている。
【0019】この実施例によれば、上記第2熱処理工程
における第2熱処理温度が上記第1熱処理工程における
第1熱処理温度よりも高められるので、最初に形成され
た上記CGSドメインを周囲に拡大成長させる速度を早
めることが可能になる。したがって、上記CGSドメイ
ン成長に掛る時間を短縮することが可能になる。
【0020】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記第1熱処理工程時に上
記非晶シリコン膜が加熱される領域の外径は20ミクロ
ン以上且つ200ミクロン以下である。
【0021】この実施例によれば、上記第1熱処理工程
では、上記非晶シリコン膜における外径が20ミクロン
以上且つ200ミクロン以下の領域のみが加熱されて、
上記領域に略1つのCGSドメインが形成される。
【0022】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記結晶化を促進させる触
媒金属として、鉄,コバルト,ニッケル,銅,ルテニウム,
ロジウム,パラジウム,オスミウム,イリジウム,白金,金
のうちの1種類あるいは複数種類の元素を導入する。
【0023】この実施例によれば、上記触媒金属とし
て、鉄,コバルト,ニッケル,銅,ルテニウム,ロジウム,パ
ラジウム,オスミウム,イリジウム,白金,金のうちの1種
類あるいは複数種類の元素が導入される。したがって、
上記非晶質シリコン膜の結晶化が効果的に促進される。
【0024】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記第2熱処理工程によっ
て形成された結晶性シリコン膜上にシリコンとは異なる
材質のゲッタリングマスクを形成する工程と、上記ゲッ
タリングマスクの開口部から上記結晶性シリコン膜中に
ゲッタリングのための元素を添加する工程と、熱処理に
よって,上記ゲッタリングマスクの開口部に位置する上
記結晶性シリコン膜に上記触媒金属をゲッタリングする
工程を備えて、上記ゲッタリング後の結晶性シリコン膜
を上記活性領域として用いる。
【0025】この実施例によれば、上記第2熱処理工程
によって形成された結晶性シリコン膜中に残留する上記
触媒金属が、熱処理によって、ゲッタリングのための元
素が添加された領域にゲッタリングされる。したがっ
て、上記CGSドメイン中の触媒金属が取り除かれて、
形成される半導体装置におけるオフ動作時のリーク電流
の異常が無くなり、高い信頼性が得られるのである。
【0026】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記ゲッタリング時におけ
る熱処理の温度は600℃以上且つ700℃以下であ
る。
【0027】この実施例によれば、600℃以上且つ7
00℃以下の熱処理温度で、上記ゲッタリングが効果的
に行われる。
【0028】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記ゲッタリングのための
元素として、窒素,リン,砒素,ボロン,アンチモン,ビス
マスのうちの1種類あるいは複数種類の元素を添加す
る。
【0029】この実施例によれば、窒素,リン,砒素,ボ
ロン,アンチモン,ビスマスのうちの1種類あるいは複数
種類の元素が上記結晶性シリコン膜中に添加されて、上
記ゲッタリングが効果的に行われる。
【0030】また、1実施例では、上記第1の半導体装
置の製造方法おいて、上記非晶質シリコン膜の結晶化時
における上記基板の加熱温度は550℃以上且つ600
℃下である。
【0031】この実施例によれば、上記非晶質シリコン
膜がCGSの結晶化が起る550℃以上且つ600℃以
下の加熱温度で加熱されて、加熱された部分にCGSド
メインが効果的に形成される。
【0032】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記第1熱処理工程におけ
る加熱時間は0.5時間以上且つ5時間以下であり、上
記第2熱処理工程において,上記加熱部分を周囲に広げ
る速度は1μm/時間以上且つ20μm/時間以下である。
【0033】この実施例によれば、上記基板の一部分の
みが0.5時間以上且つ5時間以下だけ加熱されて、上
記非晶質シリコン膜の一部分に一つのCGSドメインが
形成される。そうした後、1μm/時間以上且つ20μm/
時間以下の速度で上記加熱部分が周囲に広げられて、一
つのCGSドメインが周囲に徐々に成長される。
【0034】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記触媒金属を導入する前
に行うプラズマ処理には、アルゴンあるいはクリプトン
等の希ガス,酸素および窒素のうちの少なくとも一つを
含むガスをプラズマ化させたものを用いる。
【0035】この実施例によれば、上記非晶質シリコン
膜の一部分におけるCGS核成長確率が、より効果的に
高められる。
【0036】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記プラズマ処理用の上記
レジスト膜をパターニングする際における上記開口部の
大きさは、1ミクロン以上且つ100ミクロン以下であ
る。
【0037】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記第2熱処理温度を上記
第1熱処理温度よりも高める場合に、上記第1熱処理温
度を550℃以上且つ600℃以下とし、上記第2熱処
理温度を650℃以上且つ1050℃以下とする。
【0038】この実施例によれば、650℃以上且つ1
050℃以下である上記第2熱処理温度は、550℃以
上且つ600℃以下である上記第1熱処理温度よりも高
められている。したがって、最初にCGSの結晶化が起
る550℃以上且つ600℃以下の上記第1熱処理温度
で効果的に形成された上記CGSドメインを周囲に拡大
成長させる際の速度を、早めることが可能になる。
【0039】また、1実施例では、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法おいて、上記第2熱処理温度を上記
第1熱処理温度よりも高める場合に、上記第1熱処理工
程における加熱時間を0.5時間以上且つ5時間以下と
し、上記第2熱処理工程において,上記加熱部分を周囲
に広げる速度を20μm/時間以上且つ600μm/時間以
下とする。
【0040】この実施例によれば、上記基板の一部分の
みが0.5時間以上且つ5時間以下だけ加熱されて、上
記非晶質シリコン膜の一部分に一つのCGSドメインが
形成される。そうした後、20μm/時間以上且つ600
μm/時間以下の速度で上記加熱部分が周囲に広げられ
て、一つのCGSドメインが周囲に成長される。こうし
て、上記CGSドメインの周囲への成長が早められ、上
記CGSドメイン成長に掛る時間が短縮される。
【0041】また、第2の発明は、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法に用いられる半導体装置の製造装置
であって、上記触媒金属が表面に導入された非晶質シリ
コン膜が形成されている上記基板を表面側あるいは裏面
側から加熱する熱源と、上記基板と熱源との間に配置さ
れて上記熱源から上記基板への熱を遮蔽すると共に,上
記基板の中心に対応する位置を中心とする円形の開口部
を同心円状に開閉する開閉手段を有するシャッタを備え
たことを特徴としている。
【0042】上記構成によれば、熱源によって、上記触
媒金属が表面に導入された非晶質シリコン膜が形成され
ている上記基板が加熱される際に、上記基板と熱源との
間に配置されたシャッタの開閉手段が操作されて、先
ず、上記シャッタの中心部が所定の大きさの円形に開放
される。こうして、上記基板の中心部分のみが加熱され
てCGSドメインが形成される。そうした後に、上記シ
ャッタの開閉手段によって、上記円形の開口部が同心円
状に徐々に開放される。こうして、最初に形成された上
記CGSドメインが周囲に拡大成長されて、上記基板全
体に一つのCGSドメインが成長される。その結果、C
GSドメイン境界が存在しない結晶性シリコン膜が形成
される。
【0043】また、1実施例では、上記第2の発明の半
導体装置の製造装置において、上記シャッタにおける開
閉手段が上記開口部を同心円状に開放する速度は、1μ
m/h以上且つ600μm/h以下である。
【0044】この実施例によれば、上記基板の中心部分
のみにCGSドメインが形成された後に、上記シャッタ
の開閉手段によって上記円形の開口部が同心円状に開放
される。その際に、上記開口部の開閉速度が上記第2熱
処理温度等に応じて1μm/h以上且つ600μm/h以下
の最適速度で制御される。
【0045】また、第3の発明の半導体装置は、上記第
1の発明の半導体装置の製造方法によって形成されたこ
とを特徴としている。
【0046】上記構成によれば、上記CGSドメイン境
界が存在しない結晶性シリコン膜を用いて形成されるた
め、半導体装置のチャネル領域にCGSドメイン境界は
含まれていない。したがって、電気特性のばらつきが低
減される。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。 <第1実施の形態>図1および図2は、本実施の形態の
半導体装置としての薄膜トランジスタの製造方法におけ
る製造工程を示す断面図である。以下、図1および図2
に従って薄膜トランジスタの製造方法について順次説明
する。
【0048】1.先ず、図1(a)に示すように、石英基
板11上にLPCVD(Low PressureChemical Vapor De
position)法によって、アモルファスシリコン(α‐Si)
膜12を50nm〜200nm程度の厚みで堆積させる。そ
の場合の条件は、原料ガスとしてジシランガス(Si
26)を用い、温度は450℃、圧力は50paである。
【0049】2.次に、図1(b)に示すように、α‐Si
膜12上全面にNiを10ppm溶かした水溶液をスピン塗
布して、シリコンの結晶化を促進させる触媒金属元素と
してのNi元素13をα‐Si膜12の表面に添加する。
その場合、α‐Si膜12の表面におけるNi元素13の
濃度は1E12cm-2〜1E13cm-2となるように設定す
る。尚、Ni元素13をα‐Si膜12上に添加する方法
として、スパッタ法,CVD法,プラズマ処理法および蒸
着法等を用いても差し支えない。
【0050】3.次に、窒素雰囲気中において、600
℃で12時間の熱処理を行ってα‐Si膜12の固相結
晶化を行い、図1(c)に示すようにCGS膜14を形成
する。その際に、後に説明するようにして、先に石英基
板11の一部分(例えば中心部分)のみを550℃〜60
0℃にすることによって上記一部分にCGSドメインを
形成する。そして、その後に550℃〜600℃の温度
領域を上記一部分の周囲に向かって拡大することによっ
て、石英基板11全体を一つのCGSドメインに成長さ
せるのである。こうしてCGS膜14を成長させること
によって、CGS膜14内にドメイン境界は存在しない
のである。
【0051】上述のような成長を実現する方法の一つと
して、図3に示すような加熱装置を用いる。この加熱装
置においては、石英基板11と熱源35との間に熱を遮
るシャッタ36を配置している。このシャッタ36は基
板中心部分に開口部37を有すると共に、この開口部3
7を同心円状に広げていくことによって、550℃〜6
00℃の温度領域を基板中心部分から外側に向かって拡
大してドメイン境界が存在しないCGS成長を行うので
ある。その場合、始めは、シャッタ36の開口部37を
α‐Si膜12における加熱領域の外径が20ミクロン
〜200ミクロンになるような開度で開口した状態で
0.5時間〜5時間程度放置することによって、α‐Si
膜12を加熱して、最初の一つのCGSドメインを20
0ミクロン程度に成長させる。続いて、形成されたCG
Sドメインを成長させるために、開口部37を同心円状
に1μm/h〜20μm/hの速度で広げていくのである。
【0052】4.次に、図1(d)に示すように、上記C
GS膜14上にゲッタリングマスク15を形成する。こ
のゲッタリングマスク15は、CVD法等によって酸化
膜,窒化膜あるいはSiON膜等を形成したものを用い
る。その際の膜厚は、後工程のイオン注入で下部のCG
S膜14にイオン注入されないような膜厚(例えば20
0nm程度)を確保できるようにする。尚、ゲッタリング
マスク15としてフォトレジストを使用しても差し支え
ない。
【0053】本実施の形態においては、図4に示すよう
に、触媒金属X(Ni)はCGS成長端32に存在し、C
GS成長と共に基板最外周へと押しやられる。そのた
め、最終的に最外周に存在する触媒金属Xを含んだCG
S膜を取り除くことによって、CGS膜中の触媒金属X
を取り除くことが可能になる。但し、実際には、図4に
示すような成長中に、一部触媒金属Xが結晶化したシリ
コン31中に残留する可能性もあるため、出来る限り、
CGS膜14の内部においてもゲッタリングを行うのが
望ましい。
【0054】5.次に、図1(e)に示すように、上記ゲ
ッタリングマスク15の開口部16に1E15cm-2〜8
E15cm-2のリンイオン17を注入する。その際に、ゲ
ッタリングマスク15は注入マスクとして機能するた
め、リンイオン17はゲッタリングパターンの開口部1
6に位置するCGS膜18に注入される。尚、ゲッタリ
ングマスク15にフォトレジストを使用した場合は、リ
ンイオン17を注入した後にフォトレジストを除去する
必要がある。
【0055】6.次に、600℃〜700℃の温度で2
4時間の熱処理を行い、図1(f)に矢印(A)で示すよう
に、CGS膜14中に残留している触媒金属であるNi
を、リンイオン17が注入されたCGS膜18中にゲッ
タリングする。こうすることによって、CGS膜14中
の触媒金属Niを取り除くことができるのである。
【0056】7.次に、図2(g)に示すように、上記リ
ンイオン17が注入されたCGS膜18の部分をエッチ
ングによって除去する。尚、先にゲッタリングマスク1
5を除去した後に、改めてCGS膜18をエッチングす
るためのフォトレジストパターンを形成して、CGS膜
18の部分をエッチング除去しても良い。その場合に
は、フォトレジストパターンの開口部をゲッタリングウ
マスク15の開口部16より大きめにすることで、リン
イオン17が注入されたCGS膜18に隣接するCGS
膜14も同時に除去することができ、より確実に触媒金
属Niを除去することができるのである。また、ゲッタ
リングマスク15をフォトレジストで形成した場合に
は、ゲッタリングマスク15が除去されるために、リン
イオン17が注入されたCGS膜18をエッチングする
ためのフォトレジストパターンを必ず形成する必要があ
る。
【0057】8.次に、図2(h)に示すように、上記ゲ
ッタリングマスク15を除去した後に、酸化雰囲気中に
おいて、900℃〜1050℃の温度でCGS膜14の
表面を酸化し、30nm程度の膜厚で酸化膜19を形成す
る。この工程によって、CGS膜14の結晶性がさらに
向上する。また、CGS膜14の表面の局所的な酸化を
避けるため、上記酸化の前に予めCVD等によってHT
O(high temperatureoxidation)膜を10nm〜50nm程
度形成しておいても良い。
【0058】9.次に、上記酸化膜19を除去した後
に、図2(i)に示すように、CGS膜14にパターニン
グを行って薄膜トランジスタの活性領域20a,20bを
形成する。そして、図2(j)に示すように、基板全面
に、CVD法等によって酸化膜21を80nmの膜厚で形
成してゲート酸化膜とする。続いて、各活性領域20a,
20bの中央部におけるゲート酸化膜21上にゲート電極
22a,22bを形成する。ゲート酸化膜21は、酸化に
よって形成してもよいし、CVDによる酸化膜形成とそ
の後の酸化とを組み合わせて形成してもよい。ゲート電
極22a,22b形成後に、更にゲート電極22a,22bを
マスクにしてリンイオンを3E15cm-2程度注入し、ソ
ース領域23a,23bおよびドレイン領域24a,24bを
形成する。ここで、ゲート電極22a,22b下の領域は
チヤネル領域25a,25bとなる。尚、薄膜トランジス
タの閾値電圧制御のために、チャネル領域25a,25b
にチャネル注入を行ってもよい。
【0059】11.次に、図2(k)に示すように、全体
に層間絶縁膜26を形成した後、ソース領域23a,23
bおよびドレイン領域24a,24bに注入された上記リン
イオンを活性化させるために、900℃の温度で30分
間の熱処理を行った後、ソース領域23a,23bに達す
るソースコンタクトホールおよびドレイン領域24a,2
4bに達するドレインコンタクトホールを形成した後、
ソース電極27a,27bおよびドレイン電極28a,28b
を形成する。
【0060】12.最後に、図2(l)に示すように、全
体に窒化膜29を形成した後に水素化処理を行う。この
水素化処理においては、チャネル領域22a〜25a,2
2b〜25bであるCGS膜中におけるシリコン未結合手
を終端する働きがあるので、さらに薄膜トランジスタの
特性を向上できる。尚、上記両薄膜トランジスタはNチ
ャネルである場合として説明しているが、Pチャネルと
する場合にはチャネル注入およびソース,ドレイン注入
のイオン種を代えることによって同様に形成することが
できる。従って、Nチャネル薄膜トランジスタとPチャ
ネル薄膜トランジスタとでなるCMOS(相補型金属酸
化膜半導体)トランジスタの形成も可能である。
【0061】ところで、図5は、基板上CGSドメイン
被服率の成長時間依存性を示す。図5によれば、成長温
度が600℃の場合には約8時間で、成長温度が570
℃の場合には約15時間で、ウエハ全面がCGSドメイ
ンで埋め尽くされることが分る。また、図6は、CGS
ドメイン成長速度の成長温度依存性を示す。図6によれ
ば、CGSドメイン成長速度が成長温度に対して依存し
ていることが分る。本実施の形態においては、この現象
を利用して、始めに基板の一部分(中央部)のみの温度を
CGS膜14が成長する温度にすることによって、その
部分にのみCGSドメインを形成するのである。そし
て、その後、上記CGS膜14が成長する温度の領域を
徐々に広げて行くことによって、最初に形成されたCG
Sドメインから連続して成長を行い、最終的には基板全
面が一つのCGSドメインで構成されるようにCGS成
長を行うのである。
【0062】図7は、上記CGS結晶成長時における基
板の温度分布およびCGSドメイン成長の時間経過を示
す。図7(a)は丸い基板の平面図を示している。図7(b)
は、図7(a)のA‐A'矢視断面図であり、石英基板11
上にa‐Si膜12が形成された後に、表面に触媒金属
Ni13が添加された状態を示している。この状態か
ら、図7(c)に示すように、始めに基板中央部分のみを
加熱してCGSドメインを形成するのである。この場合
における基板中央部分の温度は、CGSの結晶化が起こ
る550(Tmin)℃〜600(Tmax)℃の温度範囲に設定
される。
【0063】その後、時間がt1<t2<t3<t4と経過する
に従って、CGS結晶化が起こる温度領域を徐々に広げ
て行く。図7(d)は、基板中央部分から徐々に形成され
て行くCGSドメインの領域を示す。上述のような加熱
によって、図7(d)に示すように、最初に基板中央部分
に形成されたCGSドメインが徐々に基板外側へ成長し
て行く。そして、最終的には、石英基板11の全面にC
GSドメインの成長が行われる。
【0064】上述のようなCGS成長によれば、図4に
示すように、結晶化したシリコンであるCGS結晶成長
の先端部分32に触媒金属XとSiによる結晶が形成さ
れ、その後ろにCGS結晶31が形成されて行く。従っ
て、全面がCGS結晶化した後には触媒金属X(Ni)を
含んだシリコンは基板外周部分に集まることになり、石
英基板11の内側には殆ど触媒金属X(Ni)が残らない
状態となる。従来におけるCGS膜形成の場合には、図
10(d)に示すように、基板全面にCGSドメイン境界
が存在することになり、そのCGSドメイン境界部分に
は多量の触媒金属が含まれている。それに対して、本実
施の形態においては、石英基板11の外周部のみにCG
Sドメイン境界が押しやられるので、その部分の触媒金
属Niを取り除くことによって、ウエハ内に残留する触
媒金属量Niを極めて少なくすることができるのであ
る。勿論、その後ゲッタリング工程を行った後において
も、従来よりもさらに触媒金属Niの残留量は低く抑え
られるのである。
【0065】上述のようなCGS成長を行う具体的な方
法としては、例えば図3に示すような加熱装置を用いれ
ばよい。石英基板11上にa‐Si膜12が形成され、
表面に触媒金属Ni13が添加された状態で、石英基板
11を加熱するための熱源35と石英基板11の間に熱
を遮るためのシャッタ36を配置しておく。熱源35と
しては抵抗加熱,ランプ加熱,アーク加熱およびレーザー
加熱等の方法が考えられる。シャッタ36には、例えば
カメラの絞りのような機構の開閉手段を設けることによ
って、開口部37の大きさを同心円状に始めは小さくそ
の後は徐々に大きくすることができ、図7に示すような
CGSドメイン成長が可能になるのである。
【0066】以上のように、本実施の形態においては、
α‐Si膜12上に触媒金属Ni13を添加した後、窒素
雰囲気中で熱処理を行って固相結晶化を行う際に、上述
したような加熱装置を用いた加熱方法によって、基板の
中心部から周囲に向かって550℃〜600℃の温度領
域を順次拡大して行くことによって、基板全体を一つの
CGSドメインに成長させることができ、CGS膜14
内にドメイン境界が存在しないようにできる。
【0067】したがって、こうして形成されたCGS膜
14をチャネル領域として用いることによって、チャネ
ル領域にCGSドメイン境界を含まない薄膜トランジス
タあるいはCMOSトランジスタを形成することができ
る。すなわち、本実施の形態によれば、電気特性のばら
つきが小さい薄膜トランジスタあるいはCMOSトラン
ジスタを形成できるのである。
【0068】<第2実施の形態>図8は、基板上にa‐
Si膜を形成した後にプラズマ処理を行った場合におけ
るドメインサイズの処理時間依存性を示す。図8より、
プラズマ処理を70分以上行うことによって、CGS膜
のドメインサイズは200ミクロン以上から50ミクロ
ン以下へと変化することがわかる。これは、言い換える
と、プラズマ処理によってCGS核発生確率が大きくな
ったことを意味する。そこで、この現象を利用して、C
GS膜の成長前に基板の中心の例えば20ミクロン以上
の領域のみに70分以上のプラズマ処理を行うのであ
る。こうすることによって、確実に、石英基板11の中
心部分に、最初のCGSドメインを成長させることがで
きるのである。本実施の形態は、このことを利用するも
のである。
【0069】図9は、本実施の形態の半導体装置として
の薄膜トランジスタの製造方法における製造工程を示す
断面図である。以下、図9に従って薄膜トランジスタの
製造方法について順次説明する。
【0070】1.先ず、図9(a)に示すように、石英基
板41上に上記LPCVD法によってα‐Si膜42を
50nm〜200nm程度の厚みで堆積させる。堆積条件
は、原料ガスとしてジシランガス(Si26)を用い、温
度は450℃で圧力は50paである。
【0071】2.次に、図9(b)に示すように、フォト
リソグラフィによってパターニングしたレジスト43を
形成する。その際に、レジスト43には、ウエハ中心部
のみに開口部44が形成されている。開口部44の大き
さは例えば1ミクロン〜100ミクロン程度である。続
いて、O2プラズマ処理を、例えば1000ワットで5
0分〜150分程度行う。これによって、レジスト43
の開口部44のみがプラズマ処理に晒されることにな
り、開口部44におけるα‐Si膜42でのCGS核成
長確率が高くなる。したがって、上記第1実施の形態に
比べて、より確実に石英基板41の中央部に短時間でC
GSドメインを形成することができるのである。
【0072】3.次に、図9(c)に示すように、上記レ
ジスト43を除去した後、α‐Si膜42上全面にNiを
10ppm溶かした水溶液をスピン塗布して、シリコンの
結晶化を促進させる触媒金属元素としてのNi元素45
をα‐Si膜42の表面に添加する。その場合、α‐Si
膜42の表面におけるNi元素45の濃度は1E12cm
-2〜1E13cm-2となるように設定する。また、Ni元
素45をα‐Si膜42に添加する方法として、スパッ
タ法,CVD法,プラズマ処理法および蒸着法等を用いて
も差し支えない。
【0073】これ以降の工程は、上記第1実施の形態に
おける工程3以降と同じである。
【0074】以上のごとく、本実施の形態においては、
上記石英基板41上のα‐Si膜42の表面に、中心部
のみに開口部44が形成されたレジスト43を形成し、
2プラズマ処理を行うようにしている。したがって、
α‐Si膜42中心部でのCGS核成長確率が高くな
る。その結果、上記第1実施の形態に比べて、より確実
に石英基板11の中央部に短時間でCGSドメインを形
成することができるのである。
【0075】<第3実施の形態>上記第1,第2実施の
形態においては、熱処理を行ってα‐Si膜12,42の
固相結晶化を行う際に、550℃〜600℃の温度領域
を基板中心部分から外側に向かって1μm/h〜20μm/
hの速度で拡大していくことによって、ドメイン境界が
存在しないCGS成長を行うようにしている。本実施の
形態は、基板中央部にCGSドメインを形成した後に、
基板温度を上げると共に、温度領域を基板中心部分から
外側に向かって拡大していく速度を上記第1,第2実施
の形態よりも上げることによって、CGSドメイン成長
に掛る時間を短縮するものである。
【0076】上記第1,第2実施の形態の場合と同様に
して、最初に石英基板の一部分(例えば中央部)にCGS
ドメインを形成した後に、基板温度を上記第1,第2実
施の形態における550℃〜600℃よりも高い650
℃〜1050℃の範囲まで上昇させる。その後、形成さ
れたCGSドメインを周囲に成長させるために、シャッ
タ36の開口部37を、上記第1,第2実施の形態にお
ける1μm/h〜20μm/hよりも速い20μm/h〜60
0μm/hの速度で同心円状に広げていくことによって、
基板全面にCGSドメインを成長させるのである。こう
することによって、CGSドメイン成長に掛る時間を短
縮することが可能となる。
【0077】これ以降の工程は、上記第1実施の形態に
おける工程4以降と同じである。
【0078】以上のごとく、本実施の形態においては、
基板中央部にCGSドメインを形成した後に、基板温度
を上記第1,第2実施の形態よりも高い650℃〜10
50℃上げると共に、温度領域を基板中心部分から外側
に向かって拡大していく速度を上記第1,第2実施の形
態よりも速い20μm/h〜600μm/hに上げるようにし
ている。したがって、上記第1,第2実施の形態よりも
CGSドメイン成長に掛る時間を短縮することができる
のである。また、石英基板の中央部におけるCGS膜の
最初のドメイン形成をCGSの結晶化が起る550℃〜
600℃で行うことによって、より確実にCGSドメイ
ンを形成することができるのである。
【0079】尚、上記各実施の形態においては、上記a
‐Si膜12,42の結晶化を促進させる触媒金属元素と
してNi元素を用いているが、それに限定されるもので
はない。Fe,Co,Ni,Cu,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt,A
uのうちの1種類もしくは複数種類の元素を用いても同
様の効果を得ることができる。
【0080】また、上記各実施の形態においては、上記
ゲッタリングのための元素としてリン元素を用いている
が、それに限定されるものではない。窒素,リン,砒素,
ボロン,アンチモン,ビスマスのうちの1種類あるいは複
数種類の元素を用いても同様の効果を得ることができ
る。
【0081】
【発明の効果】以上より明らかなように、第1の発明の
半導体装置の製造方法は、基板表面に形成されたa‐S
i膜上に触媒金属を導入し、第1熱処理工程によって上
記基板の一部分のみを加熱して加熱部分のみに結晶領域
を形成し、第2熱処理工程によって上記加熱部分を徐々
に周囲に広げて上記結晶領域を拡大するので、上記a‐
Si膜の一部分に最初に形成されたCGSドメインを周
囲に拡大成長させて、上記a‐Si膜全体に一つのCG
Sドメインを成長できる。したがって、CGSドメイン
境界が存在しない結晶性シリコン膜を形成することがで
きるのである。
【0082】さらに、上記形成された結晶性シリコン膜
を活性領域として半導体装置を形成するので、チャネル
領域にCGSドメイン境界を含まない半導体装置を形成
できる。すなわち、この発明によれば、電気特性のばら
つきが小さい半導体装置を形成することができるのであ
る。さらに、上記結晶性シリコン膜内にCGSドメイン
境界が存在しないため、従来のCGS成長方法に比べ
て、より自由度の高い回路レイアウトが可能となる。
【0083】そのために、上記半導体装置をアクティブ
マトリクス液晶表示装置におけるスイッチング用の薄膜
トランジスタとすることによって、各画素の液晶表示品
位のばらつきを向上させることができるのである。
【0084】また、1実施例の半導体装置の製造方法
は、基板表面にa‐Si膜を形成した後に、上記a‐Si
膜の一部分を露出させるレジストパターンを形成してプ
ラズマ処理を行うので、上記a‐Si膜の一部分におけ
るCGS核成長確率を高くして、上記a‐Si膜の一部
分に、より確実に且つ短時間にCGSドメインを形成す
ることができる。
【0085】また、1実施例の半導体装置の製造方法
は、上記第2熱処理工程における第2熱処理温度を上記
第1熱処理工程における第1熱処理温度よりも高くした
ので、最初に形成された上記CGSドメインを周囲に拡
大成長させる速度を早めることが可能になる。したがっ
て、上記CGSドメイン成長に掛る時間を短縮すること
が可能になる。
【0086】また、1実施例の半導体装置の製造方法
は、結晶化を促進させる触媒金属として、鉄,コバルト,
ニッケル,銅,ルテニウム,ロジウム,パラジウム,オスミ
ウム,イリジウム,白金,金のうちの1種類あるいは複数
種類の元素を導入するので、上記a‐Si膜の結晶化を
効果的に促進することができる。
【0087】また、1実施例の半導体装置の製造方法
は、上記形成された結晶性シリコン膜上にゲッタリング
マスクを形成し、上記結晶性シリコン膜中にゲッタリン
グのための元素を添加し、熱処理によって上記触媒金属
をゲッタリングし、上記ゲッタリング後の結晶性シリコ
ン膜を上記活性領域として用いるので、上記CGSドメ
イン中の触媒金属を取り除くことができる。したがっ
て、作成される半導体装置におけるオフ動作時のリーク
電流の異常を無くして、高い信頼性を得ることができ
る。
【0088】また、1実施例の半導体装置の製造方法
は、上記a‐Si膜の結晶化の際における上記基板の加
熱温度を550℃以上且つ600℃以下にしたので、上
記a‐Si膜をCGSの結晶化が起る加熱温度で加熱す
ることができる。したがって、加熱部分にCGSドメイ
ンを効果的に形成することができる。
【0089】また、1実施例の半導体装置の製造方法
は、上記第1熱処理工程における加熱時間を0.5時間
以上且つ5時間以下とし、上記第2熱処理工程において
上記加熱部分を周囲に広げる速度を1μm/時間以上且つ
20μm/時間以下としたので、上記a‐Si膜の加熱部
分に一つのCGSドメインを安定して形成でき、その後
上記形成されたCGSドメインを安定して周囲に成長さ
せることができる。
【0090】また、1実施例の半導体装置の製造方法
は、上記第2熱処理温度を上記第1熱処理温度よりも高
める場合に、上記第1熱処理温度を550℃以上且つ6
00℃以下とし、上記第2熱処理温度を650℃以上且
つ1050℃以下とするので、CGSの結晶化が起る加
熱温度で効果的に形成されたCGSドメインを、速い速
度で周囲に拡大成長させることが可能になる。
【0091】また、1実施例の半導体装置の製造方法
は、上記第2熱処理温度を第1熱処理温度よりも高める
場合に、上記第1熱処理工程における加熱時間を0.5
時間以上且つ5時間以下とし、上記第2熱処理工程にお
いて上記加熱部分を周囲に広げる速度を20μm/時間以
上且つ600μm/時間以下とするので、上記a‐Si膜
の加熱部分に安定して形成された一つのCGSドメイン
を、速い速度で周囲に拡大成長させることができる。し
たがって、上記CGSドメイン成長に掛る時間を短縮す
ることができるのである。
【0092】また、第2の発明の半導体装置の製造装置
は、触媒金属が表面に導入されたa‐Si膜が形成され
ている基板を加熱する熱源と上記基板との間にシャッタ
を配置し、このシャッタに、上記基板の中心に対応する
位置の開口部を同心円状に開閉する開閉手段を設けたの
で、上記熱源によって上記基板を加熱する際に、上記開
閉手段によって、先ず、上記基板の中心部を所定の大き
さに開放することによって、上記非晶性シリコン膜の中
心部分のみを加熱してCGSドメインを形成できる。次
に、開口部を徐々に開放することによって、最初に形成
された上記CGSドメインを拡大成長できる。したがっ
て、上記基板全体に一つのCGSドメインを成長でき、
CGSドメイン境界が存在しない結晶性シリコン膜を形
成することができる。
【0093】また、第3の発明の半導体装置は、上記第
1の発明の半導体装置の製造方法によって形成されてい
るので、チャネル領域にはCGSドメイン境界は含まれ
ず、電気特性のばらつきが少ない。したがって、上記半
導体装置をアクティブマトリクス液晶表示装置の薄膜ト
ランジスタとすれば、各画素の液晶表示品位のばらつき
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の半導体装置としての薄膜トランジ
スタの製造方法における製造工程を示す断面図である。
【図2】 図1に続く製造工程を示す断面図である。
【図3】 図1の製造工程に用いる加熱装置の機能説明
図である。
【図4】 CGS成長時における触媒金属の存在位置の
説明図である。
【図5】 基板上CGSドメイン被服率の成長時間依存
性を示す図である。
【図6】 CGSドメイン成長速度の成長温度依存性を
示す図である。
【図7】 CGSドメイン成長時における基板の温度分
布およびCGSドメイン成長の時間経過を示す図であ
る。
【図8】 ドメインサイズのプラズマ処理時間依存性を
示す図である。
【図9】 図1と一部が異なる薄膜トランジスタの製造
方法における製造工程を示す断面図である。
【図10】 従来のCGS膜成長方法によるCGS膜成
長の様子を示す平面図図である。
【符号の説明】
11,41…石英基板、 12,42…α‐Si膜、 13,45…触媒金属元素(Ni元素)、 14…CGS膜、 15…ゲッタリングマスク、 16,44…開口部、 17…リンイオン、 18…リンイオン注入CGS膜、 19…酸化膜、 20a,20b…活性領域、 21…ゲート酸化膜、 22a,22b…ゲート電極、 23a,23b…ソース領域、 24a,24b…ドレイン領域、 25a,25b…チヤネル領域、 26…層間絶縁膜、 27a,27b…ソース電極、 28a,28b…ドレイン電極、 29…窒化膜、 31…結晶化したシリコン、 32…CGS成長端、 35…熱源、 36…シャッタ、 37…開口部、 43…レジスト。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F048 AC04 BA10 BA16 BE08 BG07 5F052 AA11 AA13 AA15 CA04 DA02 DB02 EA16 FA06 HA06 JA01 5F110 AA30 CC02 DD03 FF02 FF09 FF22 FF29 GG13 GG16 GG25 GG47 HJ01 PP01 PP13 PP23 PP29 PP34 QQ28

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に非晶質シリコン膜を形成する
    工程と、 上記非晶質シリコン膜上に、結晶化を促進させる触媒金
    属を導入する工程と、 上記基板の一部分のみを加熱して上記非晶質シリコン膜
    の結晶化を行い、加熱部分のみに結晶領域を形成する第
    1熱処理工程と、 引き続いて、上記加熱部分を徐々に周囲に広げて上記結
    晶化を行い、上記結晶領域を周囲に拡大する第2熱処理
    工程と、 形成された結晶性シリコン膜を活性領域として用いて半
    導体装置を形成する工程を備えたことを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記非晶質シリコン膜を形成する工程の後であって、上
    記触媒金属を導入する工程の前に、 上記非晶質シリコン膜上にレジスト膜を形成して、上記
    第1熱処理工程において加熱される部分のみを開口する
    ように上記レジスト膜をパターニングする工程と、 全面にプラズマ処理を行う工程を備えたことを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載の半導
    体装置の製造方法において、 上記第2熱処理工程における第2熱処理温度は、上記第
    1熱処理工程における第1熱処理温度よりも高いことを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    おいて、 上記第1熱処理工程時に上記非晶シリコン膜が加熱され
    る領域の外径は20ミクロン以上且つ200ミクロン以
    下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    おいて、 上記結晶化を促進させる触媒金属として、鉄,コバルト,
    ニッケル,銅,ルテニウム,ロジウム,パラジウム,オスミ
    ウム,イリジウム,白金,金のうちの1種類あるいは複数
    種類の元素を導入することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    おいて、 上記第2熱処理工程によって形成された結晶性シリコン
    膜上に、シリコンとは異なる材質のゲッタリングマスク
    を形成する工程と、 上記ゲッタリングマスクの開口部から上記結晶性シリコ
    ン膜中にゲッタリングのための元素を添加する工程と、 熱処理によって、上記ゲッタリングマスクの開口部に位
    置する上記結晶性シリコン膜に上記触媒金属をゲッタリ
    ングする工程を備えて、上記ゲッタリング後の結晶性シ
    リコン膜を上記活性領域として用いることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体装置の製造方法
    おいて、 上記ゲッタリング時における熱処理の温度は600℃以
    上且つ700℃以下であることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の半導体装置の製造方法
    おいて、 上記ゲッタリングのための元素として、窒素,リン,砒
    素,ボロン,アンチモン,ビスマスのうちの1種類あるい
    は複数種類の元素を添加することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    おいて、 上記非晶質シリコン膜の結晶化時における上記基板の加
    熱温度は550℃以上且つ600℃以下であることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の半導体装置の製造方
    法おいて、 上記第1熱処理工程における加熱時間は、0.5時間以
    上且つ5時間以下であり、 上記第2熱処理工程において、上記加熱部分を周囲に広
    げる速度は、1μm/時間以上且つ20μm/時間以下であ
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載の半導体装置の製造方
    法おいて、 上記プラズマ処理には、アルゴンあるいはクリプトン等
    の希ガス,酸素および窒素のうちの少なくとも一つを含
    むガスをプラズマ化させたものを用いることを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項2に記載の半導体装置の製造方
    法おいて、 上記レジスト膜をパターニングする際における上記開口
    部の大きさは1ミクロン以上且つ100ミクロン以下で
    あることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項3に記載の半導体装置の製造方
    法おいて、 上記第1熱処理温度は550℃以上且つ600℃以下で
    あり、 上記第2熱処理温度は650℃以上且つ1050℃以下
    であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項3に記載の半導体装置の製造方
    法おいて、 上記第1熱処理工程における加熱時間は、0.5時間以
    上且つ5時間以下であり、 上記第2熱処理工程において、上記加熱部分を周囲に広
    げる際の速度は、20μm/時間以上且つ600μm/時間
    以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至請求項3の何れか一つに
    記載の半導体装置の製造方法に用いられる半導体装置の
    製造装置であって、 上記触媒金属が表面に導入された非晶質シリコン膜が形
    成されている上記基板を、表面側あるいは裏面側から加
    熱する熱源と、 上記基板と熱源との間に配置されて上記熱源から上記基
    板への熱を遮蔽すると共に、上記基板の中心に対応する
    位置を中心とする円形の開口部を同心円状に開閉する開
    閉手段を有するシャッタを備えたことを特徴とする半導
    体装置の製造装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の半導体装置の製造
    装置において、 上記シャッタにおける開閉手段が上記開口部を開放する
    速度は、1μm/h以上且つ600μm/h以下であること
    を特徴とする半導体装置の製造装置。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至請求項3および請求項6
    の何れか一つに記載の半導体装置の製造方法によって形
    成されたことを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009135488A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Tera Semicon Corp シリコンの結晶化方法
CN101894867A (zh) * 2009-05-21 2010-11-24 索尼公司 薄膜晶体管、显示器和电子装置

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