JP2003100358A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

色素増感型太陽電池

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JP2003100358A JP2001288872A JP2001288872A JP2003100358A JP 2003100358 A JP2003100358 A JP 2003100358A JP 2001288872 A JP2001288872 A JP 2001288872A JP 2001288872 A JP2001288872 A JP 2001288872A JP 2003100358 A JP2003100358 A JP 2003100358A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機ガラスを基材とする光極側の基板に対する
密着性が高く、且つ、紫外線遮蔽効果に優れ、耐久性に
優れた紫外線遮蔽皮膜を有する色素増感型太陽電池を提
供する。 【解決手段】色素増感型太陽電池は、光極1と、光極1
に対して所定の間隔を隔てて設けられた導電性を有する
対極3と、光極1と対極3との間に封入された電荷輸送
層7とをもつ。光極1は、光透過性をもつ無機ガラスを
基材とする基板11と、基板11に積層された透明導電
層10と、透明導電層10に積層された半導体層13
と、半導体層13に担持された色素14とを有する。光
極1を構成する基板11には紫外線遮蔽皮膜5が積層さ
れている。紫外線遮蔽皮膜5は、紫外線吸収性官能基を
もつ樹脂と、樹脂及び基板11の密着性を高めるカップ
リング剤とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色素増感型太陽電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境保全、化石エネルギー資源の枯
渇等の問題に対し、太陽から無尽蔵に降り注ぐ自然光を
利用して発電する太陽電池が注目されてきている。現在
普及している太陽電池システムでは、結晶系シリコン太
陽電池が主流であり、一部アモルファスシリコン系太陽
電池が採用されている。しかしながら、これらシリコン
系太陽電池には、半導体シリコン原料の不足、エネルギ
ーペイバックができない、コストが高い等の問題を抱え
ている。こうした中、このような問題が少ない色素増感
型太陽電池が近年開発されている(特開平1ー2203
80等)。この色素増感型太陽電池は、1991年にス
イスのローザンヌ大学のグレッツェルらによって開発さ
れたものであり、グレッツェルセルとも呼ばれている。
【0003】この色素増感型太陽電池の基本的な構造
は、光極と、光極に対して所定の間隔を隔てて設けられ
た導電性を有する対極と、光極と対極との間に封入され
た電荷輸送層とをもつ。光極は、光透過性をもつ基板
と、基板に積層された透明導電層と、透明導電層に積層
されたn型の半導体層と、半導体層に担持された色素と
を有する。通常、光極の主要素である基板は、無機ガラ
スを基材としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで色素増感型太
陽電池においては、色素や電荷輸送層は一般的に有機物
で構成されていることが多いため、しばしば紫外線に対
する耐光性が問題となる。紫外線を遮蔽する方策として
は、基板となるガラスとして紫外線吸収ガラスを用いる
方法が考えられるが、紫外線吸収ガラスは高価であり、
色素増感型太陽電池のコストアップを誘発する。また紫
外線を遮蔽する方策としては、光極を構成する基板とな
るガラスに有機系の紫外線遮蔽皮膜を積層する方策も考
えられる。
【0005】有機系の紫外線遮蔽皮膜は、樹脂系の塗布
液の塗布、乾燥により形成できるため比較的安価に製造
できる。この有機系の紫外線遮蔽皮膜は、樹脂を基材と
する皮膜に有機系の紫外線吸収剤または無機系の紫外線
吸収剤が含まれているものであり、高温領域に加熱する
熱処理が不要となるため、コスト低廉化に有利である。
【0006】しかしながら、屋外に直接さらされる状態
で使用される頻度が高い色素増感型太陽電池では、重要
構成要素である色素や電荷輸送層は前述したように有機
物で構成されていることが多いため、しばしば紫外線に
対する耐光性が課題になる。一般に有機物は、太陽光線
の紫外線の影響を受けて劣化する。紫外線とは400n
m以下の電磁波のことであり、そのうち290〜400
nmの紫外線が地表に到達すると言われている。この紫
外線を有機物が吸収すると光化学反応により、分子結合
の切断、新しい結合の生成等の光酸化劣化が起こる。
【0007】更に色素増感型太陽電池では、光極の半導
体層は酸化チタン等のペーストを基板に塗布した後に高
温領域に加熱して焼成することにより形成されている。
このため焼成温度を考慮すると、光極の基板としては有
機ガラスではなく、無機ガラスを使用せざるを得ない。
この場合、紫外線遮蔽皮膜の基材である樹脂と無機ガラ
スとの密着性は、必ずしも十分ではない。殊に、紫外線
遮蔽皮膜の基材がアクリル樹脂である場合には、アクリ
ル樹脂と無機ガラスとの密着性が必ずしも十分ではない
ため、紫外線遮蔽皮膜の剥離などのおそれもある。
【0008】また、色素増感型太陽電池の用途によって
は、耐傷付き性、表面における光反射性、埃付着性が問
題となる。傷付きが激しいと、色素増感型太陽電池の寿
命に影響を与える。表面における光反射性が高いと、色
素増感型太陽電池が眩しい感じを与え易い。埃付着が激
しいと、入射光の光量が制約され、色素増感型太陽電池
の発電性能に影響を与える。
【0009】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、第1発明及び第2発明は、無機ガラスを基材と
する光極側の基板に対する密着性が高く、且つ、紫外線
遮蔽効果に優れ、耐久性に優れた紫外線遮蔽皮膜を有す
る色素増感型太陽電池を提供することを課題とする。
【0010】更に紫外線遮蔽皮膜が潤滑硬質微粒子を含
む場合には、耐傷付き性を改善できる色素増感型太陽電
池を提供することを課題とする。更に紫外線遮蔽皮膜が
光散乱粒子を含む場合には、光反射性を抑えた色素増感
型太陽電池を提供することを課題とする。更に紫外線遮
蔽皮膜が導電物質を含む場合には、埃付着防止性を改善
できる色素増感型太陽電池を提供することを課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る色素増感
型太陽電池は、光透過性をもつ無機ガラスを基材とする
基板と、基板に積層された透明導電層と、透明導電層に
積層された半導体層と、半導体層に担持された色素とを
有する光極と、光極に対して所定の間隔を隔てて設けら
れた導電性を有する対極と、光極と対極との間に封入さ
れた電荷輸送層とをもつ色素増感型太陽電池において、
光極を構成する基板には、紫外線吸収性官能基をもつ樹
脂と、樹脂及び基板の密着性を高めるカップリング剤と
を含む紫外線遮蔽皮膜が積層されていることを特徴とす
るものである。
【0012】第2発明に係る色素増感型太陽電池は、光
透過性をもつ無機ガラスを基材とする基板と、基板に積
層された透明導電層と、透明導電層に積層された半導体
層と、半導体層に担持された色素とを有する光極と、光
極に対して所定の間隔を隔てて設けられた導電性を有す
る対極と、光極と対極との間に封入された電荷輸送層と
をもつ色素増感型太陽電池において、光極を構成する基
板には、紫外線吸収特性をもつ紫外線吸収微粒子と、樹
脂と、樹脂及び基板の密着性を高めるカップリング剤と
を含む紫外線遮蔽皮膜が積層されていることを特徴とす
るものである。
【0013】第1発明及び第2発明に係る色素増感型太
陽電池によれば、光極を構成する基板には紫外線遮蔽皮
膜が積層されているため、色素等の有機物が紫外線から
保護される。更に紫外線遮蔽皮膜は、紫外線遮蔽皮膜の
基材である樹脂及び光極の基板の密着性を高めるカップ
リング剤を含むため、光極の基板と紫外線遮蔽皮膜との
密着性が確保されている。
【0014】
【発明の実施の形態】第1発明及び第2発明に係る色素
増感型太陽電池によれば、次の実施形態を必要に応じて
採用することができる。
【0015】・色素増感型太陽電池における光極は、光
透過性をもつ無機ガラスを基材とする基板と、基板に積
層された透明導電層と、透明導電層に積層された半導体
層と、半導体層に担持された色素とを有する。基板は無
機ガラスで形成されている。基板に積層される半導体層
は、高温領域(一般的には400〜500℃)で焼成し
て形成されることが多いため、有機ガラスでは熱的問題
があり、そこで基板として無機ガラスが採用されてい
る。光極の基板となる無機ガラスについては、透光性を
有するものであれば、特に材質等の限定はないが、コス
ト面を考慮するとソーダガラスが好ましい。対極側の基
板としては、ソーダガラスでもよいし、カーボンでも良
い。透明導電層としてはITO、酸化錫等を例示でき
る。半導体層としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニ
オブ、酸化錫等のn型の酸化物半導体を用いることがで
きる。
【0016】・色素増感型太陽電池における色素は、光
照射により自由電子が発生し、光エネルギーを電気エネ
ルギーに変換する役割をもつものである。代表的な色素
としては、ルテニウム系金属錯体、オスニウム系金属錯
体、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、
キサンテン系色素等の少なくとも1種を採用することが
でき、通常、ルテニウム系金属錯体が用いられている。
【0017】・色素増感型太陽電池における電荷輸送層
は光極と対極との間に封入されており、色素で発生した
自由電子が半導体層に注入された後、色素に発生したホ
ールに電子を供給する役割をもつ。この電荷輸送層に
は、電解液、ゲル電解質、固体電解質等を用いることが
できる。この電解液の溶媒としてアセトニトリル、メト
キシアセトニトリル、プロピオニトリル、プロピレンカ
ーボネート、γ−ブチロラクトン等の少なくとも1種の
有機溶媒を用いることができ、電解液の電解質にはハロ
ゲン系酸化還元種、例えばヨウ素系酸化還元種、ブロム
系酸化還元種、塩素系酸化還元種等を用いることができ
る。
【0018】・光極を構成する基板には、紫外線遮蔽皮
膜が積層されている。紫外線遮蔽皮膜の厚みとしては、
紫外線透過率、成膜性等を考慮し、一般的には、1〜1
00μm、1〜50μmとすることができ、殊に1〜3
0μm、5〜15μmにすることができるが、これらに
限定されるものではない。第1発明に係る色素増感型太
陽電池によれば、紫外線遮蔽皮膜は、紫外線吸収性官能
基をもつ樹脂と、樹脂及び基板の密着性を高めるカップ
リング剤とを含む。紫外線遮蔽皮膜の基材となる樹脂と
しては、アクリル系、フッ素系、シリコーン系が考えら
れるが、コスト、廃棄物処理等を考慮するとアクリル系
が優位である。この場合、紫外線吸収性官能基をもつア
クリル樹脂が用いられる。紫外線吸収性官能基をもつア
クリル樹脂とは、アクリル樹脂の骨格に有機系の紫外線
吸収剤が化学結合しているものである。代表的な有機系
の紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリ
アジン系、ベンゾフェノン系があるが、光吸収特性およ
びアクリル樹脂との結合性を考慮すると、ベンゾトリア
ゾール系が好ましい。
【0019】・光極の基板となる無機ガラスと、紫外線
遮蔽皮膜の基材とである樹脂とは親和性は、必ずしも高
いものではない。カップリング剤は、光極の基板となる
無機ガラスと、紫外線遮蔽皮膜の基材である樹脂との密
着性を高めるものであり、無機ガラスの表面とアクリル
樹脂等の樹脂との密着性を向上させるのに効果がある。
カップリング剤は、一般的には、有機物と結合する有機
官能基と、無機物と反応する加水分解性基とを分子中に
有している。有機官能基としては、エポキシ基、アミノ
基、ビニル基、メタクリロキシ基、メルカプト基等が例
示され、特にエポキシ基が好ましい。加水分解性基とし
てはアルコキシ基、アセトキシ基が例示される。代表的
なカップリング剤としてはシラン系カップリング剤があ
る。シラン系カップリング剤の具体例として、エポキシ
基系では、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン等があり、アミノ基系では、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルト
リメトキシシラン等があり、ビニル基系では、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルエトキシシラン等、メタクリ
ロキシ基系では、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン等があり、メルカプト基系では、3−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン等がある。 場合によってはチタン
系カップリング剤でも良い。カップリング剤による密着
力向上のメカニズムは次のようである。即ち、カップリ
ング剤のアルコキシル基等の加水分解性基が加水分解を
受け、ガラス表面と結合をつくる一方、有機官能基がア
クリル樹脂等の樹脂と反応することによって、お互いを
強固に結合させる。
【0020】光極の基板を構成する無機ガラスの表面と
アクリル等の樹脂との密着性の確保等を考慮すると、カ
ップリング剤の添加量としては、外付け%では、樹脂成
分に対して0.05重量%〜30重量%、0.1重量%
〜25重量%、殊に0.1重量%〜20重量%、1重量
%〜15重量%が好ましい。上記樹脂成分としては、紫
外線吸収性官能基を有する場合には、紫外線吸収性官能
基を有する樹脂とする。『外付け%』で0.1%添加す
るとは、樹脂成分100%に対して0.1重量%添加す
ることをいい、全体で100.1%となることと定義す
る。従って『外付け%』は重量部に相当する。
【0021】またカップリング剤の添加量としては、内
付け%では、一般的には、0.05重量%〜23重量
%、0.1重量%〜20重量%、殊に0.1重量%〜1
7重量%、1.0重量%〜13重量%とする実施形態を
採用することもできる。『内付け%』で0.1%添加す
るとは、樹脂、カップリング剤等を含む紫外線遮蔽皮膜
の全体を100%としたとき、100%内において0.
1重量%含まれていることと定義する。カップリング剤
の添加量が過剰であれば、紫外線吸収性官能基をもつ樹
脂の割合が相対的に減少するため、満足できる紫外線遮
蔽効果が得られにくい。カップリング剤の添加量が過少
であれば、紫外線吸収性官能基をもつ樹脂と、基板とな
るガラスとの密着性が低下するおそれがある。
【0022】・前記したように、光極を構成する基板に
は、紫外線遮蔽皮膜が積層されている。第2発明に係る
色素増感型太陽電池によれば、光極を構成する基板に
は、紫外線吸収特性をもつ紫外線吸収微粒子と、樹脂
と、樹脂及び基板の密着性を高めるカップリング剤とを
含む。第2発明に係る樹脂としては、紫外線吸収性官能
基を有する樹脂を採用できるが、場合によっては、紫外
線吸収性官能基を有しない樹脂でも良い。紫外線吸収特
性をもつ紫外線吸収微粒子とは、半導体のエネルギーバ
ンドギャップによる光吸収特性を利用して紫外線を吸収
する粒子であり、例えば、酸化セリウム、酸化チタン
(アナターゼ型、ルチル型を含む)、酸化亜鉛、酸化鉄
等の少なくとも1種を含む金属酸化物微粒子を用いるこ
とができる。これら金属酸化物微粒子等の紫外線吸収微
粒子の平均粒子径としては、1nm〜100nm、2n
m〜50nm、殊に2nm〜20nmが好ましいが、こ
れらに限定されるものではない。紫外線吸収特性をもつ
紫外線吸収微粒子の添加量としては、外付け%で、樹脂
成分に対して0.05重量%〜20重量%、0.1重量
%〜15重量%、殊に0.1重量%〜10重量%、0.
5重量%〜5重量%が好ましい。ここで上記樹脂成分と
しては、紫外線吸収性官能基を有する場合には、紫外線
吸収性官能基を有する樹脂成分とする。
【0023】また場合によっては、紫外線吸収微粒子の
添加量としては、内付け%では、樹脂、カップリング
剤、紫外線吸収微粒子等を含む紫外線遮蔽皮膜の全体を
100%としたとき、一般的には、0.05重量%〜1
7重量%、0.1重量%〜13重量%、殊に0.1重量
%〜9重量%、0.5重量%〜5重量%とする実施形態
を採用することもできる。紫外線吸収微粒子の添加量が
過剰であれば、カップリング剤の添加量が相対的に減少
するため、紫外線遮蔽皮膜の基材である樹脂と、光極の
基板となるガラスとの密着性が低下するおそれがある。
紫外線吸収微粒子の添加量が過少であれば、満足できる
紫外線遮蔽効果が得られにくい。
【0024】・上記した紫外線遮蔽皮膜は、第1発明で
は、紫外線吸収性官能基をもつアクリル系樹脂等の樹
脂、溶媒、シラン系カップリング剤等のカップリング剤
を主要成分とする塗布液を用い、基板となるガラスに塗
布液を塗布し、固化させることにより形成することがで
きる。
【0025】また上記した紫外線遮蔽皮膜は、第2発明
では、紫外線吸収特性をもつ金属酸化物微粒子等の紫外
線吸収微粒子、アクリル系樹脂等の樹脂(紫外線吸収性
官能基を有する樹脂でも良いし、紫外線吸収性官能基を
有しない樹脂でも良い)、有機溶媒等の溶媒、シラン系
カップリング剤等のカップリング剤を主要成分とする塗
布液を用い、基板となるガラスに塗布液を塗布し、固化
させることにより形成することができる。
【0026】・塗布液における溶媒としては、上記アク
リル系樹脂等の樹脂とシラン系カップリング剤等のカッ
プリング剤との相溶性が良好であればよく、一般の塗装
等に用いられる有機溶剤を採用することができる。例え
ば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エ
チル等がある。溶媒量は特に限定はなく、各コーティン
グ方法に適した粘度で使用することができる。コーティ
ング方法としては、スプレー法、バーコート法、ドクタ
ーブレード法、スクリーン印刷法、ディップ法、スピン
コート法等の一般的な塗布法を用いることができる。コ
ーティング後、皮膜効果を促進するために、必要に応じ
て、加熱処理することも可能である。加熱処理温度とし
ては、色素増感型太陽電池の熱劣化が起きない程度の温
度であり、望ましくは100℃以下、80℃以下が好ま
しい。形成した紫外線遮蔽皮膜の厚みは適宜選択できる
ものの、0.5μm〜100μm、0.5μm〜50μ
m、殊に3μm〜15μmを採用することができる。上
記したように塗布液を、光極の基板となるガラスに塗布
し、固化させて紫外線遮蔽皮膜を形成することにより、
電池の製造工程中に、電極への不純物混入の恐れがな
く、色素および電解液等による紫外線遮蔽皮膜の汚染も
防止できる。
【0027】・紫外線遮蔽皮膜は二酸化シリコン微粒子
等の潤滑硬質微粒子を含む実施形態をことができる。二
酸化シリコン微粒子等の潤滑硬質微粒子を含む紫外線遮
蔽皮膜では、内部の二酸化シリコン微粒子等の潤滑硬質
微粒子の効果により、紫外線遮蔽皮膜の表面の滑り性が
良くなり、紫外線遮蔽皮膜の耐傷付き性が向上し、紫外
線遮蔽皮膜の表面が汚れにくくなり、付いた汚れも取れ
やすくなるといった効果を付与することができる。上記
した効果の確保等を考慮すると、潤滑硬質微粒子の平均
粒子径としては、1nm〜100nm、1nm〜50n
m、殊に2nm〜20nmが好ましい。上記した効果の
確保等を考慮すると、二酸化シリコン微粒子等の潤滑硬
質微粒子の添加量としては、外付け%で、樹脂成分に対
して0.05重量%〜20重量%、0.1重量%〜10
重量%、殊に0.5重量%〜5重量%が好ましい。ここ
で上記した樹脂成分としては、紫外線吸収性官能基を有
する場合には、紫外線吸収性官能基を有する樹脂とす
る。
【0028】また場合によっては、潤滑硬質微粒子の添
加量としては、紫外線遮蔽皮膜の全体を100%とした
とき、内付け%で、一般的には、0.05重量%〜17
重量%、0.1重量%〜9重量%、殊に0.5重量%〜
5重量%とする実施形態を採用することもできる。
【0029】二酸化シリコン微粒子等の潤滑硬質微粒子
の添加量が過剰であれば、紫外線吸収性官能基をもつ樹
脂や紫外線吸収微粒子の割合が相対的に減少するため、
満足できる紫外線遮蔽効果が得られにくい。二酸化シリ
コン微粒子等の硬質微粒子の添加量が過少であれば、紫
外線遮蔽皮膜の表面の滑り性、紫外線遮蔽皮膜の耐傷付
き性、紫外線遮蔽皮膜における表面汚損防止性が低下す
るおそれがある。二酸化シリコン微粒子等の潤滑硬質微
粒子を紫外線遮蔽皮膜に配合する場合には、前記した塗
布液に、二酸化シリコン微粒子等の硬質微粒子を分散さ
せることができる。
【0030】・紫外線遮蔽皮膜は、光散乱性を有する光
散乱粒子を含む実施形態を採用することができる。紫外
線遮蔽皮膜が光散乱粒子を含む場合には、紫外線遮蔽皮
膜の内部の光散乱粒子の効果により、太陽や照明器具の
反射光を色素増感型太陽電池の表面上で散乱させるた
め、色素増感型太陽電池の表面における眩しさを低減す
る効果がある。光散乱性を有する光散乱粒子としては、
光散乱性を有する二酸化シリコン微粒子及び酸化チタン
の少なくとも1種を採用することができる。光散乱粒子
の平均粒子径としては、光散乱性等を考慮すると、5n
m〜1000nm、5nm〜500nm、殊に20nm
〜200nmが好ましい。
【0031】上記した光散乱粒子による効果の確保を考
慮すると、光散乱粒子の添加量としては、外付け%で、
樹脂成分に対して0.05重量%〜20重量%、0.1
重量%〜10重量%、0.5重量%〜5重量%が好まし
い。ここで上記した樹脂成分としては、紫外線吸収性官
能基を有する場合には、紫外線吸収性官能基を有する樹
脂成分とする。
【0032】また場合によっては、光散乱粒子の添加量
としては、樹脂、光散乱粒子、カップリング剤等を含む
紫外線遮蔽皮膜の全体を100%とすると、内付け%
で、一般的には、0.05重量%〜17重量%、殊に
0.1重量%〜9重量%、0.5重量%〜5重量%とす
る実施形態を採用することもできる。
【0033】光散乱粒子の添加量が過剰であれば、紫外
線吸収性官能基をもつ樹脂や紫外線吸収微粒子の割合が
相対的に減少するため、満足できる紫外線遮蔽効果が得
られにくい。光散乱粒子の添加量が過少であれば、光散
乱性が低下し、太陽や照明器具の反射光を色素増感型太
陽電池の表面上で散乱させにくくなり、色素増感型太陽
電池の表面における眩しさを感じやすくなる。光散乱粒
子を添加する場合には、上記した塗布液に光散乱粒子に
配合することが好ましい。
【0034】・紫外線遮蔽皮膜は導電性物質を含む実施
形態を採用することができる。この場合、紫外線遮蔽皮
膜に含まれている導電性物質による帯電防止効果によ
り、紫外線遮蔽皮膜における静電気の帯電を抑制でき、
静電気に起因する埃等の付着を抑制でき、色素増感型太
陽電池への入射光の光量を確保するのに有利となる。
【0035】紫外線遮蔽皮膜の表面抵抗率としては適宜
選択でき、帯電防止効果の確保等を考慮すると、103
Ω/□〜1012Ω/□、殊に105Ω/□〜1011Ω/
□を採用することができるが、これに限定されるもので
はない。導電性物質としては、導電性を有する金属酸化
物微粒子、金属粒子が挙げられ、ITO、アンチモンド
ープ酸化錫、および、これらが被覆された金属酸化物微
粒子の少なくとも1種を採用することができる。導電性
物質が粒状である場合には、平均粒子径としては、導電
性の確保、紫外線遮蔽皮膜に埋設すること等を考慮する
と、1nm〜1000nm、2nm〜500nm、2n
m〜200nmが好ましい。
【0036】導電性の確保、紫外線遮蔽皮膜に埋設する
こと等を考慮すると、導電性物質の添加量としては、外
付け%で、樹脂成分に対して1重量%〜100重量%、
20重量%〜80重量%、殊に50重量%〜80重量%
が好ましい。ここで上記樹脂成分としては、紫外線吸収
性官能基を有する場合には、紫外線吸収性官能基を有す
る樹脂とする。
【0037】また場合によっては、導電性物質の添加量
としては、紫外線遮蔽皮膜の全体を100%とすると、
内付け%で、一般的には、1重量%〜50重量%、16
重量%〜45重量%、殊に33重量%〜45重量%とす
る実施形態を採用することもできる。
【0038】導電性物質の添加量が過剰であれば、紫外
線吸収性官能基をもつ樹脂や紫外線吸収微粒子の割合が
相対的に減少するため、満足できる紫外線遮蔽効果が得
られにくい。導電性物質の添加量が過少であれば、帯電
防止効果が低減する。導電性物質を紫外線遮蔽皮膜に配
合する場合には、上記した塗布液に、導電性金属酸化物
微粒子等の導電物質を分散させることができる。
【0039】
【実施例】(実施例1)以下、本発明に係る実施例1に
ついて説明する。本実施例に係る色素増感型太陽電池
は、図1にその模式図を示すように、透光性を有する光
極1と、光極1に対して所定の間隔を隔てて設けられた
導電性を有する対極3と、光極1と前記対極3との間に
封入された電荷輸送層7とをもつ。光極1は、光透過性
をもつ透明な無機ガラスを基材とする第1基板11を用
いて構成されている。第1基板11は、光入射側の表面
11aと、光入射側の表面11aに背向する背向面11
bとをもつ。第1基板11の背向面11bには第1透明
導電層10(厚み:1.0μm)が積層されている。更
に光極1は、第1基板11の第1透明導電層10に積層
されたn型の半導体層13と、半導体層13に担持され
た色素14とを有する。光極1を構成する第1基板11
のうち第1透明導電層10と反対側に位置する光入射側
の表面11aには、紫外線遮蔽皮膜5が積層されてい
る。紫外線遮蔽皮膜5は、紫外線吸収性をもつアクリル
樹脂と、アクリル樹脂及び第1基板11の密着性を高め
るシランカップリング剤とを含む。
【0040】本実施例に係る色素増感型太陽電池の製造
過程について説明する。まず、光極1(アノード電極)
の作成方法を説明する。透明導電性を有する第1基板1
1を用意した。この第1基板11は、透明な無機ガラス
(材質:ソーダカラス,厚み:1.8mm)で形成され
た透明ガラス板と、透明ガラス板の背向面11bに積層
された第1透明導電層10とで形成されている。第1透
明導電層10はフッ素がドープされた酸化錫の薄膜で形
成されている。
【0041】そして、第1基板11のうち第1透明導電
層10が積層された側に、アナターゼ型の酸化チタン層
(厚み:10μm)で形成されたn型の半導体層13を
積層させた。この場合、アナターゼ型の酸化チタン微粒
子(デグサ社製,P25)を主原料としたペーストを用
い、このペーストをスクリーン印刷で第1基板11の第
1透明導電層10の上に成膜し、その後、高温領域(約
450℃)でペーストを所定時間(一般的には1時間)
焼成することにより作成した。
【0042】次に、上記したように半導体層13を積層
した第1基板11ごと、ルテニウム金属錯体を主要成分
とする溶液(溶媒:エタノール)に浸漬した。浸漬した
状態で室温において4日間放置し、色素14として機能
するルテニウム金属錯体を半導体層13である酸化チタ
ン層に担持させた。このような方法で、光極1(アノー
ド極)を作成した。
【0043】次に、対極3の作成方法を説明する。対極
3用の導電基材として、光極1(アノード極)の第1基
板11と同様の第2基板31を準備した。この第2基板
31は、第1基板11と同様に、透明な無機ガラス(材
質:ソーダカラス,厚み:1.8mm)で形成された透
明ガラス板で構成されており、背向面31bには第2透
明導電層30が積層されている。第2基板31の一部に
これを厚み方向に貫通するように電解液注入用の注入口
31c(直径1mm)をドリルにて作成した。
【0044】次に、第2基板31の第2透明導電層30
に、触媒微粒子33(白金触媒)を担持させた。担持方
法は、白金溶液をスプレー法で第2基板31の第2透明
導電層30に塗布し、その後焼成温度(約400℃)で
焼成した。このような方法で対極3を作成した。
【0045】これら光極1(アノード極)と対極3とを
向かい合わせた状態で、光極1(アノード極)と対極3
とを貼り合わせた。貼り合わせは、対極3を構成する第
2基板31の外周部に接着剤(エポキシ接着剤)をシー
ル部40として塗布し、上から光極1(アノード極)を
貼り合せ、シール部40を硬化温度(約80℃)に加熱
して接着剤を硬化させ、シール部40を形成した。
【0046】次に、これらの光極1と対極3との隙間に
電解質相(ヨウ素系有機電解液)を第2基板31の注入
口31cから注入した。注入方法は、注入口31cを電
解質相(ヨウ素系有機電解液)に浸漬させた状態で真空
引きすることにより、光極1と対極3との隙間の空気が
抜け、ゆっくり大気圧状態に戻すことにより、電解質相
(ヨウ素系有機電解液)が前記隙間に注入される。注入
した後、第2基板31の注入口31cを熱溶着フィルム
31fで封止し、電解質相(ヨウ素系有機電解液)を光
極1と対極3との隙間に封入し、これにより電荷輸送層
7を構成した。上記した方法で色素増感型太陽電池の電
池本体を作成した。
【0047】そして、上記した色素増感型太陽電池の電
池本体の光極1の第1基板11の光入射側の表面11a
に紫外線遮蔽皮膜5を下記方法で作成した。この場合、
ベンゾトリアゾール基(紫外線吸収剤)をもつアクリル
樹脂((株)日本触媒製,UV−G13)が酢酸エチル
(溶媒)に溶解した溶液を用いた。そして、ベンゾトリ
アゾール基を有する樹脂成分に対して、エポキシ基付き
シランカップリング剤(チッソ(株)社製,S510)
をこの溶液に混合した。この場合、エポキシ基付きシラ
ンカップリング剤は、外付け%で、ベンゾトリアゾール
基を有する樹脂成分に対して5重量%配合されている。
この溶液を室温で1時間攪拌することにより塗布液とし
た。
【0048】この塗布液をバーコーターで上記電池本体
の光極1の第1基板11のうち第1透明導電層10と反
対側の表面11aに塗布した。そして室温で溶媒を蒸発
させた後、所定温度(80℃)で1時間加熱し、紫外線
遮蔽皮膜5を硬化させた。このようにして色素増感型太
陽電池を製造した。第1基板11のガラス本体の表面1
1aに形成した紫外線遮蔽皮膜5の厚みは、約5μmで
ある。
【0049】上記した配合割合は外付け%で示している
が、外付け%からの計算に基づいて、内付け%で示す
と、アクリル樹脂、エポキシ基付きシランカップリング
剤を含む紫外線遮蔽皮膜5の全体を100%としたと
き、エポキシ基付きシランカップリング剤は4.8重量
%含まれている。シランカップリング剤は、光極1の第
1基板11となる無機ガラスと、紫外線遮蔽皮膜5の基
材である樹脂との密着性を高めるものであり、無機ガラ
スの表面とアクリル樹脂との密着性を向上させるのに効
果がある。図2に示すように、シランカップリング剤
は、シリコン元素と、有機物と結合する有機官能基であ
るエポキシ基と、無機物と反応する加水分解性基である
アルコキシル基とを一分子中に有している。アルコキシ
ル基が加水分解を受けガラス表面と結合をつくる一方、
有機官能基であるエポキシ基がアクリル樹脂と反応する
ことによって、お互いを強固に結合させる。これにより
紫外線遮蔽皮膜5の基材であるアクリル樹脂と、第1基
板11の基材である無機ガラスとの密着性が改善され
る。
【0050】上記のようにして形成した紫外線遮蔽皮膜
5について、耐紫外線試験、耐湿試験、耐煮沸試験を行
い、紫外線遮蔽皮膜5の密着性を評価した。また、この
紫外線遮蔽皮膜5を積層した色素増感型太陽電池につい
て屋外放置試験を行い、色素増感型太陽電池の外観およ
び性能を評価した。紫外線照射試験においては、メタル
ハイライドランプを光源として用い、紫外線強度60m
w/cm2 で100時間、紫外線遮蔽皮膜5に向けて照
射した。耐湿試験においては、85℃で95%RH(湿
度)の恒温槽内で100時間放置した。耐煮沸試験にお
いては、煮沸しているイオン交換水中に紫外線遮蔽皮膜
5を2時間放置した。上記した紫外線照射試験及び屋外
放置試験では紫外線遮蔽皮膜5を積層した電池を用い
た。耐湿試験及び耐煮沸試験では基板(ソーダガラス)
に紫外線遮蔽皮膜5を積層したモデル試験片を用いた。
試験結果によれば、上記のように作成した紫外線遮蔽皮
膜5は各試験において、良好なる密着性を確保してい
た。また屋外放置試験においても、紫外線遮蔽皮膜5に
よる紫外線遮蔽効果が良好に維持されており、色素増感
型太陽電池の性能の維持率が確保されていた。
【0051】(比較例)比較例では、実施例1の場合と
同様に色素増感型太陽電池の電池本体を作成し、紫外線
遮蔽皮膜5を下記方法で電池本体に積層した。即ちベン
ゾトリアゾール基をもつアクリル樹脂を酢酸エチル(溶
媒)に溶解した溶液を塗布液とし、この塗布液をバーコ
ーターで上記電池本体の光極1の第1基板11のうち第
1透明導電層10と反対側の表面11aに塗布した。そ
して、室温で溶媒を蒸発させた後、所定温度(80℃)
で1時間加熱し、紫外線遮蔽皮膜を形成した。上記のよ
うにして色素増感型太陽電池を製造する。
【0052】比較例では、紫外線遮蔽皮膜の配合は実施
例1と同様としたが、シランカップリング剤は含まれて
いない点が異なる。上記のように作成した比較例に係る
紫外線遮蔽皮膜について、耐紫外線照射試験、耐湿試
験、耐煮沸試験を実施例1の場合と同様に実施した。試
験結果によれば、上記のように作成した比較例に係る紫
外線遮蔽皮膜は各試験において密着性が充分ではなかっ
た。殊に、耐湿試験、耐煮沸試験によれば、紫外線遮蔽
皮膜の剥離が発生した。
【0053】(実施例2)本発明に係る実施例2によれ
ば、基本的には実施例1の場合と同様に色素増感型太陽
電池の電池本体を作成した。そして、電池本体の光極1
の第1基板11の表面11aに紫外線遮蔽皮膜5を下記
方法で作成した。即ち、アクリル樹脂が酢酸エチル(溶
媒)に溶解した溶液に酸化セリウム微粒子(紫外線吸微
粒子;平均粒子径8nm;多木化学(株)社製,W−0
0)、エポキシ基付きシランカップリング剤を配合し
た。実施例2に係るアクリル樹脂は、紫外線吸収性官能
基であるベンゾトリアゾール基を有する。酸化セリウム
微粒子は、紫外線遮吸収特性をもつ紫外線吸収微粒子と
して機能することができる。この場合ベンゾトリアゾー
ル基を有するアクリル樹脂に対して、酸化セリウム微粒
子を外付け%で2重量%、エポキシ基付きシランカップ
リング剤を外付け%で3重量%を配合した。そしてこれ
らを超音波分散機で混合し、塗布液とした。この塗布液
をバーコーターで電池本体の光極1の第1基板11のう
ち第1透明導電層10と反対側の光入射側に位置する表
面11aに塗布した。そして、所定温度(80℃)で1
時間の加熱し、紫外線遮蔽皮膜5を形成した。第1基板
11の表面11aに形成した紫外線遮蔽皮膜5の厚み
は、約5μmであった。
【0054】図3は実施例2に係る紫外線遮蔽皮膜5の
状況を模式的に示す。紫外線遮蔽皮膜5の内部には酸化
セリウム微粒子が分散されて埋設されている。
【0055】上記した配合割合は外付け%で示している
が、外付け%からの計算に基づいて、内付け%で示す
と、アクリル樹脂、酸化セリウム微粒子、エポキシ基付
きシランカップリング剤を含む紫外線遮蔽皮膜5の全体
を100%としたとき、酸化セリウム微粒子は1.9重
量%含まれており、エポキシ基付きシランカップリング
剤は2.9重量%含まれている。
【0056】上記のように作成した紫外線遮蔽皮膜5に
ついて、実施例1の場合と同様に耐紫外線試験、耐湿試
験、耐煮沸試験を実施した。また、この紫外線遮蔽皮膜
5を用いた太陽電池について屋外放置試験を実施した。
上記した紫外線照射試験及び屋外放置試験では紫外線遮
蔽皮膜5を積層した電池を用いた。耐湿試験及び耐煮沸
試験では基板(ソーダガラス)に紫外線遮蔽皮膜5を積
層したモデル試験片を用いた。試験結果によれば、上記
のように作成した紫外線遮蔽皮膜5は各試験において、
良好なる密着性を確保していた。また屋外放置試験にお
いても、紫外線遮蔽皮膜5による紫外線遮蔽効果が良好
に維持されており、色素増感型太陽電池の電池性能の維
持率が確保された。
【0057】(実施例3)本発明に係る実施例3によれ
ば、実施例1の場合と同様に色素増感型太陽電池の電池
本体を作成し、紫外線遮蔽皮膜5を下記方法で電池本体
に積層した。
【0058】紫外線遮蔽効果がある官能基(ベンゾトリ
アゾール基)をもつアクリル樹脂が酢酸エチル(溶媒)
に溶解した溶液に、粒径が小さな二酸化シリコン微粒子
(潤滑硬質微粒子;平均粒子径12nm;日本アエロジ
ル(株)社製,AEROSIL 200)、エポキシ基
付きシランカップリング剤を配合する。この場合、紫外
線遮蔽効果がある官能基をもつアクリル樹脂に対して、
二酸化シリコン微粒子を外付け%で2重量%、エポキシ
基付きシランカップリング剤を外付け%で2重量%配合
する。そしてこれを超音波分散機で混合し、塗布液とし
た。この塗布液をバーコーターで電池本体の光極1の第
1基板11のうち第1透明導電層10と反対側の表面1
1aに塗布し、室温で溶媒を蒸発させた後、所定温度
(80℃)で1時間加熱し、紫外線遮蔽皮膜5とした。
紫外線遮蔽皮膜5の厚みは5μmであった。
【0059】上記した割合は外付け%で示しているが、
外付け%からの計算に基づいて、内付け%で示すと、ア
クリル樹脂、二酸化シリコン微粒子、エポキシ基付きシ
ランカップリング剤を含む紫外線遮蔽皮膜5の全体を1
00%としたとき、二酸化シリコン微粒子は1.8重量
%含まれており、エポキシ基付きシランカップリング剤
は7.3重量%含まれている。
【0060】図4は実施例3に係る紫外線遮蔽皮膜5の
状況を模式的に示す。紫外線遮蔽皮膜5の内部には二酸
化シリコン微粒子(潤滑硬質粒子)が分散されて埋設さ
れている。
【0061】上記のように形成した紫外線遮蔽皮膜5の
ヘーズ(JIS−K7105)は5%以下であった。こ
のように形成した紫外線遮蔽皮膜5については、乾燥布
で強く擦っても、二酸化シリコンの微粒子の影響で紫外
線遮蔽皮膜5に傷が入ることも抑制でき、耐傷付き性が
大いに向上していた。更に上記のように作成した紫外線
遮蔽皮膜5について、耐紫外線照射試験、耐湿試験、耐
煮沸試験を実施例1の場合と同様に実施した。紫外線照
射試験及び屋外放置試験では紫外線遮蔽皮膜5を積層し
た電池を用いた。耐湿試験及び耐煮沸試験では基板(ソ
ーダガラス)に紫外線遮蔽皮膜5を積層したモデル試験
片を用いた。試験結果によれば、上記のように作成した
紫外線遮蔽皮膜5は各試験において、良好なる密着性を
確保した。
【0062】(実施例4)本発明に係る実施例4によれ
ば、実施例1の場合と同様に色素増感型太陽電池の電池
本体を作成し、紫外線遮蔽皮膜5を下記方法で電池本体
に積層した。紫外線遮蔽効果がある官能基(ベンゾトリ
アゾール基)をもつアクリル樹脂が酢酸エチル(溶媒)
に溶解した溶液に、二酸化シリコン微粒子(光散乱粒
子,平均粒子径:100nm)、エポキシ基付きシラン
カップリング剤を配合した。この場合、ベンゾトリアゾ
ール基を有するアクリル樹脂に対して、二酸化シリコン
微粒子を外付け%で3重量%、エポキシ基付きシランカ
ップリング剤を外付け%で7重量%配合した。これらを
超音波分散機で混合し、塗布液とした。
【0063】上記した塗布液をバーコーターで電池本体
の光極1の第1基板11のうち透明導電層と反対側の表
面11aに塗布する。そして、室温で溶媒を蒸発させた
後、所定温度(80℃)で1時間加熱し、塗布液を硬化
させ、紫外線遮蔽皮膜5を形成する。上記した配合割合
は外付け%で示しているが、外付け%からの計算に基づ
いて、内付け%で示すと、ベンゾトリアゾール基を有す
るアクリル樹脂、二酸化シリコン微粒子、エポキシ基付
きシランカップリング剤を含む紫外線遮蔽皮膜5の全体
を100%としたとき、二酸化シリコン微粒子は1.8
重量%含まれており、エポキシ基付きシランカップリン
グ剤は7.3重量%含まれている。
【0064】上記のように形成した紫外線遮蔽皮膜5は
厚みは約5μm、ヘーズは約10%であった。図5は実
施例4に係る紫外線遮蔽皮膜5の状況を模式的に示す。
紫外線遮蔽皮膜5の内部には、粒径が大きい二酸化シリ
コン微粒子(光散乱粒子)が分散されて埋設されてい
る。
【0065】上記した紫外線遮蔽皮膜5に含まれている
光散乱粒子として機能する二酸化シリコン微粒子による
効果により、太陽や照明器具の反射光を色素増感型太陽
電池の表面11a上で散乱させるため、色素増感型太陽
電池の表面11aにおける眩しさを低減する効果があっ
た。更に、上記のように作成した紫外線遮蔽皮膜5につ
いて、耐紫外線照射試験、耐湿試験、耐煮沸試験を実施
した。紫外線照射試験及び屋外放置試験では紫外線遮蔽
皮膜5を積層した電池を用いた。耐湿試験及び耐煮沸試
験では基板(ソーダガラス)に紫外線遮蔽皮膜5を積層
したモデル試験片を用いた。試験結果によれば、上記の
ように作成した紫外線遮蔽皮膜5は各試験において密着
性を確保していた。
【0066】(実施例5)本発明に係る実施例5によれ
ば、実施例1の場合と同様に色素増感型太陽電池の電池
本体を作成し、紫外線遮蔽皮膜5を下記方法で電池本体
に積層する。実施例5では、紫外線遮蔽効果がある官能
基(ベンゾトリアゾール基)をもつアクリル樹脂が酢酸
エチル(溶媒)に溶解した溶液に、アンチモンドープ酸
化錫の微粒子(導電物質:平均粒子径20nm;石原産
業(株)社製,SN−100P)、エポキシ基付きシラ
ンカップリング剤を配合した。この場合、ベンゾトリア
ゾール基を有するアクリル樹脂に対して、アンチモンド
ープ酸化錫の微粒子を外付け%で73重量%、エポキシ
基付きシランカップリング剤を外付け%で7重量%配合
した。これらを超音波分散機で混合し、塗布液とする。
この塗布液をバーコーターで太陽電池のガラス表面11
aに塗布し、室温で溶媒を蒸発させた後、所定温度(8
0℃)で1時間の加熱して塗布液を硬化させ、紫外線遮
蔽皮膜5を形成した。
【0067】上記した配合割合は外付け%で示している
が、外付け%からの計算に基づいて、内付け%で示す
と、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル樹脂、アン
チモンドープ酸化錫の微粒子、エポキシ基付きシランカ
ップリング剤を含む紫外線遮蔽皮膜5の全体を100%
としたとき、アンチモンドープ酸化錫は40.6重量%
含まれており、エポキシ基付きシランカップリング剤は
3.9重量%含まれている。図6は実施例5に係る紫外
線遮蔽皮膜5の状況を模式的に示す。紫外線遮蔽皮膜5
の内部には、アンチモンドープ酸化錫の微粒子(導電物
質)が分散されて埋設されている。
【0068】上記のような紫外線遮蔽皮膜5を形成した
色素増感型太陽電池によれば、紫外線遮蔽皮膜5には導
電物質としてのアンチモンドープ酸化錫の微粒子が含ま
れている。このため紫外線遮蔽皮膜5に導電性を付与さ
せることができ、紫外線遮蔽皮膜5における帯電防止を
図り得、これにより埃付着を低減できる。
【0069】本実施例によれば、紫外線遮蔽皮膜5は厚
みは約5μm、ヘーズは20%以下、紫外線遮蔽皮膜5
の抵抗率は107Ω/口であった。上記のように作成し
た紫外線遮蔽皮膜5について、耐紫外線照射試験、耐湿
試験、耐煮沸試験、屋外放置試験を実施例1の場合と同
様に実施した。紫外線照射試験及び屋外放置試験では紫
外線遮蔽皮膜5を積層した電池を用いた。耐湿試験及び
耐煮沸試験では基板に紫外線遮蔽皮膜を積層したモデル
試験片を用いた。試験結果によれば、上記のように作成
した紫外線遮蔽皮膜5は各試験において良好なる密着性
を確保していた。
【0070】(実施例6)本発明に係る実施例6によれ
ば、実施例1の場合と同様に色素増感型太陽電池の電池
本体を作成し、紫外線遮蔽皮膜5を下記方法で電池本体
の光極1の第1基板11に積層した。即ち、ベンゾトリ
アゾール基(紫外線吸収剤)をもつアクリル樹脂(樹
脂)が酢酸エチル(溶媒)に溶解した溶液を用いた。こ
の場合、ベンゾトリアゾール基を有する樹脂成分に対し
てエポキシ基付きシランカップリング剤を外付け%で1
0重量%と、ベンゾトリアゾール基を有する樹脂成分に
対してアナターゼ型の酸化チタンの微粒子(光散乱粒
子,平均粒子径:30nm)を外付け%で5重量%配合
して混合し、1次混合物を形成する。1次混合物では酸
化チタンの微粒子はカップリング剤で覆われる。
【0071】そしてこの1次混合物と前記溶液とを混ぜ
た後、攪拌することにより塗布液とした。この塗布液を
バーコーターで上記電池本体の光極1の第1基板11の
ガラス本体のうち透明導電層と反対側の表面11aに塗
布する。そして室温で溶媒を蒸発させた後、所定温度
(80℃)で1時間の加熱し紫外線遮蔽皮膜5を形成し
た。上記のようにして色素増感型太陽電池を製造した。
【0072】上記した配合割合は外付け%で示している
が、外付け%からの計算に基づいて、内付け%で示す
と、アクリル樹脂、酸化チタンの微粒子、エポキシ基付
きシランカップリング剤を含む紫外線遮蔽皮膜5の全体
を100%としたとき、酸化チタンは4.3重量%含ま
れており、エポキシ基付きシランカップリング剤は8.
7重量%含まれている。
【0073】ところで上記した酸化チタンは光散乱効果
を有するものの、光触媒性も有している。この場合、酸
化チタンは、光触媒機能により有機物の汚れを取り除く
ことができるものの、紫外線遮蔽皮膜5の基材である樹
脂も劣化させるおそれがある。この点本実施例によれ
ば、エポキシ基付きシランカップリング剤と、酸化チタ
ンの微粒子とを予め混合して1次混合物を形成する。1
次混合物では酸化チタンの微粒子はカップリング剤で覆
われる。その後に、アクリル樹脂を含む溶液とこの1次
混合物とを混ぜることにしている。このため紫外線遮蔽
皮膜5においても、紫外線遮蔽皮膜5に含まれている酸
化チタンの微粒子は、紫外線遮蔽皮膜5の樹脂の内部に
存在しつつも、カップリング剤で覆われている頻度が高
い。このため、酸化チタンと樹脂との直接的な接触の頻
度が低減し、紫外線遮蔽皮膜5の樹脂の劣化を抑えるの
に有利である。
【0074】第1基板11のガラス本体の表面11aに
形成した紫外線遮蔽皮膜5の厚みは、約5μmであっ
た。上記のように作成した紫外線遮蔽皮膜5について、
耐紫外線照射試験、耐湿試験、耐煮沸試験、屋外放置試
験を実施例1の場合と同様に実施した。紫外線照射試験
及び屋外放置試験では紫外線遮蔽皮膜5を積層した電池
を用いた。耐湿試験及び耐煮沸試験では基板(ソーダガ
ラス)に紫外線遮蔽皮膜5を積層したモデル試験片を用
いた。試験結果によれば、上記のように作成した紫外線
遮蔽皮膜5は各試験において良好なる密着性を確保して
いた。試験結果によれば、上記のように作成した紫外線
遮蔽皮膜5は各試験において良好なる密着性を確保して
いた。
【0075】(実施例7)本発明に係る実施例7によれ
ば、基本的には実施例1の場合と同様の構成である。但
し、色素増感型太陽電池の電池本体の外縁側には防湿層
8が被覆されている。防湿層8は第1基板11及び第2
基板31の端側を被覆している。また防湿層8の入射面
側における内方の端部8cは、紫外線遮蔽皮膜5の端部
5cをこれの外側から被覆してシールしている。防湿層
8により湿度、水分が電池本体の内部に進入することが
抑制される。更に防湿層8により紫外線遮蔽皮膜5の剥
離は確実に抑えられる。防湿層8としては、例えばシリ
コーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂で形成することがで
きる。
【0076】(その他)上記した実施例1〜実施例6に
係る色素増感型太陽電池の電池本体の外縁側を防湿層8
で被覆することにしても良い。その他、本発明は上記し
且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではな
く、紫外線遮蔽皮膜の配合割合等は上記した実施例のみ
に限定されるものではなく、適宜変更して実施できるも
のである。
【0077】(付記)上記した記載から次の技術的思想
も把握することができる。 (付記項1)請求項1において、上記した紫外線遮蔽皮
膜は、紫外線吸収性官能基をもつアクリル系樹脂等の樹
脂、有機溶媒などの溶媒、シラン系カップリング剤等の
カップリング剤を主要成分とする塗布液を、基板となる
ガラスに塗布し、固化させることにより形成されている
色素増感型太陽電池。 (付記項2)請求項2において、上記した紫外線遮蔽皮
膜は、紫外線吸収特性をもつ金属酸化物微粒子等の紫外
線吸収微粒子、アクリル系樹脂等の樹脂、有機溶媒等の
溶媒、シラン系カップリング剤等のカップリング剤を主
要成分とする塗布液を、基板となるガラスに塗布し、固
化させることにより形成されていることを特徴とする色
素増感型太陽電池。 (付記項3)請求項1または2において、紫外線遮蔽皮
膜に、潤滑硬質微粒子、光散乱性を有する光散乱粒子、
導電性物質の少なくとも1種が含まれていることを特徴
とする色素増感型太陽電池。 (付記項4)請求項1に係る色素増感型太陽電池の製造
方法であって、潤滑硬質微粒子、光散乱粒子、導電性物
質の少なくとも1種とカップリング剤とを混合した1次
混合物を用いると共に、ベンゾトリアゾール基等の紫外
線吸収剤をもつ樹脂が溶媒に溶解した溶液を用い、1次
混合物及び溶液を混ぜた塗布液を光極の基板の光入射側
の表面に塗布し、固化させることにより、紫外線遮蔽皮
膜を形成することを特徴とする色素増感型太陽電池の製
造方法。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る色素増
感型太陽電池によれば、光極を構成する基板には紫外線
遮蔽皮膜が積層されている。このため、色素増感型太陽
電池の重要要素である色素等の有機物を紫外線から保護
することができ、色素増感型太陽電池の耐久性、長寿命
化に貢献できる。更に紫外線遮蔽皮膜は、紫外線遮蔽皮
膜の基材である樹脂及び基板の密着性を高めるシラン系
カップリング剤等のカップリング剤を含むため、光極の
基板と紫外線遮蔽皮膜との密着性が確保される。このた
め紫外線劣化で紫外線遮蔽皮膜が光極の基板から剥離す
るおそれを少なくすることができる。
【0079】また紫外線遮蔽皮膜に二酸化シリコン微粒
子等の潤滑硬質微粒子が含まれている場合には、紫外線
遮蔽皮膜の表面の滑り性が良くなり、紫外線遮蔽皮膜の
耐傷付き性の向上、紫外線遮蔽皮膜の表面が汚れにく
く、付いた汚れも取れやすくなるといった効果を奏する
ことができる。
【0080】また紫外線遮蔽皮膜に光散乱性を有する光
散乱粒子が含まれている場合には、光散乱粒子の効果に
より、太陽や照明器具の反射光を色素増感型太陽電池の
紫外線遮蔽皮膜の表面上で散乱させるため、色素増感型
太陽電池の表面における眩しさを低減する効果が得られ
る。
【0081】更に紫外線遮蔽皮膜に導電性物質が含まれ
ている場合には、導電性物質による帯電防止効果によ
り、紫外線遮蔽皮膜における静電気の帯電を抑制でき、
静電気に起因する埃等の付着を抑制できる。従って色素
増感型太陽電池の光極への光透過性を確保するのに貢献
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係り、色素増感型太陽電池の断面を
模式的に示す構成図である。
【図2】実施例1に係り、色素増感型太陽電池の第1基
板に、紫外線遮蔽皮膜が接合されている形態を模式的に
示す構成図である。
【図3】実施例2に係り、色素増感型太陽電池の第1基
板に、紫外線吸収微粒子を含む紫外線遮蔽皮膜が接合さ
れている形態を模式的に示す構成図である。
【図4】実施例3に係り、色素増感型太陽電池の第1基
板に、潤滑硬質粒子が含まれている紫外線遮蔽皮膜が接
合されている形態を模式的に示す構成図である。
【図5】実施例4に係り、色素増感型太陽電池の第1基
板に、光散散乱粒子を含む紫外線遮蔽皮膜が接合されて
いる形態を模式的に示す構成図である。
【図6】実施例5に係り、色素増感型太陽電池の第1基
板に、導電性物質を含む紫外線遮蔽皮膜が接合されてい
る形態を模式的に示す構成図である。
【図7】実施例7に係り、シール層を有する色素増感型
太陽電池の断面を模式的に示す構成図である。
【符号の説明】
図中、1は光極、10は第1透明導電層、11は第1基
板、13は半導体層、14は色素、3は対極、30は第
2透明導電層、31は第2基板、5は紫外線遮蔽皮膜、
7は電荷輸送層を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深野 達雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5F051 AA14 5H032 AA06 AS16 EE04 EE07 EE08 EE12 EE18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性をもつ無機ガラスを基材とする基
    板と、前記基板に積層された透明導電層と、前記透明導
    電層に積層された半導体層と、前記半導体層に担持され
    た色素とを有する光極と、 前記光極に対して所定の間隔を隔てて設けられた導電性
    を有する対極と、 前記光極と前記対極との間に封入された電荷輸送層とを
    もつ色素増感型太陽電池において、 前記光極を構成する前記基板には、 紫外線吸収性官能基をもつ樹脂と、前記樹脂及び前記基
    板の密着性を高めるカップリング剤とを含む紫外線遮蔽
    皮膜が積層されていることを特徴とする色素増感型太陽
    電池。
  2. 【請求項2】光透過性をもつ無機ガラスを基材とする基
    板と、前記基板に積層された透明導電層と、前記透明導
    電層に積層された半導体層と、前記半導体層に担持され
    た色素とを有する光極と、 前記光極に対して所定の間隔を隔てて設けられた導電性
    を有する対極と、 前記光極と前記対極との間に封入された電荷輸送層とを
    もつ色素増感型太陽電池において、 前記光極を構成する基板には、 紫外線吸収特性をもつ紫外線吸収微粒子と、樹脂と、前
    記樹脂及び前記基板の密着性を高めるカップリング剤と
    を含む紫外線遮蔽皮膜が積層されていることを特徴とす
    る色素増感型太陽電池。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2のいずれかにおい
    て、前記紫外線遮蔽皮膜には、潤滑硬質微粒子が含まれ
    ていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
    前記紫外線遮蔽皮膜には、光散乱性を有する光散乱粒子
    が含まれていることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
    前記紫外線遮蔽皮膜には導電性物質が含まれていること
    を特徴とする色素増感型太陽電池。
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