JP2013089521A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの低廉化を図りつつ、光線照射による封止材硬化時の発電特性低下を抑制することのできる色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】第1基板20と、第1基板上に配置された第1電極10と、第1電極上に配置され、半導体微粒子2と色素分子4を備える多孔質半導体層12と、多孔質半導体層と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液14と、電解液に接する第2電極18と、第2電極上に配置された第2基板22と、第1基板と第2基板の間に配置され、電解液を封止する封止材16と、第2電極において封止材と対向する部位を除く領域、または多孔質半導体層の何れか一方に設けられ、第2基板側から入射する所定の波長領域の光線を減衰させる減衰層(散乱膜21)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感太陽電池(DSC:Dye-sensitized Solar Cells)に係り、特に、基板貼り合わせ時における素子部への紫外線照射を回避することのできる色素増感太陽電池に関する。
近年、安価で高性能の太陽電池としてDSCが注目されている。DSCは、スイス・ローザンヌ工科大学のグレツェルが開発したもので、増感色素を表面に担持した酸化チタンを用いることで、光電変換効率が高く、製造コストが安いなどの利点を有することから、次世代の太陽電池として期待されている。この太陽電池は、内部に電解液を封入してあることから、湿式太陽電池とも呼ばれる。
DSCは、増感色素を表面に担持した多孔質の酸化チタン層を備えた作用極と、作用極の酸化チタン層に対向して配置された対極と、作用極と対極との間に充填された電解質溶液とを備える(例えば、特許文献1参照。)。
また、作用極と対極との間にあって、電解質溶液を封止する封止材としては、紫外線照射によって硬化される紫外線硬化樹脂が広く用いられる。
例えば、特許文献2には、封止材として紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いた色素増感太陽電池が記載されている。
特開平11−135817号公報 特開2000−30767号公報
ところで、DSCを形成する際に、例えば作用極の周縁部にエポキシ樹脂等を塗布し、対極を重ね合わせた後に、対極側から紫外線を照射してエポキシ樹脂等を硬化させるが、この際に、紫外線が作用極に当たると色素が劣化して発電特性を低下させるという問題があった。
このような問題を解決する手法として、紫外線を照射する前に対極側にマスクを載置し、照射後にそのマスクを取り除くことができるが、手間がかかり製造コストが嵩むという不都合がある。
本発明の目的は、製造コストの低廉化を図りつつ、紫外線照射による封止材硬化時の発電特性低下を抑制することのできる色素増感太陽電池を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、第1基板と、前記第1基板上に配置された第1電極と、前記第1電極上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層と、前記多孔質半導体層と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液と、前記電解液に接する第2電極と、前記第2電極上に配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に配置され、前記電解液を封止する封止材と、前記第2電極において前記封止材と対向する部位を除く領域、または前記多孔質半導体層の何れか一方に設けられ、前記第2基板側から入射する所定の波長領域の光線を減衰させる減衰層とを備える色素増感太陽電池が提供される。
本発明によれば、製造コストの低廉化を図りつつ、光線照射による封止材硬化時の発電特性低下を抑制することのできる色素増感太陽電池を提供することができる。
第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池の模式的断面構造図。 比較対象としての色素増感太陽電池の模式的断面構造図。 図2の多孔質半導体層の半導体微粒子の模式的構造図。 第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池の動作原理説明図。 第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池の電解液における電荷交換反応に基づく動作原理説明図。 第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池において、多孔質半導体層(12)/色素分子(32)/電解液(14)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラム。 第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池において、色素分子(32)/電解液(14)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムであって、図6のJ部分の拡大図。 マスクを用いて紫外線の遮光を行う比較対象を示す模式的断面構造図。 第2の実施の形態に係る色素増感太陽電池の模式的断面構造図。 第3の実施の形態に係る色素増感太陽電池の模式的断面構造図。 第4の実施の形態に係る色素増感太陽電池の模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池の対極の形成方法を示す工程図。 減衰層を設けた場合と設けない場合との紫外線照射後における色素増感太陽電池の発電特性の変化を示すグラフ。 光線L1、L2、L3の波長を示すグラフ。 (a)本実施の形態に係る色素増感太陽電池のセルを3個形成した構成を示す平面図、(b)当該3個のセルを直列接続した状態を示す説明図。 (a)本実施の形態に係る色素増感太陽電池のセルを5個、直列接続した状態を示す模式図、(b)図17(a)の説明図、(c)図17(a)の構成例を示す平面図。 (a)本実施の形態に係る色素増感太陽電池のセルをn個、タンデム構成に積層させた状態を示す模式図、(b)図18(a)の説明図。 (a)本実施の形態に係る色素増感太陽電池のセルをn個、タンデム構成に積層させたものを並列接続した状態を示す模式図、(b)図19(a)の説明図。 電気二重層キャパシタ内部電極を例示する模式的断面構造図。 リチウムイオンキャパシタ内部電極を例示する模式的断面構造図。 リチウムイオン電池内部電極を例示する模式的断面構造図。
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
以下の実施の形態に係る色素増感太陽電池において、「透明」とは、透過率が約50%以上であるものと定義する。また「透明」とは、実施の形態に係る色素増感太陽電池において、可視光線に対して、無色透明という意味でも使用する。可視光線は波長約360nm〜830nm程度、エネルギー約3.45eV〜1.49eV程度に相当し、この領域で透過率が50%以上あれば透明である。
[第1の実施の形態]
(色素増感太陽電池)
第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200の模式的断面構造は、図1に示すように表される。
第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200に適用される作用極100は、図1に示すように、ガラス基板20上に配置された透明電極10と、透明電極10上に配置された多孔質半導体層12とを備える。
第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200は、図1に示すように、ガラス基板20と、ガラス基板20上に設けられた透明電極10と、透明電極10上に配置された多孔質半導体層12と、多孔質半導体層12と接し、溶媒と複数種類の酸化還元電解質を混合して作られた電解質を備える電荷輸送層14とを備える。
さらに、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200は、図1に示すように、第1基板20と、第1基板20上に配置された第1電極10と、第1電極10上に配置された図3に示すような半導体微粒子2と色素分子4とを備える多孔質半導体層12と、多孔質半導体層12と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液14と、電解液14に接する第2電極(対極)18と、第2電極18上に配置された第2基板22と、電解液14に接する第2電極18の電解液14側の表面に設けられる触媒層19と、第2基板22側から入射する所定の波長領域の光線を減衰させる減衰層としての散乱膜(散乱層)21と、第1基板20と第2基板22の間に配置され、電解液14を封止する紫外線硬化樹脂で構成される封止材16とを備える。
なお、触媒層19は、例えば、Ptや導電性高分子等の薄膜で構成される。導電性高分子は、例えば、PEDOT:PSSなどで構成されていても良い。
散乱膜21は、例えば、光散乱性の金属酸化物(TiO、ZnO、SiO等)の多孔質膜で構成される。
また、所定の波長領域は、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させる波長領域とされる。即ち、図1においては、第2基板22側から紫外線(UV:Ultraviolet)が入射される状態が示されている。なお、第1基板20からは白色光(WL:White Light)が入射される状態が示されている。
なお、紫外線(UV)は波長10〜400nmの範囲の波長の短い電磁波である。電磁波は、波長が短くなるほどエネルギーは大きくなり、紫外線は物質に吸収された際に、その物質の構造を変化させる作用を有している。
また、紫外線(UV)は波長によってUV−A(長波長紫外線:波長315〜400nm)、UV−B(中波長紫外線:波長280〜315nm)、UV−C(短波長紫外線:波長10nm前後〜280nm)の3つに区分される。 紫外線(UV)の照射源としては、UVランプ(水銀ランプ、メタルハライドランプ)等が用いられる。
ここで、紫外線硬化型の樹脂としては、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、ポリスチリルエチルメタクリレート等が挙げられる。なお、耐電解液性、封止性の点ではアクリル系紫外線硬化樹脂がより好ましい。また、光の内部散乱を有効利用するという観点からは、透明な硬化性樹脂が好ましい。
そして、散乱膜21は、これらの樹脂を硬化させることのできる波長(例えば、200〜400nm)の紫外線(UV)を散乱するように構成される。
これにより、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は、散乱膜21により、図1において矢印で示されるように散乱される。即ち、紫外線(UV)を構成する光子(hν)は、散乱膜21を構成するTiO等の光散乱性の金属酸化物に衝突すると、進行方向がランダムに変化して散乱され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態を有効に抑制することができる。
また、後述する比較対象のように、紫外線を遮光するマスク部材M(図8参照)を用いる必要が無いので、マスク部材Mをセットしたり取り除く手間が省かれ、色素増感太陽電池200の製造コストの低廉化に資することができる。
一方、図1に示すように、第2基板22において、封止材16と対向する位置には散乱膜21は設けられていないので、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は第2基板22を透過して封止材16まで到達し、紫外線硬化型の樹脂が硬化され、第1基板20と第2基板22とが封止材16を介して貼り合わされる。
また、散乱膜21は、第2電極18における電荷移動を妨げることがないように、多孔質膜とすることが望ましい。具体的には、粒径が比較的大きい(例えば50nmより大きい)金属酸化物(TiO、ZnO等)からなる粒状体により厚さ数μmの層を形成すると良い。これによれば、散乱膜21が多孔質となるので、電解液14中の電荷移動の自由度が高まり、発電効率の低下が抑制される。
第1基板20および第2基板22は、例えば、ガラス基板などで形成することができる。また、フレキシブルなプラスチック基板を用いることもできる。この場合、多孔質半導体層を構成するTiOペーストとしては、200℃以下で焼成可能なものを用いる。
また、第1基板20側から光を照射するため、第1基板20は、照射光(WL)に対して、透明であることが望ましい。なお、第1基板20の光が入射する側に反射防止膜などをコーティングしても良い。
第1電極10は、例えば、FTO、ZnO、ITO、SnOなどの透明電極で形成される。第1基板20上に電極加工し、FTO付き基板、金属などのグリッド付き基板、或いは上記の複合基板としても良い。
多孔質半導体層12は、TiO、ZnO、WO、InO、Nb、SnOなどの材料を用いて形成されていても良い。特に、効率面から安価なTiO(アナターゼ型、ルチル型)が主に用いられる。
図1の多孔質半導体層12の半導体微粒子2の模式的構造は、図3に示すように表される。図3に示すように、多孔質半導体層12は、TiOなどからなる半導体微粒子2が互いに結合して複雑なネットワークを形成している。色素分子4は、半導体微粒子2の表面に吸着される。多孔質半導体層12内には、大きさ100nm以下の細孔が多数存在する。
図2は、比較対象としての一般的な色素増感太陽電池200aの構成を示す。なお、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200と同一の構成については同一符号を付している。
図1に示す本実施の形態に係る色素増感太陽電池200の構成と比較すると明らかであるが、一般的な色素増感太陽電池200aにあっては、第2基板22には、散乱膜21が設けられていない。
したがって、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させるために第2基板22側から紫外線を照射する場合には、発電特性の低下を防止するために多孔質半導体層12に紫外線が入射しないように対策を施す必要がある。具体的な対策例については、図8を参照して後述する。
(動作原理)
第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200の動作原理は、図4に示すように表される。
下記の(a)〜(d)の反応が継続して起こることで、起電力が発生し、負荷24に電流が導通する。
(a)色素分子32が光子(hν)を吸収し、電子(e)を放出し、色素分子32は酸化体DOになる。
(b)Reで表される還元体の酸化還元電解質26が多孔質半導体層12中を拡散して、DOで表される酸化体の色素分子32に接近する。
(c)酸化還元電解質26から色素分子32に電子(e)が供給される。酸化還元電解質26は、Oxで表される酸化体の酸化還元電解質28になり、色素分子32はDRで表される還元された色素分子30になる。
(d)酸化還元電解質28は、触媒層19方向に拡散し、触媒層19より電子を供給されて、Reで表される還元体の酸化還元電解質26になる。
酸化還元電解質26は、多孔質半導体層12中の入り組んだ空間を拡散しながら色素分子32の近傍に接近する必要がある。
また、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200の電解液14における電荷交換反応に基づく動作原理は、図5に示すように表される。
まず、外部から光照射されると光子(hν)が色素分子32と反応して、色素分子32は基底状態から励起状態へと遷移する。このとき発生した励起電子(e)がTiOからなる多孔質半導体層12の伝導帯へ注入される。多孔質半導体層12中を導通した電子(e)は、透明電極10から外部回路の負荷24を導通し、第2電極18へ移動する。第2電極18から電解液14中に注入された電子(e)は、電解液14中のヨウ素酸化還元電解質(I/I )と電荷交換される。ヨウ素酸化還元電解質(I/I )が電解液14内を拡散し、色素分子32と再反応する。ここで、電荷交換反応は、色素分子表面において、3I→I +2eに従って進行し、第2電極18において、I +2e→3Iに従って進行する。
電解液14は、溶媒として、例えば、アセトニトリルを使用し、この場合の電解質として、例えば、ヨウ素は、電解液14中のヨウ素酸化還元電解質I として存在する。また、電解質として、例えば、ヨウ化物塩(ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウムなど)は、電解液14中のヨウ素酸化還元電解質Iとして存在する。また、電解液14中には、逆電子移動抑制溶液として添加剤(例えば、TBP:ターシャルブチルピリジン)を適用しても良い。
上記の溶質、添加剤を溶媒(アセトニトリル)に溶解させることによって、電解液14を構成することができる。なお、上記の材料は湿式DSCなどに適用可能なものであって、常温溶融塩(イオン性液体)や固体電解質を用いる場合には、構成材料が異なる。
第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200において、溶媒は、後述する電解質、添加剤を溶解する液体であり、高沸点、化学的安定性が高く、高誘電率(電解質が良く溶解する)、低粘度であること望ましい。例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、γブチロラクトン、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどで構成されていても良い。
色素は、レッドダイ(N719)、ブラックダイ(N749)などを適用することができる。
触媒層19は、例えば、Pt、炭素、若しくは、導電性高分子などで構成されていても良い。導電性高分子は、例えば、PEDOT:PSSなどで構成されていても良い。
多孔質半導体層12は、例えば、スクリーン印刷技術、スピンコート技術、ディッピング、スプレーコート技術などを用いて形成することができる。
第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200において、多孔質半導体層(12)/色素分子(32)/電解液(14)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムは、図6に示すように表される。また、色素分子(32)/電解液(14)間のエネルギーポテンシャルダイヤグラムであって、図6のJ部分の拡大図は、図7に示すように表される。
外部から光照射されると光子(hν)により、色素分子32は基底状態HOMOから励起状態LUMOへと遷移する。このとき発生した励起電子(e)がTiOからなる多孔質半導体層12の伝導帯へ注入される。多孔質半導体層12中を導通した電子(e)は、透明電極10から外部回路の負荷24を導通し、第2電極18へ移動する。触媒層19から電解液14中に注入された電子(e)は、電解液14中の酸化還元電解質と電荷交換される。酸化還元電解質が電解液14内を拡散し、色素分子32を還元する。
電解液14の酸化還元準位EROと多孔質半導体層12のフェルミ準位E間の電位差が最大起電力VMAXである。最大起電力VMAXの値は、電解液14の酸化還元電解質により変化する。酸化還元電解質単独系(ヨウ素酸化還元電解質)の場合には、例えば、0.9V(I,N719)である。電解液14がヨウ素・臭素の混合系酸化還元電解質を含む場合には、図7に示すように、混合比率を調整することで混合系酸化還元電解質の酸化還元電位を、ヨウ素酸化還元電解質の酸化還元電位と臭素酸化還元電解質の酸化還元電位の間の任意の値に調整することができる。
(比較対象について)
ここで、図8を参照して、他の手法で紫外線の遮光を行う比較対象について説明する。
図2に示すような一般的な構成の色素増感太陽電池200aでは、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させるために第2基板22側から紫外線(UV)を照射する場合には、紫外線(UV)による多孔質半導体層12への影響を回避するために、多孔質半導体層12に紫外線(UV)が入射しないように対策を施す必要がある。
図8に示す比較対象では、遮光性を有するマスク部材Mを用いて多孔質半導体層12に紫外線(UV)が入射しないようにしている。
即ち、多孔質半導体層12に対向する領域を覆い、封止材16に対向する領域は露出させる大きさ、形状とされる遮光性を有するマスク部材Mを用意し、紫外線硬化型の樹脂を硬化させるための紫外線(UV)を照射する前に第2基板22側に設置する。
これにより、第2基板22側から照射される紫外線(UV)は、マスク部材Mが存在する領域については反射あるいは吸収されて、多孔質半導体層12への入射が回避される。したがって、紫外線(UV)による多孔質半導体層12の劣化が防止される。
一方、マスク部材Mからは露出した状態にある封止材16に対しては、紫外線(UV)が照射されるので、紫外線硬化型の樹脂が硬化される。
但し、この手法では、紫外線(UV)を照射した後に、マスク部材Mを取り除く必要がある。
このように、図8に示す比較対象では、マスク部材Mの設置、取り除きの作業あるいは工程が必要となり、手間がかかっていた。
さらに、素子レイアウトが微細な場合には、アライメント等によってマスク部材Mを精度良くセットする必要があり、工程がより増加し、製造コストが嵩むという不都合があった。
第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200によれば、マスク部材Mを用いる必要がなく、手間を省き、製造コストの低廉化を図りつつ、紫外線照射による封止材硬化時の発電特性低下を抑制することのできる色素増感太陽電池を提供することができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る色素増感太陽電池200の模式的断面構造は、図9に示すように表される。
なお、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
第2の実施の形態に係る色素増感太陽電池200と、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200との構造上の相違点は、減衰層として紫外線を散乱させる散乱膜21に代えて、所定の波長領域の紫外線を吸収する遮光性膜23を設けた点である。
所定の波長領域は、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させる波長領域とされる。即ち、図9においては、第2基板22側から紫外線(UV)が入射される状態が示されている。なお、第1基板20からは白色光(WL)が入射される状態が示されている。
遮光性膜23は、炭素(カーボン)または炭素を含む導電性高分子で構成される。導電性高分子は、例えば、PEDOT:PSSなどで構成されていても良い。
遮光性膜23を炭素の層で構成する場合には、炭素を含むペーストを塗布し、そのペーストを焼成して形成するようにしても良い。
炭素は、紫外線の吸収能に非常に優れており、第2基板22側から照射される紫外線(UV)を多孔質半導体層12に影響を与えない程度まで吸収して減衰することができる。
これにより、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は、図9において矢印で示されるように遮光性膜23で吸収され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態を有効に抑制することができる。
一方、図9に示すように、第2基板22において、封止材16と対向する位置には遮光性膜23は設けられていないので、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は第2基板22を透過して封止材16まで到達し、紫外線硬化型の樹脂が硬化され、第1基板20と第2基板22とが封止材16を介して貼り合わされる。
なお、紫外線の照射源としては、UVランプ(水銀ランプ、メタルハライドランプ)、UV−LED等が用いられる。
また、遮光性膜23は、第2電極18における電荷移動を妨げることがないように、多孔質膜とすることが望ましい。具体的には、粒径が比較的大きい(例えば50nmより大きい)カーボンの粒状体により厚さ数μmの層を形成すると良い。これによれば、遮光性膜23が多孔質となるので、電解液14中の電荷移動の自由度が高まり、発電効率の低下が抑制される。
第2の実施の形態に係る色素増感太陽電池200の動作原理等は、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200と同様である。
第2の実施の形態に係る色素増感太陽電池200によれば、マスク部材Mを用いる必要がなく、手間を省き、製造コストの低廉化を図りつつ、紫外線照射による封止材硬化時の発電特性低下を抑制することのできる色素増感太陽電池を提供することができる。
また、カーボンを遮光性膜として用いる場合、それ自体を触媒層として用いることができるため、触媒層19を省くことができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る色素増感太陽電池200の模式的断面構造は、図10に示すように表される。
なお、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200等と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
第3の実施の形態に係る色素増感太陽電池200と、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200との構造上の相違点は、減衰層として紫外線を散乱させる散乱膜25を、第2基板22側ではなく、第1基板20側の多孔質半導体層12の表面に設けた点である。
散乱膜25は、例えば、光散乱性の金属酸化物(TiO、ZnO、SiO等)の多孔質膜で構成される。
散乱膜21は、紫外線硬化型の樹脂を硬化させることのできる波長(例えば、200〜400nm)の紫外線(UV)を散乱するように構成される。
これにより、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は、散乱膜25により、図10において矢印で示されるように散乱される。
即ち、紫外線(UV)を構成する光子(hν)は、散乱膜25を構成するTiO等の光散乱性の金属酸化物に衝突すると、進行方向がランダムに変化して散乱され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態を有効に抑制することができる。
一方、図10に示すように、第2基板22において、封止材16と対向する位置には散乱膜等は設けられていないので、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は第2基板22を透過して封止材16まで到達し、紫外線硬化型の樹脂が硬化され、第1基板20と第2基板22とが封止材16を介して貼り合わされる。
また、散乱膜25は、多孔質半導体層12における電荷移動を妨げることがないように、多孔質膜とすることが望ましい。具体的には、粒径が比較的大きい(例えば50nmより大きい)金属酸化物からなる粒状体により厚さ数μmの層を形成すると良い。これによれば、散乱膜25が多孔質となるので、電解液14中の電荷移動の自由度が高まり、発電効率の低下が抑制される。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態に係る色素増感太陽電池200の模式的断面構造は、図11に示すように表される。
なお、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200等と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
第4の実施の形態に係る色素増感太陽電池200と、第3の実施の形態に係る色素増感太陽電池200との構造上の相違点は、紫外線を散乱させる散乱膜25に代えて、所定の波長領域の紫外線を吸収する遮光性膜27を設けた点である。
所定の波長領域は、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させる波長領域とされる。即ち、図11においては、第2基板22側から紫外線(UV)が入射される状態が示されている。なお、第1基板20からは白色光(WL)が入射される状態が示されている。
遮光性膜27は、炭素(カーボン)または炭素を含む導電性高分子で構成される。導電性高分子は、例えば、PEDOT:PSSなどで構成されていても良い。
遮光性膜27を炭素の層で構成する場合には、炭素を含むペーストを塗布し、そのペーストを焼成して形成するようにしても良い。
これにより、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は、図11において矢印で示されるように遮光性膜27で吸収され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態を有効に抑制することができる。
一方、図11に示すように、第2基板22において、封止材16と対向する位置には遮光性膜等は設けられていないので、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は第2基板22を透過して封止材16まで到達し、紫外線硬化型の樹脂が硬化され、第1基板20と第2基板22とが封止材16を介して貼り合わされる。
また、遮光性膜27は、第2電極18における電荷移動を妨げることがないように、多孔質膜とすることが望ましい。具体的には、粒径が比較的大きい(例えば50nmより大きい)カーボンの粒状体により厚さ数μmの層を形成すると良い。これによれば、遮光性膜27が多孔質となるので、電解液14中の電荷移動の自由度が高まり、発電効率の低下が抑制される。
第4の実施の形態に係る色素増感太陽電池200の動作原理等は、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200と同様である。
第4の実施の形態に係る色素増感太陽電池200によれば、マスク部材Mを用いる必要がなく、手間を省き、製造コストの低廉化を図りつつ、紫外線照射による封止材硬化時の発電特性低下を抑制することのできる色素増感太陽電池を提供することができる。
次に、図12を参照して、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200に適用される第2基板22上に第2電極18、触媒層19および散乱膜21を形成する工程について説明する。
図12の(a)に示すように、第2基板22を構成するガラス基板やプラスチック基板を用意し、図12の(b)に示すように、第2基板22上に第2電極18および触媒層19を形成する。
第2電極18は、例えば、FTO、ZnO、ITO、SnOなどの透明電極で構成することができる。
触媒層19は、Ptをスパッタ等によって第2電極18上に成膜される。
次いで、図12の(c)に示すように、触媒層19の上に散乱膜21が形成される。散乱膜21は、例えば、光散乱性の金属酸化物(TiO、ZnO等)で構成される。
図12の(c)の一部を拡大した図12の(d)に示すように、散乱膜21は、第2電極18における電荷移動を妨げることがないように、多孔質膜となっている。
例えば、TiO、ZnO等を含むペーストを触媒層19上に塗布して所定の温度で焼成することにより多孔質膜としての散乱膜21を得ることができる。
即ち、図12の(d)に示すように、例えば、粒径が50nm程度のTiO、ZnO等から成る粒状体Pがナノオーダーの隙間を形成するように結合されて散乱膜21を構成している。
これにより、散乱膜21が多孔質であるので、第1の実施の形態に係る色素増感太陽電池200において、電解液14中の電荷移動の自由度が高まり、発電効率の低下が抑制される。
また、図12に示す工程によって形成された第2基板22を用い、図1に示すように封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される紫外線(UV)は、散乱膜21によって散乱され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態が抑制される。
次に、図13のグラフを参照して、減衰層を設けた場合と設けない場合との紫外線照射後における色素増感太陽電池の発電特性の変化について説明する。
図13に示すグラフにおいて、OSB(Outside Shield Board)は図8に示すよう外付けのマスク部材Mを用いた場合、SL(Shield Layer)は減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)を設けた場合、WS(Without Shield)は遮光を行わない場合を示す。
そして、上記のそれぞれの状態において、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させる際と同様の紫外線照射を行った後に、800lxの白色光を照射して発電実験を行った。
なお、図13において、D1、D2、D3は、発電特性がD1→D2→D3の順に低下していることを示している。
その結果、遮光を行わない場合(WS)は、減衰層を設けた場合(SL)に比して、電流密度、電圧ともに低下しており、遮光を行わない場合(WS)には紫外線照射の影響により発電特性が低下していることが分かる。
一方、減衰層を設けた場合(SL)と外付けのマスク部材Mを用いた場合(OSB)とでは、略同一の発電特性を示している。したがって、減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)を設けた場合には、外付けのマスク部材Mを用いた場合と同様の紫外線遮蔽効果を得ることができることが分かる。
図14には、紫外線L1の波長領域(波長10〜400nm)、白色光L2の波長領域(波長400〜800nm)、赤外線L3の波長領域(波長600〜1000nm)を示す。
上述の第1〜4の実施の形態に係る色素増感太陽電池200では、紫外線L1の波長領域(波長10〜400nm)で硬化する紫外線硬化型の樹脂で封止材16を構成し、この紫外線L1を減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)で散乱または遮光する場合について述べた。
但し、これに限定されず、白色光L2の波長領域(波長400〜800nm)または赤外線L3の波長領域(波長600〜1000nm)で硬化する光硬化樹脂によって封止材16を構成し、白色光L2または赤外線L3を減衰層で散乱または遮光するようにしても良い。
次に、図15〜図18を参照して、第1〜4の実施の形態に係る色素増感太陽電池200で構成されるバッテリーセル(以下、単に「セル」と呼ぶ)の実施例について説明する。
図15の(a)は、3個のセルB1〜B3を形成した状態を示す。図15の(a)の例では、面積の等しい3つのセルB1、B2、B3が同一基板内に設けられている。
この3個のセルB1〜B3は図示しない配線によって、図15の(b)に示すように直列接続される。
各セルB1〜B3は、それぞれ減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)を備えているので、図1等に示すように、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は、減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)で散乱または吸収され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により各セルB1〜B3の色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態が抑制される。
なお、セルB1〜B3の総電圧Vは、V=V1+V2+V3となり、総電流量Iは、I=I1=I2=I3となる。
図16は、5個のセルB1〜B5を並設した状態を示す。
この5個のセルB1〜B5は配線によって、図16の(b)に示すように直列接続される。
各セルB1〜B5は、それぞれ減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)を備えているので、図1等に示すように、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は、減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)で散乱または吸収され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により各セルB1〜B5の色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態が抑制される。
なお、セルB1〜B5の総電圧Vは、各セルB1〜B5の電圧の総和5Eとなる。
図17は、n個のセルをタンデム構成に積層させた状態を模式的に示す。
このn個のセルは、図17の(b)に示すように直列接続される。
なお、各セルは、それぞれ減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)を備えているので、図1等に示すように、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は、減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)で散乱または吸収され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により各セルの色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態が抑制される。
なお、セルの総電圧Vは、各セルの電圧の総和nEとなる。
図18は、n個のセルをタンデム構成に積層させたものを並列接続した状態を模式的に示す。
なお、各セルは、それぞれ減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)を備えているので、図1等に示すように、封止材16を構成する紫外線硬化型の樹脂を硬化させて第1基板20と第2基板22とを一体化させる際に、第2基板22側から照射される例えば波長200〜400nmの紫外線(UV)は、減衰層(散乱膜21、25または遮光性膜23、27)で散乱または吸収され、多孔質半導体層12に直接入射されることが抑制される。したがって、紫外線(UV)の照射により各セルの色素の分子構造が変性して発電特性が低下する事態が抑制される。
なお、セルの総電圧Vは、直列接続されたセルの電圧の総和nEとなる。
(電気二重層キャパシタ)
例えば、電気二重層キャパシタにおいて、上記実施の形態に示す減衰層(散乱膜25または遮光性膜27)を適用して、封止材を硬化させる際の紫外線等の照射に伴う活物質電極の劣化を防止することができる。
図19は、電気二重層キャパシタ内部電極の基本構造を例示している。電気二重層キャパシタ内部電極は、少なくとも1層の活物質電極110,112に、電解液のイオンのみが通過するセパレータ130を介在させ、引き出し電極132a,132bが活物質電極110,112から露出するように構成され、引き出し電極132a,132bは電源電圧に接続されている。引き出し電極132a,132bは、例えば、アルミ箔から形成され、活物質電極110,112は、例えば、活性炭から形成される。セパレータ130は、活物質電極110,112全体を覆うように、活物質電極110,112よりも大きいもの(面積の広いもの)を用いる。セパレータ130は、エネルギーデバイスの種類には原理的に依存しないが、特にリフロー対応が必要とされる場合には、耐熱性が要求される。耐熱性が必要ない場合にはポリプロピレン等を、耐熱性が必要な場合にはセルロース系のものを用いることができる。電気二重層キャパシタ内部電極には、電解液が含浸されており、セパレータ130を通して、電解液のイオンのみが充放電時に移動する。
この構成において、上記実施の形態に示す減衰層(散乱膜25または遮光性膜27)は、例えば、活物質電極110,112に形成することができる。
(リチウムイオンキャパシタ)
また、リチウムイオンキャパシタにおいて、上記実施の形態に示す減衰層(散乱膜25または遮光性膜27)を適用して、封止材を硬化させる際の紫外線等の照射に伴う活物質電極の劣化を防止することができる。
図20は、リチウムイオンキャパシタ内部電極の基本構造を例示している。リチウムイオンキャパシタ内部電極は、少なくとも1層の活物質電極111,112に、電解液のイオンのみが通過するセパレータ130を介在させ、引き出し電極133a,132bが活物質電極110,112から露出するように構成され、引き出し電極133a,132bは電源電圧に接続されている。正極側の活物質電極112は、例えば、活性炭から形成され、負極側の活物質電極111は、例えば、Liドープカーボンから形成される。正極側の引き出し電極132bは、例えば、アルミ箔から形成され、負極側の引き出し電極133aは、例えば、銅箔から形成される。セパレータ130は、活物質電極111,112全体を覆うように、活物質電極111,112よりも大きいもの(面積の広いもの)を用いる。リチウムイオンキャパシタ内部電極には、電解液が含浸されており、セパレータ130を通して、電解液のイオンのみが充放電時に移動する。
この構成において、上記実施の形態に示す減衰層(散乱膜25または遮光性膜27)は、例えば、活物質電極111,112に形成することができる。
(リチウムイオン電池)
また、リチウムイオン電池において、上記実施の形態に示す減衰層(散乱膜25または遮光性膜27)を適用して、封止材を硬化させる際の紫外線等の照射に伴う活物質電極の劣化を防止することもできる。
図21は、リチウムイオン電池内部電極の基本構造を例示している。リチウムイオン電池内部電極は、少なくとも1層の活物質電極111,113に、電解液のイオンのみが通過するセパレータ130を介在させ、引き出し電極133a,132bが活物質電極111,113から露出するように構成され、引き出し電極133a,132bは電源電圧に接続されている。正極側の活物質電極113は、例えば、LiCoOから形成され、負極側の活物質電極111は、例えば、Liドープカーボンから形成される。正極側の引き出し電極132bは、例えば、アルミ箔から形成され、負極側の引き出し電極133aは、例えば、銅箔から形成される。セパレータ130は、活物質電極111,113全体を覆うように、活物質電極111,113よりも大きいもの(面積の広いもの)を用いる。リチウムイオン電池内部電極には、電解液が含浸されており、セパレータ130を通して、電解液のイオンのみが充放電時に移動する。
この構成において、上記実施の形態に示す減衰層(散乱膜25または遮光性膜27)は、例えば、活物質電極111,113に形成することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明の色素増感太陽電池は、電源として適用することによって、様々なシステムに適用可能である。
200…色素増感太陽電池
2…半導体微粒子
4…色素分子
10…第1電極
12…多孔質半導体層
14…電荷輸送層(電解液)
16…封止材
18…第2電極
19…触媒層
20…第1基板
21…散乱膜
22…第2基板
23…遮光性膜
25…散乱膜
26…酸化還元電解質
27…遮光性膜
28…酸化還元電解質
30、32…色素分子
100…作用極
110,112,113…活物質電極
130…セパレータ
B1〜B12…セル
M…マスク部材
P…粒状体

Claims (9)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板上に配置された第1電極と、
    前記第1電極上に配置され、半導体微粒子と色素分子を備える多孔質半導体層と、
    前記多孔質半導体層と接し、酸化還元電解質を溶媒に溶解した電解液と、
    前記電解液に接する第2電極と、
    前記第2電極上に配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板の間に配置され、前記電解液を封止する封止材と、
    前記第2電極において前記封止材と対向する部位を除く領域、または前記多孔質半導体層の何れか一方に設けられ、前記第2基板側から入射する所定の波長領域の光線を減衰させる減衰層と
    を備えることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記封止材は光硬化型の樹脂で構成され、
    前記所定の波長領域は、前記光硬化型の樹脂を硬化させる波長領域であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記封止材は紫外線硬化型の樹脂で構成され、
    前記所定の波長領域は、前記紫外線硬化型の樹脂を硬化させる波長領域であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記減衰層は、前記第2基板側から入射される所定の波長領域の光線を散乱させる散乱膜で構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記散乱膜は、光散乱性の金属酸化物で構成されることを特徴とする請求項4に記載の色素増感太陽電池。
  6. 前記減衰層は、前記第2基板側から入射される所定の波長領域の光線を吸収する遮光性膜で構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記遮光性膜は、炭素または炭素を含む導電性高分子で構成されることを特徴とする請求項6に記載の色素増感太陽電池。
  8. 前記散乱膜または前記遮光性膜は、多孔質膜として構成されることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の色素増感太陽電池。
  9. 前記第2電極と前記減衰層と間には、透光性の触媒層が設けられることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の色素増感太陽電池。
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