JP2003097837A - レンジフード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のレンジフードでは、給気された空気が天
井方向に流れるようになっていたので、レンジフードが
設置された前方の天井面が汚れ易いという問題点があっ
た。本発明は、この点の改善を課題とする。 【解決手段】給気用の吹出口４ａをスリット状に上下方
向に複数設け、上側に位置した吹出口には、吹き出し空
気流を下向きに案内するように、空気の下流側に向かっ
て下向きに傾斜したガイド４ｂを設け、下側に位置した
吹出口には、吹き出し空気流を上向きに案内するよう
に、空気の下流側に向かって上向きに傾斜したガイド４
ｃを設けた。このことで、吹出口４ａからの空気がレン
ジフード前方の天井面Ｒに吹き付けられないようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、ガスレンジなどの
加熱調理設備の上方に設置され、調理の際の油煙を屋外
に排出するためのレンジフードに関する。 【０００２】 【従来の技術】一般に厨房におけるガスレンジなどの加
熱調理設備の上方には、調理の際の油煙などを屋外に排
気するために、レンジフードが設けられている。このレ
ンジフードは、下面が開放された略箱形のフード本体を
排気ダクトを介して建物の外部に連通させたものであ
り、内装されたファンを回転させることにより、フード
本体の下側から吸い込んだ屋内の汚れた空気を、排気ダ
クトを介して屋外に排出するようになっている。 【０００３】ところで、近年、省エネルギーの観点、あ
るいは防音対策上から住居の気密性が向上する傾向にあ
る。そして、このような気密性の高い住居でレンジフー
ドを用いて屋内の空気を強制的に排気しようとすると、
排気効率が悪いばかりか、屋内と屋外との間に気圧差を
生じて、ドアの開閉が困難になったり、あるいは意図し
ない狭小な隙間から屋内に空気が流れ込み、不快なうな
り音を生じるなどの種々の問題が発生する。 【０００４】そこで、このような問題を生じる虞れのあ
る場所には、図５並びに図６に示すような同時給排気型
のレンジフードが設置されていた。この同時給排気型の
レンジフードは、フード本体１の上部に、給気ダクト１
１と連通する外気取入用の給気経路を設けたものであ
る。 【０００５】給気経路は、フード本体１の上面に、前方
（図５において左手前方向）を開放した状態で固定され
るジョイントボックス２と、このジョイントボックス２
と連通するようにその前側（図６において左側）に取り
付けられる給気ボックス３と、この給気ボックス３の前
面を覆った前幕板４とで構成されている。 【０００６】ジョイントボックス２は、その上面に給気
用の開口（図示せず）が設けられ、この開口と連通する
ように給気継手７が取り付けられたものであり、この給
気継手７には、給気ダクト１１が連結されるようになっ
ている。 【０００７】また、排気ダクト１０は、排気継手６とス
ペーサ５を介してフード本体１内に連通するようになっ
ている。 【０００８】給気ボックス３は、ジョイントボックス２
の前方の開放部分に連通するように、下端後方が開放さ
れ、かつ前面も開放された枠状のものである。 【０００９】前幕板４は、給気ボックス３の前面を塞ぐ
ようにフード本体１の上側に取り付けられるものであ
り、その前面の所定位置には、給気ボックス３内と連通
するように複数の空気の吹出口４ｄが設けられている。 【００１０】上記の構成を有する従来のレンジフード
は、内装されたファン（図示せず）を作動させて屋内の
汚れた空気をフード本体１の下側から吸い込み、排気ダ
クト１０を介して屋外に排出し、屋内が負圧になると、
図６に矢印で示すように外部に連通した給気経路から外
気が屋内に導入されるようになっている。 【００１１】ここにおいて、従来のレンジフードでは、
屋内に導入された外気が、直ちにフード本体１の下方か
ら吸い込まれないように、空気の吹出口４ｄには、図６
に示すように空気流を上向きに案内するガイド４ｅが設
けられていた。 【００１２】なお、図６において符号１６は、レンジフ
ードを使用しない時に、外気が流入することを防止する
ために、給気継手７内に設けられたバタフライ式のシャ
ッターを示す。 【００１３】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来のレンジ
フードでは、空気の吹出口に空気流を上向きに案内する
ガイドが設けられていたので、吸入された屋外の空気
が、レンジフードの前側の天井面に吹き付けられること
となる。ここにおいて吸い込まれる屋外の空気は、必ず
しも汚れの無いものではなく、昨今の大気の汚れの影響
で、多くの煤塵を含んでいる。したがって、レンジフー
ドの使用に伴って、このような空気が吹き付けられるこ
ととなる天井は、次第に汚れ、レンジフード前側の天井
面だけが、その周囲に比し、著しく汚れが目立つことと
なり、清潔感を損なうと共に、レンジフード自体の機能
も疑われかねないという問題点があった。 【００１４】本発明は、上記従来のレンジフードが有し
ていた問題点の解決を課題とする。 【００１５】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、給気用の吹出口を備え、屋内の汚れ
た空気を屋外に排気する際に、建物の外部に連通した給
気ダクトから外気が取り込まれるようになった同時給排
気型のレンジフードにおいて、上記給気ダクトが連通し
た屋内側の吹出口を、スリット状に上下方向に複数、設
けると共に、各吹出口に吹出空気流を案内するガイドを
設け、かつ、これらのガイドのうち、上位のものが下向
きの空気流を生じさせるように、下位のガイドと異なる
方向に傾斜させたことを特徴とする。 【００１６】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図示した実施の形
態に基づき詳細に説明する。なお、従来例において示し
たものと、同一機能部品には、同一符号を付している。 【００１７】図１は、本発明のレンジフードの実施形態
を示した分解斜視図、図２は、その組立状態の正面図で
ある。このレンジフードは、従来のものと同様に、下面
が開放された略箱形のフード本体１と、このフード本体
１の上面に取り付けられるジョイントボックス２と、ジ
ョイントボックス２の前側（図１において左手前側）に
取り付けられる給気ボックス３、および給気ボックス３
の前面を覆う前幕板４とを有している。 【００１８】ジョイントボックス２は、前面と下面が開
放された略蓋状のものであり、上面に給気用の開口２ａ
が設けられている。そして、この開口２ａと連通するよ
うに給気ダクト（図３の符号１１参照）連結用の給気継
手７が、取り付けられるようになっている。また、排気
口１ａの上部にはスペーサ５を介して排気継手６が取り
付けられ、この排気継手６は、建物の外部に連通した排
気ダクト１０に接続されるようになっている。 【００１９】給気ボックス３は、ジョイントボックス２
の前方の開放部分に連通するように、下端後方（図１に
おいて右奥側）に開口部３ａを有し、かつ前面（図１に
おいて左手前側）が開放された縦型の略箱状のものであ
る。 【００２０】前幕板４は、給気ボックス３の前面を含む
フード本体１の上部前面を覆うように、金属板を屈曲し
て形成されたものであり、その前面部分には、給気のた
めのスリット状の吹出口４ａが、上下方向に複数、打ち
抜き形成されている。 【００２１】なお、図１において符号８は、排気継手６
に内装されたシャッターを示し、常時は、排気路を閉鎖
する状態にあり、排気圧を受けたり、あるいは図示しな
い電動モータで強制的に回動されることにより、排気路
を開放するようになっている。 【００２２】ここにおいて本発明のレンジフードでは、
前幕板４に形成された各吹出口４ａに、この吹出口４ａ
を形成する際に打ち抜かれた金属板を、内方に折り曲
げ、吹出空気流の向きを案内するガイド４ｂ，４ｃを形
成している。これらのガイド４ｂ，４ｃのうち、上側に
位置したガイド４ｂは、空気流を下向きに案内するよう
に、流れの下流側に向かって下向きに傾斜し、かつ、下
位に位置するガイド４ｃは、これとは反対に、空気流を
上向きに案内するように、流れの下流側に向かって上向
きに傾斜している。 【００２３】また、フード本体１内には、図４に示すよ
うに排気用のファン１３が設けられると共に、このファ
ン１３の吸込側（図４において左下側）を覆うようにフ
ィルター１２が設けられている。１５は、上記ファン１
３が収納されるファンケースを示し、このファンケース
１５は、フード本体１の天面に設けられた排気口１ａに
開口するように設けられている。１４は、ファン１３の
駆動用のモータ、９は操作用のスイッチを示す。 【００２４】本発明のレンジフードは、上記の構成を有
している。 【００２５】次に上記構成を有する本発明のレンジフー
ドの働きについて述べる。 【００２６】まず、フード本体１の前部に取り付けられ
たスイッチ９を操作し、モータ１４に電源を投入する
と、このモータ１４でファン１３が回転駆動され、ファ
ンケース１５内の空気が、図４に矢印で示すように排気
口１ａから排気ダクト１０を介して屋外に排出される。
この時、ファンケース１５の前方に配置されたフィルタ
ー１２で空気中に浮遊している油煙などが捕捉されるよ
うになっている。 【００２７】このようにして屋内の空気が排気される
と、やがて屋内の空気圧が低下し、屋外との間に気圧の
差を生じる。そして、このように屋内と屋外との間に気
圧の差が生じると、屋外に連通した給気ダクト１１から
図３に矢印で示したように、屋内に空気が流れ込む。こ
の時、屋内に空気が流れ込む各吹出口４ａには、この空
気の流れを案内するガイド４ｂ，４ｃが、上位のものは
下向きに、下位のものは上向きに案内するように設けら
れている。よって、上下の吹出口４ａから吹き出した空
気は、図３に矢印で示すように、吹出口４ａの前方にお
いて衝突し、上下方向の互いの流れが打ち消されること
となる。 【００２８】よって、吹出口４ａから吹き出した空気
が、レンジフード前側の天井面Ｒに吹き付けられること
がなくなり、このことに起因する天井面Ｒの汚れが防止
されるものである。 【００２９】そして、レンジフードのモータ１４を停止
し、空気の吸い出しを止めると、吹出口４ａから屋内に
流れ込んだ空気により、やがて、屋内外の気圧が平衡状
態となり、空気の流れ込みが停止するものである。 【００３０】以上のようにして、本発明のレンジフード
では、設置された前方の天井面Ｒを汚すことなく、必要
な換気が行われるようになっている。 【００３１】なお、上記の実施の形態では、ガイド４
ｂ，４ｃを吹出口４ａを打ち抜いた金属板を屈曲して形
成した例を示したが、このガイド４ｂ，４ｃは、所定の
空気流を生じさせるように、各吹出口４ａに設けられて
いれば良く、吹出口４ａが形成された前幕板４と別体の
ものであっても良い。また、図示した例では、ガイド４
ｂ，４ｃを吹出口４ａの内側に設けたものを示したが、
このガイドは、上側のもの（４ｂ）が下向きの気流を生
じさせるように傾斜して設けられていれば良く、吹出口
４ａの外側（屋内側）に設けられていても良い。 【００３２】さらにまた、図示した実施の形態では、吹
出口４ａを４つ設け、上側の二つの吹出口４ａに設けら
れるガイド４ｂを下向きに傾斜したものとし、上側の二
つの吹出口４ａに設けられるガイド４ｃを上向きに傾斜
したものとした例を示したが、吹出口４ａはスリット状
に上下方向に複数設けられていれば良く、また、この吹
出口４ａに設けられるガイドも必ずしも上下対称に設け
られてなくても良く、少なくとも最上位に位置したガイ
ドが、下向きの気流を生じさせるように、気流の下流側
に向かって下向きに傾斜していれば良い。 【００３３】なおまた、図示した実施の形態では、屋内
と屋外の気圧の差により給気されるようにした自然給気
式のレンジフードを例示したが、上述した形態でガイド
４ｂ，４ｃが設けられる本発明のレンジフードは、給気
経路中に別途、給気用のファンが設けられ、レンジフー
ドの作動に連動してこのファンを作動させ、強制的に給
気を行うようにしたものであっても良い。 【００３４】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のレンジフ
ードでは、上下方向に複数設けられた給気用の吹出口に
設けられるガイドを、上位のものが下向きの空気流を生
じさせるようにしたので、この空気流で他の吹出口から
吹き出した空気の流れが変えられ、空気がレンジフード
前方の天井面に吹き付けられることがなくなる。よっ
て、このことに起因する天井面の汚れが防止され、清掃
の手間がなくなると共に、レンジフードまわりの清潔感
も向上するという効果がある。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明に係るレンジフードの一実施形態の分解
斜視図である。 【図２】図１に示したレンジフードの組立状態の正面図
である。 【図３】本発明のレンジフードの給気部分の断面説明図
である。 【図４】本発明のレンジフードの排気部分の断面説明図
である。 【図５】従来のレンジフードの一部切欠斜視図である。 【図６】従来のレンジフードの排気部分の断面説明図で
ある。 【符号の説明】 １ フード本体 １ａ 排気口 ２ ジョイントボックス ２ａ 給気用の開口 ３ 給気ボックス ３ａ 開口部 ４ 前幕板 ４ａ 吹出口 ４ｂ，４ｃ ガイド ５ スペーサ ６ 排気継手 ７ 給気継手 ８ シャッター ９ スイッチ １０ 排気ダクト １１ 給気ダクト １２ フィルター １３ ファン １４ モータ １５ ファンケース

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 給気用の吹出口を備え、屋内の汚れた空
   気を屋外に排気する際に、建物の外部に連通した給気ダ
   クトから外気が取り込まれるようになった同時給排気型
   のレンジフードにおいて、 上記給気ダクトが連通した屋内側の吹出口が、スリット
   状に上下方向に複数設けられると共に、各吹出口に吹出
   空気流を案内するガイドが設けられ、かつ、これらのガ
   イドのうち、上位のものが下向きの空気流を生じさせる
   ように、下位のガイドと異なる方向に傾斜していること
   を特徴とするレンジフード。