JP2003097720A - パッキン - Google Patents
パッキンInfo
- Publication number
- JP2003097720A JP2003097720A JP2001294920A JP2001294920A JP2003097720A JP 2003097720 A JP2003097720 A JP 2003097720A JP 2001294920 A JP2001294920 A JP 2001294920A JP 2001294920 A JP2001294920 A JP 2001294920A JP 2003097720 A JP2003097720 A JP 2003097720A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lubricant
- groove
- packing
- gap
- members
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 潤滑剤の保持機能に優れ、かつ、潤滑剤を摺
動部に効果的に送り込んで、摺動摩耗を低減させて耐久
性の向上を図ったパッキンを提供する。 【解決手段】 溝2の幅方向の両壁を形成する外周側リ
ップ3及び内周側リップ4が、両者ともそれぞれ相手部
材の表面に摺動可能に密着するため、溝2は密閉され
る。そして、溝2内には、凸部5が設けられる。この凸
部5は、X方向の回転方向に向かって、内周側リップ4
側から外周側リップ3側に向かって延びるような円弧形
状である。そして、複数の凸部5が放射状に配設されて
いる。
動部に効果的に送り込んで、摺動摩耗を低減させて耐久
性の向上を図ったパッキンを提供する。 【解決手段】 溝2の幅方向の両壁を形成する外周側リ
ップ3及び内周側リップ4が、両者ともそれぞれ相手部
材の表面に摺動可能に密着するため、溝2は密閉され
る。そして、溝2内には、凸部5が設けられる。この凸
部5は、X方向の回転方向に向かって、内周側リップ4
側から外周側リップ3側に向かって延びるような円弧形
状である。そして、複数の凸部5が放射状に配設されて
いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに相対的に回
転する2部材間の隙間をシールする回転体用のパッキン
に関するものである。
転する2部材間の隙間をシールする回転体用のパッキン
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のパッキンとしては、たと
えば、XリングやWリングなどが知られている。
えば、XリングやWリングなどが知られている。
【0003】以下、図5を参照して、従来技術に係るパ
ッキンについて、Xリングの場合を例にして説明する。
図5は従来技術に係るパッキン(Xリング)の一部破断
斜視図である。
ッキンについて、Xリングの場合を例にして説明する。
図5は従来技術に係るパッキン(Xリング)の一部破断
斜視図である。
【0004】なお、パッキンは、互いに相対的に回転す
る2部材間の隙間をシールするものであり、例えば同軸
に設けられた2つの円板状(形状は円板でなくても良
い)の部材がそれぞれ相対的に回転する場合において、
これら2つの円板状部材間の平板状の隙間をシールした
り、あるいは、軸と、この軸と同心的に設けられたハウ
ジング部材との間の環状の隙間をシールしたりするもの
であるが、以下前者のように平板状の隙間をシールする
場合を例に説明する。
る2部材間の隙間をシールするものであり、例えば同軸
に設けられた2つの円板状(形状は円板でなくても良
い)の部材がそれぞれ相対的に回転する場合において、
これら2つの円板状部材間の平板状の隙間をシールした
り、あるいは、軸と、この軸と同心的に設けられたハウ
ジング部材との間の環状の隙間をシールしたりするもの
であるが、以下前者のように平板状の隙間をシールする
場合を例に説明する。
【0005】図5に示したように、Xリング100は、
相手部材に対して摺動可能に密着してシールさせる摺動
部には、グリース等の潤滑剤を溜めるための環状の溝1
01を設けていた。
相手部材に対して摺動可能に密着してシールさせる摺動
部には、グリース等の潤滑剤を溜めるための環状の溝1
01を設けていた。
【0006】この溝101は、Xリング100の使用状
態(隙間をシールさせた状態)においては、相手部材の
表面によって密閉される構成となっている。すなわち、
溝101の幅方向の両壁を形成する外周側リップ102
及び内周側リップ103が、両者ともそれぞれ相手部材
の表面に摺動可能に密着するため、溝101は密閉され
る。
態(隙間をシールさせた状態)においては、相手部材の
表面によって密閉される構成となっている。すなわち、
溝101の幅方向の両壁を形成する外周側リップ102
及び内周側リップ103が、両者ともそれぞれ相手部材
の表面に摺動可能に密着するため、溝101は密閉され
る。
【0007】そして、この密閉された溝101内にグリ
ース等の潤滑剤を溜めておくことで、外周側リップ10
2及び内周側リップ103の表面の潤滑性を維持させて
摩耗の低減を図っていた。
ース等の潤滑剤を溜めておくことで、外周側リップ10
2及び内周側リップ103の表面の潤滑性を維持させて
摩耗の低減を図っていた。
【0008】ところで、上述した潤滑剤を溜めるための
溝101は、Xリング100の何れの箇所で切断した場
合においても、その断面形状が同一となるように一定形
状の溝を形成させていた。
溝101は、Xリング100の何れの箇所で切断した場
合においても、その断面形状が同一となるように一定形
状の溝を形成させていた。
【0009】図6は、Xリング100の使用状態(隙間
をシールさせた状態)において、溝101が密閉される
際の、溝101の密閉空間の全体の様子を説明する模式
図である。
をシールさせた状態)において、溝101が密閉される
際の、溝101の密閉空間の全体の様子を説明する模式
図である。
【0010】図に示したように、2部材が互いに相対的
に回転した場合には、溝101内の潤滑剤には、いずれ
の場所においても潤滑剤に作用する回転方向において均
一な力が均一な方向に作用する。
に回転した場合には、溝101内の潤滑剤には、いずれ
の場所においても潤滑剤に作用する回転方向において均
一な力が均一な方向に作用する。
【0011】したがって、上述した従来技術において
は、2部材が互いに相対的に回転した場合であっても、
溝101内の潤滑剤は実質的には移動していなかった。
すなわち、潤滑剤は溝101内で回転方向にそのままず
れるだけで、実質的に移動していないのと同じことにな
っていた。
は、2部材が互いに相対的に回転した場合であっても、
溝101内の潤滑剤は実質的には移動していなかった。
すなわち、潤滑剤は溝101内で回転方向にそのままず
れるだけで、実質的に移動していないのと同じことにな
っていた。
【0012】そのため、摺動部を形成する、外周側リッ
プ102及び内周側リップ103の先端部に、有効に潤
滑剤を送り込むことができず、摺動部において潤滑剤を
均等に広げることができず、潤滑性の維持による摩耗の
低減を効果的に発揮させることが困難であった。
プ102及び内周側リップ103の先端部に、有効に潤
滑剤を送り込むことができず、摺動部において潤滑剤を
均等に広げることができず、潤滑性の維持による摩耗の
低減を効果的に発揮させることが困難であった。
【0013】また、その他の従来技術としては、例え
ば、実願昭53−110090号(実開昭55−261
95号)に開示された技術がある。このような技術につ
いて、図7及び図8を参照して説明する。
ば、実願昭53−110090号(実開昭55−261
95号)に開示された技術がある。このような技術につ
いて、図7及び図8を参照して説明する。
【0014】図7は従来技術に係るシールリングの装着
状態を示す断面図である。図8はシールリングの摺動表
面の模式図である。
状態を示す断面図である。図8はシールリングの摺動表
面の模式図である。
【0015】図7中、301は内リングプレートであ
り、302は外リングプレートであり、303はブッシ
ュであり、304はピンである。そして、ブッシュ30
3とピン304との間の隙間Sにはグリースなどの潤滑
剤が充填される。
り、302は外リングプレートであり、303はブッシ
ュであり、304はピンである。そして、ブッシュ30
3とピン304との間の隙間Sにはグリースなどの潤滑
剤が充填される。
【0016】そして、内リングプレート301と外リン
グプレート302との間にシールリング200が装着さ
れて、シールを行っている。この場合に、シールリング
200のシール面を保護するためには潤滑剤による膜面
(一般的には油膜)を形成させる必要があるため、潤滑
剤を微量ずつ漏らすように構成させていた。
グプレート302との間にシールリング200が装着さ
れて、シールを行っている。この場合に、シールリング
200のシール面を保護するためには潤滑剤による膜面
(一般的には油膜)を形成させる必要があるため、潤滑
剤を微量ずつ漏らすように構成させていた。
【0017】しかし、単に平面的にシールを行う構造の
場合には、潤滑剤の漏れ量が大きくなりすぎるために、
図8に示すように、摺動表面に渦巻状のリップ部201
を設けることで、内リングプレート301と外リングプ
レート302が相対回転する際に、潤滑剤を誘導するよ
うに構成していた。
場合には、潤滑剤の漏れ量が大きくなりすぎるために、
図8に示すように、摺動表面に渦巻状のリップ部201
を設けることで、内リングプレート301と外リングプ
レート302が相対回転する際に、潤滑剤を誘導するよ
うに構成していた。
【0018】つまり、シールリング200が、図8中Z
方向(反時計回り方向)に回転した場合に、渦巻状のリ
ップ部201の外周端部(図中矢印Y付近)において、
潤滑剤に対して内部に向けて掻き戻すように作用させる
ことで、潤滑剤の漏れ量を低減させていた。また、この
ような構成によれば、潤滑剤をある程度全体に均一に行
き渡らせることも可能になった。
方向(反時計回り方向)に回転した場合に、渦巻状のリ
ップ部201の外周端部(図中矢印Y付近)において、
潤滑剤に対して内部に向けて掻き戻すように作用させる
ことで、潤滑剤の漏れ量を低減させていた。また、この
ような構成によれば、潤滑剤をある程度全体に均一に行
き渡らせることも可能になった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5及
び図6に示すようなXリングの場合には、上述のよう
に、潤滑剤を均等に行き渡らせることが困難であった。
び図6に示すようなXリングの場合には、上述のよう
に、潤滑剤を均等に行き渡らせることが困難であった。
【0020】また、図7及び図8に示すような従来技術
の場合には、潤滑剤の不均一性はある程度解消したもの
の、摺動面(シール面)に潤滑剤を保持することが困難
であった。
の場合には、潤滑剤の不均一性はある程度解消したもの
の、摺動面(シール面)に潤滑剤を保持することが困難
であった。
【0021】つまり、図7及び図8に示すような従来技
術の場合には、上述のように、潤滑剤の外部への漏れに
ついては、ある程度解消された。しかし、この従来技術
の場合には、摺動表面に渦巻状のリップを形成したに過
ぎないため、渦巻の内周端部及び外周端部はそれぞれ開
放されている。従って、矢印X及び矢印Yに示すよう
に、潤滑剤は渦巻の内周端部と外周端部の位置では行き
来ができるようになっていた。
術の場合には、上述のように、潤滑剤の外部への漏れに
ついては、ある程度解消された。しかし、この従来技術
の場合には、摺動表面に渦巻状のリップを形成したに過
ぎないため、渦巻の内周端部及び外周端部はそれぞれ開
放されている。従って、矢印X及び矢印Yに示すよう
に、潤滑剤は渦巻の内周端部と外周端部の位置では行き
来ができるようになっていた。
【0022】そのため、シールリング200が、図8中
Z方向(反時計回り方向)に回転した場合には、外周端
部では潤滑剤を内部に掻き込むように作用するものの、
内周端部では内周側に潤滑剤を流し出すように作用す
る。その結果、経時的に摺動面に保持されている潤滑剤
が減少してしまっていた。
Z方向(反時計回り方向)に回転した場合には、外周端
部では潤滑剤を内部に掻き込むように作用するものの、
内周端部では内周側に潤滑剤を流し出すように作用す
る。その結果、経時的に摺動面に保持されている潤滑剤
が減少してしまっていた。
【0023】このように、潤滑剤を保持する能力が不十
分であった。
分であった。
【0024】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、潤滑
剤の保持機能に優れ、かつ、潤滑剤を摺動部に効果的に
送り込んで、摺動摩耗を低減させて耐久性の向上を図っ
たパッキンを提供することにある。
ためになされたもので、その目的とするところは、潤滑
剤の保持機能に優れ、かつ、潤滑剤を摺動部に効果的に
送り込んで、摺動摩耗を低減させて耐久性の向上を図っ
たパッキンを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、互いに相対的に回転する2部材間
の隙間をシールするパッキンであって、前記2部材のう
ちの少なくとも一方の部材に摺動する摺動部に、該一方
の部材表面によって密閉されると共に、潤滑剤が溜めら
れる環状の溝を備えたパッキンにおいて、前記溝の中
に、前記2部材の相対的な回転時に、潤滑剤を回転方向
とは異なる方向に強制的に誘導する通路を形成する凸部
を設けたことを特徴とする。
に本発明にあっては、互いに相対的に回転する2部材間
の隙間をシールするパッキンであって、前記2部材のう
ちの少なくとも一方の部材に摺動する摺動部に、該一方
の部材表面によって密閉されると共に、潤滑剤が溜めら
れる環状の溝を備えたパッキンにおいて、前記溝の中
に、前記2部材の相対的な回転時に、潤滑剤を回転方向
とは異なる方向に強制的に誘導する通路を形成する凸部
を設けたことを特徴とする。
【0026】したがって、2部材が相対的に回転する
と、溝内に溜められた潤滑剤に回転方向の力が作用する
ことになるが、この際に、溝の中に設けられた凸部によ
って形成された通路により、潤滑剤は、作用する回転方
向とは異なる方向へ強制的に移動させられる。
と、溝内に溜められた潤滑剤に回転方向の力が作用する
ことになるが、この際に、溝の中に設けられた凸部によ
って形成された通路により、潤滑剤は、作用する回転方
向とは異なる方向へ強制的に移動させられる。
【0027】前記凸部は、前記溝の幅方向の一方の側壁
面との隙間を徐々に狭くしつつ、前記一方の部材表面と
の隙間を徐々に狭くする傾斜面を備えるとよい。
面との隙間を徐々に狭くしつつ、前記一方の部材表面と
の隙間を徐々に狭くする傾斜面を備えるとよい。
【0028】これにより、潤滑剤は、力が作用する回転
方向に移動させられ、凸部に備えられた傾斜面に沿っ
て、溝の幅方向の一方の壁側であって、かつ、摺動する
部材表面側へと強制的に移動させられる。
方向に移動させられ、凸部に備えられた傾斜面に沿っ
て、溝の幅方向の一方の壁側であって、かつ、摺動する
部材表面側へと強制的に移動させられる。
【0029】前記凸部は、円弧形状の突起であり、前記
溝の中には、前記突起が放射状に複数配置されるとよ
い。
溝の中には、前記突起が放射状に複数配置されるとよ
い。
【0030】これにより、潤滑剤は、複数設けられた突
起の位置でそれぞれ放射状に移動させられる。
起の位置でそれぞれ放射状に移動させられる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する
趣旨のものではない。
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する
趣旨のものではない。
【0032】本発明の実施の形態に係るパッキンは、互
いに相対的に回転する2部材間の隙間をシールするもの
であり、例えば同軸に設けられた2つの円板状(形状は
円板でなくても良い)の部材がそれぞれ相対的に回転す
る場合において、これら2つの円板状部材間の平板状の
隙間をシールしたり、あるいは、軸と、この軸と同心的
に設けられたハウジング部材との間の環状の隙間をシー
ルしたりするものである。
いに相対的に回転する2部材間の隙間をシールするもの
であり、例えば同軸に設けられた2つの円板状(形状は
円板でなくても良い)の部材がそれぞれ相対的に回転す
る場合において、これら2つの円板状部材間の平板状の
隙間をシールしたり、あるいは、軸と、この軸と同心的
に設けられたハウジング部材との間の環状の隙間をシー
ルしたりするものである。
【0033】そして、前者の場合には相手部材に対して
平面的に摺動する摺動部に本実施の形態を適用すること
ができ、後者の場合には曲面的に摺動する摺動部に本実
施の形態を適用することができるものであるが、以下前
者のように平板状の隙間をシールする場合を例に説明す
る。
平面的に摺動する摺動部に本実施の形態を適用すること
ができ、後者の場合には曲面的に摺動する摺動部に本実
施の形態を適用することができるものであるが、以下前
者のように平板状の隙間をシールする場合を例に説明す
る。
【0034】図1〜図4を参照して、本発明の実施の形
態に係るパッキンについて説明する。
態に係るパッキンについて説明する。
【0035】図1は本発明の実施の形態に係るパッキン
の概略構成平面図であり、図2は本発明の実施の形態に
係るパッキンの一部破断斜視図であり、図3は図2中A
A部の一部断面斜視図であり、図4は本発明の実施の形
態に係るパッキンの使用状態を説明する概略構成図であ
る。
の概略構成平面図であり、図2は本発明の実施の形態に
係るパッキンの一部破断斜視図であり、図3は図2中A
A部の一部断面斜視図であり、図4は本発明の実施の形
態に係るパッキンの使用状態を説明する概略構成図であ
る。
【0036】まず、図4を参照して、本発明の実施の形
態に係るパッキンの使用例を説明する。
態に係るパッキンの使用例を説明する。
【0037】図4中、1は本発明の実施の形態に係るパ
ッキンである。また、20は軸(上記図7に示すピンに
相当)であり、30は第1円板状部材(上記図7に示す
外リングプレートに相当)であり、40は第2円板状部
材(上記図7に示す内リングプレートに相当)であり、
50はブッシュである。また、軸20とブッシュ50と
の間の隙間には、グリース等の潤滑剤が充填されてい
る。
ッキンである。また、20は軸(上記図7に示すピンに
相当)であり、30は第1円板状部材(上記図7に示す
外リングプレートに相当)であり、40は第2円板状部
材(上記図7に示す内リングプレートに相当)であり、
50はブッシュである。また、軸20とブッシュ50と
の間の隙間には、グリース等の潤滑剤が充填されてい
る。
【0038】ここで、第1円板状部材30と第2円板状
部材40は互いに相対的に回転する部材であり、パッキ
ン1は、これら2部材間の隙間をシールするものであ
る。
部材40は互いに相対的に回転する部材であり、パッキ
ン1は、これら2部材間の隙間をシールするものであ
る。
【0039】なお、第1円板状部材30は軸20に固定
され、軸20の回転とともに第1円板状部材30が回転
することによって、第1円板状部材30と第2円板状部
材40とは相対的に回転する構成となっている。
され、軸20の回転とともに第1円板状部材30が回転
することによって、第1円板状部材30と第2円板状部
材40とは相対的に回転する構成となっている。
【0040】そして、パッキン1は、第2円板状部材4
0から突出したブッシュ50の先端付近の外周面に装着
されて、第1円板状部材30と第2円板状部材40との
間に配設される。
0から突出したブッシュ50の先端付近の外周面に装着
されて、第1円板状部材30と第2円板状部材40との
間に配設される。
【0041】ここで、図に示したパッキン1は、第1円
板状部材30及び第2円板状部材40に対して、それぞ
れ摺動可能に密着してシールさせる構成であるが、本発
明の実施の形態は、要は、少なくともいずれか一方の摺
動部に適用すれば良いので、例えば、一方のみを摺動可
能に構成して、他方に対しては固定させる構成について
も本発明の実施の形態を適用することができる。
板状部材30及び第2円板状部材40に対して、それぞ
れ摺動可能に密着してシールさせる構成であるが、本発
明の実施の形態は、要は、少なくともいずれか一方の摺
動部に適用すれば良いので、例えば、一方のみを摺動可
能に構成して、他方に対しては固定させる構成について
も本発明の実施の形態を適用することができる。
【0042】図1〜図3に示したように、パッキン1に
おける、相手部材(図4における第1円板状部材30あ
るいは第2円板状部材40)に対して摺動する摺動部に
は、グリース等の潤滑剤を溜めるための環状の溝2を設
けている。
おける、相手部材(図4における第1円板状部材30あ
るいは第2円板状部材40)に対して摺動する摺動部に
は、グリース等の潤滑剤を溜めるための環状の溝2を設
けている。
【0043】この溝2は、パッキン1の使用状態(隙間
をシールさせた状態)においては、相手部材の表面によ
って密閉される構成となっている(図4参照)。
をシールさせた状態)においては、相手部材の表面によ
って密閉される構成となっている(図4参照)。
【0044】すなわち、溝2の幅方向の両壁を形成する
外周側リップ3及び内周側リップ4が、両者ともそれぞ
れ相手部材の表面に摺動可能に密着するため、溝2は密
閉される。
外周側リップ3及び内周側リップ4が、両者ともそれぞ
れ相手部材の表面に摺動可能に密着するため、溝2は密
閉される。
【0045】そして、本実施の形態の特徴は、溝2内に
凸部5を設けたことにある。
凸部5を設けたことにある。
【0046】なお、図に示した例では、周方向に等配に
6つ凸部5を設けたものである。
6つ凸部5を設けたものである。
【0047】ここで、2部材(図4における第1円板状
部材30あるいは第2円板状部材40)が互いに相対的
に回転した場合に、溝2内の潤滑剤は図2中X方向の回
転方向に力が作用する場合を例に以下説明する。
部材30あるいは第2円板状部材40)が互いに相対的
に回転した場合に、溝2内の潤滑剤は図2中X方向の回
転方向に力が作用する場合を例に以下説明する。
【0048】凸部5は、X方向の回転方向に向かって、
内周側リップ4側から外周側リップ3側に向かって延び
るような円弧形状の突起である。そして、本実施の形態
では、複数の凸部5が放射状に配設されている。
内周側リップ4側から外周側リップ3側に向かって延び
るような円弧形状の突起である。そして、本実施の形態
では、複数の凸部5が放射状に配設されている。
【0049】そして、凸部5の外周側リップ3側の斜面
は、X方向の回転方向に向かうにつれて外周側リップ3
との隙間を徐々に狭くするように形成されると共に、X
方向の回転方向に向かうにつれて深さを浅くする(すな
わち、相手部材の表面との隙間を狭くする)ように形成
されている。
は、X方向の回転方向に向かうにつれて外周側リップ3
との隙間を徐々に狭くするように形成されると共に、X
方向の回転方向に向かうにつれて深さを浅くする(すな
わち、相手部材の表面との隙間を狭くする)ように形成
されている。
【0050】なお、図2では、凸部5の外周側リップ3
側の斜面と外周側リップ3の壁面との間が広い部分で切
断した場合を示しており、矢印Pで示したように幅も広
く深さも深い通路が形成された様子が示されている。
側の斜面と外周側リップ3の壁面との間が広い部分で切
断した場合を示しており、矢印Pで示したように幅も広
く深さも深い通路が形成された様子が示されている。
【0051】一方、図3では、凸部5の外周側リップ3
側の斜面と外周側リップ3の壁面との間が最も狭くなる
部分で切断した場合を示しており、矢印Qで示したよう
に幅も狭く深さも浅い通路が形成された様子が示されて
いる。
側の斜面と外周側リップ3の壁面との間が最も狭くなる
部分で切断した場合を示しており、矢印Qで示したよう
に幅も狭く深さも浅い通路が形成された様子が示されて
いる。
【0052】したがって、2部材の相対回転時には、潤
滑剤は図2中X方向の回転方向に力が作用するため、そ
の方向へ移動しようとするが、凸部5によって強制的に
移動方向が変えられて、外周側リップ3側であって、か
つ摺動面側(相手部材の表面側)に移動(誘導)させら
れる。
滑剤は図2中X方向の回転方向に力が作用するため、そ
の方向へ移動しようとするが、凸部5によって強制的に
移動方向が変えられて、外周側リップ3側であって、か
つ摺動面側(相手部材の表面側)に移動(誘導)させら
れる。
【0053】なお、凸部5の尾根(頂点の軌跡)部分
は、外周側リップ3及び内周側リップ4の尾根とは同一
の高さでは連続しないように構成されており、潤滑剤の
移動する通路は塞がれないように構成している。すなわ
ち、外周側リップ3との関係においては、図3中矢印Q
で示したように幅も狭く深さも浅いが通路があり、潤滑
剤の移動を停止させることはない。従って、回転中は、
潤滑剤は常に移動する。
は、外周側リップ3及び内周側リップ4の尾根とは同一
の高さでは連続しないように構成されており、潤滑剤の
移動する通路は塞がれないように構成している。すなわ
ち、外周側リップ3との関係においては、図3中矢印Q
で示したように幅も狭く深さも浅いが通路があり、潤滑
剤の移動を停止させることはない。従って、回転中は、
潤滑剤は常に移動する。
【0054】また、図に示した構成においては、潤滑剤
が図2中X方向と反対方向の回転方向に力が作用する場
合には、内周側リップ4側であって、かつ摺動面側(相
手部材の表面側)に移動させられる。
が図2中X方向と反対方向の回転方向に力が作用する場
合には、内周側リップ4側であって、かつ摺動面側(相
手部材の表面側)に移動させられる。
【0055】以上のように、2部材の相対回転時には、
潤滑剤に作用する力とは異なる方向へ強制的に潤滑剤は
移動させられるので、従来技術のように実質的に潤滑剤
が移動しない状態となってしまうことはない。従って、
潤滑剤は積極的に移動するため、摺動部を形成する、外
周側リップ3及び内周側リップ4の先端部に、有効に潤
滑剤を送り込むことができる。
潤滑剤に作用する力とは異なる方向へ強制的に潤滑剤は
移動させられるので、従来技術のように実質的に潤滑剤
が移動しない状態となってしまうことはない。従って、
潤滑剤は積極的に移動するため、摺動部を形成する、外
周側リップ3及び内周側リップ4の先端部に、有効に潤
滑剤を送り込むことができる。
【0056】これにより、摺動部において潤滑剤を均等
に広げることができるため、潤滑性を維持して摩耗の低
減を効果的に発揮させることが可能となる。特に、本実
施の形態では、放射状に複数の円弧形状の凸部5を設け
たことによって、複数箇所に潤滑剤を行き渡らせること
ができ、潤滑剤を効果的に均一に行き渡らせることがで
きる。
に広げることができるため、潤滑性を維持して摩耗の低
減を効果的に発揮させることが可能となる。特に、本実
施の形態では、放射状に複数の円弧形状の凸部5を設け
たことによって、複数箇所に潤滑剤を行き渡らせること
ができ、潤滑剤を効果的に均一に行き渡らせることがで
きる。
【0057】また、潤滑剤は、密閉された溝2内に保持
されているため、潤滑剤の保持機能に優れる。
されているため、潤滑剤の保持機能に優れる。
【0058】なお、凸部の形状については、図に示した
形状に限るものではなく、要は、溝の中の潤滑剤が、潤
滑剤に作用する回転方向において均一な力が均一な方向
に作用せずに実質的に移動しない状態を防止して、潤滑
剤に作用する回転方向とは異なる方向へ積極的に移動さ
せるものであれば良い。特に、摺動部に向かって移動さ
せるようにすれば効果的である。
形状に限るものではなく、要は、溝の中の潤滑剤が、潤
滑剤に作用する回転方向において均一な力が均一な方向
に作用せずに実質的に移動しない状態を防止して、潤滑
剤に作用する回転方向とは異なる方向へ積極的に移動さ
せるものであれば良い。特に、摺動部に向かって移動さ
せるようにすれば効果的である。
【0059】この凸部の形状、個数、配置位置等につい
ては、潤滑剤の流動性(粘度)などに応じて適宜設定す
れば良い。
ては、潤滑剤の流動性(粘度)などに応じて適宜設定す
れば良い。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、潤滑剤
の保持機能に優れる。また、潤滑剤を摺動部に効果的に
送り込んで、摺動摩耗を低減させて耐久性の向上を図る
ことができる。
の保持機能に優れる。また、潤滑剤を摺動部に効果的に
送り込んで、摺動摩耗を低減させて耐久性の向上を図る
ことができる。
【図1】本発明の実施の形態に係るパッキンの概略構成
平面図である。
平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るパッキンの一部破断
斜視図である。
斜視図である。
【図3】図2中AA部の一部断面斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るパッキンの使用状態
を説明する概略構成図である。
を説明する概略構成図である。
【図5】従来技術に係るパッキン(Xリング)の一部破
断斜視図である。
断斜視図である。
【図6】従来技術に係るパッキンに設けられた溝の密閉
空間の全体の様子を説明する模式図である。
空間の全体の様子を説明する模式図である。
【図7】従来技術に係るシールリングの装着状態を示す
断面図である。
断面図である。
【図8】シールリングの摺動表面の模式図である。
1 パッキン
2 溝
3 外周側リップ
4 内周側リップ
5 凸部
20 軸
30 第1円板状部材
40 第2円板状部材
50 ブッシュ
Claims (3)
- 【請求項1】互いに相対的に回転する2部材間の隙間を
シールするパッキンであって、 前記2部材のうちの少なくとも一方の部材に摺動する摺
動部に、該一方の部材表面によって密閉されると共に、
潤滑剤が溜められる環状の溝を備えたパッキンにおい
て、 前記溝の中に、前記2部材の相対的な回転時に、潤滑剤
を回転方向とは異なる方向に強制的に誘導する通路を形
成する凸部を設けたことを特徴とするパッキン。 - 【請求項2】前記凸部は、前記溝の幅方向の一方の側壁
面との隙間を徐々に狭くしつつ、前記一方の部材表面と
の隙間を徐々に狭くする傾斜面を備えることを特徴とす
る請求項1に記載のパッキン。 - 【請求項3】前記凸部は、円弧形状の突起であり、 前記溝の中には、前記突起が放射状に複数配置されるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のパッキン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001294920A JP2003097720A (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | パッキン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001294920A JP2003097720A (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | パッキン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003097720A true JP2003097720A (ja) | 2003-04-03 |
Family
ID=19116436
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001294920A Withdrawn JP2003097720A (ja) | 2001-09-26 | 2001-09-26 | パッキン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003097720A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200466236Y1 (ko) * | 2010-11-15 | 2013-04-08 | 주식회사 동희산업 | 차량 연료탱크용 실링부재 |
US11293437B2 (en) | 2018-12-27 | 2022-04-05 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Fluid machine |
-
2001
- 2001-09-26 JP JP2001294920A patent/JP2003097720A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200466236Y1 (ko) * | 2010-11-15 | 2013-04-08 | 주식회사 동희산업 | 차량 연료탱크용 실링부재 |
US11293437B2 (en) | 2018-12-27 | 2022-04-05 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Fluid machine |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11821461B2 (en) | Sliding components | |
US5967524A (en) | Hybrid seal device | |
JPH0722532Y2 (ja) | 密封装置 | |
US3838862A (en) | Seals for use between two relatively-rotating surfaces | |
CN100390445C (zh) | 往复式密封件 | |
KR20090112643A (ko) | 밀봉장치 | |
US3930655A (en) | Seals for use between two relatively-rotating surfaces | |
JP2569569Y2 (ja) | 密封装置 | |
AU721777B2 (en) | Unitary bearing seal | |
JP2003097720A (ja) | パッキン | |
JP2605197Y2 (ja) | 密封装置 | |
JP7163491B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2019210998A (ja) | 密封装置 | |
JP3921860B2 (ja) | 密封装置 | |
JPH0744860Y2 (ja) | 密封装置 | |
JPH07269518A (ja) | スプライン軸用リップパッキン | |
JP7123658B2 (ja) | 密封装置 | |
JPH0618764U (ja) | シ−ルリング | |
JPH026303Y2 (ja) | ||
JPH067223Y2 (ja) | 非接触型シール | |
JPH10331986A (ja) | 密封装置 | |
JPH0755014A (ja) | オイルシール | |
JP2005054827A (ja) | 密封装置 | |
WO2022190944A1 (ja) | 摺動部品 | |
JP2001295943A (ja) | シールリング |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081202 |