JP2003097335A - 汎用エンジンの制御装置 - Google Patents
汎用エンジンの制御装置Info
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Abstract
給する汎用エンジンの制御装置において、目標回転数に
対してオーバーシュートや制御ハンチングが生じるのを
防止する。 【解決手段】 目標回転数を入力し(S200)、入力
値から前回の目標回転数を減算して差ΔNEMを算出し
(S202)、差ΔNEMが所定値NE1以上か否か判
断し(S204)、肯定されるときは前回値に所定値N
E1を加算して得た和を目標回転数とする(S20
6)。また、差ΔNEMが第2の所定値NE2以下のと
きは前回値から第2の所定値NE2を減算して得た差を
目標回転数とする(S210)。
Description
御装置に関する。
気筒以下の気筒数を備え、スロットルバルブで調量され
た吸入空気をキャブレタを介してガソリン燃料と混合し
て気筒に吸入させ、点火して燃焼させる火花点火式の内
燃エンジンは、良く知られており、携帯発電機、農作業
機、土木作業機など種々の機械の動力源として使用され
ている。
価であることが望まれるので、燃料供給系にはキャブレ
タが用いられると共に、始動もリコイルスタータを介し
て手動で行われる。さらに、使用回転域も一定している
ことから、通例、ウエイトとスプリングからなる機械的
なガバナを用いて回転数を制御している。
っても、近時、スロットルバルブにリニアソレノイドあ
るいはステップモータなどのアクチュエータを接続し、
マイクロコンピュータからなる電子制御ユニット(EC
U)を用いてアクチュエータの指令値をPID制御する
ことも提案されつつある。
用の内燃エンジンに関しては、例えば、特開平10−1
03131号公報に記載されるように、適応制御器を用
いて空燃比を制御することが提案されている。
不要で安価であるが、負荷の多寡に関わらず一定回転を
保持するのが困難であると共に、機種や使用回転域に応
じてスプリング特性などを設定する必要があった。また
スロットルバルブにアクチュエータを接続してその指令
値をPID制御則を介して制御する場合、発電機などの
負荷に応じてPID制御ゲインを設定する必要があると
共に、使用回転域が変更されると、ゲインを設定し直す
必要がある。即ち、PID制御則を用いて制御する場
合、制御対象の特性が変化したとき、最適な安定性と追
従性が保証されない不都合がある。
応制御則を用いて設定するようにすると、演算量は増加
するものの、負荷を考慮することなくゲインを設定でき
る点で、制御対象の特性の変化に対してロバストな制御
を実現することができると共に、使用回転数を自由に設
定できるなどの利点がある。
き、スロットル開度に限界があるために入力値に制限が
あることから、急激なステップ状の目標値の変化に対応
できず、さらに燃料供給系のキャブレタの動作遅れによ
る燃料制御の応答性が低いこともあって、目標値に対し
てオーバーシュートや制御ハンチングが生じる恐れがあ
る。
解消することにあり、少なくとも2気筒以下の個数の気
筒を備え、スロットルバルブで調量された吸入空気をキ
ャブレタを介してガソリン燃料と混合して前記気筒に吸
入させ、点火して燃焼させる火花点火式の内燃エンジン
からなる汎用エンジンにおいて、前記スロットルバルブ
にアクチュエータを接続し、アクチュエータの指令値を
適応制御則を用いて演算すると共に、入力値に制限があ
るときも、目標値に対してオーバーシュートや制御ハン
チングを生じることがないようにした汎用エンジンの制
御装置を提供することにある。
めに、請求項1項にあっては、少なくとも2気筒以下の
個数の気筒を備え、スロットルバルブで調量された吸入
空気にキャブレタを介してガソリン燃料を噴射し、よっ
て生成された混合気を前記気筒に吸入させて点火・燃焼
させる火花点火式の内燃エンジンからなる汎用エンジン
の制御装置において、前記エンジンの回転数を検出する
エンジン回転数検出手段、前記スロットルバルブに接続
され、指令値に応じて作動して前記スロットルバルブを
開閉するアクチュエータ、前記エンジンの目標回転数を
決定する目標回転数決定手段、パラメータ同定機構を備
えると共に、前記検出された回転数が前記目標回転数に
一致するように、前記パラメータ同定機構で同定された
適応パラメータを用いて前記アクチュエータに供給すべ
き指令値を演算する適応制御器、および前記演算された
指令値に基づき、前記アクチュエータに供給すべき指令
値を決定する指令値決定手段を備えると共に、前記目標
回転数決定手段は、前記目標回転数の単位時間当たりの
変化を所定値以下に制限する如く構成した。
値以下に制限する如く構成したので、目標回転数の急激
な変化を回避することができ、キャブレタを用いるため
に燃焼制御の応答性が低いにも関わらず、目標回転数の
変化に対してオーバーシュートや制御ハンチングが生じ
ることがない。
定手段は、前記所定値を回転数の上昇方向と下降方向で
別々の値に設定すると共に、上昇方向の値を下降方向の
それより大きく設定する如く構成した。
で別々の値に設定すると共に、上昇方向の値を下降方向
のそれより大きく設定する如く構成したので、目標回転
数の上昇要求に対しても下降要求に対しても同程度の応
答性を実現することができる。このように、エンジンの
応答性に合わせているので、制御精度を向上させること
ができる。
の一つの実施の形態に係る汎用エンジンの制御装置を説
明する。
的に示す概略図である。
(以下「エンジン」という)を示し、エンジン10は、
水冷4サイクルのOHV型であり、196ccの排気量
を備える。
2を備え、その内部にピストン14が往復動自在に収容
される。ピストン14はクランクシャフト16に連結さ
れ、クランクシャフト16はギヤを介してカムシャフト
18と連結される。
焼室20が形成されると共に、気筒壁面には吸気バルブ
24と排気バルブ26が配置され、燃焼室20と吸気路
28あるいは排気路30の間を開閉する。
32が取り付けられると共に、フライホイール32の先
端側には操作者がエンジン10を始動させるための、リ
コイルスタータ34が取り付けられる。フライホイール
32の内側には発電コイル(オルタネータ)36が配置
され、交流を発電する。発電された交流は整流回路(図
示せず)を介して直流に変換され、点火プラグ(図示せ
ず)などに供給される。
置されると共に、それと一体に構成されたスロットルバ
ルブ40が配置される(図1においてスロットルバルブ
40はその軸で示す)。キャブレタ38は燃料タンク
(図示せず)に燃料管(図示せず)を介して接続され、
そこに貯留されたガソリン燃料を供給され、吸入された
空気にノズルからガソリン燃料を噴射して混合気を生成
する。生成された混合気は吸気路28の下流を流れ、吸
気バルブ24を通って気筒12の燃焼室20に吸入され
る。
(アクチュエータ)46が接続され、指令値(ステップ
(角))を供給されて動作し、指令値に応じてスロット
ルバルブ40を開閉する。尚、図1においてステップモ
ータ46はキャブレタ38の裏側に配置されるため、想
像線で示す)。
ピックアップからなるクランク角センサ(回転数セン
サ)48が設けられ、クランク角度12度ごとにパルス
を出力する。このように、クランク角センサ48はクラ
ンクシャフト1回転(クランク角度で360度)当たり
30個、即ち、カムシャフト1回転(クランク角度72
0度)当たり60個のパルスを出力する。
容されたECU(電子制御ユニット)50が配置され、
クランク角センサ48の出力はECU50に送られる。
ECU50はマイクロコンピュータからなり、CPU,
ROM,RAMおよびカウンタを備える。ECU50に
おいてクランク角センサ48の出力パルスはカウンタに
入力され、そこでカウントされてエンジン回転数(以下
「回転数」と略称する)NEが算出(検出)される。
き、後述するように適応制御演算(適応制御器およびパ
ラメータ同定機構からなる適応制御則を用いた演算)を
行い、検出された回転数が目標回転数に一致するように
ステップモータ(アクチュエータ)46の指令値を算出
し、前記したケース内に隣接して配置されたモータドラ
イバ54を通じて指令値をステップモータ46に出力し
て作動させる。尚、エンジン10には、発電機(図示せ
ず)が負荷として接続される。また、図1において符号
58は冷却ファンを、符号60はヘッドカバーを示す。
すブロック図である。
100(クランク角センサ48、カウンタ)で検出され
る回転数NEと、目標回転数入力部102で入力された
目標回転数NEMなどに基づいて適応制御演算部104
において適応制御演算を行って指令値(スロットル開度
指示値)を算出し、モータドライバ54を介してステッ
プモータ46を作動させ、スロットルバルブ40を開閉
する。
理・過回転検出部106にも入力され、そこで点火処理
と過回転検出が行われる。点火処理は、メインSW(ス
イッチ)がオンされた状態で、所定のクランク角度で前
記した整流回路の出力を点火コイル(図示せず)の1次
側に供給して通電を開始し、所定のクランク角度(例え
ばBTDC10度)で通電を遮断して2次側に高電圧を
生じさせ、点火プラグを通じて気筒12の燃焼室20内
の混合気が着火されて燃焼する。尚、メインSWは、E
CU50に動作電源を供給するためのスイッチである
が、図1で図示を省略した。
エンジン10はバッテリを備えない。尚、点火処理・過
回転検出部106は、検出された回転数NEを上限値と
比較し、検出回転数が上限値を超えるときは過回転数と
判断し、点火をカット(中止)し、エンジン10を停止
させる。
筒のエンジンを示したが、この実施の形態に係る汎用エ
ンジンの制御装置は、2気筒の汎用エンジンについても
同様に妥当する。逆に言えば、この実施の形態に係る汎
用エンジンの制御装置にあっては、2気筒以下の汎用エ
ンジンを前提とする。
行う適応制御演算について説明する。
入力とするエンジン10を簡略にモデル化して示すと、
図3に示す如くとなる。適応制御を行うに際し、図3で
破線で囲まれている部分をENGINE(エンジン)モ
デルとみなし、1つのブロックとして扱うことにした。
尚、図3で、Gaは吸入空気質量、Gfはガソリン燃焼
質量、Pmiはピストン14が生じる、その質量mとイ
ナーシャiの積からなる出力を意味する。
デル)の出力である回転数NEが目標値(目標回転数N
EM)と等しくなるように、入力であるスロットル開度
THを演算して調整することにある。ここでは、負荷変
動が主な未知パラメータとなり、負荷(発電機)を含め
たエンジン10の燃焼モデルのパラメータを逐次演算で
求めることなる。
ルフチューニングレギュレータ)を用い、図3の破線で
囲まれたENGINEモデルを制御対象とする制御モデ
ルを構築する。図4において(パラメータ)同定機構1
10は、制御対象の入力であるスロットル開度THと回
転数NEを用い、負荷変動までも含めたENGINEモ
デルのパラメータ(適応パラメータ)θハットを同定す
る(ハットは推定値を示す)。
標回転数NEMと検出回転数NEの差が零となるよう
に、コントローラ(適応制御器)112でスロットル開
度THを修正する。それを逐次繰り返すことにより、検
出回転数NEが目標回転数NEMと一致するようなスロ
ットル開度THを決定することができる。
制御をより具体的に説明する。尚、この適応制御自体
は、公知なものである。
うな1入力1出力の線形離散時間系で示される。
す係数行列、y(k):時刻kにおけるプラント出力(回転
数)、u(k):時刻kにおけるプラント入力(スロットル
開度TH。より具体的にはステップモータへの指令値
(ステップ(角))、w(k):時刻(k) における白色雑音
である。
は、スロットル開度をどのような値に調整すれば良いか
計算することができる筈である。しかしながら、実際に
は負荷が大きく変動すると共に、エンジンが異なれば、
特性も異なる。従って、特性の変化を推測することが必
要となる。
既知パラメータ(適応パラメータ)をθ、既知信号をζ
(k) とおくと共に、プラントのパラメータを未知として
θを可調整パラメータθハットT(k) で置き換え、プラ
ントの入力u(k) 、即ち、コントローラ出力を数2のよ
うに算出するようにした。尚、Tは転置行列であること
を示す。
である。尚、θとζ(k) は、それぞれ、数3のように示
される。
負荷が変動したり、機種が相違しても、特性の変化を推
測することができる。尚、図示の構成において、パラメ
ータ調整則は数4あるいは数5のようになる。
可変ゲインλ1(k) ,λ2(k) の選び方によって固定ゲ
イン、漸減ゲイン、最小二乗法および固定トレースから
なる4種のアルゴリズムを選択することができる。
ラメータ調整則を選び、後述するように適応パラメータ
θの同定速度(収束性)を決定する収束ゲインγの値を
回転数偏差に応じて可変に設定するようにした。尚、数
4でεは同定誤差を示す信号である。
参照してこの実施の形態に係る汎用エンジンの制御装置
の動作を説明する。
4を介してエンジン10が手動で始動されると、前記し
たECU50において実行され、10msecごとにル
ープされる。
ネータ)36の出力電圧がエンジン10の完爆回転数相
当値まで立ち上がったか否か、換言すれば、エンジン1
0が始動されたか否か判断する。尚、ECU50は、そ
の完爆回転数相当値未満の電圧で起動され、図示のプロ
グラムが実行されて10msecごとにループされる。
キップすると共に、肯定されるときはS12に進み、ス
ロットル位置初期化処理を行う。これは具体的には、ス
テップモータ46に指令値(ステップ(角))を出力
し、スロットルバルブ40を全閉開度相当位置、より具
体的には全閉開度を0度、全開開度を90度とすると
き、スロットルバルブ40の固着を考慮して2度程度の
開度位置に駆動する。
出を行う。
ー・チャートである。
ク角センサ48の出力パルスの経過時間を測定して順次
加算する。経過時間は、図7に示すように、パルスの立
ち上がりから次の立ち上がりまでの時間を示す。次いで
S102に進み、規定個数(具体的には60個)のパル
スについて経過時間の加算が終了したか否か判断し、肯
定されるときはS104に進み、出力パルスの経過時間
の平滑化を行う。
60で除算し、パルス間隔の移動平均値(時間)を求め
ることで、回転数NEを検出(算出)する。これについ
て説明すると、エンジン10が単気筒であることから、
回転数制御に前記したような適応制御則を用いる場合、
観測パラメータである回転数が吸気、圧縮、膨張、排気
行程からなる燃焼サイクルの影響を受けて大幅に変動す
るため、安定な制御系の構築が困難となる。
次の立ち上がりまでの時間間隔)をクランクシャフト2
回転(クランク角度720)、即ち、燃焼サイクルの整
数倍、より具体的には1倍に相当する期間ごとに区切っ
て移動平均値を求めることで、観測パラメータである回
転数の平滑化を行うようにした。
程による変動を相殺することができ、瞬時値を用いて回
転数を観測する場合に比し、安定な制御系を構築するこ
とができる。尚、燃焼サイクルの整数倍の例として1倍
を示したが、n倍(n≧2)であっても良い。
2で否定されるときはS104をスキップすると共に、
平均値は前回値を使用する。
いでS16に進み、目標回転数NEMのサンプリング処
理をすべきか否か判断する。
とにループさせると共に、100msecごとに、換言
すれば、プログラムループ10回に1回ごとに目標回転
数の読み込み(サンプリング)を行い、目標回転数が変
更されるときは、それに応じて目標回転数NEMを決定
(修正)するようにしたためである。従って、S16で
はその処理を行うべきループか否か判断する。
目標回転数NEMの算出を行う。尚、S16で否定され
るときはS18をスキップする。
ー・チャートである。
転数NEMを入力する。入力した目標回転数NEMをN
EM(k) とする。尚、この目標回転数NEMは、図2に
示す目標回転数入力部102が入力する値である。目標
回転数NEMの入力は、具体的にはボリューム(図1で
図示省略)を介して入力される操作者の指示値を読み取
ることで行う。尚、目標回転数NEMをECU50のR
OMに格納しておき、このステップで読み出すようにし
ても良い。
数NEM(k) から前回の目標回転数NEM(k-1) (図5
フロー・チャートの前回ループ時の値)を減算して差Δ
NEMを算出し、S204に進み、算出した差ΔNEM
が所定値NE1(具体的には300rpm。正値)以上
か否か判断する。即ち、所定値NE1以上の上昇要求が
なされたか否か判断し、肯定されるときはS206に進
み、前回の目標回転数NEM(k-1) に所定値NE1を加
算して得た和を今回の目標回転数NEM(k) とする。
み、算出した差ΔNEMが第2の所定値NE2(具体的
には−100rpm。負値)以下か否か判断する。即
ち、第2の所定値NE2(負値)を超える下降要求がな
されたか否か判断し、肯定されるときはS210に進
み、前回の目標回転数NEM(k-1) から第2の所定値N
E2(負値)を加算、より正確には減算して得た差を今
回の目標回転数NEM(k)とする。
の変化を所定値以下に決定するようにした。具体的に
は、回転数の上昇要求に対しては100msec当たり
の上昇分を最大300rpm以下に決定すると共に、下
降要求に対しては100msec当たりの下降分を最大
100rpm以下に決定するようにした。
2より(絶対値において)大きくしたのは、図示の汎用
エンジン10にあっては、同一回転数だけ変化させると
き、上昇側の方が時間がかかるためであり、従って目標
回転数の変化分も、下降側に比して大きくした。また、
NE1およびNE2は、エンジンの機種や負荷の種類に
応じて実験結果を通じて決定するものとする。
ように、適応制御を実機(エンジン10)に応用すると
き、スロットル開度に限界があるために入力値に制限が
あることから、急激なステップ状の目標値の変化に対応
できず、さらにキャブレタ42の動作遅れによる燃料制
御の応答性が低いこともあって、目標回転数に対してオ
ーバーシュートや制御ハンチングが生じる恐れがある。
りの回転数変更を制限し、徐々に変更させるようにし
た。即ち、図9に示す如く、目標回転数については、1
点鎖線で示すような急激なステップ状に変化させず、実
線で示すように徐々に変化させるようにした。これによ
り、キャブレタ42を用いるために燃焼制御の応答性が
低いにも関わらず、目標回転数の変化に対してオーバー
シュートや制御ハンチングを生じることがない。
向と下降方向で別々の値に設定すると共に、上昇方向の
値を下降方向のそれより大きく設定する如く構成したの
で、目標回転数の上昇要求に対しても下降要求に対して
も同程度の応答性を実現することができる。このよう
に、エンジンの応答性に合わせているので、制御精度を
向上させることができる。
いでS20に進み、制御周期を算出する。
ロー・チャートである。
理由を説明すると、エンジン10の回転数制御に適応制
御則を用いる場合、制御周期が固定されると、制御系が
安定しない場合が生じ得る。即ち、前記したように、単
気筒の汎用エンジンにあっては、回転変動の周期は、吸
気、圧縮、膨張、排気行程からなる燃焼サイクルに大き
く依存する。従って、スロットルバルブ40を駆動する
タイミングは吸気行程前が望ましく、また少なくとも燃
焼サイクルに同期させるのが望ましい。
数に応じて最適な制御周期を予め実験を通じて求めてお
き、検出された回転数NEに応じて制御周期を変えるよ
うにした。
説明すると、S300において制御周期を計算する。制
御周期は、具体的には、60000〔msec〕を検出
回転数NEで除算して商を求めることで行う。即ち、1
分間を回転数で割ることで制御周期を演算する。
1(具体的には60msec)より大きいか否か判断
し、肯定されるときはS304に進み、制御周期を所定
値T1とする。他方、S302で否定されるときはS3
06に進み、計算値が第2の所定値T2(具体的には1
0msec)より小さいか否か判断し、肯定されるとき
はS308に進み、制御周期を第2の所定値T2とす
る。尚、S306で否定されるときは、S308をスキ
ップする。
て制御周期を可変とするように構成したので、図示の汎
用エンジン10において低回転から高回転にわたり、そ
の回転数に最適な制御周期とすることができ、安定した
制御系を実現することができる。
いでS22に進み、適応制御の収束ゲインを算出する。
尚、収束ゲインは、数4にγで示す値である。
ロー・チャートである。
行う理由を説明すると、図示のような汎用エンジンの回
転数の適応制御において、目標回転数への収束性を上げ
るために収束ゲインを高めに設定すると、外乱を受けた
場合に目標値近傍で回転数が不安定となる。
に設定すると、負荷の変動などでプラントの特性が大幅
に変化する場合に収束性が低下する。そこで、この実施
の形態においては、収束ゲインを可変とすると共に、回
転数偏差が小さいときは低く、それ以外では高く設定
(算出)するように構成した。
明すると、S400において目標回転数NEM(k) から
検出回転数NE(k) を減算して偏差ΔNEを算出し、S
402に進み、算出した偏差ΔNEが所定値NE3(具
体的には300rpm。正値)より大きいか否か判断す
る。
み、収束ゲインを変更する。具体的には、検出回転数N
Eが目標回転数NEM近傍にあるときを定常状態とし、
そのときの収束ゲインを0.9とするとき、S402の
示す状態では、検出回転数が目標回転数を大きく下回っ
てその近傍にないことから、収束ゲインを定常状態のそ
れより大きい1.5とする。
6に進み、算出した偏差ΔNEが第2の所定値NE4
(具体的には−500rpm。負値)より小さいか、換
言すれば偏差ΔNEが第2の所定NE4を負方向に超え
ているか否か判断し、肯定されるときはS408に進
み、収束ゲインを変更する。具体的には、検出回転数が
目標回転数を大きく上回って同様にその近傍にないこと
から、収束ゲインを定常状態のそれより大きい1.2と
する。尚、S406で否定されるときはS410に進
み、収束ゲインを定常(状態)の値0.9に戻す(即
ち、算出あるいは設定する)。
4のゲインより小さくしたのは、前記したように、回転
数を下降させる方が、要する時間が短いからである。
収束ゲインを可変とすると共に、回転数偏差が小さいと
きは低くする一方、それ以外では高くするように算出
(設定)するように構成したので、汎用エンジンの回転
数制御において安定性と収束性を最適にバランスさせる
ことができる。
回転数を下回って不足する場合、検出回転数が目標回転
数を上回って越える場合に比して高くするように設定し
たので、検出回転数が目標回転数を上回って越える場合
と同様の時間で目標値に収束させることができる。
いでS24に進み、適応制御演算処理を行う。これは具
体的には、前記した数2の式に従ってコントローラ出力
(プラント入力)u(k) をステップ(角)数で演算する
ことで行う。
ち、ステップモータ46へ供給すべき指令値の決定を行
う。
ロー・チャートである。
れた開度指示値(ステップ(角))をスロットルバルブ
40の物理的上限値(具体的には100ステップ
(角))と比較し、演算された開度指示値が物理的上限
値より大きいか否か判断し、肯定されるときはS502
に進み、開度指示値を物理的上限値に置換する。
4に進み、演算された開度指示値をスロットルバルブ4
0の物理的下限値(具体的には0ステップ(角)と比較
し、演算された開度指示値が物理的下限値より小さいか
否か判断し(角)と比較し、肯定されるときはS506
に進み、開度指示値を物理的下限値に置換する。
ジン10のスロットルバルブ40には物理的な上下限値
があり、演算された開度指示値がそれを超えた場合、制
御系が成り立たなくなる。
は全閉開度相当位置を示す0ステップ(角)から全開開
度相当位置を示す100ステップ(角)の間で動作する
が、全閉開度相当位置は、スロットル位置初期化処理に
関して述べたように、固着防止のために、所定量、例え
ば2度程度だけ開放方向に設定された値を下限開度とす
るのが望ましい。また、全開開度相当位置も、エンジン
10の出力が最大となる開度以上に開放するのは意味が
ないので、エンジン10の出力が最大となる開度を上限
開度とするのが望ましい。
開度相当位置は機械的なストッパでこの程度の値だけ開
くように構成されると共に、全閉開度相当開度は調整さ
れず、放置されている。
ンの制御装置にあっては、スロットルバルブ40にステ
ップモータ46を接続して開度を調整できるように構成
したことから、全開開度相当開度についてもエンジン出
力が最大となる開度を実験により求め、その開度をステ
ップ角で100とすると共に、全閉方向は2度を0と
し、演算された開度指示値がその範囲内にあるか否か判
断するようにした。
応制御演算で決定されたステップモータ46に供給すべ
き開度指示値を物理的な限界値で規制するように構成し
たので、制御対象の特性の変化に対してロバストな適応
制御系を構築することができる。
いて説明する。
すフロー・チャートである。尚、図示のプログラムも、
図5フロー・チャートのプログラムの同様に、10ms
ecごとに実行される。
たメインSW(スイッチ)がオンしているか否か判断
し、肯定されるときはS602に進み、点火処理を行
う。これは前記したように、BTDC10度などの固定
クランク角度において点火することで行う。
る。これは具体的には、前記した点火処理・過回転検出
部106の出力から判断する。即ち、ECU50は図示
しない別ルーチンにおいて検出回転数NEを許容値と比
較し、検出回転数NEが許容値を超えているときは過回
転と判断し、出力を生じる。S604ではその出力から
判断する。
み、点火をカット(停止)する。これによってエンジン
10は直ちに停止し、過回転が防止される。尚、S60
4で否定されるときは以降の処理をスキップする。
少なくとも2気筒以下の個数の気筒12を備え、スロッ
トルバルブ40で調量された吸入空気にキャブレタ42
を介してガソリン燃料を噴射し、よって生成された混合
気を前記気筒に吸入させて点火・燃焼させる火花点火式
の内燃エンジン10からなる汎用エンジンの制御装置に
おいて、前記エンジンの回転数NEを検出するエンジン
回転数検出手段(クランク角センサ48,ECU50、
回転数検出部100,S14,S100からS10
4)、前記スロットルバルブに接続され、指令値に応じ
て作動して前記スロットルバルブを開閉するアクチュエ
ータ(ステップモータ46)、前記エンジンの目標回転
数NEMを決定する目標回転数決定手段(ECU50、
目標回転数入力部102,S18,S200からS21
0)、パラメータ同定機構110を備えると共に、前記
検出された回転数NEが前記目標回転数NEMに一致す
るように、前記パラメータ同定機構で同定された適応パ
ラメータθハットを用いて前記アクチュエータに供給す
べき指令値を演算する適応制御器(ECU50、コント
ローラ112、適応制御演算部104,S24)、およ
び前記演算された指令値に基づき、前記アクチュエータ
に供給すべき指令値を決定する指令値決定手段(ECU
50,S26,S500からS506)を備えると共
に、前記目標回転数決定手段は、前記目標回転数NEM
の単位時間当たりの変化を所定値(NE1,2)以下に
制限する如く構成した。
定値(NE1,2)を回転数の上昇方向と下降方向で別
々の値に設定すると共に、上昇方向の値(300rp
m)を下降方向のそれ(100rpm)より大きく設定
する如く構成した。
してステップモータを使用したが、それに限られるもの
ではなく、リニアソレノイド、DCモータなど、スロッ
トルバルブの開閉を調節できるものであれば、どのよう
なものでも良い。
位時間当たりの変化を所定値以下に制限する如く構成し
たので、目標回転数の急激な変化を回避することがで
き、キャブレタを用いるために燃焼制御の応答性が低い
にも関わらず、目標回転数の変化に対してオーバーシュ
ートや制御ハンチングが生じることがない。
数の上昇方向と下降方向で別々の値に設定すると共に、
上昇方向の値を下降方向のそれより大きく設定する如く
構成したので、目標回転数の上昇要求に対しても下降要
求に対しても同程度の応答性を実現することができる。
このように、エンジンの応答性に合わせているので、制
御精度を向上させることができる。
ンの制御装置を全体的に示す概略図である。
ク図である。
たブロック図である。
レギュレータ)の構成を示すブロックである。
る。
を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
説明する説明図である。
を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
・チャートである。
を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
ンγの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャート
である。
サブルーチン・フロー・チャートである。
火制御を示すフロー・チャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも2気筒以下の個数の気筒を備
え、スロットルバルブで調量された吸入空気にキャブレ
タを介してガソリン燃料を噴射し、よって生成された混
合気を前記気筒に吸入させて点火・燃焼させる火花点火
式の内燃エンジンからなる汎用エンジンの制御装置にお
いて、 a.前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検
出手段、 b.前記スロットルバルブに接続され、指令値に応じて
作動して前記スロットルバルブを開閉するアクチュエー
タ、 c.前記エンジンの目標回転数を決定する目標回転数決
定手段、 d.パラメータ同定機構を備えると共に、前記検出され
た回転数が前記目標回転数に一致するように、前記パラ
メータ同定機構で同定された適応パラメータを用いて前
記アクチュエータに供給すべき指令値を演算する適応制
御器、および e.前記演算された指令値に基づき、前記アクチュエー
タに供給すべき指令値を決定する指令値決定手段、を備
えると共に、前記目標回転数決定手段は、前記目標回転
数の単位時間当たりの変化を所定値以下に制限すること
を特徴とする汎用エンジンの制御装置。 - 【請求項2】 前記目標回転数決定手段は、前記所定値
を回転数の上昇方向と下降方向で別々の値に設定すると
共に、上昇方向の値を下降方向のそれより大きく設定す
ることを特徴とする請求項1項記載の汎用エンジンの制
御装置。
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- 2001-09-20 JP JP2001287323A patent/JP4504604B2/ja not_active Expired - Fee Related
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