JP2003097302A - エンジンのバルブタイミング制御装置 - Google Patents

エンジンのバルブタイミング制御装置

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JP2003097302A
JP2003097302A JP2001287464A JP2001287464A JP2003097302A JP 2003097302 A JP2003097302 A JP 2003097302A JP 2001287464 A JP2001287464 A JP 2001287464A JP 2001287464 A JP2001287464 A JP 2001287464A JP 2003097302 A JP2003097302 A JP 2003097302A
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Japan
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valve timing
engine
intake
vehicle
starting
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Akira Ogura
明 小倉
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Fuji Heavy Industries Ltd
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両発進時から通常走行へ移行する際のトル
ク段差を抑制し、円滑な発進を可能とする。 【解決手段】 目標バルブタイミングVTTGTの設定
(S101)、実バルブタイミングVTの算出(S10
2)を経て発進フラグFLGSTの値を参照し(S10
3)、FLGST=1で車両発進時の場合、バルブタイ
ミング制御のフィードバックゲインKを発進時のゲイン
KSTに設定し(S104)、FLGST=0で非発進
時の場合、フィードバックゲインKを通常走行時のゲイ
ンKP(KP>KST)に設定する(S105)。そし
て、目標バルブタイミングVTTGTと実バルブタイミ
ングVTとの偏差から制御電流値IVTを算出し(S1
06)、この制御電流値IVTをセットする(S10
7)。これにより、発進時に実バルブタイミングVTを
緩やかに変化させて通常走行に移行する際のトルクの段
差を抑制し、円滑な発進を可能として発進フィーリング
を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円滑な車両発進を
可能とするエンジンのバルブタイミング制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンのクランク軸とカム軸と
の間の回転位相を調整する可変バルブタイミング機構を
備えた可変バルブタイミング機構付きエンジンが実用化
されており、この種の可変バルブタイミング機構付きエ
ンジンでは、エンジン運転状態に応じて吸気バルブと排
気バルブとの少なくとも一方のバルブタイミングを連続
的に変更してバルブオーバラップ期間を制御する。
【0003】例えば、特開平8−277729号公報に
は、機関運転状態により決定された目標バルブオーバラ
ップ期間を、車両発進時に減少させる技術が開示されて
おり、車両発進時にクラッチの接続等によりエンジンに
大きな負荷が作用して機関回転数が急激に低下しても、
バルブオーバラップ期間を減少させることで内部排気ガ
ス再循環量を減少させ、この内部排気ガス再循環量が多
すぎることによる燃焼悪化に伴うエンジンストールの発
生を防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バルブタイ
ミング制御においては、実バルブタイミングがエンジン
運転状態に基づき設定した目標バルブタイミングに収束
するよう可変バルブタイミング機構に対する制御信号を
フィードバック制御し、運転状態に応じて最適な位相と
なるように最速で収束させる制御が一般的である。
【0005】このため、車両発進時には、エンジントル
クがアイドル運転時のトルクから走行に必要なトルクま
で最速で増加することになり、トルク段差が生じてしま
う。この発進時のトルク段差は、前述の先行技術のよう
に発進時の目標バルブオーバラップ期間を減少させて
も、エンジンストールの可能性の無い運転状態において
は発生を回避することが困難であり、このトルク段差に
より円滑な発進が妨げられて運転フィーリングが悪化す
るという問題がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、車両発進時から通常走行へ移行する際のトルク段差
を抑制し、円滑な発進を可能とすることのできるエンジ
ンのバルブタイミング制御装置を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、エンジンのクランク軸とカ
ム軸との間の回転位相を調整する油圧駆動式可変バルブ
タイミング機構を備え、エンジン運転状態に基づく目標
バルブタイミングに実バルブタイミングが収束するよう
上記可変バルブタイミング機構をフィードバック制御す
るエンジンのバルブタイミング制御装置において、アク
セルの踏込みの有無と変速位置と車速とに基づいて車両
の発進時を判別する発進判別手段と、車両発進時と判別
されたとき、上記可変バルブタイミング機構のフィード
バック制御におけるフィードバックゲインを、通常走行
時のフィードバックゲインよりも小さい値に設定するフ
ィードバックゲイン設定手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記発進判別手段は、アクセルが踏込ま
れ、且つ変速位置が走行レンジにあり、且つ車速が設定
車速未満の状態が設定時間に達するまでの間、発進時と
判別することを特徴とする。
【0009】すなわち、請求項1記載の発明は、アクセ
ルの踏込みの有無と変速位置と車速とに基づいて車両の
発進時を判別し、車両発進時と判別されたとき、可変バ
ルブタイミング機構のフィードバック制御におけるフィ
ードバックゲインを、通常走行時のフィードバックゲイ
ンよりも小さい値に設定することで、発進時から通常走
行へ移行する際のエンジントルクを急速に増加させるこ
となく、トルク段差を抑制して円滑な発進を可能とす
る。
【0010】その際、請求項2記載の発明のように、ア
クセルが踏込まれ、且つ変速位置が走行レンジにあり、
且つ車速が設定車速未満の状態が設定時間に達するまで
の間、発進時と判別することが望ましく、これにより、
発進時にエンジンストールを招くことなく滑らかにエン
ジントルクを増加させ、且つフィードバックゲインを小
さくする時間を必要最小限に抑えて運転者に違和感を与
えることを防止することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図14は本発明の実施の一
形態に係わり、図1は可変バルブタイミング機構付きエ
ンジンの全体構成図、図2は可変バルブタイミング機構
の概略構成図、図3は可変バルブタイミング機構の最進
角状態を図2のA−A断面で示す説明図、図4は可変バ
ルブタイミング機構の最遅角状態を図2のA−A断面で
示す説明図、図5は排気バルブに対する吸気バルブのバ
ルブタイミングの変化を示す説明図、図6はクランクロ
ータとクランク角センサの正面図、図7は吸気カムプー
リの背面図、図8はカムロータとカム位置センサの正面
図、図9はクランクパルス、気筒判別パルス、及びカム
位置パルスの関係を示すタイムチャート、図10は電子
制御系の回路構成図、図11は発進判別ルーチンのフロ
ーチャート、図12はバルブタイミング制御ルーチンの
フローチャート、図13は目標バルブタイミングテーブ
ルの説明図、図14は発進時のバルブタイミング制御を
示すタイムチャートである。
【0012】先ず、本発明が適用される可変バルブタイ
ミング機構付きエンジンの全体構成について、図1に従
い説明する。同図において、符号1は、可変バルブタイ
ミング機構付きエンジン(以下、単に「エンジン」と略
記する)であり、図においては、DOHC水平対向型4
気筒ガソリンエンジンを示す。このエンジン1のシリン
ダブロック1aの左右両バンクには、シリンダヘッド2
がそれぞれ設けられ、各シリンダヘッド2に気筒毎に吸
気ポート2aと排気ポート2bとが形成されている。
【0013】エンジン1の吸気系としては、各吸気ポー
ト2aにインテークマニホルド3が連通され、このイン
テークマニホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエア
チャンバ4を介して、アクセルペダルに連動するスロッ
トル弁5aが介装されたスロットルチャンバ5が連通さ
れている。そして、このスロットルチャンバ5の上流に
吸気管6を介してエアクリーナ7が取付けられ、このエ
アクリーナ7に接続されるエアインテーク通路にチャン
バ8が連通されている。
【0014】また、吸気管6には、スロットル弁5aを
バイパスするバイパス通路9が接続されており、このバ
イパス通路9に、アイドル時にその弁開度によって該バ
イパス通路9を流れるバイパス空気量を調整することで
アイドル回転数を制御するアイドル制御弁10が介装さ
れている。更に、インテークマニホルド3の各気筒の吸
気ポート2aの直上流に、インジェクタ11が配設され
ている。また、先端の放電電極を燃焼室に露呈する点火
プラグ12が、シリンダヘッド2に各気筒毎に配設され
ている。そして、各点火プラグ12は、イグナイタ内蔵
イグニッションコイル13に接続されている。
【0015】一方、エンジン1の排気系としては、シリ
ンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエキゾース
トマニホルド14の集合部に排気管15が連通され、こ
の排気管15に触媒コンバータ16が介装されてマフラ
17に連通されている。
【0016】ここで、図2〜図4に基づいて、エンジン
1の可変バルブタイミング機構について説明する。エン
ジン1のクランク軸18の回転は、左右バンクの各シリ
ンダヘッド2内にそれぞれ配設された各吸気カム軸19
及び各排気カム軸20に、クランク軸18に固設された
クランクプーリ21、タイミングベルト22、吸気カム
軸19に介装された吸気カムプーリ23、排気カム軸2
0に固設された排気カムプーリ24等を介して伝達さ
れ、クランク軸18とカム軸19,20とが2対1の回
転角度となるよう設定されている。そして、吸気カム軸
19に設けられたカム19a、及び排気カム軸20に設
けられた排気カム(図示せず)は、それぞれクランク軸
18と2対1の回転角度に維持される各カム軸19,2
0の回転に基づいて、吸気バルブ25、排気バルブ26
を開閉駆動する。
【0017】図2に示すように、左右バンクの各吸気カ
ム軸19と吸気カムプーリ23との間には、吸気カムプ
ーリ23と吸気カム軸19とを相対回動してクランク軸
18に対する吸気カム軸19の回転位相(変位角)を連
続的に変更する油圧駆動式可変バルブタイミング機構2
7が配設されている。この可変バルブタイミング機構2
7は、周知のように、リニアソレノイド弁或いはデュー
ティソレノイド弁等からなる油圧制御弁としてのオイル
フロー制御弁36R(36L)によって油圧が切換えら
れるものであり、後述の電子制御装置60からの駆動信
号により作動する。尚、以下において、符号における添
え字L,LHは右バンク、R,RHは左バンクを表す。
【0018】吸気カム軸19は、シリンダヘッド2及び
ベアリングキャップ(図示せず)間において回転自在に
支持され、吸気カム軸19の先端部に、図2〜図4に示
すように、3つのベーン28aを有するベーンロータ2
8がボルト29により一体回転可能に取付けられてい
る。また、吸気カムプーリ23には、ハウジング30及
びハウジングカバー31がボルト32により一体回転可
能に取付けられている。また、吸気カムプーリ23の外
周には、タイミングベルト22を掛装するための外歯2
3aが多数形成されている。
【0019】そして、吸気カム軸19が回動自在にハウ
ジングカバー31を貫通し、吸気カム軸19に固設され
たベーンロータ28の各ベーン28aが吸気カムプーリ
23と一体のハウジング30に形成された3つの扇状空
間部33に回動自在に収納される。各扇状空間部33
は、それぞれベーン28aによって進角室33aと遅角
室33bとに区画される。
【0020】進角室33aは、それぞれベーンロータ2
8、吸気カム軸19、シリンダヘッド2に形成された進
角側オイル通路28b,19b,34を介してオイルフ
ロー制御弁36R(36L)のAポート36aに連通さ
れ、また、遅角室33bは、それぞれベーンロータ2
8、吸気カム軸19、シリンダヘッド2に形成された遅
角側オイル通路28c,19c,35を介してオイルフ
ロー制御弁36R(36L)のBポート36bに連通さ
れている。
【0021】オイルフロー制御弁36R(36L)は、
オイルパン37からオイルポンプ38、オイルフィルタ
39を介してオイルすなわち所定の油圧が供給されるオ
イル供給通路40に接続するオイル供給ポート36c
と、2つのドレイン通路41,42にそれぞれ連通する
ドレインポート36d,36fとを有し、4つのランド
及び各ランド間に形成された3つのパッセージを有する
スプール36gを軸方向に往復動させることで、Aポー
ト36a,Bポート36bと、オイル供給ポート36
c,ドレインポート36d又は36fとを選択的に連通
する。
【0022】本形態においては、オイルフロー制御弁3
6R(36L)は、後述の電子制御装置60により電流
制御されるリニアソレノイドをアクチュエータとして備
える4方向制御弁であり、リニアソレノイドの通電電流
に比例してスプール36gが軸方向に移動し、オイルの
流れ方向を切換えると共にパッセージの開度を調整し、
各進角室33a、遅角室33bに供給する油圧の大きさ
が調整される。
【0023】また、符号28dは、ベーンロータ28の
ベーン28aに挿通されたストッパピンであり、可変バ
ルブタイミング機構27が最遅角状態のとき(図4参
照)、ハウジング30に形成された孔30aに係合して
位置決めを行う。尚、図3は可変バルブタイミング機構
27の最進角状態を示し、図4は可変バルブタイミング
機構27の最遅角状態を示す。
【0024】以上の可変バルブタイミング機構27に
は、その作動位置を検出するセンサとして、クランク軸
18に軸着されて同期回転するクランクロータ43外周
の所定クランク角毎の突起43a,43b,43c(図
6参照)を検出し、クランク角を表すクランクパルスを
出力するクランク角センサ44と、吸気カム軸19の後
端に固設されて同期回転するカムロータ45外周の等角
度毎の複数の突起45a(図8参照)を検出し、カム位
置を表すカム位置パルスを出力するカム位置センサ46
R(46L)とが用いられる。
【0025】そして、クランク角センサ44から出力さ
れるクランクパルス、及び、カム位置センサ46R(4
6L)から出力されるカム位置パルスを電子制御装置6
0に入力し、該電子制御装置60によって、クランクパ
ルスとカム位置パルスとに基づいて基準クランク角に対
する吸気カム位置の実変位角(実バルブタイミング)を
算出し、この実バルブタイミングがエンジン運転状態に
基づき設定した目標バルブタイミングに収束するよう可
変バルブタイミング機構27をフィードバック制御す
る。
【0026】本実施の形態においては、可変バルブタイ
ミング機構27を吸気カム軸19側にのみ設け、図5に
示すように、排気バルブ26の開閉タイミングに対し、
吸気バルブ25の開閉タイミングをエンジン運転状態に
応じて変更する。また、本形態で採用するリニアソレノ
イド式のオイルフロー制御弁36R(36L)は、電子
制御装置60から出力される制御電流が大きいほど、ス
プール36gが図3に示すように左方向に移動してクラ
ンク軸18に対する吸気カム軸19の変位角を進角さ
せ、制御電流が小さい程、スプール36gが図4に示す
ように右方向に移動してクランク軸18に対する吸気カ
ム軸19の変位角を遅角させる。
【0027】すなわち、エンジン運転状態に基づいて設
定した目標変位角(目標バルブタイミング)に対し、ク
ランク角センサ44から出力されるクランクパルス、及
び、カム位置センサ46R(46L)から出力されるカ
ム位置パルスとに基づいて基準クランク角に対する吸気
カム位置の回転位相、すなわちクランク軸18に対する
吸気カム軸19の変位角が進角しているときには、電子
制御装置60は、オイルフロー制御弁36R(36L)
に出力する制御電流を減少して可変バルブタイミング機
構27の作動によりクランク軸18に対する吸気カム軸
19の変位角を遅角させ、クランク軸18に対する吸気
カム軸19の変位角が遅角しているときには、オイルフ
ロー制御弁36R(36L)に出力する制御電流を増加
して可変バルブタイミング機構27の作動によりクラン
ク軸18に対する吸気カム軸19の変位角を進角させ
る。
【0028】オイルフロー制御弁36R(36L)の制
御電流が増加すると、スプール36gが図3に示すよう
に左方向に移動し、Aポート36aとオイル供給ポート
36cとが連通して可変バルブタイミング機構27の進
角室33aが進角側オイル通路28b,19b,34、
オイルフロー制御弁36R(36L)を介してオイル供
給通路40に連通する。また、これと共に、Bポート3
6bとドレインポート36fとが連通することで、可変
バルブタイミング機構27の遅角室33bが遅角側オイ
ル通路28c,19c,35、オイルフロー制御弁36
R(36L)を介してドレイン通路42に連通する。
【0029】その結果、可変バルブタイミング機構27
の進角室33aにオイルが供給されて進角室33aに作
用する油圧が上昇すると共に、遅角室33b内のオイル
のドレインにより遅角室33bに作用する油圧が低下
し、図3に示すように、ベーンロータ28が図の時計回
り方向に回動し、吸気カムプーリ23に対する吸気カム
軸19の回転位相、すなわちクランク軸18に対する吸
気カム軸19の変位角が進角化されて、吸気カム軸19
の吸気カム19aによって駆動される吸気バルブ25の
開閉タイミングが進角される。
【0030】逆に、オイルフロー制御弁36R(36
L)の制御電流が減少すると、スプール36gが図4に
示すように右方向に移動し、Aポート36aとドレイン
ポート36dとが連通して可変バルブタイミング機構2
7の進角室33aが進角側オイル通路28b,19b,
34、オイルフロー制御弁36R(36L)を介してド
レイン通路41に連通する。また、これと共に、Bポー
ト36bとオイル供給ポート36cとが連通すること
で、可変バルブタイミング機構27の遅角室33bが遅
角側オイル通路28c,19c,35、オイルフロー制
御弁36R(36L)を介してオイル供給通路40に連
通する。
【0031】これにより、可変バルブタイミング機構2
7の進角室33a内のオイルのドレインにより進角室3
3aに作用する油圧が低下すると共に、遅角室33bに
オイルが供給されて遅角室33bに作用する油圧が上昇
し、図4に示すように、ベーンロータ28が図の反時計
回り方向に回動し、吸気カムプーリ23に対する吸気カ
ム軸19の回転位相、すなわちクランク軸18に対する
吸気カム軸19の変位角が遅角化されて、吸気カム軸1
9の吸気カム19aによって駆動される吸気バルブ25
の開閉タイミングが遅角される。
【0032】次に、エンジン運転状態を検出するための
センサ類について説明する。吸気管6のエアクリーナ7
の直下流には、ホットワイヤ或いはホットフィルム等を
用いた熱式の吸入空気量センサ47が介装され、スロッ
トルチャンバ5に配設されたスロットル弁5aに、スロ
ットル開度を検出するスロットル開度センサ48aとス
ロットル全閉でONするアイドルスイッチ48bとを内
蔵したスロットルセンサ48が連設されている。また、
エンジン1のシリンダブロック1aにノックセンサ49
が取付けられ、シリンダブロック1aの左右両バンクを
連通する冷却水通路50に冷却水温センサ51が臨まさ
れている。そして、触媒コンバータ16の上流にO2セ
ンサ52が配設されている。
【0033】また、エンジン1のクランク軸18に軸着
するクランクロータ43の外周にクランク角センサ44
が対設され、更に、クランク軸18に対し1/2回転す
る吸気カムプーリ23の裏面に気筒判別センサ53が対
設され(図2参照)、吸気カム軸19の後端に固設され
たカムロータ45の外周にカム位置センサ46R(46
L)が対設されている。
【0034】クランクロータ43は、図6に示すよう
に、その外周に突起43a,43b,43cが形成さ
れ、これらの各突起43a,43b,43cが、各気筒
(#1,#2気筒と#3,#4気筒)の圧縮上死点前
(BTDC)θ1,θ2,θ3の位置に形成されてい
る。本形態においては、θ1=97°CA,θ2=65
°CA,θ3=10°CAである。
【0035】また、図7に示すように、吸気カムプーリ
23の裏面の外周側に、気筒判別用の突起23b,23
c,23dが形成され、突起23bが#3,#4気筒の
圧縮上死点後(ATDC)θ4の位置に形成され、突起
23cが3個の突起で構成されて最初の突起が#1気筒
のATDCθ5の位置に形成されている。更に、突起2
3dが2個の突起で形成され、最初の突起が#2気筒の
ATDCθ6の位置に形成されている。尚、本形態にお
いては、θ4=20°CA,θ5=5°CA,θ6=2
0°CAである。また、これら気筒判別用の突起23
b,23c,23d、及び、気筒判別センサ53は、一
方のバンクのみに設けられる。
【0036】更に、本形態で採用するエンジン1が4気
筒エンジンであるのに対応して、カムロータ45は、図
8に示すように、その外周にカム位置検出用の突起45
aが180°CAの等角度毎に1個づつ計4個形成され
ている。そして、これら各突起45aは、可変バルブタ
イミング機構27の作動によって、各気筒の圧縮上死点
を基準として、θ7=BTDC40°CA〜ATDC1
0°CAの間で変化する。
【0037】尚、図8においては、RH側の吸気カム軸
19に固設されているカムロータ45を示すが、LH側
の吸気カム軸19にも、同様にカムロータ45が固設さ
れ、その外周にカム位置検出用の突起45aが180°
CAの等角度毎に4個形成されており、これら各突起4
5aは、可変バルブタイミング機構27の作動によっ
て、各気筒の圧縮上死点を基準として、θ8=BTDC
40°CA〜ATDC10°CAの間で変化する。
【0038】そして、図9のタイムチャートに示すよう
に、エンジン運転に伴い、クランク軸18、吸気カムプ
ーリ23、及び吸気カム軸19の回転により、クランク
ロータ43及びカムロータ45が回転して、クランクロ
ータ43の各突起43a,43b,43cがクランク角
センサ44によって検出され、クランク角センサ44か
らθ1,θ2,θ3(BTDC97°,65°,10°
CA)の各クランクパルスがエンジン1/2回転(18
0°CA)毎に出力される。また、θ3クランクパルス
とθ1クランクパルスとの間で吸気カムプーリ23の各
突起23b,23c,23dが気筒判別センサ53によ
って検出され、気筒判別センサ53から所定数の気筒判
別パルスが出力される。
【0039】また、可変バルブタイミング機構27によ
ってクランク軸18に対し回転位相が変化する右バン
ク,左バンクの各吸気カム軸19の後端に固設されたカ
ムロータ45の各突起45aがカム位置センサ46R,
46Lによって検出され、カム位置センサ46R,46
Lからそれぞれθ7,θ8のカム位置パルスが出力され
る。
【0040】そして、図10に示すエンジン制御用の電
子制御装置(以下、「ECU」と略記する)60におい
て、クランク角センサ44から出力されるクランクパル
スの入力間隔時間に基づいてエンジン回転数NEを算出
し、また、各気筒の燃焼行程順(例えば、#1気筒→#
3気筒→#2気筒→#4気筒)と、気筒判別センサ53
からの気筒判別パルスをカウンタによって計数した値と
のパターンに基づいて、燃焼行程気筒、燃料噴射対象気
筒や点火対象気筒の気筒判別を行う。更に、ECU60
は、クランク角センサ44から出力されるクランクパル
ス(例えば、突起43bに対応するθ2クランクパル
ス)、及び、カム位置センサ46R,46Lから出力さ
れるθ7,θ8カム位置パルスとに基づいて基準クラン
ク角に対する吸気カム位置の実変位角(実バルブタイミ
ング)を算出する。
【0041】ECU60は、前述のインジェクタ11、
点火プラグ12、アイドル制御弁10、可変バルブタイ
ミング機構27に供給する油圧を調節するためのオイル
フロー制御弁36R,36L等のアクチュエータ類に対
する制御量の演算、制御信号の出力、すなわち、燃料噴
射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御、吸気バル
ブ25に対するバルブタイミング制御等を行うものであ
り、図10に示すように、CPU61、ROM62、R
AM63、バックアップRAM64、カウンタ・タイマ
群65、及びI/Oインターフェイス66がバスライン
を介して接続されるマイクロコンピュータを中心として
構成され、各部に安定化電源を供給する定電圧回路6
7、I/Oインターフェイス66に接続される駆動回路
68、A/D変換器69等の周辺回路が内蔵されてい
る。
【0042】尚、カウンタ・タイマ群65は、フリーラ
ンカウンタ、気筒判別センサ信号(気筒判別パルス)の
入力計数用カウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射用タイ
マ、点火用タイマ、定期割込みを発生させるための定期
割込み用タイマ、クランク角センサ信号(クランクパル
ス)の入力間隔計時用タイマ、及びシステム異常監視用
のウオッチドッグタイマ等の各種タイマを便宜上総称す
るものであり、その他、各種のソフトウエアカウンタ・
タイマが用いられる。
【0043】定電圧回路67は、2回路のリレー接点を
有する電源リレー70の第1のリレー接点を介してバッ
テリ71に接続され、電源リレー70は、そのリレーコ
イルの一端が接地され、リレーコイルの他端が駆動回路
68に接続されている。尚、電源リレー70の第2のリ
レー接点には、バッテリ71から各アクチュエータに電
源を供給するための電源線が接続されている。バッテリ
71には、イグニッションスイッチ72の一端が接続さ
れ、このイグニッションスイッチ72の他端がI/Oイ
ンターフェイス66の入力ポートに接続されている。更
に、定電圧回路67は、直接、バッテリ71に接続され
ており、イグニッションスイッチ72のONが検出され
て電源リレー70の接点が閉となると、ECU60内の
各部へ電源を供給する一方、イグニッションスイッチ7
2のON,OFFに拘らず、常時、バックアップRAM
64にバックアップ用の電源を供給する。
【0044】I/Oインターフェイス66の入力ポート
には、アイドルスイッチ48b、変速機の変速位置をニ
ュートラル位置にセットしたときONするニュートラル
スイッチ54、ノックセンサ49、クランク角センサ4
4、気筒判別センサ53、カム位置センサ46R,46
L、車速を検出するための車速センサ55が接続されて
おり、更に、A/D変換器69を介して、吸入空気量セ
ンサ47、スロットル開度センサ48a、冷却水温セン
サ51、及びO2センサ52が接続されると共に、バッ
テリ電圧VBが入力されてモニタされる。一方、I/O
インターフェイス66の出力ポートには、アイドル制御
弁10、インジェクタ11、オイルフロー制御弁36
R,36L、及び、電源リレー70のリレーコイルが駆
動回路68を介して接続されると共に、イグナイタ内蔵
イグニッションコイル13のイグナイタ13aが接続さ
れている。
【0045】ECU60は、ROM62に記憶されてい
る制御プログラムに従って、I/Oインターフェイス6
6を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの検出信
号、及びバッテリ電圧等をCPU61で処理すると共
に、RAM63に格納される各種データ、バックアップ
RAM64に格納されている各種学習値データ、及びR
OM62に記憶されている固定データ等に基づき、燃料
噴射量、点火時期、アイドル制御弁10に対する制御信
号のデューティ比、オイルフロー制御弁36R,36L
に対する制御電流値等を演算し、燃料噴射制御、点火時
期制御、アイドル回転数制御、バルブタイミング制御等
のエンジン制御を行う。
【0046】ここで、上述のように、可変バルブタイミ
ング機構27によるバルブタイミング制御においては、
クランク角センサ44から出力されるクランクパルス
と、カム位置センサ46R(46L)から出力されるカ
ム位置パルスとに基づいて基準クランク角に対する吸気
カム位置の回転位相、すなわちクランク軸18に対する
吸気カム軸19の実変位角(実バルブタイミング)を算
出し、この実バルブタイミングがエンジン運転状態に基
づいて設定した目標バルブタイミングに収束するようオ
イルフロー制御弁36R,36Lに対する制御電流値を
演算し、この制御電流値による制御電流をオイルフロー
制御弁36R(36L)に出力して可変バルブタイミン
グ機構27をフィードバック制御する。
【0047】その際、ECU60は、アクセル踏込みの
有無と変速位置と車速とに基づいて車両発進時を判別
し、車両発進時と通常走行時とで可変バルブタイミング
機構27のフィードバック制御におけるフィードバック
ゲインを異なる値に設定しており、車両発進時にはフィ
ードバックゲインを通常走行時のフィードバックゲイン
よりも小さな値に設定することで、車両発進から通常走
行へ移行する際のトルクの段差を抑制し、円滑な発進を
可能としている。
【0048】すなわち、ECU60は、本発明に係わる
発進判別手段、フィードバックゲイン設定手段としての
機能を有し、具体的には、図11及び図12に示す各ル
ーチンによって各手段の機能を実現する。以下、ECU
60によるバルブタイミング制御に係わる処理につい
て、図11及び図12に示すフローチャートに従って説
明する。
【0049】図11は、イグニッションスイッチ72が
ONされ、ECU60に電源が投入されてシステムがイ
ニシャライズされた後、所定周期毎(所定時間毎)に実
行される発進判別ルーチンであり、アクセルペダルの踏
込みの有無、変速位置が走行レンジにあるか否か、車速
が設定車速未満か否かの条件から車両発進時を判別す
る。すなわち、発進判別ルーチンでは、先ず、ステップ
S1,S2,S3で、それぞれ、アイドルスイッチ48
bがOFFか否か、ニュートラルスイッチ54がOFF
か否か、車速VSPが判定閾値VSPST(例えば、5
〜10Km/h)未満か否かを調べる。
【0050】その結果、アイドルスイッチ48bがOF
Fの条件、ニュートラルスイッチ54がOFFの条件、
VSP<VSPSTの条件のうち、一つでも成立しない
条件がある場合には、車両発進時では無いと判断して該
当するステップからステップS7へ分岐する。そして、
ステップS7で、全ての条件が成立する継続時間を計時
するためのカウント値CNTをクリアし(CNT←
0)、ステップS8で、フラグセットで車両発進時を示
す発進フラグFLGSTをクリアし(FLGST←
0)、ルーチンを抜ける。
【0051】また、ステップS1〜S3において、アイ
ドルスイッチ48bがOFFでアクセルペダルが踏込ま
れており、且つニュートラルスイッチ54がOFFで変
速機の変速位置が走行レンジにあり、且つ車速VSPが
判定閾値VSPST未満の走行状態にある場合には、車
両発進時と判断してステップS4へ進み、カウント値C
NTをカウントアップする(CNT←CNT+1)。そ
して、ステップS5で、カウント値CNTが判定閾値C
NTST(例えば、1〜2sec相当値)に達したか否
かを調べる。
【0052】その結果、CNT<CNTSTである場合
には、ステップS6で発進フラグFLGSTをセットし
(FLGST←1)、ルーチンを抜ける。以後、CNT
<CNTSTである間、発進時であるとして発進フラグ
FLGSTをセット状態に維持し、CNT≧CNSTに
なると、発進状態から通常走行に移行したと判断してス
テップ5からステップS8へ進み、発進フラグFLGS
Tをクリアし(FLGST←0)、ルーチンを抜ける。
【0053】以上の発進フラグFLGSTは、図12の
バルブタイミング制御ルーチンにおいて参照され、FL
GST=1の車両発進時には、バルブタイミング制御に
おけるフィードバックゲインがFLGST=0の通常走
行時のフィードバックゲインよりも小さい値に設定され
る。次に、バルブタイミング制御ルーチンについて説明
する。
【0054】このバルブタイミング制御ルーチンは、所
定周期毎(所定時間毎)に実行され、先ず、ステップS
101で、エンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅T
p(=K×Q/NE;Qは吸入空気量、Kはインジェク
タ特性補正定数)とエンジン回転数NEとに基づいてテ
ーブルを参照し、補間計算により目標バルブタイミング
(目標進角値;目標変位角)VTTGTを設定する。
【0055】すなわち、図13に示すように、バルブタ
イミング制御領域を、エンジン負荷とエンジン回転数と
による運転状態に応じて4つの領域に分け、それぞれ目
標バルブタイミングVTTGTを設定してエンジン1を
最適な状態に制御するようにしており、低負荷低回転の
アイドル領域においては、目標バルブタイミングVTT
GTを0°として、吸気バルブ25の開閉タイミングを
進角量=0°の最遅角状態に制御し、排気バルブ26と
吸気バルブ25とのオーバラップをなくしてアイドル回
転安定化を図る。
【0056】また、中負荷運転領域では、目標バルブタ
イミングVTTGTを小〜中の進角量に設定し、吸気バ
ルブ25の開閉タイミングを進角側に制御し、排気バル
ブ26と吸気バルブ25とのオーバラップ量を大きくし
て内部EGR率を増加することで、エンジンのポンピン
グロスを低減して燃費の向上を図る一方、高負荷運転領
域では、目標バルブタイミングVTTGTを進角量大に
設定して吸気バルブ25の開閉タイミングを中負荷域よ
りも進角側に制御し、排気バルブ26と吸気バルブ25
とのオーバラップを更に増加させて充填効率及び掃気効
率を高め、エンジン出力を向上する。更に、低負荷高回
転の運転領域では、目標バルブタイミングVTTGTを
進角量小として吸気バルブ25の開閉タイミングを遅角
側に制御し、バルブオーバラップ量を減少させてエンジ
ンの過回転を防止する。
【0057】尚、各気筒の吸気バルブ25、排気バルブ
26のうち、前側の吸気バルブ25、排気バルブ26に
おいて、排気バルブ26に対する吸気バルブ25の最遅
角時のバルブオーバラップ量は、例えば、6°CAに設
定され、最進角時のバルブオーバラップ量は、例えば5
6°CAに設定される。また、各気筒の吸気バルブ2
5、排気バルブ26のうち、後側の吸気バルブ25、排
気バルブ26において、排気バルブ26に対する吸気バ
ルブ25の最遅角時のバルブオーバラップ量は、例えば
10°CAに設定され、最進角時のバルブオーバラップ
量は例えば60°CAに設定される。この場合、各吸気
カム軸19のクランク軸18(吸気カムプーリ23)に
対する回転位相は、可変バルブタイミング機構27によ
って、最大50°CA変化する。
【0058】次に、ステップS102へ進み、カム位置
センサ46R(46L)から出力されるカム位置パルス
とクランク角センサ44から出力されるクランクパルス
とに基づき、クランク軸18に対する吸気カム軸19の
実バルブタイミング(実進角値;実変位角)VTを算出
する。具体的には、クランクパルスによって算出される
エンジン回転数NEから単位角度当たりの回転時間を求
め、この単位角度回転当たりの時間に、θ2クランクパ
ルスが入力してからθ7,θ8カム位置パルスが入力す
るまでの時間を乗算することで、θ2クランクパルスに
よる基準クランク角に対する吸気カム位置の回転位相、
すなわちクランク軸18に対する吸気カム軸19の変位
角に換算することで実バルブタイミングVTを算出す
る。
【0059】その後、ステップS103へ進み、発進フ
ラグFLGSTの値を参照する。そして、FLGST=
1すなわち車両発進時の場合、ステップS104で、バ
ルブタイミング制御のフィードバックゲインKを発進時
のゲインKSTに設定して(K←KST)ステップS1
06へ進み、FLGST=0すなわち非発進時の場合に
は、ステップS105で、バルブタイミング制御のフィ
ードバックゲインKを、通常走行時のゲインKP(KP
>KST)に設定して(K←KP)ステップS106へ
進む。
【0060】発進時のゲインKSTは、この発進時のゲ
インKSTを適用する時間を定める判定閾値CNTST
と共に、予めECU60内にストアされているものであ
り、発進時にエンジンストールを招くことなく滑らかに
トルクを増加させ、且つ発進時のゲインKSTを適用す
る時間を必要最小限に抑えて運転者に違和感を与えるこ
とのない適切なフィードバックゲイン及び車両発進の設
定時間を、それぞれエンジンや車両の特性を考慮して予
めシミュレーション或いは実験等により求め、ROM6
2に固定データとしてストアしておく。
【0061】ステップS106では、目標バルブタイミ
ングVTTGTから実バルブタイミングVTを減算した
制御偏差(VTTGT−VT)に基づいてオイルフロー
制御弁36R,36Lに対する制御電流値IVTを算出
する。本形態においては、バルブタイミングのフィード
バック制御として比例制御を採用し、制御偏差(VTT
GT−VT)にフィードバックゲイン(比例ゲイン)K
を乗算し、更に保持電流値IVTHを加算して制御電流
値IVTを算出する。そして、ステップS107で、制
御電流値IVTによる制御電流を駆動回路68を介して
オイルフロー制御弁36R(36L)に出力すべく制御
電流値IVTをセットし、ルーチンを抜ける。
【0062】尚、保持電流値IVTHは、オイルフロー
制御弁36R(36L)のスプール36gを、そのラン
ドを以ってAポート36a及びBポート36bを閉塞す
る位置に保持し、シリンダヘッド2側の進角側オイル通
路34、遅角側オイル通路35を、オイルフロー制御弁
36L(36R)のオイル供給ポート36c、ドレイン
ポート36d,36fから遮断することで、可変バルブ
タイミング機構27のベーンロータ28を進角側にも遅
角側にも変位させず(移動速度を0とし)、所定の目標
バルブタイミングに収束した状態に保持するための電流
値であり、個別のオイルフロー制御弁36R(36L)
毎に学習される。
【0063】以上の車両発進時から通常走行へ移行する
際のフィードバックゲインKの変更による実バルブタイ
ミングの変化を、図14のタイムチャートに示す。車両
停止状態から発進すると、従来、タイムチャート中に破
線で示すように、フィードバックゲインKが発進当初か
ら通常走行時のゲインに設定されるため、実バルブタイ
ミングVTが目標バルブタイミングVTTGTに収束す
るよう急速に変化し、エンジントルクの急速な増大によ
るトルク段差を生じ、発進フィーリングの悪化を招いて
いた。
【0064】これに対し、本発明では、発進時のフィー
ドバックゲインを通常走行時のゲインKPよりも小さい
ゲインKSTに設定しているため、実バルブタイミング
VTが実線で示すように緩やかに変化し、通常走行への
移行と共に目標バルブタイミングVTTGTに収束させ
ることができる。これにより、発進から通常走行に移行
する際のトルクの段差を抑制して滑らかな発進を可能と
し、発進フィーリングを改善することができる。
【0065】尚、本形態では、バルブタイミングのフィ
ードバック制御として、比例制御を採用する例について
説明したが、積分制御、比例積分制御、比例微分制御、
比例積分微分制御を採用しても良い。但し、比例積分制
御を採用する場合には、比例定数と積分定数との少なく
とも一方を、発進時に通常時よりも小さい値に設定し、
比例微分制御を採用する場合には、比例定数と微分定数
との少なくとも一方を、発進時に通常時よりも小さい値
に設定する。また、比例積分微分制御を採用する場合に
は、比例定数と積分定数と微分定数との少なくとも一つ
を、発進時に通常時よりも小さい値に設定する。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両発進時に、可変バルブタイミング機構のフィードバッ
ク制御におけるフィードバックゲインを、通常走行時の
フィードバックゲインよりも小さい値に設定するので、
発進時から通常走行へ移行する際のエンジントルクを急
速に増加させることなく、トルク段差を抑制して円滑な
発進を可能とし、発進フィーリングを改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可変バルブタイミング機構付きエンジンの全体
構成図
【図2】可変バルブタイミング機構の概略構成図
【図3】可変バルブタイミング機構の最進角状態を図2
のA−A断面で示す説明図
【図4】可変バルブタイミング機構の最遅角状態を図2
のA−A断面で示す説明図
【図5】排気バルブに対する吸気バルブのバルブタイミ
ングの変化を示す説明図
【図6】クランクロータとクランク角センサの正面図
【図7】吸気カムプーリの背面図
【図8】カムロータとカム位置センサの正面図
【図9】クランクパルス、気筒判別パルス、及びカム位
置パルスの関係を示すタイムチャート
【図10】電子制御系の回路構成図
【図11】発進判別ルーチンのフローチャート
【図12】バルブタイミング制御ルーチンのフローチャ
ート
【図13】目標バルブタイミングテーブルの説明図
【図14】発進時のバルブタイミング制御を示すタイム
チャート
【符号の説明】
1 エンジン 27 可変バルブタイミング機構 60 電子制御装置(発進判別手段、フィードバックゲ
イン設定手段) VT 実バルブタイミング VTTGT 目標バルブタイミング K フィードバックゲイン KST 発進時のゲイン KP 通常走行時のゲイン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G018 AA08 AB17 BA33 CA20 DA58 DA66 EA05 EA12 EA13 EA14 EA22 EA26 EA32 EA35 FA07 FA09 GA00 GA06 3G092 AA01 AA11 AA15 DA01 DA10 DA12 DG05 EA04 EC02 FA03 FA05 GA04 GB01 HA13X HB01Z HE00Z HE01Z HE04Z HF13Z HF21Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランク軸とカム軸との間の
    回転位相を調整する油圧駆動式可変バルブタイミング機
    構を備え、エンジン運転状態に基づく目標バルブタイミ
    ングに実バルブタイミングが収束するよう上記可変バル
    ブタイミング機構をフィードバック制御するエンジンの
    バルブタイミング制御装置において、 アクセルの踏込みの有無と変速位置と車速とに基づいて
    車両の発進時を判別する発進判別手段と、 車両発進時と判別されたとき、上記可変バルブタイミン
    グ機構のフィードバック制御におけるフィードバックゲ
    インを、通常走行時のフィードバックゲインよりも小さ
    い値に設定するフィードバックゲイン設定手段とを備え
    たことを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装
    置。
  2. 【請求項2】 上記発進判別手段は、 アクセルが踏込まれ、且つ変速位置が走行レンジにあ
    り、且つ車速が設定車速未満の状態が設定時間に達する
    までの間、発進時と判別することを特徴とする請求項1
    記載のエンジンのバルブタイミング制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6904881B2 (en) 2003-09-09 2005-06-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Apparatus and method for controlling internal combustion engine

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6904881B2 (en) 2003-09-09 2005-06-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Apparatus and method for controlling internal combustion engine

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