JP2003097046A - 吊り足場の構築装置及び吊り足場の構築方法 - Google Patents

吊り足場の構築装置及び吊り足場の構築方法

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JP2003097046A
JP2003097046A JP2001292133A JP2001292133A JP2003097046A JP 2003097046 A JP2003097046 A JP 2003097046A JP 2001292133 A JP2001292133 A JP 2001292133A JP 2001292133 A JP2001292133 A JP 2001292133A JP 2003097046 A JP2003097046 A JP 2003097046A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重機を使用することなくコストを低く抑え、
大きな既設吊り足場を必要とせず、かつ大引材の送り出
し作業が容易で全体として従来より短い時間で吊り足場
を構築できる装置とその構築方法を提供する。 【解決手段】 構造物26より垂下する吊材27により
支持されて平行に配設される複数の大引材25を有する
吊り足場を構築する装置であって、構造物26に固定さ
れるガイドレール3に沿って進退自在な可動吊り治具9
にて新たに設ける大引材17を前方に送り出すようにし
た送出装置を構造物26に対して移動自在とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、橋梁等の塗り替
え工事や建築物の外装工事等に使用する吊り足場の構築
装置とその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、橋梁や建築物等の構造物に使用す
る吊り足場の構築方法では、吊り足場の幅に合わせて単
位長さの大引材をその長手方向に連結する作業を地上で
行い、この連結された大引材を重機で吊り上げて構造物
の所定の位置まで持っていき、チェーン等の吊材にて構
造物に取り付けるといった工程を繰り返し行うことで、
順次新たな吊り足場を構築していた。
【0003】また、いわゆる送り出し工法を採用する場
合には、図8に示したように、新たな大引材50aを送
り出す手段として、既設吊り足場51から新たな吊り足
場を構築していく方向(前方)に向かってスライド可能
な長尺の送り出し管52を送り出す際の案内となるスラ
イドクランプ53によって既設吊り足場51に取り付
け、この送り出し管52の先端部に固定クランプ54を
介して新たな大引材50aを固定し、送り出し管52を
スライドクランプ53内を既設吊り足場の51の前方に
スライドさせることで新たな大引材50aを所定の位置
に移動させる方法によっている。
【0004】そして、新たな大引材50aを固定してい
る固定クランプ54には送り出し用吊りチェーン55が
取り付けてあり、この送り出し用吊りチェーン55の他
方の端は送り出し管52を前方にスライドする以前に構
造物56に固定しておく。このとき、送り出し管52を
前方にスライドした際に、送り出し用吊りチェーン55
がぴんと張った状態で新たな大引材50aが丁度1スパ
ン分先に移動して送り出し管52が停止するように、送
り出し用吊りチェーン55の長さを調整しておく。この
ような工夫がなされることで、新たな大引材50aの1
スパンに相当する送り出し量が自動的に決定されるとい
った便利さがあった。
【0005】しかしながら、以上のような従来の送り出
し工法にあっては、新たな大引材50aの送り出し手段
に関し、いくつかの問題点があった。
【0006】つまり、新たな大引材50aを1スパン分
送り出した状態で送り出し管52を水平に保つためには
長手方向に2個のスライドクランプ53で支持されてい
なければならないため、送り出す前には送り出し管52
が長手方向にスイドクランプ53を少なくとも3個設け
なければならない。そこで、スライドクランプ53は大
引材50に固定されているので、大引材50が3本必要
となり、送り出し工法を採用する場合には、最初の既設
吊り足場51として2スパン分の大きなスペースを確保
しなければならなかった。そのため、このような大きな
既設吊り足場51が構築できない箇所にあっては、この
送り出し工法を採用することができなかった。
【0007】また、送り出し管52は既設吊り足場51
の幅方向の左右に1本ずつ設けられており、その左右の
送り出し管52,52を人手によって同時に同じ量ずつ
前方へスライドさせることは難しく、いずれか一方の送
り出し管52のスライドのタイミングが他方の送り出し
管52より遅れた場合にはスライドクランプ53の軸心
と送り出し管52の軸心との平行度が狂ってしまうため
スライド自体ができなくなることがあり、スライド作業
に正確さが要求されるため送り出し作業が面倒であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、新たな
大引材の位置決めを地上に据え付けた重機で行う方法に
あっては、重機と重機を操作するオペレータを必要とす
るためコスト高を招いていた。また、従来の送り出し工
法にあっては、採用できる現場が最初に2スパン分の既
設吊り足場が構築できる所に限定され、左右の送り出し
管を同時に送り出すこと自体困難な作業であるため、新
たな大引材の送り出し作業に多くの時間を要し、結果と
して吊り足場の構築時間が長くなっていた。
【0009】そこで、この発明は、重機を使用すること
なくコストを低く抑え、大きな既設吊り足場を必要とせ
ず、かつ大引材の送り出し作業が容易で全体として従来
より短い時間で吊り足場を構築できる装置とその構築方
法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、構造物より垂下する吊
材により支持されて平行に配設される複数の大引材を有
する吊り足場を構築する装置であって、前記構造物に固
定されるガイドレールに沿って進退自在な可動吊り治具
にて新たに設ける大引材を前方に送り出すようにした送
出装置が、前記構造物に対して移動自在であることを特
徴としている。
【0011】請求項2に記載の発明は、構造物より垂下
する吊材により支持されて平行に配設される複数の大引
材を有する吊り足場を構築する装置であって、既設吊り
足場の最先端に位置する前記吊材の前方に、新たに設け
る大引材を仮置きするための受金具を有することを特徴
としている。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
の構成に加えて、前記可動吊り治具には、該可動吊り治
具を前記ガイドレールに沿って前進させることのできる
前進用牽引部材と後退させることのできる後退用牽引部
材とが接続されており、このうち前進用牽引部材は前記
ガイドレールの先端部に設けた滑車を介して、又後退用
索引部材は直に前記ガイドレールの後端部側に延長され
ていることを特徴としている。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3の構成
に加えて、前記ガイドレールは長手方向に沿った中空部
を有し、該中空部に前記前進用牽引部材が収容されてい
ることを特徴としている。
【0014】請求項5に記載の発明は、構造物より垂下
する吊材により支持されて平行に配設される複数の大引
材を有する吊り足場を構築する方法であって、前記構造
物に固定されるガイドレールに沿って進退自在な可動吊
り治具にて新たに設ける大引材を約1スパン分前方に送
り出し、該新たな大引材を吊材にて前記構造物に吊り下
げ、その後前記ガイドレールを前記構造物の前方に移動
させることで、前方に向かって順次新たな吊り足場を構
築していくことを特徴としている。
【0015】請求項6に記載の発明は、構造物より垂下
する吊材により支持されて平行に配設される複数の大引
材を有する吊り足場を構築する方法であって、既設吊り
足場の最先端に位置する前記吊材の前方に取り付けた受
金具の上で新たに設ける大引材を前記吊り足場の幅に合
わせて必要数を連結し、該連結された新たな大引材を前
方へ送り出すことで、前方に向かって順次新たな吊り足
場を構築していくことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0017】まず、この発明に係る吊り足場の構築装置
の構成について説明する。
【0018】図1は、この発明の実施の形態に係る吊り
足場の構築装置を構造物に取り付けた状態を示した正面
図である。図2は、同吊り足場の構築装置のガイドレー
ルを構造物に取り付けるための固定金具と構造物との関
係を示した側面図である。
【0019】図1では、構造物である橋梁の梁材1のフ
ランジ2にガイドレール3を固定した状態を示してい
る。図2に示したように、フランジ2はしゃこ万力の形
状をした把持具4で固定され、ガイドレール3はガイド
レール3の断面形状に対応した形状の把持部5を有する
クランプ6で固定されており、把持具4とクランプ6と
は連結金具7で固定され固定金具8全体が略L字形を呈
し、フランジ2の端面から外側にガイドレール3が配置
されるようになっている。
【0020】図3は、ガイドレールに可動吊り治具のブ
ラケットが取り付けられている状態を示した側面図であ
る。
【0021】ガイドレール3には、ガイドレール3に沿
って進退自在な可動吊り治具9が取り付けられている。
可動吊り治具9としては、断面コ字形のブラケット10
の中央の水平部11近くの内側に回転自在のローラ12
を取り付け、このローラ12がガイドレール3の上面を
転がるようにし、ブラケット10の垂直部13の先端部
には軸心がブラケット10の幅方向に向かう固定軸14
を有している。固定軸14にはチェーンブロック15が
掛止されており、チェーンブロック15の吊りフック1
6に新たな大引材17を吊り下げることができるように
なっている。
【0022】ガイドレール3は新しく構築する吊り足場
の1.5〜2スパン分の長さを有し、その先端部が既設
吊り足場24の最先端の大引材25aから約1スパン分
前方に張り出すようにして、固定金具8にて構造物26
に固定される。なお、既設吊り足場24からのガイドレ
ール3の張り出し量は、丁度1スパン分である必要はな
く、1スパンの寸法を多少前後する値でよい。仮に張り
出し量が1スパンより長い場合には、ガイドレール3の
先端部より手前で可動吊り治具9を止めればよく、張り
出し量が1スパン分より短い場合には、可動吊り治具9
と新たな大引材17とを繋ぐチェーンブロック15が斜
めになるだけで作業上支障はない。
【0023】ガイドレール3は2個の固定金具8でフラ
ンジ2に固定されているが、1個はガイドレール3の後
端部付近に取り付けられ、もう1個はガイドレール3の
中央部付近に取り付けられる。そして、可動吊り治具9
は、中央部付近に取り付けられる固定金具8の前方に配
置されている。
【0024】ブラケット10の外側の上部には後方と前
方に断面コ字形の牽引用フック18が1個ずつ取り付け
られている。後方の牽引用フック18aには後退用牽引
部材19が繋がれ、ガイドレール3の上面を通ってガイ
ドレール3の後端部側まで延長されている。前方の牽引
用フック18bには前進用牽引部材20が繋がれ、ガイ
ドレール3の上面を通ってガイドレール3の先端部まで
延長され、さらに先端部に設けられた滑車21を介して
ガイドレール3の中空部22を通ってガイドレール3の
後端部側まで延長されている。
【0025】なお、図1に示した実施の形態では、ガイ
ドレール3として角パイプを使用した例を表している
が、可動吊り治具9の移動の際の案内となり、前進用牽
引部材20が収納できるものであればその断面形状にこ
だわることはない。したがって、丸パイプや断面がチャ
ンネル形をしたような中空部を有するものであってもよ
い。
【0026】次に、以上説明した構成を有する実施の形
態を使用した吊り足場の構築方法について説明する。
【0027】実施の形態に係る吊り足場の構築装置23
を使用して新たな吊り足場を構築していくには、1スパ
ン分の既設吊り足場24があればよい。既設吊り足場2
4は、所定の幅方向の長さを有する2本の大引材25,
25が構造物26から垂下された複数の吊材27によっ
て互いに平行でかつ水平に吊り下げられており、この2
本の大引材25,25の間に複数の根太材28を掛け渡
すことによって格子状枠体を形成し、この格子状枠体の
上に杉板やコンパネ等の床材29が載置されている。
【0028】図4は、既設吊り足場の一部破断した斜視
図であり、図5は、既設吊り足場における新たな大引材
の連結作業状態を示した一部破断の斜視図である。
【0029】そこで、まず既設吊り足場24の送り出し
方向に位置する最先端の大引材25aを吊り下げている
吊材27aの前方に、新たに設ける大引材17を仮置き
するための受金具30を取り付ける。受金具30は、単
位長さの1本の新たな大引材17に対して少なくとも2
本使用することが望ましい。
【0030】ここで、受金具30は、新たな大引材17
を置くための水平材31と、この水平材31の一端に設
けた最先端の大引材25aに取り付けるための係止部3
2と、水平材31の他端に上向きに突設したストッパー
部33とを有している。これにより、受金具30は、最
先端の大引材25aの上から係止部32を宛うようにし
て簡単に取り付けること及び使用しないときには最先端
の大引材25aから持ち上げるようにして簡単に取り外
すことができ、連結作業時にあっては新たな大引材17
が受金具30から脱落することがない。
【0031】既設吊り足場24の最先端の大引材25a
に受金具30を取り付けたら、既設吊り足場24の床材
29の上に予め準備しておいた単位長さの新たな大引材
17を必要な本数だけ吊材同士27a,27aの間から
前方に張り出して、受金具30の水平材31の上に載せ
て、新たな大引材同士17,17,17,・・・をその
長手方向に一直線状になるよう接続金具33にて連結し
ていく。
【0032】この連結作業が終わったら、連結された新
たな大引材17をチェーンブロック15の吊りフック1
6に吊り下げ、チェーンブロック15のハンドルを操作
して吊りフック16を上昇させて連結された新たな大引
材17が既設の大引材25の高さより僅かに高い位置に
設定する。
【0033】チェーンブロック15による連結された新
たな大引材17の高さの設定が済んだら、前進用牽引部
材20をガイドレール3の後端部側から引っ張ることで
可動吊り治具9を前方の所定の位置まで送り出す。この
とき、予めガイドレール3の先端部が所定の位置になる
ようにガイドレール3を構造物26に固定しておけば、
送り出す量を制御する手間が省ける。また、送り出しに
際しては、ガイドレール3の上面をブラケット10に設
けたローラ12が回転し、先端部の滑車21の回転と相
俟って、前進用牽引部材20を僅かな力で引っ張ること
で可動吊り治具9が前方に送り出される。しかも、ガイ
ドレール3の横断面の幅よりブラケット10の垂直部1
3,13間の内寸法をある程度大きく設定することによ
り、既設吊り足場24の幅方向の左右に配置された可動
吊り治具9,9の送り出し量に多少のずれが生じた場合
でも、送り出しが円滑に行える。
【0034】図6に示したように、新たな大引材17が
所定の位置まで送り出されたら、新たな大引材17に既
設吊り足場24から足場板34を掛け渡す。掛け渡され
た足場板34を作業者が渡っていき、送り出された新た
な大引材17に対してその長手方向に渡って複数の吊材
27を使用し、その下端部を新たな大引材27に取り付
けると共に、その上端部を梁材1のフランジ2に固定す
る。
【0035】吊材27によって新たな大引材17が構造
物26に取り付けられたら、チェーンブロック15のハ
ンドルを操作して吊りフック16を下降させ、吊りフッ
ク16を新たな大引材17から取り外すことにより、吊
材27に吊り下げられた新たな大引材17が既設吊り足
場24の大引材25と同じ高さに設定される。
【0036】次に、図7に示したように、既設吊り足場
24の最先端の大引材25aと新たな大引材17との間
に複数の根太材28を掛け渡すことによって格子状枠体
を形成する。必要な数の根太材28の掛け渡し作業が終
了したら、その根太材28の上に杉板やコンパネ等の床
材29を載置することで新たな吊り足場35が完成でき
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の発明によれば、構造物に固定されるガイドレールに
沿って進退自在な可動吊り治具にて新たに設ける大引材
を前方に送り出すようにした送出装置が、構造物に対し
て移動自在であるので、ガイドレールをその先端部が既
設吊り足場の最先端の大引材から約1スパン分張り出す
ようにして構造物に固定し、可動吊り治具に新たな大引
材を取り付けて可動吊り治具をガイドレールの先端部に
向かって移動するようにすれば、作業者が既設吊り足場
から新たな大引材を所定の位置に送り出すことができ
る。
【0038】このため、新たな大引材の位置決めに際し
重機を使用する必要がないので、重機と重機を操作する
オペレータが不要となるからコストを低く抑えることが
できる。また、従来の送り出し工法で使用しているスラ
イドクランプとスライドクランプを固定する大引材を必
要としないので、大きな既設吊り足場を必要としないた
め、適用できる範囲が広くなる。さらに、新たな大引材
はガイドレールに沿って進退自在な可動吊り治具によっ
て送り出されるので、送り出し作業が容易なため全体と
して従来より短い時間で吊り足場を構築できる。
【0039】また、請求項2に記載された発明によれ
ば、既設吊り足場の最先端に位置する吊材の前方に、新
たに設ける大引材を仮置きするための受金具を有するの
で、受金具の上に単位長さの大引材を載せてその長手方
向に連結する作業を既設吊り足場でできると共に、受金
具の前方には吊材が存在しないから連結した新たな大引
材を可動吊り治具に取り付けることでその位置から直接
送り出すことができる。
【0040】請求項3に記載された発明によれば、可動
吊り治具には、該可動吊り治具をガイドレールに沿って
前進させることのできる前進用牽引部材と後退させるこ
とのできる後退用牽引部材とが接続されており、このう
ち前進用牽引部材はガイドレールの先端部に設けた滑車
を介して、又後退用索引部材は直にガイドレールの後端
部側に延長されているので、請求項1又は2の効果に加
え、前進用牽引部材と後退用牽引部材とをガイドレール
の後端部側から操作することで可動吊り治具の前進と後
退が行えるため、安全に吊り足場の構築作業ができる。
【0041】請求項4に記載された発明によれば、ガイ
ドレールは長手方向に沿った中空部を有し、該中空部に
前進用牽引部材が収容されているので、請求項3の効果
に加え、前進用牽引部材がガイドレールから垂れ下がる
ようなことがないから前進用牽引部材が吊り足場の構築
作業の邪魔になることがない。
【0042】請求項5に記載された発明によれば、構造
物に固定されるガイドレールに沿って進退自在な可動吊
り治具にて新たに設ける大引材を約1スパン分前方に送
り出し、該新たな大引材を吊材にて構造物に吊り下げ、
その後ガイドレールを構造物の前方に移動させること
で、前方に向かって順次新たな吊り足場を構築していく
ので、作業者が既設吊り足場から新たな大引材を所定の
位置に送り出すことができる。
【0043】このため、新たな大引材の位置決めに際し
重機を使用する必要がないので、重機と重機を操作する
オペレータが不要となるからコストを低く抑えることが
できる。また、従来の送り出し工法で使用しているスラ
イドクランプとスライドクランプを固定する大引材を必
要としないので、大きな既設吊り足場を必要としないた
め、適用できる範囲が広くなる。さらに、新たな大引材
はガイドレールに沿って進退自在な可動吊り治具によっ
て送り出されるので、送り出し作業が容易なため全体と
して従来より短い時間で吊り足場を構築できる。
【0044】請求項6に記載された発明によれば、既設
吊り足場の最先端に位置する吊材の前方に取り付けた受
金具の上で新たに設ける大引材を吊り足場の幅に合わせ
て必要数を連結し、該連結された新たな大引材を前方へ
送り出すことで、前方に向かって順次新たな吊り足場を
構築していくので、受金具の上に単位長さの大引材を載
せてその長手方向に連結する作業を既設吊り足場からで
きると共に、受金具の前方には吊材が存在しないから連
結した新たな大引材を可動吊り治具に取り付けることで
その位置から直接送り出すことができる。
【0045】そのため、幅が大きな吊り足場であって
も、必要な長さの大引材を地上で組み立てて重機で吊り
足場まで吊り上げるといった手間がいらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態に係る吊り足場の構築
装置を構造物に取り付けた状態を示した正面図である。
【図2】 同吊り足場の構築装置のガイドレールを構造
物に取り付けるための固定金具と構造物との関係を示し
た側面図である。
【図3】 同吊り足場の構築装置のガイドレールに可動
吊り治具のブラケットが取り付けられている状態を示し
た側面図である。
【図4】 同吊り足場の構築装置の既設吊り足場の一部
破断した斜視図である。
【図5】 同吊り足場の構築装置の既設吊り足場におけ
る新たな大引材の連結作業状態を示した一部破断した斜
視図である。
【図6】 同吊り足場の構築装置において新たな大引材
を送り出したところを示した正面図である。
【図7】 同吊り足場の構築装置において床材を載置す
る状態を示した正面図である。
【図8】 従来の送り出し工法による吊り足場の構築方
法の説明図である。
【符号の説明】
1 梁材 2 フランジ 3 ガイドレール 8 固定金具 9 可動吊り治具 10 ブラケット 12 ローラ 15 チェーンブロック 16 吊りフック 17 新たな大引材 18 牽引用フック 19 後退用牽引部材 20 前進用牽引部材 21 滑車 22 中空部 23 吊り足場の構築装置 24 既設吊り足場 25 大引材 25a 最先端の大引材 26 構造物 27 吊材 27a 最先端の吊材 28 根太材 29 床材 30 受金具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物より垂下する吊材により支持され
    て平行に配設される複数の大引材を有する吊り足場を構
    築する装置であって、前記構造物に固定されるガイドレ
    ールに沿って進退自在な可動吊り治具にて新たに設ける
    大引材を前方に送り出すようにした送出装置が、前記構
    造物に対して移動自在であることを特徴とする吊り足場
    の構築装置。
  2. 【請求項2】 構造物より垂下する吊材により支持され
    て平行に配設される複数の大引材を有する吊り足場を構
    築する装置であって、既設吊り足場の最先端に位置する
    前記吊材の前方に、新たに設ける大引材を仮置きするた
    めの受金具を有することを特徴とする吊り足場の構築装
    置。
  3. 【請求項3】 前記可動吊り治具には、該可動吊り治具
    を前記ガイドレールに沿って前進させることのできる前
    進用牽引部材と後退させることのできる後退用牽引部材
    とが接続されており、このうち前進用牽引部材は前記ガ
    イドレールの先端部に設けた滑車を介して、又後退用索
    引部材は直に前記ガイドレールの後端部側に延長されて
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊り足場
    の構築装置。
  4. 【請求項4】 前記ガイドレールは長手方向に沿った中
    空部を有し、該中空部に前記前進用牽引部材が収容され
    ていることを特徴とする請求項3に記載の吊り足場の構
    築装置。
  5. 【請求項5】 構造物より垂下する吊材により支持され
    て平行に配設される複数の大引材を有する吊り足場を構
    築する方法であって、前記構造物に固定されるガイドレ
    ールに沿って進退自在な可動吊り治具にて新たに設ける
    大引材を約1スパン分前方に送り出し、該新たな大引材
    を吊材にて前記構造物に吊り下げ、その後前記ガイドレ
    ールを前記構造物の前方に移動させることで、前方に向
    かって順次新たな吊り足場を構築していくことを特徴と
    する吊り足場の構築方法。
  6. 【請求項6】 構造物より垂下する吊材により支持され
    て平行に配設される複数の大引材を有する吊り足場を構
    築する方法であって、既設吊り足場の最先端に位置する
    前記吊材の前方に取り付けた受金具の上で新たに設ける
    大引材を前記吊り足場の幅に合わせて必要数を連結し、
    該連結された新たな大引材を前方へ送り出すことで、前
    方に向かって順次新たな吊り足場を構築していくことを
    特徴とする吊り足場の構築方法。
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