JP2003096318A - プラスチック材料及び再生プラスチック材料 - Google Patents

プラスチック材料及び再生プラスチック材料

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JP2003096318A
JP2003096318A JP2001292993A JP2001292993A JP2003096318A JP 2003096318 A JP2003096318 A JP 2003096318A JP 2001292993 A JP2001292993 A JP 2001292993A JP 2001292993 A JP2001292993 A JP 2001292993A JP 2003096318 A JP2003096318 A JP 2003096318A
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JP
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ionomer
plastic material
polymers
flame
polymer
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JP2001292993A
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English (en)
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Mariko Kato
真理子 加藤
Shinichi Kawasaki
真一 川崎
Takafumi Kawaguchi
隆文 川口
Hiroyuki Nishimura
寛之 西村
Shoji Doi
祥司 土肥
Hajime Kanbara
肇 神原
Masayuki Ogoshi
雅之 大越
Hiromi Yanase
広美 柳瀬
Masahiro Sato
正洋 佐藤
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い物性を有するプラスチック材料、高い物
性を有する再生プラスチック材料、及び前記プラスチッ
ク材料から構成されたプラスチック成形体を提供する。 【解決手段】 1種又は複数種のポリマーと、アイオノ
マー樹脂からなる相溶化剤と、難燃剤とを含む難燃性プ
ラスチック材料。さらに無機フィラーが含まれる場合が
ある。1種又は複数種のポリマーと、アイオノマー樹脂
からなる相溶化剤と、無機フィラーとを含むプラスチッ
ク材料。1種又は複数種のポリマー材料に、アイオノマ
ー樹脂からなる相溶化剤と難燃剤と、必要に応じて無機
フィラーとを配合することにより得られた、難燃性プラ
スチック材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック材
料、再生プラスチック材料、及び前記プラスチック材料
から構成されたプラスチック成形体に関する。特に、本
発明は、難燃性プラスチック材料、難燃性の再生プラス
チック材料、及び前記プラスチック材料から構成された
難燃性のプラスチック成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護、資源の有効利用す
なわち再資源化、廃棄物処理問題などの観点から、廃棄
プラスチックの再生利用は重要な課題となっている。現
在、廃棄プラスチックの中で最も再生利用されているの
は、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン系樹脂である。廃棄ポリオレフィン系樹脂の再生利
用の拡大が特に重要である。
【0003】廃棄プラスチックの完全な分別回収は困難
であり、再生過程においては、通常複数種のポリマーが
混合される。そのため、再生されたプラスチックのポリ
マー物性は低下する。プラスチック再生時にオイルなど
の可塑剤を多量に配合して物性低下防止を図っている
が、元の物性を回復することは困難である。
【0004】また、再生時に混合される複数種のポリマ
ーが互いに非相溶の異種ポリマーであれば、均一な分散
が得られず、再生されたプラスチックのポリマー物性は
大きく低下する。このように、再生されたプラスチック
のポリマー物性は低いため、低い物性値であっても使用
可能な限られた用途にしか、再生プラスチックを利用す
ることができない。
【0005】互いに非相溶の異種ポリマーの分散を良好
にするために、相溶化剤が用いられる。相溶化剤として
は、従来、ランダムコポリマー系、グラフト・ブロック
コポリマー系などの相溶化剤、反応相溶化剤などが知ら
れている。反応相溶化剤とよばれるものは、二重結合、
カルボキシル基、エポキシ基などを有するポリマーであ
って、成形加工工程で相溶化させようとするポリマーの
一方または両方と反応してグラフトまたはブロック構造
に基づく界面活性剤的な働きをして相溶化剤として機能
する(参考文献:「ポリマーアロイ」基礎と応用、高分
子学会編、1993年発行)。また、特開平8−302
217号公報には、オキサゾリン環を有する相溶化剤が
記載されている。
【0006】しかしながら、これら従来の相溶化剤は相
溶化効果が不十分であり、異なる種類の廃棄プラスチッ
クの再生に用いた場合、物性低下の抑制や成形不良の改
良効果は必ずしも充分ではない。このため、廃棄プラス
チックの再利用には限界があった。
【0007】そこで、廃棄プラスチックの再利用を図る
べく、特開2001−220473号公報には、アイオ
ノマー樹脂を相溶化剤として用いて再生プラスチック材
料を得ることが開示されている。
【0008】一方、各種プラスチック製品には、難燃性
が要求されることも多い。プラスチック成形体に難燃性
を付与するためには、一般的にプラスチック材料に難燃
剤を配合することが考えられる。しかしながら、プラス
チック材料に難燃剤を配合すると、プラスチックの物性
低下を招きやすい。特に、プラスチック材料に互いに非
相溶の異種ポリマーが含まれていると、異種ポリマーの
均一な分散が得られず、難燃剤の配合により更にプラス
チックの物性は大きく低下する。難燃剤の配合による物
性低下の問題は、未使用のプラスチック材料の場合より
も、廃棄プラスチックからの再生プラスチック材料の場
合に、より大きくなる。
【0009】また、各種プラスチック製品には、強度向
上、耐熱性向上、耐水性向上、耐温水性向上、耐湿性向
上など、あるいはその他の種々の性能・機能の向上が要
求されることも多い。このような場合には、種々の性能
・機能に応じて、各種の無機フィラーをプラスチック材
料に配合することが考えられる。しかしながら、プラス
チック材料に無機フィラーを配合すると、難燃剤におけ
るのと同様にプラスチックの物性低下を招きやすい。
【0010】このような事情から、プラスチック材料に
難燃剤を配合しても、プラスチックの物性低下を起こさ
ず且つ難燃性を付与する技術の開発が要望されている。
特に、廃棄プラスチックをリサイクルし再資源化するに
当たり、異種ポリマーが混合された場合、とりわけ互い
に非相溶の異種ポリマーが混合された場合であっても、
ポリマー物性低下を起こさず且つ難燃性を付与する技術
の開発が要望されている。そして、プラスチック材料に
各種の無機フィラーを配合しても、プラスチックの物性
低下を起こさず且つ種々の性能・機能を付与する技術の
開発が要望されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、高い物性を有する難燃性プラスチック材料、高い物
性を有する難燃性の再生プラスチック材料、及び前記プ
ラスチック材料から構成された難燃性のプラスチック成
形体を提供することにある。また、本発明の目的は、無
機フィラーが配合されたプラスチック材料、無機フィラ
ーが配合された再生プラスチック材料、及び前記プラス
チック材料から構成された無機フィラーが配合されたプ
スチック成形体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、1種又は複数
種のポリマーと、アイオノマー樹脂からなる相溶化剤
と、難燃剤とを含む、難燃性プラスチック材料である。
本発明は、さらに無機フィラーを含む、前記のプラスチ
ック材料である。また、本発明は、1種又は複数種のポ
リマーと、アイオノマー樹脂からなる相溶化剤と、無機
フィラーとを含む、プラスチック材料である。
【0013】本発明は、1種又は複数種のポリマーのす
べてが、未使用のポリマーである、前記のプラスチック
材料である。本発明は、1種又は複数種のポリマーのう
ちの少なくとも1種は、使用済みのポリマーである、前
記のプラスチック材料である。本発明は、1種又は複数
種のポリマーのすべてが、使用済みのポリマーである、
前記のプラスチック材料である。
【0014】本発明は、プラスチック材料が複数種のポ
リマーを含み、複数種のポリマーには互いに非相溶の異
種ポリマーが含まれる、前記のプラスチック材料であ
る。本発明は、プラスチック材料が複数種のポリマーを
含み、複数種のポリマーには互いに相溶する異種ポリマ
ーが含まれる、前記のプラスチック材料である。
【0015】本発明は、1種又は複数種のポリマーが、
熱可塑性ポリマー及び/又は熱硬化性ポリマーから選ば
れる、前記のプラスチック材料である。
【0016】本発明は、1種又は複数種のポリマー材料
に、アイオノマー樹脂からなる相溶化剤と難燃剤と、必
要に応じて無機フィラーとを配合することにより得られ
た、難燃性プラスチック材料である。
【0017】本発明は、少なくとも1種は使用済みのも
のである1種又は複数種のポリマー材料に、アイオノマ
ー樹脂からなる相溶化剤と、難燃剤と、必要に応じて無
機フィラーとを配合することにより得られた、難燃性の
再生プラスチック材料である。
【0018】本発明は、1種又は複数種のポリマー材料
に、アイオノマー樹脂からなる相溶化剤と、無機フィラ
ーとを配合することにより得られた、プラスチック材料
である。
【0019】本発明は、少なくとも1種は使用済みのも
のである1種又は複数種のポリマー材料に、アイオノマ
ー樹脂からなる相溶化剤と、無機フィラーとを配合する
ことにより得られた、再生プラスチック材料である。
【0020】本発明は、前記のうちのいずれかのプラス
チック材料から構成された、プラスチック成形体であ
る。難燃剤が含まれる場合は、難燃性のプラスチック成
形体となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明において、アイオノマー樹
脂としては、種々のタイプのものが含まれる。典型的な
アイオノマーは、(a)ホスト高分子の主鎖に部分的に
側鎖イオン基が存在するものである(側鎖型)。別のタ
イプのアイオノマーは、(b)両末端に例えばカルボン
酸基が存在するホスト高分子あるいはオリゴマーに金属
イオンが中和することより高分子化したものである(テ
レケリック型)。また別のタイプのアイオノマーは、
(c)主鎖に陽イオンを有し、そこに陰イオンが結合し
たものである(アイオネン)。
【0022】
【化1】
【0023】ホスト高分子のイオン基に対する対イオン
としては、Li+ 、Na+ 、K+ 等のアルカリ金属イオ
ン、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+等のアルカリ土類
金属イオン、Zn2+、Cu2+、Mn2+、Ni2+、C
2+、Co3+、Fe3+、Cr3+等の遷移金属イオンが用
いられる。また、陽イオンホスト高分子に対しては、C
- 、Br- 、I- 等の陰イオンが用いられる。
【0024】このようなアイオノマー樹脂としては、特
に限定されないが、例えば、エチレン−メタクリル酸共
重合体アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体ア
イオノマー、プロピレン−メタクリル酸共重合体アイオ
ノマー、プロピレン−アクリル酸共重合体アイオノマ
ー、ブチレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、エチ
レン−ビニルスルホン酸共重合体アイオノマー、スチレ
ン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、スルホン化ポ
リスチレンアイオノマー、フッ素系アイオノマー、テレ
ケリックポリブタジエンアクリル酸アイオノマー、スル
ホン化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体アイオノ
マー、水素化ポリペンタマーアイオノマー、ポリペンタ
マーアイオノマー、ポリ(ビニルピリジウム塩)アイオ
ノマー、ポリ(ビニルトリメチルアンモニウム塩)アイ
オノマー、ポリ(ビニルベンジルホスホニウム塩)アイ
オノマー、スチレン−ブタジエンアクリル酸共重合体ア
イオノマー、ポリウレタンアイオノマー、スルホン化ス
チレン−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンサル
フェイトアイオノマー、酸−アミンアイオノマー、脂肪
族系アイオネン、芳香族系アイオネン等が挙げられる。
【0025】これらアイオノマー樹脂は、互いに非相溶
の異種ポリマーを相溶化させる効果を有すると共に、ポ
リマー中への後述する難燃剤や無機フィラーの良好な分
散効果を有する。これらアイオノマー樹脂の1種を相溶
化剤として用いてもよく、必要に応じて2種以上を混合
して用いてもよい。
【0026】これらアイオノマー樹脂のうち、エチレン
−メタクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−アク
リル酸共重合体アイオノマーが好ましく用いられる。こ
れらは、脂肪族ポリマーと芳香族ポリマーの相溶性、及
び極性ポリマーと非極性ポリマーの相溶性を向上させる
場合に特に有効である。エチレン−メタクリル酸共重合
体アイオノマーとして、より具体的には、ハイミラン15
54、ハイミラン1555、ハイミラン1557、ハイミラン160
1、ハイミラン1605、ハイミラン1650、ハイミラン165
2、ハイミラン1652 SR 、ハイミラン1652 SB 、ハイミ
ラン1702、ハイミラン1705、ハイミラン1706、ハイミラ
ン1707、ハイミラン1855、ハイミラン1856(以上、三井
・デュポンポリケミカル株式会社製)が挙げられる。
【0027】本発明において、1種又は複数種のポリマ
ーには、特に限定されることなく、種々の熱可塑性ポリ
マー、熱硬化性ポリマー、ゴムなどの高分子材料を含む
材料が含まれる。
【0028】高分子材料として具体的には、ポリエチレ
ン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロ
ピレン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレ
ン(PS)、ACS樹脂、AS樹脂、ポリブテン樹脂、
アルキド樹脂、アミノ樹脂、ASA樹脂、ビスマレイミ
ドトリアジン樹脂、塩素化ポリエーテル、塩素化ポリエ
チレン、アリル樹脂、エポキシ樹脂、エチレン−α―オ
レフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル
共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、EVA樹
脂、FRP、アイオノマー、メタクリル−スチレン共重
合体、ニトリル樹脂、ポリエステル〔ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)など〕、オレフィンビニルアルコール共重合
体、石油樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリ
アクリレート、ポリアミド、ポリアリルスルフォン、ポ
リベンゾイミダゾール、ポリブチレン、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルフォン、
ポリケトン、メタクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポ
リフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リスルフォン、SAN樹脂、ブタジエン−スチレン樹
脂、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリビニル
アルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シ
リコーン樹脂、ポリ酢酸ビニル、キシレン樹脂、架橋ポ
リエチレン等の架橋ポリオレフィン、架橋ポリスチレ
ン、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、EPDM、C
R、BR、ニトリルゴム、天然ゴム、アクリロニトリル
ブタジエンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。これら
は、例示であって、他の種々のポリマーも含まれる。
【0029】上記のうち、ほとんどは熱可塑性タイプで
あり、ビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシ樹脂、
FRP、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユ
リア樹脂、メラミン樹脂は、熱硬化性タイプである。ま
た、ポリウレタン、シリコーン樹脂、キシレン樹脂は、
熱可塑性タイプのものと熱硬化性タイプのものがある。
熱硬化性タイプについては、粉砕品を用いる方が好まし
い。また、架橋ポリエチレン等の架橋ポリオレフィンや
架橋ポリスチレンについても、粉砕品を用いる方が好ま
しい。
【0030】本発明において、難燃剤には、特に限定さ
れることなく、種々のタイプの難燃剤、すなわち、ホウ
酸系難燃化合物、リン系難燃化合物、前記ホウ酸系難燃
化合物及び前記リン系難燃化合物以外の無機系難燃化合
物、チッソ系難燃化合物、ハロゲン系難燃化合物、有機
系難燃化合物及びコロイド難燃物質からなる群から選ば
れる各種の難燃剤が含まれる。
【0031】ホウ酸系難燃化合物としては、例えば、ホ
ウ酸亜鉛水和物、メタホウ酸バリウム、ほう砂などのホ
ウ酸を含有する化合物が挙げられる。
【0032】リン系難燃化合物としては、例えば、リン
酸アンモニウム、リン酸メラミン、赤燐、リン酸エステ
ル、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(モ
ノクロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプ
ロピル)ホスフェート、トリアリルフォスフェート、ト
リス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフェート、トリス
(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス・β−ク
ロロプロピルホスフェート、トリス(ジブロモフェニ
ル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)
ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)エチレ
ン・ジフォスフェート、ジメチルメチルフォスフェー
ト、トリス(2−クロロエチル)オルトリン酸エステ
ル、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合有機リ
ン酸エステル、エチレン・ビス・トリス(2−シアノエ
チル)ホスフォニウム・ブロミド、ポリリン酸アンモニ
ウム、β−クロロエチルアッシドフォスフェート、ブチ
ルピロフォスフェート、ブチルアッシドフォスフェー
ト、ブトキシエチルアッシドフォスフェート、2−エチ
ルヘキシルアッシドフォスフェート、メラミンリン酸
塩、含ハロゲンフォスソネート、フェニル・フォスフォ
ン酸などのリンを含有する化合物が挙げられる。
【0033】その他無機系難燃化合物としては、例え
ば、硫酸アンモニウムなどのアンモン系難燃化合物、フ
ェロセンなどの酸化鉄系燃焼触媒、酸化チタンなどのチ
タンを含有する化合物、スルファミン酸グアニジンなど
のグアニジン系化合物、その他、ジルコニウム系化合
物、モリブデン系化合物、錫系化合物、炭酸カリウムな
どの炭酸塩化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウムなどの水酸和金属及びその変性物が挙げられる。
【0034】チッソ系難燃化合物としては、例えば、ト
リアジン環を有するシアヌレート化合物が挙げられる。
【0035】ハロゲン系難燃化合物としては、例えば、
塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカン、ヘ
キサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルオキシド、
ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス・
ジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビ
ス・テトラブロモフタルイミド、ジブロモエチル・ジブ
ロモシクロヘキサン、ジブロモネオペンチルグリコー
ル、2,4,6-トリブロモフェノール、トリブロモフェニル
アリルエーテル、テトラブロモ・ビスフェノールA 誘導
体、テトラブロモ・ビスフェノールS 誘導体、テトラデ
カブロモ・ジフェノキシベンゼン、トリスー(2,3−
ジブロモプロピル−1−)−イソシアヌレート、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−
3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ポリ(ペンタブ
ロモベンジル・アクリレート)、トリブロモスチレン、
トリブロモフェニルマレイニド、トリブロモネオペンチ
ル・アルコール、テトラブロモジペンタエリスリトー
ル、ペンタブロモベンジルアクリレート、ペンタブロモ
フェノール、ペンタブロモトルエン、ペンタブロモジフ
ェニルオキシド、ヘキサブロモシクロドデカン、ヘキサ
ブロモジフェニルエーテル、オクタブロモフェノールエ
ーテル、オクタジブロジフェニルエーテル、アオクタブ
ロモジフェニルオキシド、マグネシウムヒドロキシド、
ジブロモネオペンチルグリコールテトラカルボナート、
ビス(トリブロモフェニル)フマルアミド、N-メチルヘ
キサブロモジフェニルアミン、臭化スチレン、ジアリル
=クロレンデートなどのハロゲンを含有する難燃化合物
が挙げられる。
【0036】有機系難燃化合物としては、例えば、無水
クロレンド酸、無水フタル酸、ビスフェノールA を含有
する化合物、グリシジルエーテルなどのグリシジル化合
物、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトールなど
の多価アルコール、変性カルバミド、シリコーンオイ
ル、オルガノシロキサン等のシリコーン化合物が挙げら
れる。
【0037】コロイド難燃物質としては、例えば、従来
から使用されている難燃性を持つ水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水和金属
化合物、アルミン酸化カルシウム、二水和石膏、ホウ酸
亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ砂、カオリンクレーな
どの水和物、硝酸ナトリウムなどの硝酸化合物、モリブ
デン化合物、ジルコニウム化合物、アンチモン化合物、
ドーソナイト、プロゴパイトなどの難燃性化合物のコロ
イドが挙げられる。
【0038】本発明において、強度向上、耐熱性向上、
耐水性向上、耐温水性向上、耐湿性向上などのために、
あるいはその他の種々の性能・機能の向上のために、酸
化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、
炭素類、金属粉、セラミックス粉などから選ばれる各種
無機フィラーをプラスチック材料に含ませてもよい。無
機フィラーを以下に例示する。
【0039】酸化物としては、例えば、シリカ、ケイ藻
土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ、酸化アンチ
モン、フェライト類が挙げられる。水酸化物としては、
例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムが挙げられ
る。炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、
ハイドロタルサイトが挙げられる。
【0040】硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポンが挙げ
られる。ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム
(ウォラストナイト、ゾノトライト)、ケイ酸アルミニ
ウム(クレー)、タルク、マイカ、モンモリロナイト、
ケイ砂、カオリン、軽石粉、ゼオライト、ベントナイ
ト、活性白土、スレート粉、セピオライト、イモゴライ
ト、セリサイト、ガラス繊維、ガスビーズ、ガラスフレ
ーク、シリカ系バルンが挙げられる。
【0041】窒化物としては、例えば、窒化アルミニウ
ム、窒化ホウ素、窒化ケイ素が挙げられる。炭素類とし
ては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素
繊維、活性炭、活性炭繊維、フラーレン、カーボンナノ
チューブ、炭素バルン、木炭粉末が挙げられる。その
他、例えば、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウ
ム、チタン酸ジルコン酸塩、硫化モリブデン、炭化ケイ
素、ホウ酸亜鉛が挙げられる。
【0042】本発明で用いるアイオノマー樹脂は、単独
種のポリマー中に、難燃剤や無機フィラーを良好に分散
させることができ、従来のような物性低下を起こすこと
なく、難燃性及び/又はその他の性能・機能に優れたプ
ラスチック材料が得られる。
【0043】本発明で用いるアイオノマー樹脂は、複数
種のポリマーが含まれる場合においては、互いに非相溶
の異種ポリマー(例えば、脂肪族ポリマーと芳香族ポリ
マー、極性ポリマーと非極性ポリマー)を相溶化させる
効果に優れ、上述した内の任意の複数種のポリマーを相
溶化させることができると共に、難燃剤や無機フィラー
を良好に分散させることができる。もちろん、互いに相
溶性の異種ポリマーを、前記アイオノマー樹脂を用いて
相溶化させ、難燃剤や無機フィラーを良好に分散させる
ことができる。
【0044】アイオノマー樹脂を用いることにより、任
意の複数種のポリマーを相溶化させ、難燃剤及び/又は
無機フィラーを配合・分散することができるので、廃棄
量が多く再生利用の要望が強いポリオレフィン系樹脂や
エンジニアリングプラスチックの再生を行い、その再生
の際に難燃性及び/又はその他の性能・機能を付与する
場合に、本発明を適用する利点が大きい。
【0045】ポリオレフィン系樹脂には、主として、ポ
リプロピレン、極低密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等
及びそれらの混合物が含まれる。エンジニアリングプラ
スチックには、ABS樹脂、ポリアミド、ポリカーボネ
ート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエー
テルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリ
アセタールポリアリレート、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリスチレン、ポリイミド等及びそれらの混合物が
含まれる。
【0046】本発明が好ましく適用される互いに非相溶
の異種ポリマーの組合せとしては、例えば、ポリオレフ
ィン系樹脂とエンジニアリングプラスチックの組合せが
挙げられる。より具体的には、例えば、PEとPET、
PPとABS、PPとPSの組合せが挙げられる。もち
ろん、これらの他にも、多様な組合せが存在する。2種
の異種ポリマーのみならず、3種以上の異種ポリマーの
組合せにも適用される。
【0047】従来、これらの再生において、廃棄プラス
チック中に異種ポリマーの混入があるため、十分高い物
性を有する再生プラスチック材料は得られなかった。本
発明によって、異種ポリマーを含む廃棄プラスチックの
相溶化と、難燃性及び/又はその他の性能・機能付与と
を共に達成でき、十分高い物性を有し且つ難燃性及び/
又はその他の性能・機能が付与された再生プラスチック
材料が得られる。
【0048】また、本発明は、リサイクルすべき廃棄品
か新品かを問わず、種々のポリマー材料への難燃性及び
/又はその他の性能・機能付与に適用される。すなわ
ち、1種又は複数種のポリマーのすべてが、未使用のポ
リマーである場合、1種又は複数種のポリマーのうちの
少なくとも1種は、使用済みのポリマーである場合、1
種又は複数種のポリマーのすべてが、使用済みのポリマ
ーである場合、の如何なる場合にも適用される。
【0049】本発明の難燃性プラスチック材料は、1種
又は複数種のポリマー材料に、アイオノマー樹脂からな
る相溶化剤と難燃剤と、必要に応じて無機フィラーとを
配合することにより得られる。1種又は複数種のポリマ
ーのうちの少なくとも1種が、使用済みのポリマーであ
る場合には、本発明の難燃性再生プラスチック材料が得
られる。使用済みのポリマーと未使用のポリマーの割合
は任意である。
【0050】本発明の(難燃性付与が意図されていな
い)プラスチック材料、1種又は複数種のポリマー材料
に、アイオノマー樹脂からなる相溶化剤と、無機フィラ
ーとを配合することにより得られる。1種又は複数種の
ポリマーのうちの少なくとも1種が、使用済みのポリマ
ーである場合には、本発明の再生プラスチック材料が得
られる。使用済みのポリマーと未使用のポリマーの割合
は任意である。
【0051】本発明において、ポリマー材料に対する難
燃剤の添加量は、目的とする難燃性により異なるため特
に限定されることはないが、通常、ポリマー材料100
重量部に対して、難燃剤0. 1〜200重量部、好まし
くは1〜100重量部を配合することにより、良好な難
燃性が得られる場合が多い。
【0052】本発明において、ポリマー材料に対する無
機フィラーの添加量は、目的とする物性、性能、機能
や、無機フィラーの種類により異なるため特に限定され
ることはないが、通常、ポリマー材料100重量部に対
して、無機フィラー0. 1〜200重量部、好ましくは
1〜100重量部を配合することにより、良好な物性、
性能、機能が得られる場合が多い。
【0053】本発明において、難燃剤と無機フィラーの
両者を添加する場合、ポリマー材料中への分散性の観点
から、ポリマー材料に対する難燃剤と無機フィラーの合
計添加量が、ポリマー材料100重量部に対して、前記
合計添加量200重量部までとすることが好ましく、1
00重量部までとすることがより好ましい。
【0054】本発明において、相溶化剤としてのアイオ
ノマー樹脂の配合量は、特に限定されることなく、ポリ
マー材料100重量部に対して、アイオノマー樹脂0.
1〜100重量部とするとよい。このような量のアイオ
ノマー樹脂を配合することにより、異種ポリマー同士の
良好な相溶性が得られ、且つポリマー材料と難燃剤や無
機フィラーとの界面親和性が向上し、良好な難燃性や物
性、性能、機能を得られる場合が得られる場合が多い。
ポリマー材料100重量部に対して、アイオノマー樹脂
0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部、より
好ましくは1〜5重量部を配合することにより良好な相
溶性、難燃性や物性、性能、機能が得られる場合も多
い。アイオノマー樹脂が0.1重量部未満では、相溶化
効果が得られにくい。一方、アイオノマー樹脂を100
重量部も用いれば、通常は十分な相溶化効果が得られ、
これより多い量を用いることはコストアップにつなが
る。
【0055】アイオノマー樹脂の配合量は、リサイクル
すべきポリマー材料の種類や、それに混入している他種
ポリマーの種類や量、又は配合したい他種ポリマーの種
類や量によって、適宜決定するとよい。他種ポリマー
が、リサイクルすべき主たるプラスチックと同系統のポ
リマー(すなわち、比較的相溶性のあるポリマー)であ
れば、アイオノマー樹脂の配合量は比較的少なくてもよ
いであろう。一方、他種ポリマーが、リサイクルすべき
主たるプラスチックと非相溶のポリマーであれば、同系
統のポリマーの場合に比べると、アイオノマー樹脂の配
合量は多くなるであろう。また、主たるプラスチックへ
の他種ポリマーの混入量が多くなると、一般的にアイオ
ノマー樹脂の配合量も多くする必要がある。
【0056】また、アイオノマー樹脂の配合量によっ
て、ポリマーアロイのモルフォロジーの制御も可能であ
る。モルフォロジーの制御によって、ポリマー材料とし
ての応用範囲も広くなる。
【0057】本発明において、難燃剤や無機フィラーの
他に、さらに例えば、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン
劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘着付与剤、可
塑剤、軟化剤、安定剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、変
性剤、着色剤、カップリング剤、防腐剤、防カビ剤等の
添加剤を適宜配合してもよい。
【0058】配合方法は、特に限定されることなく、通
常の溶融混練方法により行うことができる。例えば、ロ
ールニーダー、バンバリーミキサー、インターミック
ス、1軸押出機、2軸押出機などの混練機で混練すると
良い。混練は、前記混練機のうちから選ばれる1種の混
練機を用いて行ってもよく、又は2種以上の混練機を用
いて行ってもよい。そして、慣用の成形法、例えば、射
出成形法、押し出し成形法等により、難燃性及び/又は
その他の性能・機能が付与されたプラスチック材料又は
再生プラスチック材料が得られる。所定の形状に成形す
ることによって、各種プラスチック成形体が得られる。
【0059】また、本発明で用いる相溶化剤は、金属、
ガラス、セラミックス、炭素材料等の無機材料と樹脂の
接合、異種樹脂同士の接合における接合強度向上のため
の接合部への塗布剤や、樹脂への配合剤としても使用で
きる。また、無機フィラーを樹脂中に高分散させるため
の分散剤としても使用できる。
【0060】得られたプラスチック材料又は再生プラス
チック材料は、アイオノマー樹脂の配合により、異種ポ
リマーが良好に相溶化され、難燃剤及び/又は無機フィ
ラーが良好に分散されている。その結果、ポリマー物性
が非常に優れており、難燃性及び/又はその他の性能・
機能を必要とする種々の用途に、プラスチック材料又は
再生プラスチック材料を利用することができる。ポリマ
ー物性を低下させず、難燃性及び/又はその他の性能・
機能が付与される点に、本発明の大きな利点がある。ポ
リマー物性が非常に優れており、アロイ化前のそれぞれ
のポリマー物性を上回ることもある。また、リサイクル
すべき廃棄品か新品かを問わず、種々のポリマー材料へ
の難燃性及び/又はその他の性能・機能付与に適用され
る点にも、本発明の大きな利点がある。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0062】[実施例1〜2、比較例1〜4]ここで
は、使用済みPETと使用済みPEおよび難燃剤を用い
て難燃化再生プラスチック材料を作成した。 (1)使用済みPETフレークの調製 回収されたPETボトルを水で洗浄して、粉砕機により
フレーク状に粉砕した。これを水で洗浄して、乾燥し、
使用済みPETフレークを得た。 (2)使用済みPEフレークの調製 回収されたPE容器を水で洗浄して、粉砕機によりフレ
ーク状に粉砕した。これを水で洗浄して、乾燥し、使用
済みPEフレークを得た。
【0063】実施例1では、上記使用済みPETフレー
ク80重量部、使用済みPEフレーク20重量部、相溶
化剤としてハイミラン1706 2重量部及び難燃剤として
赤燐(日本化学工業製、ヒシガードTP10)10重量
部を、2軸押出機(株式会社プラスチック工学研究所
製、BT−30−L、L/D=42)を用いて溶融混練
し、ストランド状に押出、チップを得た。 <押出条件> 設定温度:フィード 260℃、混練部 300℃、ヘ
ッド 260℃ 回転数:60rpm
【0064】得られたチップを射出成形(射出成形機:
日本製鋼所株式会社製、N100BII、L/D=22)
して、JIS K−7113に準拠した1号試験片
(A)と、JIS K−7110に準拠した幅1/4イ
ンチ×長さ2.5インチ×厚み1/2インチでタイプA
のノッチを有する試験片(B)、JIS K−7201
に準拠したI型試験片(C)および、UL耐炎性試験規
格 UL94Vに準拠した幅1/4インチ×長さ5イン
チ×厚み1/2インチの試験片(D)をそれぞれ作成し
た。 <射出成形条件> 温度設定:フィード 260℃、ノズル 280℃、金
型 60℃ 射出圧力:35〜40kg/cm2
【0065】実施例2では、赤燐の量を20重量部に変
化させた以外は、実施例1と同様にして、4種の試験片
をそれぞれ作成した。比較例1では、相溶化剤と赤燐を
用いなかった以外は、実施例1と同様にして、4種の試
験片をそれぞれ作成した。比較例2では、赤燐を用いな
かった以外は、実施例1と同様にして、4種の試験片を
それぞれ作成した。比較例3では、使用済みPEフレー
クのみを用いて実施例1と同様にして、4種の試験片を
それぞれ作成した。比較例4では、使用済みPETフレ
ークのみを用いて実施例1と同様にして、試験片をそれ
ぞれ作成した。
【0066】(プラスチック材料の評価) (1)機械的強度試験 ・引張特性の測定 得られた試験片(A)につき、JIS K−7113に
準じて引張強度(MPa)及び引張伸び率(%)を測定
した。チャック間距離:115mm、引張速度:50m
m/ 分、測定雰囲気:温度23℃、相対湿度50% ・アイゾット衝撃強度(ノッチ有り)の測定 得られた試験片(B)につき、JIS K−7110に
準じてアイゾット衝撃強度(J/m)を測定した。測定
雰囲気:温度23℃、相対湿度50%
【0067】(2)難燃性試験 ・酸素指数による燃焼性の測定方法 得られた試験片(C)につき、JIS K−7201に
準じて酸素指数(%(V/V))を測定した。 ・プラスチックの燃焼試験方法 得られた試験片(D)につき、UL耐炎性試験規格 U
L94Vに準じて燃焼性の判定を行った。
【0068】
【表1】
【0069】プラスチック材料の配合重量比及び評価結
果を表1に示す。表1より、実施例1、2の成形材料で
は、機械的強度試験において、良好な引張強度、引張伸
び率、アイゾット衝撃強度を示した。また、難燃性試験
において、著しく高い酸素指数を示し、UL94V試験
においても、実施例1ではV2、実施例2ではV1と良
好な難燃性を示した。すなわち、使用済みで且つ互いに
非相溶性の異種ポリマーを用いて再生した材料であるに
も係わらず、相溶化剤と難燃剤を併用することによっ
て、優れた機械的強度と難燃性を有するプラスチック材
料が得られた。
【0070】比較例1では、相溶化剤及び難燃剤を用い
ていないので、機械的強度に劣り、難燃性がなかった。
比較例2では、相溶化剤のみを添加したので、機械的強
度には優れたが、難燃性はなかった。
【0071】比較例3のPEフレーク単独の成型品は、
実施例1、2に比較して引張伸び率、アイゾット衝撃強
度は優れるものの、引張強度は低く、また難燃性は全く
得られなかった。比較例4のPETフレーク単独の成型
品は、実施例1、2に比較して引張強度は優れるもの
の、引張伸び率、アイゾット衝撃強度は低く、また難燃
性は全く得られなかった。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、高い物性を有するプラ
スチック材料、高い物性を有する再生プラスチック材
料、及び前記プラスチック材料から構成されたプラスチ
ック成形体が提供される。とりわけ、本発明によれば、
高い物性を有する難燃性プラスチック材料、高い物性を
有する難燃性の再生プラスチック材料、及び前記プラス
チック材料から構成された難燃性のプラスチック成形体
が提供される。
【0073】本発明は、互いに相溶性の異種ポリマーに
も適用できるが、とりわけ、互いに非相溶の異種ポリマ
ー(例えば、脂肪族ポリマーと芳香族ポリマー、極性ポ
リマーと非極性ポリマー)を相溶化させ、同時に難燃性
及び/又はその他の性能・機能を付与したい場合に特に
有効である。本発明のプラスチック材料又は再生プラス
チック材料の物性は良好であり、難燃性及び/又はその
他の性能・機能を必要とする広い用途に利用可能である
ので、本発明は、廃棄プラスチックの再生利用に大いに
貢献する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 隆文 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 西村 寛之 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 土肥 祥司 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 神原 肇 京都府京都市左京区北白川山ノ元町23−1 (72)発明者 大越 雅之 滋賀県大津市唐崎1−19−29 B−106 (72)発明者 柳瀬 広美 京都府京田辺市平田1−26 (72)発明者 佐藤 正洋 滋賀県滋賀郡志賀町高城368−7 Fターム(参考) 4J002 AC011 AC031 AC071 AC091 AE053 BA011 BB031 BB051 BB061 BB101 BB121 BB151 BB171 BB181 BB232 BB241 BB262 BC031 BC042 BC061 BC071 BC113 BC122 BD031 BD101 BD121 BE021 BE061 BF021 BG041 BG051 BG083 BG091 BJ002 BL011 BL012 BN101 BN151 BQ002 CB001 CC031 CC121 CC131 CC161 CC181 CD001 CE002 CF011 CF051 CF071 CF211 CG001 CH051 CH071 CH091 CK021 CK022 CL001 CM021 CM022 CN011 CN031 CP031 CP033 DA017 DA027 DA037 DE076 DE077 DE086 DE087 DE097 DE107 DE117 DE127 DE136 DE137 DE147 DE186 DE187 DE226 DE237 DE247 DE267 DE287 DF017 DG027 DG046 DG047 DG056 DG057 DH046 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 DJ057 DK006 DL007 EB096 EB136 EC036 EC046 EC056 ED026 ED076 EH046 EH136 EJ056 EL136 EN066 EP026 ER026 EU026 EU186 EU196 EW046 EW056 EW126 EW176 EZ006 FA017 FA047 FA087 FA107 FD017 FD133 FD136 FD202

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種又は複数種のポリマーと、アイオノ
    マー樹脂からなる相溶化剤と、難燃剤とを含む、難燃性
    プラスチック材料。
  2. 【請求項2】 難燃剤が、ホウ酸系難燃化合物、リン系
    難燃化合物、前記ホウ酸系難燃化合物及び前記リン系難
    燃化合物以外の無機系難燃化合物、チッソ系難燃化合
    物、ハロゲン系難燃化合物、有機系難燃化合物及びコロ
    イド難燃物質からなる群から選ばれる、請求項1に記載
    のプラスチック材料。
  3. 【請求項3】 さらに無機フィラーを含む、請求項1又
    は2に記載のプラスチック材料。
  4. 【請求項4】 1種又は複数種のポリマーと、アイオノ
    マー樹脂からなる相溶化剤と、無機フィラーとを含む、
    プラスチック材料。
  5. 【請求項5】 アイオノマー樹脂が、エチレン−メタク
    リル酸共重合体アイオノマー、エチレン−アクリル酸共
    重合体アイオノマー、プロピレン−メタクリル酸共重合
    体アイオノマー、プロピレン−アクリル酸共重合体アイ
    オノマー、ブチレン−アクリル酸共重合体アイオノマ
    ー、エチレン−ビニルスルホン酸共重合体アイオノマ
    ー、スチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、ス
    ルホン化ポリスチレンアイオノマー、フッ素系アイオノ
    マー、テレケリックポリブタジエンアクリル酸アイオノ
    マー、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエン共重合
    体アイオノマー、水素化ポリペンタマーアイオノマー、
    ポリペンタマーアイオノマー、ポリ(ビニルピリジウム
    塩)アイオノマー、ポリ(ビニルトリメチルアンモニウ
    ム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルベンジルホスホニウ
    ム塩)アイオノマー、スチレン−ブタジエンアクリル酸
    共重合体アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、ス
    ルホン化スチレン−2−アクリルアミド−2−メチルプ
    ロパンサルフェイトアイオノマー、酸−アミンアイオノ
    マー、脂肪族系アイオネン、芳香族系アイオネン及びこ
    れらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜4の
    うちのいずれか1項に記載のプラスチック材料。
  6. 【請求項6】 1種又は複数種のポリマーのすべてが、
    未使用のポリマーである、請求項1〜5のうちのいずれ
    か1項に記載のプラスチック材料。
  7. 【請求項7】 1種又は複数種のポリマーのうちの少な
    くとも1種は、使用済みのポリマーである、請求項1〜
    5のうちのいずれか1項に記載のプラスチック材料。
  8. 【請求項8】 1種又は複数種のポリマーのすべてが、
    使用済みのポリマーである、請求項7に記載のプラスチ
    ック材料。
  9. 【請求項9】 プラスチック材料が複数種のポリマーを
    含み、複数種のポリマーには互いに非相溶の異種ポリマ
    ーが含まれる、請求項1〜8のうちのいずれか1項に記
    載のプラスチック材料。
  10. 【請求項10】 プラスチック材料が複数種のポリマー
    を含み、複数種のポリマーには互いに相溶する異種ポリ
    マーが含まれる、請求項1〜9のうちのいずれか1項に
    記載のプラスチック材料。
  11. 【請求項11】 1種又は複数種のポリマーが、熱可塑
    性ポリマー及び/又は熱硬化性ポリマーから選ばれる、
    請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のプラスチ
    ック材料。
  12. 【請求項12】 1種又は複数種のポリマー材料に、ア
    イオノマー樹脂からなる相溶化剤と難燃剤と、必要に応
    じて無機フィラーとを配合することにより得られた、難
    燃性プラスチック材料。
  13. 【請求項13】 少なくとも1種は使用済みのものであ
    る1種又は複数種のポリマー材料に、アイオノマー樹脂
    からなる相溶化剤と、難燃剤と、必要に応じて無機フィ
    ラーとを配合することにより得られた、難燃性の再生プ
    ラスチック材料。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のうちのいずれか1項
    に記載のプラスチック材料から構成された、プラスチッ
    ク成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006077144A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Gifu Prefecture Kenkyu Kaihatsu Zaidan 廃棄プラスチックを利用した射出成形用材料、その製造方法、及びこの射出成形用材料を利用した成形品の製造方法
JP2006219631A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物およびそれからなるタイヤ

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