JP2003096220A - フッ素ゴム成形体及びその製造方法 - Google Patents

フッ素ゴム成形体及びその製造方法

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JP2003096220A
JP2003096220A JP2001293888A JP2001293888A JP2003096220A JP 2003096220 A JP2003096220 A JP 2003096220A JP 2001293888 A JP2001293888 A JP 2001293888A JP 2001293888 A JP2001293888 A JP 2001293888A JP 2003096220 A JP2003096220 A JP 2003096220A
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tetrafluoroethylene
propylene
copolymer
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vinylidene fluoride
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Kazuki Morimoto
和樹 森本
Naoya Kusawa
直也 九澤
Hitoshi Ogura
仁志 小倉
Takumi Arisawa
卓己 有澤
Masayuki Saito
正幸 斉藤
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Nichias Corp
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Nichias Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 純粋性とともに、優れた耐熱性及び機械的特
性を兼ね備え、かつ、プラズマ状況下で質量減少が少な
く、パーティクルやクラックが発生し難いフッ素ゴム成
形体並びにゴム材料を、製造ロット毎に品質のバラツキ
を発生することなく製造する。 【解決手段】 テトラフロロエチレン/プロピレン共重
合体またはテトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化
ビニリデン共重合体の予備成形体に電離性放射線を照射
して得られ、かつ金属元素含有量が1.5質量%以下で
あることを特徴とするフッ素ゴム成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素ゴムを含有
する成形体に関し、特に、純粋性等が要求される食品製
造装置用ゴム成形体及び医療部品用ゴム成形体、並びに
純粋性に加えて低溶出金属、低放出ガス、耐プラズマ
性、耐オゾン性、耐薬品性、耐熱性等が要求される半導
体搬送装置や半導体製造装置に使用されるゴム成形体に
関する。また、本発明はこれらゴム成形体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】食品製造装置や医療部品用に使用される
ゴム材料は、ゴム材料から構成成分が溶出しない等、純
粋性が要求されている。また、半導体製造装置や半導体
搬送装置に使用されるゴム材料では、種々の処理が施さ
れることから、純粋性に加えて、耐熱性、耐薬品性、耐
オゾン性、耐プラズマ性、パーティクルが発生しないこ
と、クラックが入らないこと等が要求される。
【0003】上記用途に使用されるゴム材料としては、
架橋剤、充填剤、添加剤等を含有しないものが望まし
い。架橋剤を用いずにゴムを架橋させる方法として、電
離性放射線照射による架橋方法が一般的に知られてい
る。その一例としては、フッ素系熱可塑性エラストマー
に電離性放射線を照射して架橋して得られるフッ素ゴム
成形体が挙げられる。しかし、得られるフッ素ゴム成形
体は耐熱性が低いため、150℃以上の温度雰囲気下で
はゴム弾性が低下し、引張り強さや圧縮永久歪等の機械
的特性が十分でなくなる。そのため、現実的には100
℃以下の比較的低温域での使用に制限されており、高温
に曝されることが多い半導体製造装置に使用することは
できない。
【0004】また、フッ素系熱可塑性エラストマーより
も高い耐熱性を有することから、フッ素ゴムも使用され
る。半導体製造装置用ゴム材料として、特開2000-11946
8に示されるようなフッ素ゴムが使用されるが、ゴム材
料の機械的強度を確保するために架橋剤の使用が必須
で、未反応の架橋剤、架橋剤分解物等が溶出する可能性
がある。また、ヘキサフロロプロピレン/フッ化ビニリ
デン系共重合体やヘキサフロロプロピレン/フッ化ビニ
リデン/テトラフロロエチレン系共重合体等のフッ素ゴ
ムを前記フッ素系熱可塑性エラストマーと同様に架橋剤
を用いずに電離性放射線照射した場合には、架橋よりも
分子切断効果が強く発現するため、成形の際に収縮が生
じる等成形性に難があったり、機械的強度が不十分であ
ったり、表面が粘着するといった問題があった。
【0005】一方、フッ素ゴムの中でもテトラフロロエ
チレン/プロピレン系共重合体は電離性放射線による架
橋効率が良好であり、機械的強度も十分な架橋ゴムが得
られることが知られており、表面が粘着するような問題
もない。しかし、テトラフロロエチレン/プロピレン系
共重合体に限らず、一般に固形ゴムには、重合触媒、乳
化剤及び原料ラテックスを凝固させる際に使用する金属
塩等に由来する金属元素を含有する。そのため、プラズ
マガスを利用する半導体製造装置において、このような
ゴム材料をシール材として使用した場合、プラズマによ
ってゴム材料が分解、揮発し、含有される金属元素がパ
ーティクルとなって半導体を汚染するという問題が発生
する。
【0006】また、上記の様なゴム材料のシール材は、
通常、引張応力及び圧縮応力がかかった状況下で用いら
れる。例えば半導体製造装置において、プラズマエッチ
ング装置やプラズマCVD装置等のチャンバー用シール
材にゴム材料が用いられており、引張応力、圧縮応力が
かかった状況下でプラズマガスに曝されると、短時間で
ゴムにクラックが入り、リークが発生して装置の稼働率
を低下させるという問題が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に鑑みてなされたものであり、純粋性とともに、優
れた耐熱性及び機械的特性を兼ね備え、かつ、プラズマ
雰囲気下で質量減少量が少なく、パーティクルやクラッ
クが発生し難いフッ素ゴム成形体並びにゴム材料を提供
することを目的とする。また、製造ロット毎に品質のバ
ラツキを発生することなく前記フッ素ゴム成形体やゴム
材料を製造し得る方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決すべく検討を重ねたところ、金属元素含
有量が1.5質量%以下であるテトラフロロエチレン/
プロピレン共重合体またはテトラフロロエチレン/プロ
ピレン/フッ化ビニリデン共重合体を含有する成形原料
を用い、その予備成形体に電離性放射線を照射して得ら
れるフッ素ゴム成形体が、耐熱性や機械的特性に優れ、
かつ引張応力及び圧縮応力がかかった状況下でプラズマ
ガスに曝されても質量減少量が少なく、パーティクルや
クラックが発生し難いことを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0009】即ち、上記目的を達成するために、本発明
は、テトラフロロエチレン/プロピレン共重合体または
テトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン
共重合体の予備成形体に電離性放射線を照射して得ら
れ、かつ金属元素含有量が1.5質量%以下であること
を特徴とするフッ素ゴム成形体、並びに主成分がテトラ
フロロエチレン/プロピレン共重合体またはテトラフロ
ロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重合体で
ある予備成形体に電離性放射線を照射して得られ、かつ
金属元素含有量が1.5質量%以下であることを特徴と
するフッ素ゴム成形体を提供する。
【0010】特に、上記各フッ素ゴム成形体において、
テトラフロロエチレン/プロピレン共重合体またはテト
ラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重
合体が、加熱による架橋サイトの導入を経ていないこと
が好ましい。
【0011】また、本発明は、上記各フッ素ゴム成形体
からなる、半導体製造装置用または半導体搬送装置用ゴ
ム材料、食品製造装置用または食品搬送部材用ゴム材
料、医療用ゴム材料を提供する。
【0012】また、本発明は、金属元素含有量が1.5
質量%以下であるテトラフロロエチレン/プロピレン共
重合体またはテトラフロロエチレン/プロピレン/フッ
化ビニリデン共重合体を、所定の形状に予備成形した
後、得られた予備成形体を電離性放射線照射により架橋
させることを特徴とするフッ素ゴム成形体の製造方法、
並びに主成分が、金属元素含有量が1.5質量%以下で
あるテトラフロロエチレン/プロピレン共重合体または
テトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン
共重合体である原料を、所定の形状に予備成形した後、
得られた予備成形体を電離性放射線照射により架橋させ
ることを特徴とするフッ素ゴム成形体の製造方法を提供
する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。
【0014】本発明における成形原料は、テトラフロロ
エチレン/プロピレン共重合体またはテトラフロロエチ
レン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重合体単体、ま
たはこの共重合体を主成分とする。テトラフロロエチレ
ン/プロピレン共重合体の組成は制限されるものではな
いが、(テトラフロロエチレンに基づく重合単位/プロ
ピレンに基づく重合単位)の割合は、モル比で(40/
60)〜(60/40)が好ましい。より好ましくは
(50/50)〜(60/40)である。テトラフロロ
エチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重合体の組
成は制限されるものではないが、(テトラフロロエチレ
ンに基づく重合単位/プロピレンに基づく重合単位/フ
ッ化ビニリデンに基づく重合単位)の割合は、モル比で
(50/49/1)〜(20/20/60)が好まし
い。より好ましくは(50/48/2)〜(25/20
/55)である。また、このようなテトラフロロエチレ
ン/プロピレン共重合体またはテトラフロロエチレン/
プロピレン/フッ化ビニリデン共重合体は市場からも入
手でき、例えば旭硝子(株)より「アフラス」の商品名で
市販されているフッ素ゴムを挙げることができる。
【0015】テトラフロロエチレン/プロピレン共重合
体またはテトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビ
ニリデン共重合体に限らず、一般に固形ゴムには、重合
から精製までの各工程で使用する材料に含まれる金属塩
等に由来する金属元素が含有される。その含有量は、通
常、1質量%〜数質量%程度であるが、本発明が目的と
する半導体装置等の純粋性が要求される用途では、これ
らの金属元素がパーティクルとなって純粋性を大きく損
ねる。
【0016】また、発明者らは、フッ素ゴムがテトラフ
ロロエチレン/プロピレン共重合体またはテトラフロロ
エチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重合体であ
り、かつフッ素ゴム成形体中の金属元素含有量が少ない
ものほど、引張応力及び圧縮応力がかかった状況下でプ
ラズマガスに曝された時にクラックが発生し難いことを
見いだした。即ち、ゴム中に金属酸化物や金属塩等の粒
子が分散した状態で引張応力や圧縮応力がかかった場
合、ゴムと粒子の界面に応力が集中し、該界面がプラズ
マガスに曝されると、応力集中した部分のゴム分子が優
先的に分解されて、クラックが発生し易くなると考えら
れる。そこで、本発明においては、共重合体の製造工程
でこれらの残留金属元素を除去し、金属元素の含有量は
1.5質量%以下である。より好ましくは1質量%以下
である。
【0017】テトラフロロエチレン/プロピレン共重合
体又はテトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニ
リデン共重合体の製造方法は、乳化重合、懸濁重合、溶
液重合等の従来公知の製造方法が採用できる。例えば、
乳化重合で得られた重合体の金属含有量を1.5質量%
以下にするには、テトラフロロエチレン/プロピレン共
重合体またはテトラフロロエチレン/プロピレン/フッ
化ビニリデン共重合体のラテックスを金属塩以外の凝固
剤を用いて凝固することが好ましい。凝固剤としては、
有機溶剤、不飽和カルボン酸、無機酸、アンモニウム
塩、ノニオン系界面活性剤、アルコール、高分子凝集剤
等が挙げられる。また、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニ
ウム等の金属塩を用いた場合でも、十分に水洗すること
によって金属元素含有量を低減させることが出来る。ま
た、固形ゴムを良溶媒で溶解させた溶液を、多量の貧溶
媒中に滴下して析出、沈殿させることによっても金属元
素含有量を低減させることが出来る。
【0018】また、市販のテトラフロロエチレン/プロ
ピレン共重合体は、架橋剤による架橋を行うことを前提
にして、ゴム分子中に架橋サイトを導入するために熱処
理により二重結合を生成させている。この熱処理によっ
てゴムは褐色を呈するが、本発明が目的とする利用分野
では外観も商品価値の一つであり、成形体を透明、好ま
しくは無色透明にすることが望ましい。そこで、本発明
においては、熱処理による架橋サイトの導入を経ないテ
トラフロロエチレン/プロピレン共重合体を使用するこ
とが好ましい。
【0019】本発明のフッ素ゴム成形体は、上記したテ
トラフロロエチレン/プロピレン共重合体またはテトラ
フロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重合
体を、架橋剤並びに他の配合材(架橋助剤や充填材等)
を何ら含有することなく、所定形状に成形して予備成形
体とし、この予備成形体に電離性放射線を照射して架橋
させることにより得られる。
【0020】あるいは、金属元素含有量が1.5質量%
を超えない範囲で、架橋剤や他の配合物を含有する上記
したテトラフロロエチレン/プロピレン共重合体または
テトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン
共重合体を、所定形状に成形して予備成形体とし、この
予備成形体に電離性放射線を照射して架橋させることに
より得られる。このように、架橋剤や他の配合材を含有
することは、純粋性よりも機械的特性等が重視される場
合に適する。
【0021】何れの場合も、得られるフッ素ゴム成形体
は、金属元素の含有量が1.5質量%以下であり、構成
成分の溶出やパーティクルの発生が無く、即ち純粋性を
有し、かつ架橋フッ素ゴムに共通の優れた耐熱性及び機
械的特性を併せ持つ。また、架橋剤を含有しない場合に
は、製造に際して、架橋剤の添加量の変動に起因する製
造毎の品質のバラツキも発生しない。
【0022】本発明において、予備成形体は、例えば、
テトラフロロエチレン/プロピレン共重合体またはテト
ラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重
合体またはこれらを主成分として含む原料を、好ましく
は100℃〜200℃、より好ましくは140℃〜180℃に加熱し
た金型でプレス成形し、次に金型を80℃以下に冷却した
後に脱型することにより得られる。また、押出成形、射
出成形、ブロー成形、トランスファー成形等の慣用の方
法でも成形することが出来る。
【0023】また、電離性放射線としては、γ線、電子
線、X線、陽子線、重陽子線、α線、β線等を単独また
は組み合わせて用いることができる。特に、使用のしや
すさから、γ線及び電子線が好ましい。また、γ線を使
用することにより、架橋と同時に滅菌処理も行うことが
でき、特に食品分野での利用に好適である。
【0024】電離性放射線の照射量は、予備成形体の厚
さ方向全体にわたり浸透するのに充分なエネルギー量が
必要である。照射線量が不足すると、架橋不足となり、
成形体に充分な機械的強度、圧縮永久歪み等の物性を付
与できない。一方、照射線量が過大になると、フッ素ゴ
ム分子の崩壊反応が進行し、低分子化して機械的強度等
の物性が低下する。本発明においては、照射線量は総量
で10〜500kGyが好ましい。この照射線量の範囲
にあると、ほぼ十分な架橋を施すことが出来る。
【0025】電離性放射線の照射雰囲気は、真空中、大
気中、不活性ガス雰囲気中等の雰囲気中が好ましい。γ
線照射の場合、特に好ましくは、真空中、不活性ガス中
等の酸素を極力排除した雰囲気である。照射雰囲気に酸
素が存在すると架橋反応を阻害し、成形体の機械的強度
が不十分となったり、成形体表面がベタベタするといっ
た問題が発生するおそれがある。電子線照射の場合は、
空気中でも問題はない。
【0026】本発明のフッ素ゴム成形体は、パーティク
ルの発生源となる架橋剤、架橋助剤等の架橋系薬品、並
びに他の配合材を含有せず、もしくは含有しても極く微
量であり、また耐熱性、機械的強度、圧縮永久歪等の機
械的特性も良好であることから、半導体製造分野、医療
分野、食品分野等の純粋性が要求される分野で使用され
るゴム材料に好適に使用できる。例えば半導体製造分野
では、ウェット洗浄装置、プラズマエッチング装置、プ
ラズマアッシング装置、プラズマCVD装置、イオン注
入装置、スパッタリング装置等の半導体製造装置、及び
これら装置の付属機器であるウェハ搬送機器等に使用で
きる。医療分野ではチューブやゴム栓、食品分野では熱
交換器用ガスケット等に使用できる。
【0027】尚、上述の如く、本発明のフッ素ゴム成形
体は、原料ゴムがテトラフロロエチレン/プロピレン共
重合体またはテトラフロロエチレン/プロピレン/フッ
化ビニリデン共重合体の単体でもよく、それらの混合物
であってもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲
で他のフッ素系ゴムを含有してもよい。例えば、フッ化
ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン共重合体、フッ化
ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン/テトラフロロエ
チレン共重合体、フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロ
ピレン/パーフロロメチルビニルエーテル共重合体、エ
チレン/テトラフロロエチレン/パーフロロメチルビニ
ルエーテル共重合体等が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】(実施例1〜3、比較例1〜6)実施例及
び比較例の試験片成形方法、評価方法は以下の通りであ
る。
【0030】<成形方法>表1に示す配合の原料ゴムを
金型にセットし、熱プレスを用いて金型温度が170℃と
なるまで予熱した後、加圧し10分間程度保持する。次に
熱プレスより金型を取り出し、金型温度60℃以下となる
まで冷却した後脱型して予備成形体を得た。そして、実
施例1、実施例3及び比較例3〜6については、窒素雰
囲気中で予備成形体に線量80kGyのγ線を照射してフッ
素ゴム成形体を得た。実施例2については、窒素雰囲気
中で線量120kGyのγ線を照射してフッ素ゴム成形体を得
た。また、比較例2については、架橋剤を用いて架橋し
た。
【0031】また、実施例及び比較例で用いたフッ素ゴ
ム、並びに架橋剤、充填材の詳細は以下の通りである。 フッ素ゴム:テトラフロロエチレン/プロピレン共重
合体(旭硝子(株)製アフラス150C)を精製して含
有金属量を1質量%以下(0.6質量%)に低減させた
フッ素ゴム。 フッ素ゴム:フッ素ゴムを250℃×24時間熱処
理したもの。 フッ素ゴム:旭硝子(株)製アフラス100H(市販
品)テトラフロロエチレン/プロピレン共重合体 フッ素ゴム:ダイキン工業(株)製ダイエルG912(市
販品)フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン/テ
トラフロロエチレン共重合体 フッ素ゴム:ダイキン工業(株)製ダイエルG801(市
販品)フッ化ビニリデン/ヘキサフロロプロピレン共重
合体 架橋剤:日本油脂(株)製パーヘキサ25B 共架橋剤:日本化成(株)製TAIC 充填剤(酸化チタン):チタン工業(株)製ST−49
5M
【0032】<評価方法> ・成形性:成形体の外観を目視で評価し、パーティング
ラインの陥没等が見らるる場合を「×」とし、それらが
見られない場合を「○」とした。 ・金属元素含有量:熱質量分析の減量率から評価した。
但し、測定条件は、空気中、室温〜600℃、昇温速度10
℃/minである。 ・引張強さ:JIS K 6251に準じた。但し、試験片にP2
6Oリングを用いた。 ・圧縮永久歪み:JIS K 6262に準じた。但し、条件は20
0℃×22時間である。 ・耐プラズマ性:P260リングに対しプラズマ照射実
験を行った。照射条件は以下の通りである。 プラズマガス種:酸素 ガス流量:20SCCM 高周波周波数:13.56MHz 高周波出力:150W 照射時間:2時間 評価方法:単位面積当たりの質量減少量を測定した。パ
ーティクルの発生が、殆どないものを「○」、多少ある
ものを「△」、多いものを「×」、とした。 ・耐クラック性:P26Oリングを28%伸張させた状
態で上記と同様にプラズマ照射を行い、表面のクラック
発生状態を目視により評価した。クラックの発生は、ク
ラックの無いものを「○」、微小クラックが発生したも
のを「△」、破断したものを「×」、とした。
【0033】結果を表1に併記する。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1〜3に示した本発明にかかるフッ
素ゴム成形体は、γ線照射を施さない比較例1に比べて
引張強さ、圧縮永久歪が格段に向上した。また、架橋剤
を用いた比較例2の機械的特性と比較しても遜色なく、
シール材等のゴム材料として使用できる。耐プラズマ性
に関しても、実施例のフッ素ゴム成形体の場合は、何れ
も質量減少量が少なく、パーティクルの発生がほとんど
なく、かつ伸張状態でプラズマ照射を施してもクラック
の発生がない等非常に耐プラズマ性に優れている。一
方、比較例3及び比較例4では、金属元素含有量が1.
5質量%以上であり、パーティクル発生量が増加し、伸
張状態でプラズマ照射を行うと、微小なクラックが無数
に入るといった問題が発生した。
【0036】また、比較例5および比較例6に示した、
テトラフロロエチレン/プロピレン共重合体以外のフッ
素ゴムを用いた場合では、成形の際にゴム材料の収縮が
生じて成形体表面が凹むという問題が発生して成形性が
悪いが、実施例ではそのような問題はみられない。ま
た、予備成形体にγ線照射を施しても、実施例ほどの機
械的特性の向上がみられず、耐プラズマ性に関しても、
質量減少量が多く、伸張状態でプラズマ照射を行うと破
断するなど、本発明が目的とする用途のゴム材料として
用いるには不十分である。
【0037】
【発明の効果】本発明のフッ素ゴム成形体は、架橋剤、
架橋助剤等の架橋系薬剤を使用していない、もしくは使
用しても極く微量であるにもかかわらずゴム材料として
使用するのに十分な機械的特性を備えており、プラズマ
照射下における使用においても質量減少が少なく、パー
ティクルやクラックの発生も無いことから半導体製造装
置用ゴム材料として好適に使用できる。また、電離性放
射線による滅菌処理が同時に行われることから、医療部
品用ゴム材料及び食品製造装置用ゴム材料としても好適
に使用することができる。
【0038】更に、成形原料に架橋剤を含有しない場合
には、架橋剤の添加量の変動による製造ロット毎の製品
のバラツキも無く、品質管理も良好となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27:18 C08L 27:18 (72)発明者 小倉 仁志 静岡県浜松市上島5−5−7 (72)発明者 有澤 卓己 静岡県浜松市上島5−5−7 (72)発明者 斉藤 正幸 千葉県市原市五井海岸10 Fターム(参考) 4F073 AA05 AA12 BA08 BA15 BA16 CA41 CA42 HA11 4F203 AA45 AH63 DA12 DB01 DC07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフロロエチレン/プロピレン共重
    合体またはテトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化
    ビニリデン共重合体の予備成形体に電離性放射線を照射
    して得られ、かつ金属元素含有量が1.5質量%以下で
    あることを特徴とするフッ素ゴム成形体。
  2. 【請求項2】 主成分がテトラフロロエチレン/プロピ
    レン共重合体またはテトラフロロエチレン/プロピレン
    /フッ化ビニリデン共重合体である予備成形体に電離性
    放射線を照射して得られ、かつ金属元素含有量が1.5
    質量%以下であることを特徴とするフッ素ゴム成形体。
  3. 【請求項3】 前記テトラフロロエチレン/プロピレン
    共重合体またはテトラフロロエチレン/プロピレン/フ
    ッ化ビニリデン共重合体が、加熱による架橋サイトの導
    入を経ていないことを特徴とする請求項1または2に記
    載のフッ素ゴム成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のフッ素ゴ
    ム成形体からなることを特徴する半導体製造装置用また
    は半導体搬送装置用ゴム材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れかに記載のフッ素ゴ
    ム成形体からなることを特徴とする食品製造装置用ゴム
    材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3の何れかに記載のフッ素ゴ
    ム成形体からなることを特徴とする医療部品用ゴム材
    料。
  7. 【請求項7】 金属元素含有量が1.5質量%以下であ
    るテトラフロロエチレン/プロピレン共重合体またはテ
    トラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン共
    重合体を、所定の形状に予備成形した後、得られた予備
    成形体を電離性放射線照射により架橋させることを特徴
    とするフッ素ゴム成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】 主成分が、金属元素含有量が1.5質量
    %以下であるテトラフロロエチレン/プロピレン共重合
    体またはテトラフロロエチレン/プロピレン/フッ化ビ
    ニリデン共重合体である原料を、所定形状に予備成形し
    た後、得られた予備成形体を電離性放射線照射により架
    橋させることを特徴とするフッ素ゴム成形体の製造方
    法。
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