JP3979926B2 - フッ素ゴムチューブの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性、耐薬品性などに優れた特殊ゴムチューブに関する。具体的にはフッ素ゴムチューブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年フッ素ゴムは、優れた耐熱性、耐薬品性を有する弾性体として市販され、その加工品が種々の分野に種々の形状で利用されている。利用される分野の例としては、半導体工業分野、化学工業分野、医療・医薬分野などであり、形状としては、各種のO−リングに代表されるシール材形状、チューブ形状、断面が異形の長尺形状品、柔軟なシート状などがある。
【0003】
[フッ素ゴムの定義]
本発明で用いる用語「フッ素ゴム」とは、炭素原子が共有結合により鎖状に連なった高分子で、分子中にフッ素を結合状態で含む、常温で弾性を示すゴム材料を指すものとする。
而して、すでに種々のフッ素ゴムが開発されあらゆる産業分野に利用されている。フッ素ゴムは一般的に他の合成ゴムと比較して、耐薬品性、耐熱性に優れているが、子細に見ると分子構造の違いによってその性質に違いがある。例えば、強酸に対しては強い耐性を示すが、強アルカリに対しては耐性を示さない種類のフッ素ゴムもあるが、強アルカリ、強酸両者に強い耐性を示すフッ素ゴムもある。第1表に現在市販されている、代表的なフッ素ゴムの分子構造と大まかな性質を示す。
【0004】
【表1】
Figure 0003979926
【0005】
注)
VF2:ビニリデンフルオライド CF2=CF2
HFP:ヘキサフルオロプロピレン CF2=CFCF3
TFE:テトラフルオロエチレン CF2=CF2
PMVE:パーフルオロメチルビニルエーテル CF2=CFO(CF3)
Pr:プロピレン CH2=CHCH3
E:エチレン CH2=CH2
*:タイプIのゴムを1としたときの相対値
**:「-」は共重合を表す。例えば、VF2-HFPはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレン共重合体の意味である。
【0006】
タイプIのフッ素ゴムは、ダイキン工業(株)よりダイエル700番系(シリーズ)として、デュポン(株)からは、バイトンAタイプとして市販されている。タイIIのフッ素ゴムは、ダイキン工業(株)から、ダイエル900番系(シリーズ)として、デュポン(株)からはバイトンBタイプとして市販されている。タイプIIIのフッ素ゴムは、旭硝子(株)からKFポリマーなる商品名で市販されている。タイプIVのフッ素ゴムは、デュポン(株)よりバイトンGLTなる商品名で市販されている。タイプVのフッ素ゴムは、デュポン(株)よりバイトンETPなる商品名で市販されている。タイプVIのフッ素ゴムは、ダイキン工業(株)よりダイエルパーフルオロなる商品名で、デュポン(株)からは、カルレッツなる商品名で市販されている。
表1で示されるタイプI、II、IVのフッ素ゴムは、ビニリデンフルオライドを主成分とするビニリデン系フッ素ゴムであり、タイプIV、V、VIのフッ素ゴムはパ−フルオロビニルエーテル(PMVE)が共重合されてなるフッ素ゴムである。
この表1から分かる通り、タイプVIのフッ素ゴムの性能が最も良好であるがコストが極めて高い。次いで、タイプIV、タイプVの性能がよいがコストはタイプIに比べて10倍程度である。これらに共通していることは、いずれも分子中にPMVEを含むことであり、このモノマーを共重合したフッ素ゴムは、一般に耐アルカリ性、耐酸性、耐油性、耐薬品性、耐熱性などの諸性質が優れている。しかしながら、PMVEは現在の技術では安価に製造することが出来ず、必然的にPMVEを含むフッ素ゴムはコストが高くなる。
【0007】
[使用するゴム材料の配合]
本発明で使用するフッ素ゴムは、単独で使用してもよいが、通常は加硫剤のほかに補強剤、必要に応じて加工助剤、可塑剤、着色剤などを充填剤として添加する。
フッ素ゴムの加硫には、アミン系加硫剤、ポリオール系加硫剤及びパーオキサイド系加硫剤が使用されるが、本発明においてはいずれの加硫剤も使用できる。パーオキサイド系加硫剤としては、一般にジクミールパーオキサイドなどの有機過酸化物とトリアリルイソシアヌレート(TAIC)の組み合わせが使用される。ポリオール系加硫剤としては、アンモニュウム塩やホスホニュウム塩とビスフェノールAやビスフェノールAFの組み合わせで用いられる。アミン系加硫剤としては、ヘキサメチレンジアミンカーバメートなどが使用できる。
これらの加硫剤、加硫助剤、補強剤などの添加剤は、分子構造の違うフッ素ゴムでも、ほぼ共通して使用できる特徴がある。
【0008】
加硫剤以外の添加剤、例えば、加硫反応時に発生するフッ酸を中和する受酸剤として金属酸化物を配合することが出来る。また、成型品の補強を目的として、カーボンブラック、シリカ、クレー、珪藻土など無機粉末が一般的に使用されるが、これらの補強剤を添加することもできる。これらの各種添加剤が混練されていても本発明を阻害するものではない。
【0009】
[加硫工程]
フッ素ゴムの加硫は、通常2段階で行われる。すなわち、生ゴムに所定量の充填剤、加硫剤などを均一に混合したコンパウンドを所定形状の金型中にて圧力1〜10メガパスカル加えた状態で、温度150℃ないし190℃に0.1〜1時間保つ。このような加圧と加熱の同時操作は、通常熱プレス装置により行うのが一般的であるが、高圧釜の中に未加硫の成型品を入れて高圧蒸気を吹き込んで加硫する方法もある。この高圧下、加熱する操作を一般に一次加硫と称している。次いで、一次加硫行程の終わった加工品を、無加圧の状態で200℃前後の温度で、2〜24時間加熱処理する。この間に加硫はさらに進み、加硫時に発生するガス状物質が揮発し、加硫物の物性は向上する。
この加硫工程は、表1に示した分子構造の違うフッ素ゴムのいずれにも適用できる。
【0010】
[本発明品の形状]
本発明はフッ素ゴムに関するものであり、いかなる加工形状にも適用できる加工法である。即ち、O−リング状、チューブ状、シート状、断面が異形の長尺押出品及び電線被覆などに適用できる加工法である。なかんずく加圧下で加熱することが難しい押出成形で成形する長尺成型品に好適に適用される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
形状がチューブ状や異形断面を有する長尺ものである場合には、すでに述べた一般的な金型を使用するプレス加硫を採用することが出来ない。このような長尺押出形状品の場合、押し出された未加硫状態のチューブまたは長尺の異形押出品を、加硫釜などの高圧容器に納めて高圧蒸気加硫を行うのが一般的である。本発明者らもこの方法により、断面異形形状のフッ素ゴムの一次加硫を試みたが、蒸気加圧下での加熱時に変形し、歪んだ形状の異形品しか得られなかった。また、チューブ形状のフッ素ゴムの加硫を試みたが、チューブは圧力によって潰れて形状を保つことが出来ず、変形した形状の加硫品しか得られなかった。
本発明者らはかかる問題は、圧縮成形、ロール成形、押出成形または射出成形により付形された未加硫フッ素ゴムコンパウンドに、電離性放射線を照射して予備加硫を行った後、加熱する事により後加硫を行うことを特徴とするフッ素ゴムの加工方法により解決できることを見出した。即ち、高圧蒸気による一次加硫に代えて、押し出された未加硫の異形長尺品に常温常圧下で放射線照射を行い、しかる後常圧下で加熱加硫を行うことにより変形のない加硫された異形押出フッ素ゴム成型品を得ることが出来ることを見出した。
【0012】
本発明において、付形された未加硫フッ素ゴムコンパウンドは、異形長尺品に限らず、Oリングなど金型により付形される形状の物であってもよい。
【0013】
本発明のフッ素ゴムチューブの製造方法(請求項1)は、チューブ状に付形された未加硫のフッ素ゴムコンパウンドに、加硫剤が分解しない温度でガンマ線を照射して予備架橋を行った後、加硫剤が分解する温度で後加硫を行うことを特徴とする。本発明で使用する用語「コンパウンド」とは、生ゴムに少なくとも一種類の加硫剤が必要量均一に混練されたものと意味するものである。
本発明の製造方法において、前記ガンマ線が、コバルト60を線源としているものが好ましい(請求項2)。
また、前記フッ素ゴムコンパウンドが、ビニリデン系フッ素ゴムを主成分としたものである(請求項3)、または、パーフルオロアルキルビニルエーテルが共重合されてなるフッ素ゴムを主成分としたものであるものが好ましい(請求項4)。
さらに、前記チューブが異なるフッ素ゴムコンパウンドからなる二層チューブであるものが好ましい(請求項5)。
このような二層チューブの製造方法であって、前記チューブが、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロメチルビニルエーテルの三元共重合体からなるフッ素ゴムコンパウンドを内層とし、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンの三元共重合体からなるフッ素ゴムコンパウンドを外層としているものが好ましい(請求項6)。
【0014】
【作用および発明の効果】
本発明のフッ素ゴム成形体の製造方法(請求項1)は、付形された未加硫のフッ素ゴムコンパウンドを、加硫剤が分解しない温度でガンマ線を照射して予備架橋を行うため、加硫剤の分解による発泡などが発生しない。つまり、その発泡による成形体の変形を防ぐために予備架橋を高圧などの過酷な条件で行う必要がなく、添加剤等の種類も減らすことができる。そのため、付形された未加硫のフッ素ゴムコンパウンドを変形させることなく予備架橋ができる。予備架橋されたフッ素ゴムコンパウンドは、塑性流れが減少し、弾性が増大する。そのため、この予備架橋されたフッ素ゴムコンパウンドを加硫剤が分解する温度で、さらに高圧などの過酷な条件で後加硫を行っても、加硫反応により微量の水分や加硫剤の分解物がガス状になって発生するが、ガンマ線の照射により前架橋が進んでいるので、加工品がスポンジ状になったり型くずれが起る事はない。これに対し、電離性放射線の照射による前架橋をせず加熱加硫のみ行う場合は、コンパウンドの粘度が加熱により低下して、発生するガスにより発泡してスポンジ状の不良品となり、複雑な形状品の場合は、粘度低下により型くずれが起って不良品しか得られない。これに対し、本発明の製造方法ではこれらを防止することができる。
【0016】
本発明の製造方法は、前記未加硫フッ素コンパウンドが、ビニリデン系フッ素ゴム(請求項5)あるいは、パーフルオロアルキルビニルエーテル(請求項6)を主成分としたものである場合、前述した作用及び効果を最大限に奏することができる。また、特にパーフルオロアルキルビニルエーテルがパーフルオロメチルビニルエーテルである場合優れている。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しながら本発明によって製造されるフッ素ゴムチューブの実施形態を説明する。図1は本発明の製造方法によって、成形されたフッ素ゴムチューブの実施形態を示す断面図であり、図2は本発明の範囲外の六角形断面を有するフッ素ゴム成形体の長尺を示す断面図であり、図3は本発明の範囲外のフッ素ゴム成形体のO−リングを示す断面図である。
【0018】
図1のフッ素ゴムチューブ1はフッ素ゴムコンパウンドをチューブ状に押出成形にて成形された、未加硫のフッ素ゴムチューブを予備架橋を行い、さらに、後加硫を行い製造する。
【0019】
未加硫のフッ素ゴムチューブは、金型が取り付けられた一台のスクリュー押出機により製造することができる。フッ素ゴムコンパウンドを溶融し、押出機を用いて押出す。フッ素ゴムコンパウンドがこの押出機を用いて押出される。この連続した未加硫のフッ素ゴムチューブにガンマー線を常温常圧で5〜500kGy(キログレイ)照射し、予備架橋を行った。
その後、予備架橋された未加硫フッ素ゴムチューブを電気炉中で加硫剤の分解温度以上の温度で10〜50時間加熱加硫を行う。この加硫反応により微量の水分や加硫剤の分解物がガス状になって発生するが、電離性放射線の照射により前架橋が進んでいるので、加工品がスポンジ状になったり型くずれが起る等を防ぐことができる。この加熱温度は加硫剤によって異なるが、150〜300℃が好ましい。このフッ素ゴムチューブの大きさは、特に限定されるものではないがチューブ内径0.1〜100mm程度、チューブ外径0.5〜200mm程度のものが好ましい。これにより、フッ素ゴムチューブを変形させる事なく製造することができる。
【0020】
[電離性放射線の照射]
電離性放射線としては、X線、ガンマ線などがあるが、最も簡便に用いられるのは、コバルト60を線源とするガンマ線がある。照射温度は特に規定されるものではないが、フッ素ゴムコンパウンド中の加硫剤が分解しない温度、通常は80℃以下が好ましく、特に常温での照射が特別な加熱装置などを使う必要がなく有利である。
照射する線量は、引き続く加熱処理時に発泡することなく、かつ型くずれする事がない程度に架橋することが望ましい。5kGy以下では放射線架橋の効果が薄く、300kGy以上では材料の劣化を招くおそれがあるため、5ないし300KGy(キログレイ)、就中10ないし100KGyが好ましい。
【0021】
本発明の範囲外の図2の正六角形断面を有するフッ素ゴム成形体2は、押出成形により成形される未加硫のフッ素ゴム成形体に前述した放射線による予備架橋および電気炉での加熱を順番に行うことで得ることができる。これにより、従来用いていた圧縮用金型を用いることなく、架橋することができる。
【0022】
図3のO−リング3は、溶融したフッ素ゴムコンパウンドをO−リング用の金型に流し込み、その後冷却して生成した未加硫のフッ素ゴム成形体に前述した放射線による予備架橋および電気炉での加熱を順番に行うことで得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に本発明を実施例に従ってさらに詳しく説明する。
[実施例1]
フッ素ゴムとして、ダイキン工業(株)が市販するダイエルG−902(第1表のタイプII相当)とダイエルパーフルオロGA−55(第1表のタイプVI相当)を用意した。いずれのコンパウンドも、生ゴム100重量部に対して、加硫剤としてジクミールパーオキサイド1.5重量部、加硫助剤としてトリアリルイソシアヌレート4重量部、補強剤としてMTカーボン20重量部が均一に混練されている。
これらのコンパウンドを、図4に示すごとく金型Iを介して配置されたa、b2台のスクリュー押出機のうち、bにダイエルパーフルオロGA−55コンパウンドを、aにダイエルG−902コンパウンドをチャージした。
使用したスクリュー押出機bのシリンダー径は30ミリ、L/Dは25であり、押出機aのシリンダー径は、40ミリ、L/Dは25である。いずれの押出機も、ホッパー側から4ゾーンに分けて温度調節を行い、各ゾーンの温度を60℃、65℃、70℃、75℃に保った。金型温度は75℃である。
金型Iの概略組立図を図5に示した。この金型は、外径6ミリ、内径4ミリ、全体の肉厚1ミリのチューブが押し出されるように製作されており、内外層の厚みは、押出機a、bのスクリュー回転数を制御する事により調節できる。本実施例では、押出機bのスクリュー回転数を5rpm、押出機aのスクリュー回転数を15rpmで行い、内層厚み0.2mmの分子中にパーフルオロアルキルビニルエーテルを含むフッ素ゴム、外層厚み0.8mmの分子中にパーフルオロアルキルビニルエーテルを含まないフッ素ゴムで構成された、未加硫2層チューブを押し出すことが出来た。チューブの線速は、4.2m/min.であった。
未加硫2層チューブは、内径4ミリ、外径6ミリで内外層の厚みもほぼ設計通りであった。次いで、この連続した未加硫2層チューブから15メートルを切り取り、コバルト60を線源とするガンマ線を50KGy照射して予備加硫を行った。その後さらに電気炉中で180℃で5時間加熱加硫を行ない、加硫2層チューブを得た。加熱加硫中に発泡することも型くずれも起らなかった。
【0024】
[比較例1]
実施例1の押出工程で得られた未加硫2層チューブを15メートル切り取り、電離性放射線を照射することなく電気炉中で180℃で5時間加熱加硫を行った。得られた物は、加硫反応は進んでいたが、形状は潰れてチューブ状を保ち得ず、且つ発泡が見られた。
【0025】
[実施例2]
シリンダー径40ミリ、L/D25の押出機を用いて、それぞれダイキン工業(株)が市販するダイエルG−702(第1表のタイプI相当)、ダイエルG−902(第1表のタイプII相当)、ダイエルG−501(第1表のタイプII相当)、およびダイエルパーフルオロGA−55(第1表のタイプVI相当)の各種未加硫フッ素ゴムコンパウンドを押出してチューブを得た。チューブの外径は6ミリ、内径4ミリ、全体の肉厚1ミリである。いずれの材料も押出条件は同一である。即ち、シリンダーの温度条件はホッパー側から4ゾーンに分けて60℃、65℃、70℃、75℃に保った。金型温度は75℃である。押出機のスクリュー回転数を18rpmで行い、チューブ押出の線速は、ゴム材料の種類により多少異なるが、4.2m/min.前後であった。
次いで、各未加硫押出チューブ15メートルに、コバルト60を線源とするガンマ線を50KGy照射した後に、180℃で5時間加熱処理した。いずれのチューブも型くずれも発泡もなく、充分使用に耐えるものであった。
【0026】
【表2】
Figure 0003979926
【0027】
(注1)テトラブチルアンモニュウムヒドロキシド
(注2)N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン(ダイキン工業の商品名)
(注3)2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン(日本油脂)
【0028】
[実施例3]
実施例2で得られた加硫チューブのチューブポンプテストを行った。使用したチューブポンプは、(株)アズワンから発売されている、カートリッジチューブポンプCTP−3である。使用した液体は水である。結果を表3に示した。
【0029】
【表3】
Figure 0003979926
(注) 6*4は、チューブの外径6ミリ、内径4ミリの意味
【0030】
この結果実施例2で得られた加硫後の各種フッ素ゴムチューブは、充分実用に耐えるものであることが明らかとなった。
【0031】
[比較例2]
実施例2の押出工程で得られた未加硫チューブを15メートル切り取り、電離性放射線を照射することなく電気炉中で180℃で5時間加熱加硫を行った。得られた物は、加硫反応は進んでいたが、形状は潰れてチューブ状を保ち得ず、且つ発泡が見られた。
【0032】
【発明の効果】
本発明のフッ素ゴムの加工方法、即ち、圧縮成形、ロール成形、押出成形または射出成形により付形された未加硫フッ素ゴムコンパウンドに、電離性放射線を照射して予備加硫を行った後、加熱する事により後加硫を行うことを特徴とするフッ素ゴムの加工方法は、異形断面を有する長尺成型品、例えばフッ素ゴムチューブの成形加工に特に有効な方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法によって製造されるフッ素ゴムチューブの実施形態であるフッ素ゴムチューブを示す断面図である。
【図2】 本発明の範囲外の製造方法によって製造される正六角形断面を有するフッ素ゴム成形体を示す断面図である。
【図3】 本発明の範囲外の製造方法によって製造されるO−リングを示す断面図である。
【図4】 本発明の製造方法によって製造される二層フッ素ゴムチューブを成形する押出機配置概念図を示した一例である。
【図5】 本発明の製造方法によって製造される二層フッ素ゴムチューブを成形する金型略図の一例である。
【符号の説明】
1 フッ素ゴムチューブ
2 フッ素ゴム成形体
3 O−リング
a 押出し機
b 押出し機
c スクリュー
I 金型

Claims (6)

  1. チューブ状に付形された未加硫のフッ素ゴムコンパウンドに、加硫剤が分解しない温度でガンマ線を照射して予備架橋を行った後、加硫剤が分解する温度で後加硫を行うことを特徴とするフッ素ゴムチューブの製造方法。
  2. 前記ガンマ線が、コバルト60を線源としている、請求項1記載のフッ素チューブの製造方法。
  3. 前記フッ素ゴムコンパウンドが、ビニリデン系フッ素ゴムを主成分としたものである、請求項1記載のフッ素ゴムチューブの製造方法。
  4. 前記フッ素ゴムコンパウンドが、パーフルオロアルキルビニルエーテルが共重合されてなるフッ素ゴムを主成分としたものである、請求項1記載のフッ素ゴムチューブの製造方法。
  5. 前記チューブが異なるフッ素ゴムコンパウンドからなる二層チューブである、請求項1記載のフッ素ゴムチューブの製造方法。
  6. 前記チューブが、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロメチルビニルエーテルの三元共重合体からなるフッ素ゴムコンパウンドを内層とし、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンの三元共重合体からなるフッ素ゴムコンパウンドを外層とした、請求項1記載のフッ素ゴムチューブの製造方法。
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