JP2003096204A - 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法および熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法および熱可塑性エラストマー組成物Info
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Abstract
に優れ、外観の良好なカレンダー成形品が得られる熱可
塑性エラストマー組成物の製造方法および該熱可塑性エ
ラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 下記成分(イ)35〜95重量%、
(ロ)5〜65重量%からなる混合物(ただし、(イ)
+(ロ)=100重量%とする。)を架橋剤の存在下で
動的熱処理した後に、下記成分(ハ)0.005〜20
重量部(ただし、(イ)+(ロ)=100重量部とす
る。)を溶融混練することを特徴とするカレンダー成形
用熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。 (イ):オレフィン共重合体ゴム100重量部と鉱物油
系軟化剤20〜150重量部からなり、ムーニー粘度が
20〜350である油展オレフィン共重合体ゴム。 (ロ):結晶性ポリオレフィン。 (ハ):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体水
素添加物。
Description
熱可塑性エラストマー組成物の製造方法および該製造方
法により得られる組成物に関するものである。更に詳し
くは、カレンダー成形時のバンク形状や離ロール性など
に優れ、外観の良好なカレンダー成形品が得られる熱可
塑性エラストマー組成物の製造方法に関するものであ
り、該製造方法により得られるカレンダー成形用熱可塑
性エラストマー組成物に関するものである。
性などの観点から、軟質塩化ビニル樹脂材料に変わり、
オレフィン系熱可塑性エラストマー材料を用いることが
検討されており、特にフィルム、シート分野において
は、厚み精度に優れ、高速生産性が高いカレンダー成形
可能な材料が求められている。しかし、オレフィン系熱
可塑性エラストマーは、カレンダー成形時に、カレンダ
ーロールに粘着したり、成形シート肌が荒れるために、
成形が困難であった。このような問題を解決する方法と
して、たとえば、特公平2−37942号公報には、高
級脂肪酸アミドを添加することが、特開平7−2607
7号公報には、金属石鹸を添加することが開示されてい
る。また、特開平7−166012号公報には、油展オ
レフィン系共重合体ゴムを用いることが開示されてい
る。
は、カレンダー加工性の改良効果が認められるものの、
十分満足のいくものではなかった。かかる状況のもと、
本発明が解決しようとする課題は、カレンダー成形時の
バンク形状、離ロール性に優れ、外観の良好なカレンダ
ー成形品が得られる熱可塑性エラストマー組成物の製造
方法を提供し、更には、該熱可塑性エラストマー組成物
を提供することにある。
は、 下記成分(イ)35〜95重量%、(ロ)5〜6
5重量%からなる混合物(ただし、(イ)+(ロ)=1
00重量%とする。)を架橋剤の存在下で動的熱処理し
た後に、下記成分(ハ)0.005〜20重量部(ただ
し、(イ)+(ロ)=100重量部とする。)を溶融混
合することを特徴とするカレンダー成形用熱可塑性エラ
ストマー組成物の製造方法に係るものである。 (イ):オレフィン共重合体ゴム100重量部と鉱物油
系軟化剤20〜150重量部からなり、ムーニー粘度
(ML1+4100℃)が20〜350である油展オレフ
ィン共重合体ゴム。 (ロ):結晶性ポリオレフィン。 (ハ):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体水
素添加物。 また、本発明の第二は、上記製造方法により得られるカ
レンダー成形用熱可塑性エラストマー組成物に係るもの
である。
ゴム(イ)とは、オレフィン共重合体ゴムおよび鉱物油
系軟化剤を含有するものである。該オレフィン共重合体
ゴムとは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数
2〜10のオレフィン1種または2種以上から誘導され
る繰り返し単位を含有する重合体であって、JIS K
−6301(1975)のA硬度が98以下の重合体で
ある。オレフィン共重合体ゴムはオレフィン以外の単量
体から誘導される繰り返し単位を含有していてもよく、
他の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、
2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,
3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジ
エンなどの炭素数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタ
ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−
ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メ
チル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボ
ルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸
ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸
エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カル
ボン酸があげられ、これらは1種または2種以上用いら
れる。また、オレフィン共重合体ゴムは1種または2種
以上組み合わせて用いてもよい。
ば、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチ
レン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン
共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレ
ン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン
共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2
−ノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1−
ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン
共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合
体があげられ、これらは公知の方法で製造することがで
きる。
ン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィ
ン−非共役ジエン共重合体が好ましい。ここでα−オレ
フィンとは炭素数3〜10のオレフィンである。入手容
易性の観点から、α−オレフィンとしては、好ましくは
プロピレン、1−ブテンであり、より好ましくはプロピ
レンであり、非共役ジエンとしては、5−エチリデン−
2−ノルボルネンである。オレフィン共重合体ゴムのエ
チレンから誘導される繰り返し単位の含有量とα−オレ
フィンから誘導される繰り返し単位の含有量の重量比率
(エチレン単位含有量/α−オレフィン単位含有量)
は、柔軟性の観点で、好ましくは90/10〜30/7
0であり、より好ましくは85/15〜45/55であ
り、更に好ましくは80/20〜60/40である。オ
レフィン共重合体ゴムの非共役ジエン単位含量は、好ま
しくは1〜30重量%であり、より好ましくは3〜20
重量%である。該非共役ジエン単位含量が少なすぎると
機械的強度が低下することがあり、多すぎると押出機の
モーター負荷が高くなることがある。
される鉱物油系軟化剤としては、油展ゴム調整用に通常
用いられる伸展油を使用することができ、たとえば、パ
ラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、芳香族系鉱物油
などの石油の高沸点留分(平均分子量が300〜150
0、流動点が0℃以下)をあげることができる。
重合体ゴム100重量部あたり鉱物油系軟化剤20〜1
50重量部である。該鉱物油系軟化剤の量が少な過ぎる
と、バンク形状やシート外観が悪くなることがあり、該
鉱物油系軟化剤の量が多過ぎるとロール汚れが発生する
ことがある。好ましくは25〜130重量部であり、よ
り好ましくは30〜120重量部である。
ニー粘度(ML1+4100℃)は、20〜350であ
る。該ムーニー粘度が低すぎると機械的強度が低下する
ことがあり、該ムーニー粘度が高すぎると成型加工性が
低下することがある。好ましくは30〜150であり、
より好ましくは40〜100である。
するための、オレフィン共重合体ゴムと鉱物油系軟化剤
の配合方法は、公知の方法が用いられ、例えば、ロー
ル、バンバリーミキサー、押出機などを用いて溶融混練
する方法、オレフィン共重合体ゴム溶液に鉱物油系軟化
剤を添加し、その後、スチームストリップなどの方法に
より脱溶媒する方法などがあげられる。好ましくは、オ
レフィン共重合体ゴム溶液に鉱物油系軟化剤を添加し、
その後、スチームストリップなどの方法により脱溶媒す
る方法がよい。
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテンなどの炭素原子数2〜10のオレフ
ィン1種または2種以上から誘導される重合体であっ
て、JIS K−6301(1975)のA硬度が98
を超える重合体である。結晶性ポリオレフィン(ロ)は
オレフィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を
含有していてもよく、他の単量体としては、たとえば、
ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタ
ジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニ
ル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共
役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不
飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸な
どの不飽和カルボン酸があげられ、これらは、1種また
は2種以上用いられる。また、結晶性ポリオレフィン
(ロ)は1種または2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
とえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブ
テン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチ
レン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン
共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピ
レン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−
5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン
−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピ
レン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−
1−オクテン共重合体があげられ、これらは公知の方法
で製造することができる。
熱性の観点から、プロピレンから誘導される繰り返し単
位の含有量が80重量%以上であるプロピレン重合体が
好ましい。該プロピレン重合体のプロピレンから誘導さ
れる繰り返し単位の含有量は、より好ましくは90重量
%以上であり、更に好ましくは95重量%以上である。
性ポリオレフィン(ロ)の配合量について、油展オレフ
ィン共重合体ゴム(イ)と結晶性ポリオレフィン(ロ)
の合計量を100重量%に対し、油展オレフィン共重合
体ゴム(イ)/結晶性ポリオレフィン(ロ)は、35〜
95/5〜65重量%であり、好ましくは45〜90/
10〜60重量%であり、より好ましくは55〜85/
15〜55である。油展オレフィン共重合体ゴム(イ)
が少なすぎると成形品の柔軟性が劣ることがあり、多す
ぎると加工性が劣ることがある。結晶性ポリオレフィン
(ロ)が少なすぎると加工性が劣ることがあり、多すぎ
ると成形品の柔軟性が劣ることがある。
(イ)、結晶性ポリオレフィン(ロ)、ビニル芳香族化
合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物(ハ)からな
る組成物を架橋させるものであり、有機化酸化物などが
あげられる。有機化酸化物としては、たとえば、ジクミ
ルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルペ
ルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−
ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオ
キシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロ
ロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、
t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジア
セチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブ
チルクミルペルオキシドがあげられ、通常、半減期が1
分となる温度が150〜280℃のものが使用される。
これらを1種または2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
体ゴム(イ)と結晶性ポリオレフィン(ロ)の合計量を
100重量部に対し、好ましくは0.001〜5重量部
である。該配合量が少なすぎると成型体の機械的強度が
低下することがある、該配合量が多すぎると押出機のモ
ーター負荷が高くなることがある。より好ましくは0.
005〜3重量部であり、更に好ましくは0.01〜1
重量部である。
性ポリオレフィン(ロ)、ビニル芳香族化合物と共役ジ
エンの共重合体の水素添加物(ハ)からなる組成物の架
橋の均一性を向上させるため、架橋助剤を配合しても良
い。加工助剤としては、ジビニルベンゼン,エチレング
リコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジ
メタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、アリルメタクリレー
ト、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ト
リアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、
テトラアリールオキシエタンなどの多官能ビニルモノマ
ー;N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,
N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−エチ
レンビスマレイミドなどのビスマレイミド化合物;p−
キノンオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキ
シムなどのパーオキサイド架橋助剤などをあげることが
できる。
合体ゴム(イ)と結晶性ポリオレフィン(ロ)の合計量
を100重量部に対し、好ましくは0.001〜5重量
部であり、より好ましくは0.01〜3重量部であり、
更に好ましくは0.05〜2重量部である。該配合量が
少なすぎると架橋の均一性の効果が小さいことがあり、
該配合量が多すぎると押出機のモーター負荷が高くなる
ことがある。
性ポリオレフィン(ロ)からなる混合物の動的熱処理と
は、油展オレフィン共重合体ゴム(イ)と結晶性ポリオ
レフィン(ロ)の混合物を、架橋剤の存在下で溶融混練
することをいう。動的熱処理装置としては開放型のミキ
シングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダ
ー、押出機等の公知のものを使用することができる。ま
た、動的熱処理の溶融混練は、混練する全成分を一括し
て溶融混練してもよいし、一部の成分を混練した後に選
択しなかった成分を加え溶融混練してもよく、溶融混練
は1回または2回以上行ってもよい。架橋の均一性の観
点から、好ましくは、混練する全成分を一括して溶融混
練する方法がよい。
酸化物を用いた場合、通常、有機過酸化物の半減期が1
分以下となる温度であり、好ましくは150〜280
℃、より好ましくは180〜260℃である。動的熱処
理する時間は、通常、有機過酸化物の半減期以上のとな
る時間であり、好ましくは1〜30分、より好ましくは
3〜20分である。温度が低すぎたり、時間が短すぎる
と、成型体の機械的強度が低下する場合があり、温度が
高すぎたり、時間が長すぎると押出機のモーター負荷が
高くなることがある。
共役ジエンの共重合体の水素添加物(ハ)とは、炭素数
8〜12のビニル芳香族化合物および炭素数4〜8の共
役ジエンから誘導される繰り返し単位を含有する共重合
体を水素添加した共重合体である。
体の水素添加物(ハ)における、炭素数8〜12のビニ
ル芳香族化合物としては、たとえば、スチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレンがあげられ、これら
は1種または2種以上用いられる。炭素数4〜8の共役
ジエンとしては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−
ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン
があげられ、これらは1種または2種以上用いられる。
また、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水
素添加物(ハ)は、ビニル芳香族化合物、共役ジエン以
外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有していて
もよく、他の単量体としては、たとえば、ジシクロペン
タジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4
−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−
メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノル
ボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢
酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、ヒドロキシエチルアクリ
レート、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどの不飽
和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸などの不飽和カルボン酸;無水マレイン酸など
の酸無水物;アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ
基含有ビニル化合物;イソプロペニルイソシアネートな
どのイソシアネート基含有ビニル化合物;アクリロニト
リル、メタクリロニトリルなどのビニルニトリル化合物
があげられる。
体の水素添加物(ハ)としては、たとえば、スチレン−
1,3−ブタジエン共重合体の水素添加物、スチレン−
イソプレン共重合体の水素添加物などがあげられ、これ
らは公知の方法により製造することができる。
体の水素添加物(ハ)におけるビニル芳香族化合物から
誘導される繰り返し単位の含有量は、好ましくは1〜7
0重量%であり、より好ましくは5〜50重量%であ
り、更に好ましくは7〜35重量%である。該ビニル芳
香族化合物単位の含量が少なすぎると、シート外観が低
下することがあり、該ビニル芳香族化合物単位の含量が
多すぎると、柔軟性や低温耐衝撃性が低下することがあ
る。
体の水素添加物(ハ)は、構造が1つのブロックからな
るものでもよく、構造が異なる2以上のブロックから構
成されても良い。構造が1つのブロックからなるものと
しては、ビニル芳香族化合物と共役ジエンまたはオレフ
ィンとがランダムに配列した構造の共重合体の水素添加
物、たとえば、スチレンとブタジエンとがランダムに配
列した構造の共重合体の水素添加物があげられる。構造
が異なる2以上のブロックから構成されるものとして
は、たとえば、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエ
ン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックか
ら構成される共重合体の水素添加物、スチレン単独重合
体ブロック−スチレン−ブタジエン共重合体ブロック−
スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体の
水素添加物があげられ、かかる共重合体の水素添加物に
おいてスチレン−ブタジエン共重合体ブロックはスチレ
ンとブタジエンとがランダムに共重合した構造のブロッ
クであってもよいし、スチレン単位の含有量が徐々に減
少するテーパー状の構造のブロックであってもよい。
体の水素添加物(ハ)は、公知の水素添加方法用いて、
ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の共役ジエ
ンから誘導される繰り返し単位の二重結合を飽和するこ
とにより得られ、該飽和量は、共役ジエン単位を100
%に対して、通常80モル%以上であり、好ましくは9
0モル%以上であり、更に好ましくは95モル%以上で
ある。該飽和量が少なすぎると、熱安定性に劣ることが
ある。
体の水素添加物(ハ)の配合量は、油展オレフィン共重
合体ゴム(イ)と結晶性ポリオレフィン(ロ)の合計量
を100重量部に対して、0.005〜20重量部であ
り、好ましくは0.01〜15重量部であり、より好ま
しくは0.05〜10重量部である。ビニル芳香族化合
物と共役ジエンの共重合体の水素添加物(ハ)が少なす
ぎるとシート外観やバンク形状が劣ることがあり、多す
ぎると柔軟性や低温耐衝撃性が低下することがある。
性ポリオレフィン(ロ)からなる混合物の動的熱処理物
と、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素
添加物(ハ)との溶融混練方法は公知の方法が用いら
れ、装置として開放型のミキシングロール、非開放型の
バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の公知のもの
を使用することができる。
メルトフローレートが、好ましくは0.1〜100g/
10分であり、より好ましくは0.5〜80g/10分
であり、更に好ましくは1〜60g/10分である。メ
ルトフローレートが小さすぎると押出機のモーター負荷
が高くなることがあり、メルトフローレートが大きすぎ
ると成型体の機械的強度が低下することがある。ここ
で、メルトフローレートは、JIS K−7210(1
976)に従って、温度230℃、荷重98.07Nで
測定される。
必要に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、
離型剤、難燃剤、金属石鹸、ワックス、防かび剤、抗菌
剤、フィラー、発泡剤などの添加剤を配合してもよい。
これらの添加剤は、動的熱処理前に配合してもよく、動
的熱処理後に配合してもよい。
カレンダー成形に好適な材料として用いることができ、
カレンダー成形体は、たとえば、インストルメントパネ
ルやドアトリムなどの自動車内装部品、靴底やサンダル
などの履物、レジャー用シート、ガスケット、防水シー
ト、バッグ類、ベルト、カバーなどに用いられる。
定を行った。 (2)メルトフローレート JIS K−7210(1976)に従って、温度23
0℃、荷重98.07Nで測定した。 (3)カレンダー加工性 ロール温度170℃、ガイド幅30cm、ロ−ルギャッ
プ0.6mmに調整した2本ロール(関西ロール製8イ
ンチロール)を用いてペレット150gを溶融混練し、
シートを成形した。溶融混練中のバンク形状及び加熱ロ
ールへの粘着性を以下のように判定した。 <バンク形状> ○:乱れなく均一なバンク形状。 △:時々乱れが発生する。 ×:常時乱れ、正常なバンクが全く出来ない。 <ロール粘着性> ○:ロール面からシートを手剥離時に、ほとんど抵抗な
し。 △:ロール面からシートを手剥離時に、やや剥離抵抗あ
り。 ×:ロール面からシートを手剥離時に、大きな剥離抵抗
あり。 (4)シート外観 成形したシート外観を目視にて、以下のように判定し
た。 ○:シート表面にほとんど荒れ無し。 △:シート表面に細かい荒れがやや見られる。 ×:シート表面に大きな荒れが見られる。
(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン共重合体100重量部と出光興産、ダイアナプロ
セスオイルPW−380:40重量部の組成物、ML
1+4100℃=78) 結晶性ポリオレフィン 住友化学工業株式会社製ノーブレンAH161C(エチ
レン−プロピレン共重合体) ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添
加物 JSR株式会社製ダイナロン1320P、1321P 有機過酸化物 化薬アクゾ株式会社製2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン 架橋助剤 精工化学株式会社製ハイクロスM−P(トリメチロール
プロパントリメタクリレート) 酸化防止剤 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製イルガノックス
1010 耐候安定剤 住友化学工業株式会社製スミソーブ300 ワックス 花王株式会社製KAO−WAX 230−2
晶性ポリオレフィン、有機過酸化物、架橋助剤、酸化防
止剤、耐候安定剤及びワックスを、バンバリーミキサー
で170〜200℃×7分間混練し、押出機を用いて動
的熱処理樹脂組成物ペレットを作製した。次に、表1に
示した配合量の動的熱処理樹脂組成物ペレットとビニル
芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素添加物と
を、ダンブルミキサーでコールドブレンド後、このブレ
ンド物を2軸混練押出機にて230℃±20℃溶融混練
し、熱可塑性エラストマー組成物を得た。評価結果を表
1に示す。
た、油展オレフィン共重合体ゴム、結晶性ポリオレフィ
ン、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水素
添加物、架橋剤を動的熱処理して得られる熱可塑性エラ
ストマー組成物を提供することができた。該熱可塑性エ
ラストマー組成物のカレンダー成形体は、外観、機械的
強度に優れ、たとえば、インストルメントパネルやドア
トリムなどの自動車内装部品、靴底やサンダルなどの履
物、レジャー用シート、ガスケット、防水シート、バッ
グ類、ベルト、カバーなどの用途に使用される。
Claims (4)
- 【請求項1】下記成分(イ)35〜95重量%、(ロ)
5〜65重量%からなる混合物(ただし、(イ)+
(ロ)=100重量%とする。)を架橋剤の存在下で動
的熱処理した後に、下記成分(ハ)0.005〜20重
量部(ただし、(イ)+(ロ)=100重量部とす
る。)を溶融混練することを特徴とするカレンダー成形
用熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。 (イ):オレフィン共重合体ゴム100重量部と鉱物油
系軟化剤20〜150重量部からなり、ムーニー粘度
(ML1+4100℃)が20〜350である油展オレフ
ィン共重合体ゴム。 (ロ):結晶性ポリオレフィン。 (ハ):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体水
素添加物。 - 【請求項2】結晶性ポリオレフィンがプロピレン重合体
である請求項1記載のカレンダー成形用熱可塑性エラス
トマー組成物の製造方法。 - 【請求項3】請求項1または2記載の製造方法により得
られるカレンダー成形用熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項4】メルトフローレートが0.1〜100であ
る請求項1または2記載の製造方法により得られるカレ
ンダー成形用熱可塑性エラストマー組成物。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018141092A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | Mcppイノベーション合同会社 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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2001
- 2001-09-27 JP JP2001296469A patent/JP2003096204A/ja active Pending
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