JP2003096128A - ポリオレフィンの精製方法 - Google Patents

ポリオレフィンの精製方法

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JP2003096128A
JP2003096128A JP2001288650A JP2001288650A JP2003096128A JP 2003096128 A JP2003096128 A JP 2003096128A JP 2001288650 A JP2001288650 A JP 2001288650A JP 2001288650 A JP2001288650 A JP 2001288650A JP 2003096128 A JP2003096128 A JP 2003096128A
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polyolefin
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polymerization
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JP2001288650A
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English (en)
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Masatoshi Horii
政利 堀井
Takeshi Ishihara
毅 石原
Hideaki Wakabayashi
秀哲 若林
Hiroyuki Ozaki
裕之 尾崎
Kunihiko Imanishi
邦彦 今西
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一系の金属錯体触媒を用いた重合方法にお
けるポリオレフィンの精製方法において、精製処理にお
ける使用溶媒量が少なくて、さらに工程も少ない生産性
・経済性に優れたポリオレフィンの精製方法の提供。 【解決手段】 均一系の金属錯体触媒を用いてオレフィ
ンを重合して得られるポリオレフィンの精製方法であっ
て、オレフィンを重合して得られるポリオレフィン反応
溶液に、水酸基を有する化合物を添加して金属錯体触媒
成分を不溶化させて除去することを特徴とするポリオレ
フィンの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィンの
精製方法に関し、特に均一系の金属錯体触媒を用いて重
合して得られるポリマーから触媒金属成分を除去するポ
リオレフィンの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バナジウム化合物等の遷移金属化
合物錯体と有機アルミニウム化合物等とを触媒とし、有
機溶媒中で重合反応を行う均一系のエチレン、プロピレ
ン等のオレフィンの重合反応における反応溶液中に多価
金属イオンの形で存在する触媒成分を取り除く脱灰処理
は、多量の貧溶媒に反応溶液を添加して生成したポリオ
レフィンを沈殿させ、これを単離することによりポリオ
レフィンから触媒成分を除去し、更に単離したポリオレ
フィン中に残存する触媒残渣を除去処理することにより
行われていた。
【0003】上記の方法によると、反応溶液に溶解して
いた触媒金属成分は、析出するポリオレフィン中に取り
込まれた形で析出するため、単離したポリオレフィン中
に取り込まれた触媒残渣は、ポリオレフィンを塩酸メタ
ノール等の洗浄液で洗浄し、洗浄液中に溶解させて除去
していた。したがって、触媒残渣の除去率を高めるため
には、塩酸メタノール等での溶解洗浄操作を数回繰り返
す必要があり、多量の溶剤を使用することになり、しか
も最終ポリマー中の触媒残渣濃度は、10ppm未満に
することはできなかった。したがって、溶媒量が少なく
て、工程も少ない生産性・経済性に優れた精製方法の開
発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、均一
系の金属錯体触媒を用いた重合方法におけるポリオレフ
ィンの精製方法において、精製処理における使用溶媒量
が少なくて、さらに工程も少ない生産性・経済性に優れ
たポリオレフィンの精製方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究の結果、均一系の金属錯体触
媒を用いたオレフィン重合後の反応溶液に水酸基含有化
合物を添加することにより反応溶液中の触媒金属成分の
みを沈殿させ、該沈殿物を反応溶液から除去することに
より触媒残渣の極めて少ないポリオレフィン溶液を得る
ことができることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
均一系の金属錯体触媒を用いてオレフィンを重合して得
られるポリオレフィンの精製方法であって、オレフィン
を重合して得られるポリオレフィン反応溶液に、水酸基
を有する化合物を添加して金属錯体触媒成分を不溶化さ
せて除去することを特徴とするポリオレフィンの精製方
法が提供される。
【0007】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明における水酸基を有する化合物が、水、アルコー
ル、多価アルコールまたはカルボン酸から選ばれる少な
くとも1種の化合物であることを特徴とするポリオレフ
ィンの精製方法が提供される。
【0008】また、本発明の第3の発明によれば、第1
又は2の発明における水酸基を有する化合物を反応溶液
に対して、1〜100重量%を添加することを特徴とす
るポリオレフィンの精製方法が提供される。
【0009】本発明には、好ましい態様として、次のも
のが包含される。 (1)水酸基を有する化合物が、炭素数1〜10の脂肪
族アルコールであることを特徴とする本発明の第1の発
明に記載のポリオレフィンの精製方法。 (2)除去方法が、濾過方法又は遠心分離方法であるこ
とを特徴とする本発明の第1の発明に記載のポリオレフ
ィンの精製方法。 (3)ポリオレフィン反応溶液の粘度が、10〜100
0cpであることを特徴とする第1ないし第3の発明に
記載のポリオレフィンの精製方法。 (4)アルカリ成分を更に添加することを特徴とする本
発明の第1ないし第3の発明に記載のポリオレフィンの
精製方法。 (5)均一系の金属錯体触媒を用いてオレフィンを重合
して得られるポリオレフィンが、バナジウム錯体と有機
アルミニウム化合物からなる触媒を用いてプロピレンを
リビング重合して得られるポリプロピレンである本発明
の第1ないし第3の発明に記載のポリオレフィンの精製
方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のポリオレフィンの精製方
法において用いられる均一系の金属錯体触媒を用いてオ
レフィンを重合する反応は、均一系の金属錯体触媒を用
い、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、THF等の溶媒中で行
う重合反応であれば特に制限はない。
【0011】均一系の金属錯体触媒とは、酸素、窒素等
のヘテロ原子を含む有機化合物と遷移金属からなる金属
錯体または有機金属化合物及び有機アルミニウム化合物
からなる触媒系であり、例えば、バナジウム錯体と有機
アルミニウム化合物からなる触媒系、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウムからなる群から選ばれる金属のシクロ
アルカジエニル基を有する化合物とアルミノキサン等か
らなるメタロセン触媒、ニッケル、パラジウム等のジイ
ミン錯体とアルミノキサン等からなる触媒、チタン、ジ
ルコニウム、ハフニウム等のフェノキシイミン錯体とア
ルミノキサン等からなる触媒、チタン等のピロールイミ
ン錯体とアルミノキサン等からなる触媒が挙げられる。
【0012】本発明で用いることのできるバナジウム錯
体触媒と有機アルミニウム化合物からなる触媒系を用い
るオレフィンの重合反応としては、エチレン・プロピレ
ンゴムあるいはエチレン・プロピレン・ジエン共重合体
ゴムの重合反応、プロピレンのリビング重合反応等が挙
げられる。特に、プロピレンのリビング重合反応は、均
一反応において単分散に近いポリマーを重合できる反応
であり、しかもポリマー末端のみを官能基等で修飾でき
る重合反応であり、本発明の精製方法を適用することに
より、高い生産性及び優れた経済性を達成しうる。
【0013】例えば、本発明のリビング重合反応は、バ
ナジウム触媒として、V(アセチルアセトナート)
V(2−メチル1.3−ブタンジオナト)、V(1,
3−ブタンジオナト)等を用い、有機アルミニウム化
合物として、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミ
ド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチル
アルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムモノ
ハライド等を用いる重合反応が挙げられる。重合反応溶
媒としては、重合反応に対して不活性で、かつ重合時に
液状である溶媒中で行うのが望ましく、該溶媒として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
【0014】リビング重合におけるポリプロピレンは、
プロピレンの単独重合体以外に、プロピレンに少量のエ
チレン又は1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体を用いるこ
とも可能で、リビング重合触媒の存在下にプロピレンと
該α−オレフィンとのリビング重合によって得ることが
できる。
【0015】リビング重合における重合触媒の使用量
は、プロピレン又はプロピレンと少量のコモノマー1モ
ル当り、バナジウム化合物が1×10−4〜0.1モ
ル、望ましくは5×10−4〜5×10−2モル、有機
アルミニウム化合物が1×10 〜0.5モル、望ま
しくは1×10−2〜0.1モルであるのが好ましい。
【0016】リビング重合は、通常−100℃〜0℃で
0.5〜50時間行われる。得られるリビングポリプロ
ピレンの分子量及び収量は、反応温度及び反応時間を変
えることにより調節でき、温度を低温、特に−30℃以
下にすることにより、単分散に近い分子量分布を持つポ
リマーとすることができる。−40℃以下では、分子量
分布Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が
1.05〜1.40のリビング重合体とすることができ
る。
【0017】また、本発明で用いることのできるメタロ
セン触媒によるオレフィンの重合反応は、メタロセン化
合物として、例えば、CpTiCl、CpZrC
、CpHfCl、(Ind)TiCl
(Ind)ZrCl、(Ind)HfCl
(Flu)TiCl、(Flu)ZrCl
(Flu)HfCl、MeSiCpTiC
、MeSiCpZrCl 、MeSiCp
HfCl、及びこれらのジメチル体等を用い、有機ア
ルミニウム化合物としてメチルアルミノキサン、エチル
アルミノキサン、ブチルアルミノキサン、トリメチルア
ルミニウム等を用いる重合反応が挙げられる。また、メ
タロセン化合物としてジメチル体を用いた場合は、有機
アルミニウム化合物の代わりにトリフェニルボラン、ト
リスペンタフルオロフェニルボラン、トリフェニルメチ
ルトリスペンタフルオロフェニルボレート等のホウ素化
合物を用いてもよい。重合反応溶媒としては、重合反応
に対して不活性で、かつ重合時に液状である溶媒中で行
うのが望ましく、該溶媒としては、プロパン、ブタン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化
メチレン等を挙げることができる。
【0018】メタロセン触媒を用いた重合で得られるポ
リプロピレンは、プロピレン単独重合体以外に、プロピ
レンに少量のエチレン又は1−ブテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重
合体を用いることも可能で、メタロセン触媒の存在下に
プロピレンと該α−オレフィンとの共重合によって得ら
れる。
【0019】メタロセン触媒の使用量は、プロピレン又
はプロピレンと少量のコモノマー1モル当り、メタロセ
ン化合物が1×10−6〜0.1モル、望ましくは5×
10 −6〜5×10−2モル、有機アルミニウム化合物
が1×10−6〜0.5モル、望ましくは5×10−4
〜0.1モルであるのが好ましい。
【0020】メタロセン触媒を用いた重合反応は、通常
−100℃〜90℃で、0.5〜100時間行われる。
【0021】本発明のポリオレフィンの精製方法におい
ては、水酸基を有する化合物を均一溶液重合によって得
られるポリオレフィン反応溶液に添加することによっ
て、反応溶液中に存在するポリオレフィンを析出させな
いで、反応溶液中に存在する多価金属イオンの形で存在
する触媒金属成分のみを不溶化して析出させるものであ
る。
【0022】本発明で用いる水酸基を有する化合物とし
ては、例えば、水、アルコール、多価アルコール、カル
ボン酸等が挙げられる。
【0023】上記アルコールとしては、炭素数1〜10
の脂肪族アルコールが好ましく、より好ましくは炭素数
1〜6の脂肪族アルコールであり、さらに好ましくは炭
素数1〜4の脂肪族アルコールであり、特に好ましくは
メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール及
びブタノールである。アルコールは、重合反応において
触媒を失活させる反応停止剤としても用いられことがあ
るが、反応溶液中の触媒を不溶化するために添加するア
ルコールは別個の工程で用いるものである。
【0024】また、多価アルコールとしては、炭素数1
〜5のグリコールが好ましく、例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール等が挙げられ、3価以上の
多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロール
エタン、エリトリトール、ペンタエリトリトール等が挙
げられる。
【0025】さらに、上記カルボン酸としては、脂肪族
モノカルボン酸、多価カルボン酸が挙げられ、具体的に
は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マ
ロン酸、コハク酸等が挙げられる。
【0026】水酸基を有する化合物のポリオレフィン反
応溶液への添加量は、水酸基を有する化合物の種類、金
属錯体触媒の種類、反応溶媒の種類、反応溶液中に存在
するポリオレフィンの濃度等によって異なるが、反応溶
液中のポリオレフィンが析出しない量であって、反応溶
液が2層に分離しない量が好ましい。好ましくは反応溶
液中のベンゼン、トルエン、キシレン等の溶媒量に対し
て、1〜100重量%、より好ましくは3〜25重量
%、特に好ましくは4〜15重量%である。水酸基を有
する化合物の添加量が上記範囲未満であると触媒金属成
分の析出が十分でなく、上記範囲を超えるとポリオレフ
ィンが析出するようになり好ましくない。
【0027】本発明のポリオレフィンの精製方法におけ
る触媒金属成分の不溶化処理においては、必要に応じ
て、ポリオレフィン反応溶液へアルカリ成分を添加する
ことができる。アルカリ成分の添加により重合触媒成分
中にハロゲンが含まれる場合に、そのハロゲンを除去す
ることができる。添加することのできるアルカリ成分と
しては、金属アルコラート、アルカリ金属水酸化物等を
挙げることができる。具体的な化合物としては、例え
ば、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、カリウムメトキサイド、カリウムエトキサイド、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができ
る。これらの化合物は、メタノールやエタノールの溶液
として反応溶液に添加される。
【0028】このアルカリ成分のポリオレフィン反応溶
液への添加順序は、上記水酸基を有する化合物の添加の
前であっても後であっても良いが、アルカリ成分を先に
添加するのが好ましく、アルカリ成分と水酸基を有する
化合物とを同時に添加するのが特に好ましい。アルカリ
成分の添加量は、ポリオレフィン反応溶液のpHが5以
上になれば特に制限はない。添加量の上限は、反応溶液
がpH9になるような量であり、好ましくは反応溶液が
pH8になるような量であり、より好ましくは反応溶液
がpH7になるような量である。
【0029】水酸基を有する化合物をポリオレフィン反
応溶液へ添加して、触媒金属成分のみを不溶化沈殿析出
生成させる条件としては、以下の条件にするのが好まし
い。添加・混合時間は、1分以上が好ましく、より好ま
しくは3分以上、特に好ましくは5分以上である。混合
時間が1分以内では、不溶化の効果が得られない。混合
温度は、用いる水酸基を有する化合物の種類にもよる
が、室温〜120℃、好ましくは30〜100℃、より
好ましくは40〜80℃である。混合温度が室温未満で
は、触媒金属成分の不溶化・析出する反応が極めて遅
く、120℃を超えると触媒金属成分の不溶化反応が十
分に進行しない。例えば、水酸基を有する化合物として
メタノールを用いた場合は、55℃以上になると蒸発が
激しく、沈殿の生成が十分に進行しない。
【0030】本発明の精製方法においては、上記のよう
な条件で不溶化された触媒金属成分を反応溶液から除去
する。除去方法は、除去できればどのような方法であっ
てもよく、通常公知の液体と固体を分離する方法である
濾過方法、遠心分離法、デカンテーション法等を用いる
ことができる。
【0031】上記濾過方法としては、加圧濾過法、減圧
濾過法、遠心濾過法のいずれの濾過方法も用いることが
でき、2種類以上の方法を組み合わせてもよい。濾過方
法における濾材としては、濾紙、濾布、メンブランフィ
ルター、焼結金属等を用いることができる。また、濾過
温度は、室温〜80℃、好ましくは30〜75℃、より
好ましくは40〜70℃である。濾過温度が室温以下で
は、反応溶液の粘度が高く、濾過効率が悪い。温度を高
くすると溶液の粘度が低くなり、濾過速度が向上する。
加圧下においては、反応溶液に用いられている溶媒の沸
点以上でも行うことができる。また、濾過圧力は、濾過
器、濾紙性状によるが、濾過の具合を見ながら、徐々に
加圧していく方法が好ましい。例えば、濾紙を用いた濾
過方法であれば、最終的には最高圧が400kPaG以
下、好ましくは300kPaG以下となる条件が好まし
い。
【0032】さらに、濾過方法においては、濾過処理を
促進させるために濾過助剤を用いることができる。濾過
助剤としては、特に制限はないが、例えば、珪藻土、セ
ルロース等を用いることができ、濾過助剤の添加量は、
ポリオレフィン反応溶液に対し、0〜25重量%、好ま
しくは0〜20重量%、より好ましくは0〜15重量%
である。
【0033】上記遠心分離法は、遠心力により分離でき
る方法であれば特に制限はないが、遠心力としては、例
えば、1000G以上、好ましくは3000G以上、よ
り好ましくは5000G以上の遠心力を与える方法を用
いる。遠心時間は、遠心力にもよるが、例えば、1分〜
3時間、好ましくは5分〜2時間、より好ましくは10
分〜1.5時間である。遠心分離の温度は、ポリオレフ
ィン反応溶液の溶媒の沸点以下の温度であれば特に制限
はないが、0〜70℃、好ましくは5〜60℃、より好
ましくは10〜50℃である。
【0034】上記デカンテーション法は、ポリオレフィ
ン反応溶液中に不溶化して沈降した触媒金属成分を反応
溶液から静置分離する方法であって、触媒金属成分が完
全に沈降するまで静置した後、ポリオレフィン反応溶液
の上澄み液のみを流し出して回収する方法である。な
お、上澄み液側にコロイド状の沈殿物等が存在する恐れ
がある場合は、上澄み液を更に濾過方法、遠心分離法等
で処理することにより完全に沈殿物を除去するのが好ま
しい。
【0035】触媒金属成分を不溶化、沈殿除去する際の
ポリオレフィン反応溶液の粘度は、重合反応終了後、反
応停止剤(アルコール等)を加えたものを反応溶液とし
た場合、この反応溶液粘度は通常、100〜2000c
pである。沈殿物の濾過速度は、溶液粘度が低い方が早
いので、アルカリ成分及び水酸基を有する化合物で処理
する前に溶液に適宜溶剤を添加してその粘度をコントロ
ールしておくのが好ましい。具体的には、ポリオレフィ
ン反応溶液にベンゼン、キシレン、トルエン等の溶剤を
添加し、反応溶液の粘度が10〜1000cpになるよ
うに調製する。好ましくは30〜500cp、より好ま
しくは50〜200cpになるように調製する。
【0036】また、濾過又は遠心分離で得られたポリマ
ー溶液を、必要に応じて更に各処理工程に繰り返して付
して処理すれば、ポリオレフィンを更に精製することが
できる。
【0037】
【実施例】以下に本発明について実施例を挙げてさらに
詳細に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるも
のではない。なお、以下の実施例、比較例において、加
圧濾過は、アドバンテック東洋(株)製タンク付きステ
ンレスホルダーKST47(有効濾過面積:12.5c
)に同社製定量ろ紙No.5C(保留粒子径:1μ
m)を装着して行った。遠心分離は、株式会社佐久間製
作所製高速冷却遠心機50A−7を使用した。また、2
8%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液は、和光純
薬工業(株)製試薬を使用した。
【0038】実施例1 (1)重合反応 窒素ガスで十分に置換した500mlの金属製オートク
レーブに、キシレン82mlを入れ、−60℃に冷却し
た。この中に17.5mmolのジエチルアルミニウム
クロライド(DEAC)のキシレン溶液を入れ、さらに
260mlのプロピレンを液化して加えた。次に4.5
mmolのジメチルフタル酸のキシレン溶液と0.3m
molのV(2−メチル−1,3−ブタンジオナート)
のキシレン溶液を加え、重合を開始した。このときの
全量は375mlであった。反応系を−60℃に保った
まま8時間攪拌し、重合停止剤としてメタノールを75
mmol加え、室温に戻しつつ未反応プロピレンを気化
させた。75mlのキシレンを新たに加え、反応溶液を
オートクレーブより取り出した結果、ポリプロピレン含
有量が10重量%の反応溶液185gが得られた。この
とき、この反応溶液のpHは3であり、バナジウム含有
量、アルミニウム含有量は、それぞれ81重量ppm、
3233重量ppmであった。
【0039】(2)精製 上記反応溶液40gを100mlフラスコに入れ、50
℃のオイルバスで温めた。その中に28%のナトリウム
メトキシド/メタノール溶液0.71gとメタノール
1.84gを加え、50℃のオイルバスで温めつつ30
分間攪拌した。この時の反応溶液のpHは7であった。
攪拌後、溶液に濾過助剤として珪藻土5gを加えてさら
に攪拌し、均一のスラリーにした後、加圧濾過器に入
れ、4分毎に20kPa昇圧することにより濾過を行っ
た。その結果、濾過は、36分(圧力180kPaG)
で終了し、無色透明のろ液32gが得られた。この濾液
のバナジウム及びアルミニウム含有量を蛍光X線分析に
より定量したところ、それぞれ1ppm、3ppmであ
った。
【0040】実施例2 実施例1(1)で得られた反応溶液40gを100ml
フラスコに入れ、50℃のオイルバスで温めた。その中
に28%のナトリウムメトキシド/メタノール溶液0.
71gとメタノール1.84gを加え、50℃のオイル
バスで温めつつ30分間攪拌した。攪拌後、室温下で反
応溶液を遠心力9000Gで1時間、遠心分離したとこ
ろ、無色透明の上澄み液が35g得られた。この上澄み
液のバナジウム及びアルミニウム含有量を蛍光X線分析
により定量したところ、それぞれ2ppm、5ppmで
あった。
【0041】比較例1 実施例1(1)で得られた反応溶液40gを500ml
のメタノールに注ぎ入れてポリマーを析出させた。得ら
れたポリマーを塩酸メタノール100mlと混合するこ
とにより、触媒成分を塩酸メタノール層に抽出し、塩酸
メタノール層を捨てた。この塩酸メタノールによる抽出
を5回繰り返した後、ポリマーを減圧乾燥したところ、
3.7gのポリマーが得られた。このポリマーを30g
のキシレンに溶解させ、ポリマー/キシレン溶液のバナ
ジウム及びアルミニウム含有量を蛍光X線分析により定
量したところ、それぞれ3ppm、10ppmであっ
た。
【0042】実施例3 (1)重合反応 三方コックを接続した500mlガラス製二口フラスコ
を窒素ガスで十分に置換した。トルエン100mlを加
え、よく攪拌しながら減圧下で脱気を行った後室温でプ
ロピレンガスを導入した。トルエンにプロピレンが十分
に飽和した後、メチルアルミノキサン3Mトルエン溶液
10ml(30mmol)、メタロセン(CpZrC
)10mMトルエン溶液5ml(0.050mmo
l)を導入して重合を開始した。このとき全量は120
mlであった。室温で1時間攪拌した後、メタノールを
300mmol加えて重合を停止させ、未反応プロピレ
ンを気化させた。その結果、ポリプロピレン含有量6重
量%の反応溶液が110g得られた。このとき、この反
応溶液のジルコニウム含有量、アルミニウム含有量は、
それぞれ41重量ppm、7364重量ppmであっ
た。
【0043】(2)精製 100mlフラスコに上記反応溶液40gを入れ、50
℃のオイルバスで温めた。そこにメタノール2.0gを
加え、50℃のオイルバスで温めつつ30分攪拌した。
攪拌後、溶液に濾過助剤として珪藻土5gを加えてさら
に攪拌し、均一のスラリーにした後、溶液を加圧濾過器
に入れ、4分毎に20kPa昇圧することにより濾過を
行った。その結果、濾過は45分(圧力260kPa
G)で終了し、無色透明のろ液が33g得られた。この
濾液のジルコニウム及びアルミニウムの含有量を蛍光X
線分析により定量したところ、それぞれ3ppm、5p
pmであった。
【0044】実施例4 実施例3(1)で得られた反応溶液40gを100ml
フラスコに入れ、50℃のオイルバスで温めた。その中
にメタノール2.0gを加え、50℃のオイルバスで温
めつつ30分攪拌した。攪拌後、室温下で溶液を遠心力
9000Gで1時間遠心分離したところ、無色透明の上
澄み液が35g得られた。この上澄み液のジルコニウム
及びアルミニウム含有量を蛍光X線分析により定量した
ところ、それぞれ2ppm、8ppmであった。
【0045】比較例2 実施例3(1)と同じ反応溶液40gを500mlのメ
タノールに注ぎ入れてポリマーを析出させた。得られた
ポリマーを塩酸メタノール100mlと混合することに
より、触媒成分を塩酸メタノール層に抽出し、塩酸メタ
ノール層を捨てた。この塩酸メタノールによる抽出を5
回繰り返した後、ポリマーを減圧乾燥したところ、ポリ
マーが2.2g得られた。このポリマーを30gのキシ
レンに溶解させ、ポリマー/キシレン溶液のジルコニウ
ム及びアルミニウム含有量を蛍光X線分析により定量し
たところ、それぞれ6ppm、10ppmであった。
【0046】
【発明の効果】本発明のポリオレフィンの精製方法によ
り、均一溶液重合後のポリオレフィン反応溶液から、少
ない工程で、多量の溶媒を使用することなく、十分な量
の触媒残渣を取り除くことができ、処理後のポリオレフ
ィン溶液中の金属成分(多価金属イオン)濃度を10p
pm未満にすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 裕之 神奈川県横浜市港北区下田町5−8−243 (72)発明者 今西 邦彦 神奈川県横浜市磯子区汐見台1−5−1504 −422 Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03P AA04Q AA16Q AA17Q CA01 CA04 CA05 FA08 FA19 GA06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 均一系の金属錯体触媒を用いてオレフィ
    ンを重合して得られるポリオレフィンの精製方法であっ
    て、オレフィンを重合して得られるポリオレフィン反応
    溶液に、水酸基を有する化合物を添加して金属錯体触媒
    成分を不溶化させて除去することを特徴とするポリオレ
    フィンの精製方法。
  2. 【請求項2】 水酸基を有する化合物が、水、アルコー
    ル、多価アルコールまたはカルボン酸から選ばれる少な
    くとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に
    記載のポリオレフィンの精製方法。
  3. 【請求項3】 水酸基を有する化合物を反応溶液に対し
    て、1〜100重量%を添加することを特徴とする請求
    項1又は2に記載のポリオレフィンの精製方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083287A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Kaneka Corp ビニル系重合体の製造方法
JP2008024736A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 環状オレフィン系重合体の製造方法
JP2008069251A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Kaneka Corp ビニル系重合体の製造方法
US9056931B2 (en) 2011-07-13 2015-06-16 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Method for producing olefin polymer

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