JP3671253B2 - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリオレフィンの製造方法に関し、特に、飽和炭化水素を分散媒として使用する重合法において、高い重合活性でポリオレフィンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィンは、各種の重合法により製造することができるが、高い重合活性でポリオレフィンを製造する方法には困難を伴う。
本発明者等の鋭意検討によれば、ポリオレフィンの重合において、イソブタン、ヘキサン等の飽和炭化水素を重合用の分散媒とし、メタロセン触媒よりなる重合用触媒の存在下に、エチレン、プロピレン等オレフィンモノマーをスラリー重合または溶液重合させ、ポリオレフィンを得る際に、前記重合用の分散媒として、イソブタンを主成分としたC4留分などを用いた場合、その分散媒中にメタンチオール等の特定の硫黄原子含有化合物が含まれていると、重合活性が落ち、高重合活性でポリオレフィンを製造することができないことが判った。
従来から、ポリオレフィンの重合において、高重合活性化を目的として、様々の面からその高重合活性化の目論みがなされている。
例えば、特開昭61−76425号公報には、炭化水素中の不純物を取り除くことで高活性化を図る技術が記載されている。しかし、ここで言っている炭化水素とは、エチレン、プロピレン等のオレフィンを意味し、当該オレフィンモノマーを、ニッケルを含有しそのニッケルが酸化ニッケル及び金属ニッケルである吸収材と接触させて、硫化カルボニル(COS)を除去することが、触媒活性の持続に有効であると記載されているが、本発明者等の検討によれば、当該技術では、液化したモノマー中で行なう、例えば、プロピレンバルクスラリー重合やエチレンの高圧液相重合法や気相重合では効果があっても、上記のようなスラリー重合法や溶液重合法では充分ではないことが判った。
他に、モノマ−中の不純物を取り除くことで高活性化を図る試みとして、特開昭62−29535号公報には、酸化亜鉛を用いて、炭化水素特にプロピレン等のポリオレフィンから硫化カルボニルを除去する技術が記載されており、また、ベルギー特許901355号には、有機アルミニウムを接触させたアルミナを用いて炭化水素中の不純物を除去する方法が記載されているが、同様に、上記のようなスラリー重合法や溶液重合法では充分ではない。一方、特開昭57−28108号公報には、プロピレン等のオレフィンと炭化水素溶媒の存在下で、有機マグネシウム錯体、クロルシラン化合物、チオフェン−2−カルボン酸エステル及び四塩化チタンとの反応による固体触媒等の重合用触媒を用いて、スラリー重合法により、オレフィンを重合乃至共重合する製造方法が記載されており、当該公報では、プロピレン等のオレフィンおよび当該炭化水素溶媒について、これらの中に含まれるCOS、活性硫黄化合物等を除去すれば、立体規則性の向上効果を発現させる上でより一層好ましいと記載されているが、当該公報に記載の発明は、元々、使用する重合触媒の高活性化により重合の高活性化を図ろうとするもので、当該オレフィンおよび炭化水素溶媒からの具体的な精製手段について触れる記載はない。
ところで、飽和炭化水素中の不純物を取り除く方法として、特開平3−31304号公報には、水洗、蒸留、吸着、水素添加の工程を含む方法が、特開昭58−189123号公報には、アミンとの反応によってC5留分中の二硫化炭素を除去する方法が、米国特許5082987号には、モレキュラーシーブスによりイソペンタン中の硫黄化合物を除去する方法が、また、特開昭61−125435号公報には、有機アルミニウムを接触させた金属酸化物を用いて炭化水素中の不純物を除去する方法が記載されているが、いずれもこれらの方法では、重合活性の面での効果は充分ではなく、例えば、モレキュラーシーブスによる除去方法では充分ではないことは、後述の比較例にも示す通りである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、かかる従来技術の有する欠点を解消することができる技術を提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、イソブタン、ヘキサン等の飽和炭化水素を重合用の分散媒とし、[A]周期律表第4族の遷移金属化合物と、[B](B−1)アルミノキサンまたは(B−2)当該第4族遷移金属化合物と反応してイオン性錯体を形成し得る化合物とからなるメタロセン触媒を重合用触媒として、ポリオレフィンを製造する方法であって、前記重合用の分散媒が、還元ニッケルまたはラネーニッケルよりなる吸着剤と、接触温度0〜80℃、液基準の空間速度0.2〜30hr −1 の範囲で接触させて、当該重合用の分散媒中に含まれている一般式RSH(但し、式中のRは炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、一般式RSR(但し、式中のR 及びR はそれぞれ炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、二硫化炭素および/またはチオフェン類を除去してなることを特徴とするポリオレフィンの製造方法に係るものである。
本発明の好ましい実施態様は、上記重合用の分散媒としての飽和炭化水素が、スラリー重合法に用いられる飽和炭化水素で、イソブタンを主成分としたC4留分であること、そして、当該重合用の分散媒中に含まれている一般式RSH(但し、式中のRは炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、特に、メタンチオールまたはプロパンチオールを、還元ニッケルまたはラネーニッケルよりなる吸着剤により、特定の含有量以下まで除去するポリオレフィンの製造方法にある。
【0005】
次に、本発明について詳述する。
重合用の分散媒(飽和炭化水素)
本発明において重合用の分散媒として使用される飽和炭化水素とは、ポリオレフィンの重合、特にスラリー重合法または溶液重合法に用いられる分散媒を指す。スラリー重合法または溶液重合法での重合温度は一般的に50〜250℃であり、分散媒としてはこの温度での蒸気圧が工業的に許容範囲であることが重要である。即ち、使用温度での蒸気圧が20気圧以下、好ましくは15気圧以下である。このため、分散媒として使用される飽和炭化水素は一般的に炭素数で4〜12の炭化水素である。これらの単体であってもよいが、工業的には同程度の沸点を持つ炭化水素の混合物を使用すればよい。
スラリー重合については、重合後の製品中からの分散媒除去の容易さからイソブタン等のC4留分を用いることが好ましいが、ヘキサン等のC6留分を用いてもよい。
160〜240℃のような高温で行なう溶液重合法(高温溶液重合法)に用いられる分散媒としては、ヘキサンなどのC6留分やC8〜12留分が用いられる。C8〜12留分としてはエクソンケミカル社から入手可能なイソパ−ルE(商品名)や出光興産社から入手可能なイソパラフインなどがある。
【0006】
除去硫黄原子化合物
本発明に係る上記飽和炭化水素中から除去されるべき硫黄原子化合物は、重合に使用する分散媒の沸点とほぼ同程度の沸点を持つ化合物である。つまり、当該硫黄原子含有化合物とは、−15〜250℃の沸点を持つ化合物である。当該硫黄原子含有化合物を具体的に示すと、一般式
SH・・・(1)
(但し、式中のRは炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、一般式
SR・・・(2)
(但し、式中の 及びR はそれぞれ炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、二硫化炭素、チオフェン類から選ばれる少なくとも1種の硫黄原子含有化合物である。具体的に示すと、一般式(1)のRSHで表される化合物としては、メタンチオ−ル、エタンチオ−ル、プロパンチオ−ル、ブタンチオ−ル、ヘキサンチオ−ル、ベンゼンチオ−ル等が例示でき、一般式(2)のRSRで表される化合物としては、硫化メチル、硫化エチル、硫化プロピル、硫化ブチル等が例示でき、また、チオフェン類としては、チオフェン、テトラヒドロチオフェン等が例示できる。
上述したように分散媒として用いる飽和炭化水素中に含まれる硫黄原子含有化合物の種類は当該飽和炭化水素の沸点と密接な関係があり、それぞれの飽和炭化水素について各々異なった硫黄原子含有化合物が存在する。具体的には、C4留分からは一般式(1)のRSH(但し、式中のRは炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物特にメタンチオ−ル、プロパンチオ−ルを取り除くことが望ましく、C6留分からは二硫化炭素または一般式(2)のRSR(但し、式中のR及びRはそれぞれ炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物特に硫化メチルを取り除くことが望ましい。また、C8〜12留分からはブタンチオ−ル、ベンゼンチオ−ル、硫化エチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェンを取り除くことが望ましい。
【0007】
メタロセン触媒
本発明においてオレフィン重合用触媒とし使用されるメタロセン触媒とは、[A]周期律表第4族の遷移金属化合物(族は無機化学命名法1990年規則による)と、[B](B−1)アルミノキサンまたは(B−2)当該第4族遷移金属化合物と反応してイオン性錯体を形成し得る化合物とからなるメタロセン触媒である。
【0008】
遷移金属化合物
上記[A]周期律表第4族の遷移金属化合物としては、次の化1における一般式(3)、一般式(4)、または、一般式(5)で表される遷移金属化合物を例としてあげることができる。
【0009】
【化1】
Figure 0003671253
【0010】
但し、上記一般式(3)〜(5)中のR〜R12は、水素原子、炭化水素基、アルキルシリル基、アルキルゲルミル基、または炭素炭素結合を持つ4〜6員環であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。当該炭化水素基の例としては、炭素数1〜20を有するアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキルなどを挙げることができる。
一般式(4)中のR13は、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキルゲルミレン基またはアルキルシリレン基である。一般式(3)〜(5)中のQおよびQは、炭素数1〜20のアリール、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキルなどの炭化水素基、アルコキシ、アリロキシ、シロキシ、水素もしくはハロゲンであり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
一般式(5)中のYは、−O−、−S−、−NR14−、−PR14−であるか、または−OR14−、−SB14−、−NR1415−、−PR1415−(但し、R14およびR15は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20を有するアルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキルなどの炭化水素基、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリールである。)からなる電子供与体リガンドである。
一般式(3)〜(5)中のMeは、周期律表第4族の遷移金属である。
また、一般式(3)中のPは、0または1の数である。
【0011】
上記一般式(3)〜(5)における周期律表第4族の遷移金属であるMeとしては、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれるのが好ましく、特に、ジルコニウム、ハフニウムが好ましい。
〜R12における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、フェニル基などが例示でき、また、アルキルシリル基としては、トリメチルシリル基などが例示でき、さらに、アルキルゲルミル基としては、トリメチルゲルミル基などが例示できる。
上記一般式におけるシクロペンタジエニル配位子としては、例えば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、t−ブチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基等のアルキル置換シクロペンタジエニル基、また、同様の置換基を有するあるいは有さないインデニル基、フルオレニル基などが例示できる。
一般式(4)中のR13におけるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、テトラヒドロピラン−4−イリデン基、ジフェニルメチレン基などが例示でき、また、アルキルゲルミレン基としては、ジメチルゲルミレン基、ジフェニルゲルミレン基などが例示でき、さらに、アルキルシリレン基としては、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基などが例示できる。
一般式(3)〜(5)中のQおよびQにおける炭素数1〜20のアリ−ル、アルキル、アルケニル、アルキルアリ−ル、アリ−ルアルキルなどの炭化水素基の例としては、上記と同様のものが例示できる。一般式(5)中のYにおけるR14およびR15の炭素数1〜20を有するアルキル、アルケニル、アリ−ル、アルキルアリ−ル、アリ−ルアルキルなどの炭化水素基の例としては、上記と同様のものが例示できる。また、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリ−ルにおけるこれらアルキルおよびアリ−ル例としては、上記と同様のものが例示できる。当該Yとしては、−NR14−、−PR14−型のリガンドが好ましい。
【0012】
以下、一般式(3)〜(5)で表される周期律表第4族の遷移金属化合物についてMeがジルコニウムである場合の具体的な化合物を例示する。
一般式(3)で表される遷移金属化合物として、
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
シクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、
シクロペンタジエニルジルコニウムトリメチル、
ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、
ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリメチルなどが例示できる。
【0013】
また、一般式(4)で表される遷移金属化合物として、
ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロリデンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(4.5.6.7.−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロリデンビス(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロリデンビス(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロリデンビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロリデンビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルインデニル)ジルコニウムジメチル
などが例示できる。
【0014】
一般式(5)で表される遷移金属化合物として、
エチレン(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレン(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ジメチルシリレン(ベンジルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、
ジメチルシリレン(フェニルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
などが例示できる。
【0015】
上記のようなジルコニウム化合物において、ジルコニウムをハフニウムあるいはチタニウムに変えた遷移化合物を例示することもできる。
また、本発明の遷移化合物の使用については、上述した遷移金属化合物から1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
アルミノキサン
次に、オレフィン重合用触媒における[B](B−1)アルミノキサンについて説明する。
当該アルミノキサンとしては、例えば、次の化2における一般式(6)または一般式(7)で表される有機化合物が挙げられる。
【0017】
【化2】
Figure 0003671253
【0018】
上記一般式(6)および一般式(7)におけるR16は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基であり、好ましくは、メチル基、イソブチル基である。
また、式中のmは、1から10の整数であり、好ましくは4以上とりわけ8以上である。この種の化合物の製法は、公知であり例えば結晶水を有する塩類を例えば硫酸銅水和物、硫酸アルミ水和物を含む炭化水素溶媒懸濁液にトリアルキルアルミニウムを添加して得る方法や炭化水素溶媒中でトリアルキルアルミニウムに、固体、液体あるいは気体状の水を作用させる方法を例示することができる。
【0019】
本発明では、また、前記化2における一般式(8)または一般式(9)で表されるアルミノキサンを用いてもよい。
当該一般式(8)および一般式(9)におけるR17は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基であり、好ましくは、メチル基、イソブチル基である。また、R18は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基あるいは塩素、臭素のハロゲン、水素原子、水酸基から選ばれる。R17およびR18は、同一でも異なっていてもよい。
mは、通常1から100の整数であり、好ましくは3以上であり、m+nは、2から100、好ましくは6以上である。
当該化2における一般式(10)または一般式(11)で示されるユニットがブロック的に結合したものであっても、規則的にあるいは不規則的にランダムに結合したものであってもよい。
このようなアルミノキサンの製法は、前述したアルミノキサンと同様であり、1種類のトリアルキルアルミニウムの代わりに、2種類のトリアルキルアルミニウムを用いるか、1種類以上のトリアルキルアルミニウムと1種類以上のジアルキルアルミニウムモノハライドあるいはジアルキルアルミニウムモノハイドライドなどを用いればよい。
また、本発明に係る有機アルミニウムオキシ化合物として、加熱処理または水などで処理したアルミノキサンを用いてもよい。
さらに、本発明に係る有機アルミニウムオキシ化合物として、上記一般式(6)、(7)、(8)、(9)の2種あるいはそれ以上を混合して用いてもよい。
【0020】
イオン性錯体を形成し得る化合物
次に、第4族遷移金属化合物と反応してイオン性錯体を形成し得る化合物(B−2)としては、ルイス酸、イオン性化合物などを挙げることができる。ルイス酸としては、マグネシウム含有ルイス酸、アルミニウム含有ルイス酸、ホウ素含有ルイス酸などが挙げられ、その中でホウ素含有ルイス酸が好ましい。ホウ素含有ルイス酸として、具体的には次の一般式(12)で示される化合物が例示できる。
BR192021 ・・・(12)
[但し、式中、R19、R20、R21は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子を示す。]。
上記一般式(12)で示される化合物の具体例としては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。これらの内では、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンが特に好ましい。
また、上記イオン性化合物とは、カチオン性化合物とアニオン性化合物からなる塩である。アニオン性化合物は、前記遷移金属化合物[A]と反応し、当該遷移金属化合物をカチオン化させ、また、遷移金属化合物のカチオンとイオン対を形成することにより当該カチオンを安定化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、立体的に比較的かさ高く、遷移金属カチオンを安定化させるものが好ましい。具体的には、次の化3の一般式(13)で示される化合物が例示できる。
【0021】
【化3】
Figure 0003671253
【0022】
但し、上記一般式(13)中、Mは、周期律表第5族から第15族から選ばれる金属であり、好ましくはアルミニウムあるいはホウ素である。X、X、X、Xは、それぞれ水素原子、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基、有機メタロイド基またはハロゲン原子を示し、好ましくはアリール基であり、更に好ましくはペンタフルオロフェニル基あるいはフェニル基である。式中、Cは、カルボニウム、アンモニウム、フェロセニウムなどのカウンターカチオンを示す。mは、Mの原子価で1〜7の整数、nは、2〜8の整数である。
具体的にこれらの化合物を例示すると、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、
トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、
トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、
ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、
トリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、
トリプロピルアンモニウムテトラ(3,5トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、
トリブチルアンモニウムテトラ(0−トリル)ホウ素、
トリチルトリ(ペンタフルオロフェニル)メチルホウ素、
などを例示することができる。好ましくは、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のジメチルアニリニウム塩、あるいはトリメチルカルボニウム塩である。
【0023】
当該重合触媒におけるそれぞれの成分は、固体状で用いてもよいし、不活性溶媒に溶解して用いてもよい。ここで用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素などを用いることができる。
また、当該メタロセン触媒の各成分の少なくとも1つが微粒子状の担体に担持されていてもよい。用いられる担体としては、シリカ、アルミナなどの金属酸化物が例示できる。
【0024】
有機アルミニウム化合物の共用
本発明で用いられるメタロセン触媒において、重合時に有機アルミニウム化合物と共に用いるのが好ましい。重合時に用いられる有機アルミニウム化合物は特に限定はないが、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ(n−ブチル)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ(sec−ブチル)アルミニウム、トリ(tert−ブチル)アルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリシクトヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルキルアルミニウムハライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジエチルアルミニウムフエノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;あるいはアルミノキサンなどの中から選ばれる。その中で、トリアルキルアルミニウム、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムから選ばれるのが好ましい。
【0025】
吸着剤
本発明で使用される吸着剤としては、還元ニッケル吸着剤あるいはラネーニッケル吸着剤が、安価な上、ニッケル含量も多く吸着能力も大きいため好ましい。
【0026】
還元ニッケル吸着剤
当該還元ニッケル吸着剤は、ニッケル単体を還元して用いることもできるが、一般には種々の支持体と組み合わせて用いることが好ましい。
当該還元ニッケル吸着剤で用いられる支持体としては、一般的にはケイソウ土が用いられるが、その他シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナなどを用いることができる。
当該還元ニッケル吸着剤は、約20〜70重量%の金属ニッケルおよび30〜80重量%の支持体を含有してなる。ニッケルとしては、金属ニッケルと酸化ニッケルの両方で存在し、全体のニッケルの40〜70重量%が金属ニッケルとして存在することが望ましい。
還元ニッケル吸着剤は、周知の方法で調製できる。一般的製法を以下に示す。
硝酸ニッケルあるいは硝酸ニッケル水溶液に支持体を加え、60〜70℃で撹拌下、炭酸ナトリウムあるいは水酸化ナトリウムもしくは炭酸アンモニウムの水溶液を加えて、支持体上に塩基性炭酸あるいは水酸化ニッケルを沈殿させる。これを充分水洗し、ろ過して100℃で乾燥する。さらに、300〜350℃で酸化物とした後、350〜450℃で水蒸気流下還元する。
本発明で用いられる吸着剤は、粉砕物でも成型品を用いてもよいが、得られた吸着剤の粒径は吸着槽での圧力損失の問題と吸着能力の関係から約1mm〜3mmの範囲であることが好ましい。
【0027】
ラネ−ニッケル吸着剤
ラネ−ニッケル吸着剤の調製法は周知の方法で行なうことができる。一般的製法を以下に示す。45〜60重量%のAlにニッケルまたはニッケルと他の金属を融解して、主としてAlとニッケルの合金(ラネーニッケル合金)を製造し、次いで、合金を適当な粒度に破砕した後、アルカリまたは酸を用いて展開する方法、または溶融ラネーニッケル合金を水アトマイズ、回転水アトマイズまたはガスアトマイズ法などを用いて急冷凝固して合金粒子を製造した後、展開する方法が使用される。アルカリとしては水酸化ナトリウムが効率的かつ経済的であるために多用されている。
また、ラネーニッケル吸着剤は、展開の後のアルミニウム含量を少なくすると吸着剤の機械的強度が低く固定床で使用する際は問題となる可能性があり、多過ぎると硫黄原子含有化合物の除去能力が低くなる。そこで、吸着剤としてラネーニッケルを用いる場合は、アルミニウム含量を20〜40%にすることが望ましい。
【0028】
重合用分散媒の精製の様式
本発明で重合用分散媒の飽和炭化水素と上記吸着剤との接触方法は、任意の方法をとることができる。例えば、当該炭化水素中に吸着剤を添加し撹拌した後、ろ別する方法、吸着剤を充填した塔状体、または槽状体に当該飽和炭化水素を通すことによっても処理できる。
【0029】
重合用分散媒処理条件
接触温度
本発明に係る飽和炭化水素と、ニッケル原子を含有してなる吸着剤との接触温度は、通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃の範囲である。
処理時圧力
処理時の圧力は、本発明に係る飽和炭化水素が液体として存在している範囲であれば問題ないが、常圧〜60気圧の範囲が好ましい。
流速[LHSV(hr−1)、GHSV(hr−1)]
接触時間は当該飽和炭化水素中の硫黄原子含有化合物の濃度、処理温度等によるが、液基準の空間速度(LHSV、触媒単位体積当りの液流通速度)で0.2〜30hr−1の範囲が好ましい。
【0030】
吸着剤の再生
本発明に係る吸着剤は、適当な方法で処理した後、再利用することができる。例えば、具体的な方法としては、水素などの還元性ガスで50〜150℃の温度で還元することにより容易に再生することができる。
飽和炭化水素からの水の除去
本発明に係る飽和炭化水素は、吸着剤と接触させる場合、HOを含有している場合には、予じめ適切な方法で除去しておくことが望ましい。具体的には、モレキュラシーブス3Aあるいは4Aなどと接触させることにより除去する。
【0031】
硫黄原子含有化合物の検出法
当該飽和炭化水素に含有される硫黄原子含有化合物の定量は公知の方法で行なえる。例えば、検出器としてFPD(Flame Photometric Detector)を用いたガスクロマトグラフイ−(GC)GC−MS、API(大気圧イオン化)−MSなどの測定装置が利用できる。これらの中でFPD検出器を用いたGCが簡便で有効な方法であるが、より精度を上げるためにはAPI−MSが検出限界が低く有用である。
【0032】
オレフィン重合方法
本発明は、特定の硫黄原子含有化合物を特定の吸着剤により除去した飽和炭化水素を重合用の分散媒とし、メタロセン触媒を重合用触媒の存在下、スラリー重合または溶液重合により、ポリオレフィンを製造する方法に係るものであるが、次に当該重合方法について説明する。
重合方法
本発明に係る重合方法は、重合系内にモノマ−以外の分散媒が存在する重合法で、具体的にはスラリ−重合法、溶液重合法が用いられる。
本発明でいうスラリ−重合法とは、ポリマ−の融点以下で実質的にポリマ−が炭化水素分散媒中に溶解しない条件下で重合を行なう方法である。スラリ−重合法にはイソブタンなどの低沸点媒体を用いる方法と、ヘキサンなどの高沸点媒体を用いる方法とがある。また、本発明でいう溶液重合法とは、ポリマ−の融点以上でポリマ−が炭化水素分散媒中に溶解した条件下で重合を行なう方法である。
【0033】
本発明により、エチレン、プロピレンなどのオレフィンモノマ−からポリオレフィンを得ることができる。ホモ重合も共重合も可能である。共重合の例には、エチレンとα−オレフィンとの共重合が挙げられ、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1およびスチレンなどの炭素数3〜15の不飽和炭化水素が例示できる。一般にはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1または4−メチルペンテン−1である。
【0034】
本発明により、飽和炭化水素を重合用の分散媒とし、メタロセン触媒よりなる重合用触媒の存在下、スラリー重合または溶液重合により、ポリオレフィンを製造する際に、当該重合触媒における重合活性を増大せしめ得る。メタロセン触媒使用下において、20倍以上の高活性化が見出された。
本発明では、吸着剤と接触させた後の硫黄原子含有化合物の分散媒中の含有量は、30ppb以下であることが好ましく、より好ましくは20ppb以下である。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
ニッケル触媒の調製
ラネーニッケル触媒の調製(Ni−1)
市販のNi/Al重量比率50/50の合金(粒径1〜7mm)を不活性ガス雰囲気下、Alに対して10倍当量の20%水酸化ナトリウム水溶液に徐々に加え、温度を50℃に保ちながら溶解させた。展開後の組成はNi63%、Al37%であった。デカンテーションでアルカリを除き、水で3回洗浄した。ラネーニッケルは空気との接触を避けるために水に浸した状態で保管してあるので、水切りを行ない脱気したTHFにて十分洗浄した後、THFを減圧下で留去して使用した。
精製処理
使用に際しては、内径50mm高さ500mmのステンレス・スチール(SUS)製容器にラネ−ニッケル吸着剤を800ml加え、下方より上昇流で液化イソブタンを主成分とするC4留分(以下、単に、イソブタンという)を流通させた。
還元ニッケル触媒の調製(Ni−2)
吸着剤としては、市販還元ニッケル触媒(エンゲルハルト社製)を用いた。組成はNi;31重量%、NiO;39重量%、支持体30重量%であった。
精製処理
使用に際しては、内径50mm、高さ500mmのSUS製容器に還元ニッケル吸着剤を800ml加え、下方より上昇流で液化イソブタンを流通させた。
重合触媒の調整法
メタロセン触媒の調製
担持型アルミノキサンの調製
十分に窒素置換した300mlのフラスコにトルエン80mlとシリカ(デビソン社製グレ−ド952を600℃、8時間焼成したもの)5gを加え、この懸濁液にメチルアルミノキサン[東ソ−アクゾ社製、1.3M(Al原子換算]トルエン溶液、メチル基/アルミニウム原子=1.32)33mlを加え、80℃にて4時間加熱撹拌した。トルエンで2回洗浄を行ない、シリカ担持アルミノキサンを得た。
【0037】
実施例1
[スラリー重合]
十分に窒素置換した内容積1.5lのSUS製オ−トクレ−ブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.5mol/l)を3.2ml,上記調製した担持型アルミノキサン30mg、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.14mgをヘキサン5mlに溶解した溶液、およびNi−1を装入した精製塔を通過したイソブタン800mlを8L/hr(LHSV 10hr−1)で導入した後、70℃に昇温した。エチレンをオ−トクレ−ブに導入することで重合を開始し、全圧20kG、70℃にて30分間重合を行なった。結果を表1に示すが、アルミノキサン当りの活性は2500g/g−MAO・hr・atmであった。この時、精製塔通過前のイソブタン中には硫黄原子含有化合物としてメタンチオ−ルのみが210ppb検出されたが、精製塔通過後は14ppbであった。
【0038】
実施例2
Ni−2を装入した精製塔を通過させたイソブタンを用いた以外は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。この時、精製塔通過後では210ppbのメタンチオールが検出されたが、精製塔通過後は20ppbであった。
【0039】
実施例3
イソブタンの導入速度を4L/hr(LHSV 5hr−1)とした以外は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。この時、精製塔通過後では10ppbのメタンチオールが検出された。
【0040】
実施例4
イソブタンの導入速度を4L/hr(LHSV 5hr-1)とした以外は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。この時、精製塔通過後では15ppbのメタンチオ−ルが検出された。
【0041】
実施例5
イソブタンの代わりにNi−2を通過させたヘキサンを主成分とするC6留分(以下、単に、ヘキサンという)を用いた以外は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。この時、精製塔通過前のヘキサン中には硫黄原子含有化合物としてプロパンチオ−ルのみが135ppb検出されたが、精製塔通過後は17ppbであった。
【0042】
実施例6
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの代わりにエチレンビスインデニルジルコニウムジクロリド0.15mgをトルエン5mlに溶解した溶液を用いた以外は実施例2と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0043】
比較例1
精製塔通過前のイソブタンを用いた以外は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0044】
比較例2
吸着剤としてモレキュラーシーブス(MS4A)を用いた以外は実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0045】
比較例3
精製塔通過前のヘキサンを用いた以外は実施例5と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0046】
比較例4
十分に窒素置換した内容積1.5lのSUS製造オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.5mol/l)を3.2ml,上記調製した担持型アルミノキサン30mg、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.14mgをヘキサン5mlに溶解した溶液、および精製塔を通過前のイソブタン800mlを導入した後、70℃に昇温した。Ni−2を装入した精製塔をGHSV(触媒単位体積当りのガス流通速度)1000hr−1で通過させたエチレンをオートクレーブに導入することで重合を開始し、全圧20kG、70℃にて30分重合を行なった。結果を表1に示すが、アルミノキサン当りの活性は140g/g−MAO・hr・atmであった。
【0047】
比較例5
精製塔通過前のイソブタンを用いた以外は実施例6と同様に行なった。結果を表1に示す。
【0048】
実施例7
[高温溶液重合]
十分に窒素置換した内容積1.5lのSUS製オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.5mol/l)を3.2ml,上記調製した担持型アルミノキサン30mg、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド0.14mgをヘキサン5mlに溶解した溶液、およびNi−1を装入した精製塔を通過したイソブタン800mlを8L/hr(LHSV 10hr-1)で導入した後、150℃に昇温した。エチレンをオートクレーブに導入することで重合を開始し、15分間重合を行なった。アルミノキサン当りの活性は4600g/g−MAO・hr・atmであった。この時、精製塔通過前のイソパラフインソルベント中には硫黄原子含有化合物としてブタンチオール、ベンゼンチオール、硫化エチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェンが存在し、その合計量として190ppb検出されたが、精製塔通過後は17ppbであった。
【0049】
【表1】
Figure 0003671253
【0050】
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、イソブタン、ヘキサン等の飽和炭化水素を重合用の分散媒とし、メタロセン触媒を重合用触媒として使用し、エチレン等モノマーをスラリー重合または溶液重合させ、ポリオレフィンをスラリー重合法または溶液重合法により得る際に、高重合活性でポリオレフィンを製造することができる。

Claims (6)

  1. イソブタン、ヘキサン等の飽和炭化水素を重合用の分散媒とし、
    [A]周期律表第4族の遷移金属化合物と、[B](B−1)アルミノキサンまたは(B−2)当該第4族遷移金属化合物と反応してイオン性錯体を形成し得る化合物とからなるメタロセン触媒を重合用触媒として、ポリオレフィンを製造する方法であって、前記重合用の分散媒が、還元ニッケルまたはラネーニッケルよりなる吸着剤と、接触温度0〜80℃、液基準の空間速度0.2〜30hr−1の範囲で接触させて、当該重合用の分散媒中に含まれている一般式RSH(但し、式中のRは炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、一般式RSR(但し、式中のR1及びはそれぞれ炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、二硫化炭素および/またはチオフェン類を除去してなることを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
  2. 重合用の分散媒としての飽和炭化水素が、スラリー重合法に用いられる飽和炭化水素である、請求項1に記載のポリオレフィンの製造方法。
  3. 重合用の分散媒としての飽和炭化水素が、イソブタンを含有する飽和炭化水素である、請求項1または2に記載のポリオレフィンの製造方法。
  4. 重合用の分散媒中に含まれているRSH(但し、式中のRは炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物が、メタンチオールまたはプロパンチオールである、請求項1、2または3に記載のポリオレフィンの製造方法。
  5. 接触温度が、10〜50℃の範囲である、請求項1、2、3または4に記載のポリオレフィンの製造方法。
  6. 吸着剤と接触させた後の分散媒中に含まれている一般式RSH(但し、式中のRは炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、一般式RSR(但し、式中のR1及びはそれぞれ炭素数1〜9の炭化水素基)で表される化合物、二硫化炭素および/またはチオフェン類の含有量が30ppb以下である、請求項1、2、3、4または5に記載のポリオレフィンの製造方法。
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