JP3418956B2 - 重合停止剤 - Google Patents

重合停止剤

Info

Publication number
JP3418956B2
JP3418956B2 JP00385694A JP385694A JP3418956B2 JP 3418956 B2 JP3418956 B2 JP 3418956B2 JP 00385694 A JP00385694 A JP 00385694A JP 385694 A JP385694 A JP 385694A JP 3418956 B2 JP3418956 B2 JP 3418956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
acetate
propylene
ethylene
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00385694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07206911A (ja
Inventor
優 笹井
仁美 竹内
順一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP00385694A priority Critical patent/JP3418956B2/ja
Publication of JPH07206911A publication Critical patent/JPH07206911A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3418956B2 publication Critical patent/JP3418956B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にプロピレン、エチ
レン、あるいは他のα−オレフィンの重合の停止に使用
される重合停止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高活性のチーグラー型触媒が開発
され、重合体中の触媒残査をアルコールやカセイソーダ
等で抽出あるいは中和除去しなくとも、重合体中の触媒
残査の量が極めて少ないため、重合体の熱安定性等の物
性が触媒除去を施したものと何等遜色ないものが得られ
ている。しかし、高活性触媒を用いた場合には、アルコ
ール類等の極性化合物を使用しないため重合溶媒や未反
応モノマー類の再使用のための精製工程が簡易化される
といった利点があるものの、活性な触媒が残存している
ため重合槽を出た後での重合、いわゆる後重合が進行し
重合体の分子量や分子量分布、あるいは組成等が変化し
てしまうといった問題を有している。特にオレフィン系
熱可塑性エラストマーであるプロピレンとエチレンある
いは他のα−オレフィンとの共重合では、上記の後重合
が進行する結果、一定組成の共重合体が得られない上に
粒子流動性が悪化し、ラインの閉塞を招くといった問題
を有している。
【0003】この問題を解決する方法として、所定の重
合反応後、重合停止剤を添加する方法が挙げられる。特
開昭62−232404号公報では、アルコール類やエ
ーテル類を用いて重合を停止させる方法が開示されてい
るが、メタノール、エタノール等のアルコール類や、フ
ェノール、クレゾール等のフェノール類、また、一酸化
炭素等のカルボニル基含有ガス類等の一般的重合停止剤
を用いると、重合の停止には極めて有効であるが、触媒
毒としての作用が強すぎるため重合槽に少量でも残存し
た場合に次バッチの活性低下を招くといった問題があ
る。
【0004】また、特開昭59−74104号公報、同
59−71310、同59−68304、同59−98
107、同60−60115等の公報では不揮発性の重
合停止剤、例えば、アルミニウムアルコキシド類、チタ
ン酸エステル類、カルボン酸塩、リン酸エステル類、ま
た、エチレンとメタクリル酸エステル類や(メタ)アク
リル酸塩との共重合体を用いることにより、未反応モノ
マーや不活性炭化水素溶媒を分離することが容易とな
り、モノマー類および不活性炭化水素溶媒の再使用が簡
単な精製工程のみで可能となり、また、後重合が防止さ
れるといった改良がなされたが、使用する重合停止剤が
ポリマー中に残存することや共重合体を重合停止剤とし
て用いる場合は別途重合する必要があるといった問題を
有している。
【0005】また、特開昭59−74101号公報で
は、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから
なる触媒を用いて、エチレンプロピレン系ゴムの溶液重
合による製造に際し、ポリエチレングリコールのアルキ
ルエステル類や環状エステル類等を用いて重合を停止さ
せ、触媒残査のないゴムを得る方法を開示しているが、
得られた重合体の分離が煩雑であるといった問題があっ
た。
【0006】一方、特開平5−51415号公報で用い
られている電子供与体であるメタクリル酸メチル等のメ
タクリル酸エステル類は、重合停止剤としての効果はあ
るが、重合が停止するまでに要する時間が長く、また、
固液分離後の液体を分別蒸留する際、メタクリル酸エス
テル類と不活性炭化水素溶媒とが共沸し分離が困難であ
るため、不活性炭化水素溶媒の再利用が出来ないといっ
た問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そのため、重合停止剤
としての効果が大きく、しかも重合時の電子供与体とし
ても有効であり、また次バッチの活性低下がなく、さら
には不活性炭化水素溶媒、特にヘキサンとの分離が容易
であるような重合停止剤が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定のアルキルエ
ステル類、ケトン類や炭酸エステル類が重合時の電子供
与体及び重合停止剤としての機能を有し、しかもヘキサ
ンとの分離も容易である事を見出し、本発明を完成し
た。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【0010】
【化1】
【0011】(但し、RおよびR′は、それぞれ同種ま
たは異種のアルキル基、アルコキシル基、またはこれら
が互いに結合して環を形成していてもよい。)で示され
る化合物よりなる重合停止剤である。
【0012】本発明の重合停止剤は、上記式(1)で示
される化合物であればなんら制限なく用いることができ
る。上記式(1)中、RおよびR′で示されるアルキル
基およびアルコキシル基は、その炭素数に特に制限され
ることはないが、後述するα−オレフィンの重合停止剤
として使用する場合には、炭素数が1〜10の範囲であ
ることが重合を短時間で停止させることができるために
好適である。また、RおよびR′が互いに結合して環を
形成している場合、RおよびR′が結合して形成される
基は、アルキレン基またはオキシアルキレン基であり、
その炭素数は特に制限されないが、重合を短時間で停止
させるためには炭素数3〜7の範囲であることが好まし
い。
【0013】本発明においては、Rがメチル基であり、
R′が炭素数4〜10のアルキル基またはアルコキシル
基である化合物、RおよびR′が共に炭素数2〜3のア
ルコキシル基である化合物、または、RおよびR′が互
いに結合して形成される基が炭素数2〜7のアルキレン
基またはオキシアルキルオキシ基である化合物が、α−
オレフィンの重合を短時間で停止させることができ、ま
た、重合溶媒として使用される不活性炭化水素との分離
が容易であり、さらに重合槽に残存して次バッチの活性
低下を招くことはないために特に好ましく採用される。
【0014】本発明において好適に採用できる重合停止
剤を具体的に例示すると、次のとおりである。酢酸ブチ
ル、酢酸アミル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸イソアミル等の酢酸エステル類;2−ヘ
キサノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタ
ノン、シクロヘキサノン、シクロオクタノン等のケトン
類;ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート等の炭酸エステル類を挙げること
ができる。中でも酢酸ブチル、酢酸アミル、4−メチル
−2−ペンタノンが好ましく採用される。
【0015】本発明の重合停止剤は、チーグラー触媒を
使用したα−オレフィンの重合における重合停止剤とし
て使用される。チーグラー触媒およびα−オレフィンと
しては公知の触媒及びα−オレフィンを用いることがで
きる。本発明の重合停止剤を使用したα−オレフィンの
重合方法を具体的に説明すれば以下の方法を挙げること
ができる。
【0016】チーグラー触媒としては、チタン化合物お
よび有機アルミニウム化合物との組み合わせからなる触
媒系を用いる方法が好ましく採用され、チタン化合物
は、通常のオレフィンの重合に使用される公知のチタン
化合物が何等制限無く用いられる。
【0017】チタン化合物としては、α、β、γ、また
はδ型三塩化チタンが使用でき、なかでも、例えば、特
開昭47−34478号公報、同50−126590、
同50−114394、同50−93888、同50−
12309、同50−74594、同50−10419
1、同51−98489、同51−136625、同5
2−30888、同52−35283の各公報に記載さ
れている方法によって調製された高活性なチタン化合物
が好適に採用される。
【0018】また、塩化マグネシウムなどの担体に担持
されたチタン化合物も好適に用いる事ができる。例え
ば、特開昭56−155206号公報、同56−136
806、同57−34103、同58−8706、同5
8−83006、同58−138708、同58−18
3709、同59−206408、同59−21931
1、同60−1208、同60−81209、同60−
186508、同60−192708、同61−211
309、同61−271304、同62−15209、
同62−11706、同62−72702、同62−1
04810等に示されている方法によって調製された塩
化マグネシウムなどの担体に担持されたチタン化合物が
採用される。
【0019】有機アルミニウム化合物は、一般にチタン
化合物と組み合わせてオレフィンの重合に使用される物
が何等制限無く使用される。例えば、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エ
チルアルミニウムジクロリド等のハロゲン化アルキルア
ルミニウム;トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチル
アルミニウムヒドリド等のアルキルアルミニウムヒドリ
ド類;メチルアルミノキサン等のアルキルアルミノキサ
ン;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミ
ニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムイソプロポキ
シド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアル
ミニウムエトキシド、メチルアルミニウムセスキメトキ
シド、エチルアルミニウムセスキエトキシド、メチルア
ルミニウムジメトキシド、エチルアルミニウムジエトキ
シド、エチルアルミニウムクロリドモノエトキシド、ア
ルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリブトキシ
ド等のアルキルアルミニウムアルコキシドを挙げる事が
できる。これらの有機アルミニウム化合物は単独でまた
は2種以上を組み合わせて用いる事ができる。
【0020】本発明に於いては、本重合の前に予備重合
を行う事が好ましい。予備重合は、上記のチタン化合物
と有機アルミニウム化合物の存在下に行い、用いる有機
アルミニウム化合物の量はチタン化合物のTi原子に対
して、Al/Ti(モル比)で0.01〜100、好ま
しくは0.1〜20である。予備重合で用いるオレフィ
ンはプロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これら
を単独で、または混合して用いる事ができる。また、同
種または異種のオレフィンを多段階に予備重合する方法
を採用する事もできる。
【0021】上記オレフィンの予備重合量は、チタン化
合物1g当たり0.1〜100g、好ましくは0.5〜
50gの範囲である。予備重合は、通常スラリー重合を
使用するのが好ましく、溶媒としてはヘキサン、ヘプタ
ン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素化合物を用
いる事ができる。温度、圧力、時間は特に制限されず、
適宜決定して良い。予備重合終了後には、上記の炭化水
素溶媒を用いて生成したチタン含有ポリオレフィンを洗
浄する事が好ましい。
【0022】上記予備重合後に本重合が行われる。本重
合では、α−オレフィンの単独重合および共重合を実施
することができる。特にプロピレンの単独重合、プロピ
レンとエチレンまたは他のα−オレフィンとのランダム
共重合やブロック共重合を実施することが好ましい。
【0023】上記本重合は、公知の重合方法を何等制限
なく採用することが可能である。例えば、上記の重合の
なかで本発明の効果が最も大きく発現される熱可塑性エ
ラストマーとしてのプロピレンエチレン共重合の場合、
第一段重合においてプロピレンの単独重合またはプロピ
レンと他のα−オレフィン(含有量が5mol%以下)
の共重合を行った後、次いでプロピレンとエチレンおよ
び他のα−オレフィンのランダム共重合が行われる。
【0024】更に詳しくは、第一段重合であるプロピレ
ンの重合において、有機アルミニウム化合物を添加する
が、これは予備重合時に用いた有機アルミニウム化合物
と同一でも異種でも構わない。また、用いる有機アルミ
ニウム化合物は、単独あるいは2種類以上を混合して用
いる事ができる。有機アルミニウム化合物の使用量はチ
タン化合物のチタン原子に対してAl/Ti(モル比)
で1〜5000、さらには1〜500の範囲が好まし
い。プロピレンの重合割合は全重合量に対して1〜60
wt%であり、目的とする重合体の物性に応じて適宜決
定すれば良い。即ち、柔軟性や透明性を必要とする場合
は、プロピレンの重合割合が少ないほど好ましく、より
高強度、高硬度のものを必要とする場合には重合量を増
加させれば良い。
【0025】プロピレンの重合においては、プロピレン
の単独重合が好ましいが、他のオレフィン、例えば、エ
チレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン等が得られる共重合
体の粒子流動性や、触媒の重合活性を低下させない範
囲、例えば、5mol%以下であれば共重合する事も可
能である。
【0026】プロピレンの重合温度は0〜100℃、さ
らには40〜80℃の範囲が好ましく採用される。重合
はプロピレンを溶媒とするスラリー重合、気相重合、溶
液重合等のいずれでも良いが、単位時間当たりの重合活
性を考慮するとプロピレン自身を溶媒とするスラリー重
合が好ましい。また、重合は条件の異なる2段階以上に
わけて行う事もできる。
【0027】プロピレンの重合には、生成する重合体の
立体規則性を向上させるために、電子供与体を添加する
事も可能である。第三成分として用いる電子供与体は、
通常のオレフィンの重合に用いられる電子供与体が何等
制限なく用いられる。具体的には、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール類;フェノール、ク
レゾール、クミルフェノール、キシレノール等のフェノ
ール類;アセトン、2−ブタノン、3−メチル−2−ペ
ンタノン、2−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフ
ェノン等のケトン類;アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;ギ酸メ
チル、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、
プロピオン酸エチル、ブタン酸エチル、ブタン酸アリ
ル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、トルイル
酸メチル、フタル酸エチル、ブチロラクトン等の有機酸
エステル類;ジエチルカーボネート、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類;珪
酸エチル、フェニルトリエトキシシラン、ジシクロペン
チルジメトキシシラン等の珪酸エステル類;ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、マレ
イン酸アミド等のアミド類;メチルアミン、エチルアミ
ン、ピペリジン、ピリジン、アニリン等のアミン類;ア
セトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;その他
含硫黄電子供与体;含リン電子供与体等を挙げることが
できる。中でも、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸
エステル類;酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル等の酢酸
エステル類;4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサ
ノン等のケトン類;ジシクロペンチルジメトキシシラン
等の珪酸エステル類が好適に用いられる。しかし、プロ
ピレンの重合において、上記電子供与体の使用は必須で
はない。
【0028】次に、プロピレンとエチレンの共重合が、
有機アルミニウム化合物と電子供与体の存在下に行われ
る。共重合で用いる有機アルミニウム化合物としては、
前述の予備重合で説明した有機アルミニウム化合物を使
用することができるが、特にアルキルアルミニウムアル
コキシド類を好適に使用することができる。また、電子
供与体は、上記で示した化合物を用い得る。有機アルミ
ニウム化合物と電子供与体は、予め混合して重合系に加
えても良いし、別々に加えても構わない。重合系に添加
される有機アルミニウム化合物および電子供与体の量
は、有機アルミニウム化合物が第一段重合で用いる有機
アルミニウム化合物に対して、0.01〜10モル、さ
らには0.1〜1(モル比)の範囲が好ましく、一方、
電子供与体は第一段重合で用いる有機アルミニウム化合
物に対して0.001〜10モルさらには、0.01〜
1(モル比)の範囲が好ましく採用される。
【0029】プロピレンエチレンランダム共重合体の重
合割合は、全重合量に対して40〜99wt%であり、
また、プロピレンとエチレンの組成はそれぞれの単量体
単位に基づく割合が40〜95mol%、5〜60mo
l%であり、さらには50〜90mol%、10〜50
mol%の範囲が好ましい。これらは目的とする共重合
体の物性に応じて、適宜決定すれば良い。
【0030】プロピレンとエチレンのランダム共重合
は、上記した有機アルミニウム化合物と電子供与体の存
在下に行われるが、重合速度、得られる共重合体中の残
存アルミニウム量および生成する重合体の単離等を考慮
すると、プロピレン自身を溶媒とするスラリー重合が好
ましく採用される。この場合、プロピレン溶媒に加えて
触媒成分を希釈するために、少量の不活性炭化水素が含
まれていても構わない。
【0031】プロピレンとエチレンの共重合には、他の
オレフィン、例えば、1−ブテン、3−メチル−1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等が目
的とする共重合体の物性や得られる重合体の粒子流動性
を損なわない範囲、即ち、5mol%以下であれば含ま
れていても構わない。
【0032】重合温度は、0〜100℃、さらには40
〜80℃の範囲が好ましく採用される。また、重合は条
件の異なる2段階以上に分けて行う方法等も用いる事が
可能である。例えば、前段でエチレン組成の低い重合を
行った後、後段でエチレン組成の高い重合を行う方法等
が可能である。また、プロピレンとエチレンの気相ガス
濃度は、目的とする組成を有する共重合体が得られるよ
うに、プロピレンとエチレンの気相ガス濃度のモル比は
98/2〜50/50の範囲で適宜決定すれば良い。重
合時間は、重合温度、プロピレンとエチレンのガス濃度
のモル比、及び重合量等から適宜決定すれば良い。
【0033】また、本重合においてプロピレンの単独重
合を行う場合には、上記ブロック共重合の第一段重合の
みを行えば良く、プロピレンとエチレンまたはその他の
α−オレフィンとのランダム共重合を行う場合には、上
記ブロック共重合の第二段重合のみを行えば良い。ただ
し、この場合それぞれの単量体の組成は制限されない。
【0034】本発明においては、所定の重合時間終了
後、重合反応を停止させるために、前記した重合停止剤
が使用される。重合停止剤の使用量は、本重合で使用し
た有機アルミニウム化合物に対して0.1〜10(モル
比)、さらには1〜3(モル比)の範囲であることが好
ましい。
【0035】重合の発熱量(重合槽内部の温度と重合槽
のジャケットの温度差で確認することができる。)が0
となった後、重合体スラリーを液体サイクロンに通し、
アルミニウム成分、電子供与体成分を含む液体プロピレ
ンの多くは、プロピレン精製工程を経た後、重合槽に再
循環される。また、濃縮された重合体粒子を含むスラリ
ーはフラッシュタンク、蒸発槽に送られ、残存する液体
プロピレンおよび不活性炭化水素溶媒等を蒸発させる方
法が採用されている。このときアルミニウム成分、電子
供与体を含む液体プロピレンを重合槽に再循環させる
際、高沸点留分はヘキサン精製工程に移され、ヘキサン
は調合槽等へ再循環される。
【0036】
【効果】本発明の重合停止剤を用いることにより、α−
オレフィンの重合を速やかに停止させることができ、そ
の結果、後重合が起こらず一定組成の重合体を得ること
が可能となる。したがって、本発明は、特に重合終了後
に停止反応を行わないと組成が変化し、従って粒子流動
性も悪化するプロピレンとエチレンまたは他のα−オレ
フィンとのランダム共重合およびブロック共重合の場合
に特に優れた効果が得られる。しかも、本発明の重合停
止剤は、重合停止剤としてだけでなく、重合時の電子供
与体としても有効であるから、重合槽中に多少残存した
場合であっても、次バッチにおける電子供与体として作
用する。また、本発明の重合停止剤は、不活性炭化水素
との分離も容易である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0038】以下の実施例に於いて用いた測定方法に付
いて説明する 1)エチレン含有量 エチレン含有量は、赤外分光光度計を用いて、公知の吸
収バンドを利用して定量した。
【0039】2)嵩比重 JIS K6721(1977年)に準じて行った。
【0040】3)停止時間 重合終了時の電子供与体投入からオートクレーブ内温と
ジャケット温度が一致するまでの時間を停止時間とし
た。
【0041】4)共沸の有無 段数8の蒸留塔を用いて、濃度が1000ppmの電子
供与体含有ヘキサンを常圧蒸留し、留出してきたヘキサ
ン中の電子供与体の濃度が10ppm以下であるものを
○とした。
【0042】実施例1 (予備重合)攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス
製オートクレーブ反応器を窒素ガスで充分に置換した
後、ヘキサン400mlを入れた。次いで、ジエチルア
ルミニウムクロリド14.5mmol、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル0.18mmolおよびヨウ化
エチル18.1mmolを加えて反応器内温度を15℃
に保った。三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社製)1
8.1mmolを加えた後、プロピレンを触媒1g当た
り3gとなるように30分連続的に反応器に導入した。
プロピレンの供給を停止したのち、反応器内を窒素ガス
で充分に置換し、得られたチタン含有ポリプロピレンを
分析した結果、触媒1g当たり2.9gのプロピレンが
重合されていた。引き続き1−ブテンを触媒1gあたり
10gとなるように90分連続的に反応器に導入した。
尚、この間の温度は15℃に保持した。1−ブテンの供
給を停止した後、反応器内を窒素ガスで充分に置換し、
得られたチタン含有ポリ(プロピレン−1−ブテン)共
重合体を精製ヘキサンで5回洗浄した。分析の結果触媒
1g当たり14.6gのポリマーが生成していた。
【0043】(本重合)攪拌機を備えた内容積2リット
ルのステンレス製オートクレーブ反応器を窒素ガスで充
分に置換した後、液体プロピレンを1リットル、ジエチ
ルアルミニウムクロリドを1.1mmol加え、反応器
内を70℃に昇温した。予備重合で得られたチタン含有
ポリマーを三塩化チタンとして0.14mmolを窒素
ガス雰囲気下に加えた。70℃で60分間、プロピレン
の重合を行った。続いて、反応器内温度を55℃まで降
温した後、エチルアルミニウムセスキエトキシド0.3
3mmol及び酢酸ブチル0.11mmol加え、引き
続き気相のエチレンガス濃度が13mol%となるよう
にエチレンを連続的に供給し、55℃でプロピレンとエ
チレンの共重合を行った。90分後酢酸ブチルを1.1
mmol加え、更に攪拌を続けると2分後に発熱がなく
なり重合が停止した。未反応のプロピレン及びエチレン
を除去し、白色の共重合粒子を得た。重合倍率は、49
00g/g−Catであった。結果を表1に示した。
【0044】実施例2〜6 実施例1の酢酸ブチルを表1に示した化合物に代えたこ
と以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1
に示す。
【0045】比較例1〜2 実施例1の酢酸ブチルを表1に示した化合物に代えたこ
と以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1
に示す。
【0046】
【表1】
【0047】実施例7、8 実施例1の電子供与体の添加量を表2に示したように代
えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果
を表2に示す。
【0048】実施例9〜11 実施例1の重合温度、重合時間、および気相のエチレン
ガス濃度を表2に示したように代えたこと以外は、実施
例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
【0049】比較例3 実施例7の酢酸ブチルをメタクリル酸メチルに代えたこ
と以外は、実施例7と同様の操作を行った。結果を表2
に示す。
【0050】
【表2】
【0051】実施例12 攪拌機を備えた内容積300リットルのステンレス製オ
ートクレーブ反応器を窒素ガスで充分に置換した後、液
体プロピレンを200リットル、ジエチルアルミニウム
クロリドを182mmol加え、反応器内を70℃に昇
温した。予備重合で得られたチタン含有ポリマーを三塩
化チタンとして22.7mmolを窒素ガス雰囲気下に
加えた。70℃で60分間、プロピレンの重合を行っ
た。続いて、反応器内温度を55℃まで降温した後、エ
チルアルミニウムセスキエトキシド54.6mmol及
び酢酸ブチル18.2mmol加え、引き続き気相のエ
チレンガス濃度が13mol%となるようにエチレンを
連続的に供給し、55℃でプロピレンとエチレンの共重
合を行った。90分後酢酸ブチルを364mmol加
え、更に攪拌を続けると5分後に発熱がなくなり重合が
停止した。未反応のプロピレン及びエチレンを除去し、
白色の共重合粒子を得た。結果を表3に示した。
【0052】実施例13〜16 実施例12の酢酸ブチル及びその添加量、重合温度、重
合時間、およびエチレンガス濃度を表3に示したように
代えたこと以外は、実施例12と同様の操作を行った。
結果を表3に示す。 比較例4 実施例12の酢酸ブチルをメタクリル酸メチルに代えた
こと以外は、実施例12と同様の操作を行った。結果を
表3に示す。
【0053】比較例5 実施例12の重合終了後に酢酸ブチルを添加しなかった
こと以外は、実施例12と同様の操作を行った。結果を
表3に示す。
【0054】
【表3】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−176611(JP,A) 特開 昭61−176610(JP,A) 特公 昭54−27039(JP,B1) 特表 平8−504881(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシ
    ル、酢酸オクチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、
    2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロ
    ペンタノン、シクロオクタノン、エチレンカーボネー
    ト、プロピレンカーボネートから選択される化合物より
    なる重合停止剤。
  2. 【請求項2】 第一段でプロピレンを単独重合またはプ
    ロピレンとα−オレフィンを共重合し、引き続き第二段
    でプロピレンとα−オレフィンを重合することによりプ
    ロピレン−α−オレフィン共重合体を製造する方法にお
    いて、 酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチ
    ル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、2−ヘキサノ
    ン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、
    シクロオクタノン、エチレンカーボネート、プロピレン
    カーボネートから選択される重合停止剤を添加して、重
    合反応を停止させるプロピレン−α−オレフィン共重合
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシ
    ル、酢酸オクチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、
    2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロ
    ペンタノン、シクロオクタノン、エチレンカーボネー
    、プロピレンカーボネートから選択される重合停止剤
    を添加して、重合反応を停止させる一段のプロピレン単
    独重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシ
    ル、酢酸オクチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、
    2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロ
    ペンタノン、シクロオクタノン、エチレンカーボネー
    ト、プロピレンカーボネートから選択される重合停止剤
    を添加して、重合反応を停止させる一段のプロピレン−
    α−オレフィンランダム共重合体の製造方法。
JP00385694A 1994-01-19 1994-01-19 重合停止剤 Expired - Fee Related JP3418956B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00385694A JP3418956B2 (ja) 1994-01-19 1994-01-19 重合停止剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00385694A JP3418956B2 (ja) 1994-01-19 1994-01-19 重合停止剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07206911A JPH07206911A (ja) 1995-08-08
JP3418956B2 true JP3418956B2 (ja) 2003-06-23

Family

ID=11568835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00385694A Expired - Fee Related JP3418956B2 (ja) 1994-01-19 1994-01-19 重合停止剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3418956B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4566305B2 (ja) * 1999-08-31 2010-10-20 日本ポリプロ株式会社 メタロセン化合物由来成分を含有する溶剤の精製方法
JP2014074158A (ja) * 2012-09-11 2014-04-24 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびこれを用いてなるコーティング剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07206911A (ja) 1995-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1515998B1 (en) Liquid phase process for the polymerization of alpha-olefins
JPH06104693B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
EP0022376A2 (en) Process for preparing a chemically blended composition of non-elastomeric ethylene resins, and shaped articles of such a composition
JPH06298831A (ja) ポリプロピレンの製造方法
EA000615B1 (ru) Способ и каталитический компонент для гомополимеризации или сополимеризации олефинов
US6686433B1 (en) Dual donor catalyst system for the polymerization of olefins
JP3418956B2 (ja) 重合停止剤
JP2699047B2 (ja) プロピレン系重合体の製造方法
JPS61126109A (ja) オレフイン類重合用触媒成分および触媒
JP4217272B2 (ja) プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造方法
US5175208A (en) Method for preparing block copolymers of propylene
JPH0446286B2 (ja)
JP3370188B2 (ja) オレフィン重合用触媒
JP3279344B2 (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH06104694B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JPS63101405A (ja) プロピレン共重合体の製造法
JP2713577B2 (ja) ポリプロピレン樹脂組成物
JPH08100019A (ja) オレフィン重合用触媒
JPH0710890B2 (ja) オレフイン類重合用触媒
JP3279345B2 (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH0680101B2 (ja) プロピレンのブロツク共重合体の製造方法
JP2652217B2 (ja) オレフィンの重合法
JP2941397B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造法
JPH01118504A (ja) オレフィン重合用固体触媒成分の乾燥方法
JP3436319B2 (ja) オレフィン類重合用固体触媒成分および触媒

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees