JP2003095573A - 車輪付き台車およびその組合体 - Google Patents

車輪付き台車およびその組合体

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JP2003095573A JP2001290953A JP2001290953A JP2003095573A JP 2003095573 A JP2003095573 A JP 2003095573A JP 2001290953 A JP2001290953 A JP 2001290953A JP 2001290953 A JP2001290953 A JP 2001290953A JP 2003095573 A JP2003095573 A JP 2003095573A
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恵 大久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エスカレータのステップに乗る各車輪に均一
に荷重が加わるような車輪付き台車を提供する。 【解決手段】 エスカレータAのステップ1に載置され
る車輪付き台車Bは、台車本体5と、台車本体5に連結
された複数の倣い機構6a,6b,6cとを備えてい
る。各倣い機構6a,6b,6cは、車輪5a,5b,
5cと、エスカレータAのエスコートレール4に係合す
る倣いローラ7a,7b,7cとを有している。各倣い
機構6a,6b,6cはリンク機構8b,8b’,8
c,8c’により連結され、このリンク機構8b,8
b’,8c,8c’に、上部の倣い機構6aから他の倣
い機構6b,6cに対して押付力を生じさせる押付機構
9b,9cが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数個のステップ
を階段状に循環して運転するエスカレータに搭載される
車輪付き台車およびその組合体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エスカレータは、階段状の複数
個のステップを循環して運転し、そのステップ上に人を
乗せて昇降する。即ち、複数個のステップの両側に手摺
が設けられ、その手摺の上には手摺ベルトが設けられて
いる。これは、人がステップに乗ったときに身体の安定
を保つためにその手摺ベルトに手を掛けられるようにす
るためである。この手摺ベルトは、複数個のステップの
循環速度に同期運動して動いている。このようなエスカ
レータによれば、利用者はステップに乗れば踏段を上が
り下がりせずに上下の階床に移動することが可能とな
る。
【0003】ところで、このようなエスカレータでは、
人の階床の移動は容易に行うことができるが、荷物や台
車を運ぶには不便であり、特に車椅子利用者には不便で
ある。エレベータも近くにあれば問題はないが、エスカ
レータだけしかない施設やエレベータを利用するには遠
回りするしかない施設も現実には多くある。
【0004】そこで、従来のエスカレータにおいては、
車椅子がそのまま乗せられるように、特定のステップを
広くなるようにしたりしている。こうすることによっ
て、車椅子利用者の便宜を図ると共に、荷物や台車を運
ぶことも可能にしている。
【0005】しかしながら、このような特定のステップ
を広くなるようにしたエスカレータは、機構的な工夫を
付加したものであるので、その機構が複雑となる。ま
た、その特定のステップに乗るには、特定のステップを
所望の位置で停止または減速させて乗り降りできるよう
に制御する必要がある。従って、そのための制御装置な
ども必要となり、保守箇所が多くなる。
【0006】また、エスカレータの特定のステップの機
能を使用する度に、操作を確実に行える係員を呼ぶなど
の必要もあり、そうした場合、エスカレータは車椅子利
用者のみに利用されてしまうことになり、他方車椅子利
用者にとっては一般利用者との間に疎外感を感じる原因
にもなっている。
【0007】そこで、本発明の発明者らは、以前にエス
カレータに関する発明(特開平8−324942)を提
案した。この発明のエスカレータは、図9に示すよう
に、階段状に循環して運転される複数個のステップ11
1を有している。この複数個のステップ111の両側に
は手摺112が設けられるが、図9では手前側の手摺は
省略している。この手摺112の上には、複数個のステ
ップ111と同期して連動する手摺ベルト113が設け
られ、また、手摺112の内側側面には、エスコートレ
ール114が設けられている。このエスコートレール1
14はエスカレータの手摺112の一部となっており、
建屋に固定されている。
【0008】エスコートレール114には、ステップ1
11に搭載された車輪付き台車115の倣い機構116
が挿入され、ステップ111の移動に伴って倣い機構1
16はエスコートレール114に案内されて摺動する。
この場合、車輪付き台車115は水平方向に保たれて案
内される。車輪付き台車115は車椅子、買物車(ショ
ッピングカート)、乳母車(ベビーカー)など、水平を
保ちながらの運搬を要する運搬台車を含む。
【0009】エスコートレール114は手摺112の内
側、つまりステップ111側に設けられるが、その取付
け位置は以下のようにして定められる。まず、ステップ
111のステップ面111aの上方にステップ基準点1
11bを定める。この基準点111bは、車輪付き台車
115がステップ面111aに乗ったときの車輪115
aの軸心115bと略同一点である。そして、このステ
ップ基準点111bより一定方向にオフセット距離rだ
け延びた点の軌跡111cを基準にして、エスコートレ
ール114の取付け位置を定めている。
【0010】次に、車輪付き台車115がステップ11
1のステップ面111aに乗ると、倣い機構116はエ
スコートレール114に倣う。図9の場合、倣い機構1
16は車輪付き台車115の本体に取り付けられた回転
自在な倣いローラを有し、その取り付け位置は車輪11
5aの軸心115bより一定方向にオフセット距離rの
位置にある。ステップ111の移動により、車輪付き台
車115が搭載されたステップ111は階段状に傾斜を
増す。それにつれて、車輪付き台車115にはステップ
面111aから転落する力Wが働くようになる。一方、
エスコートレール114は傾斜を増し、この状態で、ス
テップ面111aから転落しようとする車輪付き台車1
15は、それに取り付けた倣い機構116がエスコート
レール114面に抗力Nで案内されるので、転げて落ち
ていくのを阻まれる。
【0011】すなわち、車輪付き台車115の車輪11
5aがステップ111の段差の角に支持され、倣い機構
116がエスコートレール114面に案内されているの
で、この車輪115aと倣い機構116とで支えられる
車輪付き台車115は傾かない。このことにより、ステ
ップ111が階段状に傾斜している間、車輪付き台車1
15はステップ面111aから転げ落ちることはなくな
り、安定した姿勢を維持する。
【0012】ここで、力の釣り合いは、車輪付き台車1
15の車輪115aを支点にして、倣いローラ117が
エスコートレール114面に抗力Nで案内され、この抗
力Nが車輪付き台車115の転落する力Wに釣り合って
いる。倣い機構116の倣いローラ117は、抗力Nを
エスコートレール114に支えてもらいながら、エスコ
ートレール114面を転がりながら倣うので、ステップ
111の循環に際し過大な摩擦力を生じない。
【0013】また、図10は安定性を増すため三つに分
割された倣い機構116a、116b、116cを有す
る車輪付き台車115を示している。
【0014】図10に示す車輪付き台車115におい
て、平行四辺形リンク118b、118b’、118
c、118c’は3つの車輪115a、115b、11
5cに対して倣い機構116a、116b、116cが
常に同じ姿勢になるように支持している。ここで、各々
の平行四辺形リンク118の長さはステップ111の長
さと略同一長さを有している。また、各倣い機構116
a、116b、116cには、それぞれ倣いローラ11
7a、117b、117cが取り付けられており、それ
ぞれの取り付け位置は車輪115a、115b、115
cの軸心より一定方向にオフセット距離rだけずれた位
置にある。
【0015】各々の平行四辺形リンク118の長さはス
テップ111と同一長さを有しているので、倣い機構1
16a、116b、116cが一段ずつステップ111
a、111b、111cに連続して乗ることになる。倣
い機構116は前後方向に3組設けており、車輪115
aがエスカレータの乗降板の近傍に差しかかったときに
も、他の車輪115bや車輪115cはエスカレータの
傾斜部にある。3対の倣い機構116a、116b、1
16cはそれぞれ平行四辺形リンク118b、118
b’118c、118c’で連結されているので、車輪
付き台車115を水平に保つ力は、倣い機構116a、
116b、116cの3組すべてがエスカレータの乗降
板に達するまで維持される。このため車輪付き台車11
5が車椅子などの場合にも、独自の倣い機構で水平の姿
勢で運転される車輪付き台車の安定化を実現しているの
で、傾いていて利用者が不安を感じることはない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図10に示す車輪付き
台車115において、車輪付き台車115が転落する力
Wに抗する抗力Nは倣い機構116a、116b、11
6cの3組で分配されるが、車輪付き台車の重量Wすべ
ては始めのステップ111aに掛かっている。車輪付き
台車115も軽い場合には支障ないが、車輪付き台車1
15に乗せるものが電動式車椅子など重いものである場
合には、ステップ111aに掛かる力が大きくなり、ス
テップ111aが重量Wに耐えられない可能性がある。
循環するステップ111のすべての強度を高めれば、重
量には耐えられるが、エスカレータが高価なものにな
る。特定のステップ111の強度を高めれば、特定のス
テップ111を所望の位置で停止または減速されて乗り
降りできるようにする必要が生じる。
【0017】また、車輪付き台車115が買物車(ショ
ッピングカート)や乳母車(ベビーカー)の場合には幅
が決まっており、既に市販されているので、エスカレー
タにエスコートレール114を付けただけでは、そのエ
スコートレール114を使えないことも問題である。
【0018】さらに、車輪付き台車115の扱いとし
て、使用者(車椅子を乗せた場合には介助者)が常に自
分の前で押して車輪付き台車115を操作したいとすれ
ば、エスカレータの上りと下りでは、倣い機構116を
車輪付き台車の前後に選択的に出せないと不便を生じる
ことになる。
【0019】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、重い電動式車椅子などを水平支持でき、既
存の台車本体に倣い機構をワンタッチで着脱でき、かつ
台車本体の前後に倣い機構を有する車輪付き台車および
その組合体を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、階段状に配置
されるとともに、循環して運転される複数個のステップ
と、ステップに搭載された車輪付き台車を所定方向に案
内するためのエスコートレールとを有するエスカレータ
に載置される車輪付き台車において、台車本体と、台車
本体に連結され、ステップに載る車輪を有し、エスコー
トレールに係合する複数の倣い機構と、各倣い機構を連
結するリンク機構と、リンク機構に設けられ、任意の倣
い機構から他の倣い機構に対して対応する車輪をステッ
プ上に押付けるよう押付力を生じさせる押付機構と、を
備えたことを特徴とする車輪付き台車である。
【0021】本発明によれば、押付機構は任意の倣い機
構から他の倣い機構に対して対応する車輪をステップ上
に押し付ける支持モーメントを与える。これにより、車
輪付き台車の重量Wを複数個の倣い機構に分配すること
ができる。一方、車輪付き台車が転落する力Wに抗する
抗力Nはリンクにより連結された複数個の倣い機構に分
配されているので、車輪付き台車に搭載するものが電動
式車椅子など重いものである場合でも、1つ1つのステ
ップに掛かる力が軽減される。
【0022】本発明は、押付機構は押付力を生じさせる
バネを有することを特徴とする車輪付き台車である。
【0023】本発明によれば、バネの力により押付機構
の押付力を生じさせることができる。
【0024】本発明は、押付機構にバネの力を調整する
スプリング調整部が設けられていることを特徴とする車
輪付き台車である。
【0025】本発明によれば、バネ調整部により、バネ
の力を調整して押付機構の押付力を調整することができ
る。
【0026】本発明は、押付機構は押付力を生じさせる
駆動モータを有することを特徴とする車輪付き台車であ
る。
【0027】本発明によれば、駆動モータの力により押
付機構の押付力を生じさせることができ、倣い押付機構
の操作には力がいらないので、操作が容易になる。
【0028】本発明は、階段状に配置されるとともに、
循環して運転される複数個のステップと、ステップに搭
載された車輪付き台車を所定方向に案内するためのエス
コートレールとを有するエスカレータに載置される車輪
付き台車において、車輪を有する台車本体と、台車本体
に連結され、エスコートレールに係合する倣い機構とを
備え、倣い機構は、台車本体に着脱部を介して着脱自在
に装着されることを特徴とする車輪付き台車である。
【0029】本発明によれば、台車本体に倣い機構を容
易に装着することができる。
【0030】本発明は、階段状に配置されるとともに、
循環して運転される複数個のステップと、ステップに搭
載された車輪付き台車を所定方向に案内するためのエス
コートレールとを有するエスカレータに載置される車輪
付き台車において、車輪を有する台車本体と、台車本体
に連結され、エスコートレールに係合する倣い機構とを
備え、倣い機構は、幅方向に伸縮自在になることを特徴
とする車輪付き台車である。
【0031】本発明によれば、通常台車として車輪付き
台車を使う場合には、倣い機構の幅を狭くしておくこと
により、倣い機構が引き回し時に周囲のものに引っ掛か
ることがない。また、車輪付き台車をエスカレータのエ
スコートレールに案内させて乗せる時には、倣い機構の
幅を広げておく。
【0032】本発明は、倣い機構はエスコートレールに
係合する一対の倣いローラと、この倣いローラ間の幅を
可変とする可変機構とを有することを特徴とする車輪付
き台車である。
【0033】本発明によれば、可変機構により一対の倣
いローラの間の幅を伸縮することができる。
【0034】本発明は、倣い機構は台車本体の前方およ
び台車本体の後方に各々設けられていることを特徴とす
る車輪付き台車である。
【0035】本発明によれば、車輪付き台車をエスカレ
ータのエスコートレールに案内させて乗せる時には、使
用者にとって前後使いやすい側の倣い機構を幅方向に伸
ばして使うことができる。
【0036】本発明は、階段状に配置されるとともに、
循環して運転される複数個のステップと、ステップに搭
載された車輪付き台車と、この車輪付き台車を所定方向
に案内するためのエスコートレールとの組合体におい
て、車輪付き台車は台車本体と、台車本体に連結され、
エスコートレールに係合する倣い機構とを有し、倣い機
構は台車本体の前方および後方に各々設けられるととも
に、幅方向に伸縮自在となり、エスコートレール近傍に
倣い機構の伸縮位置を検知する検知センサを設けたこと
を特徴とするエスカレータと車輪付き台車との組合体で
ある。
【0037】本発明によれば、車輪付き台車をエスカレ
ータのエスコートレールに案内させて乗せる時に倣い機
構の伸縮位置を検知センサが検知して、倣い位置の伸縮
状態および台車本体の向きの適否を検知する
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0039】第1の実施の形態 図1は、本発明の第1実施の形態を示すエスカレータお
よび車輪付き台車5の構成概略図であり、図2は、車輪
付き台車の倣い機構および倣い押付機構の詳細を示す斜
視図である。
【0040】図1に示すように、エスカレータAは、階
段状に循環して運転される複数個のステップ1と、複数
個のステップ1の両側に設けられた手摺2と、この手摺
2の上を複数個のステップ1と同期運動する手摺ベルト
3と、ステップ1に搭載された車輪付き台車Bをほぼ水
平方向に保ちながら案内するためのエスコートレール4
とを備えている。
【0041】一方車輪付き台車Bは、台車本体5と、台
車本体5に連結されエスコートレール4に案内されて移
動する倣い機構6a、6b、6cとを備えている。また
各倣い機構6a、6b、6cは、ステップ1のステップ
面1a、1b、1cに載る車輪5a、5b、5cを有
し、互いに平行四辺形リンク8b、8b’および8c、
8c’により連結されている。
【0042】エスコートレール4は手摺2の内側、すな
わちステップ1側に設けられるが、その取付け位置は以
下のようにして定められる。まず、ステップ1のステッ
プ面1aの上方にステップ基準点を定める。このステッ
プ基準点は、車輪付き台車Bがステップ面1aに乗った
ときの車輪5aの軸心と略同一点にある。そして、この
ステップ基準点より一定方向にオフセット距離rだけ延
びた点の軌跡を基準にして、エスコートレール4の取り
付け位置を定めている。
【0043】倣い機構6a、6b、6cは台車本体5の
前後方向に3個設けられている。3つの倣い機構6a、
6b、6cは各々車輪5a、5b、5cを有し、3つの
車輪5a、5b、5cに対して倣い機構6a、6b、6
cが常に同じ姿勢になるように平行四辺形リンク8b、
8b’、8c、8c’により連結されている。すなわち
車輪付き台車Bの複数個の倣い機構6a、6b、6cは
長さLの平行四辺形リンク8b、8b’、8c、8c’
により連結され、そのリンクの長さLはステップの長さ
Ls(日本では通常400mm)に等しくなっている。ま
た、各々の倣い機構6a、6b、6cには、それぞれ倣
いローラ7a、7b、7cが取り付けられており、それ
ぞれの取付位置は車輪5a、5b、5cの軸心より一定
方向にオフセット距離rだけ延びた位置にある。
【0044】また、平行四辺形リンク8b、8b’には
押付機構9が連結され、押付機構9により平行四辺形リ
ンク8b、8b’、8c、8c’にステップ1のステッ
プ面1b、1cの方向に回転する支持モーメント2×
M、Mを与えて、平行四辺形リンク8b、8b’、8
c、8c’により連結された倣い機構6b、6cの先に
取付けた2個の車輪5b,5cをステップ1b、1cに
押し付けている。押付機構9cの支持モーメント2×
M、Mは、平行四辺形リンク8b、8b’、8c、8
c’の傾きにかかわらずほぼ一定であり、車輪付き台車
Bへの積載重量に応じて変更可能である。
【0045】次に図2により押付機構9の詳細な構成に
ついて説明する。
【0046】まず、押付機構9のうち倣い機構6aから
倣い機構6bに支持モーメントを加える押付機構9bの
構成に関して説明する。車輪付き台車Bの台車本体5の
左右の支柱10にされた左右の平行四辺形リンクのうち
リンク8bがクランク形状のクランク軸11で連結さ
れ、そのクランク軸11には一対のトルク半径調整プー
リ11aが取り付けられている。各トルク半径調整プー
リ11aに一端が固定されたワイヤ11bが設けられ、
このワイヤ11bの他端は支柱10の支持軸12に回転
自在に支持されたプーリ12aに固定されている。各プ
ーリ12aには半径切換えプーリ12bが取り付けられ
ており、図示しない反対側のワイヤ13aの端部のフッ
ク位置を左右に変えることで、引き込みバネ13からの
ワイヤ13aの掛かる半径切換えプーリ12bの半径を
切換えることができる。
【0047】引き込みバネ13の上部は連結板13bに
より連結されている。引き込みバネ13の上部フック1
3cは上部板14の穴に掛けられるようになっており、
この穴の位置を半径切換えプーリ12bの切換えに合わ
せて変更することで、半径切換えプーリ12bの自然長
を調整でき、半径切換えプーリ12bとの真直度を確保
できる。
【0048】上部板14は台車本体5の左右の支柱10
に直動自在に支持されており、支柱10には上部板14
の位置を示す目盛り10aが取付けてある。上部板14
に一対のナット14aが取り付けられ、ナット14aは
スクリュー14bに係合しており、そのスクリュー14
bは台車本体5の背板15に回転自在に支持されてい
る。各スクリュー14bの上部にはプーリ15aが取付
けられており、各プーリ15aに掛け渡された歯付きベ
ルト15bにより左右のスクリュー14bが同期するよ
うになっている。さらに、右側のスクリュー14bの上
端部にはウォームホイール15cが取付けられており、
ハンドル15eの回転力をウォームギア15dを介して
ウォームホイール15cへ伝えるようになっている。
【0049】また、クランク軸11に退避バネ6b’が
設けられ、退避バネ6b’は倣い機構6bを上げるよう
にクランク軸11に力を作用している。さらに倣い機構
6bの車輪5bの隣にはクッション付きのキャスタ車輪
5b’を取付けており、キャスタ車輪5b’はそのクッ
ションが伸びると車輪5bより少し床面側に突き出てい
る。
【0050】次に倣い機構6aから倣い機構6cへ支持
モーメントを加える押付機構9cの構成について説明す
る。平行四辺形リンク8b、8b’、8c、8c’のう
ちリンク8cの一端が鍵形状のリンク16aを形成し、
平行四辺形リンク8bの平行に配置した駆動用リンク1
6bを介してリンク16cに連結されている。このリン
ク16cはクランク軸11の内部を貫通して回転自在な
回転軸17に連結しており、その回転軸17にはトルク
半径調整プーリ17aが取り付けられている。トルク半
径調整プーリ17aに一端を固定されたワイヤ17b
は、その他端が台車本体5の支持軸12に回転自在に支
持されたプーリ18aに固定されている。プーリ18a
には半径切り換えプーリ18bが取付けられており、図
示しない反対側のワイヤ端部のフック位置を左右に変え
ることで、引き込みバネ19からのワイヤ19aの掛か
る半径切換えプーリ18bの半径を切り換えることがで
きる。引き込みバネ19の上部は引き込みバネ13の上
部と連結板13bで連結されており、これ以降の構成は
倣い押付機構9bと同じである。
【0051】台車本体5に退避バネ6c’が設けられ、
この退避バネ6c’は直接、倣い機構6cを上げるよう
に作用する。倣い機構6cの車輪5cの隣にはクッショ
ン付きのキャスタ車輪5c’が取付けられており、キャ
スタ車輪5c’はそのクッションが伸びると車輪5cよ
り少し床面側に突き出ている。
【0052】また、台車本体5の支柱10とは反対側に
跳ね上げ板10bが設けられ、この跳ね上げ板10bは
車輪付き台車5に回転自在となっており、クランプ10
cにより台車本体5に固定できる。
【0053】次にこのような構成から本実施の形態の作
用について説明する。
【0054】まず、エスカレータAに車輪付き台車Bを
載せ、各倣い機構6a、6b、6cの倣いローラ7a、
7b、7cをエスコートレール4に係合させる。
【0055】この場合、平行四辺形リンク8b、8
b’、8c、8c’の長さLがステップの長さLsに略
一致するので各倣い機構6a、6b、6cが一組ずつス
テップ1のステップ面1a、1b、1cに連続して乗る
ことになる。
【0056】次に、押付機構9b、9cが平行四辺形リ
ンク8b、8b’、8c、8c’にステップ面1b、1
cの方向に回転するモーメント2×M、Mを与えるの
で、平行四辺形リンク8b、8b’、8c、8c’によ
り連結された2個の倣い機構6b、6cをステップ面1
b、1cに押し付ける押付力が発生する。これにより、
押付機構9b、9cが車輪付き台車Bの車体重量Wを3
個の車輪5a、5b、5cに分配することができる。一
方、車輪付き台車Bが転落する力Wに抗する抗力Nは、
平行四辺形リンク8b、8b’、8c、8c’により3
個の倣い機構6a、6b、6cに分配されるので、車輪
付き台車Bが電動式車椅子など重いものを搭載した場合
でも、1つ1つのステップ面1a、1b、1cに掛かる
力が小さくなる。
【0057】平行四辺形リンク8b、8b’、8c、8
c’によって連結された倣い機構6b、6cを押付機構
9b、9cによりステップ面1b、1cの方向に回転す
る支持モーメント2×M、Mは一定となっているので、
3個の車輪5a、5b、5cがステップ面1a、1b、
1cに押し付ける力も、平行四辺形リンク8b、8
b’、8c、8c’の傾きにかかわらず略一定となる。
【0058】また、平行四辺形リンク8b、8b’、8
c、8c’を介して押付機構9b、9cが倣い機構6
b、6cをステップ面1b、1cの方向に回転する支持
モーメント2×M、Mは変更可能となっているので、車
輪付き台車Bへの積載重量に応じて、3個の車輪5a、
5b、5cをステップ面1b、1cに押し付ける力を調
整することができる。
【0059】次に、図2を用いて、押付機構9の詳細な
作用について説明する。
【0060】まず、ハンドル(バネ調整部)15eを回
転するとウォームギヤ15dを介してスクリュー14b
の上端部のウォームホイール15cが回転し、歯付きベ
ルト15bにより、上部にプーリ15aが取付けられた
左右のスクリュー14bが同期して回転する。スクリュ
ー14bにはナット14aが係合しており、スクリュー
14bの回転により台車本体5の左右の支柱10に直動
自在に支持されている上部板14が、ナット14aとと
もに上下する。上部板14には上部フック13cが引掛
けられており、上部板14を上方へ引上げることにより
引き込みバネ13,19に張力を掛けることができる。
【0061】引き込みバネ13に張力が加わると、ワイ
ヤ13aおよびワイヤ11bを介してクランク軸11に
回転力が加わってリンク8bにより倣い機構6bが下方
へ押し付けられる。同時に引き込みバネ19からワイヤ
19aおよびワイヤ17bを介して回転軸17に回転力
が加わって、リンク16c、リンク16bおよびリンク
16aを介して倣い機構6cが下方へ押し付けられる。
【0062】この際、車輪付き台車BがエスカレータA
に載置され、倣いローラ7a、7b、7cがエスコート
レール4に係合すると、押付機構9a側において、台車
本体5の左右の支柱10に回転支持されている左右のリ
ンク8bが次第に傾きを持ち、リンク8bに連結してい
るクランク軸11が回転する。この場合、クランク軸1
1に取り付けているトルク半径調整プーリ11aが回転
するので、トルク半径調整プーリ11aに一端を固定さ
れたワイヤ11bが緩み、ワイヤ11bの他端を連結し
ているプーリ12aが回転し、半径切換えプーリ12b
を介して引き込みバネ13に繋がるワイヤ13aが緩
む。このとき引き込みバネ13の復元力は減少し、それ
に比例してワイヤ11bの張力が減少する。トルク半径
調整プーリ11aは緩む方向に回転したとき、その半径
が増大するような形状としているので、クランク軸11
における復元トルク2×Mはほぼ一定に保たれ、このト
ルク2×Mにより倣い機構6bは下方へ押付けられ、車
輪5bがステップ面1bを押圧する。
【0063】ところで、半径切換えプーリ12bにおい
て、図示しない反対側のワイヤ端部のフック位置を左右
に変えることで、引き込みバネ13からのワイヤ13a
の掛かる半径切換えプーリ12bの半径を切換えること
ができ、引き込みバネ13の上部フック13cの掛ける
上部板14の穴位置を半径切換えプーリ12bの切換え
に合わせて変更することにより、半径切り換えプーリ1
2bの自然長を調整できる。このように半径切り換えプ
ーリ12bとの真直度を確保できるので、プーリ12a
での角度に対する復元トルクの定数を変更できる。
【0064】引き込みバネ13の伸びは上部板14の穴
の位置により機械的に設定されており、所定の張力を掛
けるには、ハンドル15eを回転してストロークエンド
まで引き上げれば良い。なお、ハンドル15eを逆に回
転して、倣い押付け機構9bの張力を完全に緩めてしま
えば、半径切換えプーリ12bにおいて、ワイヤ13a
の端部のフック位置を左右に変えたり、引き込みバネ1
3の上部フック13cの掛ける上部板14の穴の位置を
変えることができる。
【0065】このようにして押付機構9bを緩めた時に
は、退避バネ6b’の力がクランク軸11に作用して倣
い機構6bを持ち上げるようにしている。この時には、
クッション付きのキャスタ車輪5b’が床面を全方向自
在に案内するので、この際車輪5bは床面から浮き上が
るため車輪付き台車Bの操作の邪魔をすることはない。
【0066】一方、押付機構9c側では、左右の平行四
辺形リンクのうちリンク8cが次第に傾きを持つと、リ
ンク8cの鍵形状のリンク16aが、駆動用リンク16
bを介してリンク16cに連結している回転軸17が回
転する。回転軸17はクランク軸11の内部を貫通して
トルク半径調整プーリ17aを回転させるので、トルク
半径調整プーリ17aに一端を固定されたワイヤ17b
が緩み、ワイヤ17bの他端を連結しているプーリ18
aが回転し、半径切換えプーリ18bを介して引き込み
バネ19に繋がるワイヤ19aが緩む。引き込みバネ1
9の復元力は減少し、それに比例してワイヤ17bの張
力が減少するが、トルク半径調整プーリ17aは緩む方
向に回転すると、半径が増大するような形状としている
ので、回転軸17での復元トルクMはほぼ一定に保た
れ、このトルクMにより倣い機構6cは下方へ押付けら
れ、車輪5cがステップ面1cを押圧する。
【0067】半径切換えプーリ17bにおいて、図示し
ない反対側のワイヤ19bの端部のフック位置を左右に
変えることにより、ワイヤ19aの掛かる半径切換えプ
ーリ18bの半径を切換えることができる。また、引き
込みバネ19の上部フック19cが引掛かる上部板14
の穴の位置を半径切換えプーリ18bの切換えに合わせ
て変更することにより、半径切換えプーリ18bの自然
長を調整でき、半径切換えプーリ18bとの真直度を確
保できる。これにより、プーリ18aでの角度に対する
復元トルクの定数を変更できる。このため、車輪付き台
車Bへの積載重量に応じて復元トルクを変更しても、上
述のように、トルク半径調整プーリ17aにより回転軸
17での復元トルクMはほぼ一定に保たれる。
【0068】引き込みバネ13、19の上部は連結板1
3bで繋がれており、上部フック13c、19cの上部
板14への穴位置を変更する際には、間違えることなく
一度に掛け替えることができる。
【0069】なお、ハンドル15eを緩める方向に回転
して、押付機構9cの押付力を完全に緩めてしまえば、
半径切換えプーリ12bにおいて、ワイヤ19aの端部
のフック位置を左右に変えたり、引き込みバネ19の上
部フック19cの掛ける上部板14の穴の位置を変える
ことができる。
【0070】また、押付機構9cを緩めた時には、退避
バネ6c’の力が直接に作用して倣い機構6cを持ち上
げるようにしている。この時には、クッション付きのキ
ャスタ車輪5c’が床面を全方向自在に案内するので、
車輪5cが床面から浮き上がり車輪付き台車Bの操作の
邪魔をすることはない。
【0071】また、台車本体5に設けられた跳ね上げ板
10bは、台車本体5に対して回転自在となっているの
で、二点鎖線で示すようにこの跳ね上げ板10bを倒し
ておけば台車本体5に物を乗せる際のスロープとして機
能する。一方、実線で示すように跳ね上げ板10bを立
ててクランプ10cにより台車本体5に固定することに
より、跳ね上げ板10bの落下防止を図ることができ
る。
【0072】次に押付機構9b、9cの運用方法につい
て説明する。
【0073】手動の車椅子などの搭載重量が軽い場合に
は、車椅子を車輪付き台車Bに搭載し、車輪付き台車B
をエスカレータAに乗せて昇降し、車輪付き台車Bから
車椅子を降ろすだけで、押付機構9b、9cを操作する
必要はない。
【0074】また、電動車椅子などの搭載重量が大まか
に解かっている場合には、車輪付き台車Bに電動車椅子
(搭載物)を乗せた後、車輪付き台車Bをエスカレータ
Aに挿入する方向に向けて停止させる。
【0075】次に搭載重量に合わせて上部フック13
c、19cと半径切換えプーリ12b、18bのフック
を掛け替え、押付機構9b、9cのハンドル15eを回
して、車輪5b、5cを床面に対して所定の力で押付け
る。このような状態にした後、車輪付き台車Bをエスカ
レータAに乗せて昇降する。昇降した後には、ハンドル
15eを逆に回して車輪5b、5cの床面に対する押付
力を解除して、車輪付き台車Bから搭載物を降ろす。
【0076】また、電動車椅子などの搭載重量が不明な
場合には、車輪付き台車Bに搭載物を乗せた後、エスカ
レータAに挿入する方向に向けて車輪付き台車Bを止め
る。次に最大搭載重量側に合わせて上部フック13c、
19cと半径切換えプーリ12b、18bのフックを掛
け替え、押付機構9b、9cのハンドル15eを回し
て、車輪5b、5cを床面に対してゆっくり押付ける。
この間、車輪5b、5cの床面に対する押付力により車
輪付き台車Bが浮き上がりそうになった場合、支柱10
に取付けた目盛10aにより上部板14の位置を読み、
例えば、目盛り10aが赤であるなどと記憶する。
【0077】その後、ハンドル15eを逆に回して車輪
5b、5cの床面への押付力を解除する。次に記憶した
目盛り10aの色に対応させて、例えば赤色の穴に合わ
せて、上部フック13c、19cと半径切換えプーリ1
2b、18bのフックを掛け替え、押付機構9b、9c
のハンドル15eを回して、車輪5b、5cの床面を所
定の押付力で押付けるようにする。この状態にした後、
車輪付き台車BをエスカレータAに乗せて昇降する。昇
降した後には、ハンドル15eを逆に回して車輪5b、
5cの床面への押付力を解除して、車輪付き台車Bから
搭載物を降ろす。上記のように最大積載重量の場合の押
付力を用いて車輪付き台車Bが浮き上がりそうになった
時の上板14の位置を読むことにより、搭載重量が不明
な場合でも適正な押付力を調整することができる。
【0078】このように本実施の形態によれば、平行四
辺形リンク8b、8b’、8c、8c’の長さLがステ
ップの幅Lsと同一となっているため、各倣い機構6
a、6b、6cが一段ずつステップ面1a、1b、1c
に連続して安定した形で乗ることになる。このため使用
者は車輪付き台車Bに不安を感じることなく使うことが
できる。
【0079】また、車輪付き台車Bが転落する力Wに抗
する抗力Nは、平行四辺形リンク8b、8b’、8c、
8c’により3個の倣い機構6a、6b、6cに分配さ
れ、また車輪付き台車Bの重量Wも押付機構9b、9c
により3個の車輪5a、5b、5cに分配される。この
ため車輪付き台車Bが電動式車椅子など重いものを搭載
した場合でも、各ステップ面1a、1b、1cに加わる
荷重は軽減するので、乗り心地および信頼性を向上でき
る。
【0080】また、押付機構9b、9cにより加わる3
個の車輪5a、5b、5cのステップ面1a、1b、1
cに対する押付力は、リンク8の傾きにかかわらずほぼ
一定となる。また車輪付き台車Bへの搭載重量に応じ
て、3個の車輪5a、5b、5cをステップ面1a、1
b、1cに押し付ける力を調整できるので、各ステップ
面1a、1b、1cに加わる荷重は、変動することはな
く一定で、適正に設定できる。
【0081】さらに、ハンドル15eにより車輪付き台
車Bへの積載重量に応じて復元トルク2×M、Mを変更
でき、かつトルク半径調整プーリ11a、17aにより
復元トルク2×M、Mをほぼ一定に保つことができる。
【0082】また、連結板13bにより引き込みバネ1
3、19の上部板14への穴位置を変更する際には、間
違えることなく一度に掛け替えることができる。さらに
バネ13、19の所定の伸びは上部板14の穴の位置に
より機械的に設定されており、ハンドル15eを回転し
てストロークエンドまで引き上げることにより所定の張
力を掛けることができる。
【0083】また、跳ね上げ板10aは乗り込む際のス
ロープとして機能したり、立てた場合、搭載物の落下防
止用のストッパとして働くので、車椅子などを乗せる時
に便利であり安全である。
【0084】なお、車輪付き台車Bの押付機構9b、9
cを電動化した場合、掛け替えやハンドルを回す手間が
なくなり、操作時間が早くなる。例えば、搭載部にロー
ドセルを付けて荷重を測定し、ボタン一つで自動的にそ
の搭載重量に合わせて上部フック13c、19cと半径
切換えプーリ12b、18bのフックを掛け替えたり、
ハンドル15eの回転をモータにより行なうことによ
り、操作が簡略化される。
【0085】また、一定トルク制御のサーボモータによ
り押付機構9b、9cを構成することにより、エネルギ
ーを放勢したり蓄勢したりする引き込みバネ13、19
や、引き込みバネ13、19の力を一定のトルクに変換
するトルク半径調整プーリ11a、17aなくすことが
できる。例えば、車輪付き台車Bの本体重量を100k
gと仮定すると、電動車椅子260kgを積載時の車輪
付き台車Bの総重量は360kgにもなり、例えば押付
機構9b、9cはそれぞれ240kgf×0.2m(ス
テップの段差)=471J、120kgf×0.2m=
235Jの仕事を2秒程度で完了しなければならない。
このような試算により、240W出力と120W出力の
サーボモータと360Wに対応したバッテリが必要であ
ることが分かる。時間を掛けて引き込みバネ13、19
にエネルギーを予め蓄勢しておくタイプの場合には、モ
ータ、バッテリの出力は10分の1程度の容量で足りる
ので車輪付き台車Bを軽量化する上で有利である。
【0086】第2の実施の形態 図3および図4は、本発明の第2実施の形態を示す斜視
図である。
【0087】図3および図4に示す第3の実施の形態に
おいて、車輪付き台車Bは台車本体(車椅子)21と、
台車本体21に連結された倣い機構22とを備えてい
る。図3および図4において、図1及び図2に示す第1
の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説
明は省略する。
【0088】エスカレータAは、第1実施の形態と同様
の構成であり、階段状に循環して運転される複数個のス
テップ1と、複数個のステップ1の両側に設けられた手
摺2と、この手摺2の上を複数個のステップ1と同期し
て連動する手摺ベルト3と、ステップ1に搭載された倣
い機構22と車椅子21とからなる車輪付き台車Bをほ
ぼ水平方向に保ちながら案内するためのエスコートレー
ル4とを備えている(図1参照)。
【0089】図3に示すように、倣い機構22は、第1
実施の形態同様に、倣い機構本体24と、エスカレータ
Aのステップ1に乗る車輪25a、25bと、エスコー
トレール4に案内されて移動するための倣いローラ26
とを有している。
【0090】倣い機構22の車輪25a、25bは、左
右別々に倣い機構本体24に回転自在に支持されてお
り、ギヤ25a’、25b’を介して駆動ローラ24
a、24bに連結しており、駆動ローラ24a、24b
は倣い機構本体24に回転自在に支持されている。また
倣い機構本体24に従動ローラ27a、27bが回転自
在に支持されている。
【0091】また、倣い機構本体24にレバー28が取
付けられ、このレバー28は倣い機構本体24に回転自
在に支持されている押さえ部29のピン29aをリンク
29aにより駆動している。押さえ部29は車輪ロック
ワイヤ29bを介して駆動ローラ24a、24bおよび
従動ローラ27a、27bに連結され、押さえ部29を
上に向けた場合、押さえ部29はブレーキとして機能
し、駆動ローラ24a、24bと従動ローラ27a、2
7bとを停止する。
【0092】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について述べる。
【0093】車椅子21と、この車椅子21に連結され
た倣い機構22とからなる車輪付き台車Bをエスカレー
タAに乗せる場合、倣いローラ26がエスコートレール
4に案内される。
【0094】この間、図3に示すように、レバー28を
上げることにより、リンク28aを介して押さえ部29
を上げることができる。押さえ部29を上方に外すと、
車輪ロックワイヤ29bが作動して、駆動ローラ24
a、24bと従動ローラ27a、27bとが停止され
る。この状態では、車輪25a、25bも施錠されてい
るので、車椅子21を倣い機構22に装着したり取外し
たりすることができる。
【0095】次に、図4に示すように、レバー28を下
げた場合、リンク28aを介して押さえ部29を下げる
ことができる。この時に、車椅子21の取手部21aが
押さえ部29により挟み付けられ、押さえ部29のピン
29aとリンク28aのピン28bがレバー28の支点
28cに対して一直線に並ぶので、押さえ部29は幾何
学的に施錠される。この時、押さえ部29は車椅子21
の着脱部として機能する。
【0096】押さえ部29を下方に向けると、車輪ロッ
クワイヤ29bが解除して、駆動ローラ24a、24b
と従動ローラ27a、27bは可動自在となる。車椅子
21の後方の車輪21bは、駆動ローラ24a、24b
と従動ローラ27a、27b上に載置され、床面から浮
上する。一方、前方の車輪21cは床面に当接する。
【0097】倣い機構22を車椅子21に装着している
場合、介助者が倣い機構22を押して操作することもで
き、車椅子21の利用者が後方の車輪21bを回して操
作することもできる。車椅子21の左右の車輪21bを
回すと、駆動ローラ24a、24bとギヤ25a’、2
5b’を介して車輪25a、25bが左右個々に回り、
車椅子21の車輪21bの回転方向と車輪25a、25
bの回転方向は一致する。
【0098】本実施の形態によれば、図3において、レ
バー28を上げることで、車輪ロックワイヤ29bによ
り駆動ローラ24a、24bと従動ローラ27a、27
bとを固定して、車輪25a、25bを停止することが
でき、倣い機構22が逃げるようなことはない。そこ
で、車椅子21の利用者が倣い機構22に一人で乗り込
むことができる。
【0099】さらに、図4に示すように、レバー28を
下げることで、車椅子21の取手部21aが押さえ29
に挟み付けて押さえられて施錠され、車輪ロックワイヤ
29bが解除して、駆動ローラ24a、24bと従動ロ
ーラ27a、27bは可動自在となり、車椅子21の左
右の車輪21bを回して操作することができる。このた
め、車椅子21の利用者が倣い機構22を一人で操作す
ることができ、エスカレータに乗り込むこともできる。
加えて、車椅子21の車輪21bは、床面より少し上に
なるだけなので、前方に大きく傾くことはない。また車
椅子21の車輪21bの回転方向と車輪25a、25b
の回転方向は一致しているので、操作には違和感が少な
い。
【0100】第3の実施の形態 図5は、本発明の第3実施の形態の構成を示す斜視図で
ある。
【0101】図5に示す第3の実施の形態において、車
輪付き台車Bは台車本体(ベビーカー)31aと、台車
本体31aに連結された倣い機構32aとを備えてい
る。
【0102】図5に示す第3の実施の形態において、図
1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同
一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0103】エスカレータAは、第1実施の形態と同様
の構成であり、階段状に循環して運転される複数個のス
テップ1と、複数個のステップ1の両側に設けられた手
摺2と、この手摺2の上を複数個のステップ1と同期し
て連動する手摺ベルト3と、ステップ1に搭載された倣
い機構32aと、ベビーカー31aとからなる車輪付き
台車Bをほぼ水平方向に保ちながら案内するためのエス
コートレール4とを備えている。
【0104】図5に示すように、車輪39を有するベビ
ーカー31aにネジなどで被着脱部33が取付けられて
おり、被着脱部33には嵌合溝33aが設けられてい
る。一方、倣い機構32aには、エスコートレール4に
案内されて移動するための倣いローラ36が設けられて
いる。さらに、倣い機構32aにはロック機構34を有
する着脱部37が設けられ、着脱部37のロック機構3
4を被着脱部33の嵌合溝33aに嵌合させることによ
りベビーカー31aに倣い機構32aが装着される。
【0105】また、図6に示すように、車輪39を有す
るショッピングカート31bにネジなどで被着脱部33
を取付け、被着脱部33に嵌合溝33aを設けてもよ
い。この場合、倣い機構32bは、エスカレータAのス
テップ1に乗る車輪35と、エスコートレール4に案内
されて移動するための倣いローラ36とを有している。
さらに、倣い機構32bにはロック機構34を有する着
脱部37が設けられ、着脱部37を被着脱部33に装着
してロックできる構造としている。ロック機構34を被
着脱部33の嵌合溝33aに嵌合させることによりショ
ッピングカート31bが倣い機構32bに装着される。
【0106】図6において、倣い機構32bはエスカレ
ータAと車輪付き台車Bとの幅の違いに対応して、ワン
タッチで倣いローラ36の幅を広げたり収納できる倣い
収納機構(可変機構)38を有している。
【0107】さらに、図示はしないが、エスカレータA
の昇降口において通信手段を設け、倣い収納機構38に
倣い機構32bの拡幅および収納を自動的に行なう自動
幅合わせ手段を設けることもできる。
【0108】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について説明する。
【0109】エスカレータAに車輪付き台車Bが乗り込
む場合、倣い機構32a、32bの倣いローラ36がロ
ーラ36がエスコートレール4に案内される。
【0110】図5に示すように、既存のベビーカー31
aにネジなどで被着脱部32を後から取付けることがで
きるが、ベビーカー31aには予め被着脱部32が付け
られている。
【0111】一方、倣い機構32aは、デパート、スー
パーや量販店などサービス提供者側により置き傘のよう
にエスカレータAの前の置き場に備えられている。倣い
機構32aの着脱部37をベビーカー31aの被着脱部
32に嵌め込んで、ロック機構34を被着脱部33の嵌
合溝33aに噛み合わせることにより、ベビーカー31
aと倣い機構32aとからなる車輪付き台車Bが得られ
る。倣い機構32aを装着したベビーカー31aは、倣
いローラ36をエスコートレール4に案内させてエスカ
レータA上に載置することができる。
【0112】用事が済んだ時には、ロック機構34を解
除して、倣い機構32aの着脱部37をベビーカー31
aの被着脱部32から外して、倣い機構32aをエスカ
レータ前の置き場に残して、利用者は帰れることにな
る。
【0113】また、図6に示すように、既存のショッピ
ングカート31bにネジなどで被着脱部32後から取付
けることができるが、ショッピングカート31bには予
め被着脱部32が取付けられている。
【0114】また、倣い機構32bを、デパート、スー
パーや量販店などサービス提供者側がショッピングカー
ト31bに予め取付けておけば、エスカレータで昇降し
たい利用者は倣い機構32aとショッピングカート31
bとからなる車輪付き台車Bを選ぶことができる。ま
た、倣い機構32aをエスカレータAの前の置き場に備
えておけば、ショッピングカート31bで倣い機構32
bとを容易に脱着することができる。
【0115】図6において、倣い機構32bにはエスカ
レータAと倣い機構32bとの幅の違いに対応して、ワ
ンタッチで倣いローラ36の幅を広げたり収納できる倣
い収納機構38が設けられているので、幅が異なる一人
乗りのエスカレータや二人乗りのエスカレータについて
も車輪付き台車Bを容易に載せることができる。
【0116】さらに、図示しない自動幅合わせ手段によ
り、エスカレータAの乗降口に設けられた通信手段から
送られてくる信号に基づいて一人乗りエレベータか二人
乗りエレベータかを自動的に判断して、倣い収納機構3
8により倣いローラ36の拡幅および収納を自動的に行
なわせることもできる。
【0117】第3の実施の形態によれば、図5におい
て、既存のベビーカー31aでもネジなどで被着脱部3
2を後から取付けできる。被着脱部32は非常に軽微な
ものであり、購入する際の価格的に、利用する際の重量
的に、利用者の負担になることはない。一方、デパー
ト、スーパーや量販店などサービス提供者側にとって
も、既存エスカレータAへのエスコートレール4の取付
と車輪付き台車Bの導入は、昇降設備の更新に比べて安
価である。また、例えば食料品や化粧品が主力商品の1
階にベビー商品を並べるような店舗レイアウトにするこ
とは難しいため、輸送能力のあるエスカレータで車輪付
き台車Bを移動させることにより、エレベータAのスペ
ースを増やさなくとも人の流れが良くなり、買い物をし
たいというイメージアップになる。
【0118】さらに、図6に示すように、デパート、ス
ーパーや量販店などサービス提供者側にとって、既存の
ショッピングカート31bにネジなどで被着脱部32を
後から取付けることができ、既存のエスカレータAにエ
スコートレール4と車輪付き台車Bを安価に導入するこ
とができる。ショッピングカート31bに乗せたものを
乗せ変えずに輸送能力のあるエスカレータAで各階を移
動できるため、エレベータAのスペースを増やさなくと
も人の流れが良くなり、上下階に縛られない店舗レイア
ウトにすることができ、従来にない店舗のイメージを作
ることができる。
【0119】また、倣い収納機構38を用いて幅の異な
る一人乗りのエスカレータや二人乗りのエスカレータが
混在している建屋でも自在に昇降できるので、既存のエ
スカレータを更新して新しいものに掛け替える必要はな
い。
【0120】さらに、図示はしない自動幅合わせ手段に
より、倣い収納機構38に倣いローラ36の拡幅および
収納を自動的に行なわせることにより、利用者はわずら
わしい操作を行う必要がない。
【0121】第4の実施の形態 図7および図8は、本発明の第4実施の形態の構成を示
す斜視図である。
【0122】図7および図8に示す第4の実施の形態に
おいて、車輪付き台車Bは、台車本体(大型ショッピン
グカート)41と、台車本体41に連結された一対の倣
い機構421、422とを備えている。図7および図8
に示す第4の実施の形態において、図1および図2に示
す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0123】エスカレータAは、第1実施の形態と同様
の構成であり、階段状に循環して運転される複数個のス
テップ1と、複数個のステップ1の両側に設けられた手
摺2と、この手摺の上を複数個のステップ2と同期して
連動する手摺ベルト3と、ステップ1に搭載された倣い
機構421、422と大型ショッピングカート41とか
らなる車輪付き台車Bをほぼ水平方向に保ちながら案内
するためのエスコートレール4とを備えている。
【0124】図7において、車輪41aを有する大型シ
ョッピングカート41の前後両方に向きを逆にして一対
の倣い機構421、422が連結され、各倣い機構42
1、422にはエスカレータAのステップ1に乗る車輪
451、452と、上述のエスコートレール4に案内さ
れて移動するための倣いローラ461r、461l、4
62r、462lとを有している。
【0125】また、倣い機構421、422は、エスカ
レータAと倣い機構421、422との幅の違いに対応
して、ワンタッチで倣いローラ461r、461l、4
62r、462lの幅を広げたり収納できる倣い収納機
構43を有している。
【0126】また、エスカレータAの乗降口近傍には大
型ショッピングカート41の倣い機構421、422の
前後方向の向きを検知する検知センサ43aが設けられ
ている。
【0127】例えば、エスカレータAの斜面に向かって
右側の倣いローラ461r、462rは軸側がN極でロ
ーラ外周側がS極であり、エスカレータAの斜面に向か
って左側の倣いローラ461l、462lは軸側がS極
でローラ外周側がN極となっている。この場合、検知セ
ンサ43aはエスコートレール4に沿って入ってくる倣
いローラ461r、462r、461l、462lの磁
性を検知することができる。このとき検知センサ43a
は、倣い機構421、422の伸縮位置を検知し、倣い
機構421、422の前後方向の向きが逆である場合に
は、搭乗防止機構44により音声で知らせたりエスコー
トレール4の入り口を塞いだりして大型ショッピングカ
ート41のエスカレータAへの搭乗を防止するようにな
っている。
【0128】さらに、図7を用いて、倣い機構421、
422の詳細を説明する。
【0129】大型ショッピングカート41の後方に設け
られた後の倣い機構421は、フレーム421aを有
し、このフレーム421aに車輪451と倣いローラ4
61r、461lが回転自在に左右に1組ずつ取り付け
られており、左右の倣いローラ461r、461lは幅
方向に摺動自在となっている。フレーム421aは、下
部リンク421b、421b’と上部リンク421c、
421c’により、大型ショッピングカート41に対し
て揺動自在に取付けられている。
【0130】上部リンク421cは大型ショッピングカ
ート41側の軸421eに取付けられており、軸421
eの中央側の端部には動作限体421dが取付けられて
いる。この動作限体421dと大型ショッピングカート
41のヒンジ411aとの間には、収納ばね421fが
下部リンク421b、421b’と上部リンク421
c、421c’を跳ね上げてフレーム421aを収納す
る方向に力が作用するように取付けられている。また、
軸421eの他端部にはレバー421gが取付けられて
いる。
【0131】下部リンク421b、421b’と上部リ
ンク421c、421c’を下げてフレーム421aを
出した状態でレバー421gと係合するフック411b
が、大型ショッピングカート41に設けている。また、
左右の倣いローラ461r、461lの幅方向の摺動軸
461a、461a’には、ヒンジ461b、461
b’が設けられている。大型ショッピングカート41の
ヒンジ411cに、V字形のリンク431が設けられ、
このヒンジ411cとリンク431とによって倣い収納
機構43が構成されている。
【0132】また、大型ショッピングカート41の前方
に設けられた倣い機構422は、フレーム422aを有
し、このフレーム422aに車輪452と倣いローラ4
62r、462lが回転自在に左右に1組ずつ取付けら
れており、左右の倣いローラ462r、462lは幅方
向に摺動となっている。フレーム422aは下部リンク
422b、422b’と上部リンク422c、422
c’により大型ショッピングカート41に対して摺動自
在に取付けられている。
【0133】上部リンク422cは大型ショッピングカ
ート41側の軸422hに取付けられており、軸422
hの端部には連結レバー422iが取付けられている。
一方、後側の大型ショッピングカート41には、軸42
2eが回転自在に取付けられており、中央側の端部には
動作限体422dが取付けられている。この動作限体4
22dと大型ショッピングカート41のヒンジ412a
との間には、収納ばね422fが下部リンク422b、
422b’と上部リンク422c、422c’を跳ね上
げてフレーム422aを収納する方向に力が作用するよ
うに取付けられている。また、軸422eの他端部には
レバー422gが取付けられており、連結リンク422
jによりレバー422gと連結レバー422iとを連結
している。
【0134】下部リンク422b、422b’と上部リ
ンク422c、422c’を下げてフレーム422aを
出した状態でレバー422gと係合するフック412b
が、大型ショッピングカート41に設けている。また、
左右の倣いローラ462r、462lの幅方向の摺動軸
462a、462a’にはヒンジ462b、462b’
が設けられている。大型ショッピングカート41のヒン
ジ412cに、V字形のリンク432が設けられ、この
ヒンジ412cとリンク432とによって倣い収納機構
43を構成させている。
【0135】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について説明する。
【0136】エスカレータAに車輪付き台車Bが乗り込
んだ場合、倣い機構421、422の倣いローラ461
r、461l、462r、462lがエスコートレール
4に案内される。
【0137】次に、図7および図8により倣い機構42
1、422の作用について詳述する。
【0138】図7において、倣い収納機構43により倣
いローラ461r、461l、462r、462lを収
納することで、通常のショッピングカートとして使うこ
とができ、この場合、倣いローラ461r、461l、
462r、462lの幅を狭くすることができ、車輪付
き台車Bの引き回し時に周囲のものに引っ掛けることが
ない。また、車輪付き台車BをエスカレータAのエスコ
ートレール4に案内させて乗せる時には、ワンタッチで
倣いローラ461r、461l、462r、462lを
広げて使うことができる。
【0139】また、車輪付き台車BをエスカレータAの
エスコートレール4に案内させて乗せる時には、利用者
にとって前後使いやすい側の倣い機構421,422の
対応する倣いローラ461r,461l,462r,4
62lを拡げて使うことが可能になる。
【0140】また、車輪付き台車BをエスカレータAの
エスコートレール4に案内させて乗せる時に、使用者の
判断ミスで前後間違えて倣い機構421、422を大型
ショッピングカート41に装着した場合、車輪付き台車
BがエスカレータAの乗降口に差し掛かると、検知セン
サ43が倣い機構421、422の前後方向の向きが逆
であることを検知する。この場合、検知センサ43から
の位置に基づいて搭乗防止機能44が音声で向きの間違
いを利用者に知らせたり、エスコートレール4の入り口
を塞いだりして、車輪付き台車BのエスカレータAへの
搭乗を防止する。
【0141】さらに、図7と図8を用いて、倣い機構4
21、422の動作について説明する。
【0142】図7に示すように、後方の倣い機構421
のレバー421gを引いてフック411bに掛ける方向
に動かすと、跳ね上げて収納していたフレーム421a
が突出する方向に揺動する。図8では、レバー421g
をフック411bに掛け終えた状態を示している。この
とき収納ばね421fがフレーム421aを跳ね上げる
方向に力を作用しているが、レバー421gがフック4
11bに掛けられているのでフレーム461aは戻らな
い。
【0143】また、V字形のリンク431で構成してい
る倣い収納機構43は、大型ショッピングカート41の
ヒンジ411cの位置が動かないので、フレーム421
aが下がると、左右の倣いローラ461の幅方向に押し
広げた状態になる。
【0144】以上のようにして、フレーム421aに取
付けた車輪451と倣いローラ461r、461lは倣
い機構421として、エスカレータのエスコートレール
に係合するようになる。
【0145】また、図8の状態では、前方の倣い機構4
22の動作限体422dが後方の倣い機構421の動作
限体421dに干渉している。そこで、前の倣い機構4
22のレバー422gを前に倒そうとしても、レバー4
21gがフック411bに掛けられているので動かな
い。この場合、前の倣い機構422のレバー422gを
前に倒すには、まず、後ろの倣い機構421のレバー4
21gをフック411bから外して、図7に示すよう
に、後ろの倣い機構421を元に戻さなければならな
い。このような機械的なインターロック機構により、前
後いずれかの倣い機構421、422のみしか出せない
ようになっている。
【0146】図7に示すように、前の倣い機構422の
レバー422gを押してフック412bに掛ける方向に
動かすと、連結リンク422iの力により、跳ね上げて
収納していたフレーム422aが突出する方向に揺動す
る。図示しないが、レバー422gをフック412bに
掛け終えた状態では、収納ばね422fがフレーム42
1aを跳ね上げて戻す方向に力が作用しているが、レバ
ー422gがフック412bに掛けられているのでフレ
ーム421aが戻ることはない。
【0147】また、V字形のリンク432で構成してい
る倣い収納機構43は、大型ショッピングカート41の
ヒンジ412cの位置が動かないので、フレーム422
aが下がると、左右の倣いローラ462r、462lは
幅方向に押し広げた状態になる。
【0148】以上のようにして、フレーム422aに取
付けた車輪452と倣いローラ462r、462lが倣
い機構422として、エスカレータのエスコートレール
に係合するようになる。
【0149】本実施の形態によれば、図7において、倣
い機構421、422を倣い収納機構43内に収納する
ことができ、車輪付き台車Bを通常のショッピングカー
トとして使う場合には、邪魔にならず、また、車輪付き
台車BをエスカレータAのエスコートレール4に案内さ
せて乗せる時には、ワンタッチで倣い機構421、42
2を拡大して使えるので、便利である。
【0150】また、車輪付き台車Bの扱いとして、利用
者が操作することにより、エスカレータAの上りと下り
で、選択的に前後使いやすい側の倣い機構421、42
2を拡大して使うことが可能であり、不便を感じること
はない。
【0151】また、倣い機構421、422の前後の向
きが逆であった場合に、検知センサ43と搭乗防止機能
44とにより、音声で向きの間違いを利用者に知らせた
りエスコートレール4の入り口を塞いだりして車輪付き
台車Bのエスカレータへの搭乗を防止するので、本質的
な安全を確保でき信頼性が高まる。さらに、図8に示す
ように、前後いずれかの倣い機構421、422しか突
出しない機構となっているので、本質的な安全を確保で
きている。
【0152】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、複数個
の倣い機構によりステップに加わる力を分散することが
でき、搭載するものが電動式車椅子など重い場合でも水
平支持できる。これにより、循環するステップすべての
強度を高めて、重量に耐えられるようにする必要はな
く、既存のエスカレータにも容易に導入できる。
【0153】また、台車本体にワンタッチで倣い機構を
装着することができ、台車本体に倣い機構を取付けるだ
けで、エスコートレール付きのエスカレータに対応でき
る。
【0154】さらに、台車本体の前後に倣い機構を装着
することにより、台車本体の前後の倣い機構を拡大して
エスカレータに乗せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態における車輪付き台車
を示す構成概略図。
【図2】本発明の車輪付き台車の倣い機構と押付機構の
詳細を示す斜視図。
【図3】本発明の第2実施の形態における車輪付き台車
の構成を示す斜視図。
【図4】本発明の車輪付き台車の倣い機構を車椅子に装
着した状態を示す斜視図。
【図5】本発明の第3実施の形態における車輪付き台車
の構成を示す斜視図。
【図6】本発明の車輪付き台車の構成を示す斜視図。
【図7】本発明の第4実施の形態における車輪付き台車
の構成を示す斜視図。
【図8】本発明の車輪付き台車の後方の倣い機構を拡張
した状態を示す斜視図。
【図9】従来のエスカレータと車輪付き台車を示す構成
概略図。
【図10】従来のエスカレータと車輪付き台車を示す構
成概略図。
【符号の説明】
1 ステップ 1a、1b、1c ステップ面 4 エスコートレール 5 台車本体 5a、5b、5c 車輪 6a、6b、6c 倣い機構 8b、8b’、8c、8c’ 平行四辺形リンク 9、9b、9c 押付機構 11a、17a トルク半径調整プーリ 13、19 引き込みバネ 21 車椅子 22 倣い機構 24a、24b 駆動ローラ 29 押さえ部 31a ベビーカー 31b ショッピングカート 32 被着脱部 37 着脱部 38 倣い収納機構 41 大型ショッピングカート 43a 倣い機構向き検知センサ 44 搭乗防止機能 421、422 倣い機構 A エスカレータ B 車輪付き台車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 恵 東京都府中市東芝町1番地 東芝エレベー タ株式会社府中工場内 (72)発明者 菊 池 孝 幸 東京都府中市東芝町1番地 東芝エレベー タ株式会社府中工場内 Fターム(参考) 3D050 AA02 AA04 BB27 KK05 3F321 BA14 CB01 CB37 CC01 CC08 CC16 GB02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】階段状に配置されるとともに、循環して運
    転される複数個のステップと、ステップに搭載された車
    輪付き台車を所定方向に案内するためのエスコートレー
    ルとを有するエスカレータに載置される車輪付き台車に
    おいて、 台車本体と、 台車本体に連結され、ステップに載る車輪を有し、エス
    コートレールに係合する複数の倣い機構と、 各倣い機構を連結するリンク機構と、 リンク機構に設けられ、任意の倣い機構から他の倣い機
    構に対して対応する車輪をステップ上に押付けるよう押
    付力を生じさせる押付機構と、 を備えたことを特徴とする車輪付き台車。
  2. 【請求項2】押付機構は押付力を生じさせるバネを有す
    ることを特徴とする請求項1記載の車輪付き台車。
  3. 【請求項3】押付機構にバネの力を調整するスプリング
    調整部が設けられていることを特徴とする請求項2記載
    の車輪付き台車。
  4. 【請求項4】押付機構は押付力を生じさせる駆動モータ
    を有することを特徴とする請求項1記載の車輪付き台
    車。
  5. 【請求項5】階段状に配置されるとともに、循環して運
    転される複数個のステップと、ステップに搭載された車
    輪付き台車を所定方向に案内するためのエスコートレー
    ルとを有するエスカレータに載置される車輪付き台車に
    おいて、 車輪を有する台車本体と、 台車本体に連結され、エスコートレールに係合する倣い
    機構とを備え、 倣い機構は、台車本体に着脱部を介して着脱自在に装着
    されることを特徴とする車輪付き台車。
  6. 【請求項6】階段状に配置されるとともに、循環して運
    転される複数個のステップと、ステップに搭載された車
    輪付き台車を所定方向に案内するためのエスコートレー
    ルとを有するエスカレータに載置される車輪付き台車に
    おいて、 車輪を有する台車本体と、 台車本体に連結され、エスコートレールに係合する倣い
    機構とを備え、倣い機構は、幅方向に伸縮自在になるこ
    とを特徴とする車輪付き台車。
  7. 【請求項7】倣い機構はエスコートレールに係合する一
    対の倣いローラと、この倣いローラ間の幅を可変とする
    可変機構とを有することを特徴とする請求項6記載の車
    輪付き台車。
  8. 【請求項8】倣い機構は台車本体の前方および台車本体
    の後方に各々設けられていることを特徴とする請求項6
    記載の車輪付き台車。
  9. 【請求項9】階段状に配置されるとともに、循環して運
    転される複数個のステップと、ステップに搭載された車
    輪付き台車と、この車輪付き台車を所定方向に案内する
    ためのエスコートレールとの組合体において、 車輪付き台車は台車本体と、台車本体に連結され、エス
    コートレールに係合する倣い機構とを有し、 倣い機構は台車本体の前方および後方に各々設けられる
    とともに、幅方向に伸縮自在となり、 エスコートレール近傍に倣い機構の伸縮位置を検知する
    検知センサを設けたことを特徴とするエスカレータと車
    輪付き台車の組合体。
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