JP2003092330A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

熱処理装置および熱処理方法

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JP2003092330A
JP2003092330A JP2001283584A JP2001283584A JP2003092330A JP 2003092330 A JP2003092330 A JP 2003092330A JP 2001283584 A JP2001283584 A JP 2001283584A JP 2001283584 A JP2001283584 A JP 2001283584A JP 2003092330 A JP2003092330 A JP 2003092330A
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treatment apparatus
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Toshiyuki Ito
俊行 伊東
Tadashi Enomoto
忠 榎本
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Tokyo Electron Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被処理体に対して、複数の熱処理工程を、高
い時間効率で達成することができる熱処理装置および熱
処理方法を提供すること。 【解決手段】 熱処理装置10は、第1の室13aと、
第2の室13bと、被処理体通路25Aと、開閉扉25
1とを具えてなることを特徴とする。ここに、中継室に
よって被処理体通路25Aが形成されていることが好ま
しい。室間移送機構18aが設けられていることが好ま
しい。熱処理方法は、上記の熱処理装置を用い、第1の
熱処理炉において熱処理された被処理体を、被処理体通
路25Aを介して第2の室13bに移送し、この被処理
体を第2の熱処理炉において熱処理することを特徴とす
る。ここに、第2の熱処理炉における熱処理条件が、第
1の熱処理炉における熱処理条件と異なるものであるこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体ウ
エハなどの被処理体に対して、酸化、拡散、アニールあ
るいはCVDなどの処理を行うために用いられる熱処理
装置、およびこの熱処理装置を用いた熱処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造においては、被処理体
である例えば半導体ウエハに対して、例えば酸化、拡
散、CVDなどの各種の処理が行われることが必要であ
り、このような処理を行う装置として、いわゆる熱処理
装置が広く利用されている。
【0003】図5は、従来の熱処理装置の概略的な構成
の一例を示す平面図、図6は、図5に示す熱処理装置の
縦断面図である。この熱処理装置40においては、例え
ば、周囲にヒータを配置したプロセスチューブと称され
る反応管(図示せず)を有する熱処理炉41が設けられ
ており、この熱処理炉41内に、被処理体である半導体
ウエハの多数が各々水平状態で上下方向に適宜の間隔で
並ぶよう保持されたウエハボート42が搬入され、反応
管内に位置された状態で、多数の半導体ウエハが一斉に
熱処理される構成とされている。
【0004】熱処理炉41は下方に開口を有しており、
この熱処理炉41の下方位置に設けられたローディング
エリア43を区画するローディングエリアモジュール4
01と、前処理室であるウエハ搬送エリア44を有する
フロントエンドモジュール402とが前後方向に隣接し
て設けられてなり、このフロントエンドモジュール40
2は、多数の半導体ウエハが収容されたキャリア45か
ら半導体ウエハを移載するウエハ搬送機構46が備えら
れると共に、キャリア45が載置されるロードポート4
03が、その前面から突出する態様で設けられた構成と
されている。
【0005】ローディングエリア43には、昇降ガイド
471を介して上下方向に駆動されることにより、熱処
理炉41にウエハボート42を搬入および搬出する載置
台472を有するボートエレベータ機構47が設けられ
ると共に、上下に昇降可能でかつ水平面内で回動可能と
された、ウエハボート42に半導体ウエハの移載を行う
ウエハ移載機構48が設けられている。
【0006】そして、このローディングエリアモジュー
ル401と、フロントエンドモジュール402とは、各
々固有の外匣により区画された独立の室を形成する構成
とされると共に、2つの開閉扉405、406を有する
箱状のパスボックス404を介して連通し、これによ
り、被処理体が、ローディングエリア43とウエハ搬送
エリア44との間で搬入および搬出が可能とされてい
る。
【0007】図5および図6において、441は、キャ
リア45から半導体ウエハの搬入搬出を行う搬入出口、
451は、キャリア45の前面部に開口するウエハ取出
口(図示せず)を気密に塞ぐための蓋、49は、熱処理
炉41の開口411を閉塞するシャッター、50は、結
晶方向を揃えるために半導体ウエハの周縁部に形成され
たノッチ(切欠部)を一方向に整列させるためのノッチ
整列機構、51は、熱処理装置40の稼働テストなどに
用いられる、実際には集積回路パターンが形成されてい
ないダミーウエハを一時的に収容するダミーバッファ、
52は、ダミーウエハを収容するダミーウエハ用キャリ
ア、53は、ダミーウエハ用キャリア52をロードポー
ト403から退避させるキャリアキャッチャーである。
【0008】以上のような熱処理装置40においては、
被処理体である半導体ウエハは、ウエハ搬送エリア44
において、ノッチ整列機構50によりその結晶方向が揃
えられた後、パスボックス404を介してローディング
エリア43に搬送され、ローディングエリア43におい
て、ウエハボート42に移載される。そして、このよう
にして多数枚の半導体ウエハが保持されたウエハボート
42は、適宜の熱処理条件に設定された熱処理炉41に
搬入されて熱処理工程が行われる。この熱処理工程が終
了した後、ウエハボート42はローディングエリア43
に搬出され、半導体ウエハは、ウエハ搬送エリア44を
介してキャリア45へ収容されることにより、所定の熱
処理が行われる。
【0009】而して、同一の半導体ウエハに対して、異
なる条件による処理を順次に行うことが必要とされる場
合があり、そのような場合には、従来、2つの熱処理装
置を用いて、それぞれの熱処理炉を異なった条件に設定
しておき、第1の熱処理装置において1回目の熱処理工
程を行い、その半導体ウエハを第2の熱処理装置に移送
して2回目の熱処理工程を行うようにしている。
【0010】しかしながら、このような方法では、半導
体ウエハを、一旦、第1の熱処理装置の外部へ搬出し、
その後、第2の熱処理装置へ搬入することが必要である
ために多大な時間が必要とされる。
【0011】具体的に説明すると、通常、熱処理装置に
おけるローディングエリアを区画する室は、半導体ウエ
ハの表面に不可避的に自然酸化膜が形成されることを防
止するために、その内部雰囲気が、窒素ガスなどの不活
性ガス雰囲気に維持されている。そのため、ローディン
グエリアに対するそれぞれの熱処理装置における半導体
ウエハの搬入および搬出はパスボックスを介して行うこ
とが必要とされるところ、パスボックスに移載可能な半
導体ウエハの許容枚数は、ウエハボートに保持される枚
数と比して相当に少なく、従って、一斉に熱処理される
べき半導体ウエハを全て移送するためには、パスボック
スを介した搬入および搬出操作を複数回行う必要があ
る。
【0012】従って、上述のように2つの熱処理装置の
間において半導体ウエハを移送する作業は、多大の時間
を要するものとなり、半導体ウエハに対する熱処理全体
におけるスループット(生産効率)が非常に低い、とい
う問題がある。更に、半導体ウエハを一旦外部に露出さ
せることとなるため、大気中に浮遊する微細な塵埃の付
着による半導体ウエハの汚染、または不活性ガス雰囲気
に維持されていない雰囲気へ曝露されることにより、不
可避的に自然酸化膜の形成が生ずる、という問題があ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
同一の被処理体に対して、異なる処理条件による複数の
熱処理工程を、きわめて高い時間効率で達成することが
できる熱処理装置を提供することにある。本発明の他の
目的は、上記の熱処理装置により、同一の被処理体に対
して異なる処理条件に従って、順次に熱処理を行うこと
のできる熱処理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の熱処理装置は、
第1の熱処理炉に係る第1の準備領域を区画する第1の
室と、第2の熱処理炉に係る第2の準備領域を区画す
る、前記第1の室と隔壁を介して隣接する第2の室と、
前記第1の室と第2の室との間の隔壁に形成された被処
理体通路と、この被処理体通路を開閉する開閉扉とを具
えてなることを特徴とする。
【0015】本発明の熱処理装置においては、熱処理装
置においては、第1の室と第2の室との間の隔壁に、第
1の室との間を開閉する第1の開閉扉および第2の室と
の間を開閉する第2の開閉扉を有する中継室が設けら
れ、この中継室によって被処理体通路が形成されている
ことが好ましい。また、第1の室および第2の室の両方
に隣接する前処理室が設けられており、中継室が、第3
の開閉扉を介して前処理室に連通していることが好まし
い。
【0016】以上において、被処理体通路を介して被処
理体を第1の室と第2の室との間で移送する室間移送機
構が設けられていることが好ましく、この室間移送機構
は、熱処理炉に搬入搬出される保持具に保持された状態
で被処理体を移送するものであることが好ましい。
【0017】本発明の熱処理方法は、上記に記載の熱処
理装置を用い、第1の熱処理炉において第1の熱処理条
件で熱処理された被処理体を、第1の室から被処理体通
路を介して第2の室に移送し、この被処理体を第2の熱
処理炉において第2の熱処理条件で熱処理することを特
徴とする。ここに、第2の熱処理炉における第2の熱処
理条件が、第1の熱処理炉における第1の熱処理条件と
異なるものであることが好ましい。
【0018】
【作用】上記の熱処理装置によれば、各々熱処理炉およ
び個々の熱処理炉に係る準備領域であるローディングエ
リアが配設された2つの室の間を、被処理体通路を介し
て直接的に被処理体を移送することが可能であるため、
同一の被処理体に対して複数の熱処理工程を行う場合に
おけるスループット(生産効率)を大きく向上させるこ
とができる。また、本発明の熱処理方法によれば、同一
の被処理体に対して処理条件の異なる複数の熱処理工程
を連続的に行うことができると共に、被処理体を外部大
気に曝すことなしに所期の移送を行うことができるた
め、同一の被処理体に対する複数の熱処理を高い効率で
達成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
ついて詳細に説明する。図1は、本発明の熱処理装置の
概略的な構成の一例を示す平面図、図2は、図1に示す
熱処理装置を矢印X方向から見た縦断面図である。
【0020】この熱処理装置10は、外匣により区画さ
れたローディングエリアモジュール101と、このロー
ディングエリアモジュール101とは独立した外匣によ
り区画されたフロントエンドモジュール102とが互い
に前後方向(図1および図2において左右方向)に隣接
するよう配設されて構成されている。そして、フロント
エンドモジュール102には、その前面に突出して、被
処理体である複数の半導体ウエハが収容されたキャリア
15を支持する平板状の支持面を備えたロードポート1
03が設けられている。
【0021】ローディングエリアモジュール101にお
いては、前後方向に伸びる隔壁24aにより互いに区画
されることにより、左右方向(図1において上下方向)
に隣接するよう、第1の室13aおよび第2の室13b
が形成されていると共に、隔壁24aには、後述する態
様の被処理体通路25Aが形成されており、これによ
り、第1の室13aと第2の室13bとが連通した構成
とされている。
【0022】フロントエンドモジュール102において
は、隔壁24aの延長方向に伸びる隔壁26を介して、
前処理室である第1のウエハ搬送エリア14aおよび第
2のウエハ搬送エリア14bが左右方向に隣接するよう
形成されている。そして、第1の室13aと第1のウエ
ハ搬送エリア14aとが、中継室である第1のパスボッ
クス104aにより連通可能に接続されていると共に、
第2の室13bと第2のウエハ搬送エリア14bとが、
第2のパスボックス104bにより連通可能に接続され
ている。
【0023】第1の室13aには、下方に開口111a
を有する円筒状の縦型熱処理炉11aが設けられてお
り、この縦型熱処理炉11aの内部には、周囲にヒータ
が配置されたプロセスチューブと称される反応管(図示
せず)が設けられている。そして、この第1の熱処理炉
11aの開口111aの下方の空間により、準備領域で
ある第1のローディングエリア131aが形成されてい
る。
【0024】この第1のローディングエリア131aに
は、ウエハボート12aを、上下方向に駆動されて第1
の熱処理炉11a内に搬入、搬出するための昇降機構で
あるボートエレベータ機構17aが設けられていると共
に、熱処理炉11aの下方領域に配置されたウエハボー
ト12aと、後述する第1のパスボックス104aにお
ける中継用保持部(図示せず)との間で半導体ウエハを
移載するウエハ移載機構18aとが具えられている。こ
こに、ウエハボート12aは、多数枚、例えば100〜
150枚程度の半導体ウエハが各々水平状態で上下方向
に適宜の間隔で並ぶよう保持される、保持具である。
【0025】第2の室13bは、第1の室13aと同様
の構成とされており、第2の縦型熱処理炉が設けられて
おり、その開口の下方空間により第2のローディングエ
リア131bが形成されていると共に、この第2のロー
ディングエリア131bには、第1のローディングエリ
ア131aと同様の構成のボートエレベータ機構17b
と、ウエハ移載機構18bとが具えられている。
【0026】第1のウエハ搬送エリア14aは、ロード
ポート103に載置されたキャリア15に収容された複
数の半導体ウエハを搬送する、上下に昇降可能および水
平面内で回動可能とされた回転自在なアームおよびフォ
ーク状の先端部を有するウエハ搬送機構16aと、熱処
理装置10の稼働テストなどに用いられ、実際には集積
回路パターンが形成されていないダミーウエハを一時的
に収容するダミーバッファ20aと、結晶方向を揃える
ために半導体ウエハの周縁部に形成されたノッチ(切欠
部)を一方向に整列させるためのノッチ整列機構21a
とを備えている。また、第2のウエハ搬送エリア14b
は、第1のウエハ搬送エリア14aと同一の構成とされ
ている。
【0027】図1および図2において、141a、14
1bは、キャリア15から半導体ウエハの搬入搬出を行
う搬入出口、19は、熱処理工程後のウエハボート12
aが第1の熱処理炉11aから搬出された際に下端開口
111aを閉塞するシャッター、22aは、ロードポー
ト103から一時的に退避状態とされたダミーウエハを
収容するダミーウエハ用キャリア、23は、ダミーウエ
ハ用キャリア22aをロードポート103から退避させ
るキャリアキャッチャーである。
【0028】隔壁24aに形成された被処理体通路25
Aは、閉状態とされることにより被処理体通路25Aを
気密に閉鎖する開閉扉251を有しており、この開閉扉
251が開状態とされることにより、半導体ウエハが被
処理体通路25Aを介して、室間移送機構により、第1
の室13aと第2の室13bとの間で移送可能となる。
【0029】第1の室13aと第2の室13bとの間で
半導体ウエハを移送する室間移送機構としては、被処理
体通路25Aを介して半導体ウエハを移送する機能を有
するものであれば特に制限されるものではなく、例えば
ウエハ移載機構18a、18bの少なくとも一方を利用
することができる。そして、例えばウエハ移載機構18
aを利用する場合には、被処理体通路25Aを介して、
半導体ウエハを第1の室13aから第2の室13bにお
けるローディングエリア131bに載置されたウエハボ
ート12bに直接的に移載することが可能であり、これ
により2つの室の間で半導体ウエハの移送を達成するこ
とができる。このようなウエハ移載機構18a、18b
としては、上下に昇降可能および水平面内で回動可能と
されたアームおよびフォーク状の先端部を有する構成と
されたものを利用することができる。
【0030】以上において、キャリア15は、例えば所
定の径を有する複数枚の半導体ウエハを適宜の間隔で並
ぶように収容可能とされたプラスチック製の容器であ
り、その前面部に開口するウエハ取出口(図示せず)を
気密に塞ぐための蓋151が開閉自在に設けられてい
る。このようなキャリア15としては、例えば直径30
0mmの半導体ウエハが収容可能であり、蓋が閉まるこ
とにより内部が気密状態とされるフープカセット(FO
UP−Front Opening Unified
Pod)を好ましく用いることができる。
【0031】ボートエレベータ機構17aは、昇降ガイ
ド171aと、この昇降ガイド171aを介して適宜の
駆動源により上下に昇降移動される昇降体であり、ウエ
ハボート12aが載置される載置台172aとにより構
成されており、この載置台172aは、第1の熱処理炉
11a内に導入されて第1の熱処理炉11aの下端開口
111aを塞ぐ蓋体として作用するものである。ボート
エレベータ機構17bは、ボートエレベータ機構17a
と同様の構成とされている。
【0032】第1のパスボックス104aは、第1のウ
エハ搬送エリア14aに面した開閉扉241aと、ロー
ディングエリア131aに面した開閉扉242aとによ
り区画された筐体であり、その内部に、複数の半導体ウ
エハを各々水平状態で、上下方向に適宜の間隔で並ぶよ
うに保持する中継用保持部を有している。第1のパスボ
ックス104aは、適宜のガス供給手段、ガス排気手段
など(図示せず)により、その内部空間における雰囲気
ガスの置換、または/および気圧の調整などを行うこと
が可能な構成とされている。第2のパスボックス104
bは、第1のパスボックス104aと同様の構成とされ
ている。
【0033】上記の熱処理装置10においては、フロン
トエンドモジュール102およびローディングエリアモ
ジュール101は、その内部がクリーン状態とされると
共に、ローディングエリアモジュール101の内部は、
不活性ガス雰囲気状態とされる。ここに、不活性ガス雰
囲気状態は、存在する酸素の濃度が30ppm以下であ
る状態であって、例えば、窒素ガスが充填されることに
よって達成される。
【0034】そして、先ず、例えばホイスト型移載機付
天井搬送モノレール(OHT)(図示せず)などの適宜
の手段により、外部からキャリア15がロードポート1
03に載置され、蓋151が開けられたキャリア15の
取出口から、ウエハ搬送機構16aにより、半導体ウエ
ハが取り出されて、搬入出口141aを介して第1のウ
エハ搬送エリア14a内に搬入される。そして、この半
導体ウエハは、ノッチ整列機構に移載されて半導体ウエ
ハの周縁部に設けられたノッチ(切欠部)が一方向に整
列される。
【0035】次に、第1のウエハ搬送エリア14aに面
した開閉扉241aが開かれ、かつ、第1のローディン
グエリア131aに面した開閉扉242aが閉じられた
状態の第1のパスボックス104aにおける中継用保持
部に、半導体ウエハが、ウエハ搬送機構16aによって
搬送されて、保持される。
【0036】この第1のパスボックス104aにおいて
は、開閉扉241aが閉じられて気密状態とされた後、
その内部の雰囲気が窒素ガス雰囲気に置換されて第1の
室13aの内部雰囲気と同一とされる。そして、開閉扉
242aが開かれて、半導体ウエハは、ウエハ移載機構
18aにより、第1のローディングエリア131aにお
ける載置台172a上に載置されたウエハボート12a
へ移載される。
【0037】以上の半導体ウエハの搬送および移載操作
を繰り返すことにより、ウエハボート12aに多数枚の
半導体ウエハが保持されると共に、ウエハボート12a
の最上部および最下部の保持部には、ダミーウエハが保
持される。
【0038】そして、昇降ガイド171aを介して載置
台172aが上昇することにより、ウエハボート12a
は第1の処理条件に設定された第1の熱処理炉11a内
に搬入され、これにより半導体ウエハに対して1回目の
熱処理工程が行われる。この熱処理の終了後、載置台1
72aが降下されることにより、ウエハボート12aが
第1の熱処理炉11a内から第1のローディングエリア
131aに搬出され、これと同時に、第1の熱処理炉1
1aの下端開口111aが、シャッター19aによって
閉塞される。
【0039】1回目の熱処理工程が終了した半導体ウエ
ハは、隔壁24aに設けられた被処理体通路25Aを介
して、室間移送機構として作用するウエハ移載機構18
aにより、第1の室13aから、その内部の雰囲気状態
が第1の室13aと同様の状態とされた第2の室13b
へ移送される。
【0040】すなわち、第1の室13aにおいては、ウ
エハ移載機構18aが、1回目の熱処理工程が終了して
ローディングエリア131aに搬出された半導体ウエハ
を、ウエハボート12aから被処理体通路25Aへ搬送
する。一方、第2の室13bにおいては、適宜の搬送機
構(図示せず)により予め被処理体通路25Aに近接し
た位置に載置されたウエハボート12bに対して、ウエ
ハ移載機構18aにより、半導体ウエハが、被処理体通
路25Aを介して直接的に移載される。その後、上述し
た第1の熱処理炉11aに対する場合と同様に、ウエハ
ボート12bは、第2の熱処理炉内に搬入され、当該熱
処理炉において、同一の半導体ウエハに対して第2の熱
処理条件において2回目の熱処理工程が行われる。
【0041】2回目の熱処理工程が終了した後、ウエハ
ボート12bが、第2の熱処理炉から第2のローディン
グエリア131bへ搬出され、半導体ウエハが、ウエハ
移載機構18bにより第2のパスボックス104b内の
中継用保持部に移載される。そして、第2のパスボック
ス104bを介して半導体ウエハがウエハ搬送エリア1
4bに搬送され、更に、ウエハ搬送機構16bによりロ
ードポート103に載置されたキャリア15に収容され
る。以上のようにして、同一の被処理体である半導体ウ
エハに対して、熱処理条件の異なる2つの熱処理工程を
連続的に行う、本発明における熱処理方法が実行され
る。
【0042】以上の熱処理装置10を用いた熱処理方法
においては、第2の熱処理炉において設定される第2の
熱処理条件は、第1の熱処理炉において設定される第1
の熱処理条件と異なる条件とされることにより、異なる
処理効果が得られる。熱処理条件において異なる条件と
しては、例えば熱処理工程における温度、圧力、ガスの
種類、時間などを挙げることができる。条件の異なる2
つの熱処理工程を連続して行う処理操作としては、例え
ば2つの熱処理工程を移行する間に、半導体ウエハの表
面における自然酸化膜の形成を回避すべき一連の処理操
作、2つの熱処理工程を移行する間に、半導体ウエハの
表面に対する、例えば有機物などの不純物の付着を回避
すべき一連の処理操作などを挙げることができ、具体的
には、シリコン基板上に、熱酸化膜からなるゲート酸化
膜を形成した後に、ウエハを大気に接触させることなく
ポリシリコン膜からなるゲート電極を形成するための操
作などを挙げることができる。
【0043】以上のような熱処理装置10によれば、異
なる熱処理条件に設定された2つの熱処理炉を用いて2
つの熱処理工程を順次に行う場合において、第1の熱処
理炉11aにおける第1の熱処理工程を行った後に第2
の熱処理炉における第2の熱処理工程を行うために、被
処理体である半導体ウエハを、第1の熱処理炉11aに
係る第1のローディングエリア131aから被処理体通
路25aを介して直接的に第2の熱処理炉に係る第2の
ローディングエリア131bに移送するので、半導体ウ
エハの移送作業を、一旦、当該半導体ウエハを熱処理装
置10の外部に搬出する場合に比して短時間で行うこと
が可能である。そして、このような、半導体ウエハを移
送する過程においては、半導体ウエハに対する自然酸化
膜の形成、および不純物の付着などによる汚染が発生す
ることがない。
【0044】図3は、本発明の熱処理装置の概略的な構
成の他の例を示す平面図である。この例においては、第
1の室13aと第2の室13bとの間の隔壁に形成され
る被処理体通路は、第1の室13aとの間を開閉する第
1の開閉扉252aおよび第2の室13bとの間を開閉
する第2の開閉扉252bを有するパスボックスにより
形成された構成とされている。
【0045】以上のように、パスボックスにより被処理
体通路25Bが形成された構成においては、第1の室1
3aと第2の室13bとにおける内部を、異なる条件の
ガス雰囲気に設定することができ、例えば一方の室が減
圧状態とされ、他方の室が不活性ガス雰囲気に維持され
ている設定とすることができる。そして、このように一
方の室を減圧状態とする場合には、被処理体通路25B
を形成するパスボックスに係る開閉扉、およびその開閉
機構は、耐圧性を有するものであることが要請される。
【0046】図4は、本発明の熱処理装置の概略的な構
成の他の例を示す平面図である。この例においては、被
処理体通路25Cは、第1の室13aとの間を開閉する
第1の開閉扉253aと、第2の室13bとの間を開閉
する第2の開閉扉253bと、第3の開閉扉253cと
を有するパスボックスにより形成され、この第3の開閉
扉253cを介して、前処理室であるウエハ搬送エリア
14cに接続する構成とされている。
【0047】以上の例においては、図3に示す例と同様
に、第1の室13aと第2の室13bとにおける内部
を、異なる条件のガス雰囲気に設定することができると
共に、被処理体である半導体ウエハが、第1の室13a
と第2の室13bとウエハ搬送エリア14cとの間にお
いて、パスボックスよりなる被処理体通路25Cを介し
て搬送されることが可能となる。その結果、フロントエ
ンドモジュール102とローディングエリアモジュール
101とを連通するパスボックスを設ける必要がなく、
熱処理装置10の内部構造を簡潔とすることができる。
【0048】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記の態様に限定されるものではない。
例えば、ローディングエリアモジュールにおける一方の
室または両方の室は、その内部が減圧状態に維持されて
いてもよく、熱処理炉において行う熱処理工程の種類に
応じて変更されることが好ましい。
【0049】また、第1の熱処理炉における第1の熱処
理条件と、第2の熱処理炉における第2の熱処理条件と
は、被処理体に施される熱処理工程の種類に応じた条件
であればよく、両方の熱処理炉を同じ条件とすることも
できる。更に、半導体ウエハは、2つの室の間で複数回
移送されて、2回以上の熱処理工程が連続的に行われて
もよい。
【0050】本発明の熱処理装置は、被処理体が一方の
ウエハボートから例えば2次キャリアへ移載され、この
2次キャリアが被処理体通路を介して一方のローディン
グエリアから他方のローディングエリアへ移送され、更
に、他方のローディングエリアにおいてこの2次キャリ
アから他方のウエハボートに移載されることによって、
被処理体の移送が達成される構成とされてもよい。
【0051】また、半導体ウエハを保持した状態のウエ
ハボートそのものが、被処理体通路を介して一方の室か
ら他方の室へ移送されることによって、被処理体の移送
が達成される構成とされてもよい。この場合には、他方
の室に係るローディングエリアにおいては、被処理体を
保持したウエハボートを直接ボートエレベータ機構にお
ける載置台に載置し、ただちに他方の熱処理炉へ搬入
し、2回目の熱処理工程を行うことが可能であり、結
局、更なるスループットの向上が可能となる。
【0052】
【発明の効果】本発明の熱処理装置によれば、各々熱処
理炉および個々の熱処理炉に係るローディングエリアが
配設された2つの室の間を、被処理体通路を介して直接
的に被処理体を移送することが可能であるため、同一の
被処理体に対して複数の熱処理工程を行う場合における
スループット(生産効率)を大きく向上させることがで
きる。また、本発明の熱処理方法によれば、同一の被処
理体に対して処理条件の異なる複数の熱処理工程を連続
的に行うことができると共に、被処理体を外部大気に曝
すことなしに所期の移送を行うことができるため、同一
の被処理体に対する複数の熱処理を高い効率で達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱処理装置の概略的な構成の一例を示
す平面図である。
【図2】図1に示す熱処理装置を矢印X方向から見た縦
断面図である。
【図3】本発明の熱処理装置の概略的な構成の他の例を
示す平面図である。
【図4】本発明の熱処理装置の概略的な構成の他の例を
示す平面図である。
【図5】従来の熱処理装置の概略的な構成の一例を示す
平面図である。
【図6】図5に示す熱処理装置の縦断面図である。
【符号の説明】
10 熱処理装置 101 ローディングエリアモジュール 102 フロントエンドモジュール 103 ロードポート 104a、104b パスボックス 11a 熱処理炉 111a 開口 12a、12b ウエハボート 13a 第1の室 131a 第1のローディングエリア 13b 第2の室 131b 第2のローディングエリア 14a 第1のウエハ搬送エリア 14b 第2のウエハ搬送エリア 14c ウエハ搬送エリア 141a、141b 搬入出口 15 キャリア 151 蓋 16a、16b ウエハ移載機構 17a、17b ボートエレベータ機構 171a、171b 昇降ガイド 172a、172b 載置台 18a、18b ウエハ移載機構 19a シャッター 20a ダミーバッファ 21a、21b ノッチ整列機構 22a ダミーウエハ用キャリア 23 キャリアキャッチャー 24a 隔壁 241a、241b 開閉扉 242a、242b 開閉扉 25A、25B、25C 被処理体通路 251 開閉扉 252a、252b 開閉扉 253a、253b、253c 開閉扉 26 隔壁 40 熱処理装置 401 ローディングエリアモジュール 402 フロントエンドモジュール 403 ロードポート 404 パスボックス 405、406 開閉扉 41 熱処理炉 411 開口 42 ウエハボート 43 ローディングエリア 44 ウエハ搬送エリア 441 搬入出口 45 キャリア 451 蓋 46 ウエハ移載機構 47 ボートエレベータ機構 471 昇降ガイド 472 載置台 48 ウエハ移載機構 49 シャッター 50 ダミーバッファ 51 ノッチ整列機構 52 ダミーウエハ用キャリア 53 キャリアキャッチャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 GA12 KA08 5F031 CA02 CA11 DA08 DA17 EA14 FA01 FA03 FA07 FA11 FA12 FA15 GA02 GA47 GA49 HA67 MA03 MA13 MA28 NA04 NA07 NA15 NA17 PA23 5F045 BB08 DP19 DQ05 DQ14 EB08 EB09 EN04 EN05 HA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の熱処理炉に係る第1の準備領域を
    区画する第1の室と、 第2の熱処理炉に係る第2の準備領域を区画する、前記
    第1の室と隔壁を介して隣接する第2の室と、 前記第1の室と第2の室との間の隔壁に形成された被処
    理体通路と、 この被処理体通路を開閉する開閉扉とを具えてなること
    を特徴とする熱処理装置。
  2. 【請求項2】 第1の室と第2の室との間の隔壁に、第
    1の室との間を開閉する第1の開閉扉および第2の室と
    の間を開閉する第2の開閉扉を有する中継室が設けら
    れ、この中継室によって被処理体通路が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 【請求項3】 第1の室および第2の室の両方に隣接す
    る前処理室が設けられており、 中継室が、第3の開閉扉を介して前処理室に連通してい
    ることを特徴とする請求項2に記載の熱処理装置。
  4. 【請求項4】 被処理体通路を介して被処理体を第1の
    室と第2の室との間で移送する室間移送機構が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれ
    かに記載の熱処理装置。
  5. 【請求項5】 室間移送機構は、熱処理炉に搬入搬出さ
    れる保持具に保持された状態で被処理体を移送するもの
    であることを特徴とする請求項4に記載の熱処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    熱処理装置を用い、 第1の熱処理炉において第1の熱処理条件で熱処理され
    た被処理体を、第1の室から被処理体通路を介して第2
    の室に移送し、この被処理体を第2の熱処理炉において
    第2の熱処理条件で熱処理することを特徴とする熱処理
    方法。
  7. 【請求項7】 第2の熱処理炉における第2の熱処理条
    件が、第1の熱処理炉における第1の熱処理条件と異な
    るものであることを特徴とする請求項6に記載の熱処理
    方法。
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