JP2003091057A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JP2003091057A
JP2003091057A JP2001281319A JP2001281319A JP2003091057A JP 2003091057 A JP2003091057 A JP 2003091057A JP 2001281319 A JP2001281319 A JP 2001281319A JP 2001281319 A JP2001281319 A JP 2001281319A JP 2003091057 A JP2003091057 A JP 2003091057A
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halide photographic
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Shigeaki Takahashi
成明 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗槽の容量が小さく、水洗水の補充がなく
ても汚れが発生し難く、処理後のフィルムのピンホー
ル、汚れが改良されたハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層の親水性コロ
イド層を有し、かつ該親水性コロイド層の少なくとも1
層に、カルボキシル基を有し相対標準偏差値(CV値)
が20%以下である単分散アクリル系ポリマー粒子を含
有するハロゲン化銀写真感光材料を、水洗水量0.5〜
5リットルで、かつ水洗水無補充で処理することを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。尚、カル
ボキシル基に代えてヒドロキシル基を有しCV値が20
%以下である単分散アクリル系ポリマー粒子を使用して
も同様の効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料(以下、「写真感光材料」、又は単に「感光材
料」とも言う)の処理方法に関し、特に画質に優れたX
線用感光材料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真感光材料の自動現像機は、限
られたスペースで作業スペースを確保するために、場所
を取らない小型の自動現像機の開発が望まれている。こ
れは、特に地価の高い都市部において強い要望がある。
又、写真感光材料を必要とする業界においても、出費を
できるだけ抑えるため、価格の安い小型の自動現像機
(自現機)が求められている。
【0003】しかし、自現機を小型にすると必然的に現
像、定着、水洗の各処理槽は容量が限られてくる。処理
する感光材料の量が多かったり補充量が少ないと、大型
自現機に比べ、処理槽への汚れが溜まり易くなる。特に
水洗槽は、設置のスペースが限られていたり、余計な水
道配管工事による出費を抑える等の理由で、水道管との
接続をせず、即ち水洗水を補充せず溜め水の状態で処理
されることが多い。この場合、定着槽から搬送されて来
た膨潤したフィルムからの溶出物と持ち込まれた定着液
が徐々に水洗水に溜まり、水洗能力が低下していくた
め、汚れたままのフィルムが乾燥部に搬送されるように
なる。
【0004】更には、汚れたフィルムが乾燥部のローラ
ーを通過していくうちに、ローラーに汚れが蓄積してい
き、或る程度溜まると、それが又、フィルムに転写して
しまうという問題があった。
【0005】一方、従来から、写真感光材料にはマット
剤を含有させているが、従来のPMMA(ポリメチルメ
タクリレート)やSiO2(シリカ)を主成分とするマ
ット剤は、ゼラチンとの親和性が低く、取扱い時や現像
処理中にフィルムから剥落し易いため、現像後にマット
剤の抜けた跡として白いピンホール状の故障が発生する
という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みて為されたもので、その目的とするところは、水洗槽
の容量が小さく、水洗水の補充がなくても汚れが発生し
難く、処理後のフィルムのピンホール、汚れが改良され
たハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成によって達成される。
【0008】1)支持体上に少なくとも1層の親水性コ
ロイド層を有し、かつ該親水性コロイド層の少なくとも
1層に、カルボキシル基を有し相対標準偏差値(CV
値)が20%以下である単分散アクリル系ポリマー粒子
を含有するハロゲン化銀写真感光材料を、水洗水量0.
5〜5リットルで、かつ水洗水無補充で処理するハロゲ
ン化銀写真感光材料の処理方法。
【0009】2)支持体上に少なくとも1層の親水性コ
ロイド層を有し、かつ該親水性コロイド層の少なくとも
1層にヒドロキシル基を有し相対標準偏差値(CV値)
が20%以下である単分散アクリル系ポリマー粒子を含
有するハロゲン化銀写真感光材料を、水洗水量0.5〜
5リットルで、かつ水洗水無補充で処理するハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法。
【0010】3)前記ポリマー粒子が、最終粒径よりも
小さい重合体粒子(シード粒子)に単量体を吸収させて
重合されたものである1)項又は2)項記載のハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法。
【0011】以下、本発明をより詳細に説明する。ま
ず、本発明で使用するアクリル系ポリマー粒子について
述べる。
【0012】本発明に係るポリマー粒子は、平均粒子径
が3〜10μmであることが好ましく、より好ましくは
5〜8μmである。又、相対標準偏差値(CV値)が1
0%以下であることが特に好ましい。ここで言う平均粒
子径とは数平均粒子径であり、CV値とはポリマー粒子
の粒子径の標準偏差を平均粒子径で割ったものである。
このCV値が大きすぎると、粗大粒子が混在しピンホー
ルが発生し易くなる。尚、本発明での平均粒子径及びC
V値は、ポリマー粒子の電子顕微鏡写真を撮り、その中
からランダムに500個以上の粒子径を計測することで
調べられる。
【0013】ポリマー粒子の含有量は1〜500mg/
2・片面であることが好ましく、更に好ましくは5〜
100mg/m2・片面、特に好ましくは10〜50m
g/m2・片面である。
【0014】又、平均粒子径が3μmより小さいと感光
材料同士のクッツキに対する防止効果が低下し、又、1
0μmより大きいとピンホールが発生し易くなる。
【0015】ポリマー粒子として使用される高分子化合
物のガラス転移点(Tg)は40℃以上が好ましい。そ
の中でも、Tg50℃以上が好ましく、更に好ましくは
60℃以上である。Tgが40℃未満であると、気温4
0℃以上の環境下でのブロッキング性が悪くなるので好
ましくない。
【0016】又、本発明のポリマー粒子の屈折率は、ポ
リマー粒子を含む層のバインダーの屈折率に近い方が良
く、好ましくはバインダーの屈折率に対し±0.5以
内、より好ましくは±0.3以内、更に好ましくは±
0.1以内である。ポリマー粒子の屈折率がポリマー粒
子を含む層のバインダーの屈折率に対し±0.5の範囲
から外れると、透明性を悪化させる要因となる可能性が
ある。ポリマー粒子は2種以上混ぜて用いることもでき
る。
【0017】更に、本発明に係るポリマー粒子は、真球
状又は表面に若干凹凸のある球状が好ましく、電子顕微
鏡写真を用いて重合体粒子の直径を測定すると、同一粒
子において、直径と短径の比は1.2以下が好ましく、
より好ましくは1.1以下である。
【0018】又、請求項3に係る発明では、マット剤粒
子が、最終粒子径よりも小さい重合体粒子(シード粒
子)に単量体を吸収させて重合されたものであることを
特徴とし、例えば特開平8−120005号に記載され
る方法で重合された物を好ましく用いることができる。
【0019】シード重合法によりシード粒子に単量体を
重合させるには、単量体、重合開始剤及び乳化剤を水性
媒体に投入して乳化させ、この乳化液中にシード粒子を
投入して重合させる。
【0020】本発明において、シード粒子を形成する樹
脂の例としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、(メタ)アクリル系樹脂とスチレン系樹脂との混
合樹脂、又は(メタ)アクリル系単量体とスチレン系単
量体との共重合体を挙げることができる。更に、この
(メタ)アクリル系樹脂又はスチレン系樹脂には、上記
のような(メタ)アクリル酸エステル系の単量体及び/
又はスチレン系の単量体と共重合可能な他の単量体が共
重合していてもよい。このような単量体の例としては、
ビニル系単量体、不飽和カルボン酸単量体を挙げること
ができる。
【0021】(メタ)アクリル系樹脂としては、(メ
タ)アクリル酸エステルの(共)重合体、あるいは(メ
タ)アクリル酸エステル系の単量体と他の単量体との共
重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テル系の単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロ
へキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−プロピル(メタ)アクリレ
ート、クロロ−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート
及びイソボロノル(メタ)アクリレート等を挙げること
ができる。
【0022】又、シード粒子を形成するスチレン系単量
体の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチル
スチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエ
チルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレ
ン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチ
レン及びオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロ
ロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロ
モスチレン及びクロロメチルスチレンなどのハロゲン化
スチレン;並びにニトロスチレン、アセチルスチレン及
びメトキシスチレンを挙げることができる。
【0023】シード粒子は、例えば(メタ)アクリル酸
エステルを通常は0〜100質量部、好ましくは70〜
100質量部、スチレン系単量体を通常は0〜80質量
部、好ましくは0〜20質量部、ビニル系単量体等の他
の単量体を通常は0〜80質量部、好ましくは0〜30
質量部の量で共重合させることができる。
【0024】本発明に用いるシード粒子には、架橋構造
が形成されていることが好ましい。架橋剤としては、2
官能性あるいは多官能性単量体を使用することが好まし
い。架橋剤の例としては、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジア
クリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタ
ントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメ
チルプロパントリアクリレート及びジビニルベンゼンを
挙げることができる。
【0025】シード粒子を形成する際には、上記2官能
性単量体あるいは多官能性単量体を、単量体100質量
部に対して通常は0.005〜0.05質量部、好まし
くは0.01〜0.04質量部の量で使用する。
【0026】シード粒子は、ソープフリー乳化重合が好
ましい。ソープフリー乳化重合で使用される重合開始剤
としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過
硫酸塩等を挙げることができるが、重合の際に使用され
る水性媒体に可溶な重合開始剤であればこれに限定され
ない。重合開始剤は、使用される単量体100質量部に
対して、通常、0.1〜10質量部の量で使用される。
【0027】この様にして形成されたシード粒子は、通
常は0.05〜1μm、好ましくは0.2〜0.6μm
の平均粒子径を有している。又、粒子径の相対標準偏差
は、通常、10%以下が好ましく、より好ましくは5%
以下である。
【0028】次の重合工程として、通常は水性媒体に、
シード粒子、単量体及び重合開始剤、更に必要により乳
化剤及び分散安定剤を配合して行われる。この重合工程
で使用される単量体は、上記シード粒子の製造の説明の
際に挙げた単量体であり、シード粒子を形成した単量体
と同一であっても異なってもよい。
【0029】シード重合に使用する重合開始剤として
は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の過酸化物、
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を挙げるこ
とができる。この重合開始剤は、単量体100質量部に
対して通常は0.1〜10質量部の量で使用される。
【0030】又、乳化剤としては、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムの様なアルキルベンゼンスルホン酸
塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルの
様なポリエチレングリコールアルキルエーテル等を挙げ
ることができる。乳化剤は、単量体100質量部に対し
て通常は0.1〜5質量部の量で使用される。
【0031】又、分散安定剤例としては、酢酸ビニルを
部分鹸化したポリビニルアルコール、ポリビニルアルコ
ール−ポリアクリル酸の共重合体及びこれらの中和物な
らびにポリメタクリル酸、その共重合体及びこれらの中
和物を挙げることができる。分散安定剤は、単量体10
0質量部に対して通常は0.1〜5質量部の量で使用さ
れる。
【0032】上記の様にして重合工程を経ることによ
り、シード粒子に吸収された単量体が重合してシード粒
子が成長する。通常、シード粒子の質量の2〜100倍
になる様に2段目以降の重合を行う。又、2段目以降の
重合工程を、通常は1〜10回、好ましくは1〜5回繰
り返して行う。そして、最終段階でシード粒子として用
いる、直前の重合工程で生成した粒子は、架橋構造を有
しており、このシード粒子についてトルエン抽出法によ
るゲル分率が10〜85%の範囲内にある粒子を使用す
る。更には、このゲル分率が30〜70%の範囲内にあ
ることが好ましい。
【0033】最終段階のシード粒子のゲル分率を調整す
るためには、第1段階でのシード粒子と同様に2官能あ
るいは多官能性単量体を使用できる。
【0034】以下に、ポリマーマット剤粒子(マット剤
P−1:比較例)の製造例を示す。 1)シード粒子の作製 温度計と窒素導入管とを装着した1リットルの四つ口フ
ラスコに、単量体であるメチルメタクリレート100質
量部に、架橋性単量体としてエチレングリコールジメタ
クリレート0.04質量部及びイオン交換水900質量
部を投入して混合し、更に窒素気流下で攪拌を行いなが
ら80℃に昇温した。
【0035】次いで、過硫酸カリウム0.2質量部を5
質量部のイオン交換水に溶解し、上記四つ口フラスコ中
の反応液に加え、80℃を保持しながら6時間反応を行
い、シード粒子分散液aを得た。電子顕微鏡写真により
観察したところ、このシード粒子の平均粒子径は、0.
5μmであった。
【0036】2)2段目の重合 上記と同様の装置に、単量体であるメチルメタクリレー
ト100質量部に、架橋性単量体としてエチレングリコ
ールジメタクリレート0.03質量部及び過酸化ベンゾ
イル0.2質量部を投入して溶解させ、更にこの溶液に
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1質量部と88
%鹸化ポリビニルアルコール1質量部とが溶解されたイ
オン交換水900質量部と混合後、強攪拌下に30分間
混合を行った。
【0037】次に、上記シード粒子分散液aの30質量
部をこの混合液中に添加し、40℃で30分間緩やかに
攪拌した後、80℃で6時間反応を行い、重合体粒子分
散液bを得た。得られた重合体粒子の平均粒子径は1.
8μmであった。
【0038】3)3段目の重合 次に、同様の装置に、単量体であるメチルメタクリレー
ト95質量部に、架橋性単量体としてエチレングリコー
ルジメタクリレート5質量部及び過酸化ベンゾイル0.
2質量部を混合して溶解させ、更に、この溶液に、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム1質量部と88%鹸
化ポリビニルアルコール1質量部とが溶解されたイオン
交換水900質量部を加えて混合した後、強攪拌下に3
0分間混合した。
【0039】次いで、この混合液に、上記2段目で得た
重合体粒子分散液bの23質量部を添加し、40℃で3
0分間緩やかに攪拌した後、80℃で6時間反応を行
い、最終粒子径となる重合体粒子分散液を得た。
【0040】電子顕微鏡写真により観察したところ、平
均粒子径が6.3μmの真球状単分散粒子であり、その
CV値は10%であった。
【0041】表1に、本発明に係るポリマー粒子の具体
例を記載するが、これらに限定されるものではない。
【0042】表1に記載の各ポリマー粒子は、上記P−
1と同様のシード重合法によって得たものである。又、
P−1のMMAを100%とした時、P−2以降は、各
重合段数の組成比が以下の値となるように調合した、
尚、粒度分布は、以下のCV値となるよう必要に応じて
遠心分離による分級処理を施した。
【0043】
【表1】
【0044】表1に記載の各略称の具体的内容は以下の
通りである。MMA=メチルメタアクリレート、EMA
=エチルメタアクリレート、AA=アクリル酸、MAA
=メタクリル酸を表し、M−1、M−7はヒドロキシル
基を有する後述の化合物である。
【0045】本発明において、カルボキシル基を有する
モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸が代表的に挙げられ、これらの酸性モ
ノマーの含有量は全モノマー中の0.01〜20モル%
が好ましく、より好ましくは0.5〜10モル%であ
る。又、ヒドロキシル基を有する好ましいモノマーとし
ては、下記M−1〜M−12が挙げられる。
【0046】
【化1】
【0047】
【化2】
【0048】カルボキシル基又はヒドロキシル基を有す
るモノマーと共重合されるモノマーとしては、例えば
(メタ)アクリル酸エステル、イタコン酸ジエステル、
クロトン酸エステル、マレイン酸ジエステル、フタル酸
ジエステル類が挙げられ、そのエステル残基としては、
メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、ヘ
キシル、2−エチルヘキシル、2−クロロエチル、シア
ノエチル、2−アセトキシエチル、ジメチルアミノエチ
ル、ベンジル、シクロヘキシル等が挙げられる。その
他、ビニルエステル類、オレフィン類、スチレン類、ア
クリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、
ビニルエーテル類、ビニルケトン類、ビニル異節環化合
物、不飽和ニトリル類なども用いられる。
【0049】架橋性モノマーとしては、例えばN−(2
−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−〔2
−(2−アセトアセトキシエトキシ)エチル〕アクリル
アミド、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタ
クリレート等を挙げることができる。これらのモノマー
の内、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル類、
ビニルエステル類、スチレン類、オレフィン類が好まし
く用いられ、中でも特に好ましいのは、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチルである。又、本発明には、特
開昭62−14647号、同62−17744号、同6
2−17743号に記載されるような弗素原子又はシリ
コン原子を有する粒子を用いてもよい。
【0050】本発明に係るポリマー粒子の中で、特に好
ましいものはアクリル酸、及びそのエステル類、メタク
リル酸、及びそのエステル類を、ポリマー粒子の組成で
80質量%以上含有するものである。その場合、20質
量%以下の質量比で、ビニルエステル類、オレフィン
類、スチレン類、アクリルアミド類、メタクリルアミド
類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン
類、ビニル異節環化合物、不飽和ニトリル類等を重合す
ることができ、その中でも好ましいのはスチレン及びス
チレン誘導体である。
【0051】本発明のポリマー粒子の好ましい態様とし
ては、メタクリル酸メチル/アクリル酸共重合体(99
/1〜85/15モル比)、メタクリル酸メチル/メタ
クリル酸共重合体(99/1〜85/15モル比)、メ
タクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(99/1〜
85/15モル比)、メタクリル酸メチル/(例示M−
1〜M−12)共重合体(99/1〜85/15モル
比)、メタクリル酸エチル/(例示M−1〜M−12)
共重合体(99/1〜85/15モル比)である。
【0052】ポリマー粒子は、単分散性であることが好
ましく、CV値で表すと20%以下であることが特徴で
あり、10%以下であることが好ましい。又、ポリマー
粒子は重合後分級して単分散化してもよい。分級の手段
としては遠心分離法を用いることができる。即ち、ポリ
マー粒子の分散物を希釈し、遠心分離器にかけ、遠心分
離器の回転数により沈降する粒子を選り分ける。この操
作を数回繰り返すことにより、単分散性を高めることが
できる。又、重合法による単分散化の例としては、ソー
プフリー重合法や、懸濁重合法、シード重合法、分子拡
散法、2段膨潤法、動的膨潤法、促進拡散重合法、分散
重合法など既知の方法が用いられる。
【0053】本発明の感光材料において、表面のマット
度としては6.7〜40kPaが好ましく、好ましくは
8〜20kPaである。本発明で言うマット度とは、真
空式空気マイクロメーターを使用して、フィルム表面の
平滑度(マット度)によって変化する空気流入量を圧力
の変化として表したものを言い、23℃・48%RH
(相対湿度)の条件で3時間調湿を行った未露光の感光
材料(所謂、生フィルム)について、同一条件下で吸引
圧を測定した数値(kPa)を言い、この値が大きいほ
どマット度が高いことを示す。この吸引圧の測定は、ス
ムースター(東英電子工業社製)を用いて測定すること
ができる。
【0054】本発明に用いるマット剤は、15μm以上
の粗大粒子を実質的に含まないことが好ましい。本発明
において実質的に含まないとは、粗大粒子の含有率が粒
子1000個当たり1個未満であることを意味する。
【0055】本発明においては、単分散アクリル系ポリ
マー粒子と共に、含弗素界面活性剤を用いることが好ま
しく、特に、弗素原子数18〜40個のフルオロアルキ
ル基を有する含弗素化合物又は弗素原子数17〜40個
のフルオロアルケニル基を有する含弗素界面活性剤を使
用することが好ましい。
【0056】本発明で使用する硬膜剤の種類は、写真業
界で公知のものであれば限定しないが、好ましくはビニ
ルスルホン系硬膜剤、カルバモイルピリジニウム系硬膜
剤であり、より好ましくはビニルスルホン系硬膜剤であ
る。硬膜剤の使用量は、ゼラチン1g当たり1〜100
0mgが好ましく、更に好ましくは10〜100mgで
ある。
【0057】本発明の感光材料の膨潤率は100〜25
0%であることが好ましい。膨潤率は、主に硬膜剤の量
調整によりコントロールすることができる。ここでいう
膨潤率とは、特開平6−43571号に記載される蒸留
水での膨潤率(%)と同様の方法で求めた値であり、具
体的には次式で求められる。
【0058】膨潤率=(蒸留水浸漬時の層の厚み−当初
の厚み)/当初の厚み×100上式において、蒸留水浸
漬時の層の厚みとは、21℃の蒸留水に3分間浸漬させ
た時の層の厚みであり、当初の厚みとは層のドライ膜厚
である。
【0059】次いで、本発明に係る上記説明した以外の
構成因子について説明する。本発明に用いられるハロゲ
ン化銀粒子の形状としては如何なるものでもよく、例え
ば立方体、八面体、十四面体、球状、平板状、ジャガイ
モ状等の形状であってよい。特に好ましくは平板状粒子
である。平板状粒子は、結晶学的には双晶に分類され
る。双晶とは、一つの粒子内に一つ以上の双晶面を有す
る結晶であり、ハロゲン化銀粒子における双晶の形態の
分類は、クラインとモイザーによる報文「Photog
raphishe Korrespondenz」99
巻99頁、同100巻57頁に詳しく述べられている。
本発明に係る平板状ハロゲン化銀粒子は、粒子内に1つ
又は互いに平行な二つ以上の双晶面を有するものであ
り、これらの双晶面は平板状粒子の表面を形成する平面
の中で最も広い面積を有する面(主平面とも称する)に
対して、ほぼ平行に存在する。最も好ましい形態は、平
行な二つの双晶面を有する場合である。
【0060】平板状ハロゲン化銀粒子の平均円相当径と
しては0.1〜10.0μmが好ましく、更には0.2
〜5.0μm、特に0.3〜2.0μmが好ましい。
又、平板状粒子の平均粒子厚さとしては0.01〜0.
3μmが好ましく、更には0.05〜0.25μm、特
に0.07〜0.2μmが好ましい。
【0061】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、該乳
剤に含まれるハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以
上がアスペクト比(以下、単にアスペクト比とも言う)
が1.5〜300の平板状粒子であることが好ましく、
全投影面積の50%以上がアスペクト比3〜50の平板
状粒子が更に好ましく、特にアスペクト比5〜25の平
板状粒子であることが好ましい。又、該ハロゲン化銀乳
剤に含まれるハロゲン化銀粒子の全投影面積の80%以
上が平板状ハロゲン化銀粒子であることが好ましい。
【0062】ハロゲン化銀粒子の組成としては、沃臭化
銀、臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀であることが好まし
い。中でも、乳剤の平均沃化銀含有率が2モル%以下の
沃臭化銀であることが好ましく、更には平均沃化銀含有
率が1モル%以下であることが好ましく、0.5モル%
以下が特に好ましい。
【0063】ハロゲン化銀粒子は、塩化銀、臭化銀、沃
化銀、又はそれらの固溶体から成る微結晶であるが、そ
の結晶内部にハロゲン化銀組成の異なる二つ以上の相を
形成することが可能である。このような構造を有する粒
子としては、互いに異なるハロゲン化銀組成を有する内
核相と外表相から構成される粒子が知られており、一般
にコア/シェル型粒子と呼ばれる。本発明に用いるハロ
ゲン化銀粒子は、外表相が内核相より沃化銀含有率が高
いコア/シェル型の粒子構造を有することが好ましい。
【0064】又、ハロゲン化銀乳剤は転位線を有するこ
とが好ましい。転位線が存在する位置としては、平板状
ハロゲン化銀粒子の外周部近傍や稜線近傍、又は頂点近
傍に存在することが好ましい。個々の粒子における転位
導入の位置関係で言えば、粒子全体の銀量の50%以降
に導入されることが好ましく、60〜95%の間での導
入が更に好ましく、70〜90%の間での導入が最も好
ましい。
【0065】ハロゲン化銀粒子への転位線の導入法とし
ては、例えば沃化カリウムの様な沃素イオンを含む水溶
液と水溶性銀塩溶液をダブルジェットで添加する方法、
もしくは沃化銀微粒子を添加する方法、沃素イオンを含
む溶液のみを添加する方法、特開平6−11781号に
記載される様な沃素イオン放出剤を用いる方法等、公知
の方法を使用して所望の位置で転位線の起源となる転位
を形成できる。
【0066】又、限外濾過装置により反応物溶液から塩
を含む水溶液を適宜抜き取る製造方法を用いることによ
って、ハロゲン化銀乳剤への転位線導入効率を飛躍的に
高めることが可能である。例えば、ハロゲン化銀粒子の
成長過程における転位線導入時の平均粒子間距離を、成
長開始時の平均粒子間距離の0.60〜1.00倍に制
御することが好ましく、0.60〜0.80倍に制御す
ることが更に好ましい。具体的には、転位線導入時の平
均粒子間距離の値を3.2μm以下に制御することが好
ましく、2.8μm以下に制御することがより好まし
く、0.90〜2.0μmに制御することが特に好まし
い。
【0067】ハロゲン化銀乳剤の調製形態としては、当
業界で知られた方法を適宜適用することができる。例え
ば、ハロゲン化銀粒子形成時の反応液のpAgを制御す
る、所謂コントロールド・ダブルジェット法やコントロ
ールド・トリプルジェット法を用いることができる。
又、必要に応じてハロゲン化銀溶剤を用いることがで
き、有用なハロゲン化銀溶剤として、アンモニア、チオ
エーテル、チオ尿素類を挙げることができる。チオエー
テルに関しては、米国特許3,271,151号、同
3,790,387号、同3,574,626号等を参
考にできる。
【0068】又、粒子の調製法としては特に限定はな
く、アンモニア法やアンモニアを使わない中性法、酸性
法などを用いることができるが、ハロゲン化銀粒子形成
時のカブリを抑制できるという観点から、好ましくはp
Hが5.5以下、更に好ましくは4.5以下の環境で粒
子を形成することが好ましい。
【0069】ハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子と
共に分散媒を含む。分散媒とは、ハロゲン化銀粒子に対
する保護コロイド性を有する化合物であり、核生成工程
から粒子成長終了時に亘って存在させることが好まし
い。好ましく用いることができる分散媒には、ゼラチン
と保護コロイドポリマーがある。ゼラチンとしては、通
常、分子量10万程度のアルカリ処理ゼラチンや酸処理
ゼラチン、あるいは分子量5千〜3万程度の低分子ゼラ
チン又は酸化処理ゼラチンを好ましく用いることができ
る。特に核生成時には、酸化処理ゼラチンや低分子量ゼ
ラチン、酸化処理した低分子量ゼラチンを好適に用いる
ことができる。尚、本発明のハロゲン化銀乳剤において
は、リサーチ・ディスクロージャ(RD)308119
(1989年12月)に記載される技術を用いることが
できる。
【0070】感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する層ない
し該乳剤層以外の構成層の何れか任意の少なくとも1層
に、現像処理中に脱色又は/及び流出可能な染料を含有
させることにより、高感度、高鮮鋭度で、かつ色素ステ
インの少ない感光材料が得られる。この様な染料として
は、感光材料に応じて所望の波長を吸収して該波長の影
響を除くことで、鮮鋭性を向上させ得るような染料から
適宜に選択して使用することが出来る。該染料は、感光
材料の現像処理中に脱色もしくは流出し、画像完成時に
は着色が視認できない状態となっていることが好まし
い。
【0071】本発明の感光材料に用いられる染料は、p
H7以下で実質的に水に不溶性で、pH8以上で実質的
に水溶性なものである。染料の添加量は、鮮鋭性の目標
に応じて変えることができるが、好ましくは0.2〜2
0mg/m2、より好ましくは0.8〜15mg/m2
ある。これらの染料としては公知の染料を使用できる。
【0072】感光材料には各種の写真用添加剤(化学増
感剤、増感色素、減感色素、染料、現像促進剤、カブリ
抑制剤・安定剤、増白剤、硬膜剤、界面活性剤、帯電防
止剤、可塑剤、滑り剤、マット剤、バインダー、支持体
等)を用いることができる。公知の添加剤としては、例
えばRD17643(1978年12月),23頁III
項〜28頁XVII項、RD18716(1979年11
月),648〜651頁、RD308119(1989
年12月),996頁III項〜1012頁XXI項に記載の
ものを用いることができる。
【0073】本発明に係る感光材料に用いることのでき
る支持体としては、例えば前述のRD17643,28
頁及びRD−308119,1009頁に記載されてい
る。適当な支持体としてはプラスチックフィルム等で、
これら支持体の表面は塗布層の接着を良くするために、
下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射などを施し
てもよい。又、下塗層に酸化錫ゾル等の帯電防止改良剤
を含有することが好ましい。
【0074】感光材料の支持体の両面に、ハロゲン化銀
乳剤層及びクロスオーバーカット層を設けると、高感
度、高鮮鋭性で、かつ処理性の優れる感光材料が得られ
る。
【0075】本発明においては、現像、定着、水洗及び
乾燥の少なくとも4プロセスを持つ自動現像機を用いて
処理されることが好ましい。
【0076】感光材料の処理方法としては、例えば前記
RDの17643の29頁XX項〜30頁XXI項あるいは
同308119の1011頁XX項〜1012頁XXI項に
記載される様な処理液で処理を行うことができる。この
処理は、銀画像を形成する白黒写真処理である。処理温
度は、通常、好ましくは18〜50℃の範囲である。
【0077】現像処理に使用される現像主薬としては、
ジヒドロキシベンゼン類(ハイドロキノン、クロロハイ
ドロキノン、ブロモハイドロキノン、ジクロロハイドロ
キノン、i−プロピルハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、メトキシハ
イドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、ハイ
ドロキノンモノスルホン酸カリウム(又はナトリウム)
等)、3−ピラゾリドン類(1−フェニル−3−ピラゾ
リドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4−エチル−3−ピラゾリドン、1
−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェ
ニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾ
リドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−
3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−2−アセチル−4,4−ジメチル−
3−ピラゾリドン、1−(2−ベンゾチアゾール)−3
−ピラゾリドン、3−アセトキシ−1−フェニル−3−
ピラゾリドン等)、レダクトン類、アミノフェノール類
(o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−
メチル−o−アミノフェノール、N−メチル−p−アミ
ノフェノール、2,4−ジアミノフェノール等)、1−
アリル−3−アミノピラゾリン類(1−(p−ヒドロキ
シフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−メチ
ルアミノフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p
−アミノ−m−メチルフェニル)−3−アミノピラゾリ
ン等)、ピラゾロン類(4−アミノピラゾロン等)等
を、単独もしくは組み合わせて用いることができる。
尚、現像液には、公知の保恒剤(亜硫酸塩類)、アルカ
リ剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウ
ム等のアルカリ化合物)、pH緩衝剤(炭酸塩類)、カ
ブリ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活性剤、消泡
剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付与剤などを
必要に応じて用いることができる。
【0078】定着液には、一般にチオ硫酸塩、チオシア
ン酸塩などの定着剤が用いられ、更に硬膜剤として水溶
性のアルミニウム(硫酸アルミニウム、カリ明礬など)
を含んでいてもよい。その他、保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含有してもよい。
【0079】感光材料は現像、定着された後、水洗され
る。本発明の処理方法は、水洗水を無補充で処理するも
ので、水洗水を補充する方法は本発明の処理方法には該
当しない。
【0080】本発明の処理方法での水洗水の量は、0.
5〜5リットルである。水洗水量は、スカム発生に対し
ては多ければ多いほど好ましいが、本発明の効果が顕著
に具現できるのは、上記のような水洗水量の場合であ
る。5リットルより多いと、本発明のポリマー粒子を含
有しない感光材料を処理しても、マット剤に起因する汚
れの発生は殆どなく、逆に0.5リットル未満では、本
発明のポリマー粒子を含有する感光材料を処理しても汚
れが直ぐに発生する。
【0081】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の実施態様はこれらに限定されない。尚、特に断り
ない限り、実施例中の「%」は「質量%」を表す。
【0082】実施例1 以下に記載の方法に従って、感光材料試料1を作製し
た。
【0083】(ハロゲン化銀乳剤の調製)特開平10−
213880号と同様の方法で、平板状臭化銀乳剤を調
製した。ただし、臭化カリウム水溶液[B2]、硝酸銀
水溶液[C2]の添加速度と粒子形成時のpAgについ
ては適宜調整して、平均直径(円直径換算)1.1μ
m、平均厚さ0.09μm、平均アスペクト比12.
2、粒径分布の広さ22%のハロゲン化銀乳剤を調製し
た。又、物理熟成終了時のゼラチン量は、ハロゲン化銀
1モル当たり15gであった。
【0084】上記調製したハロゲン化銀乳剤を55℃に
保温しながら、ハロゲン化銀1モル当たり、アデニン1
1.3mg、下記分光増感色素(A)450mg、分光
増感色素(B)45mgを添加し、更に安定剤(ST)
100mgを添加した。その後、10分して塩化金酸、
チオ硫酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムを適量
添加した。更に、40分後に平均粒径が0.1μm未満
の沃化銀微粒子を0.3モル%相当添加し、更に10分
後にトリフェニルホスフィンセレナイド(増感剤)5m
gを添加し、更に40分後に安定剤(ST)500mg
を添加し、5分後にトリメチロールプロパン13g、ゼ
ラチン20gを添加してから、急速冷却し、乳剤をゲル
化して化学増感を終了した。
【0085】上記で用いた分光増感色素、安定剤の構造
を以下に示す。 分光増感色素(A):5,5′−ジ−クロロ−9−エチ
ル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカル
ボシアニンナトリウム塩の無水物 分光増感色素(B):5,5′−ジ−(ブトキシカルボ
ニル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−ス
ルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウ
ム塩の無水物 安定剤(ST):4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン 〈下引済み支持体の作製〉厚さ175μmで、濃度0.
20に青色着色したポリエチレンテレフタレート(PE
T)ベースの両面に8Wmin/m2のコロナ放電処理
をした後、下記の下引下層を塗布し、110℃で1分間
乾燥した。その後、同様なコロナ放電処理を再び行った
後、下記の下引上層を塗布し、100℃で1分間乾燥し
て両面下引済み支持体を得た。
【0086】尚、以下の組成における素材量は、何れも
片面1m2当たりの付量で示す。 (下引下層) ラテックスL(スチレン/ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/ヒ ドロキシエチルメタクリレート共重合体(27/10/35/28モル%)) 0.3g 2,4−(C9192−C63−O(CH2CH2O)12SO3Na 1mg ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 5mg 硬膜剤H 30mg (下引上層) ラテックスL 16mg 化合物L−1 33mg 2,4−(C9192−C63−O(CH2CH2O)12SO3Na 2.2mg SiO2粒子(平均粒径3μm) 3.3mg 硬膜剤H 30mg
【0087】
【化3】
【0088】〈感光材料試料1の作製〉上記作製した下
引済み支持体の両面に、支持体に近い方を第1層とし、
下記組成の第1層〜第3層を同時塗布した。
【0089】 第1層(染料層) ゼラチン 0.1g フィルター染料F 30mg 防腐剤(トップサイド300:パーマケム・アジア社製) 0.4mg 粘度調整剤(スチレンスルホン酸ナトリウム,平均分子量50万)5mg 第2層(乳剤層)化学増感後の乳剤を加温・再溶解し、
以下の添加剤を加え、乳剤層塗布液とした。尚、添加量
は、片面1m2当たり、ゼラチンが1.3g、銀量が
1.35gとなるようにした。
【0090】以下の記載の各添加量は、ハロゲン化銀1
モル当たりの量で示す。 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 8.5mg ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 2.8mg C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 0.7g レゾルシノール−4−スルホン酸アンモニウム 1.7g 化合物Z 57mg 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン 7mg 硝酸タリウム 55mg t−ブチルカテコール 0.15g ポリビニルピロリドン 0.85g ラテックスL−2 8g コロイダルシリカ原液(デュポン社製ルドックスAM,30%) 60g デキストラン(平均分子量:4万) 8g 粘度調整剤(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム,平均分子量50万) 2.1g
【0091】
【化4】
【0092】第3層(保護層)保護層塗布液を下記の様
にして調製した。添加量は、片面1m2当たりの付量で
示す。
【0093】 ゼラチン 0.5g スルホ琥珀酸ジ(i−ヘキシル)エステル・ナトリウム塩 5mg スルホ琥珀酸ブチル・デシルエステル・ナトリウム塩 3mg C1633O(CH2CH2O)10H 4mg p−C817−C64−O(CH2CH2O)3SO3Na 17mg スルホ琥珀酸ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデ シルフルオロヘプチル)エステル・ナトリウム塩 1.2mg 化合物N 50mg 防腐剤(トップサイド300:前出) 1mg 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 1mg 水酸化ナトリウム 2mg マット剤(MMA100%,平均粒子径6.3μm,CV値30%以上の 多分散) 20mg 硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン) 58mg
【0094】
【化5】
【0095】このようにして、感光材料試料1を得た。 〈感光材料試料2〜7の作製〉上記感光材料試料1の作
製において、第3層である保護層のマット剤の種類及び
添加量を表2に記載の如くした以外は同様にして、感光
材料試料2〜7を作製した。
【0096】このようにして得た試料1〜7について以
下の項目を評価した。 《汚れ》得られた塗布試料の現像処理後の濃度が1.1
となるようにX線露光した。この露光済み試料をSRX
−101(コニカ社製)と下記処理剤をケミカルミキサ
ーにて調整後使用して、下記条件で4ツ切りサイズ50
枚を連続で処理し、50枚目の処理済み試料に付着した
汚れを、目視により以下の3段階で評価した。
【0097】A:汚れの付着なし B:僅かに汚れが付着しているが、許容できるレベル C:大量に汚れの付着があり、問題になるレベル (現像液処方) Part−A(補充液1リットル当たりの量) 水酸化カリウム 37.5g 亜硫酸カリウム 59.0g ジエチレンテトラアミン五酢酸 10g 重炭酸水素ナトリウム 15g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.12g 5−ニトロベンゾイミダゾール 0.04g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.02g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニルピラゾリドン 8.5g ハイドロキノン 30g 水を加えて500mlに仕上げる Part−B(補充液1リットル当たりの量) グルタルアルデヒド(50%水溶液) 7.66g 亜硫酸カリウム 12.1g 氷酢酸 10g 5−ニトロインダゾール 0.05g N−アセチル−DL−ペニシラミン 0.1g 水を加えて50mlに仕上げる スターター 氷酢酸 120g 臭化カリウム 225g H0(CH22S(CH22S(CH22OH 1.0g CH3N(C36NHCONHC2HSC252 1.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.5g 水を加えて1.0リットルに仕上げる (定着液処方) Part−A(補充液1リットル当たりの量) チオ硫酸アンモニウム(70質量/容量%) 250g 亜硫酸ナトリウム 30g 酢酸ナトリウム・3水塩 25g 酒石酸 5g 枸櫞酸ナトリウム 0.5g グルコン酸 4g 1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル−5−メルカプトテトラゾール 0.05g 氷酢酸 18g 硫酸アルミニウム 3.5g 水を加えて500mlに仕上げる 現像使用液の調製は、水約5リットルにPartA、P
artBを同時添加し、撹拌溶解しながら水を加え12
リットルに仕上げ、氷酢酸でpHを10.53に調整し
た。これを現像補充液とする。
【0098】この現像補充液1リットルに対して前記ス
ターターを20ml添加し、pHを10.30に調整し
使用液とする。
【0099】定着液の調製は、水約5リットルにPar
tAを一度に添加し、撹拌溶解しながら水を加え18.
3リットルに仕上げ、硫酸と水酸化ナトリウムを用いて
pHを4.6に調整した。これを定着補充液とする。
【0100】(水洗水)は水道水を使用した。処理条件
は以下の通り。
【0101】処理温度:現像34℃、定着34℃、水洗
常温 補充量:現像180ml/m2、定着180ml/m2
水洗無補充 水洗槽容量:2リットル 処理時間:90秒 《処理後のピンホール故障》各試料の全面に、現像後に
Dmaxとなるような露光を公知の方法で与えた後、前
記汚れの評価と同様の処理条件で各試料を4ツ切りサイ
ズで1枚処理し、現像済み試料の表面を目視観察して、
ピンホール故障発生の有無を確認し下記の基準に則り判
定した。このランクが良いほど、自動現像機での搬送に
おけるピンホール故障の発生が低いことを表している。
【0102】 A:ピンホールの発生が全く認められない B:ピンホールの発生は僅かに認められるが、実用上問
題ないレベル C:ピンホールの発生が可成りあり、実用上問題がある
レベル得られた各評価結果を併せて表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】表2より明らかなように、本発明の試料
は、比較品に対し処理後のピンホール故障が極めて少な
く、汚れの付着も少ない。
【0105】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、水洗水の補
充がなくても汚れの発生が無く、処理後のフィルムのピ
ンホール故障も極めて少ない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の親水性コロ
    イド層を有し、かつ該親水性コロイド層の少なくとも1
    層に、カルボキシル基を有し相対標準偏差値(CV値)
    が20%以下である単分散アクリル系ポリマー粒子を含
    有するハロゲン化銀写真感光材料を、水洗水量0.5〜
    5リットルで、かつ水洗水無補充で処理することを特徴
    とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層の親水性コロ
    イド層を有し、かつ該親水性コロイド層の少なくとも1
    層にヒドロキシル基を有し相対標準偏差値(CV値)が
    20%以下である単分散アクリル系ポリマー粒子を含有
    するハロゲン化銀写真感光材料を、水洗水量0.5〜5
    リットルで、かつ水洗水無補充で処理することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリマー粒子が、最終粒径よりも小
    さい重合体粒子(シード粒子)に単量体を吸収させて重
    合されたものであることを特徴とする請求項1又は2記
    載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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