JP2003090359A - 一方向クラッチ - Google Patents

一方向クラッチ

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JP2003090359A
JP2003090359A JP2001281968A JP2001281968A JP2003090359A JP 2003090359 A JP2003090359 A JP 2003090359A JP 2001281968 A JP2001281968 A JP 2001281968A JP 2001281968 A JP2001281968 A JP 2001281968A JP 2003090359 A JP2003090359 A JP 2003090359A
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transmission member
outer ring
side piece
way clutch
inner ring
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JP2001281968A
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English (en)
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Shigeaki Furusawa
重明 古澤
Toshiya Ota
敏弥 大田
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 OA機器等に組み込まれ一方向にのみ動力を
伝達する一方向クラッチに関し、機構が簡単で軽量かつ
小型化が図れ、しかも安価である。 【解決手段】 内軸5に外嵌した内輪1,2と、内軸5
に対し互いに相対回転可能に同心状に配設した外軸6に
内嵌した外輪3と、内輪1,2と外輪3の間に予圧を付
与して回転方向に渡って介装され一方向にのみ回転力を
伝達する弾性伝達部材4とを備え、弾性伝達部材4は、
内輪2に接した第1側片4aと、外輪3に接した第2側
片4bと、第1側片4aと第2側片4bとの間に回転方
向に傾斜して並設した複数の連結片4cとからなること
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばOA機器等
に組み込まれ、一方向にのみ動力を伝達する一方向クラ
ッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、OA機器等には、軽負荷で小
型の一方向クラッチが組み込まれている。例えば、コピ
ー機の給紙ローラと回転軸との間に一方向クラッチを装
着することで、給紙ローラを常に一方向に回転させ、紙
の逆送りを防止している。
【0003】一方向クラッチとして、例えば、ベアリン
グ方式がある。すなわち、ローラ等のスプラグを駆動側
と被駆動側の間に一方向のみに食い込むようにしたもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベアリング方
式の一方向クラッチの場合、転動体にて互いに回転可能
な内外輪と、内外輪の間にバネにより開放側に付勢され
たローラ等にて構成されており、部品点数が多く、機構
が複雑であるため、大型でしかも高価であった。
【0005】この発明は、機構が簡単で軽量かつ小型化
が図れ、しかも安価な一方向クラッチを提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の一方
向クラッチは、内軸に外嵌した内輪と、前記内軸に対し
互いに相対回転可能に同心状に配設した外軸に内嵌した
外輪と、前記内輪と前記外輪の間に予圧を付与して回転
方向に渡って介装され一方向にのみ回転力を伝達する弾
性伝達部材とを備え、前記弾性伝達部材は、前記内輪に
圧接した第1側片と、前記外輪に圧接した第2側片と、
前記第1側片と前記第2側片との間に回転方向に傾斜し
て並設した複数の連結片とからなることを特徴とするも
のである。
【0007】なお、上記圧接とは、所定の圧力を作用さ
せて接触する意味であり、接合させる意味ではない。
【0008】また、第1側片と第2側片の一方が内輪ま
たは外輪に固定されていてもよい。
【0009】さらに、弾性伝達部材は、環状部材でもよ
く、あるいは回転方向複数に分割されていてもよい。
【0010】本発明の請求項1の一方向クラッチによる
と、内軸に外嵌した内輪と、外軸に内嵌した外輪と、内
輪と外輪の間に介装した弾性伝達部材とからなり、内輪
または外輪の一方向の回転に伴い、弾性伝達部材の連結
片の傾斜角度が小さくなって第1側片と第2側片の間隔
が広がり、その結果、内輪または外輪の回転が弾性伝達
部材を介して他方に伝わる。逆に、内輪または外輪が他
方向に回転すると、連結片の傾斜角度が大きくなって第
1側片と第2側片の間隔が若干狭まり、内輪または外輪
が空回りし、他方に伝わらない。このように、一方向に
のみ動力を伝達する一方向クラッチを簡単な機構で実現
でき、軽量、小型化、価格の低減が図れる。
【0011】また、内外輪と弾性伝達部材の接触面間の
摩擦力に方向性を与えることで、伝達と空転を切り替え
ることができる。すなわち、接触面に方向性のある凹凸
を設けて摩擦係数に方向性を与えるのではなく、接触荷
重に方向性を与えるものである。よって、空転時に滑り
接触する内外輪と弾性伝達部材の接触面が、滑り方向に
方向性を有した大きな凹凸を有することなく平滑面であ
ってもよく、空転時に前記凹凸の相対滑りに起因する振
動が発生せず、円滑な回転を実現することができる。
【0012】本発明の請求項3の一方向クラッチは、請
求項1において、内輪が径方向外向きに開口した略溝形
に形成され、外輪が前記内輪の一方のフランジ内面に接
して延設され、弾性伝達部材が前記内輪の他方のフラン
ジと前記外輪の延設部との間に介装されたことを特徴と
するものである。
【0013】なお、内輪は、例えば、一対の断面L字形
の環状部材を互いに対向配置して接合してなる。
【0014】本発明の請求項3の一方向クラッチによる
と、内軸に外嵌した略溝形の内輪と、外軸に内嵌し内輪
の一方のフランジ内面に接する延設部を有した外輪と、
内輪の他方のフランジと外輪の延設部との間に介装した
弾性伝達部材とからなり、内輪または外輪の一方向の回
転に伴い、弾性伝達部材の連結片の傾斜角度が小さくな
って第1側片と第2側片の間隔が広がる。その結果、外
輪の延設部が、内輪の一方のフランジと弾性伝達部材と
で挟圧固定され、内輪または外輪の回転が弾性伝達部材
を介して他方に伝わる。逆に、内輪または外輪が他方向
に回転すると、連結片の傾斜角度が大きくなって第1側
片と第2側片の間隔が若干狭まり、内輪または外輪が空
回りし、他方に伝わらない。このように、一方向にのみ
動力を伝達する一方向クラッチを簡単な機構で実現で
き、軽量、小型化、価格の低減が図れる。
【0015】また、略溝形の内輪を、一対の断面L字形
の環状部材にて構成したので、一方の内輪構成部材と外
輪とで弾性伝達部材を挟持しておき、他方の内輪構成部
材を接合することにより、簡単に一方向クラッチを組み
立てることができる。
【0016】本発明の請求項5の一方向クラッチは、請
求項1において、外輪が径方向内向きに開口した略溝形
に形成され、内輪が前記外輪の一方のフランジ内面に接
して延設され、弾性伝達部材が前記外輪の他方のフラン
ジと前記内輪の延設部との間に介装されたことを特徴と
するものである。
【0017】なお、外輪は、例えば、一対の断面L字形
の環状部材を互いに対向配置して接合してなる。
【0018】本発明の請求項5の一方向クラッチによる
と、外軸に内嵌した略溝形の外輪と、内軸に外嵌し外輪
の一方のフランジ内面に接する延設部を有した内輪と、
外輪の他方のフランジと内輪の延設部との間に介装した
弾性伝達部材とからなり、内輪または外輪の一方向の回
転に伴い、弾性伝達部材の連結片の傾斜角度が小さくな
って第1側片と第2側片の間隔が広がる。その結果、内
輪の延設部が、外輪の一方のフランジと弾性伝達部材と
で挟圧固定され、内輪または外輪の回転が弾性伝達部材
を介して他方に伝わる。逆に、内輪または外輪が他方向
に回転すると、連結片の傾斜角度が大きくなって第1側
片と第2側片の間隔が若干狭まり、内輪または外輪が空
回りし、他方に伝わらない。このように、一方向にのみ
動力を伝達する一方向クラッチを簡単な機構で実現で
き、軽量、小型化、価格の低減が図れる。
【0019】また、略溝形の外輪を、一対の断面L字形
の環状部材にて構成したので、一方の外輪構成部材と内
輪とで弾性伝達部材を挟持しておき、他方の外輪構成部
材を接合することにより、簡単に一方向クラッチを組み
立てることができる。
【0020】本発明の請求項7の一方向クラッチは、内
軸に外嵌した内輪と、前記内軸に対し互いに相対回転可
能に同心状に配設した外軸と前記内輪との間に予圧を付
与して回転方向に渡って介装され一方向にのみ回転力を
伝達する弾性伝達部材とを備え、前記弾性伝達部材は、
前記内輪に圧接した第1側片と、前記外軸に圧接した第
2側片と、前記第1側片と前記第2側片との間に回転方
向に傾斜して並設した複数の連結片とからなることを特
徴とするものである。
【0021】なお、弾性伝達部材は、環状部材でもよ
く、あるいは回転方向複数に分割されていてもよい。
【0022】本発明の請求項7の一方向クラッチによる
と、内軸に外嵌した内輪と、内輪と外軸の間に介装した
弾性伝達部材とからなり、内軸または外軸の一方向の回
転に伴い、弾性伝達部材の連結片の傾斜角度が小さくな
って第1側片と第2側片の間隔が広がり、その結果、内
軸または外軸の回転が弾性伝達部材を介して他方に伝わ
る。逆に、内軸または外軸が他方向に回転すると、連結
片の傾斜角度が大きくなって第1側片と第2側片の間隔
が若干狭まり、内輪または外輪が空回りし、他方に伝わ
らない。このように、一方向にのみ動力を伝達する一方
向クラッチを簡単な機構で実現でき、軽量、小型化、価
格の低減が図れる。
【0023】本発明の請求項8の一方向クラッチは、内
軸に対し互いに相対回転可能に同心状に配設した外軸に
内嵌した外輪と、前記内軸と前記外輪の間に予圧を付与
して回転方向に渡って介装され一方向にのみ回転力を伝
達する弾性伝達部材とを備え、前記弾性伝達部材は、前
記内軸に圧接した第1側片と、前記外輪に圧接した第2
側片と、前記第1側片と前記第2側片との間に回転方向
に傾斜して並設した複数の連結片とからなることを特徴
とするものである。
【0024】なお、弾性伝達部材は、環状部材でもよ
く、あるいは回転方向複数に分割されていてもよい。
【0025】本発明の請求項8の一方向クラッチによる
と、外軸に内嵌した外輪と、内軸と外輪の間に介装した
弾性伝達部材とからなり、内軸または外軸の一方向の回
転に伴い、弾性伝達部材の連結片の傾斜角度が小さくな
って第1側片と第2側片の間隔が広がり、その結果、内
軸または外軸の回転が弾性伝達部材を介して他方に伝わ
る。逆に、内軸または外軸が他方向に回転すると、連結
片の傾斜角度が大きくなって第1側片と第2側片の間隔
が若干狭まり、内輪または外輪が空回りし、他方に伝わ
らない。このように、一方向にのみ動力を伝達する一方
向クラッチを簡単な機構で実現でき、軽量、小型化、価
格の低減が図れる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について、
図1ないし図9を用いて説明する。
【0027】図1は、本実施の形態における一方向クラ
ッチの断面図を示している。
【0028】図1において、1,2は内輪、3は外輪、
4は一方向にのみ回転力を伝達する弾性伝達部材であ
る。
【0029】内輪1,2ならびに外輪3は、それぞれ金
属または剛性を有した樹脂材からなる。金属の具体例と
しては、例えば、ステンレス鋼や一般鋼材、その他合金
等、ある程度の鋼性を有したものであればよい。また、
剛性を有した樹脂材の具体例としては、例えば、ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール等、機械的特
性に優れたエンジニアリングプラスチックが好ましい。
【0030】内輪1は、図2に示すように、断面L字形
の環状に形成されており、中央に内軸挿通孔1aを有し
ている。なお、内輪2は、内輪1に対して対向する形状
であって、断面L字形の環状に形成されている。
【0031】内輪1,2は、各軸方向に沿う片1b,2
aどうしを重ね合わせて接合し、径方向外向きに開口し
た略溝形の内輪を構成する。
【0032】また、外輪3は、図3に示すように、断面
L字形の環状に形成されており、径方向に沿う片3a
が、略溝形の内輪の一方のフランジとなる内輪1の径方
向に沿う片1cの内面に接して延設される延設部とな
る。
【0033】さらに、弾性伝達部材4は、ゴムまたは弾
性率の比較的小さな樹脂にて形成されている。
【0034】弾性伝達部材4は、図4および図5に示す
ように、環状に一体形成されており、第1側片4aと、
第2側片4bと、第1側片4aと第2側片4bとの間に
並設した複数の連結片4cとから構成されている。第1
側片4aと第2側片4bの表面は、方向性のない滑らか
な形状をしている。
【0035】連結片4cは、弾性伝達部材4の全周に渡
って等間隔に設けられており、かつ、各連結片4cは、
第1側片4aから第2側片4bに向かって、回転方向に
傾斜して平行に配置されている。なお、連結片4cは、
間欠的に設けられていてもよい。
【0036】一方向クラッチの組み立てに際しては、ま
ず、第1側片4aを内輪2の片2bに接着剤等にて固定
して、内輪2と外輪3とで弾性伝達部材4を挟持する。
次いで、内輪2の片2aを内輪1の片1bの外面に圧入
固定する。この時、内輪2の径方向に沿う片2bと外輪
3の延設部3aとによって弾性伝達部材4は予圧を付与
されると共に、外輪3の延設部3aは内輪1の片1cの
内面に圧接する。すなわち、外輪3は、常に弾性伝達部
材4の予圧によって、内輪1と弾性伝達部材4にて支持
される。なお、内輪2の片2aと内輪1の片1bは、接
着剤にて接合してもよい。
【0037】次に、図6を用いて、一方向クラッチの取
付けについて説明する。
【0038】図6において、5は駆動側である内軸、6
は被駆動側である外軸である。外軸6は、内軸5に対し
互いに相対回転可能に内軸5の外側に同心状に配設され
ている。なお、内軸5と外軸6は、軸受装置(図示せ
ず)にて、互いに相対回転可能に設けられている。
【0039】略溝形の内輪1,2は、内輪1の片1bを
内軸5の外周面に固定し、外輪3の軸方向に沿う片3b
を外軸6の内周面に固定してある。内輪1と内軸5の固
定、ならびに外輪3と外軸6の固定は、圧入、凹凸によ
る嵌合、ビス等の固着具や接着剤による固定等、いずれ
の方法によってもよい。
【0040】次に、図7ないし図9を用いて、一方向ク
ラッチの動作について説明する。
【0041】図7は、内軸5の回転に伴って、内輪1,
2ならびに弾性伝達部材4が、外輪3に対して矢印A方
向に相対回転した時を示している。
【0042】この場合、弾性伝達部材4の第2側片4b
と外輪3の延設部3aとの摩擦力によって、第2側片4
bには第1側片4aに対して反回転方向に弱いねじりが
加わる。すなわち、図9において、同図(a)が回転力
が作用しない自由状態の弾性伝達部材4であり、同図
(b)のように第2側片4bに反回転方向(矢印C方
向)にねじりが加わると、弾性伝達部材4の幅寸法L1
が若干狭まる。
【0043】図7において、弾性伝達部材4の幅寸法L
が若干小さくなることで、弾性伝達部材4が内輪2と外
輪3を押す力Pは、自由状態とほとんど同じか若干小さ
くなるため、摩擦力が小さくなり、矢印A方向の回転力
が外輪3にほとんど伝わらず、よって内軸5の回転力が
外軸6にほとんど伝わらず、空回りする。
【0044】また、弾性伝達部材4の幅寸法Lが若干小
さくなるだけなので、外輪3は内輪1と弾性伝達部材4
に対して大きくがたつくことはない。なお、厳密に言う
と、この回転中は、外輪3と弾性伝達部材4の第2側片
4bが、スティックスリップを繰返しながら一見滑らか
に相対移動していることになる。
【0045】また、図8は、内軸5の回転に伴って、内
輪1,2ならびに弾性伝達部材4が、外輪3に対して矢
印B方向に相対回転した時を示している。
【0046】この場合、弾性伝達部材4の第2側片4b
と外輪3の延設部3aとの摩擦力によって、第2側片4
bには第1側片4aに対して反回転方向にねじりが加わ
る。すなわち、図9において、同図(c)のように第2
側片4bに反回転方向(矢印D方向)にねじりが加わる
と、弾性伝達部材4の幅寸法L2が広くなる。
【0047】図8において、弾性伝達部材4の幅寸法L
が大きくなることで、弾性伝達部材4が内輪2と外輪3
を押す力Pは、自由状態より大きくなるため、回転方向
の摩擦力も大きくなり、矢印B方向の回転力が弾性伝達
部材4を介して外輪3に伝わり、外軸6が内軸5と同一
方向に回転する。
【0048】すなわち、本発明によると、内外輪1,
2,3と弾性伝達部材4の接触面間の摩擦力に方向性を
与えることで、伝達と空転を切り替えるが、この際、接
触面に方向性のある凹凸を設けて摩擦係数に方向性を与
えるのではなく、接触荷重(上記、押す力P)に方向性
を与える。よって、空転時に、前記凹凸の相対滑りに起
因する振動が発生することなく、円滑な回転を実現でき
る。
【0049】なお、図9においては、弾性伝達部材4の
幅寸法Lの変化を理解し易くするため、変化量を大きく
描いているが、実際は極めてわずかに変化するのみであ
る。
【0050】また、いずれの方向に回転した時に動力を
伝達するかは、連結片4cの傾斜方向の異なる弾性伝達
部材4を用いることで容易に対処できる。
【0051】さらに、上記実施の形態においては、内軸
5が駆動側、外軸6が被駆動側であって、内軸5の一方
向のみの回転を、一方向クラッチを介して外軸6に伝達
する場合について説明したが、外軸6が駆動側、内軸5
が被駆動側であって、外軸6の一方向のみの回転を、一
方向クラッチを介して内軸5に伝達する場合にも適用す
ることができる。
【0052】このように構成された一方向クラッチによ
ると、内軸5に外嵌した略溝形の内輪1,2と、外軸6
に内嵌し内輪1の一方のフランジ1c内面に接する延設
部3aを有した外輪3と、内輪2の他方のフランジ2b
と外輪3の延設部3aとの間に介装した弾性伝達部材4
とからなり、内輪1,2または外輪3の一方向の回転に
伴い、弾性伝達部材4の連結片4cの傾斜角度が小さく
なって第1側片4aと第2側片4bの間隔が広がる。そ
の結果、外輪3の延設部3aが、内輪1の一方のフラン
ジ1cと弾性伝達部材4とで挟圧固定され、内輪1,2
または外輪3の回転が弾性伝達部材4を介して他方に伝
わる。逆に、内輪1,2または外輪3が他方向に回転す
ると、連結片4cの傾斜角度が大きくなって第1側片4
aと第2側片4bの間隔が若干狭まり、内輪1,2また
は外輪3が空回りし、他方に伝わらない。このように、
一方向にのみ動力を伝達する一方向クラッチを簡単な機
構で実現でき、軽量、小型化、価格の低減が図れる。
【0053】また、略溝形の内輪1,2を、一対の断面
L字形の環状部材にて構成したので、一方の内輪構成部
材2と外輪3とで弾性伝達部材4を挟持しておき、他方
の内輪構成部材1を接合することにより、簡単に一方向
クラッチを組み立てることができる。
【0054】なお、弾性伝達部材4は、第1側片4aを
内輪2の片2bに固定したものであったが、第1側片4
aを片2bに圧接し第2側片4bを外輪3の延設部3a
に固定したものでもよい。あるいは、弾性伝達部材4を
固定せず、単に内輪2と外輪3の間に圧入したものであ
ってもよい。
【0055】また、図10に示すように、外輪3が断面
I形の環状部材であって、かつ、外軸が軸方向に分割さ
れていて、各外軸6a,6bの間に外輪3を嵌入して固
定してもよい。
【0056】また、図11に示すように、弾性伝達部材
40が、回転方向に分割された複数の円弧状の構成部材
41〜44にて構成されていてもよい。各構成部材41
〜44は、例えば、第1側片を内輪に固定して等間隔に
配置する。なお、構成部材41〜44の個数は特に限定
されるものではない。
【0057】さらに、略溝形の内輪は、断面L字形の内
輪1,2に分割されておらず、略溝形の一体物の内輪と
してもよい。
【0058】なお、本発明は、上述の実施の形態に限定
されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
【0059】(1)上述の実施の形態は、内輪が方向外
向きに開口した略溝形に形成されていたが、逆に、図1
2に示すように、外輪が径方向内向きに開口した略溝形
に形成された一方向クラッチであってもよい。
【0060】図12において、11は内輪、12,13
は断面略溝形の外輪であり、内輪11の延設部11aが
外輪13の一方のフランジ13a内面に接し、弾性伝達
部材4が延設部11aと外輪12の他方のフランジ12
aとの間に予圧を付与されて介装されている。弾性伝達
部材4は、内輪11と外輪12の間に圧入、または内輪
11と外輪12の一方に固定したものであってもよい。
【0061】このように構成された一方向クラッチにお
いても、内軸5または外軸6の回転方向によって、延設
部11aが外輪13と弾性伝達部材4によって保持また
は開放され、一方向のみに回転力が伝達される。
【0062】なお、外輪は、径方向内向きに開口した略
溝形の一体物であってもよい。
【0063】(2)上述の実施の形態は、内輪または外
輪が略溝形に形成されたものであったが、図13に示す
ように、内輪2および外輪3のいずれもが、断面L字形
の環状部材にて構成してもよい。この場合、弾性伝達部
材4は、内輪2と外輪3の間に予圧を付与されて介装さ
れる。なお、弾性伝達部材4は、内輪2と外輪3の間に
圧入、またはいずれか一方に固定してもよい。弾性伝達
部材4に加える予圧の大きさは、内輪2または外輪3の
軸方向の取り付け位置や形状を変更することで、容易に
調整できる。
【0064】(3)上述の実施の形態は、弾性伝達部材
4が軸方向(アキシアル方向)に予圧を付与されるもの
であったが、径方向(ラジアル方向)に予圧を付与され
るものであってもよい。
【0065】弾性伝達部材4がラジアル方向に予圧を付
与される一方向クラッチの一例を図14に示す。
【0066】図14において、21,22は、環状の内
輪ならびに外輪であり、それぞれ内軸5ならびに外軸6
に固定してある。また、内輪21と外輪22の間には、
予圧を付与して弾性伝達部材4を介装してある。弾性伝
達部材4は、内輪21と外輪22の間に圧入、またはい
ずれか一方に固定されていてもよい。
【0067】弾性伝達部材4がラジアル方向に予圧を付
与される一方向クラッチの他の例を図15に示す。
【0068】図15において、24は、断面L形の環状
の外輪であり、外軸6に固定してある。また、内軸5と
外輪24の片24aの間には、予圧を付与して弾性伝達
部材4を介装してある。弾性伝達部材4は、内軸5と外
輪24の片24aの間に圧入、またはいずれか一方に固
定してもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明の一方向クラッチによれば、機構
が簡単で軽量かつ小型化が図れ、しかも安価であるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の内輪の側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の外輪の側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の弾性伝達部材の正面図である。
【図5】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の弾性伝達部材の側面図である。
【図6】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の取付け状態の断面図である。
【図7】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の動作状態の断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の動作状態の断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態における一方向クラッチ
の弾性伝達部材の動作状態の正面図である。
【図10】本発明の一実施の形態における一方向クラッ
チの変形例の取付け状態の断面図である。
【図11】本発明の一方向クラッチの弾性伝達部材の変
形例の側面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態における一方向クラ
ッチの断面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態における一方
向クラッチの取付け状態の断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施の形態における一方
向クラッチの取付け状態の断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施の形態における一方
向クラッチの取付け状態の断面図である。
【符号の説明】
1,2,11,21 内輪 3,12,13,22,24 外輪 3a 延設部 4,40 弾性伝達部材 4a 第1側片 4b 第2側片 4c 連結片 5 内軸 6 外軸

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内軸に外嵌した内輪と、前記内軸に対し
    互いに相対回転可能に同心状に配設した外軸に内嵌した
    外輪と、前記内輪と前記外輪の間に予圧を付与して回転
    方向に渡って介装され一方向にのみ回転力を伝達する弾
    性伝達部材とを備え、 前記弾性伝達部材は、前記内輪に圧接した第1側片と、
    前記外輪に圧接した第2側片と、前記第1側片と前記第
    2側片との間に回転方向に傾斜して並設した複数の連結
    片とからなることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 【請求項2】 第1側片と第2側片の一方が内輪または
    外輪に固定されていることを特徴とする請求項1記載の
    一方向クラッチ。
  3. 【請求項3】 内輪が径方向外向きに開口した略溝形に
    形成され、外輪が前記内輪の一方のフランジ内面に接し
    て延設され、弾性伝達部材が前記内輪の他方のフランジ
    と前記外輪の延設部との間に介装されたことを特徴とす
    る請求項1記載の一方向クラッチ。
  4. 【請求項4】 内輪が一対の断面L字形の環状部材を互
    いに対向配置して接合してなることを特徴とする請求項
    3記載の一方向クラッチ。
  5. 【請求項5】 外輪が径方向内向きに開口した略溝形に
    形成され、内輪が前記外輪の一方のフランジ内面に接し
    て延設され、弾性伝達部材が前記外輪の他方のフランジ
    と前記内輪の延設部との間に介装されたことを特徴とす
    る請求項1記載の一方向クラッチ。
  6. 【請求項6】 外輪が一対の断面L字形の環状部材を互
    いに対向配置して接合してなることを特徴とする請求項
    5記載の一方向クラッチ。
  7. 【請求項7】 内軸に外嵌した内輪と、前記内軸に対し
    互いに相対回転可能に同心状に配設した外軸と前記内輪
    との間に予圧を付与して回転方向に渡って介装され一方
    向にのみ回転力を伝達する弾性伝達部材とを備え、 前記弾性伝達部材は、前記内輪に圧接した第1側片と、
    前記外軸に圧接した第2側片と、前記第1側片と前記第
    2側片との間に回転方向に傾斜して並設した複数の連結
    片とからなることを特徴とする一方向クラッチ。
  8. 【請求項8】 内軸に対し互いに相対回転可能に同心状
    に配設した外軸に内嵌した外輪と、前記内軸と前記外輪
    の間に予圧を付与して回転方向に渡って介装され一方向
    にのみ回転力を伝達する弾性伝達部材とを備え、 前記弾性伝達部材は、前記内軸に圧接した第1側片と、
    前記外輪に圧接した第2側片と、前記第1側片と前記第
    2側片との間に回転方向に傾斜して並設した複数の連結
    片とからなることを特徴とする一方向クラッチ。
  9. 【請求項9】 弾性伝達部材が環状部材であることを特
    徴とする請求項1または請求項7または請求項8記載の
    一方向クラッチ。
  10. 【請求項10】 弾性伝達部材が回転方向複数に分割さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項7また
    は請求項8記載の一方向クラッチ。
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