JP2003089858A - 微細組織を有するAl−Si系合金材料の製造方法 - Google Patents
微細組織を有するAl−Si系合金材料の製造方法Info
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- JP2003089858A JP2003089858A JP2001282304A JP2001282304A JP2003089858A JP 2003089858 A JP2003089858 A JP 2003089858A JP 2001282304 A JP2001282304 A JP 2001282304A JP 2001282304 A JP2001282304 A JP 2001282304A JP 2003089858 A JP2003089858 A JP 2003089858A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Siを比較的多量に含有する合金の組織を微
細化して超塑性が発現された微細組織を有するAl−S
i系合金材料を安価に製造し得る方法提供する。 【解決手段】 Na,SrおよびCaの群から選ばれる
少なくとも1つを改質元素として含有するAl−Si
系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu−Mg系ま
たはAl−Si−Cu−Mg−Ni系の合金に鋳込み状
態のままで大きな歪を付与する強加工処理を施すことを
特徴とする。
細化して超塑性が発現された微細組織を有するAl−S
i系合金材料を安価に製造し得る方法提供する。 【解決手段】 Na,SrおよびCaの群から選ばれる
少なくとも1つを改質元素として含有するAl−Si
系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu−Mg系ま
たはAl−Si−Cu−Mg−Ni系の合金に鋳込み状
態のままで大きな歪を付与する強加工処理を施すことを
特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細組織を有する
Al−Si系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu
−Mg系またはAl−Si−Cu−Mg−Ni系の合金
材料の製造方法に関する。
Al−Si系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu
−Mg系またはAl−Si−Cu−Mg−Ni系の合金
材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、汎用金属をベースに材料プロセス
によって組織を微細化することにより、強度のみならず
十分な靭性が得られことが明らかにされつつある。ま
た、μmレベル以下の結晶粒から構成される組織微細化
された材料では粒界すべりの効果が大きくなり、いわゆ
る超塑性現象が発現しやすいことも知られている。
によって組織を微細化することにより、強度のみならず
十分な靭性が得られことが明らかにされつつある。ま
た、μmレベル以下の結晶粒から構成される組織微細化
された材料では粒界すべりの効果が大きくなり、いわゆ
る超塑性現象が発現しやすいことも知られている。
【0003】このような微細組織を有する金属素材は、
従来、次のような方法により製造していた。まず、合金
溶湯からガスアトマイズ等の急冷凝固法によって微細な
粉体を調製する。つづいて、この微細粉末を缶に封入し
て内部ガスを真空吸引した後にHIP(熱間静水圧プレ
ス)等を施すことによって固化することにより微細組織
を有する金属素材を製造する。
従来、次のような方法により製造していた。まず、合金
溶湯からガスアトマイズ等の急冷凝固法によって微細な
粉体を調製する。つづいて、この微細粉末を缶に封入し
て内部ガスを真空吸引した後にHIP(熱間静水圧プレ
ス)等を施すことによって固化することにより微細組織
を有する金属素材を製造する。
【0004】前記粉体を出発素材として超塑性微細組織
材料を製造する事例は、例えばAl合金系、とりわけ実
用合金の中ではA5083等のAl−Mg系合金、A2
024等のAl−Cu−Mg系合金、A7075等のA
l−Cu−Zn−Mg系、A4032等のAl−Si−
Cu−Mg系合金において報告されている。
材料を製造する事例は、例えばAl合金系、とりわけ実
用合金の中ではA5083等のAl−Mg系合金、A2
024等のAl−Cu−Mg系合金、A7075等のA
l−Cu−Zn−Mg系、A4032等のAl−Si−
Cu−Mg系合金において報告されている。
【0005】しかしながら、前述した従来の超塑性微細
組織材料の製造方法は粉体を利用して固化するプロセス
が必要で、工程が煩雑になるばかりか、設備が大掛かり
になり、さらに高コストになるため、粉体利用自体が実
用化のネックになっている。
組織材料の製造方法は粉体を利用して固化するプロセス
が必要で、工程が煩雑になるばかりか、設備が大掛かり
になり、さらに高コストになるため、粉体利用自体が実
用化のネックになっている。
【0006】このような背景から、最近では比較的粗大
な結晶粒から構成されている鋳造材を出発素材としてバ
ルク体のまま微細組織化する技術の開発研究が産学官に
て精力的に進められている。代表的な手法としては制御
破砕成形(BMA;Bulk Mechanical Alloying)法、繰
返し折り重ね圧延(ARB;Accumulative Roll Bondin
g)法、等断面剪断プレス(ECAP;Equal Channel A
ngular Pressing)法、および異周速圧延法等が考案さ
れており、いずれも材料に強い加工を施すことによって
新たな結晶粒界を生じしめている。
な結晶粒から構成されている鋳造材を出発素材としてバ
ルク体のまま微細組織化する技術の開発研究が産学官に
て精力的に進められている。代表的な手法としては制御
破砕成形(BMA;Bulk Mechanical Alloying)法、繰
返し折り重ね圧延(ARB;Accumulative Roll Bondin
g)法、等断面剪断プレス(ECAP;Equal Channel A
ngular Pressing)法、および異周速圧延法等が考案さ
れており、いずれも材料に強い加工を施すことによって
新たな結晶粒界を生じしめている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Al−Si
系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu−Mg系ま
たはAl−Si−Cu−Mg−Ni系のようなSiを比
較的多量に含有する合金の組織を微細化することにより
超塑性を発現させた微細組織を有するAl−Si系合金
材料を安価に製造し得る方法を提供しようとするもので
ある。
系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu−Mg系ま
たはAl−Si−Cu−Mg−Ni系のようなSiを比
較的多量に含有する合金の組織を微細化することにより
超塑性を発現させた微細組織を有するAl−Si系合金
材料を安価に製造し得る方法を提供しようとするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る微細組織を
有するAl−Si系合金材料の製造方法は、Na,Sr
およびCaの群から選ばれる少なくとも1つを改質元素
として含有するAl−Si系、Al−Si−Cu系、A
l−Si−Cu−Mg系またはAl−Si−Cu−Mg
−Ni系の合金に鋳込み状態のままで大きな歪を付与す
る強加工処理を施すことを特徴とするものである。
有するAl−Si系合金材料の製造方法は、Na,Sr
およびCaの群から選ばれる少なくとも1つを改質元素
として含有するAl−Si系、Al−Si−Cu系、A
l−Si−Cu−Mg系またはAl−Si−Cu−Mg
−Ni系の合金に鋳込み状態のままで大きな歪を付与す
る強加工処理を施すことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】まず、Al−Si系、Al−Si−Cu
系、Al−Si−Cu−Mg系またはAl−Si−Cu
−Mg−Ni系の合金を溶融し、この溶湯状態でNa,
SrおよびCaの群から選ばれる少なくとも1つを改質
元素として添加した後、鋳造して鋳造材を得る。つづい
て、得られた鋳造材を鋳込み状態のまま、つまり熱処理
することなく、強加工処理を施すことによって、微細組
織を有するAl−Si系合金材料を製造する。
系、Al−Si−Cu−Mg系またはAl−Si−Cu
−Mg−Ni系の合金を溶融し、この溶湯状態でNa,
SrおよびCaの群から選ばれる少なくとも1つを改質
元素として添加した後、鋳造して鋳造材を得る。つづい
て、得られた鋳造材を鋳込み状態のまま、つまり熱処理
することなく、強加工処理を施すことによって、微細組
織を有するAl−Si系合金材料を製造する。
【0011】前記改質元素であるNa,Sr,Caは、
Al−Si系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu
−Mg系またはAl−Si−Cu−Mg−Ni系の合金
中にNaの場合は0.001〜0.02重量%、Srの
場合は0.003〜0.05重量%、Caの場合は0.
005〜0.02重量%、含有させることが好ましい。
これらの改質元素は、単独でも混合した形態でも用いる
ことができる。前記改質元素の含有量が前記下限値未満
すると、Si共晶を微細粒状にすることが困難になる。
一方、前記改質元素の含有量が前記上限値を超えると、
改質元素の効果が少なくなるばかりか、機械的性質を劣
化させる要因になるおそれがある。
Al−Si系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu
−Mg系またはAl−Si−Cu−Mg−Ni系の合金
中にNaの場合は0.001〜0.02重量%、Srの
場合は0.003〜0.05重量%、Caの場合は0.
005〜0.02重量%、含有させることが好ましい。
これらの改質元素は、単独でも混合した形態でも用いる
ことができる。前記改質元素の含有量が前記下限値未満
すると、Si共晶を微細粒状にすることが困難になる。
一方、前記改質元素の含有量が前記上限値を超えると、
改質元素の効果が少なくなるばかりか、機械的性質を劣
化させる要因になるおそれがある。
【0012】前記鋳造時の冷却は、0.5℃/sec以
上の速度で行なうことが好ましい。このような条件での
冷却を行なうことにより前記Na,SrおよびCaから
選ばれる少なくとも1つを改質元素として添加すること
による共晶Siサイズの微細化を有効に作用させること
が可能になる。
上の速度で行なうことが好ましい。このような条件での
冷却を行なうことにより前記Na,SrおよびCaから
選ばれる少なくとも1つを改質元素として添加すること
による共晶Siサイズの微細化を有効に作用させること
が可能になる。
【0013】前記『熱処理』とは、T4処理(溶体化処
理のみ)、T6処理(溶体化処理+人工時効処理)、T
7処理(溶体化処理+安定化処理)等の溶体化処理を含
むものを意味する。この溶体化処理は、一般に480〜
550℃の範囲で行なわれることが多い。ただし、比較
的低温であっても保持時間が長時間に及ぶ場合、溶体化
処理と同様の効果が生じる。このため、前記強加工処理
前の保持温度は、350℃以下にすることが好ましい。
理のみ)、T6処理(溶体化処理+人工時効処理)、T
7処理(溶体化処理+安定化処理)等の溶体化処理を含
むものを意味する。この溶体化処理は、一般に480〜
550℃の範囲で行なわれることが多い。ただし、比較
的低温であっても保持時間が長時間に及ぶ場合、溶体化
処理と同様の効果が生じる。このため、前記強加工処理
前の保持温度は、350℃以下にすることが好ましい。
【0014】前記強加工処理としては、例えば制御破砕
成形(BMA)法、繰返し折り重ね圧延(ARB)法、
等断面剪断プレス(ECAP)法、および異周速圧延法
等を採用することができる。
成形(BMA)法、繰返し折り重ね圧延(ARB)法、
等断面剪断プレス(ECAP)法、および異周速圧延法
等を採用することができる。
【0015】以上説明したように、Al−Si系、Al
−Si−Cu系、Al−Si−Cu−Mg系またはAl
−Si−Cu−Mg−Ni系の合金を鋳造することによ
り得られる鋳造材の共晶Siはマトリックス相に対して
化学的に安定に共存する相であり、マトリックス相中に
微細に分散させることにより粒界ピン止めとして作用す
る。一方、前記鋳造材に含有させる改良元素であるN
a,SrおよびCaは前記共晶Siを微細粒状にする効
果を有する。共晶Siは、二次元的には微細粒状である
ものの、三次元的には粒同士が接触状態にあるため、溶
体化処理のような比較的高温で熱処理を行なうと粗大化
し易くなる。
−Si−Cu系、Al−Si−Cu−Mg系またはAl
−Si−Cu−Mg−Ni系の合金を鋳造することによ
り得られる鋳造材の共晶Siはマトリックス相に対して
化学的に安定に共存する相であり、マトリックス相中に
微細に分散させることにより粒界ピン止めとして作用す
る。一方、前記鋳造材に含有させる改良元素であるN
a,SrおよびCaは前記共晶Siを微細粒状にする効
果を有する。共晶Siは、二次元的には微細粒状である
ものの、三次元的には粒同士が接触状態にあるため、溶
体化処理のような比較的高温で熱処理を行なうと粗大化
し易くなる。
【0016】本発明によれば、前記鋳造材を粗大化の要
因になる溶体化処理を施さずに強加工処理(例えば等断
面剪断プレス(ECAP)法)を施すことによって、粒
同士の連結を断ち切ることができるため、微細化して超
塑性を発現する微細組織を有するAl−Si系合金材料
を安価に製造することができる。
因になる溶体化処理を施さずに強加工処理(例えば等断
面剪断プレス(ECAP)法)を施すことによって、粒
同士の連結を断ち切ることができるため、微細化して超
塑性を発現する微細組織を有するAl−Si系合金材料
を安価に製造することができる。
【0017】なお、改良元素としてSbを検討したが、
これは性状が層状、あるいは板状であり、しかもNa,
SrおよびCaと比較して共晶Siの微細化が不十分で
あった。
これは性状が層状、あるいは板状であり、しかもNa,
SrおよびCaと比較して共晶Siの微細化が不十分で
あった。
【0018】
【実施例】以下、好ましい実施例を詳細に説明する。
【0019】(実施例1)主要組成がAl−7.0%S
i−0.37%Mg(AC4C合金相当)、およびAl
−11.6%Si(AC3A合金相当)の合金をそれぞ
れ溶融し、これら溶湯に改質元素であるNa,Srおよ
びCaの群から選ばれる少なくとも1つの元素を添加し
た後、鋳造し、0.5℃/sec以上の冷却速度で冷却
することにより下記表1に示す12種の合金組成の鋳造
材を得た。これら鋳造材のうちの6種について溶体化処
理した後、等断面剪断プレス(ECAP)法により強加
工処理を5回繰り返し、残りの6種の鋳造材について溶
体化処理せずに直接等断面剪断プレス(ECAP)法に
より強加工処理を5回繰り返すことにより12種のAl
−Si合金材料(合金素材)を製造した。
i−0.37%Mg(AC4C合金相当)、およびAl
−11.6%Si(AC3A合金相当)の合金をそれぞ
れ溶融し、これら溶湯に改質元素であるNa,Srおよ
びCaの群から選ばれる少なくとも1つの元素を添加し
た後、鋳造し、0.5℃/sec以上の冷却速度で冷却
することにより下記表1に示す12種の合金組成の鋳造
材を得た。これら鋳造材のうちの6種について溶体化処
理した後、等断面剪断プレス(ECAP)法により強加
工処理を5回繰り返し、残りの6種の鋳造材について溶
体化処理せずに直接等断面剪断プレス(ECAP)法に
より強加工処理を5回繰り返すことにより12種のAl
−Si合金材料(合金素材)を製造した。
【0020】なお、溶体化処理は520℃で8時間行な
った。また、溶体化処理を施さない場合には鋳造後EC
APまでは室温に保持し、ECAP時の材料温度を30
0℃、繰返し回数は一律5回としたとした。
った。また、溶体化処理を施さない場合には鋳造後EC
APまでは室温に保持し、ECAP時の材料温度を30
0℃、繰返し回数は一律5回としたとした。
【0021】得られた各Al−Si合金素材について、
共晶Si粒の平均粒径を測定した。この共晶Si粒の平
均粒径は、ECAP後の合金素材のマトリックス相のみ
を酸溶解し、その溶解残渣濾過物であるSiをレーザ回
折式粒度分布測定装置にかけて定量的に測定することに
より求めた。
共晶Si粒の平均粒径を測定した。この共晶Si粒の平
均粒径は、ECAP後の合金素材のマトリックス相のみ
を酸溶解し、その溶解残渣濾過物であるSiをレーザ回
折式粒度分布測定装置にかけて定量的に測定することに
より求めた。
【0022】また、得られた各Al−Si合金素材につ
いて超塑性特性を把握するために360〜550℃の温
度範囲、10-4〜100/secの種々の歪速度範囲に
て高温引張試験を行ない、変形応力の歪速度感受性指数
mを求めた。なお、m値は式σ・∝・(dε/dt)m
より導かれるm=∂logσ/∂log(dε/dt)
により求めた。
いて超塑性特性を把握するために360〜550℃の温
度範囲、10-4〜100/secの種々の歪速度範囲に
て高温引張試験を行ない、変形応力の歪速度感受性指数
mを求めた。なお、m値は式σ・∝・(dε/dt)m
より導かれるm=∂logσ/∂log(dε/dt)
により求めた。
【0023】これらの結果を下記表1に併記する。
【0024】
【表1】
【0025】前記表1から明らかなようにNa,Srお
よびCaの群から選ばれる少なくとも1つを改質元素と
して含有するAl−Si系合金の鋳造材に溶体化処理を
施すことなく鋳込み状態のままでECAP法のような強
加工処理を施すことにより得られた実施例1〜6の合金
素材では共晶Siサイズが概ね2μm弱と強加工前に溶
体化処理を施すことにより得られた比較例1〜6の合金
素材に比べて小さく、かつm値が0.3を超えているこ
とがわかる。一般に、m値は超塑性の重要なパラメータ
で、m≧0.3で超塑性を発現する。このような本発明
の合金素材が超塑性を発現する効果は、微細粒状の共晶
Siを三次元的に分散させることに起因するものと考え
られる。
よびCaの群から選ばれる少なくとも1つを改質元素と
して含有するAl−Si系合金の鋳造材に溶体化処理を
施すことなく鋳込み状態のままでECAP法のような強
加工処理を施すことにより得られた実施例1〜6の合金
素材では共晶Siサイズが概ね2μm弱と強加工前に溶
体化処理を施すことにより得られた比較例1〜6の合金
素材に比べて小さく、かつm値が0.3を超えているこ
とがわかる。一般に、m値は超塑性の重要なパラメータ
で、m≧0.3で超塑性を発現する。このような本発明
の合金素材が超塑性を発現する効果は、微細粒状の共晶
Siを三次元的に分散させることに起因するものと考え
られる。
【0026】なお、実施例では主たる元素がAlおよび
Siの合金を用いた例について説明したが、改質処理が
効く合金系、すなわちAClA、AC2A等のAl−S
i−Cu系合金、AC1B、AC4B等のAl−Si−
Cu−Mg系合金、AC8A等のAl−Si−Cu−M
g−Ni系合金を用いても同様な効果を発現することが
できる。
Siの合金を用いた例について説明したが、改質処理が
効く合金系、すなわちAClA、AC2A等のAl−S
i−Cu系合金、AC1B、AC4B等のAl−Si−
Cu−Mg系合金、AC8A等のAl−Si−Cu−M
g−Ni系合金を用いても同様な効果を発現することが
できる。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、A
l−Si系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu−
Mg系またはAl−Si−Cu−Mg−Ni系のような
Siを比較的多量に含有する合金の組織を微細化するこ
とにより、強度および靭性に優れ、かつ超塑性が発現さ
れた微細組織を有するAl−Si系合金材料を安価に製
造し得る方法を提供できる。
l−Si系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu−
Mg系またはAl−Si−Cu−Mg−Ni系のような
Siを比較的多量に含有する合金の組織を微細化するこ
とにより、強度および靭性に優れ、かつ超塑性が発現さ
れた微細組織を有するAl−Si系合金材料を安価に製
造し得る方法を提供できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C22F 1/00 611 C22F 1/00 611
612 612
630 630A
630B
630K
681 681
685 685
685A
691 691B
692 692A
694 694A
Claims (4)
- 【請求項1】 Na,SrおよびCaの群から選ばれる
少なくとも1つを改質元素として含有するAl−Si
系、Al−Si−Cu系、Al−Si−Cu−Mg系ま
たはAl−Si−Cu−Mg−Ni系の合金に鋳込み状
態のままで大きな歪を付与する強加工処理を施すことを
特徴とする微細組織を有するAl−Si系合金材料の製
造方法。 - 【請求項2】 Naの含有量が0.001〜0.02重
量%、Srの含有量が0.003〜0.05重量%、C
aの含有量が0.005〜0.02重量%であることを
特徴とする請求項1記載の微細組織を有するAl−Si
系合金材料の製造方法。 - 【請求項3】 強加工処理前の保持温度を350℃以下
とすることを特徴とする請求項1または2記載の微細組
織を有するAl−Si系合金材料の製造方法。 - 【請求項4】 鋳込み時の冷却速度が0.5℃/sec
以上であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか
記載の微細組織を有するAl−Si系合金材料の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001282304A JP2003089858A (ja) | 2001-09-17 | 2001-09-17 | 微細組織を有するAl−Si系合金材料の製造方法 |
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---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003089858A true JP2003089858A (ja) | 2003-03-28 |
Family
ID=19105971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001282304A Pending JP2003089858A (ja) | 2001-09-17 | 2001-09-17 | 微細組織を有するAl−Si系合金材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003089858A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006322032A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | セミソリッド鋳造用アルミニウム合金、並びにアルミ合金鋳物とその製造方法 |
CN101338381B (zh) * | 2007-09-12 | 2011-05-25 | 浙江今飞凯达轮毂有限公司 | 一种铝钛碳锶合金细化剂的制备方法 |
JP4777775B2 (ja) * | 2003-03-10 | 2011-09-21 | 有限会社リナシメタリ | 金属体の加工方法及び金属体の加工装置 |
CN112553492A (zh) * | 2020-11-23 | 2021-03-26 | 西安工业大学 | 一种用于Al-Si系合金组织细化的细化剂制备方法 |
-
2001
- 2001-09-17 JP JP2001282304A patent/JP2003089858A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8394214B2 (en) | 2003-03-10 | 2013-03-12 | Rinascimetalli Ltd. | Method for processing metal body and apparatus for processing metal body |
JP2006322032A (ja) * | 2005-05-18 | 2006-11-30 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | セミソリッド鋳造用アルミニウム合金、並びにアルミ合金鋳物とその製造方法 |
CN101338381B (zh) * | 2007-09-12 | 2011-05-25 | 浙江今飞凯达轮毂有限公司 | 一种铝钛碳锶合金细化剂的制备方法 |
CN112553492A (zh) * | 2020-11-23 | 2021-03-26 | 西安工业大学 | 一种用于Al-Si系合金组织细化的细化剂制备方法 |
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Legal Events
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