JP2003089569A - 炭酸カルシウム硬化体及び該炭酸カルシウム硬化体の製造方法 - Google Patents

炭酸カルシウム硬化体及び該炭酸カルシウム硬化体の製造方法

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JP2003089569A JP2001276614A JP2001276614A JP2003089569A JP 2003089569 A JP2003089569 A JP 2003089569A JP 2001276614 A JP2001276614 A JP 2001276614A JP 2001276614 A JP2001276614 A JP 2001276614A JP 2003089569 A JP2003089569 A JP 2003089569A
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Masaya Watanabe
昌也 渡辺
Koji Ioku
洪二 井奥
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築内・外装材、天井材、間仕切壁材、瓦、
舗装材等の不燃性建築材料に適した固化助剤を添加して
いない不燃性炭酸カルシウム硬化体を提供すると共に、
硬(固)化助剤を添加しなくても炭酸カルシウム粉末を
水存在下で容易に、且つ、強固に硬化させることができ
る不燃性炭酸カルシウム硬化体の製造方法を提供する。 【解決手段】 粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト
結晶の炭酸カルシウム粉末に水を添加してゲル状にて成
形した後、硬化させた炭酸カルシウム硬化体であり、該
炭酸カルシウム硬化体の製造方法は、粒子が連鎖状に繋
がっているカルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末に水を
添加してゲル状とし、この後、該ゲル状物を型成形し、
続いて、常温・常圧養生、水熱養生又は蒸気養生して硬
化させる炭酸カルシウム硬化体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子が連鎖状に繋
がっているカルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末を原料
とし、バインダーや硬(固)化助剤等を添加しないで硬
化させた炭酸カルシウム硬化体及び該炭酸カルシウム硬
化体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、近年、高層建築物は勿論の
こと一戸建住宅においても建築材料に不燃材料を使用す
ることが要望されている。
【0003】前記不燃材料として、セメント、石灰石
材、珪酸質材、スラグ及び石膏を主原料とし、補強材で
強化混合してオートクレーブ養生又は常圧養生によって
製造される窯業系板材があり、該窯業系板材は腐蝕や害
虫の虞れがなく耐久性、強度、加工性、運搬性に優れて
いることから、建築内・外装材や瓦に多く採用されてい
る。
【0004】また、炭酸カルシウム等の無機充填材を有
機物や無機物のバインダーで接着して硬化させた一般に
人工大理石といわれる炭酸カルシウム硬(固)化体も建
築材料として使用されている。例えば、特開平5-17608
号公報には、酢酸ビニル共重合体を含むコポリマーポリ
エチレン樹脂に炭酸カルシウムを加えて発泡剤、発泡助
剤、架橋剤を混合練合した混合物を成形金型に仕込んで
加圧・加熱させて形成したポリオレフィン系成形発泡体
が開示されており、特開平6-286080号公報には、懸濁重
合型塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂に炭酸カルシウ
ムを配合して面密度の高い防音材を製造する方法が開示
されており、特開平8-290949号公報には、有機酸、無機
酸、これらの塩類、タンパク、天然多糖類等の硬(固)
化助剤を含有するカルサイト結晶以外の炭酸カルシウム
粉末を水存在下で加温、加圧して炭酸カルシウム固化体
を製造する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記窯業系板
材は、オートクレーブで硬化を行う場合には、170 〜18
0 ℃程度の温度条件下で飽和水蒸気圧を保ちながら数時
間〜十数時間かけて処理することにより製造されるた
め、大容量の反応処理装置を必要とし、これにより、エ
ネルギーを多量に消費するので、効率が悪いという問題
点があり、一方、常温常圧で養生させて硬化を行う場合
には、広大な敷地面積を必要とするため、大量生産には
適してないという問題点があった。
【0006】また、前記の特開平5-17608 号公報に開示
されているポリオレフィン系成形発泡体や特開平6-2860
80号公報に開示されている防音材は、炭酸カルシウムを
原料としているものではあるが、いすれも有機質材料を
多量に含んでいるので、不燃性が要求される建材として
は使用できないという問題点があった。
【0007】さらに、前記の特開平8-290949号公報に開
示されている炭酸カルシウム固化体は、炭酸カルシウム
粉末を主原料としているものではあるが、固化助剤を必
要とするので、製造工程が増えるという問題点やカルサ
イト結晶以外の結晶からなる炭酸カルシウム粉末を用い
ているので、化学的に不安定で製造するのが困難である
という問題点があった。
【0008】そこで、本発明者等は、バインダーや硬
(固)化助剤を添加しなくても炭酸カルシウム粉末を水
存在下で容易に硬化させた強固な不燃性炭酸カルシウム
硬化体を製造することができる技術手段を提供すること
を技術的課題として、その具現化をはかるべく研究・実
験を重ねた結果、カルサイト結晶が連鎖状に繋がってい
ない汎用炭酸カルシウム粉末(例えば、商品名:カルシ
ーズTR:神島化学工業株式会社製)を出発原料として該
汎用炭酸カルシウムに水を加えて加圧成形した後、該成
形体を水熱養生、蒸気養生又は常温常圧養生を行っても
硬化反応が起こらないのに対して、粒子が連鎖状の繋が
っていて結合強度が大きいカルサイト結晶の炭酸カルシ
ウム粉末を出発原料とすれば、硬(固)化助剤を添加し
なくても強固に硬化させることができるという刮目すべ
き知見を得、前記技術的課題を達成したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって解決できる。
【0010】即ち、本発明に係る炭酸カルシウム硬化体
は、粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト結晶の炭酸
カルシウム粉末に水を添加してゲル状にて成形した後に
硬化させてなるものである。
【0011】また、本発明に係る炭酸カルシウム硬化体
の製造方法は、粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト
結晶の炭酸カルシウム粉末に水を添加してゲル状とし、
この後、該ゲル状物を型成形し、続いて、養生・硬化さ
せるものである。
【0012】また、本発明に係る炭酸カルシウム硬化体
の製造方法は、粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト
結晶の炭酸カルシウム粉末に水を添加してゲル状とし、
この後、該ゲル状物を型枠に充填し、続いて、加圧成形
しながら加温状態を保持することにより硬化させるもの
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0014】実施の形態1.
【0015】本実施の形態に係る炭酸カルシウム硬化体
は、粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト結晶の炭酸
カルシウム粉末に水を添加してゲル状にて成形した後、
硬化させたものである。
【0016】前記炭酸カルシウム粉末は、図1又は図2
に示すように、粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト
結晶からなり、該炭酸カルシウム粉末は、粉末の粒子間
において、その結合強度が大きいために粒子が連鎖状に
繋がっており、該炭酸カルシウム粉末を使用すれば、硬
(固)化助剤を添加しなくても強固に硬化させることが
できる。なお、当該炭酸カルシウム粉末の粒子径、粒度
分布、窒素ガス吸着による比表面積等は特に限定されな
い。
【0017】ゲル状物の成形・硬化方法は、加圧成形に
より型成形した後に常温・常圧養生、水熱養生又は蒸気
養生して硬化させてもよく、成形機型枠に充填した後、
加圧成形しながら加温状態を保持することにより硬化さ
せてもよい。
【0018】本実施の形態では、粒子が連鎖状に繋がっ
ているカルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末を出発原料
としているので、硬(固)化助剤を添加しなくても硬化
させることができ、得られた炭酸カルシウム硬化体は、
固化助剤を使用していないので、不燃性建築材料に適し
ており、不燃性に優れた建築内・外装材、天井材、間仕
切壁材、瓦、舗装材等として好適に使用することができ
る。
【0019】実施の形態2.
【0020】本実施の形態に係る炭酸カルシウム硬化体
の製造方法について説明すれば、先ず、粒子が連鎖状に
繋がっているカルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末に水
を添加し、攪拌混合してゲル状とし、この後、該ゲル状
物を加圧成形により型成形して成形体を得る。続いて、
該成形体を常温・常圧養生、水熱養生又は蒸気養生して
硬化させる。
【0021】炭酸カルシウム粉末は、図1又は図2に示
す粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト結晶からなる
粉末状態の炭酸カルシウムを出発原料とする。
【0022】また、加圧成形は脱水プレス成形や押出成
形によればよいが、前記炭酸カルシウム粉末に多量の水
を加えてスラリー状にて脱水プレスすれば、成形に時間
を要するので、成形原料はゲル状とする。
【0023】また、成形体の形状はプロック状でも板状
でもよいが、板状に成形する場合には繊維補強材を混合
したゲル状物を成形するのがより好しい。しかし、有機
系繊維補強材を多量に配合するのは炭酸カルシウム硬化
体の不燃性が損なわれるので、成形体に対して含有量約
7重量%までとするのが好ましい。なお、前記繊維補強
材としては、無機系及び有機系のいずれの繊維補強材を
使用してもよく、無機系繊維補強材としてガラス繊維、
炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維、アルミニ
ウム繊維等を使用すればよく、有機系繊維補強材として
セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、アルミド繊維等
を使用すればよい。
【0024】また、前記成形体を常温常圧養生において
硬化させれば、曲げ強度等の機械的強度が発現された炭
酸カルシウム硬化体を得ることができ、蒸気養生や水熱
養生により硬化させれば、さらに、かさ比重、ブリネル
硬度、吸水率等の物性を向上させることができる。
【0025】本実施の形態では、出発原料として粒子が
連鎖状に繋がっているカルサイト結晶の炭酸カルシウム
粉末を使用しているので、従来必要であった硬(固)化
助剤を添加しなくても強固に硬化させることができるか
ら、不燃性建築材料に適した炭酸カルシウム硬化体を製
造することができる。また、常温常圧養生においても硬
化させることができるので、硬化のための反応器を必要
とせず省エネルギーによる炭酸カルシウム硬化体の製造
を実現することができる。さらに、水熱養生において
は、短時間で実用的な機械的強度を発現できるので、大
量生産を実現することができる。
【0026】なお、本実施の形態に係る炭酸カルシウム
硬化体の製造方法を採用して押出成形により板状硬化体
を製造すれば、微細粒子なので、表面が平坦な板材や表
面模様が比較的浅い板材や立体構造部材等を効果的に連
続製造することができる。従って、回り縁、見切り縁、
窓枠等の建築部材の意匠性に富む建築部材を成形するこ
とができる。また、上下動の成形においても保水性が良
好なので、プレス面に柄を施すことができ、深い柄が施
された板材を製造することができる。
【0027】実施の形態3.
【0028】本実施の形態に係る炭酸カルシウム硬化体
の製造方法について説明すれば、先ず、粒子が連鎖状に
繋がっているカルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末に水
を添加し、攪拌混合してゲル状とし、この後、該ゲル状
物を成形機型枠に充填し、続いて、加圧成形しながら加
温状態を保持することにより硬化させる。
【0029】上下動のプレス成形では、前記成形機の厚
板内部及び敷板内部にヒータ等の加熱装置を設ければよ
い。
【0030】本実施の形態においては、前記実施の形態
2の作用・効果に加えて、加圧下で加温状態を一定時間
保持させているため、連鎖状の粒子がさらに強固な結合
となり、より高強度、高物性の炭酸カルシウム硬化体を
得ることができる。
【0031】なお、本発明者は、粒子が連鎖状に繋がっ
ているカルサイト結晶の炭酸カルシウムを用いた場合に
は、硬(固)化助剤を添加しなくても、強固に硬化する
化学的メカニズムを解明するに至っていないが、後出実
施例に示すとおり、本発明によれば、硬(固)化助剤な
しで強固に硬化した炭酸カルシウム硬化体が得られるこ
とを保証できる。
【0032】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて説明する。
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0033】実施例1.
【0034】図1に示す粒子が連鎖状に繋がっているカ
ルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末(商品名:カルシー
ズ:神島化学工業株式会社製:窒素ガス吸着法による比
表面積18m2/g )96重量部と、NBKP(針葉樹晒しクラフ
トパルプ)とポリプロピレンとからなる繊維補強材3重
量部と、増粘剤(メチルセルロース)1重量部とをモル
タルミキサーにて攪拌数50rpm で10分間攪拌混合し、該
混合物において水分率35%となる量の水を添加してさら
にモルタルミキサーにて攪拌数50rpm で5分間攪拌して
ゲル状混練物を得た。
【0035】前記ゲル状混練物を押出成形機にて押し出
し型成形し、長さ450mm 、幅300mm、厚さ6mmの板状成
形体を得た。
【0036】前記板状成形体をオートクレープにて温度
120 ℃下で2時間養生した後、温度120 ℃で12時間乾燥
させ、板状炭酸カルシウム硬化体を得た。
【0037】本実施例における板状炭酸カルシウム硬化
体は、反り、ひび等の外観異常がなかった。また、曲げ
強度、かさ比重、ブリネル硬度、吸水率及び吸水長さ変
化率を測定した。結果を表1に示す。表1中、「◎」は
外観異常無しを示す。
【0038】なお、曲げ強度はJIS A1408 に準拠した方
法により測定し、かさ比重、吸水率及び吸水長さ変化率
は、JIS A5430 に準拠した方法により測定し、ブリネル
硬度はJIS Z2243 に準拠した方法により測定した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2.
【0041】前記実施例1と同様にして長さ450mm 、幅
300mm 、厚さ6mmの板状成形体を得、該板状成形体を恒
温恒湿機にて温度80℃下で2時間養生した後、温度120
℃で12時間乾燥させ、板状炭酸カルシウム硬化体を得
た。
【0042】本実施例における板状炭酸カルシウム硬化
体は、反り、ひび等の外観異常がなかった。また、曲げ
強度、かさ比重、ブリネル硬度、吸水率及び吸水長さ変
化率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示
す。
【0043】実施例3.
【0044】前記実施例1と同様にして長さ450mm 、幅
300mm 、厚さ6mmの板状成形体を得、該板状成形体を恒
温恒湿機にて温度20℃下で24時間養生した後、温度120
℃で12時間乾燥させ、板状炭酸カルシウム硬化体を得
た。
【0045】本実施例における板状炭酸カルシウム硬化
体は、反り、ひび等の外観異常がなかった。また、曲げ
強度、かさ比重、ブリネル硬度、吸水率及び吸水長さ変
化率を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示
す。
【0046】実施例4.
【0047】図2に示す粒子が連鎖状に繋がっているカ
ルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末(商品名:高活性炭
酸カルシウム:神島化学工業株式会社製:窒素ガス吸着
法による比表面積100m2 /g )96重量部と前記繊維補強
材3重量部と前記増粘剤1重量部とをモルタルミキサー
にて攪拌数50rpm で10分間攪拌混合し、該混合物におい
て水分率35%となる量の水を添加してさらにモルタルミ
キサーにて攪拌数50rpm で5分間攪拌してゲル状混練物
を得た。
【0048】前記ゲル状混練物を前記実施例1と同様に
して板状炭酸カルシウム硬化体を得た。該板状炭酸カル
シウム硬化体は、反り、ひび等の外観異常がなかった。
また、曲げ強度、かさ比重、ブリネル硬度、吸水率及び
吸水長さ変化率を実施例1と同様にして測定した。結果
を表1に示す。
【0049】実施例5.
【0050】図2に示す粒子が連鎖状に繋がっているカ
ルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末(商品名:高活性炭
酸カルシウム:神島化学工業株式会社製:窒素ガス吸着
法による比表面積100m2 /g )97重量部と前記繊維補強
材3重量部とをモルタルミキサーにて攪拌数50rpm で10
分間攪拌混合し、該混合物において水分率30%となる量
の水を添加してさらにモルタルミキサーにて攪拌数50rp
m で5分間攪拌してゲル状混練物を得た。
【0051】前記ゲル状混練物を250mm ×250mm のホッ
トプレス成形機型枠に投入し、温度120 ℃下で0.5MPaに
て2分間加圧保持を行って板状成形体を得た。
【0052】前記板状成形体を温度120 ℃で12時間乾燥
させ、板状炭酸カルシウム硬化体を得た。該板状炭酸カ
ルシウム硬化体は、反り、ひび等の外観異常がなかっ
た。また、曲げ強度、かさ比重、ブリネル硬度、吸水率
及び吸水長さ変化率を実施例1と同様にして測定した。
結果を表1に示す。
【0053】比較例1.
【0054】コロイド状炭酸カルシウムを低温法により
温度20℃以下で水酸化カルシウムを反応させた図3に示
す粒子が連鎖状に繋がっていない汎用炭酸カルシウム微
粒子(商品名:カルシーズTR:神島化学工業株式会社
製:窒素ガス吸着法による比表面積18m2/g )96重量部
と前記繊維補強材3重量部と前記増粘剤1重量部とをモ
ルタルミキサーにて攪拌数50rpm で10分間攪拌混合し、
該混合物において水分率35%となる量の水を添加してさ
らにモルタルミキサーにて攪拌数50rpm で5分間攪拌し
てゲル状混練物を得た。
【0055】前記ゲル状混練物を押出成形機にて押し出
し型成形し、長さ450mm 、幅300mm、厚さ6mmの板状成
形体を得た。
【0056】前記板状成形体をオートクレープにて温度
120 ℃下で2時間養生したが、板状成形体は硬化してい
なかった。
【0057】比較例2.
【0058】図3に示す前記汎用炭酸カルシウム微粒子
97重量部と前記繊維補強材3重量部とをモルタルミキサ
ーにて攪拌数50rpm で10分間攪拌混合し、該混合物にお
いて水分率30%となる量の水を添加してさらにモルタル
ミキサーにて攪拌数50rpm で5分間攪拌して混練物を得
た。該混練物は粘土状となっていた。
【0059】前記粘土状混練物を250mm ×250mm のホッ
トプレス成形機型枠に投入し、温度120 ℃下で0.5MPaに
て2分間加圧保持を行って加圧保持後、脱型したが硬化
していなかった。
【0060】表1に示すように、実施例1〜5における
板状成形体はいずれも炭酸カルシウム硬化体となってお
り、機械的強度が発現していた。また、吸水長さ変化率
も低い値を示し、吸水に対して十分な寸法安定性を有し
ていることが確認できた。なお、比較例1及び2では、
養生後の板材が硬化しておらず、物性に対する測定をす
ることができなかった。
【0061】従って、粒子が連鎖状に繋がっているカル
サイト結晶の炭酸カルシウム粉末が硬化に寄与している
ことが確認できた。
【0062】
【発明の効果】本発明においては、粒子が連鎖状に繋が
っているカルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末を原料と
しているので、硬(固)化助剤を添加しなくても、炭酸
カルシウム粉末を水存在下で容易に硬化させることがで
き、且つ、強固な炭酸カルシウム硬化体にすることがで
きる。
【0063】従って、本発明によれば、強固な不燃性炭
酸カルシウム硬化体を提供でき、当該炭酸カルシウム硬
化体は、不燃性が要求される建築内・外装材、天井材、
間仕切壁材、瓦及び舗装材等に好適に使用できる。
【0064】よって、本発明の産業上利用性は非常に高
いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた粒子が連鎖状に繋がっている
カルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末の粒子構造を倍率
5万倍にて示す図面代用電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例5で用いた粒子が連鎖状に繋がっている
カルサイト結晶の炭酸カルシウム粉末の粒子構造を倍率
5万倍にて示す図面代用電子顕微鏡写真である。
【図3】比較例で用いたコロイド状炭酸カルシウムを低
温法により温度20℃以下で水酸化カルシウムを反応させ
た汎用炭酸カルシウム微粒子の粒子構造を倍率5万倍に
て示す図面代用電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DE01 FA07 FA09 FA10 FA14 FA16 FA30 GA03 HA22 JA00 JA06 4G054 AA01 AA14 AC04 BA02 BA62 BB04 BB05 DA02 DA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト
    結晶の炭酸カルシウム粉末に水を添加してゲル状にて成
    形した後に硬化させてなる炭酸カルシウム硬化体。
  2. 【請求項2】 粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト
    結晶の炭酸カルシウム粉末に水を添加してゲル状とし、
    この後、該ゲル状物を型成形し、続いて、養生・硬化さ
    せることを特徴とする炭酸カルシウム硬化体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 粒子が連鎖状に繋がっているカルサイト
    結晶の炭酸カルシウム粉末に水を添加してゲル状とし、
    この後、該ゲル状物を型枠に充填し、続いて、加圧成形
    しながら加温状態を保持することにより硬化させること
    を特徴とする炭酸カルシウム硬化体の製造方法。
JP2001276614A 2001-09-12 2001-09-12 炭酸カルシウム硬化体及び該炭酸カルシウム硬化体の製造方法 Withdrawn JP2003089569A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115583828A (zh) * 2022-10-25 2023-01-10 浙江大学 高致密度、高强度方解石陶瓷及其制备方法

Cited By (2)

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CN115583828A (zh) * 2022-10-25 2023-01-10 浙江大学 高致密度、高强度方解石陶瓷及其制备方法
CN115583828B (zh) * 2022-10-25 2023-10-03 浙江大学 高致密度、高强度方解石陶瓷及其制备方法

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