JP2875838B2 - ゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水和物成形体の製造方法 - Google Patents
ゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水和物成形体の製造方法Info
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Description
に主に用いられるゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水
和物成形体の製造方法に関する。
和物成形体は、ゾノトライトの最も大きな特徴である耐
熱性を生かすと共に、高温で利用される場合の保温材、
断熱材、耐火被覆材として、主に建築業界で利用されて
いる。
ウム水和物成形体を製造する方法の主な手段としては、
以下に示す様な方法が採られていた。
添加される繊維質物質等の添加材からなるスラリーを型
に流し込んで成形した後、オートクレーブ中でこれを水
熱反応させて成形体を得る方法。(特公昭61-25672) ロ) 珪酸質原料、石灰質原料、水、及び必要に応じて
添加される繊維質物質等の添加材からなるスラリーを温
水中で予備反応させる事により、ゲルを生成させ、次い
で、そのゲルを圧縮成形した後、オートクレーブ中でこ
れを水熱反応させて成形体を得る方法。
添加される繊維質物質等の添加材からなるスラリーをオ
ートクレーブ中で攪拌しながらゾノトライトを水熱合成
し、その後、加圧成形と乾燥により成形体を得る方法。
(特公昭45-25771) ニ) 珪酸質原料、石灰質原料、水、及び必要に応じて
添加される繊維質物質等の添加材からなる混合粉末に水
を加える事の無いまま型枠内に充填し、加圧せずに成形
したものをオートクレーブ中で水熱反応させて成形体を
得る方法。(特公昭61-25672) がこれである。
する珪酸カルシウム成形体の製造に際しては、従来、生
ケーキの成形性が問題となって来る事から、軽量発泡コ
ンクリート(ALC)と同様の製造方法でこれを製造する
事は行われて居なかった。
造方法に於いて、イ)及びロ)に示した製造方法では、
嵩比重の高い成形体のみしか得られず、又、得られた成
形体を高温で加熱した場合の収縮率が従来の他の製造方
法によって得られたゾノトライト系の珪酸カルシウム成
形体よりも大きくなると共に、この成形体の大きな特徴
である耐熱性が低下してしまう為好ましくない。
ないと壁材や床材の様な用途を目的とした建材としては
利用する事が出来ず、一方、強度を上げる為には多量の
繊維質物質を混入する必要があって、製品の価格や製品
の耐火性といった面から問題を投げ掛けると共に、更
に、鉄筋等による補強策を採用した場合にはゾノトライ
ト系の珪酸カルシウム成形体自体の重量が増大して来る
事になるので好ましくない。
生成したゾノトライト結晶の集合体が嵩高なものである
為に、嵩比重0.2程度の成形体しか得られず、繊維質物
質や鉄筋で補強したとしても壁材や床材として使用する
には強度が不足してしまう事から、建築用の材料として
は不向きである。
成率を高める為に、長時間の養生処理を施さなければな
らず、エネルギーコストの面から見て、決して有利な製
造方法であるとはいえず、又、原料をそれ程緻密に成形
する事が出来ない為、十分な強度を得る事は困難であ
り、先に述べたように緻密質物質や鉄筋を用いて補強を
すれば、総重量が重くなるばかりでなく、建築構造物に
使用する場合に於いては鉄筋の使用量が増加するので、
製品価格の上昇を招くと共に、施工性にも難点を生じる
事になる。
し、建築用の壁材や床材等に要求される材料強度を保持
しながらゾノトライトの生成率を高める事によって、耐
熱性の一段と優れたゾノトライト系軽量珪酸カルシウム
成形体を経済的にも有利に入手する事を目的とするもの
である。
珪石、珪砂等の珪酸質原料を主原料とし、原料のCaO/Si
O2モル比が0.8〜1.1であり、生石灰/消石灰の重量比が
0.25〜0.5であるように混合された混合物に、水を加え
てスラリーとし、金属アルミニウム粉を添加して後型枠
に鋳込み、発泡硬化させた後、室温40°C以上、相対湿
度50%以下の状態で5〜15時間の乾燥処理を施し、更
に、190〜240°Cの温度域にて水蒸気養生する事によ
り、ゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水和物成形体を
製造する事を開示するものである。
和物成形体の製造は上記の如くして行われるが、本発明
に於いて、珪酸カルシウム原料スラリーを蒸気処理する
事によって得られるゾノトライト系軽量珪酸カルシウム
は、生石灰及び消石灰よりなる石灰質原料と、珪石、珪
砂等の珪酸質原料をオートクレーブ中で水熱反応させる
事によって生成されるものであって、ゾノトライト結
晶、トバモライト結晶、及び、CSHゲルと呼ばれる非晶
質物質によって構成されている。
晶、トバモライト結晶、及び、CSHゲルが夫々占める全
体への存在比率によって変化して来るものであって、特
に、耐熱性が要求される場合には、成形体中に占めるゾ
ノトライト結晶の存在比率が35%以上である事が肝要と
なる。
のCaO/SiO2モル比を0.8〜1.1の範囲に規定したのは、モ
ル比が0.8未満では蒸気養生を高温度で長時間処理して
もゾノトライトの生成率が全体量の35%以上に達しない
し、モル比が1.1を超えても、目標とする生成率でのゾ
ノトライト結晶を得る事が出来なくなる為である。
以上0.5以下と規定するのは、0.25未満であると生ケー
キの強度が余りに弱すぎる為であり、0.5を超えると、
生石灰の発熱作用によって生ケーキが壊れる様になるか
らである。
を施すが、この場合の生ケーキを保持する乾燥室の室温
を40°C以上としたのは、40°C未満では十分な生ケー
キの乾燥が出来ない為であり、相対湿度を50%以下と規
定したのは、相対湿度が50%を超えると、生ケーキの乾
燥速度が遅くなって、製品の生産性を阻害する様になる
為である。
は、乾燥保持時間が5時間未満の場合にはケーキの硬化
度が不十分であり、15時間を超えた場合にはケーキの表
面に亀裂や剥離等の現象が認められる様になると共に、
処理時間が長くなって不経済になる為である。
クリートの製造等で一般的に行われて来た様に、原料の
混合されたスラリーを型枠内に鋳込むに際して、スラリ
ー中にアルミニウム粉末を発泡剤として添加する事によ
って、型枠内に鋳込んだ後にスラリーに発泡作用を与
え、成形体の嵩比重を0.3〜0.8の範囲に収めて、製品の
軽量化を図る事が出来る。
て施す様に規定しているが、水蒸気養生処理温度が190
°C未満になると養生時間が悪戯に長くなって、生産性
の面から問題を生じると共に、240°Cを超えた温度で
の養生処理ではオートクレーブ内の圧力が高くなり過ぎ
てしまう為、設備面での所用経費に問題を生じる一方、
養生時間も極端に短縮する必要性がなく、投資効率がか
えって低くなってしまう為である。
カルシウム水和物成形体に於いて、ゾノトライトの生成
率はゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水和物成形体全
量の35%以上となる様になっている事が好ましい。
バモライトやCSHの生成依存量が多くなり過ぎて、目的
とする750°C以上の高温処理に耐える事の出来る製品
を入手する事が困難になって来る為である。
30mgの試料を採取し、室温から1000°C迄を、20°C/mi
nの昇温速度で加熱しながら試料の減量状態を測定し、
以下に示す数式によりゾノトライトの生成率を測定し
た。
の加熱減量をAmg、750°Cから800°Cに於ける加熱減
量(ゾノトライトの分解による減量)をBmgとすると、
ゾノトライトの生成率Y%は以下の数式にて示される。
として、SiO2を94.5重量%とAl2O3を1.3重量%含有す
る珪石と、CaOを96.9重量%含有する生石灰と、CaOを7
2.0重量%含有する消石灰を使用し、これらの原料を第
1表に示した夫々の混合割合で混合し、更に、固体重量
比にして70%の水を加えてスラリーとした後、原料乾量
にして0.07重量%のアルミニウム粉末を添加したスラリ
ーを、幅400mm、長さ400mm、高さ150mmの鋳型に流し込
み、9時間の発泡硬化処理を施して得られた生ケーキに
対して、220°Cにて24時間に亘る蒸気養生を施して得
た製品のゾノトライト生成率を測定した結果は、第1表
に示した如くであって、本発明の実施による試料No1〜
3は何れもゾノトライトの生成率45%以上を示したのに
対し、CaO/SiO2のモル比が規定を外れた0.7と1.2を示し
た試料No7と試料No4は、夫々、ゾノトライトの生成率が
28%と18%を示すに過ぎず、何れも耐熱性を満足させる
に至らなかった。
ものの、生石灰と消石灰の重量比が0.2と本発明の規定
より小さい試料No6は発泡硬化後の生ケーキの強度が十
分でなく、反対に、CaO/SiO2のモル比が本発明の規定を
満たして居るものの、生石灰と消石灰の重量比が0.6と
本発明の規定より大きい試料No5は発熱量が大きく、生
ケーキを形成する事が困難であった。更に、第1表に試
料No2として示された配合条件の生ケーキを用い、乾燥
条件を各種変化させて得た場合の生ケーキ乾燥硬化後の
硬さと、乾燥硬化後の生ケーキを220°Cにて24時間に
亘って蒸気養生して得た後の製品強度についてを測定し
た結果は第2表に示された如くであり、本発明によった
試料No8〜10については、十分な製品強度が得られた
が、相対湿度が60%と規定値を超えた試料No13とNo14に
ついては、十分な製品強度が得られていない。
ーキを用い、乾燥条件を各種変化させて得た場合の生ケ
ーキ乾燥硬化後の硬さと、乾燥硬化後の生ケーキを220
°Cにて24時間に亘って蒸気養生して得た後の製品強度
についてを測定した結果は第2表に示された如くであ
り、本発明によった試料No11〜12については、十分な製
品強度が得られた。
た建築用材として利用される、ゾノトライト系軽量珪酸
カルシウム水和物の成形体を容易に製造する事が出来る
様になった。
ライトの生成率を大幅に向上させる事が可能となり、材
料強度と耐火度の何れもが高く、嵩比重も0.3〜0.8と軽
量で取扱いに優れた建築用材料を安定して供給すること
が可能になり、建築業界に寄与するところ大なるものが
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】生石灰及び消石灰よりなる石灰質原料と、
珪石、珪砂等の珪酸質原料を主原料とし、原料のCaO/Si
O2モル比が0.8〜1.1であり、生石灰/消石灰の重量比が
0.25〜0.5であるように混合された混合物に、水を加え
てスラリーとし、金属アルミニウム粉を添加して後型枠
に鋳込み、発泡硬化させた後、室温40°C以上、相対湿
度50%以下の状態で5〜15時間の乾燥処理を施し、更
に、190〜240°Cの温度域にて水蒸気養生する事を特徴
とするゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水和物成形体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2325090A JP2875838B2 (ja) | 1990-01-31 | 1990-01-31 | ゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水和物成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2325090A JP2875838B2 (ja) | 1990-01-31 | 1990-01-31 | ゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水和物成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03228881A JPH03228881A (ja) | 1991-10-09 |
JP2875838B2 true JP2875838B2 (ja) | 1999-03-31 |
Family
ID=12105352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2325090A Expired - Lifetime JP2875838B2 (ja) | 1990-01-31 | 1990-01-31 | ゾノトライト系軽量珪酸カルシウム水和物成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2875838B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10232180B4 (de) * | 2002-07-16 | 2007-11-22 | Lohrmann, Horst, Dr. | Verfahren zur Herstellung von Porenbeton |
-
1990
- 1990-01-31 JP JP2325090A patent/JP2875838B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03228881A (ja) | 1991-10-09 |
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