JP2003088702A - 改良された硫黄含有残留物処理システム - Google Patents

改良された硫黄含有残留物処理システム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】有用な有機成分を回収するために、硫黄含有残
留物流れを処理するために用いられる改良された残留物
処理システムの提供。 【解決手段】a)液状有機物含有硫黄含有残留物流れを
ストリッピング領域に移送する段階;および b)ストリッピング領域において、該液状有機物含有硫
黄含有残留物流れを間接的に加熱して、有機物を含む蒸
気流れおよび液状残留物流れを形成する段階を含む、硫
黄含有残留物流れから有機物をストリッピングする方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、工業的製造操作における残留物
処理の分野に関し、より詳細には、有用な有機成分を回
収するために、硫黄含有残留物流れを処理するために用
いられる改良された、所望により一体化された残留物処
理システムに関する。この改良された方法の結果、資本
および操作費用は著しく減少する。
【0002】さまざまな大規模な工業的製造操作におい
て、硫黄含有残留物流れは、製造プロセスの副生成物と
して生じる。このような硫黄含有残留物流れは、これに
限定されないが、(メタ)アクリル酸およびそのエステ
ル、(メタ)アクリロニトリル、シアン化水素、カプロ
ラクタム、第三アルキルアミン、石油精製操作、スチー
ル産生および発電所操作をはじめとするいくつかのプロ
セスにおいて生じる。これらの硫黄含有残留物流れは、
有用な有機成分を含むことが多い。
【0003】これらの有機成分を回収することは、プロ
セスの全体的収率を増大させるために望ましい。大規模
な工業的製造市場は非常にコストに敏感に反応するので
特に望ましく、プロセス収率における改善は、少しであ
っても製造業者らにとって著しいコストの利点が得られ
る。加えて、下流操作において廃棄するかまたは処理し
なければならない残留物の量を最小限に抑えるために
は、残留物流れからできるだけ多くの水を除去するのが
望ましい。もう一つの目的は、より廃棄しやすくするた
めに残留物を精製することである。
【0004】公知硫黄含有残留物流れ処理システムは、
バッチ法であるかまたは連続法であり、残留物流れを含
む1つのストリッピング容器を、生蒸気のみと接触させ
るかまたは生蒸気のみで加熱し、残留物流れから有機成
分および水を除去する。本明細書において使用される
「生蒸気」なる用語は、蒸気がプロセス流れと直接接触
する容器中に直接スパージされる蒸気を意味する。有機
物が一旦残留物流れから除去されると、これは、燃焼さ
せるか、凝縮させるか、またはプロセスにリサイクルす
ることができる。リサイクルするならば、さらなる複雑
な装置およびかなりの資本費用が通常必要である。回収
された有機物を差し引いた残留物の残りは、濃縮された
硫黄含有物流れであり、これはたとえば酸再生または硫
酸アンモニウム産生プロセスにおいて廃棄されるかまた
は処理されるかのいずれかである。酸再生操作に回され
る場合、濃縮された残留物は炉中で焼却され、硫黄有価
物を回収し、最終的に硫酸などの化合物を形成すること
ができる。
【0005】公知生蒸気硫黄含有残留物流れ処理プロセ
スに関連して多くの問題がある。まず、処理プロセスに
おいて生蒸気を熱源として用いる場合、生蒸気を介して
残留物流れに連続して水が添加されるので、残留物を最
適量まで濃縮することは不可能である。特に、生蒸気を
添加することにより、ほとんどの有機物が気化するだけ
でなく、生蒸気の一部が流れ中に凝縮される。したがっ
て、残留物流れは有機物中よりも、水中においてより濃
縮される。ストリップされた残留物中の多量の水を処理
するかまたは廃棄しなければならないので、これは下流
プロセスに対して不利である。酸再生または硫酸アンモ
ニウム産生プロセスにおけるストリップされた残留物中
の多量の水は、残留物を焼却または濃縮するためにより
大きな装置とより多くのエネルギーを用いなければなら
ないことを意味する。実際、残留物の最適な脱水を達成
するためには、さらなる二次除去段階が必要で、これは
本質的にそれ自体非常に費用がかかる。
【0006】公知生蒸気処理システムのもう一つの落と
し穴は、プロセスの操作温度が制限されることである。
最適の有機物回収には高温が必要である。しかし、所定
の操作圧力について、水を残留流れに添加することは平
衡沸点を制限し、これによりシステムの温度が制限され
るので、高温は公知生蒸気システムでは達成できない。
システムが到達できる最高温度が制限されるので、シス
テムから除去できる有用な有機物および水の量は非常に
制限される。これは、全体的な収率の低下につながる。
【0007】生蒸気処理システムに関連するもう一つの
欠点は、これらが容易に汚染され、休止時間および浄化
費用が相当なものになることである。生蒸気は残留物流
れ中の成分を重合させる可能性があり、これによりやっ
かいな固体が形成され、これは除去するのが非常に困難
であり、費用がかかる。このような汚染されやすい傾向
があるために、残留物の取扱およびポンピングが非常に
困難になる。
【0008】公知生蒸気処理操作に関連するさらにもう
一つの問題は、生蒸気をストリッピング容器に導入する
スパージャーが、非常に腐食性の高い硫黄含有残留物流
れおよび生蒸気混合物により腐蝕されるやすいことであ
る。ストリッピング容器のライニングをはじめとする装
置の他の部品も腐蝕する傾向がある。交換は費用がかか
り、交換に伴う休止時間は費用がかかる。
【0009】加えて、製造業者らは、通常廃棄される硫
黄含有および非硫黄含有廃棄物流れから有用な有機成分
を回収できなかったので、全体的な収率において損失が
あった。「廃棄物流れ」なる用語は、本明細書において
使用される場合、水、有機物および/またはポリマーを
含み、蒸気であってもよいし、液状形態であってもよ
い、化学処理操作において形成される非生成物流れを意
味する。
【0010】たとえば、メチルメタクリレート(「MM
A」)プロセスにおいて、「ラグ流れ(rag str
eam)」と称する液状廃棄物流れは、典型的には廃棄
され、全体的な収率の損失につながる。本明細書におい
て用いられる「ラグ流れ」なる用語は、MMAプロセス
における分離または精製段階において形成される1また
はそれ以上のポリマーを含む廃棄物流れを意味する。ラ
グ流れは、たとえば、ポリメチルメタクリレート、メタ
クリル酸(「MAA」)、MMA、メタノール、および
公知残留物処理システムにより今まで無視されて生きた
他の有用な有機物をはじめとする有用な有機成分を含
む。たとえば、MMAラグ流れのような廃棄物流れ中の
これらの有機物は、典型的には処理が困難であり、一般
に汚染されやすい根本的な傾向があるので、無視されて
きた。結果として、これらの廃棄物流れ中の有機物は公
知プロセスにおいては失われ、全体的収率は悪くなる。
【0011】要するに、硫黄含有残留物流れ処理のため
の公知生蒸気処理システムは、資本費用、操作費用およ
び収率の損失を著しく増大させるので、製造業者らにと
っては問題である。
【0012】したがって、最適量の有用な有機物および
水が流れから除去される、有効で、低操作費用および低
資本費用の硫黄含有残留物流れ処理法が必要とされる。
【0013】本発明の第一の例において、有用な有機成
分を残留物流れから回収し、残存する残留物流れを全体
的収率および費用節減が増大するレベルまで濃縮する働
きをする、改良された硫黄含有残留物流れ処理法が提供
される。本発明の第二の例において、残留物処理システ
ムのすべての要素が連結されて、必要な配管および他の
周辺装置が少なく、費用の著しい節減が達成される、一
体化された装置が提供される。
【0014】したがって、本発明の第一の例の第一の態
様において: a)液状有機物含有硫黄含有残留物流れをストリッピン
グ領域に移送する段階;および b)ストリッピング領域において、該液状有機物含有硫
黄含有残留物流れを間接的に加熱して有機物を含む蒸気
流れおよび液状残留物流れを形成する段階を含む、硫黄
含有残留物流れから有機物をストリッピングする方法が
提供される。
【0015】本発明の第一の例の第二の態様において: a)液状有機物含有硫黄含有残留物流れをストリッピン
グ領域に移送する段階、 b)液状有機物含有硫黄含有残留物流れを、該ストリッ
ピング領域において、有機物を含む蒸気流れと液状残留
物流れに分離する段階、 c)液状残留物流れを下部フラッシュ領域に移送する段
階、 d)下部フラッシュ領域の内容物を間接的に加熱して、
下部フラッシュ領域の内容物をフラッシュ気化させて、
下部フラッシュ領域蒸気流れと下部フラッシュ領域液状
残留物流れにする段階を含む、硫黄含有残留物流れから
有機物をストリッピングする方法が提供される。
【0016】本発明の第一の例の第三の態様において: (a)液状有機物含有硫黄含有残留物流れをストリッピ
ング領域に移送する段階; (b)ストリッピング領域において、液状有機物含有硫
黄含有残留物流れを、有機物含有蒸気流れと液状残留物
流れに分離する段階; (c)液状残留物流れを下部フラッシュ領域に移送する
段階; (d)下部フラッシュ領域において、液状残留物流れを
フラッシュ気化させて、下部フラッシュ領域蒸気流れと
下部フラッシュ領域液状残留物流れにする段階; (e)下部フラッシュ領域液状残留物流れを下部フラッ
シュ領域から抜き取り、下部フラッシュ領域残留物流れ
を第一部分と第二部分に分離する段階;および (f)下部フラッシュ領域液状残留物流れの第一部分を
間接的に加熱し、下部フラッシュ領域残留物流れの加熱
された第一部分を下部フラッシュ領域に戻す段階を含
む、硫黄含有残留物流れから有機物をストリッピングす
る方法が提供される。
【0017】本発明の第二の例の第一の態様において:
上部フラッシュタンクセクション、ストリッピング容器
セクション、下部フラッシュタンクセクション、上部フ
ラッシュタンクセクションおよびストリッピング容器セ
クションを流体連結する上部移行セクション、ならびに
ストリッピング容器セクションおよび下部フラッシュタ
ンクセクションを流体連結する下部移行セクションを有
し;該上部フラッシュタンクセクションがストリッピン
グ容器セクションと異なる直径を有し;該下部フラッシ
ュタンクセクションがストリッピング容器セクションと
異なる直径を有する実質的に円筒形の残留物処理システ
ム;下部フラッシュタンクセクションに操作可能に連結
された間接ヒーター;上部フラッシュタンクセクション
の液体入口;上部フラッシュタンクセクションの蒸気出
口;および下部フラッシュタンクセクションの液体出口
を含む硫黄含有残留物処理装置が提供される。
【0018】本発明の第二の例の第二の態様において:
上部フラッシュタンクセクション、ストリッピング容器
セクション、下部フラッシュタンクセクション、上部フ
ラッシュタンクセクションおよびストリッピング容器セ
クションを流体連結する上部移行セクション、ならびに
ストリッピング容器セクションおよび下部フラッシュタ
ンクセクションを流体連結する下部移行セクションを有
し;該上部フラッシュタンクセクションがストリッピン
グ容器セクションと異なる直径を有し;該下部フラッシ
ュタンクセクションがストリッピング容器セクションと
異なる直径を有する実質的に円筒形の残留物処理システ
ム;上部フラッシュタンクセクションの液体入口;上部
フラッシュタンクセクションの蒸気出口;下部フラッシ
ュタンクセクションの液体出口;下部フラッシュタンク
セクションの帰り口;および下部フラッシュタンクセク
ションの液体出口および下部フラッシュタンクセクショ
ンの帰り口との間に操作可能に連結された間接ヒーター
を含む硫黄含有残留物処装置が提供される。
【0019】本開示を読んだ後に当業者らには理解され
るように、本明細書に記載された本発明の利点の一つ
は、最適量の有機物が硫黄含有残留物流から除去される
ことである。有機物回収は、特に実現される高温で本発
明により向上される。これにより、製造プロセスから全
体的な収率が増大する。工業製造市場がコストに対して
敏感であるために、この収率における増加は、製造業者
らにとって著しい費用の利点をもたらす。
【0020】本発明のもう一つの利点は、生蒸気プロセ
スを介して水が硫黄含有残留物流れに添加されないこと
である。したがって、より多くの水を硫黄含有残留物全
体から回収でき、廃棄または処理しなければならない濃
縮残留物の体積を減少させる。したがって、酸再生ユニ
ットにおいて処理する前に炉で焼却し、加熱しなければ
ならないか、または硫酸アンモニウムユニットにおいて
除去しなければならない水が少なくてよい。したがって
下流装置を小さくすることができ、残留物を処理するた
めに使用しなけばならないエネルギーが少なくてよい。
最終用途プロセッサーにより、著しい資本費用および操
作費用の軽減が実現できる。
【0021】本発明のさらなる利点は、システムが汚染
に対してより耐性であることである。したがって、さら
なる休止時間および浄化費用を回避できる。さらに、本
発明において使用される装置は、腐蝕に対して耐性であ
る。製造業者らは、これにより、漏れ、環境汚染、およ
び装置交換のためのさらなる費用を回避することができ
る。
【0022】本発明の残留物処理システムのさらなる利
点は、これにより残留物流れ中の揮発性の低い有機成分
が、流れからさらに容易に除去される揮発性の高い成分
に変換されることである。全体的収率が増大し、製造業
者らははさらなる費用利点を得る。さらに、本発明は、
残留物処理システムにおいて硫黄含有残留物流れで処理
することにより、廃棄物流れ、たとえば、MMAラグ流
れから有用な有機物を回収する方法を提供する。これは
今まで知られていなかった。
【0023】以下の記載を添付の図面と関連させて参照
することにより本発明およびその利点がさらに完全に理
解できる。図中、対応する番号は、類似した性質を示
し:図1は、本明細書に記載された全体的な処理段階を
図示するプロセス流れ図の一例である。図2は、システ
ムのある要素を示す本発明の改良された硫黄含有残留物
処理システムの一例を示す線図である。図3は、システ
ムの個々の要素が連結されて一体化した装置を構成す
る、本発明の改良された硫黄含有残留物処理システムの
もう一つの例の線図である。
【0024】本明細書に記載された硫黄含有残留物処理
システムおよびその使用法は、有用な有機物の回収のた
め、およびさらなる下流処理の前に濃縮するための硫黄
含有残留物処理を含む。1つのプロセスまたは多くのプ
ロセスにおいて生じる硫黄含有残留物を処理するために
用いることができる。典型的には、工業製造業者らは、
これらの残留物流れを廃棄し、同時に、すべての利用可
能で有用な成分を残留物流れから回収して、全体的収率
を増大させ、廃棄するかまたは下流で処理しなければな
らない残存する残留物を最小限に抑えることができる。
工業製造市場が非常に費用に対して敏感になるにつれ、
製造業者らは、これらのことを最少の操作費用および資
本費用で達成できなければならない。本明細書に記載さ
れた発明は、これらの目的を達成する。
【0025】図1において示すのは、硫黄含有残留物流
れの典型的なプロセス流れ図であり、硫黄含有残留物流
れの可能な起源および下流プロセスを示す。硫黄含有残
留物流れは、これに限定されないが、(メタ)アクリル
酸およびそのエステル、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、シアン化水素、およびカプロラクタム、第三
アルキルアミンの製造、さらに石油精製操作、スチール
製造、および発電所操作をはじめとする多くの供給源1
0から得ることができる。これらの供給源すべてが供給
源10に含まれる。供給源10により生じる任意の硫黄
含有残留物流れは、水、硫酸、重硫酸アンモニウム、硫
酸アンモニウム、メタノール、MMA、MAA、メタン
スルホン酸および他の微量成分、たとえば、硫化水素、
アクリロニトリル、ベンゼン、およびシアン化水素など
の成分を含む場合がある。
【0026】図1において示す処理プロセスの一例にお
いて、硫黄含有残留物流れを処理システム12に供し、
ここで有用な有機成分および水が硫黄含有残留物からス
トリップされる。水に加えて有用な有機成分が13で回
収される。水および有機物のさらなる分離を行うことが
できる。その後、有機物を凝縮し、燃焼させるかまたは
製造プロセスにリサイクルすることができる。回収され
た有機成分を差し引いた残存する残留物を次にさらなる
処理、たとえば、酸再生16および硫酸アンモニウム産
生18または廃棄14に供することができるか、あるい
は残留物処理プロセスにリサイクルすることができる。
【0027】図2は、図1に示す特定の硫黄含有残留物
処理システム12の、さらに上部フラッシュタンクおよ
び下部フラッシュタンクを含む一例を示す。図1および
2に示すように、有機物および水を含む硫黄含有上部フ
ラッシュタンクフィード流れは、供給源10により生じ
る。この上部フラッシュタンクフィード流れを管22を
通って任意の上部フラッシュタンク24に移送すること
ができる。上部フラッシュタンク24中の圧力は、典型
的には硫黄含有上部フラッシュタンクフィード流れの圧
力よりも低い。これらの状況下で、上部フラッシュタン
ク24においてフラッシュが起こり、分離が生じて、オ
ーバーヘッド有機物と水流れが形成される。オーバーヘ
ッド有機物および水流れ中の有用な有機物は、オーバー
ヘッドからコンデンサー26へ運ばれる。コンデンサー
26は、1つのコンデンサーであってもよいし、並列ま
たは直列で運転される2以上のコンデンサーであっても
よい。オーバーヘッド有機物および水流れ中の有機物
は、メタノール、MMA、MAAおよび他の成分を含ん
でもよい。抑制物質をコンデンサー26に添加すること
ができる。上部フラッシュタンク24はさらに残留物流
れにおいて蒸気と液体の分離を助ける内部部品を含んで
もよい。このような内部部品の例としては、トレイ、バ
ッフルおよびパッキングが挙げられる。
【0028】硫黄含有残留物流れは、上部フラッシュタ
ンク24において気化せず、管28を通ってストリッピ
ング容器30中に移送される。ストリッピング容器30
は、カラム、釜、タンク、加圧容器または真空下で操作
される容器であってもよい。典型的には、ストリッピン
グ容器30は大気圧以下の温度で操作され;ストリッピ
ング容器30をできるだけ低い圧力で操作するのが好ま
しい。ストリッピングに利用される具体的な容器の種類
に関係なく、ある特定の例において、ストリッピング容
器30は本明細書に記載するような種類の少なくとも1
つの内部部品を含むことができる。
【0029】ストリッピング容器30において、分離が
起こり、有機物および水を含むストリッピング容器蒸気
流れとストリッピング容器残留物流れを形成する。有機
物および水を含むストリッピング容器蒸気流れは、有機
物を回収するために塔頂部からコンデンサ32に移送さ
れる。
【0030】コンデンサー32も、1つコンデンサーで
あってもよいし、あるいは直列または並列に配置された
2以上のコンデンサーであってもよい。典型的に実質的
な量の回収された有機成分を含まないストリッピング容
器残留物流れは、ストリッピング容器30を出て、管3
6を通って下部フラッシュタンク34に移送されること
ができる。硫酸は高温で触媒的環境を形成するので;こ
の触媒環境内で所望の化学反応が起こり、有用で、より
容易に除去される有機成分を形成する容器であるので、
ストリッピング容器30に続く下部フラッシュタンク3
4は有用である。
【0031】たとえば、MMAプロセスにおいて、スト
リッピング容器残留物流れ中のメタノールおよびMAA
などの成分は、反応してより揮発性で、したがってより
除去しやすい成分であるMMAを形成する。
【0032】残存する残留物の最適濃度を達成できるよ
うに、生蒸気のみよりも、間接的ヒーター、たとえば、
熱交換器が本発明の残留物処理システムの熱源として用
いられる(間接的加熱とは、「冷」物質であったものの
一部または全部と「熱」物質であったものの一部または
全部の混合物を形成して、「冷」物質と「熱」物質とを
混合することなく「冷」物質を加熱することを意味し、
「冷」および「熱」なる用語は、相対的意味において用
いられる。間接的加熱の例としては、シェルおよびチュ
ーブ熱交換器などの熱交換器を通すこと、および照射
(たとえば、マイクロ波エネルギーの照射)が挙げられ
る。)間接的ヒーターは、フラッシュタンク34に対し
て内部(ヒーター39)または外部(ヒーター38)に
あることができる。加熱装置が熱交換器であるならば、
これは熱源および伝熱表面、たとえば、熱交換チューブ
を含む。加熱されたストリッピング容器残留物流れを下
部フラッシュタンク34中で下部フラッシュタンク蒸気
流れと下部フラッシュタンク残留物流れに分離する。
【0033】下部フラッシュタンク流れは、最適に濃縮
され、廃棄または酸再生、硫酸アンモニウム製造および
/または他の回収操作におけるさらなる加工のために管
40で残留物処理システム12(図1)を出る。加え
て、本発明のもう一つの例において、下部フラッシュタ
ンク残留物流れは管40により、さらに濃縮するために
下部フラッシュタンクと比べて減圧下で操作されるもう
一つの容器に移送される。
【0034】図3は、一般に60で示される本発明の残
留物処理システムのもう一つ別の例である。この例にお
いて、残留物処理システムのすべての要素は、連結さ
れ、一体化された装置を形成する。ここで、有機物を含
む硫黄含有残留物流れは、上部フラッシュタンクセクシ
ョン64中への管62を通って残留物処理システム中に
導入される。上部フラッシュタンクセクション64は、
上部移行セクション70を介して、ストリッピング容器
セクション68と流体連結している。上部フラッシュタ
ンクセクション64は、上部フラッシュタンクフィード
流れからの気相および液相の分離を助けるための内部部
品、たとえば、トレイ、バッフル、およびパッキングを
含んでもよい。ある有機物は、上部フラッシュタンクセ
クション64において上部フラッシュタンクフィード流
れから除去され、オーバーヘッドから管80を介してコ
ンデンサー66へ運ばれる。上部移行セクション70
は、上部フラッシュタンクセクション64とストリッピ
ング容器セクション68間のコネクターとして機能す
る。上部移行セクション70も上部フラッシュタンクセ
クション64からの蒸気とストリッピング容器セクショ
ン68からの蒸気を組み合わせ、これは分離に有利であ
る。上部移行セクション70も、液状成分の上部フラッ
シュタンクセクション64からストリッピング容器セク
ション70への流れを促進する。ストリッピング容器セ
クション68において硫黄含有残留物流れ内で別の分離
が起こる。下部移行セクション72は、ストリッピング
容器セクション68および下部フラッシュタンクセクシ
ョン74を流体連結する。下部フラッシュタンクセクシ
ョン74も、残存する残留物流れにおいて起こる反応を
誘発または向上させる滞留時間を提供し、より容易に除
去され、商業的に有用な有機成分を形成する。本発明の
この例においてストリップされたすべての有機成分は管
80を通ってコンデンサー66に抜き取られる。下部フ
ラッシュタンク残留物流れは、管78で残留物処理シス
テム60を出て、図1に関してすでに記載したように、
酸再生、硫酸アンモニウム製造などの他の最終プロセス
に進むか、または廃棄される。もう一つの例において、
下部フラッシュタンク残留物流れは、さらに濃縮するた
めに、下部フラッシュタンクと比較して減圧下で操作さ
れるもう一つの容器(図示せず)に移送してもよい。熱
交換器76は、管71を経由して下部フラッシュタンク
領域液体出口と管75により表される下部フラッシュタ
ンクにおける帰り口間に配置され、本発明のこの例につ
いて熱源として用いられる。別法として、熱交換器77
は下部フラッシュタンクセクション74の内部にあって
もよい。この別の例において上部フラッシュタンクセク
ションおよび下部フラッシュタンクセクションはストリ
ッピング容器セクション68と連結されるので、製造業
者らは、必要とされる配管が少なく、他の周辺装置が必
要とされないので、膨大なコストの節減を得る。
【0035】本発明のすべての要素は、硫黄含有残留物
流れの腐蝕効果に対して耐性でなければならない。これ
らの状況下で、硫黄含有残留物流れと接触するこのよう
な要素は、残留物流れの腐蝕効果に対して耐性であるガ
ラス、エポキシ、樹脂、耐火材、または金属で構成され
るかまたはこれで覆われていてもよい。ジルコニウム、
ハフニウム、チタン、タンタル、モリブデン、ニッケ
ル、クロム、銅、および1またはそれ以上のこれらの金
属の合金が本発明において特に有用である。硫黄含有残
留物流れと接触する装置は、ジルコニウムで構成される
のが好ましい。溶接されたジルコニウムが熱処理された
熱処理ジルコニウム装置が最も好ましい。このような腐
蝕耐性物質は、腐食性環境において100℃から200
℃の処理温度に耐えられなければならない。加えて、あ
る種の望ましい蒸気ラインは、銅で構成されていてもよ
い。
【0036】本発明において、硫黄含有残留物流れは、
公知プロセスにおいて用いられる直接/生蒸気添加以外
の手段により加熱することができる。このようにして残
留物を加熱することにより、最適有機物回収のためにシ
ステムはさらに高い温度を達成できる。これは、プロセ
スの全体的収率を増大させる。さらに、生蒸気が公知残
留物処理システムの熱源として用いられる場合、蒸気は
最終的にシステム内で凝縮し、残留物中の水の全体的な
体積を増大させる。本発明において開示されるような生
蒸気以外の熱源を使用することにより、システム中に水
が追加されず、残留物が最適に濃縮される。この結果、
下流処理操作において費用が節減される。
【0037】本発明のもう一つの例において、硫黄含有
残留物流れは図2において示すように加熱装置、たとえ
ば、外部熱交換器、たとえばシェルまたはチューブ交換
器、スパイラル交換器、あるいはプレートおよびフレー
ム交換器を通すことにより間接的に加熱され、ここにお
いて熱が伝熱媒体、たとえば、熱油または蒸気を使用し
て供給されることができる。外部シェルおよびチューブ
熱交換器が使用されるならば、残留物はチューブ側を通
過し、伝熱流体は交換器のシェル側を通過するのが好ま
しい。
【0038】硫黄含有残留物流れを交換器を通ってポン
プ移送してもよいし、あるいは別法として、熱サイフォ
ン作用により循環させてもよい。また、硫黄含有残留物
流れは熱交換器の伝熱表面と直接接触するので、腐蝕耐
性物質、たとえば、ジルコニウム、チタン、タンタル、
モリブデン、ハフニウム、ガラス、セラミック、エポキ
シ、樹脂などで交換器を構築する必要がある。蒸気が伝
熱媒体として用いられるならば、これは熱交換装置の寿
命を延長するために過熱してはならない。この結果、製
造業者らにとって費用が節減される。
【0039】もう一つの例において、1またはそれ以上
の加熱コイル39を下部フラッシュタンク34の内部上
または内に設置して、内部交換器を形成することができ
る:このような配置において、伝熱媒体、たとえば熱油
または蒸気を1またはそれ以上のコイルを介して流動さ
せることにより熱が供給される。内部交換器が用いられ
るならば、たとえば維持および調査を行うために容易に
取り外しできるので、バヨネット式熱交換器が好まし
い。硫黄含有残留物流れは典型的には交換器の伝熱表面
と直接接触するので、交換器を腐蝕耐性物質、たとえ
ば、ジルコニウム、チタン、タンタル、モリブデン、ハ
フニウム、ガラス、エポキシ、樹脂などで構成するのが
好ましいことが多い。蒸気を伝熱媒体として用いるなら
ば、熱交換装置の寿命を延長するために、過熱してはな
らない。この結果、製造業者らには費用節減となる。
【0040】加熱装置38(図2)および加熱装置76
(図3)も、伝熱媒体でなく燃料の燃焼が熱源である外
部直接燃焼交換器を含むことができる。燃料として利用
できる相当な廃棄物流れが容易に利用可能である状況に
おいて、これらは経済的に有利である。同様に、硫黄含
有残留物を本発明にしたがって加熱するために、伝熱媒
体が焼却炉または硫酸再生炉の排出物などの熱排気ガス
である廃棄物熱交換装置を利用できる。
【0041】さらにもう一つの例において、熱エネルギ
ーは下部フラッシュタンク容器に向けられるマイクロ波
の形態において供給される。このような例は、交換器が
全く使用されず、残留物濃縮システムの資本費用が著し
く減少される点で有利である。この例において、マイク
ロ波発生器は、下部フラッシュタンクの外側に位置し、
マイクロ波エネルギーはウェーブガイドを介して高純度
石英窓(たとえば、サイトガラス)を通って密閉された
フラッシュタンク中に向けられる。エネルギー分散を向
上させるために、フラッシュタンクの内部で任意のアプ
リケーターも使用できる。このようなマイクロ波発生シ
ステムは、Communicatons& Power
Industries of Palo Alto,
Californiaから商業的に入手可能である。水
を力に優先的に加熱するので、2.45ギガヘルツと9
15.0メガヘルツのマイクロ波周波数が特に好まし
い。この例において、下部フラッシュタンク装置は、使
用される特定の周波数のマイクロ波エネルギーにより容
易に加熱されない物質で覆われているのが好ましい。ア
ルミナまたはシリカを含む耐火性セラミックが特に好ま
しい。
【0042】ある好ましい例において、使用されるフラ
ッシュタンクは、環境の腐食性のために、前記のような
腐蝕耐性物質で構成されるか、覆われていなければなら
ない。特に好ましい物質の一例は、前記のような熱処理
されたジルコニウムである。このような物質は、酸性環
境において100℃〜200℃の温度および大気圧より
低い圧力から5気圧までの圧力に耐えられなければなら
ない。
【0043】本発明において使用されるフラッシュタン
クは、流入する硫黄含有残留物流れにおける蒸気相およ
び液相の分離を促進する内部部品を含んでもよい。この
ような内部部品としては、トレイ、パッキング材料、デ
ィストリビューター、追加の供給ノズル等および/また
はその組合せが挙げられる。
【0044】腐蝕環境において用いられるすべてのコン
デンサーも前記のような腐蝕耐性物質で構成されている
のが好ましい。コンデンサー26および32(図2)お
よびコンデンサー66(図3)は、1つの容器であって
もよいし、直列または並列に配列された2以上の容器で
あってもよい。2以上の容器が直列に配列されているな
らば、第一凝縮容器以降の容器は腐蝕耐性物質で構成さ
れる必要はない。流れ中の酸性成分および潜在的に腐食
性の有機成分は、その後の凝縮容器に達する時間までに
大きな腐蝕被害をもたらさないほど十分に希釈されてい
る。したがって、直列に配置された場合の第一濃縮容器
以降の任意の容器は、ステンレス鋼などのあまり珍しく
ない物質から形成することができる。しかしながら、所
望により、すべての凝縮容器を腐蝕耐性物質で構成する
かまたは覆うこともできる。
【0045】加えて、有機物流れ中の成分の重合を防止
するためにコンデンサーにおいて抑制物質を用いること
ができる。重合禁止剤は、(メタ)アクリレートの調製
中および(メタ)アクリレートの移送中のどちらにおい
ても重合を防止するために特に有用である。
【0046】重合禁止剤としては、水溶性またはアルコ
ール可溶性重合禁止剤が挙げられる。適当な例として
は、これに限定されないが、ハイドロキノン;4−メト
キシフェノール;4−エトキシフェノール;4−プロポ
キシフェノール;4−ブトキシフェノール;4−ヘプト
キシフェノール;ハイドロキノンモノベンジルエーテ
ル;1,2−ジヒドロキシベンゼン;2−メトキシフェ
ノール;2,5−ジクロロハイドロキノン;2,5−ジ
−tert−ブチルハイドロキノン;2−アセチルハイ
ドロキノン;ハイドロキノンモノベンゾエート;1,4
−ジメルカプトベンゼン;1,2−ジメルカプトベンゼ
ン;2,3,5−トリメチルハイドロキノン;4−アミ
ノフェノール;2−アミノフェノール;2−N,N−ジ
メチルアミノフェノール;2−メルカプトフェノール;
4−メルカプトフェノール;カテコール;モノブチルエ
ーテル;4−エチルアミノフェノール;2,3−ジヒド
ロキシアセトフェノン;ピロガロール;1,2−ジメチ
ルエーテル;2−メチルチオフェノール;t−ブチルカ
テコール;ジ−tert−ブチルニトロキシド;ジ−t
ert−アミルニトロキシド;2,2,6,6−テトラ
メチル−ピペリジニルオキシ;4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−
オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニル
オキシ;4−ジメチルアミノ2,2,6,6−テトラメ
チル−ピペリジニルオキシ;4−アミノ−2,2,6,
6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−エタノー
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニ
ルオキシ;2,2,5,5−テトラメチルピロリジニル
オキシ;3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチル−
ピロリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−
1−オキサ−3−アザシクロペンチル−3−オキシ;
2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリニル−1−
オキシ−3−カルボン酸;2,2,3,3,5,5,
6,6−オクタメチル−1,4−ジアザシクロヘキシル
−1,4−ジオキシ;4−ニトロソフェノレートの塩;
2−ニトロソフェノール、4−ニトロソフェノール、銅
化合物、たとえば、ジメチルジチオカルバミン酸銅;ジ
エチルジチオカルバミン酸銅;ジブチルジチオカルバミ
ン酸銅;サリチル酸銅;メチレンブルー;鉄;フェノチ
アジン;3−オキソフェノチアジン、5−オキソフェノ
チアジン、フェノチアジン二量体、1,4−ベンゼンジ
アミン、N−(1,4−ジメチルペンチル)−N’−フ
ェニル;1,4−ベンゼンジアミン、N−(1,3−ジ
メチルブチル)−N’−フェニル;その異性体;その2
またはそれ以上の混合物;または1またはそれ以上の前
記化合物と酸素分子の混合物が挙げられる。
【0047】重合禁止剤は、典型的には重量基準で10
0ppmから4000ppmの範囲の量で用いられる。
禁止剤は、そのまま添加してもよいし、あるいは適当な
希釈剤と組み合わせることもできる。コンデンサーにお
いて禁止剤を使用すると、一般にコンデンサーの信頼性
が向上される。
【0048】本発明の硫黄含有残留物処理システムにお
いて下部フラッシュタンク装置を使用することから得ら
れる利点の一つは、固有の触媒ストリッピング容器残留
物流れ内で有機物の回収を向上させる所望の化学反応が
起こることである。たとえば、MMAの製造において、
ストリッピング容器残留物流れ中のメタノールおよびM
AAが反応して、下部フラッシュタンクにおいてMMA
を形成することができる。MMAはさらに軽い有機成分
であり、残留物からさらに容易に除去される。特にこの
例において反応した化合物、ここではMMAを有用な必
需品として消費者に直接販売できるので、これによりプ
ロセスの全体的収率が増大する。この反応および他の同
様の反応を下部フラッシュタンク34(図2)におい
て、または下部フラッシュタンクセクション74(図
3)において起こさせることは全体的収率の点で製造業
者らに有利である。加えて、入口を下部フラッシュタン
クに増設して、アルカノール、たとえばメタノール、エ
タノールまたはブタノールなどの反応物質を濃縮残留物
に添加して、前記のものと類似した濃縮残留物流れ中の
成分間で所望の反応を起こさせることができる。このよ
うな入口を、42(図2)および84(図3)で示す。
このような下部フラッシュタンク34または下部フラッ
シュタンクセクション74への入口の実際の配置は、本
発明にとっては重要ではない。これを使用する例は、エ
タノールをアクリル酸と反応させてより揮発性の高いエ
チルアクリレートを製造するためにストリッピング容器
残留物流れに添加する場合である。MMA製造の場合に
おいて、もう一つの例、メタノールをそれぞれ管42ま
たは84を介して下部フラッシュタンク34または下部
フラッシュタンクセクション74中に供給して、濃縮さ
れた残留物流れにおいてMAAをエステル化して、MM
Aを形成することができる。このような反応は、硫黄含
有濃縮残留物の固有の触媒環境により向上される。
【0049】本発明のもう一つの例において、アンモニ
アを含む廃棄物流れを硫黄含有残留物流れにより洗浄さ
れるストリッピング容器に供給する目的でもう一つのフ
ィードノズルをストリッピング容器に加えることができ
る。
【0050】本発明のさらなる例において、上部フラッ
シュタンクセクションは、流体が容器の周囲をスピン
し、これにより流入する上部フラッシュタンクフィード
流れにおける液相からの蒸気相の分離を向上させるよう
な方向に向けることができる。これらは本明細書におい
てタンジェンシャルエントリーノズルと呼ばれる。図3
において示すような例においてタンジェンシャルエント
リーノズルを上部ラッシュタンクセクションにおいて用
いるならば、液体がストリッピング容器セクション68
に到達する前に液体のスピニングを停止させるために、
上部移行セクション70においてバッフルを用いるのが
好ましい。
【0051】内部パッキングメカニズムまたはトレイを
ストリッピング容器30(図2)およびストリッピング
容器セクション68(図3)において用いることができ
るが、本発明において、有機物の回収を向上させるため
にはこのようなパッキングまたはトレイは必要でないこ
とが判明している。しかしながら、このようなトレイま
たはパッキングの使用は本発明に含まれる。水は公知蒸
気ベースのシステムにおいてと同様に典型的には硫黄含
有残留物流れに添加されないので、ストリッピング容器
内部のトレイおよび他のパッキングの必要性は軽減され
る。
【0052】蒸気ベースのシステムにおいて、トレイお
よび他のパッキングは、ストリッピングプロセスを進行
させる蒸気−液体の接触を向上させる。本発明の加熱装
置処理システムにおいて、ストリッピングプロセスは液
体接触のために蒸気に依存せず、したがってトレイおよ
び内部パッキングはストリッピング容器においては必要
ない。
【0053】ある例において、ストリッピング容器内部
で少なくとも1つの内部部品を使用するのが好ましい。
本発明の熱交換器ベースの処理システムにおける回収の
向上は、最少数のこのような内部部品を用いるかまたは
このような内部部品を用いないで達成できる。ストリッ
ピング容器セクション30(図2)またはストリッピン
グ容器セクション68(図3)内にトレイまたはパッキ
ングを使用しないことにより、製造業者らは実質的な資
本費用の節減を実現する。これは、このようなトレイお
よびパッキングの腐蝕耐性要件およに関連する物質の費
用が与えられた場合に特に当てはまる。
【0054】制限ではなく例示のために、本発明の記
載、特にMMAプロセスにおいて使用される場合の図2
により示される例を提供する。MMAの産生の最も一般
的なフィードストックは、アセトンシアノヒドリン
(「ACH」)である。ACHからMMAを製造する第
一段階は、ACHを過剰の硫酸で加水分解して、アルフ
ァ−スルファトイソブチルアミド(「SIBAM」)、
アルファ−ヒドロキシイソブチルアミド(「HIBA
M」)、メタクリルアミド(「MAM」)、およびMA
Aを形成することを含む。加水分解後、加水分解ミック
スをクラッキングして、MAMと少量のMAA、HIB
AMおよびSIBAMを形成する。クラッキングされた
ミックスを次にメタノールでエステル化して、有用な生
成物MMAが形成されるが、水、硫酸、重硫酸アンモニ
ウム、メタノール、MMA、MAA、メタンスルホン酸
および他の微量成分を含む硫黄含有残留物流れも生じ
る。有用な有機物をこの残留物流れから回収し、残留物
を濃縮して、下流処理または廃棄操作において取り扱う
残留物を少なくするのが望ましい。この目的を達成する
ために、硫黄含有上部フラッシュタンクフィード流れ
を、たとえば管22を通して上部フラッシュタンク24
中に供給し、ここで水ならびにMMA、MAA、および
メタノールをはじめとする有機成分の一部を流れから除
去し、管21を通ってオーバーヘッドをコンデンサー2
6に運ぶ。主に硫酸アンモニウム、重硫酸アンモニウ
ム、硫酸、水、アセトン、ジスルホン酸、メタノール、
MMAおよびMAAである残留物の残りはフラッシュタ
ンク24を出て、管28を通ってストリッピング容器3
0中に移送される。ストリッピング容器30において、
分離が起こり、メタノール、MMAおよびMAAなどの
有用な有機成分が水と共にオーバーヘッドを管23を通
ってコンデンサー32へ運ばれる。コンデンサー32お
よびコンデンサー26から、回収された有機物および水
を、それぞれ管27および管25を介してプロセスにリ
サイクルし、処理するかまたは保存することができる。
ストリッピング容器30から、主に硫酸アンモニウム、
重硫酸アンモニウム、硫酸、水、アセトン、ジスルホン
酸、メタノール、MMAおよびMAAであるストリッピ
ング容器残留物流れを管36により下部フラッシュタン
ク34に供給する。ストリッピング容器残留物流れが下
部フラッシュタンク34中にある時に、メタノールを管
42を介して残留物に添加して、ストリッピング容器残
留物流れの成分間に化学反応を起こさせ、さらに軽い有
機成分、特にMAAおよびメタノールからMMAを製造
する。これらの有機成分は、管35、ストリッピング容
器30および管23を経由してコンデンサー32で回収
される。下部フラッシュタンク残留物流れは下部フラッ
シュタンク34を出て、管31および33を通って熱交
換器38に供給され、その後、熱交換器を出た後に管2
9を通って下部フラッシュタンク34中に再供給され
る。一旦、最適量の有機物が回収されると、主に硫酸ア
ンモニウム、重硫酸アンモニウム、硫酸、水、およびア
セトンジスルホン酸である下部フラッシュタンク残留物
流れは、さらに処理または廃棄されるために管40で残
留物処理システムを出る。
【0055】本発明のもう一つの重要で有利な態様は、
本発明は、廃棄物流れ、たとえば、MMAプロセスにお
けるラグ流れ中の有機成分を処理システムに戻すことに
よる回収法を提供することである。MMA製造プロセス
において、たとえば、ラグ流れは典型的にはポリメチル
メタクリレート、MMA、メタノール、MAAおよび他
の有用な有機物を含む。廃棄物流れのもう一つの例は、
MMAなどの生成物および水を含むレイルカー洗浄流れ
(railcar wash stream)である。
これらの有機物が回収されるならば、全体的な回収率も
向上される。公知システムにおいて、廃棄物流れは、処
理するのが困難で、汚染されやすい傾向があるので、有
用な有機物の供給源としては無視されてきた。実際、こ
れらは通常、離れたところまたは現場で焼却または廃棄
され、その結果必然的に全体的収率が損失された。しか
しながら、本発明はMMAラグ流れなどの廃棄物流れは
ほとんど汚染の問題なく処理のためにシステムに自由に
戻すことができることを見いだした。したがって、これ
らの廃棄物流れ中の有用な有機物を回収でき、全体的な
収率が向上される。図2に示す例において、廃棄物流れ
が処理システム中に再導入される場所としては:熱交換
器38への入口または管45;熱交換器38の出口また
は管46;下部フラッシュタンクにおける44;または
ストリッピング容器30または管47が挙げられる。図
3に示されるもう一つ別の例において、廃棄物流れは、
熱交換器76への入口または管88で、熱交換器76の
出口または管90、あるいは86において下部フラッシ
ュタンク74に再挿入できる。もう一つの例において、
廃棄物流れを下部フラッシュタンクまたは熱交換器の出
口中に挿入するのが好ましい。
【0056】本発明の硫黄含有残留物流れ処理システム
は、1つのプロセスにより生じた硫黄含有残留物を処理
するために一つの製造プロセスにおいて用いることがで
きるが、他のプロセスにより生じる他の硫黄含有残留物
流れをこの硫黄含有残留物処理システムに送ることも本
発明に含まれる。流れの成分が相溶性であればこれらの
他のプロセスからのフィードは混合することができ、ま
た残留物流れ中の成分が相溶性でない場合には分離され
ることができる。ブレンドする場合には、流れを入口ま
たは出口でブレンドすることができる。任意の残留物流
れの残留物処理システムへのポンピングを促進するため
に、希釈剤および/または分散剤を添加することができ
る。適当な希釈剤としては、酢酸、油、硫酸、酸残留物
(濃縮前または後)、メタノール、アセトンおよび他の
回収可能な有機液体が挙げられる。適当な分散剤として
は、有機ポリマー、アンモニウム塩、水、およびエチレ
ングリコールがあげられる。
【0057】本発明のもう一つの態様は、濃縮された残
留物をストリッピング容器または下部フラッシュタンク
を出た後に所望によりさらに濃縮するために用いること
ができる真空のもう一つの容器を用いることである。真
空は、残留物流れ中の水をさらに除去するのを容易にす
る。さらに、残留物流れからさらに水を除去するため
に、真空と合わせて追加の熱源を用いることができる。
前記のように処理または廃棄するために濃縮された残留
物の体積が小さいので、これは、濃縮された残留物が酸
再生プロセス、廃棄プロセスまたは硫酸アンモニウムプ
ロセスに送られる場合に望ましい。さらに、上部フラッ
シュタンクは所望により真空を組み入れることができる
が;このような真空の有用性の結果として得られるフラ
ッシュタンクの装置サイズの増大の間には兼ね合いがあ
る。これらのフラッシュタンクにおいて真空を使用する
ことは、硫黄含有残留物流れのある成分が高温に耐えら
れない場合に望ましい。
【0058】本発明を詳細に記載したが、請求の範囲に
定義された本発明の精神および範囲を逸脱することなく
さまざまな変更、置換および変更が可能であることは理
解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本明細書に記載された全体的な処理段階を図
示するプロセス流れ図の一例である。
【図2】 システムのある要素を示す本発明の改良され
た硫黄含有残留物処理システムの一例を示す線図であ
る。
【図3】 システムの個々の要素が連結されて一体化し
た装置を構成する、本発明の改良された硫黄含有残留物
処理システムのもう一つの例の線図である。
【符号の説明】
10:供給源 12:処理システム 13:回収された有機物 14:廃棄 16:酸再生 18:硫酸アンモニウム産生 21:管 22:管 23:管 24:フラッシュタンク 25:管 26:コンデンサー 27:管 28:管 29:管 30:ストリッピング容器 31:管 32:コンデンサー 33:管 34:下部フラッシュタンク 35:管 36:管 38:熱交換器 39:加熱コイル 40:管 42:管 44:管 45:管 46:管 47:管 60:残留物処理システム 62:管 64:上部フラッシュタンクセクション 66:コンデンサー 68:ストリッピング容器セクション 部移行セクション 71:管 72:下部移行セクション 74:下部フラッシュタンク 75:管 76:熱交換器 77:熱交換器 78:管 80:管 84:管 86:管 88:管 90:管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カーティス・イングスタッド・カールソ ン,ジュニア アメリカ合衆国テキサス州77025,ヒュー ストン,ダーネス・ウェイ・4062 (72)発明者 マイケル・スタンレー・デコーシー アメリカ合衆国テキサス州77059,ヒュー ストン,ヘザーベンド・コート・16414 (72)発明者 ジェイミー・ジェリック・ジョン・ジュリ エット アメリカ合衆国テキサス州77062,ヒュー ストン,ローリング・ラン・コート・835 (72)発明者 トーマス・アルバート・カミンスキー アメリカ合衆国テキサス州77090,ヒュー ストン,グランド・バレー・ドライブ・ 1915 (72)発明者 ニコール・レンドン・コージェル アメリカ合衆国テキサス州77059,ヒュー ストン,ロング・バウ・コート・3206 (72)発明者 ネルソン・アイヴァン・クイロス アメリカ合衆国テキサス州77059,ヒュー ストン,プラシド・ストリーム・コート・ 4103 (72)発明者 ポール・ベンジャミン・シュラデンホーフ ェン アメリカ合衆国テキサス州77059,ヒュー ストン,プラリー・ノール・コート・3031 (72)発明者 ピーター・ジョン・シュマイドラー アメリカ合衆国ニュージャージー州08075, デルラン,ヨーク・ロード・151 (72)発明者 ロバート・アール・メイヴァン アメリカ合衆国ペンシルバニア州18940, ニュータウン,ボーモント・ドライブ・ 104 (72)発明者 ウィリアム・ハリー・エングル,ジュニア アメリカ合衆国ペンシルバニア州19047, ラングホーン,ダオス・コート・634 (72)発明者 アーサー・マイシュ アメリカ合衆国ニュージャージー州08550, プリンストン・ジャンクション,スレイバ ック・ドライブ・26 Fターム(参考) 4D076 AA06 AA22 AA24 BB19 BB21 DA02 DA14 DA24 DA25 FA12 FA31 FA34 JA03 4H006 AA02 AA04 AD13 AD18 AD41 BB14

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)液状有機物含有硫黄含有残留物流れ
    をストリッピング領域に移送する段階;および b)ストリッピング領域において、該液状有機物含有硫
    黄含有残留物流れを間接的に加熱して、有機物を含む蒸
    気流れおよび液状残留物流れを形成する段階を含む、硫
    黄含有残留物流れから有機物をストリッピングする方
    法。
  2. 【請求項2】 さらに蒸気流れを凝縮することを含む請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 液状有機物含有硫黄含有残留物流れが連
    続してストリッピング領域に供給される請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 廃棄物流れをストリッピング領域に添加
    することを含む請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 硫黄含有上部フラッシュ領域フィード流
    れを上部フラッシュ領域に移送し;硫黄含有上部フラッ
    シュ領域フィード流れをフラッシュ気化させて、オーバ
    ーヘッド有機物および水流れ、ならびに液状有機物含有
    硫黄含有残留物流れを形成することにより、液状有機物
    含有硫黄含有残留物流れを得る請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 オーバーヘッド有機物および水流れを凝
    縮することを含む請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 間接的加熱を大気圧以下の圧力で行う請
    求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ストリッピング領域の少なくとも一部で
    マイクロ波エネルギーを照射することにより間接的加熱
    を行う請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 反応物質をストリッピング領域に添加す
    ることを含む請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 a)液状有機物含有硫黄含有残留物流
    れをストリッピング領域に移送する段階、 b)液状有機物含有硫黄含有残留物流れを、該ストリッ
    ピング領域において、有機物を含む蒸気流れと液状残留
    物流れに分離する段階、 c)液状残留物流れを下部フラッシュ領域に移送する段
    階、 d)下部フラッシュ領域の内容物を間接的に加熱して、
    下部フラッシュ領域の内容物をフラッシュ気化させて、
    下部フラッシュ領域蒸気流れと下部フラッシュ領域液状
    残留物流れにする段階を含む、硫黄含有残留物流れから
    有機物をストリッピングする方法。
  11. 【請求項11】 硫黄含有上部フラッシュ領域フィード
    流れを上部フラッシュ領域に移送し;硫黄含有上部フラ
    ッシュ領域フィード流れをフラッシュ気化させて、オー
    バーヘッド蒸気有機物および水流れ、ならびに液状有機
    物含有硫黄含有残留物流れを形成することにより液状有
    機物含有硫黄含有残留物流れが提供される請求項10記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 下部フラッシュ領域残留物流れをさら
    に下部フラッシュ領域と比べて減圧する請求項10記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 さらに下部フラッシュタンク蒸気流れ
    をストリッピング領域に移送することを含む請求項10
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 さらにストリッピング領域蒸気流れを
    凝縮することを含む請求項10記載の方法。
  15. 【請求項15】 さらに、廃棄物流れを下部フラッシュ
    領域またはストリッピング領域に添加することを含む請
    求項10記載の方法。
  16. 【請求項16】 アルカノールを下部フラッシュ領域に
    添加することを含む請求項10記載の方法。
  17. 【請求項17】 (a)液状有機物含有硫黄含有残留物
    流れをストリッピング領域に移送する段階; (b)ストリッピング領域において、液状有機物含有硫
    黄含有残留物流れを、有機物含有蒸気流れと液状残留物
    流れに分離する段階; (c)液状残留物流れを下部フラッシュ領域に移送する
    段階; (d)下部フラッシュ領域において、液状残留物流れを
    フラッシュ気化して、下部フラッシュ領域蒸気流れと下
    部フラッシュ領域液状残留物流れにする段階; (e)下部フラッシュ領域液状残留物流れを下部フラッ
    シュ領域から抜き取り、下部フラッシュ領域残留物流れ
    を第一部分と第二部分に分離する段階;および (f)下部フラッシュ領域液状残留物流れの第一部分を
    間接的に加熱し、下部フラッシュ領域残留物流れの加熱
    された第一部分を下部フラッシュ領域に戻す段階を含
    む、硫黄含有残留物流れから有機物をストリッピングす
    る方法。
  18. 【請求項18】 硫黄含有上部フラッシュ領域フィード
    流れを上部フラッシュ領域に移送し;硫黄含有上部フラ
    ッシュ領域フィード流れをフラッシュ気化させて、オー
    バーヘッド有機物および水流れ、ならびに液状有機物含
    有硫黄含有残留物流れを形成することにより、液状有機
    物含有硫黄含有残留物流れが提供される請求項17記載
    の方法。
  19. 【請求項19】 さらに下部フラッシュ領域液状残留物
    流れの第二の部分を下部フラッシュ領域と比べて減圧に
    供することを含む請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】 さらに下部フラッシュ領域蒸気流れを
    ストリッピング領域に移送することを含む請求項17記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 さらにストリッピング領域蒸気流れを
    凝縮することを含む請求項17記載の方法。
  22. 【請求項22】 さらに、廃棄物流れを下部フラッシュ
    領域またはストリッピング領域に添加することを含む請
    求項17記載の方法。
  23. 【請求項23】 アルカノールを下部フラッシュ領域に
    添加することを含む請求項17記載の方法。
  24. 【請求項24】 上部フラッシュタンクセクション、ス
    トリッピング容器セクション、下部フラッシュタンクセ
    クション、上部フラッシュタンクセクションおよびスト
    リッピング容器セクションを流体連結する上部移行セク
    ション、ならびにストリッピング容器セクションおよび
    下部フラッシュタンクセクションを流体連結する下部移
    行セクションを有し;該上部フラッシュタンクセクショ
    ンがストリッピング容器セクションと異なる直径を有
    し;該下部フラッシュタンクセクションがストリッピン
    グ容器セクションと異なる直径を有する実質的に円筒形
    の残留物処理システム;下部フラッシュタンクセクショ
    ンに操作可能に連結された間接ヒーター;上部フラッシ
    ュタンクセクションの液体入口;上部フラッシュタンク
    セクションの蒸気出口;および下部フラッシュタンクセ
    クションの液体出口を含む硫黄含有残留物処理装置。
  25. 【請求項25】 上部フラッシュタンクセクションが、
    ストリッピング容器セクションより大きな直径を有し、
    下部フラッシュタンクセクションがストリッピング容器
    セクションよりも大きな直径を有する請求項24記載の
    装置。
  26. 【請求項26】 上部移行セクションが、上部フラッシ
    ュセクションに隣接した上部フラッシュタンクセクショ
    ンの直径からストリッピング容器セクションに隣接する
    ストリッピング容器セクションの直径まで減少する直径
    を有し;下部移行セクションはストリッピング容器セク
    ションに隣接するストリッピング容器セクションの直径
    から下部フラッシュタンクセクションに隣接する下部フ
    ラッシュタンクセクションの直径まで増大する直径を有
    する請求項25記載の装置。
  27. 【請求項27】 さらに、コンデンサーを含み、該コン
    デンサーが上部フラッシュタンクセクションの蒸気出口
    と連結されている請求項24記載の装置。
  28. 【請求項28】 下部フラッシュタンクセクションにお
    いて反応物質添加口をさらに含む請求項24記載の装
    置。
  29. 【請求項29】 さらに、下部フラッシュタンクセクシ
    ョンにおいて廃棄物流れ入口を含む請求項24記載の装
    置。
  30. 【請求項30】 1またはそれ以上の上部フラッシュタ
    ンクセクション、ストリッピング容器セクション、また
    は下部フラッシュタンクセクションがジルコニウムで構
    成される請求項24記載の装置。
  31. 【請求項31】 上部フラッシュタンクセクション、ス
    トリッピング容器セクション、下部フラッシュタンクセ
    クション、上部フラッシュタンクセクションおよびスト
    リッピング容器セクションを流体連結する上部移行セク
    ション、ならびにストリッピング容器セクションおよび
    下部フラッシュタンクセクションを流体連結する下部移
    行セクションを有し;該上部フラッシュタンクセクショ
    ンがストリッピング容器セクションと異なる直径を有
    し;該下部フラッシュタンクセクションがストリッピン
    グ容器セクションと異なる直径を有する実質的に円筒形
    の残留物処理システム;上部フラッシュタンクセクショ
    ンの液体入口;上部フラッシュタンクセクションの蒸気
    出口;下部フラッシュタンクセクションの液体出口;下
    部フラッシュタンクセクションの帰り口;および下部フ
    ラッシュタンクセクションの液体出口および下部フラッ
    シュタンクセクションの帰り口との間に操作可能に連結
    された間接ヒーターを含む硫黄含有残留物処理装置。
  32. 【請求項32】 上部フラッシュタンクセクションがス
    トリッピング容器セクションよりも大きな直径を有し、
    下部フラッシュタンクセクションがストリッピング容器
    セクションよりも大きな直径を有する請求項31記載の
    装置。
  33. 【請求項33】 上部移行セクションが、上部フラッシ
    ュタンクセクションに隣接する上部フラッシュタンクセ
    クションの直径からストリッピング容器セクションに隣
    接するストリッピング容器セクションの直径まで減少す
    る直径を有し;下部移行セクションは、ストリッピング
    容器セクションに隣接するストリッピングセクションの
    直径から下部フラッシュタンクセクションに隣接する下
    部フラッシュタンクセクションの直径まで増大する直径
    を有する請求項32記載の装置。
  34. 【請求項34】 さらに、コンデンサーを含み、該コン
    デンサーが上部フラッシュタンクセクションにおける蒸
    気出口と連結されている請求項31記載の装置。
  35. 【請求項35】 下部フラッシュタンクセクションにお
    いて反応物質添加口をさらに含む請求項31記載の装
    置。
  36. 【請求項36】 さらに、廃棄物流れ入口を含み、該廃
    棄物流れ入口が、下部フラッシュタンクセクションにお
    ける液体出口と間接ヒーターの間、間接ヒーターと下部
    フラッシュタンクセクションにおける帰り口の間、また
    は下部フラッシュタンクセクションに位置する請求項3
    1記載の装置。
  37. 【請求項37】 1またはそれ以上の上部フラッシュタ
    ンクセクション、ストリッピング容器セクション、また
    は下部フラッシュタンクがジルコニウムで構成される請
    求項31記載の装置。
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