JP2003086164A - 電気化学デバイス用セパレータおよび電気化学デバイス - Google Patents
電気化学デバイス用セパレータおよび電気化学デバイスInfo
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Abstract
断する機構を有し、なおかつバインダーにPVDFなど
の電解液との親和性の高いバインダーを使用することが
可能なため、サイクル特性や負荷特性に優れた電気化学
デバイス用セパレータ、電気化学デバイスを提供する。 【解決手段】 70℃〜150℃における電解液とのゲ
ル分率が50〜100%の範囲であり、かつムーニー粘
度が30〜120であるバインダと、融点が70〜15
0℃の範囲である樹脂粒子とを含有する電気化学デバイ
ス用セパレータおよびこれを用いた電気化学デバイスと
した。
Description
用のセパレータに関するものであり、特に熱によって電
流を遮断する機能を有することで安全性が高く、なおか
つサイクル特性や負荷特性に優れた電気化学デバイスに
関する。
型でなおかつ長時間の連続駆動が可能な電源デバイスが
求められている。近年、最も普及しているのはリチウム
イオンを使用する非水二次電池(以降、リチウムイオン
電池と称す)であるが、電池容量の増加に伴い、異常時
における電池の安全性の向上が求められている。
発熱すると熱暴走を起こして、最悪の場合発火、爆発を
起こすことが広く知られている。
レフイン系樹脂を延伸して多孔化したセパレータを使用
している。このセパレータは熱によって軟化すると、延
伸された方向に縮んで孔を塞ぐ特徴がある。このため、
発熱した電池はイオンの導通が妨げられ、電池として機
能しなくなり、加熱、発火といった異常状態を回避でき
る。
系樹脂は、非水電解液との親和性が劣っており、例えば
特開平11−339852号公報に記載されているよう
な、表面を濡れ性を改善する処理をしたり、長時間かけ
て電解液となじませる等の処理が必要がある。しかし、
このような処理を行うと、工程数が増加し、長時間をか
けてなじませるとすると、製造期間が長くなってしま
う。また、これらのセパレータは、前述のように電流を
遮断するときに縮むため、正負極が直接触れて短絡する
おそれがある。さらに、特開2001−6738号公報
に記載されているように、ポリマー電解質にポリマー粒
子を混ぜる検討が行われているが、電解質をポリマーに
すると内部抵抗が上昇するため、低温特性や、負荷特性
が劣るという問題があった。
点の樹脂粒子を含有するセパレータを使用することによ
って、発熱時に縮むことなく空孔を塞いで電流を遮断す
る機構を有し、なおかつバインダーにPVDFやフッ素
ゴムなどの電解液との親和性の高いバインダーを使用す
ることが可能なため、サイクル特性や負荷特性に優れた
電気化学デバイス用セパレータ、電気化学デバイスを提
供することである。
下の本発明の構成により達成される。 (1) 70℃〜150℃における電解液とのゲル分率
が50〜100%の範囲であり、かつムーニー粘度(M
L1+10 100℃)が30〜120であるバインダと、
融点が70〜150℃の範囲である樹脂粒子とを含有す
る電気化学デバイス用セパレータ。 (2) 前記樹脂粒子の含有量が40〜95質量%であ
る上記(1)の電気化学デバイス用セパレータ。 (3) 前記樹脂粒子は、平均粒径をr[μm ]、比重
をA[g/cm3 ]、比表面積をS[m2 /g ]としたと
き、 0.1≦r≦15 かつ 6/(r・A)≦S≦18/(r・A) を満たすものである上記(1)または(2)の電気化学
デバイス用セパレータ。 (4) 直径が0.1〜15μm 、長さが0.01〜1
0mmの繊維を含有する上記(1)〜(3)のいずれかの
電気化学デバイス用セパレータ。 (5) 膜厚が10〜50μm である上記(1)〜
(4)のいずれかの電気化学デバイス用セパレータ。 (6) 上記(1)〜(6)のいずれかの電気化学デバ
イス用セパレータを有する電気化学デバイス。 (7) リチウム二次電池である上記(6)の電気化学
デバイス。
する。本発明のセパレータは、例えば図1に示すよう
に、正極活物質含有層2bを有する正極集電体2aとか
らなる正極と、負極活物質含有層4bを有する負極集電
体4aからなる正極との間にセパレータ3が挟まれる状
態で積層、あるいは捲回されて、外装体に収容されてい
る電気化学デバイスに用いられる。なお、図1は積層体
の一部、つまり電極セパレータの積層構造を示したもの
である。このときの外装体の材質はアルミニウムやステ
ンレスといった金属や金属箔を樹脂フィルムで挟んだラ
ミネートフィルムなどが使用できる。
における電解液とのゲル分率が50〜100%の範囲で
あり、かつムーニー粘度が30〜120であるバインダ
と、融点が70℃〜150℃である樹脂粒子とを含有す
るものである。
セパレータを構成することにより、例えば図2に示すよ
うに、樹脂粒子12同士がバインダ11を介して結合さ
れ、実質的に多孔体の膜として機能する。なお、図2
は、セパレータの一部を拡大した状態を模式的に示した
図である。
度ではイオン導電性を有する多孔膜として機能し、デバ
イス内の温度が異常温度にまで上昇したときには前記樹
脂粒子が融解して孔を塞ぎ(膜状になり)、イオン導電
を遮断し、発熱、発火といった熱暴走を抑止することが
できる。
℃、特に80〜110℃の範囲で、なおかつ電解液に容
易に溶解しないものであれば特に制限はなく、ポリエチ
レンやポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂やアク
リル系樹脂等が使用できる。樹脂粒子の融点を上記範囲
とすることにより、デバイス発熱時に樹脂粒子が融解し
て多孔体の孔を塞ぎ、所謂シャットダウン機能を発現す
る。
における使用する電解液中でのゲル分率が50〜100
%、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90
〜100%とする。ゲル分率が低いと樹脂粒子が融けた
ときにバインダと分離することがあり、この場合もシャ
ツトダウン特性が悪くなり、安全性が十分に確保できな
い場合がある。
10 100℃)は30〜120、特に50〜70である
ことが好ましい。このムーニー粘度が小さすぎると機械
的強度が劣り、セパレータとしての形態を保持でき無く
なってくる。一方、ムーニー粘度が大きすぎるとセパレ
ータが脆くなり、形状が損なわれることがある。ムーニ
ー粘度は、例えば株式会社島津製作所製等のムーニー粘
度計(SMV−200)を使用して、100℃で1分予
熱したのち、10分間測定してゴムのムーニー粘度(M
L1+10、100℃)を得ることができる。
ゲル化することなく、膜が所定の強度を保てるだけの粘
度を有するものであれば特に限定されるものではない
が、例えばフッ素ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニト
リルゴム、ネオプレンゴム等を挙げることができる。フ
ッ素ゴムとしては、具体的には、バイトン(VITON):
デュポン社製、Fluorel:3M 製、ダイエル:ダイキ
ン工業製等を挙げることができる。特に、デュポン社
製:バイトン(VITON)GFが好ましい。バイトン(VIT
ON)GFは、ペルオキサイド硬化型、過フッ化炭化水素
エラストマーであり、比重約1.91,ムーニー粘度
(123℃)約63であり、油や有機溶剤に耐性を有す
る。
近いような、表面が平滑なものが好ましい。粒子の形状
が球状でなく、破砕粉のような複雑な形状をしていた
り、表面が荒れていると、バインダーと良好に混合でき
なくなり、セパレータとしての機能に支障がでたり、シ
ャットダウン機能がうまく発現しない。
[μm ]、比重をA[g/cm3 ]、比表面積をS[m2/g
]としたとき、0.1≦r≦15、好ましくは1≦r
≦10、さらに好ましくは4≦r≦6であり、かつ 6/(r・A)≦S≦18/(r・A) を満たすものが好ましい。
の通気度が高いため、サイクル特性や負荷特性が良好な
電気化学デバイスが得られる。ここで、樹脂粒子の比表
面積を規定しているのは、比表面積が大きいと球形状か
ら外れ、粒子に付着するバインダーの量が増えるため、
発熱時に樹脂粒子同士が融着しにくくなり、シャットダ
ウン特性が悪くなるからである。
溶かしたバインダ溶液に樹脂粒子を分散し、ポリエステ
ルなどのベースフィルム上に塗布する。塗布する手段は
特に限定されず、一般に、メタルマスク印刷法、静電塗
布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコ
ート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スク
リーン印刷法などが使用できる。
は、40〜95質量%、特に70〜85質量%である。
樹脂粒子が多すぎると膜が脆くなり、少なすぎると空孔
率が減少しイオン伝導性に悪影響が生じると共に、シャ
ットダウン機能も低下してくる。
0.01〜10mmの範囲である繊維を全体の1〜60体
積%、好ましくは5〜30体積%混ぜることにより、セ
パレータの強度を上げることが可能である。
けるものでなければ特に制限はないが、ガラス繊維や、
ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン
繊維などが使用できる。
0%、特に25〜40%が好ましい。空孔率が前記範囲
より少ないとイオン導電性が低下し、多すぎると膜が脆
くなる。なお、空孔率は、各材料の組成と比重、そして
セパレータの比重から計算によって求めることができ
る。
0〜50μm 、特に15〜35μmである。膜厚が薄す
ぎるとセパレータとしての機能が低下し、厚すぎるとイ
オン伝導性が低下してくる。
のセパレータと置き換えて使用することができるが、従
来のセパレータ、高分子固体電解質と組み合わせて用い
てもよい。その場合、少なくとも従来のセパレータ、高
分子固体電解質と、正負いずれかの電極の間に本発明の
セパレータを配置すればよい。
や電気二重層キヤパシタといった電気化学デバイスに用
いることができるが、それらは以下のように作成でき
る。
料、リチウム金属、リチウム合金あるいは酸化物材料の
ような負極活物質を用い、正極には、リチウムイオンが
インターカレート・デインターカレート可能な酸化物ま
たは炭素材料のような正極活物質を用いることが好まし
い。このような電極を用いることにより、良好な特性の
リチウム二次電池を得ることができる。
ば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然あ
るいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラッ
ク、炭素繊維などから適宜選択すればよい。これらは粉
末として用いられる。中でも黒鉛が好ましく、その平均
粒子径は1〜30μm 、特に5〜25μm であることが
好ましい。平均粒子径が小さすぎると、充放電サイクル
寿命が短くなり、また、容量のばらつき(個体差)が大
きくなる傾向にある。平均粒子径が大きすぎると、容量
のばらつきが著しく大きくなり、平均容量が小さくなっ
てしまう。平均粒子径が大きい場合に容量のばらつきが
生じるのは、黒鉛と集電体との接触や黒鉛同士の接触に
ばらつきが生じるためと考えられる。
チウムを含有するものが好ましく、リチウムイオンがイ
ンターカレート・デインターカレート可能な酸化物とし
ては、リチウムを含む複合酸化物が好ましく、例えば、
LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiV2O4
などが挙げられる。これらの酸化物の粉末の平均粒子径
は1〜40μm 程度であることが好ましい。
る。導電助剤としては、好ましくは黒鉛、カーボンブラ
ック、炭素繊維、ニッケル、アルミニウム、銅、銀等の
金属が挙げられ、特に黒鉛、カーボンブラックが好まし
い。
質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:3〜10:1
0〜70の範囲が好ましく、負極では、質量比で、活物
質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:0〜10:1
0〜70の範囲が好ましい。ゲル電解質は、特に限定さ
れず、通常用いられているものを用いればよい。また、
ゲル電解質を含まない電極も好適に用いられる。この場
合、バインダとしてはフッ素樹脂、フッ素ゴム等を用い
ることができ、バインダの量は3〜30質量%程度とす
る。
て導電助剤を、ゲル電解質溶液またはバインダ溶液に分
散し、塗布液を調製する。
る。塗布する手段は特に限定されず、集電体の材質や形
状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メタルマ
スク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレー
コート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラ
ビアコート法、スクリーン印刷法等が使用されている。
その後、必要に応じて、平板プレス、カレンダーロール
等により圧延処理を行う。
やケース内への集電体の配置方法などに応じて、適宜通
常の集電体から選択すればよい。一般に、正極にはアル
ミニウム等が、負極には銅、ニッケル等が使用される。
なお、集電体は金属箔、金属メッシュなどが、通常、使
用される。金属箔よりも金属メッシュの方が電極との接
触抵抗が小さくなるが、金属箔でも十分小さな接触抵抗
が得られる。
る。塗布厚は、50〜400μm 程度とすることが好ま
しい。
電解質塩としては、例えば、LiBF4 、LiPF6 、
LiAsF6 、LiSO3 CF3 、LiClO4 、Li
N(SO2 CF3 )2 等のリチウム塩が適用できる。
性が良好なものであれば特に制限はされないが、リチウ
ム電池等では高い動作電圧でも分解の起こらない極性有
機溶媒、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロ
ピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、
ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類、テ
トラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロ
フラン等の環式エーテル、1,3−ジオキソラン、4−
メチルジオキソラン等の環式エーテル、γ−ブチロラク
トン等のラクトン、スルホラン等が好適に用いられる。
3−メチルスルホラン、ジメトキシエタン、ジエトキシ
エタン、エトキシメトキシエタン、エチルジグライム等
を用いてもよい。
えた場合の電解質塩の濃度は、好ましくは0.3〜5mo
l/lである。通常、1mol/l辺りで最も高いイオン伝導性
を示す。
子膜を浸漬すると、高分子膜が電解液を吸収してセパレ
ータとして機能する。
ー)/電解液で示した場合、膜の強度、イオン伝導度の
点から、電解液の比率は40〜90質量%が好ましい。
交互に積層、あるいは捲回する事によって電池が作成さ
れる。
重層キャパシタの構造は特に限定されないが、通常、一
対の分極性電極がセパレータを介して配置されており、
分極性電極およびセパレータの周辺部には絶縁性ガスケ
ットが配置されている。このような電気二重層キャパシ
タはペーパー型、積層型等と称されるいずれのものであ
ってもよい。
維等を導電性活物質とし、これにバインダとしてフッ素
樹脂、フッ素ゴム等を加える。そして、この混合物をシ
ート状電極に形成したものを用いることが好ましい。バ
インダの量は5〜15質量%程度とする。また、バイン
ダとしてゲル電解質を用いてもよい。
導電性ブチルゴム等の導電性ゴムなどであってよく、ま
たアルミニウム、ニッケル等の金属の溶射によって形成
してもよく、上記電極層の片面に金属メッシュを付設し
てもよい。
分極性電極とセパレータとを組み合わせる。
F4 、(C2H5)3 CH3 NBF4 、(C2H5)4 PB
F4 等が挙げられる。
であってよく、硫酸に代表される水系の電解液や、電気
化学的に安定な非水溶媒であるプロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセ
トニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキ
シエタン、スルホランの単独または混合溶媒が好まし
い。
る電解質の濃度は、0.1〜3mol/lとすればよい。
き、より具体的に説明する。 [実施例1] <セパレータの作成>100℃におけるゲル分率が95
%のフッ素ゴムを、メチルエチルケトン(MEK)に溶
かし、バインダ液を調合した、これに融点が85℃、比
表面積が1.2[m2 /g]、平均粒経が6μm のポリエ
チレンの粒子(住友精化製 LE-1080)を、80重量
%、バインダが20重量%となるように混合した。この
ときのバインダのムーニー粘度(ML1+10 100℃)
は、63であった。
剥離性PETフィルム上に塗布し、室温で乾燥させて、
厚さ40μm のセパレータを得た。このときのセパレー
タの空孔率は34%であった。これを所定の大きさに切
り出し使用した。
物(LiCoO2 )と、カーボンブラックと、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)とを、N−メチルピロリドン
(NMP)を溶媒として分散させスラリーを得た。これ
を集電体であるアルミニウム箔の両面に塗布、乾燥した
後ロールプレスを行った。これをプレス機で所定の大き
さに打ち抜き使用した。
P中で分散させて、スラリーを作成して、集電体である
銅箔の両面に塗布、乾燥を行った後、ロールプレスを行
った。これをプレス機で所定の大きさに打ち抜き使用し
た。
(EC)とジエチルカーボネート(DEC)が混合され
た溶媒に電解質塩としてのLiPF6 を溶解させて電解
液を調整した。
ルミラミネートフィルム製の外装体に入れた後、電解液
を含浸、密封してリチウム二次電池を作成した。なお、
この電池の容量は330mAhであった。
300μm のガラス繊維を加え、セパレータの組成を重
量比で、バインダ:樹脂粒子:ガラス繊維=15:6
5:20としたこと以外実施例1と同様に、リチウム二
次電池を作成した。
10m2/g の樹脂粒子を使用したこと以外実施例1と同
様に、リチウム二次電池を作成した。
ス粒子(SiO2 粒子)を加え、セパレータの組成を重
量比で、バインダ:樹脂粒子:セラミックス粒子=2
0:70:10としたこと以外実施例1と同様にリチウ
ム二次電池を作成した。
をDMF(ジメチルホルムアミド)にしたこと以外実施
例1と同様に、リチウム二次電池を作成した。
mAで1時間充電し、充電終了後12時間経過したときの
電圧の低下が0.05V 以上あるものを内部短絡が起き
ていると判断し、不良とした。電圧低下の少ないものを
良品とし、1kHz でのインピーダンスを測定したのち、
100℃の雰囲気中に10分間放置し再度1kHz でイン
ピーダンスを測定した。
池を充電電流2Aで7Vまで定電流、7V到達後は定電
圧になるように電流を制御して充電する過充電試験を行
った。測定結果を表1に示す。
0℃の雰囲気中に放置すると内部抵抗が100倍近く上
昇する。また、ガラス繊維を入れて補強することにより
内部短絡が防がれていることがわかる。
ため、粒子表面にバインダーが多量に付着したためセパ
レータの空孔が小さくなり、加熱前のインピーダンスは
実施例に比べて高くなっている。また、同様の理由によ
り加熱後のインピーダンス上昇も5倍程度と低くなって
いると考えられる。さらに比較例2では混ぜたセラミッ
クス粒子に多量のバインダーが付着し、樹脂粒子間の空
孔を塞いだため、加熱前のインピーダンスがさらに高く
なったと考えられる。加熱時もバインダで覆われたセラ
ミックス粒子が樹脂粒子の融着を妨げたため、インピー
ダンス上昇が少なくなったと考えられる。
いが、加熱後のインピーダンス増加が低い。これは加熱
することによってバインダーであるPVdFが電解液で
膨潤し、ポリエチレンと分離し、ポリエチレンの膜に多
数の穴が開いた状態となったためと考えられる。また、
バインダにフッ素ゴムを使用したセパレータに比べ脆い
ため、内部短絡が起きやすくなっている。
樹脂粒子をセパレータに含有することによって、過充電
などで電池が発熱した場合、内部抵抗が上昇することに
より発火しない安全な電池の製造が可能となる。
縮むことなく空孔を塞いで電流を遮断する機構を有し、
なおかつバインダーにPVDFなどの電解液との親和性
の高いバインダーを使用することが可能なため、サイク
ル特性や負荷特性に優れた電気化学デバイス用セパレー
タ、電気化学デバイスを提供することができる。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 70℃〜150℃における電解液とのゲ
ル分率が50〜100%の範囲であり、かつムーニー粘
度(ML1+10 100℃)が30〜120であるバイン
ダと、 融点が70〜150℃の範囲である樹脂粒子とを含有す
る電気化学デバイス用セパレータ。 - 【請求項2】 前記樹脂粒子の含有量が40〜95質量
%である請求項1の電気化学デバイス用セパレータ。 - 【請求項3】 前記樹脂粒子は、平均粒径をr[μm
]、比重をA[g/cm3]、比表面積をS[m2 /g ]と
したとき、 0.1≦r≦15 かつ 6/(r・A)≦S≦18/(r・A) を満たすものである請求項1または2の電気化学デバイ
ス用セパレータ。 - 【請求項4】 直径が0.1〜15μm 、長さが0.0
1〜10mmの繊維を含有する請求項1〜3のいずれかの
電気化学デバイス用セパレータ。 - 【請求項5】 膜厚が10〜50μm である請求項1〜
4のいずれかの電気化学デバイス用セパレータ。 - 【請求項6】 請求項1〜6のいずれかの電気化学デバ
イス用セパレータを有する電気化学デバイス。 - 【請求項7】 リチウム二次電池である請求項6の電気
化学デバイス。
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