JP2003084120A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、最初に透過率の低い着色層を形成
しない場合であっても、アライメントマークの識別度を
上げてカラーフィルタとフォトマスクとのアライメント
を行い、カラーフィルタを製造するカラーフィルタの製
造方法を提供することを主目的とするものである。 【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、
３色以上の着色層からなるカラーフィルタの製造方法に
おいて、透過率の高い少なくとも２色の着色層を積層し
たアライメントマークを用いて、透過率の低い着色層の
パターンを形成するカラーフィルタの製造方法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置用の
カラーフィルタのアライメントマークに関するものであ
り、特に反射型液晶表示装置用等、透過率の高い着色層
からなるカラーフィルタのアライメントマークに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】通常カラーフィルタは、ガラス基板上に
ブラックマトリックス並びに赤、緑及び青の着色層を有
する。その製造工程は一般にガラス基板上に、クロム等
の金属をパターン状に蒸着させることによりブラックマ
トリックスをパターン形成すると同時にカラーフィルタ
の有効画素領域外にアライメントマークを形成する。そ
の後、顔料等を含む樹脂を塗布し、露光し、現像する工
程を３回繰り返し、赤、青及び緑の着色層のパターンを
形成するが、この際、露光の直前にアライメントマーク
を用いてフォトマスクの位置を調整することにより、精
度良く各色の着色パターンを形成するようにしている。

【０００３】ところが最近モバイルの市場が拡大してお
り、薄型、小型、低消費電力を必要とするため反射型液
晶表示装置が出回っている。この反射型液晶表示装置
は、バックライトを使用せず外光を利用するため、明る
い画像を得ることが課題であり、１つの解決方法として
ブラックマトリックスを形成しない態様のカラーフィル
タが用いられている。この場合、アライメントマークを
ブラックマトリックスにより形成すると、アライメント
マークを形成するためにのみブラックマトリックス形成
工程が必要となることから、コストダウンを目的とし
て、このアラインメントマークを着色層で形成する方法
が提案されている。

【０００４】このような方法の一例としては、例えば特
公平４−４３５６２号公報に開示されている方法を挙げ
ることができる。この方法によれば、赤、緑及び青の３
色のうち最も透過率の低い青の着色層のパターンを最初
に形成すると同時にカラーフィルタの有効画素領域外に
アライメントマークを形成し、このアライメントマーク
を用いて赤及び緑の着色層のパターンを形成することが
できる。

【０００５】しかしながら、カラーフィルタの製造ライ
ンは色々な条件により着色層の形成順序が変わってくる
ため、必ずしも青のパターンを最初の工程で形成できる
とは限らない。

【０００６】また、従来のカラーフィルタの製造工程で
は、赤色及び緑色の２色をはじめにパターン形成し、青
色を最後にパターン形成する場合が多い。この場合、赤
色と緑色はお互い補色の関係であるため、重なったとき
にコントラストがとりやすく、光源の透過の有無により
アライメントマークを認識しやすいが、青は、赤又は緑
とコントラストがとりにくい。このため赤または緑のい
ずれか１色で形成したアライメントマークを用いて、青
の着色層を形成するための樹脂を塗布し、露光の直前に
フォトマスクとの位置調整を行うため、アライメントマ
ークを識別しようとしても、アライメントマークと青の
着色層とのコントラストがとれず、正確なアライメント
が行えない。特に、外光が２回通ることを前提に設計さ
れた反射型液晶表示装置用カラーフィルタは、顔料濃度
が低い着色レジストを用いることが多いため、アライメ
ントマークが識別しにくいという問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、最初に透過率の低い着色
層を形成しない場合であっても、アライメントマークの
識別度を上げてカラーフィルタとフォトマスクとのアラ
イメントを行い、カラーフィルタを製造するカラーフィ
ルタの製造方法を提供することを主目的とするものであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、請求項１に記載するように、３色以上の
着色層からなるカラーフィルタの製造方法において、透
過率の高い少なくとも２色の着色層を積層したアライメ
ントマークを用いて、透過率の低い着色層のパターンを
形成するカラーフィルタの製造方法を提供する。

【０００９】本発明においては、例えば透過率の低い着
色層を最後に形成しなければならない場合であっても、
透過率の高い着色層を２色積層してなるアラインメント
マークを形成し、用いることにより、透過率の低い着色
層に対するフォトマスクの位置決めを行うことが可能と
なり、精度良くカラーフィルタを製造することができ
る。

【００１０】本発明はまた、請求項２に記載するよう
に、赤色、緑色および青色の着色層からなるカラーフィ
ルタの製造方法において、赤色および緑色の着色層及び
アライメントマークを形成し、上記アライメントマーク
を用いて、青色の着色層のパターンを形成することを特
徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。

【００１１】本発明によれば、青色着色層を工程上の理
由等から最後に形成することが必要な場合であっても、
赤色および緑色の着色層を積層してなるアラインメント
マークを形成することにより、青色着色層を最後に形成
する際に青色着色層形成用のフォトマスクの位置決めを
精度良く行うことが可能となり、高品質のカラーフィル
タとすることができる。

【００１２】上記請求項１または請求項２に記載された
発明においては、請求項３に記載するように、上記カラ
ーフィルタが、ブラックマトリックスが形成されていな
い態様のカラーフィルタであることが好ましい。本発明
は、ブラックマトリックス形成時に同時に形成されるア
ラインメントマークが無い態様において、特に工程上の
利点を有するものだからである。

【００１３】上記請求項１から請求項３までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項４に記載
されるように、上記カラーフィルタが反射型液晶表示装
置用のカラーフィルタであることが好ましい。

【００１４】反射型液晶表示装置用のカラーフィルタの
着色層は、一般的に透過率が高いため、後で形成する着
色層とのコントラストによりアライメントを行う場合
に、先に形成する着色層を積層してなるアラインメント
マークを用いることによりコントラストを高めるという
本発明の利点を活かすことができるからである。

【００１５】本発明は、また、請求項５に記載するよう
に、基板上に赤色、緑色および青色の着色層が形成され
てなるカラーフィルタにおいて、基板上に少なくとも赤
色および緑色の着色層を積層したアライメントマークを
有するカラーフィルタを提供する。

【００１６】本発明のカラーフィルタは、基板上に少な
くとも赤色および緑色の着色層を積層したアラインメン
トマークを有するカラーフィルタであるので、製造時に
青色着色層を最後に形成する工程上の必要が生じた場合
であっても、上記赤色および緑色の着色層を積層したア
ラインメントマークを用いて青色着色層形成用のフォト
マスクの位置決めを行うことができ、精度良く製造され
るものであるという利点を有する。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明のカラーフィルタの
製造方法について詳細に説明する。本発明のカラーフィ
ルタの製造方法は、３色以上の着色層からなるカラーフ
ィルタの製造方法において、透過率の高い少なくとも２
色の着色層を積層したアライメントマークを用いて、透
過率の低い着色層のパターンを形成することを特徴とす
るものである。

【００１８】本発明は、少なくとも３色の着色層を、例
えば顔料分散法等のようにフォトマスクを用いる製造方
法で形成する際に、そのフォトマスクの位置決めのため
に用いられるアラインメントマークの形成方法に特徴を
有する。

【００１９】一般に、複数の着色層を基板上にパターン
状に形成してカラーフィルタとする場合、例えば顔料分
散法等においては、各色の着色層を全面に形成した後、
フォトマスクを用いて露光し、これを現像することによ
り各色の着色層のパターンを形成する。この際、２色目
以降の着色層を形成するためのフォトマスクは、最初の
着色層のパターンに対して正確な位置決めがなされてい
る必要がある。このフォトマスクの位置決めのために通
常有効画素領域外にアラインメントマークと称される位
置決め用のマークが形成される。

【００２０】このアラインメントマークを用いてフォト
マスクの位置決めを行う場合は、通常全面に着色層が形
成された状態であるので、このアラインメントマーク上
にも着色層が形成された状態で位置決めを行う必要が生
じる。

【００２１】この際、アラインメントマークの光の透過
率が高い場合は、その上に比較的光の透過率の低い着色
層が形成されてしまうと、アラインメントマークの識別
が困難となり、フォトマスクの正確な位置決めができな
くなる可能性がある。

【００２２】このため、このアラインメントマークは通
常ブラックマトリックスや比較的光の透過率の低い着色
層等を用いて形成されることが好ましい。

【００２３】しかしながら、コスト面や工程上の理由等
によりブラックマトリックスが形成されない場合や、光
の透過率の低い着色層を最後に形成する必要が生じる場
合等がある。

【００２４】本発明は、このような場合であってもフォ
トマスクの正確な位置決めが可能なように、アラインメ
ントマークを形成する点に特徴を有するものであり、具
体的には、透過率の高い少なくとも２色の着色層が先に
形成され、その後透過率の低い着色層を形成する場合、
これら透過率の高い２色の着色層を積層したアラインメ
ントマークを形成し、これを用いてその後に形成される
透過率の低い着色層をパターニングする際のフォトマス
クの位置決めを行うものである。

【００２５】ここで、「透過率が高い２色の着色層」と
は、後に形成され、これらの着色層を積層することによ
り形成されるアラインメントマークにより位置決めされ
る着色層より透過率が高い着色層であることを意味する
ものである。

【００２６】また、「透過率の低い着色層」とは、先に
形成され、積層されることによりアラインメントマーク
を形成する着色層の各々の透過率よりも低い透過率を有
する着色層であることを意味するものである。

【００２７】そして、これら「透過率が高い２色の着色
層」と「透過率の低い着色層」との関係は、上記「透過
率が高い２色の着色層」を積層してなるアラインメント
マーク上に上記「透過率の低い着色層」が形成された場
合に、受光器等の検出装置がアラインメントマークの位
置を検出可能となるような透過率の関係を有するもので
ある。

【００２８】なお、本発明でいう「透過率」とは、可視
光域、すなわち４００ｎｍ〜７００ｎｍの範囲内におけ
る平均透過率を意味するものである。

【００２９】近年、カラーフィルタを製造する場合、着
色層として、三原色、すなわち赤色、緑色、および青色
の着色層が一般的に用いられる。この場合、上記「透過
率が高い２色の着色層」が、赤色着色層および緑色着色
層に該当し、上記「透過率の低い着色層」が青色着色層
に該当する。したがって、このように赤色着色層、緑色
着色層、および青色着色層を用いる場合、本発明は、赤
色および緑色の着色層を形成し、その後青色着色層を形
成する製造工程において、まず赤色および緑色の着色層
を積層することによりアラインメントマークを形成し、
そして、この積層されたアラインメントマークを用いて
青色着色層をパターニングするためのフォトマスクの位
置決めを行う点に特徴を有するものとなる。

【００３０】このような本発明のカラーフィルタの製造
方法の一例について、図面を用いて具体的に説明する。

【００３１】図１は、基板１上に赤色着色層形成用材料
で形成された赤色着色層２およびアラインメントマーク
３を示す平面図であり、図２はその正面図である。この
際、図１に示すように、アラインメントマーク３は、有
効画素領域ａ外に形成されている。このような赤色着色
層２およびアラインメントマーク３は、上記赤色層形成
用材料をスピンコートにより塗布し、プリベークにより
乾燥させ、パターンが描かれたフォトマスクを用いて露
光し、現像し、ポストベークを行うことにより得られる
ものである。

【００３２】次に、これらの上に、上記赤色着色層と同
様の方法により、緑色着色層形成用材料を全面に塗布
し、フォトマスクを用いてパターン状に露光した後、現
像することにより、図３に示すように緑色着色層４およ
び緑色着色層形成用材料がさらに積層されたアラインメ
ントマーク３’をパターニングする。この際、緑色着色
層をパターン露光するためのフォトマスクは、上記赤色
層形成用材料で形成されたアラインメントマーク３によ
り位置決めされる。このように緑色着色層形成用材料を
パターニングすることにより、図４に示すように上記赤
色着色層形成用材料で形成されたアラインメントマーク
３上にこの緑色着色層形成用材料が積層されてなるアラ
インメントマーク３’が形成される。

【００３３】そして、図５に示すように、青色着色層形
成用材料を全面に塗布して、青色着色層形成用材料層５
を形成する。この状態で青色着色層形成用材料層５をフ
ォトマスクを用いて露光、現像して青色着色層を形成す
るのであるが、このフォトマスクの位置決めは、アライ
ンメントマーク３’によりなされる。この際、上述した
ようにこのアラインメントマーク３’は、赤色着色層形
成用材料および緑色着色層形成用材料が積層されてなる
ものであるので、図５に示すように比較的光の透過率の
低い青色着色層形成用材料層５で覆われた場合であって
も、受光素子等の検出器が検出し得る程度のコントラス
トを得ることができる。

【００３４】そして、最後にこの青色着色層形成用材料
層５を露光し現像することにより、図６に示すような赤
色着色層２、緑色着色層４および青色着色層６からなる
画素部を有するカラーフィルタを精度良く製造すること
ができるのである。

【００３５】以下、このような本発明のカラーフィルタ
の製造方法における各構成について詳細に説明する。

【００３６】１．着色層 本発明に用いられる着色層は、３色以上であり、かつ透
過率の高い少なくとも２色の着色層と透過率の低い着色
層を有するものであれば特に限定されるものではない。
なお、上記「透過率の高い２色の着色層」および「透過
率の低い着色層」の定義は、上述した通りである。

【００３７】しかしながら、通常フルカラー表示を行う
場合、赤色着色層、緑色着色層および青色着色層が用い
られるものであることから、本発明においては、これら
の着色層を有するものであることが好ましい。なお、こ
のように赤色着色層、緑色着色層および青色着色層を有
するカラーフィルタの製造方法においては、赤色着色層
および緑色着色層のいずれを先に形成してもよい。

【００３８】本発明において、このような着色層を有す
る場合は、赤色着色層および緑色着色層が積層されて形
成されたアラインメントマーク上に青色着色層を形成し
た際に、青色着色層領域と、青色着色層が積層されて三
層が積層されてなるアラインメントマークの領域とのコ
ントラストがとれて、受光器等の検出装置によりこのコ
ントラストが検出される必要がある。以下、このような
赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層について説
明する。

【００３９】（赤色着色層）本発明に用いられる赤色着
色層は、一般的には赤色顔料とバインダーとその他の添
加剤等で構成されるものである。上記バインダーの種類
は着色層の製造方法により変化するものである。本発明
は、フォトマスクを用いることが前提となるため、着色
層は顔料分散法等のフォトリソグラフィー法により形成
される。したがって、本発明においては、ＵＶ硬化型樹
脂等のエネルギー線硬化性樹脂がバインダー樹脂として
用いられる。

【００４０】本発明に用いられる赤色着色層は、赤色着
色層形成用塗料を塗布し、乾燥させた後、パターン露光
され、現像されて形成されるものであり、このような赤
色層形成用塗料は、主として、赤色顔料、上述したＵＶ
硬化性樹脂等のバインダー樹脂および溶媒から構成され
るものである。

【００４１】上記赤色顔料としては、一般にカラーフィ
ルタに用いられる赤色顔料を用いることが可能であり、
具体的には、ピグメントレッド１７７、ピグメントレッ
ド２５４、およびピグメントレッド２０９等を挙げるこ
とができ、中でもピグメントレッド２０９が好適に用い
られる。

【００４２】このような赤色顔料は、用いられる顔料の
種類にもよるが一般にバインダー樹脂を１００重量部と
した場合、３〜６０重量部の範囲内、好ましくは５〜５
０重量部の範囲内で用いられる。上記範囲より赤色顔料
の含有量が多い場合は、ＵＶ硬化性樹脂等のバインダー
樹脂と比較して顔料の含有量が多くなりすぎてしまい、
層の強度面で問題が生じる可能性があることから好まし
くなく、一方上記範囲より含有量が少ない場合は、緑色
着色層と積層した場合でも、青色着色層を積層した場合
にコントラストが取れない可能性が生じることから好ま
しくない。

【００４３】本発明において、赤色層の膜厚は、０．３
μｍ〜３．０μｍの範囲内であることが好ましく、特に
０．５μｍ〜２．０μｍの範囲とすることが好ましい。
膜厚が上記範囲より厚い場合は、カラーフィルタとして
の膜厚が厚くなり、例えば液晶表示装置の薄膜化等の要
請に反するものとなることから好ましくなく、上記範囲
より膜厚が薄い場合は、緑色着色層と積層した場合であ
っても、青色着色層とのコントラストが得られない可能
性が生じることから好ましく無い。

【００４４】上記赤色着色層形成用塗料に用いられる、
バインダーとしての上記ＵＶ硬化性樹脂等のエネルギー
線硬化性樹脂や、溶媒、その他の添加剤などは、通常カ
ラーフィルタを形成する際に用いられるものを用いるこ
とができるので、ここでの説明は省略する。また、この
点については、以下に説明する緑色着色層および青色着
色層に関しても同様である。

【００４５】なお、本発明において、赤色着色層とは赤
色顔料を主として有する着色層であり、波長６００〜７
００ｎｍの範囲内に透過率のピークもしくは透過率が８
０％を超える領域を有する着色層をいう。したがって、
赤色顔料以外の顔料が含まれている場合であっても上記
要件を満たす場合は、本発明においては赤色着色層とい
うものとする。

【００４６】（緑色着色層）本発明に用いられる緑色着
色層は、上記赤色着色層と同様に、緑色着色層形成用塗
料を塗布し、乾燥させた後、パターン露光され、現像さ
れて形成されるものであり、このような緑色層形成用塗
料は、主として、緑色顔料、ＵＶ硬化性樹脂等のバイン
ダー樹脂および溶媒から構成されるものである。

【００４７】上記緑色顔料としては、一般にカラーフィ
ルタに用いられる緑色顔料を用いることが可能であり、
具体的には、ピグメントグリーン３６、ピグメントグリ
ーン３７、およびピグメントグリーン７等を挙げること
ができ、中でもピグメントグリーン３６が好適に用いら
れる。

【００４８】このような緑色顔料の緑色層中での使用量
および緑色層の膜厚は、上記赤色層と同様であるので、
ここでの説明は省略する。

【００４９】なお、本発明において、緑色着色層とは緑
色顔料を主として有する着色層であり、波長５００〜６
００ｎｍの範囲内に透過率のピークを有する着色層をい
う。したがって、緑色顔料以外の顔料が含まれている場
合であっても上記要件を満たす場合は、本発明において
は緑色着色層というものとする。

【００５０】（青色着色層）本発明に用いられる青色着
色層は、上記赤色着色層と同様に、青色着色層形成用塗
料を塗布し、乾燥させた後、パターン露光され、現像さ
れて形成されるものであり、このような青色層形成用塗
料は、主として、緑色顔料、ＵＶ硬化性樹脂等のバイン
ダー樹脂および溶媒から構成されるものである。

【００５１】上記青色顔料としては、一般にカラーフィ
ルタに用いられる青色顔料を用いることが可能であり、
具体的には、ピグメントブルー１５：３、ピグメントブ
ルー１６、ピグメントブルー１７、およびピグメントブ
ルー１５等を挙げることができ、中でもピグメントブル
ー１５：３が好適に用いられる。

【００５２】このような青色顔料の青色層中での使用量
および青色層の膜厚は、上記赤色層と同様であるので、
ここでの説明は省略する。

【００５３】なお、本発明において、青色層とは青色顔
料を主として有する着色層であり、波長４００〜５００
ｎｍの範囲内に透過率のピークを有する着色層をいう。
したがって、青色顔料および紫色顔料以外の顔料が含ま
れている場合であっても上記要件を満たす場合は、本発
明においては青色層というものとする。

【００５４】２．アラインメントマーク 本発明に用いられるアラインメントマークは、上述した
ように少なくとも透過率の高い少なくとも２色の着色層
を積層してなるものであり、赤色着色層、緑色着色層お
よび青色着色層からなる場合は、少なくとも赤色着色層
および緑色着色層から形成されるものである。

【００５５】このようなアラインメントマークの形状
は、受光器等の検出装置により検出し、フォトマスクの
位置決めを行うことができるものであれば特に限定され
るものではなく、例えば図１に示すような「プラス」形
状の他、矩形状、円状等の形状とされる。

【００５６】本発明に用いられるアラインメントマーク
の膜厚は、上述したように着色層を少なくとも２層積層
してなるものであることから、着色層の膜厚により規定
されるものである。

【００５７】３．ブラックマトリックス 本発明においては、カラーフィルタ上にブラックマトリ
ックスが形成されている態様であっても、ブラックマト
リックスが形成されていない態様であってもよく、いず
れのカラーフィルタの製造に関しても適用できるもので
ある。

【００５８】しかしながら、通常ブラックマトリックス
が形成されている態様のカラーフィルタにおいては、ブ
ラックマトリックス形成時に同時にブラックマトリック
ス形成用材料を用いてアラインメントマークが形成され
ることから、本発明においては、ブラックマトリックス
が形成されていない態様のカラーフィルタの製造に適用
されることが、発明の利点を最大限活かすことができる
といった観点から好ましいものであるといえる。

【００５９】４．用途 本発明により製造されるカラーフィルタは、特に用途を
限定するものではないが、カラー液晶表示装置用のカラ
ーフィルタであることが好ましく、特に反射型液晶表示
装置用のカラーフィルタであることが好ましい。

【００６０】反射型液晶表示装置用のカラーフィルタの
着色層は、一般に顔料含有量が少なく、着色層によりア
ラインメントマークを形成した場合に、他の着色層との
コントラストを取ることが困難となる可能性が高い。こ
の点を考慮すると、本発明のカラーフィルタの製造方法
を反射型液晶表示装置用のカラーフィルタの製造方法に
適用することにより、本発明の利点をより活かすことが
できるからである。

【００６１】５．カラーフィルタ 本発明のカラーフィルタは、基板上に赤色、緑色および
青色の着色層が形成されてなるカラーフィルタにおい
て、基板上に少なくとも赤色および緑色の着色層を積層
したアライメントマークを有することを特徴とするもの
である。

【００６２】本発明のカラーフィルタは、このように、
基板上に少なくとも赤色および緑色の着色層を積層して
なるアラインメントマークを有するものであり、最後に
青色層を形成するものである。このように青色層を最後
に形成するのは、以下の理由によるものである。

【００６３】すなわち、通常、顔料分散法等においてカ
ラーフィルタを形成する場合は、赤色、緑色、および青
色の３色の着色層を形成するために、３回の着色層形成
工程が繰り返し行なわれる。そして、この着色層形成工
程においては、通常、高温焼成工程が行われる。したが
って、最初に形成された着色層は、この高温焼成工程を
３回施されることになる。一方、一般的なカラーフィル
タの着色層を形成する際に用いられるフォトレジスト剤
は、高温処理された際に若干黄変する傾向にあり、この
黄変の程度は、高温処理の回数に依存するものである。
ここで、黄変とは短波長側の透過率が低下する現象であ
り、上記３色の着色層の内、青色層は、短波長側の透過
率が高いため、もっともこの黄変の影響を受け易い層で
あるといえる。また、反射型液晶表示装置においては、
通常明るさを重要視する。そして、上記３色の着色層の
うち、一般的には青色層の透過率が最も低いことから、
液晶表示装置の全体的な明るさに対して、青色層は大き
な影響を与える場合が多い。

【００６４】このような理由から、青色層を３色の着色
層の形成において最後に形成するようにすることによ
り、青色層における黄変の影響を最大限に抑えることが
可能となり、液晶装置の全体的な明るさを得ることがで
きる。特に反射型液晶表示装置においては、この点が重
要となる。

【００６５】本発明は、上述した理由等から青色層を最
後に形成する必要がある場合であっても対応することが
可能である。したがって、全体的な明るさの高いカラー
フィルタを得るに際して、工程上問題が生じることが無
いという利点を有するものである。

【００６６】本発明においては、上記アラインメントマ
ーク上にさらに青色着色層が積層されたものであっても
よい。このようなアラインメントマークは、このカラー
フィルタを他の基板と組み合わせるとき、具体的にはカ
ラーフィルタが液晶表示装置である場合においてはセル
組みの際の位置決めとして用いることも可能であり、こ
の際に青色着色層が積層されていたものの方がより検出
しやすいといえるからである。

【００６７】本発明のカラーフィルタを構成する材料
は、上述した着色層材料を除き、一般的にカラーフィル
タに用いられている材料であれば用いることが可能であ
り、特に限定されるものではない。

【００６８】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

【００６９】例えば、図面で示した例においては、赤色
着色層上に緑色着色層を積層してアラインメントマーク
を構成していたが、本発明においては、緑色着色層上に
赤色着色層を積層したものであってもよい。

【００７０】

【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。

【００７１】［実施例］０．７ｍｍのガラス基板（ＮＨ
テクノガラス製；ＮＡ３５）上に、赤色、緑色および青
色の各着色層を、上記図1から図6に概略示すようなパタ
ーンで形成した。

【００７２】これら赤色着色層、緑色着色層、および青
色着色層を形成する際に用いた各塗工液の組成を以下に
示す。 ・赤色層：ＩＴ−Ｇ ＨＲ２０（インクテック社製）、
固形分比 ３０重量％ ・緑色層：ＩＴ−Ｇ ＨＧ２０（インクテック社製）、
固形分比 １８重量％ ・青色層：ＩＴ−Ｇ ＨＢ２０（インクテック社製）、
固形分比 １４重量％ ・クリア樹脂：感光性アクリル樹脂＋光開始剤 また、その他のフォトリソグラフィー法によるパターン
形成に際しての条件を以下の表１にまとめる。

【００７３】

【表１】

【００７４】このカラーフィルタ製造の際に、赤と緑の
着色パターンを形成した後にハロゲン光源を用いて透過
率を計測したところ、赤および緑のパターンが積層され
たアライメントマーク上では８１．９であり、緑の着色
パターン上では５０．７であり、その差は３１．２であ
った。

【００７５】また、赤色着色層および緑色着色層を積層
してなるアラインメントマーク上に青色着色層を形成し
た状態（図５に示す状態）において、アラインメントマ
ーク部とその他の部分とを、ハロゲン光源を用いて明る
さを計測したところ、アライメントマーク部と青の着色
層の部分では透過率が、１９．２および４４．９であ
り、その差が２５．７あった。

【００７６】これらは、いずれも２５以上の透過率差が
あり、アライメントマークを用いた青色着色層形成用の
フォトマスクのアライメントを精度良く行うことができ
た。

【００７７】〔比較例〕赤の着色パターンを形成した
後、青の着色パターンを形成する以外は、全て実施例と
同様にして、カラーフィルタを形成した。

【００７８】赤と青のパターンが積層されたアライメン
トマーク上では透過率を計測したところ４４．９であ
り、青の着色パターン上では２３．５で、その差は２
１．４しかなかった。

【００７９】したがって、受光素子による検出が困難と
なり、青色着色層形成用のフォトマスクのアラインメン
トを精度良く行うことが困難であった。

【００８０】

【発明の効果】本発明によれば、例えば透過率の低い着
色層を最後に形成しなければならない場合であっても、
透過率の高い着色層を２色積層してなるアラインメント
マークを形成し、用いることにより、透過率の低い着色
層に対するフォトマスクの位置決めを行うことが可能と
なり、精度良くカラーフィルタを製造することができる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカラーフィルタの製造方法において、
赤色着色層がパターニングされた状態の一例を示す平面
図である。

【図２】図１に示す例の正面を示す正面図である。

【図３】本発明のカラーフィルタの製造方法において、
赤色着色層および緑色着色層がパターニングされた状態
の一例を示す平面図である。

【図４】図３に示す例の正面を示す正面図である。

【図５】図４に示す例において、さらに青色着色層形成
用材料層が全面に形成された状態を示す正面図である。

【図６】本発明のカラーフィルタの製造方法において、
赤色着色層、緑色着色層および青色着色層がパターニン
グされた状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１ …… 基板 ２ …… 赤色着色層 ３、３’ …… アラインメントマーク ４ …… 緑色着色層 ６ …… 青色着色層

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ３色以上の着色層からなるカラーフィル
   タの製造方法において、透過率の高い少なくとも２色の
   着色層を積層したアライメントマークを用いて、透過率
   の低い着色層のパターンを形成することを特徴とするカ
   ラーフィルタの製造方法。
2. 【請求項２】 赤色、緑色および青色の着色層からなる
   カラーフィルタの製造方法において、赤色および緑色の
   着色層およびアライメントマークを形成し、前記アライ
   メントマークを用いて、青色の着色層のパターンを形成
   することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
3. 【請求項３】 前記カラーフィルタが、ブラックマトリ
   ックスが形成されていない態様のカラーフィルタである
   ことを特徴とする請求項１または請求項２に記載のカラ
   ーフィルタの製造方法。
4. 【請求項４】 前記カラーフィルタが反射型液晶表示装
   置用のカラーフィルタであることを特徴とする請求項１
   から請求項３までのいずれかの請求項に記載のカラーフ
   ィルタの製造方法。
5. 【請求項５】 基板上に赤色、緑色および青色の着色層
   が形成されてなるカラーフィルタにおいて、基板上に少
   なくとも赤色および緑色の着色層を積層したアライメン
   トマークを有することを特徴とするカラーフィルタ。