JP2003082771A - 構造物の支持装置 - Google Patents
構造物の支持装置Info
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Abstract
あっても、構造物を安定して支持できる支持装置の提
供。 【解決手段】巻き方向が互い異なる上下の雌ねじ筒4、
5と、これらの雌ねじ筒に螺合する互いに巻き方向が異
なる上下の雄ねじ体6とを備え、上下の雄ねじ間に回転
操作部7を有し、正逆回転させることによって上下の雌
ねじ筒が離間または接近して上下方向に伸縮される上下
調節機構3と、この上下調節機構上に設けたベース板1
0上をこのベース板に沿って水平方向に自由に移動可能
なスライダ13を備えるとともに、このスライダを前記
ベース板上における所要の位置で固定する固定手段1
7、17を有し、スライダ上に立設した支軸15の上端
部に、構造物の基部との接続部たる支持プレート1を設
けてなる水平位置調節機構2とを備えてなる構造のもの
とした。
Description
物や橋梁などの土木構造物等の構造物を基礎杭上に支持
するための装置に関する。
梁などの土木構造物は地盤中に打設した基礎杭上に柱等
の構造物の基部を接続し、基礎杭によって構造物の重量
を支持している。従来の基礎杭と構造物との間における
接続構造は、例えば図7に示されるように鋼管よりなる
基礎杭31の上端に支持プレート32を溶接し、この支
持プレートにあけた孔32aと柱33の基部フランジ3
4にあけた孔34aにボルト35を通してナット36で
止めるのが一般的である。
ト32の高さおよび水平方向の位置が正確であること、
支持プレートが水平であることおよび支持プレートが基
礎杭31に充分な強度で溶接されていることが要求され
る。
レート32を基礎杭31に溶接する前に、まず基礎杭の
上端部を上端面が所要の高さかつ水平となるように正確
に切断しなければならず、この切断作業は基礎杭を打設
した後に現場で行わなければならないので、正確に行う
のが困難である。
きものではあるが、実際には水平方向に数cmのずれが
生じることが往々にしてあり、このずれは支持プレート
の基礎杭に対する溶接位置をずらすことによってまず大
まかに修正し、その後柱33を接続する際に支持プレー
ト32に対する柱の基部フランジ34の取付位置を水平
方向に微調節している。しかし、このような水平方向の
ずれに対する修正はあまり正確に行うことができず、し
かも作業が煩雑である。
の間の溶接は現場で行わなければならず、溶接の精度は
現場の天候に左右されるので、安定した溶接精度を得る
ことが困難であり、しかも熟練した溶接技術者が現場に
出向いて作業を行う必要があり、作業コストも嵩むとい
う問題もある。
行う必要がなくて充分な構造強度を得ることができ、し
かも基礎杭の打設位置や角度に誤差があっても正確に修
正することができ、構造物を安定して支持することがで
きる支持装置を提供することにある。
係る構造物の支持装置は、内周面に巻き方向が互い異な
る雌ねじが形成された上下の雌ねじ筒と、これらの雌ね
じ筒の各雌ねじに螺合する互いに巻き方向が異なる上下
の雄ねじが外周面に形成された雄ねじ体とを備え、この
雄ねじ体の外周面における前記上下の雄ねじ間に雄ねじ
体を正逆回転させるための回転操作部を有し、この回転
操作部を正逆回転させることによって上下の雌ねじ筒が
離間または接近して上下方向に伸縮される上下調節機構
と、この上下調節機構上に設けたベース板上をこのベー
ス板に沿って水平方向に自由に移動可能なスライダを備
えるとともに、このスライダを前記ベース板上における
所要の位置で固定する固定手段を有し、スライダ上に立
設した支軸の上端部に、構造物の基部との接続部たる支
持プレートを設けてなる水平位置調節機構とを備えてな
る構造のものとしてある。
は、前記水平位置調節機構は、前記ベース板上に設けら
れてスライダを囲み、スライダの外周面との間にスライ
ダ移動用の隙間を有する周壁を備え、この周壁を貫通し
て先端がスライダの外周面に接する水平位置調節用のボ
ルトを少なくとも3本以上備え、これらのボルトを操作
することにより、スライダの位置が調節、固定されるよ
うにしたものとしてある。
第2は、前記支軸とスライダとの間をボールジョイント
により接続して、支軸をスライダに対して傾斜可能に接
続したものとしてある。
図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。本発明の
支持装置は、上端部に構造物の柱等における基部が接続
される支持プレート1を備え、この支持プレートの上下
位置を調節する上下調節機構2と支持プレートの水平方
向の位置を調節する水平位置調節機構3を有している。
4a、5aをそれぞれ形成した上下の雌ねじ筒4、5
と、上下の雄ねじ部6a、6b間に回転操作部7を有す
る筒体よりなる雄ねじ体6を備え、また、回転操作部7
と上下の雌ねじ筒4、5間にロックナット8a、8bを
設けてある。
4a、5aは互いにねじ条の巻き方向が逆向きになって
おり、かつ雄ねじ体における上下の雄ねじ部6a、6b
も互いにねじ条の巻き方向が逆向きになっていて、回転
操作部を正逆回転させることによって上下の雌ねじ筒が
離間し、または接近して、上下調節機構2全体が伸縮で
きるようになっている。
六角形状を呈する形状としてあって、前記ロックナット
8a、8bと同じ工具で回すことができるようにしてあ
る。
ナットの各ねじ条はいずれも耐荷重性の高い角ねじや台
形ねじとする。なお、前記上側の雌ねじ筒4における上
端部寄りの内側には十字状の補強リブ9を設けてある。
平位置調節機構3のベース板10を溶接により固定して
あり、また雌ねじ筒4の側面とベース板10の下面との
間には補強板用のブラケット11、11を設けてある。
上に円筒状の周壁12を備え、この周壁内にベース板上
を水平方向に移動できる円柱状のスライダ13を収容し
てあって、周壁12の開口上部は中央に孔14aを有す
る蓋体14で塞いであり、この蓋体は前記スライダ13
の上面に摺接するようになっている。なお、この蓋体1
4は周壁にボルト止めされていて、着脱できるようにな
っている。
孔14aを通して上方へ突出し、この上端に前記支持プ
レート1が溶接固定された支軸15の下端球状部16と
でボールジョイントを構成しており、図2中、仮想線で
示されるように支軸15が垂直軸まわりに全周方向へ6
°程度傾斜できるようになっている。
成となっていて、支持装置の製作時において前記球状部
16を上下から挟み込むようになっている。また、支軸
15はスライダとともに水平方向へ移動するので、支軸
が貫通している蓋体の孔14aは支軸の移動を妨げない
充分な径としてある。
周壁を貫通する水平位置調節用のボルト17、17を前
後左右に設けてあり、これらボルトの先端部にて前記ス
ライダ13の外周面を押圧することにより、スライダの
水平位置を調節、固定できるようにしてある。なお、本
実施例においては上記水平位置調節用のボルトを前後左
右に4本設けてあるが、このボルトは少なくとも等角度
間隔に3本あればよい。
は、蓋体を上から下に向かって貫通するボルト18、1
8を設けてあり、これらのボルトを締めることにより、
スライダの水平位置をより確実に固定できるようになっ
ている。
作用について説明する。本発明の支持装置は、まず上下
調節機構2における下側の雌ねじ筒5を支持装置から外
し、この雌ねじ筒を基礎杭19の上端に予め工場で溶接
しておき、この雌ねじ筒を溶接した基礎杭を現場の地盤
に打設する。
下側の雌ねじ筒5に螺合せしめて支持装置を基礎杭に取
付け、雄ねじ体6の回転操作部7を正逆回転させて前記
支持プレート1を所要の高さに位置せしめた後、ロック
ナット8a、8bを締めて上下調節機構2全体の高さを
固定する。
ねじ部6a、6bの軸方向の長さを雌ねじ筒における雌
ねじ部の軸方向の長さとロックナットの軸方向の長さの
和と同じにしてあるが、雄ねじ部の長さを短くしておけ
ばロックナット8a、8bの軸方向の長さ(厚さ)を短
いものと交換することによって上下調節機構3全体の長
さをさらに縮めることができる。また、上下のロックナ
ットをそれぞれ予め2重のもの(上下各2個)にしてお
いて、上下調節機構全体の長さをさらに縮める必要があ
る場合は上下各ひとつのロックナットを取り外すように
する場合もある。
に移動させ、水平調節用のボルト17、17を中心方向
へ螺入せしめ、さらに蓋体14に設けたボルト18、1
8を締めてスライダを固定する。なお、スライダの水平
位置の微調節はボルト17、17を操作して行う。
た後、スライダの外周面と周壁12の内周面との間の隙
間20に充填材を入れる。この充填材は地震等によって
外部から支持装置に過大な衝撃が加わってもスライダが
移動しないようにするためのものであり、例えばモルタ
ルコンクリート、接着剤、接着剤に鉄粉を混合したもの
あるいは液状のゴム(防震ゴム)を流し込み、隙間20
内で硬化させるという手段を挙げることができ、充填材
は蓋体の適所に孔をあけておいてこの孔から充填する場
合もあるし、蓋体のボルト18、18を締める前に蓋体
を外して充填材を流し込み、その後蓋体を取り付けてか
らボルト18、18を締めるようにする場合もある。
の上面との間に防振ゴムや鉄板等のライナーを嵌めて支
持プレートを水平の状態で固定し、その後構造物の柱等
の基部を支持プレート上に取り付ける。なお、図3中の
符号1aは支持プレートに構造物の基部を取り付けるた
めのボルト孔を示している。
を示し、この実施例のものでは、スライダ21にボール
ジョイントを設けておらず、スライダ21は支軸23と
一体に構成されていて、支持プレート22はスライダ2
1と平行をなすよう支軸に溶接固定されており、スライ
ダ自体を支持プレート22とともに傾斜せしめて支持プ
レートの水平調節を行うようにしてある。なお、図5に
おいては上下調節機構3の構成が上述した実施例のもの
と同じであるので、上側の雌ねじ筒4を除く上下調節機
構の構成は図示を省略した。
を地盤に打設した後、上下調節機構の操作によって支持
プレートの高さを大まかに調節し、支持プレートの水平
度を測定する。
震ゴムよりなる修正プレート24を作成する。この修正
プレートは、上下の面が修正に必要な角度をなすように
作成し、図6に示すようにベース板25の上面とスライ
ダ21の下面との間に介在せしめるものとしてある。
所要の水平方向の位置に移動せしめて水平位置調節用の
ボルト17、17にて固定し、その後再び支持プレート
の水平度を測定しながら水平度の微調整を行う。
の下面から貫通せしめたボルト26、26を操作し、こ
れらのボルトの先端でスライダを下方から押圧し、支持
プレートをスライダとともに水平に調節する。
隙間27に、前述した実施例と同様に充填材を入れ、上
下調節機構3を操作することによって支持プレートの上
下位置を微調整した後、構造物の基部を支持プレート2
2に取り付ける。
トは八角形状のものとしてあるが、支持プレートに接続
される構造物の基部の形状等の諸条件によって異なる形
状のものとする場合もある。また、上述した実施例では
周壁を円筒状、スライダを円柱状としてあるが、スライ
ダを周壁内で移動可能であればそれぞれ角筒状や角柱状
とする場合もある。
ば、支持装置の各部の溶接や下側の雌ねじ筒と基礎杭と
の溶接を予め工場で高精度に行うことができ、従来のよ
うに現場での溶接を行う必要がなくて現場の天候に左右
されることなく充分な構造強度を得ることができ、ま
た、現場における基礎杭上端部の切断も不要であり、現
場での作業を格段に簡略化することができ、工期の短縮
および施工コストの低減を期すことができる。
の上下位置を正確に設定することができ、かつ、水平位
置調節機構によって支持プレートの水平位置を正確に調
節することができ、しかも支持プレートの水平度も正確
に設定することができる。
差があってもこれらの誤差を正確に修正することがで
き、構造物を安定して支持することができる。
不等沈下した場合でも上下調節機構を調節することによ
って容易かつ正確に沈下修正を行うことができるという
重要なメリットもある。
を示す縦断面図。
−IV線横断面図。
面図。
平調節を行った状態を示す縦断面図。
図。
のボルト 18 スライダ固定用のボルト 19 基礎杭 20 隙間 21 スライダ 22 支持プレート 23 支軸 24 修正プレート 25 ベース板 26 水平微調整用のボルト 27 隙間
Claims (4)
- 【請求項1】内周面に巻き方向が互い異なる雌ねじが形
成された上下の雌ねじ筒と、これらの雌ねじ筒の各雌ね
じに螺合する互いに巻き方向が異なる上下の雄ねじが外
周面に形成された雄ねじ体とを備え、この雄ねじ体の外
周面における前記上下の雄ねじ間に雄ねじ体を正逆回転
させるための回転操作部を有し、この回転操作部を正逆
回転させることによって上下の雌ねじ筒が離間または接
近して上下方向に伸縮される上下調節機構と、この上下
調節機構上に設けたベース板上をこのベース板に沿って
水平方向に自由に移動可能なスライダを備えるととも
に、このスライダを前記ベース板上における所要の位置
で固定する固定手段を有し、スライダ上に立設した支軸
の上端部に、構造物の基部との接続部たる支持プレート
を設けてなる水平位置調節機構とを備えてなる構造物の
支持装置。 - 【請求項2】前記水平位置調節機構は、前記ベース板上
に設けられてスライダを囲み、スライダの外周面との間
にスライダ移動用の隙間を有する周壁を備え、この周壁
を貫通して先端がスライダの外周面に接する水平位置調
節用のボルトを少なくとも3本以上備え、これらのボル
トを操作することにより、スライダの位置が調節、固定
されるようにした請求項1に記載の構造物の支持装置。 - 【請求項3】前記支軸をスライダに対して傾斜可能に接
続してなる請求項1に記載の構造物の支持装置。 - 【請求項4】前記支軸とスライダとの間をボールジョイ
ントにより接続してなる請求項3に記載の構造物の支持
装置。
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