JP2003082031A - 共重合体およびこの重合体を用いた耐擦り傷性塗料組成物 - Google Patents

共重合体およびこの重合体を用いた耐擦り傷性塗料組成物

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JP2003082031A
JP2003082031A JP2001278036A JP2001278036A JP2003082031A JP 2003082031 A JP2003082031 A JP 2003082031A JP 2001278036 A JP2001278036 A JP 2001278036A JP 2001278036 A JP2001278036 A JP 2001278036A JP 2003082031 A JP2003082031 A JP 2003082031A
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copolymer
acrylate
polymerizable unsaturated
monomer
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JP2001278036A
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English (en)
Inventor
Kenji Miyagawa
堅次 宮川
Toshiaki Nagano
利昭 長野
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦り傷性や擦り傷の復元性と塗膜硬度など
の他の塗膜性能との両者を満足させることができる塗料
組成物を提供する。 【解決手段】 (a)2,4−ジヒドロキシシクロヘキ
シルメチル(メタ)アクリレートなどの1分子中に2個
の水酸基が結合した脂環式炭化水素基を含有する重合性
不飽和カルボン酸エステル、及び(b)上記モノマー
(a)と共重合可能なその他の重合性不飽和モノマーか
らなる共重合体、及び該共重合体とブロック化されても
よいポリイソシアネート化合物とを含有する塗料組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐擦り傷性、擦り
傷の復元性及び硬度に優れた塗膜を形成できる塗料組成
物、及び該塗料組成物の基体樹脂となる新規な共重合体
に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、耐擦り傷性および擦
り傷の復元性を有する塗料組成物としては、ポリエステ
ル樹脂と2官能以上のイソシアネ−ト化合物とを組合せ
た塗料(特開平7−258601号公報、特開昭63−
86762号公報参照)が知られている。
【0003】しかしながら、上記塗料組成物は、いずれ
もポリエステル樹脂を使用しており、ポリエステル樹脂
はアクリル樹脂と比較すると、一般に耐候性が劣り、ま
た分子量分布が広いため均一な架橋構造の塗膜を形成し
難いという問題点を抱えている。また、塗膜が耐擦り傷
性及び擦り傷の復元性を発揮するためには、塗膜のガラ
ス転移温度(Tg)を下げる必要があるが、自動車用塗
料に代表される工業用塗料分野に用いる場合、塗膜硬度
などの点から塗膜のTgとして30℃以上が必要であ
り、上記塗料では耐擦り傷性や擦り傷の復元性と塗膜硬
度などの他の塗膜性能との両者を満足させることは困難
であった。
【0004】本発明の目的は、耐擦り傷性や擦り傷の復
元性と塗膜硬度などの他の塗膜性能との両者を満足させ
ることができる塗料組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を行った結果、1分子中に2
個の水酸基が結合した脂環式炭化水素基を含有する重合
性不飽和カルボン酸エステルをモノマー成分とする共重
合体を使用することによって上記目的を達成できる塗料
組成物が得られることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、(a)1分子中に2
個の水酸基が結合した脂環式炭化水素基を含有する重合
性不飽和カルボン酸エステル、及び(b)上記モノマー
(a)と共重合可能なその他の重合性不飽和モノマーか
らなる共重合体を提供するものである。
【0007】また、本発明は、上記共重合体とブロック
化されていてもよいポリイソシアネート化合物とを含有
する塗料組成物を提供するものである。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明の共重合体について
説明する。本発明の共重合体は、1分子中に2個の水酸
基が結合した脂環式炭化水素基を含有する重合性不飽和
カルボン酸エステル(a)(以下、「脂環式モノマー
(a)」と略称することがある)及びその他の重合性不
飽和モノマー(b)からなる共重合体である。
【0010】脂環式モノマー(a) 本発明共重合体を構成する脂環式モノマー(a)は、1
分子中に2個の水酸基が結合した脂環式炭化水素基を含
有する重合性不飽和カルボン酸エステルであって、1分
子中に2個の水酸基が結合した脂環式炭化水素基として
は、例えば下記の基を挙げることができる。
【0011】
【化3】
【0012】脂環式モノマー(a)であるエステルを構
成する重合性不飽和カルボン酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸などを挙
げることができる。
【0013】脂環式モノマー(a)の代表例としては、
例えば、下記一般式(I)〜(VI)で示されるモノマ
ーを挙げることができ、これらは、1種で又は2種以上
を組合せて使用することができる。
【0014】
【化4】
【0015】(式中、Rは水素原子、メチル基又はエ
チル基を表し、Yは直接結合、
【0016】
【化5】
【0017】を表わし、ここでRはエチレン基又はプ
ロピレン基を表し、mは1〜10の整数、nは1〜10
の整数を表す) 上記一般式(I)〜(VI)で表わされる脂環式化合物
において、Rとしては、なかでも水素原子又はメチル
基が好適であり、Yとしては、直接結合、メチレン基が
好適である。
【0018】脂環式モノマー(a)としては、なかでも
式(I)において、Rが水素原子又はメチル基であ
り、Yがメチレン基である3,4−ジヒドロキシシクロ
ヘキシルメチルアクリレート、3,4−ジヒドロキシシ
クロヘキシルメチルメタクリレート;式(II)におい
て、Rが水素原子又はメチル基であり、Yがメチレン
基である3,4−ジヒドロキシ−2,5−エンドメチレ
ンシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−ジヒド
ロキシ2,5−エンドメチレンシクロヘキシルメチルメ
タクリレートなどを好適に使用することができる。これ
らのモノマーは、1種で又は2種以上を組合せて使用す
ることができる。共重合体の構成成分として、脂環式モ
ノマー(a)が存在することによって、耐擦り傷性や擦
り傷の復元性を向上させることができる。
【0019】その他の重合性不飽和モノマー(b) その他の重合性不飽和モノマー(b)(以下、「モノマ
ー(b)」と略称することがある)は、本発明の共重合
体を上記脂環式モノマー(a)とともに構成するモノマ
ーであり、上記脂環族重合性不飽和モノマー(a)と共
重合可能なモノマーであれば特に制限なく使用できる。
【0020】上記モノマー(b)の具体例としては、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−
プロピル(メタ)アクリレート、(n−、i−、t−)
ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシク
ロデカニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメ
タクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアル
キルエステル;メトキシエチル(メタ)アクリレートな
どのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、下記式
【0021】
【化6】
【0022】(式中、Rは水素原子又はメチル基を表
す)で示される(メチロールシクロヘキシル)メチル基
含有重合性不飽和モノマーなどの水酸基含有(メタ)ア
クリレート;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有モ
ノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなど
のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;パーフルオロ
ブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソ
ノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオク
チルエチル(メタ)アクリレ−ト等のパ−フルオロアル
キル(メタ)アクリレ−ト、フルオロオレフィン;プラ
クセルFM3X、プラクセルFM5X、プラクセルFA
3X(以上、いずれもダイセル化学工業(株)製、ラク
トンが開環したポリエステル鎖を有する重合性不飽和モ
ノマー)などのポリエステル鎖を有する;スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレ
ン等のビニル芳香族化合物;さらにこれらのモノマーの
1種以上のモノマーの重合体で、片末端に重合性不飽和
基を有する、いわゆるマクロモノマーなどが挙げられ
る。
【0023】本発明の共重合体における構成モノマーで
ある脂環式モノマー(a)とモノマー(b)との配合割
合は、両者の合計100重量部中、通常、下記の範囲内
にあることが好適である。 脂環式モノマー(a):5〜70重量部、好ましくは2
0〜50重量部、 モノマー(b):30〜95重量部、好ましくは30〜
90重量部。
【0024】本発明の共重合体は、上記モノマー成分を
それ自体既知の重合法によって共重合させる方法、例え
ば、有機溶媒中にてラジカル重合開始剤の存在下で上記
モノマー成分をラジカル共重合させる、溶液重合法によ
って好適に得ることができる。
【0025】上記脂環式モノマー(a)とモノマー
(b)とのモノマー混合物の溶液重合法に用いうる有機
溶媒として、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の
アルキルベンゼン誘導体;酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシブチル、アセト
酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸メチルセロソル
ブ、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢
酸カルビトール等の酢酸エステル系溶剤;ジオキサン、
エチレングリコールジエチルエ−テル、エチレングリコ
ールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エ−テル等のエーテル系溶剤;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、i−プロパノール、(n−、i−、
t−)ブタノール等のアルコ−ル系溶剤;アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン系溶剤が挙げられ、これらは単独で
又は2種以上混合して使用できる。
【0026】前記ラジカル重合開始剤としては、例えば
過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパー
オキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエ−ト、ラウリルパーオキサイド、アセ
チルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート等の過酸化物;α,α´−アゾビスイ
ソブチロニトリル、α,α´−アゾビス−2−メチルブ
チロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾ
ビスシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物が挙
げられる。
【0027】本発明共重合体の分子量は特に限定される
ものではないが、通常、重量平均分子量が2,000〜
30,000の範囲内にあり、水酸基価が30〜250
mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。
【0028】本発明塗料組成物 本発明塗料組成物は、上記共重合体とブロック化されて
いてもよいポリイソシアネート化合物とを必須成分とし
て含有する。
【0029】上記ポリイソシアネート化合物は、イソシ
アナト基(NCO基)がブロック化されていないもの
(以下、「非ブロック化ポリイソシアネート化合物」と
略称することがある)、及びイソシアナト基がブロック
化されたもの(以下、「ブロック化ポリイソシアネート
化合物」と略称することがある)のいずれをも包含す
る。
【0030】非ブロック化ポリイソシアネート化合物と
しては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシア
ネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシ
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−
ジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチ
ル)シクロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート
類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香
族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネ−トなど
の3価以上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイ
ソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシ
アネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂
もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機
ジイソシアネート同志の環化重合体(例えば、イソシア
ヌレート)、ビウレット型付加物;イソシアナトエチル
(メタ)アクリレートやm−イソプロペニル−α,α−
ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアナト基
含有エチレン性不飽和化合物とその他のエチレン性不飽
和化合物との共重合体などが挙げられる。
【0031】ブロック化ポリイソシアネート化合物は、
上記非ブロック化ポリイソシアネート化合物のイソシア
ナト基をブロック化剤でブロック化してなるものであ
る。上記ブロック化剤としては、例えばフェノール、ク
レゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプ
ロラクタム;δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタ
ム、β−プロピオラクタムなどラクタム系;メタノー
ル、エタノール、n−又はi−プロピルアルコール、n
−,i−又はt−ブチルアルコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコー
ル系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセ
トキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオ
キシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキ
シムなどオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエ
チル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチル
アセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を好
適に使用することができる。上記非ブロック化ポリイソ
シアネートと上記ブロック化剤とを混合することによっ
て容易にポリイソシアネートのイソシアナト基をブロッ
ク化することができる。これらのポリイソシアネート化
合物は、単独で又は2種以上を組合せて使用することが
できる。
【0032】本発明塗料組成物における前記共重合体と
ブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物
との配合割合は、(ポリイソシアネート化合物中のブロ
ック化されていてもよいNCO基)/(前記共重合体中
のOH基)の当量比で、通常、0.5〜2.0、好まし
くは0.7〜1.3の範囲内にあることが好適である。
【0033】本発明塗料組成物は、前記共重合体とブロ
ック化されていてもよいポリイソシアネート化合物とか
らなっていてもよいが、必要に応じて、有機溶剤、コロ
イダルシリカ、前記共重合体以外の塗膜形成樹脂、有機
樹脂微粒子、表面調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、紫外
線安定剤などを含有することができる。
【0034】上記有機溶剤は、塗装性向上などのために
配合されるものであり、有機溶剤としては、例えば、前
記共重合体の溶液重合の際に用いうる有機溶媒として例
示したものを使用することができる。
【0035】コロイダルシリカは、耐擦り傷性の更なる
向上などを目的に必要に応じて配合されるものであり、
通常、粒子径が5〜50nmのものが好適に使用され
る。コロイダルシリカの形態は特に制限されるものでは
ないが、なかでも有機溶媒分散型コロイダルシリカを好
適に使用することができる。
【0036】有機溶媒分散型コロイダルシリカの市販品
としては、例えば、日産化学工業(株)製の、スノーテ
ックスMA−ST−M、同IPA−ST、同EG−S
T、同EG−ST−ZL、同MIBK−ST、同NPC
−ST、同XBA−ST、同DMAC−ST、同MEK
−STなどを挙げることができる。また、コロイダルシ
リカは、アクリル樹脂やポリエステル樹脂などの有機樹
脂の溶液中に分散されたものであってもよく、この形態
のものは、通常、塗料中での安定性が優れている。この
コロイダルシリカの有機樹脂溶液分散液における、コロ
イダルシリカ/有機樹脂の重量比は、20/80〜80
/20、好ましくは30/70〜70/30の範囲内に
あることが好適である。
【0037】本発明の塗料組成物におけるコロイダルシ
リカの配合量は、前記共重合体とブロック化されていて
もよいポリイソシアネート化合物との合計100重量部
に対して200重量部以下、好ましくは5〜50重量部
の範囲内にあることが得られる塗膜の耐候性、耐衝撃性
などの面から好適である。
【0038】また、前記共重合体以外の塗膜形成樹脂
は、塗膜物性の改良などのために配合されるものであ
り、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などを好適に使用
することができる。この塗膜形成樹脂の配合量は、前記
共重合体とブロック化されていてもよいポリイソシアネ
ート化合物との合計100重量部に対して30重量部以
下の範囲内であることが耐擦り傷性の面から好適であ
る。
【0039】有機樹脂微粒子は塗料のタレの抑制などを
目的に配合されるものであり、平均粒子径1nm〜1μ
m、好ましくは50〜500nmを有するものが好適に
使用される。有機樹脂微粒子の樹脂種としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレ
ン;ナイロン11やナイロン12などのナイロン;カル
ボン酸変性ポリエチレンなどの変性ポリエチレン;マレ
イン化ポリプロピレンなどの変性ポリプロピレン;シリ
コンゴム、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹
脂などを挙げることができる。これらのうち、なかでも
アクリル樹脂が好適である。
【0040】このアクリル樹脂である有機樹脂微粒子と
しては、アリル基などの重合性不飽和基を有する反応性
乳化剤の存在下で、重合開始剤として水溶性アゾアミド
化合物などの水溶性重合開始剤を使用して、重合性不飽
和基を2個以上含有するジビニルベンゼン、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタクリレート)などの多官能モノ
マーを含有する重合性不飽和モノマー成分を乳化重合す
ることによって得られる内部架橋された有機樹脂微粒
子;有機溶剤中にて高分子分散安定剤の存在下で重合性
不飽和モノマーを重合して得られる非水分散型有機樹脂
微粒子(NAD粒子)が好適である。有機樹脂微粒子の
配合量は、前記共重合体とブロック化されていてもよい
ポリイソシアネート化合物との合計100重量部に対し
て20重量部以下の範囲内であることが耐擦り傷性の面
から好適である。
【0041】
【実施例】実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。以下、「部」及び「%」は、いずれも重量基準によ
るものとする。
【0042】共重合体の製造 実施例1 冷却管と温度計と攪拌装置を備え付けた4つ口フラスコ
にキシレン70部を入れ、撹拌しながら窒素ガス気流下
で加熱し135℃に昇温した。この中に下記式で表され
る化合物(a1)20部、
【0043】
【化7】
【0044】スチレン15部、2−ヒドロキシエチルア
クリレート5部、プラクセルFM3X(ダイセル化学工
業(株)製、ε−カプロラクトンが開環したポリエステ
ル鎖を有する重合性不飽和モノマー)25部(固形分2
0部)、n−ブチルメタクリレート40部及びt−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート8部のモノマ
ーと開始剤との混合液を滴下ロートより3時間かけて滴
下した。滴下終了から30分後、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート0.5部とキシレン5部の
混合液を30分かけて滴下し、さらに1時間同温度で撹
拌し、固形分58%共重合体樹脂溶液(A)を得た。得
られた樹脂は、重量平均分子量7000、水酸基価15
5を有していた。
【0045】実施例2 実施例1と同様な反応装置にキシレン70部を入れ、撹
拌しながら窒素ガス気流下で加熱し135℃に昇温し
た。この中に下記式で表される化合物(a2)21.4
部、
【0046】
【化8】
【0047】スチレン15部、2−ヒドロキシエチルア
クリレート5部、プラクセルFM3X(ダイセル化学工
業(株)製)25部(固形分20部)、n−ブチルメタ
クリレート38.6部及びt−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート8部のモノマーと開始剤との混合
液を滴下ロートより3時間かけて滴下した。滴下終了か
ら30分後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート0.5部とキシレン5部の混合液を30分かけ
て滴下し、さらに1時間同温度で撹拌し、固形分58%
共重合体樹脂溶液(B)を得た。得られた樹脂は、重量
平均分子量7000、水酸基価155を有していた。
【0048】実施例3 実施例2において、化合物(a2)21.4部を下記化
合物(a3)21.4部
【0049】
【化9】
【0050】に変えたほかは実施例2と同様に行い、固
形分58%共重合体樹脂溶液(C)を得た。得られた樹
脂は、重量平均分子量7000、水酸基価155を有し
ていた。
【0051】実施例4 実施例1と同様な反応装置にキシレン75部を入れ、撹
拌しながら窒素ガス気流下で加熱し135℃に昇温し
た。この中に下記式で表される化合物(a4)25部、
【0052】
【化10】
【0053】スチレン15部、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート10部、シクロヘキサンメタクリレート2
0部、n−ブチルアクリレート30部、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート6部のモノマーと開
始剤との混合液を滴下ロートより3時間かけて滴下し
た。滴下終了から30分後、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート0.5部とキシレン5部の混合
液を30分かけて滴下し、さらに1時間同温度で撹拌
し、固形分58%共重合体樹脂溶液(A)を得た。得ら
れた樹脂は、重量平均分子量10000、水酸基価16
4を有していた。
【0054】実施例5 実施例2で用いた化合物(a2)15部、スチレン15
部、4−ヒドロキシブチルアクリレート10部、(4−
ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレー
ト、プラクセルFM3X(ダイセル化学工業(株)製)
25部(固形分20部)、n−ブチルメタクリレート3
0部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト8部のモノマーと開始剤との混合液を滴下ロートより
3時間かけて滴下した。滴下終了から30分後、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部と
キシレン5部の混合液を30分かけて滴下し、さらに1
時間同温度で撹拌し、固形分58%共重合体樹脂溶液
(A)を得た。得られた樹脂は、重量平均分子量800
0、水酸基価163を有していた。
【0055】比較例1 冷却管と温度計と攪拌装置を備え付けた4つ口フラスコ
にキシレン70部を入れ、撹拌しながら窒素ガス気流下
で加熱し135℃に昇温した。スチレン15部、n−ブ
チルメタクリレート37部、プラクセルFM3X(ダイ
セル化学(株)製)25部(固形分20部)、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート28部およびt−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート8部のモノマーと開
始剤との混合液を滴下ロートより3時間かけて滴下し
た。滴下終了後、30分後、t−ブチルパーオキシ−2
−2チルヘキサノエート0.5部とキシレン5部の混合
液を30分かけて滴下し、さらに1時間同じ温度で撹拌
し、重量平均分子量7000、水酸基価155の固形分
58%共重合体樹脂溶液(D)を得た。
【0056】塗料組成物の調製 実施例6 固形分58%の共重合体樹脂溶液(A)100部とスミ
ジュールN−3500(住友バイエルウレタン社製、ヘ
キサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレ−ト体)
36部とを混合して塗料組成物を得た。
【0057】実施例7〜12及び比較例2〜3 実施例6において、配合組成を後記表1に示すとおりと
する以外は実施例6と同様に行い各塗料組成物を得た。
【0058】表1において、(註)は下記の意味を有す
る。 (*1)スノーテックスMIBK−ST:日産化学工業
(株)製、商品名、コロイダルシリカの有機溶剤分散
液、シリカの平均粒子径約10nm、固形分約30%。 (*2)BYK344:ビック・ケミー社製、商品名、
表面調整剤。 (*3)サノールLS292:三共(株)製、商品名、
ヒンダードアミンである紫外線安定剤。
【0059】試験塗板の作成 上記実施例6〜12及び比較例2〜3で得た各塗料組成
物を、乾燥膜厚50μmになるように#25ブリキ板に
スプレー塗装し、140℃で30分間焼付けて硬化させ
各試験塗板を得た。得られた各試験塗板について下記試
験方法に基いて試験を行った。その試験結果を後記表1
に示す。
【0060】試験方法 耐擦り傷性:染色物摩擦堅牢度試験機(大栄化学精器製
作所製)を用いた。磨き粉(ダルマ・クレンザー)を水
で固練りして試験塗板の塗面に置き、その上を試験機端
子で押さえて、500gの荷重をかけ25往復摩擦した
後、水洗し、塗面を目視観察し擦り傷の程度を下記基準
にて評価する。
【0061】 ◎:擦り傷が全く又はほとんどみつからず、合格 ○:少し擦り傷がみられるが、その程度は軽く、合格 △:擦り傷が目立ち、不合格 ×:はっきりと著しい擦り傷が判り、不合格。
【0062】擦り傷の復元性:試験塗板に上記耐擦り傷
性の試験を行った後、60℃で1時間加熱し、20℃の
室内で1時間放置した後、塗面を目視観察し擦り傷の程
度を上記塗面を目視観察し擦り傷の程度を上記耐擦り傷
性の評価基準と同じ基準にて評価する。
【0063】塗膜硬度:試験塗板を20℃の恒温室に4
時間放置後、American Chain &Cable Company 製の
TUKON microhardness tester にて塗膜のツーコン硬
度を測定した。数値が大きいほど硬質である。
【0064】付着性:JIS K5400 8.5.2
(1990)碁盤目−テープ法に準じて、1×1mmの
マス目を100個作成し、その表面にテープを密着させ
た後、瞬時に剥離した際のマス目の剥がれ程度を試験し
た。剥がれのないものを○(良好)と評価した。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明組成物は、耐擦り傷性や擦り傷の
復元性に優れ、しかも塗膜硬度などの他の塗膜性能も良
好な塗膜を形成可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/04 C09D 175/04 Fターム(参考) 4J034 BA03 DA01 DB03 DB07 DC12 DC34 DC35 DC37 DC38 DC39 DC42 DC43 DP04 DP13 DP18 DQ02 HA01 HA06 HA07 HA08 HC03 HC12 HC23 HC33 HC34 HC35 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 HD03 HD04 HD05 HD12 HD15 QA02 QA05 RA07 4J038 CC061 CC062 CG141 CG142 CH031 CH032 CH041 CH042 CH071 CH072 CH121 CH122 CH141 CH171 CH172 CH251 CH252 DB221 DB222 DG261 DG262 DG301 DG302 GA03 HA446 KA06 KA08 MA12 MA14 NA11 4J100 AJ02P AJ08P AJ09P AL03P AL04P AL05P AL08Q AL09P AL10P BA02Q BA03P BA03Q BA05P BA08Q BB18P BC03Q BC04P BC04Q BC08P BC08Q BC12Q CA03 CA04 DA01 DA30 JA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)1分子中に2個の水酸基が結合し
    た脂環式炭化水素基を含有する重合性不飽和カルボン酸
    エステル、及び(b)上記モノマー(a)と共重合可能
    なその他の重合性不飽和モノマーからなる共重合体。
  2. 【請求項2】 重合性不飽和カルボン酸エステル(a)
    が、下記一般式(I)〜(VI)で示される化合物のう
    ちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記
    載の共重合体。 【化1】 (式中、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を表
    し、Yは直接結合、 【化2】 を表わし、ここでRはエチレン基又はプロピレン基を
    表し、mは1〜10の整数、nは1〜10の整数を表
    す)
  3. 【請求項3】 重量平均分子量が3,000〜30,0
    00の範囲にあり、水酸基価が30〜400mgKOH
    /gの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載
    の共重合体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の共
    重合体とブロック化されていてもよいポリイソシアネー
    ト化合物とを含有する塗料組成物。
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JP2006176634A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Nippon Paint Co Ltd 自動車用クリヤー塗料組成物及びそれを用いた複層塗膜の形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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