JP2003081928A - アミン系化合物の製造方法 - Google Patents

アミン系化合物の製造方法

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JP2003081928A
JP2003081928A JP2001273383A JP2001273383A JP2003081928A JP 2003081928 A JP2003081928 A JP 2003081928A JP 2001273383 A JP2001273383 A JP 2001273383A JP 2001273383 A JP2001273383 A JP 2001273383A JP 2003081928 A JP2003081928 A JP 2003081928A
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alkyl group
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JP2001273383A
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Takashi Suzuki
隆嗣 鈴木
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機合成化合物の中間体および写真用カプラ
ーの中間体として有用なアミン系化合物を高収率、高純
度かつ簡便に製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式〔I〕で表される化合物を用
いることを特徴とする下記一般式〔II〕で表される化合
物の製造方法。 【化1】 〔式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、アルケ
ニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表すが、
1とR2が同時に水素原子を表すことはない。Mは水素
原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、M
がアルカリ土類金属を表すときはMの化学量論数は1/
2である。R3およびR4は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表
す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機合成化合物の
中間体および写真用カプラーの中間体として有用なアミ
ン系化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、アミン類の合成にはニトロ、
ニトリルの還元が有用であり、また、Hofmann、
Schmidt、Curtiusなどの転位反応も良く
知られている。しかしながら、1級のアルキルアミン
で、官能基、特にアミド結合を有するアミン類の合成は
手段が限られている。すなわちニトロアルカンは安全性
の点で、またアミド結合含有のニトリルの還元には水素
化リチウムアルミニウム等の強還元剤が必要であり、ニ
トリルのみならずアミド結合も還元されてしまうといっ
た不都合があった。さらにHofmann転位などの反
応は通常水溶液系で行われるものであるが、写真用に使
用される油溶性のアミンを合成する場合、反応溶媒に原
料、生成物ともに溶解せず、反応が進行しないという欠
点があった。その他、アンモニアのアルキルハライドに
よる置換反応はポリアルキル化が起こり、1級アミンが
必要な場合、反応を途中で止めることが困難であった
り、また、酸アミドまたはスルホン酸アミドのような保
護されたアミノ基を加水分解により再生しようとする
と、アミド結合を有するアミン類の場合、分子内のアミ
ド結合も同時に加水分解されてしまうといった問題点が
あった。
【0003】これを解決する手段として、Gabrie
l法(M.S.Gibson,R.W.Bradsha
w,Angew.Chem.,Vol.80,986
(1968))を用いることができる。N−置換フタル
イミドの脱保護反応をヒドラジンを使用することで温和
に進行させることができ、分子内にアミド結合が存在す
る場合でも影響を受けることがない。しかしながらこの
方法にも欠点があり、脱保護反応の際に生成したフタル
酸とヒドラジンの縮合物(フタル酸ヒドラジド)と目的
物の分離が困難な場合があったり、フタル酸ヒドラジド
自体の廃棄の問題があったりと、さらなる優れた方法が
求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的
は有機合成化合物の中間体および写真用カプラーの中間
体として有用なアミン系化合物を高収率、高純度かつ簡
便に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0006】(1)前記一般式〔I〕で表される化合物
を用いることを特徴とする前記一般式〔II〕で表される
化合物の製造方法。
【0007】(2)前記一般式〔III〕で表される化合
物を用いることを特徴とする前記一般式〔II〕で表され
る化合物の製造方法。
【0008】(3)前記一般式〔I〕で表される化合物
と前記一般式〔IV〕で表される化合物から前記一般式
〔III〕で表される化合物を製造し、この一般式〔III〕
で表される化合物を用いることを特徴とする前記一般式
〔II〕で表される化合物の製造方法。
【0009】(4)前記一般式〔III〕で表される化合
物をアンモニアまたはヒドロキシルアミンの存在下に水
素添加により還元することを特徴とする(2)又は
(3)記載の前記一般式〔II〕で表される化合物の製造
方法。
【0010】(5)前記一般式〔V〕で表される化合物
と前記一般式〔VI〕で表される化合物を反応させること
を特徴とする前記一般式〔III〕で表される化合物の製
造方法。
【0011】(6)前記一般式〔II〕および〔III〕に
おける、R1、R2、R3およびR4で表される基のうち、
少なくともひとつの基の炭素数が6以上であることを特
徴とする(1)〜(4)の何れか1項記載の前記一般式
〔II〕で表される化合物の製造方法。
【0012】(7)前記一般式〔III〕における、R1
2、R3およびR4で表される基のうち、少なくともひ
とつの基の炭素数が6以上であることを特徴とする
(5)記載の前記一般式〔III〕で表される化合物の製
造方法。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の前記一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕および
〔V〕において、R1およびR2で表されるアルキル基と
しては、炭素数1〜21のものが好ましく、直鎖でも分
岐でもよい。直鎖アルキル基としては、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、オクチル基、ドデシル基等
を挙げることができる。分岐アルキル基としては、例え
ば、イソプロピル基、tert−ブチル基、2−エチル
ヘキシル基等を挙げることができる。R1およびR2で表
されるアルケニル基としては、炭素数2〜21のものが
好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテン−
1−イル基等を挙げることができる。シクロアルキル基
としては、炭素数3〜12のものが好ましく、分岐構造
を有していても良く、例えば、シクロプロピル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロプ
ロピル基、アダマンチル基等を挙げることができる。ア
リール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等
を挙げることができる。
【0014】R1およびR2で表されるアルキル基、アル
ケニル基、シクロアルキル基、アリール基は置換基を有
しても良く、置換基としては特に制限はないが、例え
ば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アニ
リノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、アルケニル基、ハロゲン原
子、シクロアルケニル基、アルキニル基、複素環基、ス
ルホニル基、スルフィニル基、ホスホニル基、アシル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シロ
キシ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、カルバ
モイルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、イミド
基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシ基、
ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、スルホ基等の
各基が挙げられる。
【0015】本発明の一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕
および〔V〕において、R1とR2が同時に水素原子を表
すことはなく、またR1およびR2がアルキル基またはア
ルケニル基を表すとき、それら同士で環を形成しても良
い。
【0016】本発明の一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕
および〔V〕において、R1とR2は無置換のアルキル基
が好ましい。
【0017】本発明の一般式〔I〕において、Mは水素
原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。M
がアルカリ金属を表すとき、ナトリウム原子またはカリ
ウム原子が好ましい。Mがアルカリ土類金属を表すと
き、Mの化学量論数は1/2であり、カルシウム原子が
好ましい。
【0018】本発明の一般式〔II〕、〔III〕、〔IV〕
および〔VI〕において、R3およびR 4で表されるアルキ
ル基としては、炭素数1〜21のものが好ましく、直鎖
でも分岐でもよい。直鎖アルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、ドデシ
ル基等を挙げることができる。分岐アルキル基として
は、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、2
−エチルヘキシル基等を挙げることができる。R1およ
びR2で表されるアルケニル基としては、炭素数2〜2
1のものが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、3
−ブテン−1−イル基等を挙げることができる。シクロ
アルキル基としては、炭素数3〜12のものが好まし
く、分岐構造を有していても良く、例えば、シクロプロ
ピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メ
チルシクロプロピル基、アダマンチル基等を挙げること
ができる。アリール基としては、例えば、フェニル基、
ナフチル基等を挙げることができる。
【0019】R3およびR4で表されるアルキル基、アル
ケニル基、シクロアルキル基、アリール基は置換基を有
しても良く、置換基としてはR1およびR2が有してもよ
い置換基と同様の基を挙げることができる。
【0020】本発明の一般式〔II〕、〔III〕、〔IV〕
および〔VI〕において、R3およびR 4がアルキル基を表
すとき、それら同士で環を形成しても良い。
【0021】本発明の一般式〔II〕、〔III〕、〔IV〕
および〔VI〕において、R3とR4は水素原子または無置
換のアルキル基が好ましく、無置換のアルキル基がさら
に好ましい。
【0022】本発明の一般式〔VI〕において、R5で表
されるアルキル基としては、炭素数1〜21のものが好
ましく、直鎖でも分岐でもよい。直鎖アルキル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチ
ル基、ドデシル基等を挙げることができる。分岐アルキ
ル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブ
チル基、2−エチルヘキシル基等を挙げることができ
る。
【0023】R5で表されるアルキル基はメチル基また
はエチル基が好ましい。本発明の一般式〔II〕および
〔III〕において、R1、R2、R3およびR4で表される
基のうち、少なくとも1つの基の炭素数が6以上である
ことが好ましい。
【0024】以下に、本発明の一般式〔I〕、〔II〕、
〔III〕、〔IV〕、〔V〕および〔VI〕で表される化合
物の代表的具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
ない。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】本発明の請求項1〜7の発明において用い
られる溶媒としては、アルコール系、エステル系、エー
テル系、ハロゲン系、ニトリル系、アミド系、芳香族炭
化水素系等が用いられ、またこれらの混合系も用いられ
る。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、tert−ブタノール、アセトニ
トリル、酢酸エチル、トルエン、ジクロロメタン、テト
ラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドおよび
N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることができ
る。この中でアルコール系、エーテル系、ハロゲン系、
芳香族炭化水素系等が好ましい。
【0040】本発明の請求項1〜7の発明においては、
反応温度は通常0〜150℃で行われるが、10〜10
0℃で行われるのが好ましい。
【0041】本発明の請求項1において、一般式〔I〕
で表される化合物は、公知の文献(Hiroyuki
Hata,et al,Synthesis,4,19
91,289)により、下記のスキーム1のように容易
に合成することができる。
【0042】
【化20】
【0043】スキーム1中、R1およびR2で表される基
は、本発明の一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕および
〔V〕における、R1およびR2で表される基と同義の基
を表す。Mで表される原子は、本発明の一般式〔I〕の
Mで表される原子と同義の基を表す。R5で表される基
は、本発明の一般式〔VI〕における、R5で表される基
と同義の基を表す。
【0044】本発明の請求項2および3において、一般
式〔II〕で表される化合物は、一般式〔III〕で表され
る化合物を還元的にアミノ化することにより合成するこ
とができる。すなわち一般式〔III〕で表される化合物
とアンモニアまたはヒドロキシルアミンを還元剤の存在
下で縮合させてアミン類を得る方法(W.S.Emer
son,Org.React.,4,174(194
8))である。還元法には接触水素還元法と化学還元法
がある。接触水素還元法には常圧水素添加法と高圧水素
添加法があるが、還元的アミノ化反応には通常高圧法が
用いられる。また、接触水素還元法には通常不均一系
で、固体触媒を用いて行われる。固体触媒としては、新
実験化学講座第15巻、酸化と還元II(丸善)に記載さ
れているように、白金系、パラジウム系、ニッケル系、
コバルト系等種々のものが見出され、利用されている。
この中で、パラジウム系、ニッケル系は用いられる頻度
が高く、中でもパラジウムカーボン触媒、ラネーニッケ
ル触媒は入手し易く、しかも安価なため最もよく用いら
れる触媒である。一方、化学還元法では、水素化アルミ
ニウムリチウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素
化ホウ素ナトリウムなどの複合水素化化合物やボランに
よる還元がよく使用されるが、分子内に被還元性の置換
基がある場合、それらが還元されないように還元力を調
節する必要がある。
【0045】両者を比較した場合、製造上、安価、簡
便、高収率、高純度という点で、一般式〔II〕で表され
る化合物をアンモニアまたはヒドロキシルアミンの存在
下接触水素還元法により還元して一般式〔II〕で表され
るアミン系化合物を製造することが好ましい。
【0046】本発明で用いられるアンモニアは、気体状
のものを用いても、水溶液(アンモニア水)を用いても
よいが、取り扱いの点で、アンモニア水を用いるのが好
ましい。
【0047】本発明で用いられるヒドロキシルアミン
は、塩酸塩を用いても、水溶液を用いてもよいが、塩酸
塩を用いた場合、反応終了後中和する。
【0048】本発明で用いられるアンモニアおよびヒド
ロキシルアミンの使用量は、一般式〔III〕で表される
化合物に対して1〜20倍モル、好ましくは2〜10倍
モル、さらに好ましくは3〜5倍モル用いられる。
【0049】本発明の請求項3において、一般式〔II
I〕で表される化合物は、一般式〔I〕と下記一般式〔I
V〕から下記のスキーム2のいずれかの方法により合成
することができる。
【0050】
【化21】
【0051】スキーム2中、R1およびR2で表される基
は、本発明の一般式〔I〕、〔II〕、〔III〕および
〔V〕における、R1およびR2で表される基と同義の基
を表す。Mで表される原子は、本発明の一般式〔I〕の
Mで表される原子と同義の基を表す。R3およびR4で表
される基は、本発明の一般式〔II〕、〔III〕、〔IV〕
および〔VI〕における、R3およびR4で表される基と同
義の基を表す。R6で表される基は、アルキル基、アル
コキシ基を表すが、t−ブチル基、イソブチルオキシ基
が好ましい。
【0052】一般式〔III〕で表される化合物は、本発
明の請求項5において記述されているように、一般式
〔V〕と下記一般式〔VI〕を反応させることによっても
合成することができる。
【0053】本発明の請求項5の発明においては、反応
中塩基を共存させる。塩基としては無機塩基、有機塩基
が挙げられ、無機塩基としては、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸ナトリウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸水素一ナトリウム、ソジウ
ムメチラート、ソジウムエチラート、t−ブトキシナト
リウム、t−ブトキシカリウム等をその代表的化合物と
して挙げることができる。また有機塩基としては、トリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、テトラメ
チルジアミノプロパン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンジアミン等をその代表的化合物と
して挙げることができる。
【0054】塩基としては無機塩基が好ましく、ソジウ
ムメチラート、ソジウムエチラート、t−ブトキシナト
リウム、t−ブトキシカリウムがさらに好ましい。ソジ
ウムメチラートはメタノール溶液を使用するのが好まし
い。
【0055】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明の実施の態様はこれらに限定されるもので
はない。
【0056】実施例1 《例示化合物II−3の合成》
【0057】
【化22】
【0058】トルエン50mlに、例示化合物I−1を
11.6gおよびトリエチルアミンを10.1g加え、
溶液を−5℃に冷却した(化合物B)。これに化合物A
を12.1g滴下し、−5℃で2時間、室温で1時間攪
拌した。沈殿しているトリエチルアミン塩酸塩を濾別
し、濾液を減圧濃縮した。これに再びトルエンを100
ml、例示化合物IV−3を25.4g加え、60℃に加
熱した。3時間反応させた後、室温で一晩放置した。酢
酸エチル100mlを加え、反応液を希釈した後、10
%炭酸水素ナトリウム水溶液、希塩酸水、水で順次洗浄
した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、
減圧乾固した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサ
ン)により精製し、例示化合物III−3を29.9g得
た(収率88.1%)。
【0059】同定はMASSおよびNMRスペクトルで
行い、例示化合物III−3であることを確認した。ま
た、ガスクロマトグラフィーにより純度を測定したとこ
ろ、純度99.5%であることが分かった。引き続きこ
のIII−3を用いて次の反応を行った。
【0060】エタノール120mlに、例示化合物III
−3を29.9g、29%アンモニア水を15.5g加
え、さらに5%パラジウムカーボン触媒(水分53%、
川研ファインケミカル製)を1.8gを加えて、オート
クレーブにて水素圧350Pa/80℃の条件にて水素
添加した。5時間で理論量の水素ガスを吸収消費し、そ
の後の水素の吸収は見られなかった。室温まで放冷後、
触媒を濾過し、濾液を減圧濃縮した。これにトルエンを
150ml加えて溶解し、希塩酸水、5%炭酸水素ナト
リウム水溶液、水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥させた後、減圧乾固することで、例示
化合物II−3を29.4g得た(収率98.0%)。
【0061】同定はMASSおよびNMRスペクトルで
行い、例示化合物II−3であることを確認した。また、
ガスクロマトグラフィーにより純度を測定したところ、
純度98.1%であることが分かった。
【0062】実施例2 《例示化合物III−3の合成》
【0063】
【化23】
【0064】例示化合物VI−3の34.2gとt−ブト
キシカリウム11.2gおよびt−ブタノール100m
lの混合物に、室温で例示化合物V−1の8.94gを
滴下し、3時間攪拌した後、さらに水10mlを加えて
2時間攪拌した。これに酢酸エチル100mlを加え、
反応液を希釈した後、希塩酸水で中和し、次いで5%炭
酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄した。有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧乾固した。
得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル、展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン)により精製
し、例示化合物III−3を27.9g得た(収率82.
1%)。
【0065】同定はMASSおよびNMRスペクトルで
行い、例示化合物III−3であることを確認した。ま
た、ガスクロマトグラフィーにより純度を測定したとこ
ろ、純度99.0%であることが分かった。
【0066】比較例1
【0067】
【化24】
【0068】トルエン120mlに、化合物Cを40.
0gおよび塩化チオニルを22.0g加え、95〜10
0℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧で濃
縮し乾固することで化合物Dを得た。この化合物Dは精
製せずに次の反応に用いた。
【0069】得られた化合物Dを酢酸エチル300ml
に溶解し、氷冷しながら例示化合物IV−3を43.0
g、トリエチルアミンを24.5g加えた。室温に戻
し、4時間攪拌した後、水を加え、希塩酸水、5%炭酸
水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧乾固した。得
られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、
展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘキサン)により精製し、
化合物Eを68.5g得た(収率90.0%)。
【0070】化合物Eを68.5gにエタノール550
mlを加えて溶解した。これに抱水ヒドラジン21.9
gを加え、加熱還流下で3時間反応させた。反応終了
後、室温まで冷却し、濃塩酸44gを入れ1時間攪拌し
た。析出しているフタル酸ヒドラジドを濾過したが、液
の通りがわるく時間を要した。濾液を減圧濃縮し、これ
にトルエンを200ml加えて溶解し、水、10%炭酸
水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧乾固すること
で、例示化合物II−3を41.1g得た(収率82.9
%)。
【0071】同定はMASSおよびNMRスペクトルで
行い、例示化合物II−3であることを確認した。また、
ガスクロマトグラフィーにより純度を測定したところ、
純度87.0%であることが分かった。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、有機合成化合物の中間
体および写真用カプラーの中間体として有用なアミン系
化合物を高収率、高純度かつ簡便に製造する方法を提供
することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕で表される化合物を用
    いることを特徴とする下記一般式〔II〕で表される化合
    物の製造方法。 【化1】 〔式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表すが、
    1とR2が同時に水素原子を表すことはなく、またR1
    およびR2がアルキル基またはアルケニル基を表すと
    き、それら同士で環を形成しても良い。Mは水素原子、
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表すが、Mがア
    ルカリ土類金属を表すとき、Mの化学量論数は1/2で
    ある。R3およびR4は水素原子、アルキル基、アルケニ
    ル基、シクロアルキル基またはアリール基を表すが、R
    3およびR4がアルキル基を表すとき、それら同士で環を
    形成しても良い。〕
  2. 【請求項2】 下記一般式〔III〕で表される化合物を
    用いることを特徴とする下記一般式〔II〕で表される化
    合物の製造方法。 【化2】 〔式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表すが、
    1とR2が同時に水素原子を表すことはなく、またR1
    およびR2がアルキル基またはアルケニル基を表すと
    き、それら同士で環を形成しても良い。R3およびR4
    水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
    基またはアリール基を表すが、R3およびR4がアルキル
    基を表すとき、それら同士で環を形成しても良い。〕
  3. 【請求項3】 下記一般式〔I〕で表される化合物と下
    記一般式〔IV〕で表される化合物から下記一般式〔II
    I〕で表される化合物を製造し、この一般式〔III〕で表
    される化合物を用いることを特徴とする下記一般式〔I
    I〕で表される化合物の製造方法。 【化3】 〔式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表すが、
    1とR2が同時に水素原子を表すことはなく、またR1
    およびR2がアルキル基またはアルケニル基を表すと
    き、それら同士で環を形成しても良い。Mは水素原子、
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表すが、Mがア
    ルカリ土類金属を表すとき、Mの化学量論数は1/2で
    ある。R3およびR4は水素原子、アルキル基、アルケニ
    ル基、シクロアルキル基またはアリール基を表すが、R
    3およびR4がアルキル基を表すとき、それら同士で環を
    形成しても良い。〕
  4. 【請求項4】 下記一般式〔III〕で表される化合物を
    アンモニアまたはヒドロキシルアミンの存在下に水素添
    加により還元することを特徴とする請求項2又は3記載
    の下記一般式〔II〕で表される化合物の製造方法。 【化4】 〔式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表すが、
    1およびR2が同時に水素原子を表すことはなく、また
    1およびR2がアルキル基またはアルケニル基を表すと
    き、それら同士で環を形成しても良い。R3およびR4
    水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
    基またはアリール基を表すが、R3およびR4がアルキル
    基を表すとき、それら同士で環を形成しても良い。〕
  5. 【請求項5】 下記一般式〔V〕で表される化合物と下
    記一般式〔VI〕で表される化合物を反応させることを特
    徴とする下記一般式〔III〕で表される化合物の製造方
    法。 【化5】 〔式中、R1およびR2は水素原子、アルキル基、アルケ
    ニル基、シクロアルキル基またはアリール基を表すが、
    1とR2が同時に水素原子を表すことはなく、またR1
    およびR2がアルキル基またはアルケニル基を表すと
    き、それら同士で環を形成しても良い。R3およびR4
    水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル
    基またはアリール基を表すが、R3およびR4がアルキル
    基を表すとき、それら同士で環を形成しても良い。R5
    はアルキル基を表す。〕
  6. 【請求項6】 前記一般式〔II〕および〔III〕におけ
    る、R1、R2、R3およびR4で表される基のうち、少な
    くともひとつの基の炭素数が6以上であることを特徴と
    する請求項1〜4の何れか1項記載の前記一般式〔II〕
    で表される化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記一般式〔III〕における、R1
    2、R3およびR4で表される基のうち、少なくともひ
    とつの基の炭素数が6以上であることを特徴とする請求
    項5記載の前記一般式〔III〕で表される化合物の製造
    方法。
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