JPH06219997A - p−フェニレンジアミン誘導体の製造方法 - Google Patents

p−フェニレンジアミン誘導体の製造方法

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JPH06219997A
JPH06219997A JP2859393A JP2859393A JPH06219997A JP H06219997 A JPH06219997 A JP H06219997A JP 2859393 A JP2859393 A JP 2859393A JP 2859393 A JP2859393 A JP 2859393A JP H06219997 A JPH06219997 A JP H06219997A
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JP
Japan
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aniline
alkyl
methyl
formula
group
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Withdrawn
Application number
JP2859393A
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English (en)
Inventor
Fumiyoshi Urano
文良 浦野
Takahiro Kimura
卓博 木村
Miki Kametani
美樹 亀谷
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式[1] で示されるアニリン誘導体にニトロ化剤を作用させて置
換アミノ基のp-位を選択的にニトロ化した後、水又はア
ルカリ水溶液で処理して下記一般式[2]で示される化
合物を得、次いでこれを還元する事を特徴とする一般式
[3]で示されるp-フェニレンジアミン誘導体の製造方
法。 【効果】 (i)本発明に係る製造方法は各工程共所望
の反応性が極めて高い事に起因して、各工程で後処理が
簡略化され、蒸留や再結晶等の精製操作も一切不要であ
り、得られた中間体はそのまま次工程に使用出来、更に
最終工程も精製せずに意図する用途に適した品質が確保
出来る為、目的のp-フェニレンジアミン誘導体がロスな
く高収率で得られる。(ii)又、各中間体は単離せずに
操作出来る為に作業者との接触も極力回避され、更に中
間体のニトロ化合物も熱安定性が高いので安全衛生の面
からも極めて優れた方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は各種アゾ染料中間体、医
薬品中間体、農薬中間体等の用途の他、特にカラー写真
用現像薬として大量に使用されているp-フェニレンジア
ミン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式[3]
【0003】
【化5】
【0004】[式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基
を表し、R3は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又
は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、Xは−O−又は
−NH−を表し、Zは水素原子、−COR4(但し、R4
は炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基、アルキル置
換フェニル基を表す。)又は−SO24(但し、R4
前記と同じ。)nは1〜3の整数を表す。]で示される
p-フェニレンジアミン誘導体の合成法としては、相当す
るアニリン誘導体に水溶媒中で亜硝酸ナトリウム及び塩
酸を作用させてp-ニトロソアニリン誘導体を得た後、こ
れを還元する方法[例えば、R.L.Bent et al., J.Am.Ch
em.Soc.,73,3100(1951年)等]や、相当するアニリン誘
導体に水性懸濁液中で亜硝酸アルキルを作用させた後、
中間のニトロソ化合物を単離せずにそのまま還元する方
法[特公昭63-53981号公報]等が開示されている。
【0005】しかしながら、前者の方法はニトロソ化で
副反応が進み、種々の副生物を除去する為、煩雑な精製
処理が余儀なくされ、収率も良くない。後者の方法では
引火性の高い亜硝酸アルキルを使用したり、溶剤として
多量使用した水を濃縮しなければならない等の問題点が
多い。又、この他にp-ニトロフェニルハライドにアミン
化合物を反応させてp-ニトロアニリン誘導体を得、これ
を還元する方法[R.L.Bent et al.,J.Am.Chem.Soc., 7
3,3100(1951年)]や、p-ニトロフェノール誘導体にアル
キルハライドを作用させてp-ニトロフェニルアルキルエ
ーテル誘導体とし、これにアミン化合物を反応させてp-
ニトロアニリン誘導体を得、次いで還元する方法[特公
昭52- 5486号公報]等も開示されている。しかしなが
ら、これ等方法は熱安定性の極めて良くない中間体のニ
トロ化合物を単離する為に蒸留したり、ニトロ化合物に
アミン化合物を作用させるのに高温下や高温、加圧の条
件で反応させる為、常に爆発の危険性がある等の問題を
抱えている。又、この他に相当するアニリン誘導体の芳
香環に直接ニトロ基を導入して中間体のニトロ化合物を
得る方法として、アニリン誘導体のp-位を直接、ニトロ
化する方法[J.Glazeret al.,J.Chem.Soc.,1950, 2657
等]が応用出来るがこの方法では副生成物が多く、目的
のニトロ体の収率が低く、工業化は困難である。更に、
相当するアニリン誘導体の芳香環に直接アミノ基を導入
して本発明に係るp-フェニレンジアミン誘導体を得る方
法として、芳香環化合物にヒドロキシルアミンを作用さ
せてアミノ化する方法[ドイツ公開特許第 2,716,242号
公報]の利用が考えられるが、この方法では収率が極め
て低い為、工業化は困難であるという問題を抱えてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】上記の様に、相当す
るアニリン誘導体のp-位をニトロソ化し還元する方法は
ニトロソ化の副反応の為、煩雑な精製操作が欠かせな
い、溶剤として使用する水の濃縮に長時間要する等、何
れも実用化に際してはコストアップの要素となる。又、
ニトロ化合物を出発原料としてアミノ化し、還元する方
法は中間のニトロ化合物を蒸留したり、アミノ基導入時
に高温、高圧を要する等、絶えず爆発の危険性が存在す
る等の問題を抱えている。更に、芳香環を直接ニトロ化
やアミノ化する方法は何れも副生成物が多く、低収率で
ある等の問題を抱えている。従って上記の問題点を解決
した、より実用的なp-フェニレンジアミン誘導体の製造
方法が渇望されている現状にある。
【0007】
【発明の目的】本発明は上記した如き状況に鑑みなされ
たもので、市販品として入手容易なアニリン誘導体を出
発原料として高品質のp-フェニレンジアミン誘導体を工
業的に製造する方法であって、操作が簡便で、収率が高
く、且つ、安全性の高い製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【発明の構成】上記目的を達成する為、本発明は下記の
構成よりなる。「下記一般式[1]
【0009】
【化6】
【0010】[式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基
を表し、R2は炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基
又はアルキル置換フェニル基を表し、R3は水素原子、
炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキ
シ基を表し、Xは−O−又は−NH−を表し、Yは−C
O−又は−SO2−を表し、nは1〜3の整数を表
す。]で示されるアニリン誘導体にニトロ化剤を作用さ
せて置換アミノ基のp-位を選択的にニトロ化した後、水
又はアルカリ水溶液で処理して下記一般式[2]
【0011】
【化7】
【0012】[式中、R1、R3、X及びnは前記と同
じ。Zは水素原子、−COR4(但し、R4は炭素数1〜
3のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基
を表す。)又は−SO24(但し、R4は前記と同
じ。)]で示される化合物を得、次いでこれを還元する
事を特徴とする一般式[3]
【0013】
【化8】
【0014】[式中、R1、R3、R4、X、Z及びnは
前記と同じ。]で示されるp-フェニレンジアミン誘導体
の製造方法。」
【0015】即ち、本発明者らは上記目的を達成すべく
鋭意研究を重ねた結果、相当するアニリン誘導体のN-ヒ
ドロキシアルキル基又はN-アミノアルキル基をアシル
化、アルキルスルホニル化又はアリールスルホニル化し
て上記一般式[1]で示される化合物とする事により極
めて容易に、しかも選択的に置換アミノ基のp-位にニト
ロ基が導入出来、次いでこれを還元する事により所望の
p-フェニレンジアミン誘導体が容易に、且つ、高収率、
高品質で得られる事を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0016】上記一般式[1]〜[3]に於て、R1
びR3で示される炭素数1〜3のアルキル基、及び一般
式[1]に於て、R2で示される炭素数1〜3のアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基又は
イソプロピル基が挙げられ、一般式[2]に於てR2
示されるアルキル置換フェニル基としてはパラメチルフ
ェニル基、パラエチルフェニル基、パライソプロピルフ
ェニル基等が挙げられ、一般式[1]及び[3]に於て
3で示される炭素数1〜3のアルコキシ基としてはメ
トキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキ
シ基が挙げられる。
【0017】本発明に係る一般式[1]で示される化合
物は、下記一般式[4]
【化9】
【0018】[式中、R1、R3、X、nは前記と同
じ。]で示されるアニリン誘導体をアシル化剤又はスル
ホニル化剤と反応させることにより容易に得られる。
【0019】本発明に係る一般式[4]で示されるアニ
リン誘導体の具体例としては、例えば3-メチル−N-エチ
ル−N-(2-ヒドロキシエチル)アニリン、3-メチル−N-
エチル−N-(2-アミノエチル)アニリン、3-メチル−N-
メチル−N-(2-アミノエチル)アニリン、N-エチル−N-
(2-アミノエチル)アニリン、N-エチル−N-(2-ヒドロ
キシエチル)アニリン、3-メチル−N-メチル−N-(2-ヒ
ドロキシエチル)アニリン、3-エトキシ−N-エチル−N-
(2-アミノエチル)アニリン、3-エトキシ−N-エチル−
N-(2-ヒドロキシエチル)アニリン、3-メトキシ−N-エ
チル−N-(2-ヒドロキシエチル)アニリン等が挙げられ
るが、勿論、これ等に限定されるものではない。尚、こ
れ等の中の幾つかは市販品として容易に入手することが
出来る。
【0020】アシル化剤としては、例えば無水酢酸、塩
化アセチル、無水プロピオン酸、塩化プロパノイル及び
塩化ベンゾイル等が挙げられる。
【0021】また、スルホニル化剤としては、例えば塩
化メタンスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化ベン
ゼンスルホニル、塩化p-トシル等が挙げれる。尚、上記
アニリン誘導体のp-位に直接、アミノ基やニトロ基を既
存の方法で導入する事は極めて困難であり、未だ報告は
ない。
【0022】一般式[1]で示されるアニリン誘導体に
作用させるニトロ化剤としては通常この種化合物のニト
ロ化に於て用いられる、硝酸、濃硝酸-濃硫酸、硝酸-無
水酢酸、発煙硝酸-酢酸、硝酸ナトリウム-硫酸、硝酸
銅、硝酸アセチル等が何れも挙げることができ、ニトロ
化の条件も常法に従ってこれを行うことで足りる。ニト
ロ化後は、反応液を水又はアルカリ水溶液で処理する
が、ここで使用されるアルカリ水溶液としては、通常、
NaOH水溶液、KOH水溶液等が挙げれるが、勿論これ等に
限定されるものではない。
【0023】また、一般式[2]で示される化合物の還
元方法としては、通常芳香族ニトロ化合物の還元方法と
して用いられている、水素添加還元(接触還元)、鉄粉
-塩酸還元、塩化第一スズ(SnCl2)還元、硫化水素化ホ
ウ素ナトリウム(NaBH2S3)還元等が挙げられ、還元の
条件も常法に従ってこれを行うことで足りる。
【0024】本発明の製造方法は大略以下の如くして実
施し得る。即ち、例えば、先ず下記一般式[4]
【0025】
【化10】
【0026】[式中、R1、R3、X及びnは前記と同
じ。]で示されるアニリン誘導体を、これに対して0.8
〜1.5倍モル、好ましくは0.9〜1.1倍モルのアシル化剤
(例えば、無水酢酸、塩化アセチル、無水プロピオン
酸、塩化プロパノイル、塩化ベンゾイル等)又はスルホ
ニル化剤(例えば、塩化メタンスルホニル、塩化エタン
スルホニル、塩化ベンゼンスルホニル又は塩化p-トシル
等)と、無溶媒又はn-ヘキサン、エチルエーテル、塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の溶媒中、0〜
80℃、好ましくは20〜50℃で0.5 〜10時間、好ましくは
1〜6時間反応させた後、水で反応液を処理し、適当な
有機溶媒で抽出し、有機層を濃縮する事により定量的に
高品質の下記一般式[1]
【0027】
【化11】
【0028】[式中、R1、R2、R3、X、Y及びnは
前記と同じ。]で示される化合物を得る。次いで上記で
得られた一般式[1]で示される化合物を常法に従って
ニトロ化し、水又はアルカリ水溶液で処理した後、これ
を還元すれば目的とする一般式[3]で示される化合物
が得られるわけであるが、ニトロ化及び還元工程につい
て、ニトロ化を濃硝酸-濃硫酸を用いて行ない、還元を
水素添加還元により行う場合を例に挙げて記すと以下の
如くとなる。即ち、一般式[1]で示される化合物をこ
れに対して1〜20倍モル、好ましくは2〜10倍モルの硫
酸及び0.5〜3倍モル、好ましくは0.8〜1.2倍モルの硝
酸と、無溶媒又は1,2-ジクロルエタン、塩化メチレン、
クロロホルム、エチルエーテル、酢酸エチル等の溶媒
中、−10〜30℃、好ましくは−10〜10℃で1〜24時間、
好ましくは1〜5時間反応させた後、水又はアルカリ水
溶液(NaOH水溶液、KOH水溶液等)で処理し、適当な有
機溶媒で抽出、有機層を水洗後、これを濃縮すれば、置
換アミノ基のp-位に選択的にニトロ基が導入された下記
一般式[2]
【0029】
【化12】
【0030】[式中、R1、R3、X、Z及びnは前記と
同じ。]で示される化合物が高収率、高品質で得られ
る。一般式[1]で示される化合物を本発明に係る反応
条件でニトロ化すれば所望のp-位にニトロ基を選択的に
導入出来、通常のニトロ化で見られる様な種々の異性体
等副生物の生成が殆ど抑制される。従って反応後は簡単
な処理操作で上記一般式[2]で示される所望のp-ニト
ロ化合物が高品質且つ高収率で得られる事が特筆され
る。
【0031】更に一般式[2]で示される化合物をメタ
ノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノー
ル、1,4-ジオキサン又はこれ等の含水溶液中で適当な触
媒(例えば、パラジウム炭素、ラネーニッケル、酸化白
金、白金炭素等が挙げられる。)存在下、常圧〜20kg/
cm2で10〜100℃、好ましくは20〜50℃で、1〜20時間、
好ましくは1〜8時間水素添加させた後、触媒を濾別
し、濾液をそのまま濃縮する、又は必要に応じて一般式
[2]に示される化合物に対して0.9〜2倍モルの硫酸
又は塩酸を添加して析出晶を濾取する事により下記一般
式[3]
【0032】
【化13】
【0033】[式中、R1、R3、X、Z及びnは前記と
同じ。]で示される目的のp-フェニレンジアミン誘導体
が塩基又は酸付加塩として高収率且つ高品質で得られ
る。以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれ等により何等制約を受けるものではな
い。
【0034】
【実施例】
実施例 1. 4-アミノ−3-メチル−N-エチル−N-(2-
ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩の合成 (1)3-メチル−N-エチル−N-(2-アセチルオキシエチ
ル)アニリンの合成 3-メチル−N-エチル−N-(2-ヒドロキシエチル)アニリ
ン89.6g(0.5 モル)を40℃に加温し、これに攪拌下、
無水酢酸51.1g(0.5 モル)を40±3℃で滴下し、同温
度で4時間撹拌反応させた。反応液に水200mlを注入
し、酢酸エチル300mlで1回抽出し、有機層を水200mlで
洗浄後、減圧濃縮して残渣の3-メチル−N-エチル−N-
(2-アセチルオキシエチル)アニリン 110.6gを赤褐色
油状物として得た。(収率:100%)。本品は高速液体
クロマトグラフィ(HPLC)測定した結果、含有量は99.6
%と全く副生物は確認されなかったのでそのまま次工程
に使用した。又、本品を示差熱量分析(DSC )測定した
結果、発熱開始温度が350℃以上と極めて熱安定性の高
い化合物であった。1 HNMR δppm(重クロロホルム):1.16(3H, t,メチル)、2.05
(3H, s,メチル)、2.31(3H, s,メチル)、3.38(2H,
q,メチレン)、3.53(2H, t,メチレン)、4.22(2H, t,
メチレン)、6.53(3H,bs,芳香環水素)、7.05〜7.15
(1H, m,芳香環水素)。 IR νcm-1(液膜):1745(C=O)。
【0035】(2)4-ニトロ−3-メチル−N-エチル−N-
(2-ヒドロキシエチル)アニリンの合成 硫酸 331.8g(3.3 モル)を−5℃以下に冷却し、これ
に攪拌下、上記(1)で得た3-メチル−N-エチル−N-(2-
アセチルオキシエチル)アニリン 110.6g(0.5 モル)
を−5〜0℃で滴下し、次いで攪拌下、65%硝酸52.2g
(0.54モル)と硫酸 108.5g(1.1 モル)の混液を−5
〜0℃で滴下し、同温度で3時間撹拌反応させた。反応
液を25%水酸化ナトリウム水溶液1670gと氷水550mlの
混液中に40℃以下で注入し、次いでメタノール200mlを
注入した後、25〜30℃で2時間撹拌した。室温で一夜放
置後酢酸エチル600mlで抽出し、有機層を水500mlで洗浄
した後、減圧濃縮して残渣の4-ニトロ−3-メチル−N-エ
チル−N-(2-ヒドロキシエチル)アニリン 110.5gを褐
色油状物として得た。(収率:99%)。本品はHPLC測定
した結果、含有量は95.8%と殆ど選択的にp-位にニトロ
基が導入された所望の化合物であったのでそのまま次工
程に使用した。又、本品をDSC測定した結果、発熱開
始温度が223℃と極めて熱安定性の高い化合物である事
が確認された。1 HNMR δppm(重クロロホルム):1.20(3H, t,メチル)、1.90
(1H,bs,水酸基)、2.62(3H, s,メチル)、3.52(2H,
q,メチレン)、3.57(2H, t,メチレン)、3.87(2H, t,
メチレン)、6.46(1H, s,芳香環水素)、6.36(1H, d,
芳香環水素)、8.05(1H, d,芳香環水素)。 IRνcm-1(液膜):3460(0H)、3005、2910、1620、15
30(NO2)、1330(NO2)。
【0036】(3)4-アミノ−3-メチル−N-エチル−N-
(2-ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩の合成 上記(2)で得た4-ニトロ−3-メチル−N-エチル−N-(2-
ヒドロキシエチル)アニリン110.5g(0.47モル)を90
%エタノール380mlに溶解し、5%パラジウム炭素5.5g
を加えて常圧下、25〜35℃で6時間水素添加還元した。
反応後、触媒を濾別し、濾液に硫酸48.3g(0.48モル)
を35℃以下で添加し、20〜25℃で2時間撹拌晶析させ
た。5℃に冷却後析出晶を濾取し、冷エタノール100ml
で洗浄し減圧乾燥して4-アミノ−3-メチル−N-エチル−
N-(2-ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩130.5gを白
色粉末晶として得た。(収率:95%)。 融点:154.6
℃。 本品はHPLC測定の結果、含有量は100%で全く不純物は
検出されなかった。(3工程の通算収率:89.3%)。1 HNMR δppm(重水):1.14(3H, t,メチル)、2.45(3
H, s,メチル)、3.70〜3.79(6H, m,メチレン×3)、
7.55(3H, m,芳香環水素)。 IR νcm-1(KBr錠):3280、2890、1580、1510。
【0037】実施例 2. 4-アミノ−3-メチル−N-エ
チル−N-(2-メタンスルホンアミドエチル)アニリンの
合成 (1)3-メチル−N-エチル−N-(2-メタンスルホンアミド
エチル)アニリンの合成N-(2-アミノエチル)−N-エチ
ル−m-トルイジン25.0g(0.14モル)及びトリエチルア
ミン14.2g(0.14モル)を塩化メチレン 125mlに溶解さ
せた後、塩化メタンスルホニル16.1g(0.14モル)を30
〜40℃で滴下した。室温で2時間撹拌反応させた後、反
応液を水125mlで2回洗浄し、濃縮して残渣の3-メチル
−N-エチル−N-(2-メタンスルホンアミドエチル)アニ
リン35.6gを赤褐色油状物として得た。 (収率:99
%)。1 HNMR δppm(重クロロホルム):1.12(3H, t,メチル)、2.31
(3H, s,メチル)、2.90(3H, s,メチル)、3.23〜3.48
(6H, m,メチレン)、4.69(1H, t,NH)、6.58(3H,
m,芳香環水素)、7.10(1H, t,芳香環水素)。 IR νcm-1(液膜):3288(NH)、3005、2973、2932、
1601、1579。
【0038】(2)4-ニトロ−3-メチル−N-エチル−N-
(2-メタンスルホンアミドエチル)アニリンの合成 硫酸30g(0.297 モル)及び上記(1)で得た3-メチル−
N-エチル−N-(2-メタンスルホンアミドエチル)アニリ
ン10.0g(0.039 モル)の混合液を−5〜0℃に冷却
し、65%硝酸4.16g(0.043 モル)及び硫酸8.68g(0.
086 モル)の混液を−5〜0℃で滴下し、同温度で2時
間撹拌反応させた。反応液に20%水酸化ナトリウム水溶
液 165gを注入、中和し、酢酸エチル200mlで抽出し、
有機層を水150mlで洗浄後濃縮して残渣の4-ニトロ−3-
メチル−N-エチル−N-(2-メタンスルホンアミドエチ
ル)アニリン10.7gを橙色粉末晶として得た。(収率:
91%)。融点:107〜108℃。 本品はHPLC測定の結果、含有量97.0%と選択的にp-位に
ニトロ基が導入された所望の化合物であったのでこのま
ま次工程に使用した。又、本品のDSC測定の結果、発
熱開始温度は 213℃と極めて熱安定性が高いものであっ
た。1 HNMR δppm(重クロロホルム):1.22(3H, t,メチル)、2.62
(3H, s,メチル)、2.98(3H, s,メチル)、3.34(2H,
q,メチレン)、3.50(2H, q,メチレン)、3.60(2H, t,
メチレン)、4.82(1H, t,NH)、6.47(1H, d,芳香環
水素)、6.52(1H,dd,芳香環水素)、8.04(1H, d,芳香
環水素)。 IR νcm-1(KBr錠):3262(NH)、3007、2976、2938、
1602、1564、1508(NO2)、1318(NO2)。
【0039】(3)4-アミノ−3-メチル−N-エチル−N-
(2-メタンスルホンアミドエチル)アニリンの合成 上記(2)で得た4-ニトロ−3-メチル−N-エチル−N-(2-
メタンスルホンアミドエチル)アニリン9.04g(0.03モ
ル)を90%メタノール90mlに溶解し、ラネーニッケル0.
5gを加えて常圧下、25〜35℃で8時間水素添加還元し
た。反応後、触媒を濾別し、濾液を減圧濃縮して残渣の
4-アミノ−3-メチル−N-エチル−N-(2-メタンスルホン
アミドエチル)アニリン8.0gを微紅色油状物として得
た。(収率:98%)。本品はHPLC測定の結果、含有量は
100%で全く不純物は検出されなかった。(3工程の通
算収率:88.3%)。1 HNMR δppm(重クロロホルム):1.01(3H, t,メチル)、2.15
(3H, s,メチル)、2.86(3H, s,メチル)、3.12〜3.25
(6H, m,メチレン)、4.80(1H,bs,NH)、6.61〜6.67
(3H, m,芳香環水素)。 IR νcm-1(液膜):3264(NH)、2972、1612。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、特にカラ
ー写真用の現像液として大量に生産、消費されるp-フェ
ニレンジアミン誘導体を、市販品として入手容易なアニ
リン誘導体を出発原料として、簡便な操作で、工業的
に、高収率且つ高品質で製造できる新しい方法を提供す
るものであり、下記の如き顕著な効果を奏する。(i)
本発明に係る製造方法は各工程共所望の反応性が極めて
高い事に起因して、各工程で後処理が簡略化され、蒸留
や再結晶等の精製操作も一切不要であり、得られた中間
体はそのまま次工程に使用出来、更に最終工程も精製せ
ずに意図する用途に適した品質が確保出来る為、目的の
p-フェニレンジアミン誘導体がロスなく高収率で得られ
る。(ii)又、各中間体は単離せずに操作出来る為に作
業者との接触も極力回避され、更に中間体のニトロ化合
物も熱安定性が高いので安全衛生の面からも極めて優れ
た方法であるということができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 233/78 7106−4H 309/69 7419−4H 309/72 7419−4H 311/32 7419−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1] 【化1】 [式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2
    炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基又はアルキル置
    換フェニル基を表し、R3は水素原子、炭素数1〜3の
    アルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基を表し、X
    は−O−又は−NH−を表し、Yは−CO−又は−SO
    2−を表し、nは1〜3の整数を表す。]で示されるア
    ニリン誘導体にニトロ化剤を作用させて置換アミノ基の
    p-位を選択的にニトロ化した後、水又はアルカリ水溶液
    で処理して下記一般式[2] 【化2】 [式中、R1、R3、X及びnは前記と同じ。Zは水素原
    子、−COR4(但し、R4は炭素数1〜3のアルキル
    基、フェニル基、アルキル置換フェニル基を表す。)又
    は−SO24(但し、R4は前記と同じ。)]で示され
    る化合物を得、次いでこれを還元する事を特徴とする一
    般式[3] 【化3】 [式中、R1、R3、R4、X、Z及びnは前記と同
    じ。]で示されるp-フェニレンジアミン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 下記一般式[4] 【化4】 [式中、R1、R3、X及びnは前記と同じ。]で示され
    るアニリン誘導体をアシル化剤又はスルホニル化剤と反
    応させて得られる一般式[1]で示されるアニリン誘導
    体を原料として用いる請求項1に記載の製造方法。 【0001】
JP2859393A 1993-01-25 1993-01-25 p−フェニレンジアミン誘導体の製造方法 Withdrawn JPH06219997A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102070020B1 (ko) * 2018-10-05 2020-01-29 울산과학기술원 정사면체 구조인 옥타아민 화합물 및 그 제조방법

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KR102070020B1 (ko) * 2018-10-05 2020-01-29 울산과학기술원 정사면체 구조인 옥타아민 화합물 및 그 제조방법

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