JP2003081911A - 新規光学活性化合物および新規鏡像体過剰決定法 - Google Patents

新規光学活性化合物および新規鏡像体過剰決定法

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JP2003081911A
JP2003081911A JP2001319947A JP2001319947A JP2003081911A JP 2003081911 A JP2003081911 A JP 2003081911A JP 2001319947 A JP2001319947 A JP 2001319947A JP 2001319947 A JP2001319947 A JP 2001319947A JP 2003081911 A JP2003081911 A JP 2003081911A
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mαnp
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deuterium
diastereomers
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Noriyuki Harada
宣之 原田
Masataka Watanabe
政隆 渡辺
Hiromi Taji
宏美 田地
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Tokyo Kasei Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ジアステレオマーを利用したアルコール,アミ
ン類の鏡像体過剰決定法は,極めて実用的な方法として
幅広く利用されている。しかしながら,ジアステレオマ
ー生成の際における速度論的光学分割の影響を全く考慮
せずに鏡像体過剰決定に供されている。速度論的光学分
割の影響を排除した鏡像体過剰の決定法が強く求められ
ている。 【解決手段】鏡像体過剰量が未知のアルコール,アミン
類とキラル誘導体化試薬,および下記一般式で示される
その重水素置換体のエナンチオマーを同時に反応せし
め,得られた一方のジアステレオマーから(軽水素体/
重水素置換体)の比を求め,他方のジアステレオマーか
ら(重水素置換体/軽水素体)の比を求め,それぞれの
比を乗じることにより,速度論的光学分割の影響を排除
した,より正確な鏡像体過剰量を決定することができ
る。 (Rは重水素で置換されたアルキル基,Rはアルキ
ル基,Arは芳香環である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2−[(
2n+1)アルキルオキシ]−2−アリールアルキルカ
ルボン酸に関するもの,および光学活性アルコール類,
アミン類の鏡像体過剰決定法に関するもので,医薬,農
薬等の属する分野および他の分野において要求されてい
る鏡像体過剰量の決定に供するものである。
【0002】
【従来の技術】医薬品などの生理活性物質は不斉中心を
有する化合物が多く,これら不斉中心を有する化合物に
は鏡像異性体が存在する。ことに,光学活性アルコール
類,アミン類は生理活性物質の主要な構成要素になって
いる。そして,この両鏡像体の間では,生理活性が大き
く異なったり,生体内での挙動が異なる場合がある。従
って,これらの鏡像体過剰量を正確に決定することが重
要な課題となっている。
【0003】アルコール類あるいはアミン類の鏡像体過
剰決定法は,いくつか知られている。例えば,旋光分散
法,キラル固定相を用いるクロマトグラフィー,キラル
移動相を用いるクロマトグラフィー,ジアステレオマー
によるクロマトグラフィー,シフト試薬を用いるNMR
法,ジアステレオマーによるNMR法などが挙げられ
る。しかしながら,旋光分散法は純粋な鏡像体の比旋光
度と試料の比旋光度を比較するもので,純粋な鏡像体の
入手に困難を伴うことが多く,満足の行く方法であると
は言い難い。キラル固定相を用いるクロマトグラフィー
は固定相への吸着が強いほどピークがブロードとなり,
正確な鏡像体過剰決定が困難となる。また,しばしば不
完全分離を起こし,この手法そのものが適用できないこ
ともある。キラル移動相を用いるクロマトグラフィーは
適応できる例が少なく,一般性のある方法でない。シフ
ト試薬を用いるNMR法は,鏡像異性体間で十分にシグ
ナルが分離することが少なく,満足の行くものでない。
ジアステレオマーによるクロマトグラフィーやジアステ
レオマーによるNMR法は一般性を有し,極めて実用的
な方法で,幅広く利用されている。発明者らは先に
(R)−および(S)−2−メトキシ−2−(1−ナフ
チル)プロピオン酸[以下,それぞれ(R)−MαN
P,(S)−MαNP]を開発し,そのキラル誘導体化
試薬としての有用性を報告している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,一般に
上記ジアステレオマーによる方法は,ジアステレオマー
生成の際における速度論的光学分割の影響を全く考慮せ
ずに鏡像体過剰決定に供されている。近年,より正確な
鏡像体過剰量を決定することが必要とされ,ジアステレ
オマー生成における速度論的光学分割の影響を排除した
鏡像体過剰の決定法が強く求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで,発明者らは鋭意
研究を重ねた結果,本発明を完成するに至った。すなわ
ち,本発明は下記構造式
【0006】
【化2】
【0007】(ただし,Rは重水素で置換されたアル
キル基,Rはアルキル基,Arは芳香環であって,置
換されていても良い)で示される重水素置換キラル誘導
体化試薬,およびそれを用いる鏡像体過剰の決定に関す
るものである。本発明に係る化合物の代表例としてキラ
ル2−()メトキシ−2−(1−ナフチル)プロ
ピオン酸[以下,MαNP−d]を取り上げ,本発明
の有用性を明らかにする。なお,本発明の代表例である
MαNP−dは文献未載の新規化合物であり,下記反
応式に従い合成することができる。
【0008】
【化3】
【0009】第一工程は2−ヒドロキシ−2−(1−ナ
フチル)プロピオン酸メチルを水素化ナトリウムの存在
下,重水素置換ヨードメタンと反応させた後,加水分解
することでMαNP−dを得る工程である。この工程
で使用しうる溶媒はTHF,エーテル,トルエン,アセ
トニトリルなど,あるいはこれらの混合溶媒が挙げられ
る。反応温度は−30℃から溶媒の還流温度の間で適宜
選択される。反応時間は使用しうる溶媒,反応温度,あ
るいは濃度により異なるが,30分から7時間の間で適
宜選択される。
【0010】第二工程はMαNP−dを光学分割し,
(S)−MαNP−dと(R)−MαNP−dを得
る工程である。まず,MαNP−dと(−)−メント
ールを反応させ,エステルを生じせしめる。この反応に
おいて,縮合剤としてはDCC−DMAP,トリフェニ
ルホスフィン−ジエチルアゾジカルボキシラート,トリ
フェニルホスフィン−2,2’−ジピリジルジスルフィ
ド,ジフェニルホスホリルアジドなどから適宜選択され
る。得られたエステルのジアステレオマーを分離し,そ
れぞれを加水分解することで(S)−MαNP−d
および(R)−MαNP−dが得られる。光学分割剤
としては(−)−メントールの使用例を示したが,これ
は一例であり,この例に限定されるものではない。アル
カロイドのごとき光学活性な塩基とジアステレオマーの
塩を生成せしめ,光学分割してもよい。
【0011】本発明化合物の一つである(R)−MαN
P−dは,(S)−MαNPと共に用いて鏡像体過剰
決定に用いられる。本発明に係る鏡像体過剰決定法の一
例として,NMRを測定手段とした例を取り上げ,下記
反応式を用いてその有用性を明らかにする。
【0012】
【化4】
【0013】従来より行われているジアステレオマー法
による鏡像体過剰決定の最初の段階はジアステレオマー
の生成である。今,キラルアルコール(R)−アルコー
ル,およびそのエナンチオマー(S)−アルコールの混
合物があり,その存在量をそれぞれx,yとする。この
混合物にキラル誘導体化試薬(S)−MαNPを反応さ
せ,エステルを生成せしめる。この時生成したエステル
は,(S,R)−MαNPエステル,およびそのジアス
テレオマー(S,S)−MαNPエステルで,それぞれ
の存在量をX,Yとする。存在量XおよびYはX=k
x,Y=kyで示される。ここで,k,kは速度
論的光学分割因子を考慮した比例定数である。従来から
報告されているジアステレオマー法ではk=kと近
似し,X,Yの存在比を測定し,この比がxとyの存在
比であるとしている。しかしながら実際は,ジアステレ
オマー生成の際,速度論的光学分割が生じることにより
≠kとなり,ジアステレオマーの存在比がエナン
チオマーの存在比を正しく反映していない。従って,ジ
アステレオマーの存在比を厳密に測定してもエナンチオ
マーの存在比を正しく把握できないことになる。本発明
に係る方法は速度論的光学分割因子の影響を排除した鏡
像体過剰決定法である。
【0014】キラル誘導体化試薬(S)−MαNPおよ
びその重水素置換体のエナンチオマー(R)−MαNP
−dを任意の割合で混合し,鏡像体過剰が未知である
アルコールと縮合させる。ここで,4種類のエステルが
生成する。(S)−MαNPからは(S,R)−MαN
Pエステル,(S,S)−MαNPエステルが,(R)
−MαNP−dからは(R,R)−MαNP−d
ステル,(R,S)−MαNP−dエステルが生成す
る。それぞれのエステル存在量X,Y,X’,Y’と,
(R)−アルコール,(S)−アルコールの存在量x,
yの関係は次式のように示される。
【0015】
【数1】X=kx ‥‥(1) Y=ky ‥‥(2) X’=akx‥‥(3) Y’=aky‥‥(4)
【0016】ここで,速度論的光学分割因子を考慮した
比例係数をkとする。(S)−MαNPと(R)−アル
コール,(R)−MαNP−dと(S)−アルコール
の縮合反応はそれぞれエナンチオマー同士の反応なの
で,速度論的光学分割因子は等しい。この比例係数をk
とする。(S)−MαNPと(S)−アルコール,
(R)−MαNP−dと(R)−アルコールの縮合反
応の速度論的光学分割因子も等しく,この比例係数をk
とする。また,(R)−MαNP−dのエステルと
(S)−MαNPのエステル生成比は,主に(R)−M
αNP−dの(S)−MαNPとの混合比,およびエ
ステル生成速度におよぼすアイソトープ効果に依存す
る。これらに起因する係数をaとする。従って,各エス
テルの存在量と(R)−アルコール,(S)−アルコー
ルの存在量の関係は式(1),(2),(3),(4)
のようになる。ここで,下記式のように,XとY’の
比,X’とYの比を求め,両者を乗じることで,k
およびaを排除し,X,X’,Y,Y’,x,yの
みから成る関係式を導き出すことができる。すなわち,
ジアステレオマー形成の過程での速度論的光学分割因子
を排除できたことになる。
【0017】
【数2】 X/Y’=(kx)/(aky) =(1/a)x/y ‥‥(5) X’/Y=(akx)/(ky) =(a)x/y ‥‥(6) (X/Y’)(X’/Y)=[(1/a)x/y][(a)x/y] =(x/y) ‥‥‥‥‥‥(7)
【0018】式(7)において,XとY’の比,および
X’とYの比を測定すれば,元のアルコールの鏡像体過
剰量が正しく決定できることになる。この4種類のエス
テル混合物はHPLCにてジアステレオマーを分離する
ことができる。(S,R)−MαNPエステル(X),
(R,S)−MαNP−dエステル(Y’)の組と,
(S,S)−MαNPエステル(Y),(R,R)−M
αNP−dエステル(X’)の組に分離できる。ここ
で,分離したエステルのH NMRを測定する。
【0019】
【化5】
【0020】第1の溶出成分は,(S,R)−MαNP
エステルと(R,S)−MαNP−dエステルの混合
物で,そのH NMRは,メチル基プロトンaのシグ
ナルが2.0ppm付近に,メトキシ基プロトンbのシ
グナルが3.1ppm付近に現れる。従って,2.0p
pm,および3.1ppm付近のシグナルを積分し,そ
の比を求めることで(S,R)−MαNPエステルと
(R,S)−MαNP−dエステルの存在比,X/
Y’を知ることができる。次いで,第2の溶出成分につ
いても同様にH NMRを測定し,X’/Yを得る。
この値を式(7)に代入してx/yを求めることができ
る。なお,ジアステレオマーの分離手段としてHLP
C,軽水素体と重水素化体の存在比の測定手段として
H NMRを用いる例を示したが,これに限定されるも
のではない。例えば,LC−MSを用いることにより,
ジアステレオマーの分離,そしてジアステレオマー中の
軽水素体,重水素置換体の比を一度に求めることができ
る。本発明に係る鏡像体過剰決定法の本質は,キラル誘
導体化試薬とその重水素置換体のエナンチオマーを鏡像
体過剰量未知の試料に同時に反応せしめ,得られたジア
ステレオマーを分離し,分離した一方のジアステレオマ
ーから(軽水素体/重水素置換体)の比を求め,他方の
ジアステレオマーから(重水素置換体/軽水素体)の比
を求め,それぞれの比を乗じることから成る。
【0021】
【実施例】以下に本発明の代表的な実施例を記載する
が,これは例示の目的であり,本発明を制限するもので
はない。本発明の範囲内では変形が可能なことは当業者
には明らかであろう。
【0022】実施例1 (R)−2−()メトキ
シ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸の合成 2−ヒドロキシ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸メ
チル(8.0mmol)をTHF(8.0ml)溶媒
中,水素化ナトリウム(0.181g)の存在下,重水
素置換ヨードメタン(99.5atm%D,8.0mm
ol)と反応させた。加水分解することでMαNP−d
を得た。MαNP−d(0.848g)と(1R,
3R,4S)−(−)−メントール(0.693g)を
塩化メチレン(3.6ml)に溶解させ,DCC(0.
932g)とDMAP(0.236g)を加え,室温で
21時間攪拌し,エステルを生成する。このエステルを
含む塩化メチレン溶液を下記の条件のHPLCに注入,
21.5分後に(S)−MαNP−d−(1R,3
R,4S)−(−)−メントールが溶出し,30.2分
後に(R)−MαNP−d−(1R,3R,4S)−
(−)−メントールが溶出した。これをそれぞれ分取し
た。この時,分離係数はα=1.76,分離度はRs=
3.13であった。ナトリウムメトキシドの存在下で加
水分解後,希塩酸を加えて析出せしめ,(S)−MαN
P−d(0.300g),あるいは(R)−MαNP
−d(0.304g)を得た。以下にHPLC条件,
およびそれぞれの物性を示す。 装置 :HPLC Tosoh CCPP−D カラム :シリカゲル 内径22mm 長さ300mm 溶出液 :ヘキサン:酢酸エチル(20:1) 流速 :10ml/分 (S)−MαNP−dの物性 1718,1510,1458,1371,1241,
1185,1145,1113,1068,1025,
911,801,779,733cm−1HNMR
(400MHz,CDCl)δ2.04(3H,
s),7.46−7.52(3H,m),7.64(1
H,dd,J=7.3,1.0Hz),7.87−7.
89(2H,m),8.20−8.23(1H,m) (R)−MαNP−dの物性 1718,1510,1458,1371,1241,
1185,1145,1113,1068,1025,
911,801,779,733cm−1HNMR
(400MHz,CDCl)δ2.04(3H,
s),7.46−7.52(3H,m),7.64(1
H,dd,J=7.3,1.0Hz),7.87−7.
89(2H,m),8.20−8.23(1H,m)
【0023】実施例2 光学活性アルコールの鏡像体過
剰量の決定 (S)−M α NP(4.08mg),(R)−M
α NP−d(4.02mg)[(S):(R)=
1:0.987],DCC(40.3mg),DMAP
(8.4mg),10−カンファースルホン酸(7.8
mg)を混合し,(R)−2−ヘキサデカノール7.4
297mg,(S)−2−ヘキサデカノール1.807
2mgを含む塩化メチレン(1.0ml)に加え,12
時間還流し,(S,S)−MαNPエステル,(S,
R)−MαNPエステル,(R,S)−MαNP−d
エステル,(R,R)−MαNP−dエステルを得
た。このエステルを含む塩化メチレン溶液を下記の条件
のHPLCに注入,12.6分後に(S,R)−MαN
Pエステルと(R,S)−MαNP−dエステルが溶
出し,16.8分後に(S,S)−MαNPエステルと
(R,R)−MαNP−d3エステルが溶出した。この
時,分離係数はα=1.33,分離度はRs=4.00
であった。これを分取し,H NMRを測定した。以
下にHPLC条件およびH NMRデータを示す。 装置 :HPLC Tosoh CCPP−D カラム :シリカゲル 内径22mm 長さ300mm 溶出液 :ヘキサン:酢酸エチル(20:1) 流速 :10ml/分 H NMRデータ 2.0ppmにメチル基が,3.1ppmにメトキシ基
のプロトンが観測される。2.0ppmのメチル基は軽
水素体,重水素置換体の両者の合計で,3.1ppmに
メトキシ基は軽水素体のみに起因するシグナルである。
上記HPLC条件下,12.6分に溶出した(S,R)
−MαNPエステルと(R,S)−MαNP−dエス
テル混合物,および16.8分に溶出した(S,S)−
MαNPエステルと(R,R)−MαNP−dエステ
ル混合物の2.0ppmと3.1ppmにおける
NMRの積分比は次の通りである。
【0024】
【表1】
【0025】第1溶出成分のH NMRからX=1,
Y’=1.22−1.00=0.22となり,第2溶出
成分のH NMRからY=1,X’=4.60−1.
00=3.60となる。これを(X/Y’)(X’/
Y):(x/y)に代入しx,yを求め,x=0.1
982,y=0.8017を得た。よってH NMR
の結果から求められた鏡像体過剰量は60.35%ee
となる。
【0026】
【発明の効果】以上のように,実施例2において使用し
たアルコールの重量から求めた実際の鏡像体過剰量は6
0.87ee%で,これはH NMRから導き出され
た値と良く一致しており,本発明の有効性を示してい
る。この様に本発明に係る鏡像体過剰決定法は,従来の
ジアステレオマーによるクロマトグラフィーやNMR法
で全く考慮されていなかった速度論的光学分割の影響を
排除し,より正確な鏡像体過剰量を決定できる有用な分
析法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07M 5:00 G01N 24/00 D 7:00 24/08 510P

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造式 【化1】 (ただし,Rは重水素で置換されたアルキル基,R
    はアルキル基,Arは芳香環であって,置換されていて
    も良い)で示される新規光学活性化合物。
  2. 【請求項2】Rが重水素で置換されたメチル基,R
    がメチル基,Arが1−ナフチル基である請求項1の化
    合物。
  3. 【請求項3】鏡像体過剰量が未知のアルコール,あるい
    はアミン類の鏡像体過剰決定において,鏡像体過剰量が
    未知のアルコール,あるいはアミン類をキラル誘導体化
    試薬,およびその重水素置換体のエナンチオマーと同時
    に反応せしめ,得られたジアステレオマーを分離し,分
    離した一方のジアステレオマーから(軽水素体/重水素
    置換体)の比を求め,他方のジアステレオマーから(重
    水素置換体/軽水素体)の比を求め,それぞれの比を乗
    じることから成る鏡像体過剰決定法。
  4. 【請求項4】ジアステレオマーの軽水素体,重水素置換
    体の比をNMRあるいは質量分析計を用いて求める請求
    項3記載の方法。
  5. 【請求項5】キラル誘導体化試薬が(S)−2−メトキ
    シ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸で,その重水素
    置換体のエナンチオマーが(R)−2−()メト
    キシ−2−(1−ナフチル)プロピオン酸で,H N
    MRを用いて軽水素体,重水素置換体の比を求める請求
    項3記載の鏡像体過剰決定法。
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JP2021043083A (ja) * 2019-09-11 2021-03-18 大陽日酸株式会社 鏡像体過剰率の測定方法

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