JP2003080572A - 射出成形方法 - Google Patents

射出成形方法

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JP2003080572A JP2001279161A JP2001279161A JP2003080572A JP 2003080572 A JP2003080572 A JP 2003080572A JP 2001279161 A JP2001279161 A JP 2001279161A JP 2001279161 A JP2001279161 A JP 2001279161A JP 2003080572 A JP2003080572 A JP 2003080572A
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Etsuo Okahara
悦雄 岡原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形後の成形品に残留する内部応力を防止し
て、歪の少ない良好な成形品を成形する。 【解決手段】 金型を強く型締めしてから樹脂を漏らさ
ないようにして射出し、樹脂を充填した後に、第2工程
として型締力を除去することによって、型内の樹脂圧力
を減少させて、成形品の中に残る樹脂充填時の応力を解
消する。その後、小さな型締力で型締めすることによ
り、一旦解消した内部応力を増大させることなく成形品
の形状を整えて成形する。また、型締力を除去した後、
型開状態を維持することによって、成形品と金型キャビ
ティに隙間を生じさせて冷却速度を調整し、成形品各部
の冷却条件の違いによって発生する内部応力を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型内に樹脂を充
填して成形する射出成形方法に関するものであり、特に
成形後の成形品に残留する内部応力を防止して、歪の少
ない良好な成形品を成形するに適した射出成形方法であ
る。
【0002】
【従来技術】樹脂成形において一般的に使用されている
射出成形方法は、金型キャビティ内に、溶融した樹脂を
高い圧力で射出充填して成形する。射出成形方法で成形
される成形品の形状は多種多様であるが、成形品のコス
ト低減化や計量化等のため、近年は肉厚が薄い薄物成形
品が好まれるようになってきており、該薄肉成形品は、
強度改善のためのリブや取り付けのためのボスが形成さ
れて、形状が非常に複雑になってきている。また、近年
は、前記射出成形方法で自動車用バンパー等の大型成形
品を成形することが求められるようになってきており、
大型成形機で大型の成形品を製造する機会が増えてきて
いるが、該大型の成形品は、前記した薄肉の成形品と同
様に強度改善のためのリブや取り付けのためのボスが形
成されて、形状が非常に複雑になってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記肉
厚が薄い薄物成形品は、金型内で流動中の樹脂が冷却さ
れやすく、金型内を樹脂が流れにくいため、高い圧力に
より金型内に射出充填する必要がある。また、大型品
は、金型内を流れる樹脂の流動長が長くなりやすく、金
型内を樹脂が流れにくいため、高い圧力により金型内に
射出充填する必要がある。
【0004】このように、高い圧力で金型内に充填され
た樹脂は、ゲート部から最終充填位置にかけて圧力勾配
を有しており、その内部に大きな圧力の偏り(圧力差)
を生じている。圧力の偏りを有した状態で充填した樹脂
を、そのまま冷却して取り出した場合の成形品は、成形
時の充填圧力による内部応力を残したまま成形品とな
る。そのため、前記高い充填圧力で成形した成形品は、
金型から取り出した後、内部に残存する応力によって変
形することになる。
【0005】また、成形品の片側にリブやボスなどの凸
部が集中して形成されていると、リブやボスを形成する
ために充填した樹脂の熱量が多くなる。そのため、リブ
やボス等を集中して形成した側と、リブやボス等を形成
していない側とで保有する熱量が異なり、リブやボスな
どが集中して形成した側の樹脂の冷却が遅くなる。従っ
て、樹脂をそのまま冷却して取り出した場合の成形品
は、リブやボス等を集中して形成した側と、リブやボス
等を形成していない側との、冷却状態の違いによって、
例えば結晶化の状態等の固化状態が異なり、内部に応力
を残したまま成形品となる。固化状態が異なることによ
り内部に応力を残した成形品は、金型から取り出した
後、内部に残存する応力によって変形をおこす。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてな
されたものであり、高い圧力によって金型内に充填され
て成形された成形品に残留する歪を防止して、歪の少な
い良好な成形品を成形するに適した射出成形方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明による射出成形方法は、 (1) 金型キャビティに溶融樹脂を充填して成形する
樹脂の射出成形方法において、金型を第1の型締力によ
り型締めした状態で金型キャビティに樹脂を充填する第
1の工程と、樹脂の充填完了後から第1の所定時間経過
後に金型の型締力を除去して概略0にする第2の工程
と、第2の工程で型締力を除去した金型を第1の型締力
より小さい第2の型締力によって再度型締めする第3の
工程と、を備えた。
【0008】(2) (1)記載の射出成形方法におい
て、前記金型キャビティが、固定型に形成されたキャビ
ティ面と、可動型に形成されたキャビティ面と、の2つ
のキャビティ面から形成され、該2つのキャビティ面の
一方に凹部を有する場合において、前記第2の工程で型
締力を除去すると同時に金型を型開し、該凹部を形成し
たキャビティ面と異なる側のキャビティ面を成形品と離
間させた状態で第2の所定時間保持する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明によ
る実施形態の好ましい1例について詳細に説明する。図
1〜図2は本発明の実施の形態に係り、図1は本発明の
射出成形方法に使用した射出成形装置の全体構成図であ
り、図2(1)〜(3)は射出成形時における金型装置
内の樹脂充填状態と装置全体の挙動とを説明する概念図
である。図3は金型キャビティ内における成形品の冷却
状態の違いを説明するための概念図であって(A)が従
来品であり(B)が本発明による。図4は成形時の型締
め状態の違いによる成形品の形状の違いを説明するため
の概念図である。
【0010】図1に示すように、本発明の実施形態に使
用される射出成形装置100は、金型装置10(金型1
0と称することもある)、型締装置20、射出装置3
0、および型締装置20と射出装置30を制御する制御
装置60とを備えている。
【0011】ここで金型装置10は、図1に示すように
固定型3と可動型4とを備えており、雌型である固定型
3と雄型である可動型4とがくいきり構造の嵌合部で嵌
め合わされ、該嵌め合わされた状態で、固定型3に形成
されたキャビティ面と可動型4に形成されたキャビティ
面とが組み合わされて、金型キャビティを形成する構造
となっており、該くいきり構造の嵌合部(くいきり部と
称することもある)は金型キャビティの全周にわたって
形成されている。そして、金型装置10はくいきり部に
て金型キャビティに充填した樹脂が、該金型装置100
から漏れ出すことを防止することができる。
【0012】なお、本実施の形態においては、金型装置
10をわずかに開いても金型キャビティ内に充填した樹
脂が漏れ出すことがないよう、好ましい実施形態として
くいきり構造の金型を使用したが、これに限るものでは
なく、それ以外のパーティングを有する構造の金型を用
いても良い
【0013】また、図1に示すように固定型3は固定盤
1に取り付けられ、可動型4は可動盤2に取り付けられ
ているので、後述する型締装置20を作動させて、可動
型4を固定盤1に取り付けられた固定型3に対して前後
進させることができる。
【0014】本実施の形態に用いた型締装置20は、可
動盤2と固定盤1と型締シリンダ22と、型締シリンダ
22に駆動により作動するトグル式型締機構8(トグル
機構と称することもある)と、型締シリンダ22に所望
の油圧を供給する油圧源を備え、可動盤2は固定盤1と
エンドプレート5との間に架設したタイバー7に案内さ
れて、型締シリンダ22の駆動により可動金型4ととも
に前後進できるよう構成されている。また、本実施形態
においては、位置センサLが、可動盤2の位置を測定で
きるようにして配されている。
【0015】また、制御装置60は、該位置センサLの
出力信号より可動盤2の位置を検知して、型締シリンダ
22に油圧を供給する型締シリンダ制御バルブ(型締C
YL制御バルブと称することもある)を制御し、可動盤
2を所望の位置に正確に移動させ、可動盤2に取り付け
られた可動金型4を所望の位置に正確に移動させて金型
装置10を自在に開閉し、また所望の型締力で型締でき
るよう構成されている。
【0016】なお、本実施形態においては、図1に示す
ような油圧式のトグルタイプの型締装置20を使用した
が、可動盤2を所望の位置に正確に、かつ、自在に移動
させることができ、金型装置10に十分な型締力を負荷
することのできる型締装置であれば、本実施形態に限ら
ず、電動式のトグルタイプ型締装置等、他のタイプの型
締装置を本発明に用いても良い。
【0017】次に、図1に示す射出装置30は、バレル
32とバレル32に内装されスクリュフライトを有する
スクリュ34と、バレル32内にコア材樹脂を供給する
ホッパ38と、該スクリュ34を前後進させる射出シリ
ンダ40と、該スクリュ34を回転させる油圧モータ4
2と、射出シリンダ40と油圧モータ42に所望の油圧
を供給する油圧源を備え、前記バレル32外周面には、
図示しないヒータが取付けられている。
【0018】前記射出装置30は、油圧モータ42によ
ってスクリュ34が回転することにより、ホッパ38か
らペレット形状のコア材樹脂がバレル内に供給される構
造となっており、該供給されたペレット形状のコア材の
樹脂は、バレル32に取付けられたヒータによって加熱
され、また、スクリュ34の回転によって混練圧縮作用
を受けることによって溶融し、スクリュ前方に送られ
る。スクリュ34の前方に送られたコア材の溶融樹脂
は、射出シリンダ40により前進するスクリュ34によ
って、バレル32の先端部にあるノズル39から射出す
ることができる。
【0019】そして、本実施形態に用いた制御装置60
は、型締装置を制御する型締制御部61と型締条件を設
定する型締条件設定器、および、射出装置を制御する射
出制御部63と射出条件を設定する射出条件設定器とを
備えている。
【0020】以下、本発明による射出成形方法の実施形
態の好ましい1例を、図1及び図2を用いて説明する。
最初の工程として、型締装置20の型締シリンダ22を
作動させることにより、トグル機構8を延伸させながら
可動盤2を固定盤1方向に移動させて金型装置10を型
閉し、第1の型締力W1にて金型装置10を型締する。
そして、第1の型締力W1(本実施形態においては30
0ton)にて金型装置10を型締する。
【0021】次に、図2(1)に示すように溶融樹脂
(本実施形態では、ポリプロピレン)を金型装置10内
に形成した金型キャビティに高圧で射出充填する。な
お、本実施形態における金型キャビティの投影面積は1
000cmであるため、金型キャビティ内における樹
脂充填時の最大圧力を金型キャビティ内で平均すると概
略30MPa(メガパスカル)となる。
【0022】ここで、型締制御部に内臓された図示しな
いタイマは射出完了時から計時開始を始め、予め型締条
件設定器に設定された第1の所定時間Ct(第1所定時
間Ctと称することもある)の間、型締力を保持して、
金型キャビティ内の成形品に圧力をかけながら冷却す
る。ここで、本実施形態においては第1所定時間Ctは
1秒とした。第1の所定時間Ctは、型をわずかに型開
いても成形品が型崩れしない程度の時間から成形品の内
部まで冷却が進行して固化しないまでの時間であって、
成形品の肉厚及び形状、また金型温度、樹脂温度、及び
樹脂の種類等によっても異なるが、一般的には0.5秒
から15秒までの範囲となる。実際の成形においては、
前記時間の範囲内において、第1の所定時間Ctを変化
させて、成形品が型崩れしない最短の時間を求めて、第
1の所定時間Ctとすることが好ましい。
【0023】第1所定時間Ct経過後に、第2工程に進
み、前記型開力を除去して型締力を0にするとともに、
本実施形態においては、金型装置10は金型キャビティ
を広げるように開き始める。ここで、型締力を解除して
概略0にしたことにより、金型キャビティ内における溶
融樹脂の圧力は急激に減少して、概略0MPa(メガパ
スカル)となる。
【0024】なお、本実施形態においては、金型装置1
0をわずかに開いた状態であっても、固定型3と可動型
4の間に形成したくいきり構造の嵌合部によりシールさ
れており、金型キャビティ内の溶融樹脂が金型装置10
の外に漏れ出すことはない。
【0025】型締力を解除した後、第3工程に進み、金
型装置10を型閉し、第2の型締力W2(本実施形態に
おいては50ton)にて金型装置10を型締する。こ
の際における金型キャビティ内における溶融樹脂の最大
圧力を金型キャビティ内で平均すると概略5MPa(メ
ガパスカル)となる。
【0026】本発明の方法は、樹脂の充填においては、
金型装置10を強く型締めし樹脂を漏らさないようにし
て射出するため、ゲート部付近と最終充填位置付近との
間で、大きな圧力差を有している。そのため、金型装置
10に樹脂を充填した後に第1の所定時間Ctが経過し
てから第2工程として型締力を解除することによって、
型内の樹脂圧力を減少させて、ゲート部と最終充填位置
付近での圧力差を小さくして、成形品内部に発生した応
力を解消する。
【0027】その後、第3工程で、再度金型装置10を
閉じることによって、金型装置10内の成形品を再度賦
形することにより成形品の形状を整える。第3工程で
は、金型装置10内の溶融樹脂に再度圧力をかけること
になるが、小さな型締力で型締めすることにより、樹脂
充填時に溶融樹脂にかかる圧力より低く抑え、型締力を
除去することにより一旦解消した成形品内部の応力を増
大させることなく成形品の形状を整えて附形する。
【0028】金型キャビティ面で押圧する賦形の方法
は、型内の樹脂全体に均等に圧力をかけるといった点で
成形品に応力を残しにくいといった長所も有している
が、樹脂充填時において型締めした第1の型締力ほど強
い力で型締めすると、一旦解消した成形品内部の応力を
増大させることになるので好ましくない。従って、第2
の型締力W2は第1の型締力W1より小さくすることが
好ましく、成形品内部の応力を極力抑えるためには、特
に第2の型締力W2を第1の型締力W1の50%以下に
抑えることが好ましい。実際に成形においては、取り出
した際において成形品の形状が整う最低の型締力に第2
の型締力W2を選択して設定することが好ましい。
【0029】なお、参考として、図4に成形時の型締力
の違いによる成形品の形状の違いを概念的に示す。図4
(2)に最初から最後まで低い型締圧力(50ton)
で型締めした場合の成形品の形状を示す。最初から最後
まで高い型締力(300ton)で型締めして通常の型
締状態で成形した図4(1)に比較すると、型内圧力は
5Mpa程度となって、通常型締めした場合の30Mp
aと比べると低くなるので、成形品に残る応力そのもの
は小さくなる。しかしながらこの場合は、成形品全体が
小さくなるため、予めそれを勘案して金型装置10を大
きめに作成しておく必要がある。
【0030】また、樹脂の充填時においての型締圧力が
小さいために、樹脂の充填圧力によって金型装置10が
わずかに開いてしまう。そのため、金型装置10がわず
かに開いても樹脂が漏れ出さない金型の構造(例えばく
いきり構造等)にしておくことが必須であり、使用でき
る金型装置10の構造に制限を受ける。
【0031】図4(3)に示す本発明の方法は、成形品
の肉厚が相対的に厚くなるといった傾向を示すが、成形
品全体が小さくなることはなく、予めそれを勘案して金
型装置10を大きめに作成しておく必要はない。また、
樹脂の充填圧力により、金型装置10が開くことがない
ため、開いても樹脂が漏れ出さない構造の金型を使用す
ることが必須条件でなく、使用できる金型範囲が広いと
いった利点を有する。
【0032】また、本実施形態においては、第2工程に
おいて型締力を解除した後、型締制御部に内臓された図
示しないタイマBが型締力解除時から計時開始を始め、
予め型締条件設定器に設定された第2の所定の時間Bt
(第2所定時間Btと称することもある)の間、型開状
態を維持する。ここで、本実施形態における第2の所定
の時間Btは3秒であり、型開量ΔLは2mmである。
【0033】これは、本実施形態において成形した成形
品に凸部としてリブが形成されているためであって、リ
ブ部を形成するため充填した樹脂が有する熱を、金型キ
ャビティ面(リブを形成するために凹部を形成した側)
によって冷却する間、成形品の反リブ側の冷却を遅延さ
せるためである。成形品に形成される凸部は主にリブ,
ボスであるが、それらに限らず、例えばマーク(浮出し
文字)等、凸部の種類と形状は多様にある。そして、凸
部の大きさが成形品の肉厚に対して、ある一定以上大き
くなると凸部に保有する熱量が大きくなって、金型内で
そのまま冷却すると凸部を形成した側、形成しない側と
で冷却状態が異なり、取り出した成形品に反りを生じ
る。取り出した成形品が反るための、成形品肉厚と凸部
寸法の関係は、樹脂の種類など様々な要因によって変化
するが、概略凸部の厚み(高さ)が成形品肉厚の10%
を超えると起こりやすくなる傾向にある。
【0034】図3(A)及び(B)に、従来の場合(従
来品)と本発明による場合(改良品)を示す。本実施の
形態による図3(B)は、型開によって金型キャビティ
と成形品の反リブ側との間に隙間を生じさせることによ
り、成形品から金型キャビティに熱が移動する熱伝達を
小さくし、成形品の反リブ側の冷却を遅延させる。これ
により、成形品の反リブ側とリブ側とで、冷却速度を調
整し、概略同じ速度で成形品の温度が低下していくよう
にすることによって、冷却条件の違いによって生じる内
部応力を防止する。
【0035】第2の所定時間Btは、成形品を取り出し
た際において成形品の反りが減少するように、成形品の
反リブ側の冷却を遅延させるための時間であって、成形
品の肉厚及び形状、また金型温度、樹脂温度、及び樹脂
の種類等によっても異なるが、一般的には0.5秒から
5秒までの範囲となる。実際の成形においては、前記時
間の範囲内において、第2の所定時間Btを変化させ
て、金型装置10より取り出された成形品が最も反らな
い時間を求めて、第2の所定時間Btとすることが好ま
しい。
【0036】成形品にリブ等が形成されていない場合
は、成形品の反リブ側の冷却を遅延させる必要がないの
で、型締力を解除した後すぐに第3の工程に進むことが
好ましく、この場合は、第2の所定の時間Btの間、型
開状態を維持する必要はない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による射出
成形方法によれば、樹脂の充填においては金型を強く型
締めしてから樹脂を漏らさないようにして射出し、樹脂
を充填した後に、第2工程として型締力を除去すること
によって、型内の樹脂圧力を減少させて、成形品の中に
残る樹脂充填時の応力を解消する。そして、その後、小
さな型締力で型締めすることにより、一旦解消した内部
応力を増大させることなく成形品の形状を整えて成形す
る。
【0038】また、型締力を除去した後、所定の時間の
間、型開状態を維持することにより、金型キャビティと
成形品の反リブ側との間に隙間を生じさせることによっ
て、成形品から金型キャビティに熱が移動する熱伝達を
小さくし、成形品の反リブ側の冷却を遅延させる。これ
によって、成形品の反リブ側とリブ側とで、冷却速度を
調整し、概略同じ速度で成形品の温度が低下していくよ
うにする。これによって、冷却条件の違いによって生じ
る内部応力を残したまま成形品となることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に使用した射出成形装置の全
体構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる金型装置内の樹脂充
填状態と装置全体の挙動とを説明する概念図である。
【図3】金型キャビテ内における成形品の冷却状態の違
いを説明するための概念図である。
【図4】成形時の型締状態の違いよる成形品の形状の違
いを説明するための概念図である。
【符号の簡単な説明】
1 固定盤 2 可動盤 3 固定型 4 可動型 6 固定枠 8 トグル式型締機構 10 金型装置 20 型締装置 22 型締シリンダ 60 制御装置 100 射出成形装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型キャビティに溶融樹脂を充填して成形
    する樹脂の射出成形方法において、金型を第1の型締力
    により型締めした状態で金型キャビティに樹脂を充填す
    る第1の工程と、樹脂の充填完了後から第1の所定時間
    経過後に金型の型締力を除去して概略0にする第2の工
    程と、第2の工程で型締力を除去した金型を第1の型締
    力より小さい第2の型締力によって再度型締めする第3
    の工程と、を備えた樹脂の射出成形方法。
  2. 【請求項2】前記金型キャビティが、固定型に形成され
    たキャビティ面と、可動型に形成されたキャビティ面
    と、の2つのキャビティ面から形成され、該2つのキャ
    ビティ面の一方に凹部を有する場合において、前記第2
    の工程で型締力を除去すると同時に金型を型開し、該凹
    部を形成したキャビティ面と異なる側のキャビティ面を
    成形品と離間させた状態で第2の所定時間保持すること
    を特徴とした請求項1記載の樹脂の射出成形方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006316106A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Toyota Motor Corp ポリプロピレン樹脂組成物ならびにそれを用いた射出成形方法及び成形体
JP2007283752A (ja) * 2006-03-24 2007-11-01 Ricoh Co Ltd 樹脂成形品の製造方法および製造装置ならびに樹脂成形品

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