JP2003079301A - 飛翔害虫用捕獲器 - Google Patents

飛翔害虫用捕獲器

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JP2003079301A JP2001319370A JP2001319370A JP2003079301A JP 2003079301 A JP2003079301 A JP 2003079301A JP 2001319370 A JP2001319370 A JP 2001319370A JP 2001319370 A JP2001319370 A JP 2001319370A JP 2003079301 A JP2003079301 A JP 2003079301A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飛翔害虫を効率よく捕獲でき、ユーザーの使
い勝手の良好な飛翔害虫用捕獲器を提供する。 【解決手段】 捕獲器の基体の一部に非粘着部が設けら
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛翔害虫を効率よ
く捕獲でき、また、使い勝手が良好な飛翔害虫捕獲器に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着剤が棒状の基体の全体に塗布
されてなる飛翔害虫用捕獲器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の飛翔害虫用捕獲
器は、粘着剤が、棒状の基体の表面全体にわたって塗布
されていたため、ユーザーが捕獲器を取り扱う際に、ユ
ーザーの手などに粘着剤が付着することがあり、使い勝
手が悪かった。また使用後に、ユーザーは、ハエ等の飛
翔害虫が付着している捕獲器の基体の粘着剤が塗布され
た部分を把持して回収しなくてはならないため、不快感
に襲われがちだった。さらに、捕獲性能については、改
善の余地が残されていた。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、その目的は、ハエ等の飛翔害虫の捕獲性能を維
持または改善しつつ、ユーザーの使い勝手を向上した飛
翔害虫用捕獲器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の前述目的は、粘
着性が付与された長尺状の基体を有し、基体に飛翔害虫
を粘着捕獲する飛翔害虫用捕獲器であって、基体の一部
に非粘着部が設けられている飛翔害虫用捕獲器によって
達成することができる。ここでいう長尺状とは、棒状、
螺旋状、波状、渦巻状、扇子状、格子状等を含む。基体
は、捕獲面積を広くする形状であることが好ましい。こ
の飛翔害虫用捕獲器の構成によれば、ユーザーは、粘着
性が付与されていない非粘着部を保持しながら捕獲器を
設置、移動もしくは回収することができ、粘着剤が手な
どに付着することがない。このため、回収時の不快感を
なくすことができ、捕獲器の取り扱いが容易で、ユーザ
ーの使い勝手が良好である。非粘着部は、基体の一端部
および他端部の少なくとも一方に設けられることができ
る。かかる構成によれば、ユーザーは、基体の両端部も
しくは片方の端部に設けられる非粘着部を保持すること
で、基体の粘着性が付与された部分に触れないで済む。
このため、捕獲器の移動も容易であり、使い勝手が良
い。また、本発明の前述目的は、粘着性を付与された基
体を有し、基体に飛翔害虫を粘着捕獲する飛翔害虫用捕
獲器であって、基体を支持する支持部材を備え、該支持
部材が害虫用の誘引剤を保持する飛翔害虫用捕獲器を提
供することによって達成できる。かかる構成によれば、
支持部材に保持された誘引剤から害虫誘引成分が支持部
材の周囲雰囲気中に拡散され、ハエ等の飛翔害虫が基体
に誘導されやすくなるため、捕獲性能が向上する。ま
た、このような構成において、基体が中空形状であり、
誘引剤の成分が基体の内部を通って外部へ拡散されるよ
うにすれば、誘引剤の誘引成分を台座から基体の内部を
通って外部へ拡散させることができ、誘引成分を拡散さ
せるための開口などを別途に形成する必要がない。本発
明は、基体の一端部が、基体の軸方向に交わる方向に折
り曲げ可能な少なくとも一つの枝部を有していることが
好ましい。かかる構成によれば、長尺状に形成された基
体の枝部のそれぞれに粘着性を付与することが可能で、
この枝部を広げることで、飛翔害虫が止まる部分を拡大
できる。すなわち、捕獲領域が拡大する。ここで、使用
前の基体は、枝部が閉じられているので、コンパクトで
ある。そして、枝部を広げることで、より多くの飛翔害
虫を捕獲することができるようになり、捕獲能力が著し
く向上する。また、本発明は、中空形状の基体の一端部
が、基体の軸方向に交わる方向に折り曲げ可能な少なく
とも一つの枝部を有し、前記基体の内面に粘着性が付与
されていることが好ましい。かかる構成によれば、枝部
を広げることで、基体の内面の粘着性が付与された部分
を外部に露呈できる。水溶性フィルムまたは水溶性粉体
層が基体の表面に設けられていてもよい。すなわち、剥
離紙方式とは別に水溶性方式がある。剥離時には、粘着
剤の糸引きがあり、その点を無くすため水又はお湯で洗
って粘着面を露出させることが可能である。かかる構成
によれば、基体の粘着性を付与された面が使用時まで外
気にさらされることがないため、使用前に粘着性が低下
してしまうことがない。捕獲器を使用の際に、基体に粘
着性が付与されることが好ましい。かかる構成によれ
ば、使用時に粘着性が付与されるため、使用前に粘着性
が低下してしまうことがない。そして、使用開始時に基
体に良好な粘着性を付与することができる。このため、
捕獲能力が高い。基体が、粘着性が付与された平面部を
有し、平面部が剥離紙で覆われていることが好ましい。
かかる構成によれば、平面部に剥離紙を取り付け易く、
平面部から剥離紙を剥がすのも容易なため、製造し易く
かつ使いやすい。基体が、粘着性が付与された面を内側
にして折り畳まれた折畳み部を有し、捕獲器を使用の際
に、前記折畳み部が開かれることが好ましい。かかる構
成によれば、剥離紙を用いずに、粘着性の低下を防ぐこ
とができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図1に本発明の第1実施形態
である飛翔害虫用捕獲器1(以下「捕獲器1」という)
の全体図を示す。捕獲器1は円柱状(棒状)の基体2を
有している。かかる基体2には、粘着性を付与された粘
着部3が設けられている。また、基体2は、粘着性が付
与されていない、または、粘着性が除去された非粘着部
4を有している。本実施形態では、非粘着部4は円柱状
の基体2の両端部に形成されている。しかし、非粘着部
4は、必要に応じて基体2の端部以外の場所に設けるこ
ともできる。
【0007】基体2は、一方の端部を、支持部材として
の台座5に取外し可能に支持される。台座5には基体2
を取り付けるための取付孔5aが形成されている。図1
に示す例では、台座5に複数の取付孔5aが形成されて
おり、台座5に複数の基体2を立てることができる。台
座5に基体2を立てて、捕獲器1の設置が完了する。な
お、基体2は必ずしも台座5に取り付ける必要はなく、
用途に応じて、例えば、屋内の壁、床、柱、戸、その他
支持部材などの一部に取り付けることで飛翔害虫を捕獲
できる。また、基体2をロープなどに結び、吊した状態
で使用することも考えられる。基体2は、その周囲(端
部を除く)に障害物が配置されないようにセットされる
ことが好ましい。すなわち、基体2の周囲は、その全周
が、飛翔害虫が接近できるように自由空間となっている
ことが好ましい。
【0008】以上のような捕獲器1において、捕獲器1
を回収するとき、ユーザーは基体2に設けられた非粘着
部4を把持することができる。また、非粘着部4を把持
して基体2を台座5から引き抜いて、基体2のみを飛翔
害虫とともに廃棄することもできる。
【0009】なお、基体2の構成材料としては、木材、
樹脂、金属、布、紙、硝子などを例示できる。また、基
体2に粘着性を付与する方法としては、両面粘着テー
プ、粘着剤、高粘度の油等を用いた方法を例示できる。
粘着剤として、水で洗い流し可能なものを用いて、洗浄
と粘着剤付与とを繰り返して使用してもよい。
【0010】さらに、粘着性は必ずしも基体2の製造時
に基体2に付与されている必要はなく、使用の際に基体
2に粘着性を付与させることもできる。この場合、基体
2を台座5などに固定した後、基体2に粘着性を付与さ
せることで捕獲器1を使用することができる。
【0011】また、基体2の製造時に、図2に示すよう
に、粘着部3を剥離紙6で覆ってもよい。剥離紙6は、
例えば二枚一組で、基体2の粘着部3を挟んで互いに貼
りつけることができる。捕獲器1を使用の際には、剥離
紙6はユーザーによって基体2から剥がされ、粘着部3
が露出するようになっている。なお、この例においては
剥離紙6を用いたが、粘着部3の表面を適宜に覆うこと
ができればビニール部材などでもかまわない。しかし、
ビニール部材などを用いて粘着部3を覆う場合、粘着部
3に付与された粘着性の一部が、それを覆うビニール部
材の表面にも付着し、粘着部3の粘着性が劣化すること
が懸念される。したがって、剥離紙6を用いて粘着部3
を覆うことがより好ましい。基体2の製造時に、粘着部
3を水溶性フィルムまたは水溶性粉体層で覆ってもよ
い。水溶性フィルムまたは水溶性粉体層は、粘着部3を
外気から遮断することができれば、その構成・形状は自
由に選定することができる。使用の際には、ユーザー
は、水などの液体に水溶性フィルムまたは水溶性粉体層
をさらすことで溶解させる。すると、基体2の粘着部3
が露出する。水溶性フィルム及び水溶性粉体層の材質と
しては、水に易溶性あるいは難溶性で、フィルム状であ
る限り任意である。代表的には、メチルセルロース(M
C)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボ
キシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム(CMC−Na)等のセルロース誘
導体、可溶性デンプン、デンプングリコール酸ナトリウ
ム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン誘
導体、ペクチン、カラギーナン、ファーセレラン、プル
ラン(林原(株)製)、ローカストビーンカム、グアガ
ム、アラビアガム、トラガントガム、キサンタンガム、
アルギン酸ソーダ等の天然多糖類、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロ
リドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PE
G)、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の合
成増粘ゲル化剤、ゼラチン、カゼインナトリウム等を例
示できる。
【0012】基体2は棒状のものだけに限られず、渦巻
状、リング状、V字状等、さまざまな形状に形成するこ
とが考えられる。図3(a)から(c)に、本発明にか
かる基体2の変形例を示す。図3(a)に示す基体2
は、その一端側に平面部20を有し、他端側に円柱状の
部分を有し、羽子板状に形成されている。平面部20
は、対向する一対の広い面部20a、対向する一対の側
面部20b、端面部(図では上面部)20cを有してお
り、それらの表面に粘着部3が形成されている。一方、
図1に示した台座5などに取り付けられる基体2の円柱
状の部分は非粘着部4となっており、粘着性を付与され
ない。このような捕獲器1を回収する際、ユーザーは、
この円柱状の非粘着部4を把持することで、粘着部3に
触れることなく捕獲器1を取り扱うことができる。
【0013】なお、図3(a)の例において、粘着部3
を広い面部20a、側面部20b、端面部20cのそれ
ぞれに設けたが、少なくとも平面部20のいずれか一面
に設け、それ以外の面を非粘着部4としてもよい。ま
た、広い面部20a、端面部20b、20cの各面部の
一部分に粘着部3を設け、それ以外の部分を非粘着部4
としてもよい。しかし、捕獲能力を向上させるため、基
体2の表面積に対してできるだけ大きくなるように粘着
部3を設け、非粘着部4は必要最小限の大きさにするこ
とが好ましい。また、この例においては、平面部20
を、基体2の台座5側とは反対側の端部に設けたが、基
体2の中央部に設けてもよい。さらに、平面部20は、
基体2の円柱状の部分と一体成形とする構成、または、
別体とする構成のいずれでもよい。例えば、粘着部と、
非粘着部とを設けた方形状の部材に、図示しない貫通孔
を設け、この貫通孔に長尺状に形成した円柱状部材を挿
通し、固定する構成にしてもよい。
【0014】図3(b)に示す基体2は、図1に示す基
体2とほぼ同様のものであるが、基体2の台座5側とは
反対側の端部に、少なくとも一つまたは複数の枝部21
が枝分かれするように、軸方向に深さを有した切れ目7
が形成されていることで相違している。切れ目7は、基
体2の軸方向に沿って延びる、二つの交差する切断面で
あり、基体2の端部を4つの枝部21に区画している。
それぞれの枝部21は、端部から引き離され、軸方向に
交わる方向へ折り曲げ可能に構成されている。基体2の
端部に設けられた非粘着部4は、それぞれの枝部21の
先端部とともに分裂する構成となっている。このような
捕獲器1においては、基体2の端部が枝分かれし、ハエ
などの飛翔害虫が止まる領域を拡大できる。また、使用
前には、枝部21は閉じられているため、コンパクトで
ある。さらに、基体2の端部から枝部21を引き離すと
き、ユーザーは、枝部21の先端部に設けられた非粘着
部4を把持して引き離すことができる。こうすること
で、ユーザーは粘着部3に触れずに済む。
【0015】この例において、切れ目7は、軸方向に沿
って延びる二つの交差する切断面により形成されたが、
三つ以上の互いに交差する切断面により形成し、より多
くの枝部21を区画する構成にしてもよい。また、切断
面を設けず、台座とは反対側の基体2の端部が、軸方向
と交わるように折れ曲げることが可能な一つの枝部とな
るように構成することも可能である。なお、枝部21
は、基体2の材質の剛性が許す範囲で、曲線状、波状、
螺旋状、渦巻き状に形成することが可能である。
【0016】図3(c)に示す基体2は、角筒形状に形
成されている。基体2は、軸方向に連通した中空部22
を有している。このような捕獲器1においては、その基
体2内部に形成された中空部22に、飛翔害虫を誘引す
る薬剤等の誘引部材を入れることができる。また、かか
る誘引部材を基体表面に効果的に発散させるため、粘着
部3の表面から基体内部の中空部22に貫通する微小な
孔やスリット部(図示省略)を適宜設けてもよい。ここ
で、誘引部材としては、害虫誘引剤を含む溶液を保持し
た吸水紙、吸水性樹脂などが例示できる。
【0017】基体は、上述の各変形例を組み合せた構成
にすることで害虫捕獲能力をより向上させることができ
る。例えば、図3(a)に示した平面部20を有する基
体2に、図3(c)に示したような中空部22を形成す
る構成などが考えることができる。
【0018】図3(a)に示した平面部20の粘着部3
を、図2に示す剥離紙で覆うことも考えられる。このよ
うな構成においては、棒状などの曲面に貼りつける場合
と比べ、剥離紙を非常に貼り付け易く、かつ剥がし易く
することができる。また、図3(c)に示す角筒形状の
基体2に設けられた粘着部3に剥離紙を貼りつけること
も考えられる。このような構成においては、平面部20
と同様に、ユーザーが剥離紙を剥がし易い。剥離紙を基
体の粘着部に貼りつける方法は、図2に示したように、
剥離紙を二枚一組で貼り合わせるものに限られない。例
えば、基体の形状に合わせ、剥離紙をロール状に巻きつ
けること、または、三枚以上の剥離紙を互いに貼り合わ
せることで粘着部を覆うことなども適宜採用できる。
【0019】図4に、本発明の第2実施形態である飛翔
害虫用捕獲器に係る基体32を示す。本実施形態では、
円筒形状(中空形状)の基体32の一端部に、軸方向に
沿って延びる複数の切れ目7を入れることで、複数の枝
部41が形成されている。そして、基体32の内面(枝
部41の内面)は、粘着部3になっている。一方、基体
32の外面(枝部41の外面及び円筒外周面)は、非粘
着部4になっている。
【0020】このような基体32を有する捕獲器によれ
ば、枝部41を開く以前は、ユーザーの手が粘着部3に
触れて手がべとつく等の心配がない。そして、使用時に
枝部41を開くことで、粘着部3を外部に露呈して、粘
着部3で飛翔害虫を捕獲できるようになる。なお、基体
32の形状は、円筒形状に限定されず、角筒形状などで
もよい。
【0021】図5に、第2実施形態に係る基体32の変
形例を示す。本例では、基体32の内面(枝部41の内
面)と外面とが粘着部3になっている。基体32の外面
の先端部(枝部41の外面の先端部)に、非粘着部4が
設けられている。このような基体32を有する捕獲器に
よれば、枝部41の外面と内面、および、基体32の枝
部41以外の部分の外面が、粘着部3になっているた
め、捕獲面積が広く、捕獲能力が極めて高い。
【0022】図4及び図5に示した形態の基体32は、
図6に示すような、支持棒35aを立設した台座35に
取り付けて、捕獲器31を構成することができる。基体
32の中心貫通孔に、支持棒35aが嵌挿される。図3
(C)に示した形態の基体2も、図6に示すような台座
35に取り付けることが可能である。
【0023】図7に、本発明の第3実施形態である飛翔
害虫用捕獲器41を示す。本実施形態における基体42
は、一方の表面に粘着部3が設けられたシート状部材を
折り畳んで構成された折畳み部43を有している。基体
42の他方の表面は、非粘着部4になっている。折畳み
部43は、粘着部3を内側にして折り畳まれている。折
畳み部43の、粘着部3が設けられた面の所定箇所(例
えば角部)に、非粘着部4が設けられている。この非粘
着部4から、折畳み部43を開くことができる。折畳み
部43の下端部には、シート状の差込み片48が設けら
れている。この差込み片48を、台座45のスリット4
5aに差し込むことで、基体42を台座45に立てるこ
とができる。
【0024】このような捕獲器41によれば、剥離紙を
用いなくても、基体42自身によって、粘着部3の粘着
性低下を防止できる。そして、使用後には、粘着部3を
内側にして折り畳むことで、飛翔害虫を折畳み部43内
に閉じ込めることができ、その状態で基体42を廃棄す
ることができる。この際、ユーザーの手が飛翔害虫や粘
着部3に触れる心配がないため、使い勝手が良い。さら
に、基体42がシート状であるため、流通のための包装
をコンパクトにすることができる。
【0025】図8に、本発明の第4実施形態である飛翔
害虫用捕獲器を示す。本図に示す捕獲器51は、誘引剤
を収容できる容器の機能を有する台座55を備えてい
る。台座55の内部には所定の容積を有する空間Sが設
けられ、台座55の上部面には基体52を取り付けるた
めの取付孔55aが台座55内部の空間Sと連通するよ
うに形成されている。基体52は、表面に粘着性を付与
した粘着部13を備え、両端部間が連通する中空の円筒
形状を有している。基体52の両端部には、図1に示す
第1実施形態と同様な非粘着部14が設けられている。
空間Sには、飛翔害虫を誘引する効果を有する、所定量
の誘引剤8が収容されている。取付孔55aに基体52
が取りつけられた状態において、誘引剤8の誘引成分
は、基体52の内部を通って外部へ拡散される。基体5
2が煙突効果を奏するともいえる。ここでは、取付孔5
5aに対して反対側の基体52の端部から誘引成分が流
出するが、基体52の中間部から周囲雰囲気に拡散する
ように構成してもよい。
【0026】以上のような捕獲器51において、取付孔
55aから基体52を介して拡散する誘引成分によって
飛翔害虫が基体52の周囲に誘導されるので、粘着部1
3に付着する確率が非常に高くなり、捕獲性能が著しく
向上する。また、誘引剤8を台座55に収容できるた
め、捕獲器51を小型化することができる。さらに、誘
引剤の消費・劣化に応じて適宜に新しい誘引剤を台座に
補給することも可能で、ユーザーの使い勝手が良好であ
る。
【0027】取付孔55aには、図示しないシール部材
を設け、使用時以外に誘引剤8の誘引成分が取付孔55
aから拡散するのを防ぐように構成することが好まし
い。このとき、基体52の取付孔55aに取り付ける側
の端部に先端が鋭利な凸部等の図示しない破断手段を形
成し、使用の際にはユーザーがシール部材を破断手段に
よって破断させつつ基体52を台座55に設置するよう
にしてもよい。このような構成によれば、使用前に誘引
成分が拡散することで誘引効果が劣化することを防ぐこ
とができる。また、ユーザーは単に台座に基体を取り付
けるだけでよく、シール部材を台座から剥がすなどの作
業をする手間を省くことができるため、ユーザーの使い
勝手が良い。シール部材としては、樹脂フィルム、ガス
遮断性を有するフィルムとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩
化ビニリデン等のフィルムを単独若しくは組合せて使用
され、気体を透過するが液体を透過しない膜としては、
セロファン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
酢酸共重合体等の膜を単独若しくは組合せて使用される
ものを例示できる。
【0028】台座55の上部面には、取付孔55aとは
別に、空間Sと台座55の外部とを連通させる拡散孔を
形成してもよい。このような拡散孔を形成する場合、取
付孔55aが空間Sに連通していなくてもよい。またこ
の場合、基体52を中実にしてもよい。このため基体の
形状・構成に関わらず、誘引剤を基体の周囲環境に拡散
させることができる。基体の円周面に揮散孔を設けても
よい。こうすれば、誘引剤を基体の周囲環境に拡散させ
やすい。拡散孔は、台座55の上面に限らず、誘引剤を
適宜に拡散することができれば、台座55の側面部や、
底部に形成してもよい。また、拡散孔の形状は、スリッ
ト状、メッシュ状、格子状など何でもよい。また、拡散
孔にも同様に上述のシール部材などを設けることで、使
用時以外に誘引成分が拡散することを防ぐことができ、
誘引剤は、使用の際に良好な誘引効果を発揮することが
できる。本実施形態にかかる台座55の構成おいては、
取付孔のいくつかを拡散孔として用いることができる。
このとき、基体52の破断手段でシール部材を破断さ
せ、いくつかの取付孔55aには基体52を取付け、他
の取付孔は、シール部材を破断させるのみで基体52を
取り付けず、拡散孔として機能させることが考えられ
る。このような構成に従えば、取付孔と別途に拡散孔を
形成する必要がない。
【0029】上記の誘引剤には、本発明の効果を妨げな
い限り、各種の添加剤を併用してもよく、例えば、殺菌
剤、殺黴剤、保存剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、展着
剤、キレート剤、増粘剤、誤食防止剤、香料(アセトイ
ンなど)、ハエ類の性フェロモン(例えば、(Z)−9
−トリコセン)、あるいは他の誘引剤(例えば、フェニ
ル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸プロ
ピル、フェニル酢酸フェネチル等)等が挙げられる。こ
の他にもハエの誘引活性を高めるために、誘引剤を色素
により赤色系等に着色したりしてもよい。更に他の食餌
誘引剤を用いてもよく、このようなものとして、果実
(メロン、バナナ、イチゴなど)及びその抽出物や加工
品、醸造品(黒酢、みそ、しょうゆなど)、醸造酒(ビ
ール、ワイン、日本酒、果実酒など)、蒸留酒(ウイス
キー、焼酎、ウォッカなど)を例示できる。これらは、
2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】本発明の誘引剤の形態は制限されるもので
はなく、粉末乃至固形状、ゲル状、溶媒に溶解した液状
等の形態で用いることができ、噴霧して用いられてもよ
い。但し、保形性から、顆粒状とすることが好ましい。
顆粒状とするには、例えば、有効成分並びに添加物をコ
ーンスターチや小麦粉等に混ぜて造粒すればよい。その
際、有効成分の量は顆粒状を維持できる量であり、有効
成分の種類により異なるが、概ね20〜40重量%程度
である。配合量が前記値を上回る場合、崩壊しやすくな
り、保管性に問題がでてくる。
【0031】液状とする場合の溶媒としては、水、有機
溶剤等が挙げられ、また、界面活性剤なども適宜用いら
れるが、誘引剤成分の該抽出物を調製するために用いた
溶媒を用いるとよい。また、溶媒は、誘引剤とキット化
され、使用時にそれらを混合するようにしてもよい。
【0032】誘引剤を使用する際には、誘引剤を収納す
るものとしては、本実施形態の台座に限られない。例え
ば、有効成分が放出される開口等を有する容器、毛細管
作用を利用して有効成分を放出できる容器、カプセルな
どを台座として用いることができる。このような容器に
は、誘引剤使用時に誘引効果を向上させるための溶媒
(誘引剤を単に担持するだけの機能を有したものでもよ
いし、溶解する機能を有したものでもよい)を収容する
ことができる。
【0033】本発明の誘引剤は、ショウジョウバエ、ノ
ミバエ、ハヤトビバエ、イエバエ、クロバエ、キンバ
エ、ニクバエ、コバエなどのハエを含む飛翔害虫を対象
に用いることができ、特にイエバエ等に対して高い誘引
活性を有するものである。
【0034】また、本発明の誘引剤は、ハエ用の殺虫剤
に含有させることもできる。その際、誘引剤及び殺虫剤
の形態は固体状、ゲル状(ゼリーなど)、溶媒に溶解し
た液状等の形態で用いても良く、噴霧してもよい。溶媒
としては、水、有機溶剤等が挙げられ、また、界面活性
剤なども適宜用いられる。
【0035】なお、本発明は前述した例に限定されるも
のではなく、適宜な変形、改良などが可能である。ま
た、複数の基体を台座に立てる場合、基体の高さを異な
らせてもよい。また、害虫誘引能力を有する色に基体及
び台座を着色してもよい。また、基体及び台座に発光体
を取り付けることも考えられる。捕獲されたハエ等の飛
翔害虫を目立たなくするために、基体及び/又は粘着部
を飛翔害虫と同様な色にしてもよい。また、本発明の捕
獲器と粘着性を有するリボンなどを適宜組み合せること
も考えられる。粘着剤は洗って繰り返し使えるものでも
よい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
飛翔害虫の捕獲性能を維持または改善しつつ、ユーザー
の使い勝手が良好な飛翔害虫用捕獲器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の飛翔害虫用捕獲器を示
す全体図である。
【図2】第1実施形態に係る基体の一部拡大図である。
【図3】第1実施形態に係る基体の変形例を示す図であ
る。
【図4】本発明の第2実施形態に係る基体の一部拡大図
である。
【図5】第2実施形態に係る基体の変形例を示す図であ
る。
【図6】本発明の第2実施形態の飛翔害虫用捕獲器を示
す全体図である。
【図7】本発明の第3実施形態の飛翔害虫用捕獲器を示
す全体図である。
【図8】本発明の第4実施形態の飛翔害虫用捕獲器を示
す全体図である。
【符号の説明】
1,31,41,51 飛翔害虫用捕獲器 2,32,42,52 基体 3 粘着部 4 非粘着部 5,35,45,55 台座(支持部材) 6 剥離紙 7 切れ目 8 誘引剤 20 平面部 21,41 枝部 22 中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根岸 務 兵庫県赤穂市御崎1495−1 Fターム(参考) 2B121 AA12 BA02 BA05 BA08 BA36 BA51 CC11 CC12 EA01 EA05 EA06 FA01 FA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着性が付与された長尺状の基体を有
    し、前記基体に飛翔害虫を粘着捕獲する飛翔害虫用捕獲
    器であって、 前記基体の一部に非粘着部が設けられていることを特徴
    とする飛翔害虫用捕獲器。
  2. 【請求項2】 前記非粘着部が前記基体の一端部および
    他端部の少なくとも一方に設けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の飛翔害虫用捕獲器。
  3. 【請求項3】 粘着性を付与された基体を有し、前記基
    体に飛翔害虫を粘着捕獲する飛翔害虫用捕獲器であっ
    て、 前記基体を支持する支持部材を備え、該支持部材が害虫
    用の誘引剤を保持していることを特徴とする飛翔害虫用
    捕獲器。
  4. 【請求項4】 前記基体が中空形状であり、前記誘引剤
    の成分が前記基体の内部を通って外部へ拡散されること
    を特徴とした請求項3に記載の飛翔害虫用捕獲器。
  5. 【請求項5】 前記基体の一端部が、前記基体の軸方向
    に交わる方向に折り曲げ可能な少なくとも一つの枝部を
    有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    に記載の飛翔害虫用捕獲器。
  6. 【請求項6】 前記基体が中空形状であって、前記基体
    の内面に粘着性が付与されていることを特徴とする請求
    項5に記載の飛翔害虫用捕獲器。
  7. 【請求項7】 水溶性フィルムまたは水溶性粉体層が粘
    着性が付与された箇所の表面に設けられていることを特
    徴とする請求項1から5に記載の飛翔害虫用捕獲器。
  8. 【請求項8】 捕獲器を使用の際に、前記基体に粘着性
    が付与されることを特徴とする請求項1から5のいずれ
    かに記載の飛翔害虫用捕獲器。
  9. 【請求項9】 前記基体が、粘着性が付与された平面部
    を有し、前記平面部が剥離紙で覆われていることを特徴
    とする請求項1から5のいずれかに記載の飛翔害虫用捕
    獲器。
  10. 【請求項10】 前記基体が、粘着性が付与された面を
    内側にして折り畳まれた折畳み部を有し、捕獲器を使用
    の際に、前記折畳み部が開かれることを特徴とする請求
    項1から6のいずれかに記載の飛翔害虫用捕獲器。
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