JP7192346B2 - 粘着層付き透明面材および表示装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明の第1実施形態について、図1~図5を用いて説明する。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、第1実施形態の粘着層付き透明面材の平面図である。図2は、図1のA-A’線に沿う断面図である。図3は、粘着層付き透明面材を第1面の側から見た平面図である。なお、図3は、図1および図2に示す粘着層付き透明面材から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを剥離した状態を示している。
透明面材2は、粘着層付き透明面材1の芯材となる部材であって、後述する表示装置本体を透明支持体に貼合する際に表示装置と透明支持体との間に介在させる板状の部材である。透明面材2の例として、ガラス板、樹脂板等が挙げられる。表示装置本体からの射出光や反射光に対して透明性が高い点はもちろん、耐光性、低複屈折性、高い平面精度、耐表面擦傷性、高い機械的強度を有する点から、透明面材2としてガラス板を用いることが最も好ましい。透明面材2として、第1粘着層4および第2粘着層5を構成する光硬化性樹脂組成物を硬化させる光に対して高い透過率を有する点でも、ガラス板の使用が好ましい。
遮光部3は、本実施形態の粘着層付き透明面材を表示装置本体と透明面材との貼合に用いる場合に、表示装置本体の画像表示領域以外の領域(画像表示領域の外側の領域)が見えないように、表示装置本体に接続されたフレキシブルプリント配線板等の付属部品を隠す機能を有する。
本実施形態の場合、遮光部3は、透明面材2の2つの面2a,2bのうち、表示装置本体を貼合する側の面である第2面2bに設けられている。図1に示すように、透明面材2の第1面2aの法線方向から見て、遮光部3は、矩形の透明面材2の4辺に沿う周縁部に枠状に形成されている。遮光部3の内側の開口領域3hは、表示装置本体を貼合した際に表示装置本体の画像表示領域とほぼ一致する。本実施形態の場合、透明面材2の第1面および/または第2面の周縁部が露出した露出部2cを通して外光が入射するおそれがあるが、図1に示すように、遮光部3が露出部2cを完全に覆うように設けられているので、外光が観察者に見えてしまうことを防止できる。
第1粘着層4は、粘着層付き透明面材1を例えばウインドウガラス等の透明支持体と貼合する。図2に示すように、第1粘着層4は、透明面材2の2つの面2a,2bのうち、透明支持体と貼合する側の面である第1面2aに設けられている。第1粘着層4は、後述する液状の光硬化性樹脂組成物等を硬化させた透明樹脂シートから構成されている。なお、透明面材1と第1粘着層4との間にタッチセンサ(図示せず)が設けられていてもよい。
光硬化性樹脂組成物は、乾燥工程が省ける点、時間とエネルギーを省くことができる点で、溶剤を含まないことが最も好ましい。
硬化性組成物は、典型的には、硬化性基を有する硬化性化合物(A)と、光重合開始剤(B)とを含む。必要に応じて、光重合開始剤(B)以外の他の非硬化性成分が含まれてもよい。非硬化性成分としては、非硬化性ポリマー(C)、連鎖移動剤(D)、他の添加剤等が挙げられる。
硬化性化合物(A)としては、アクリル系、シリコーン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系等の化合物が挙げられる。中でも、粘着層30の貯蔵弾性率G’を5×102~1×107Paに調整しやすい点で、硬化性化合物(A)は、シリコーン系またはウレタンアクリレート系が好ましい。さらに、粘着層30のゲル分率を1~50%に調整しやすい点で、硬化性化合物(A)は、ウレタンアクリレート系がより好ましい。
第2粘着層5は、粘着層付き透明面材1を表示装置本体と貼合する。第2粘着層5は、透明面材2の2つの面2a,2bのうち、表示装置本体と貼合する側の面である第2面2bに設けられている。上述したように、第2粘着層5の面積は、第1粘着層4の面積よりも小さい。具体的には、第1粘着層4が4つの露出部2cを除く第1面2aの全域に設けられているのに対し、第2粘着層5は、第2面2bの平面形状をなす矩形の中央部に設けられ、矩形の4辺に沿った周縁部には設けられていない。
第1保護フィルム6は、粘着層付き透明面材1の未使用時に第1粘着層4を保護し、使用時には第1粘着層4から剥離される。同様に、第2保護フィルム7は、粘着層付き透明面材1の未使用時に第2粘着層5を保護し、使用時には第2粘着層5から剥離される。そのため、第1保護フィルム6および第2保護フィルム7は、第1粘着層4または第2粘着層5から容易に剥離できる程度に密着していることが求められる。この点から、第1保護フィルム6および第2保護フィルム7として、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂等からなる密着性の比較的低い基材フィルムが第1粘着層4または第2粘着層5に接触する保護フィルムを用いることが好ましい。
図4は、第1実施形態の粘着層付き透明面材1を含む表示装置の断面図である。図5は、図4のB部分の拡大断面図である。
第1実施形態において、透明支持体12は、一定の支持力を有するものであれば特に限定されず、例えば店舗やオフィス等に用いられるウインドウガラスが用いられる。表示装置本体11は、例えば液晶表示装置である。粘着層付き透明面材1は、図2に示す粘着層付き透明面材1から第1保護フィルム6と第2保護フィルム7とが剥離されている。透明面材2は、第1粘着層4を介して透明支持体12に貼合されている。表示装置本体11は、第2粘着層5を介して透明面材2に貼合されている。なお、透明面材2の透明支持体12側にタッチセンサ(図示せず)を設けた粘着層付き透明面材1を用いても構わない。その場合は、透明支持体12の外側から触れることで、表示装置10を操作することができる。
このとき、透明支持体12として、レンチキュラーシートを用いてもよい。レンチキュラーシートは、光が入射する側(第1粘着層4側)の面にレンチキュラーレンズを有し、光を射出する側(観察者側)の面に垂直方向に表示光を広げるための拡散シートが積層された構成が一般的である。透明支持体12としてレンチキュラーシートを用いることで、表示画像の広がりを制御でき、さらには表示画像に立体感を付与することも可能となる。
第1実施形態の粘着層付き透明面材1においては、透明面材2の第1面2aの互いに対向する2つの長辺の各々に沿って2つの露出部2cが互いに離間して設けられている。そのため、粘着層付き透明面材1を透明支持体12に貼合する作業を行う際に、従来に比べて作業効率が向上し、貼合作業を容易に行うことができる。例えば大型の粘着層付き透明面材1をウインドウガラスに貼合する際に、2人の作業者が粘着層付き透明面材1の第1面2aを下に向けて手で持つ場合が考えられる。この場合、一人の作業者は、図3に示す右側の2つの露出部2cに指が掛かるように粘着層付き透明面材1を持ち、他の作業者は、図3に示す左側の2つの露出部2cに指が掛かるように粘着層付き透明面材1を持つことにより、作業者の手に粘着剤が付着するおそれが少なく、作業効率を高めることができる。このように、第1実施形態の粘着層付き透明面材1は、従来の粘着層付き透明面材に比べ、運搬時、作業時等のハンドリング性を向上させることができる。
以下、本発明の第2実施形態について、図6~図8を用いて説明する。
第2実施形態の粘着層付き透明面材の基本構成は第1実施形態と同様であり、露出部の構成が第1実施形態と異なる。
図6は、第2実施形態の粘着層付き透明面材を第1面側から見た平面図である。また、図6は、粘着層付き透明面材から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを剥離した状態を示している。図7は、粘着層付き透明面材を透明支持体に貼合する方法の一つの例を示す図である。図8は、粘着層付き透明面材を透明支持体に貼合する方法の他の一例を示す図である。
図6~図8において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、本発明の第3実施形態について、図9を用いて説明する。
第3実施形態の粘着層付き透明面材の基本構成は第1実施形態と同様であり、露出部の構成が第1実施形態と異なる。
図9は、第3実施形態の粘着層付き透明面材を第1面側から見た平面図である。また、図9は、粘着層付き透明面材から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを剥離した状態を示している。
図9において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、本発明の第4実施形態について、図10、図11を用いて説明する。
第4実施形態の粘着層付き透明面材の基本構成は第1実施形態と同様であり、露出部の構成が第1実施形態と異なる。
図10は、第4実施形態の粘着層付き透明面材を第1面の側から見た平面図である。また、図10は、粘着層付き透明面材から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを剥離した状態を示している。
図10において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
粘着層付き透明面材51を製造する際には、第1実施形態で述べたように、透明樹脂シートからなる第1粘着層4を別途作製し、第1粘着層4と透明面材2とを貼合する。ここで、図11に示すように、仮に露出部が設けられていなかったとすると、第1粘着層104と透明面材2とが同じ寸法であるため、第1粘着層104と透明面材2とを貼合する際に第1粘着層104と透明面材2との位置合わせずれが生じた場合、第1粘着層104が透明面材2の外側にはみ出す、という問題が生じる。
以下、本発明の第5実施形態について、図12、図13を用いて説明する。
第5実施形態の粘着層付き透明面材の基本構成は第1実施形態と同様であり、透明面材と露出部との構成が第1実施形態と異なる。
図12は、第5実施形態の粘着層付き透明面材の端部を示す断面図である。
図12において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
粘着層付き透明面材61を使用する際には、上述したように、第1保護フィルム6および第2保護フィルム7を透明面材9から剥離する。この際、図13に示すように、比較例の粘着層付き透明面材161では、第1粘着層204および第2粘着層205の端面が透明面材9の端面9fと同一平面をなす位置まで設けられていたとする。この場合、第2保護フィルム7を剥離しようとすると、第2粘着層205が第2保護フィルム7の側に付着したままの状態で透明面材9から剥離し、透明面材9の端部において第2粘着層205が透明面材9から浮き上がるおそれがある。この問題は、第2保護フィルム7の剥離が開始すべき位置(符号Dの位置)において、第2粘着層205が透明面材9に貼合されていないために生じる。その結果、粘着層付き透明面材161の周縁部において貼合強度が低下する、見栄えが悪くなる、などの問題が生じる。
例えば上記実施形態では、透明面材の露出部が主に第1面に設けられている例を示したが、同様の露出部が第2面に設けられていてもよく、露出部が第1面と第2面の双方に設けられていてもよい。
Claims (9)
- 第1面と第2面とを有する透明面材と、
前記第1面に設けられた第1粘着層と、
前記第2面に設けられた第2粘着層と、を備え、
前記透明面材は、前記第1面の周縁部において前記第1粘着層から前記第1面が露出した露出部、および前記第2面の周縁部において前記第2粘着層から前記第2面が露出した露出部のうちの少なくとも一方を備え、
前記第1面は、前記透明面材の中央部に位置する第1平坦面と、前記透明面材の周縁部において前記第1平坦面に対して傾斜するとともに前記第1平坦面に垂直な端面に接する第1傾斜面と、を有し、
前記第2面は、前記透明面材の中央部に位置する第2平坦面と、前記透明面材の周縁部において前記第2平坦面に対して傾斜するとともに前記第2平坦面に垂直な端面に接する第2傾斜面と、を有し、
前記露出部は、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に設けられた、粘着層付き透明面材。 - 前記第1面の法線方向から見た前記透明面材の平面形状は矩形であり、
前記露出部は、前記矩形の4辺のうちの少なくとも2辺に沿った領域であって、該2辺上それぞれの一部に設けられた、請求項1に記載の粘着層付き透明面材。 - 前記露出部は、前記矩形の互いに対向する2辺に沿った領域であって、該2辺上それぞれの一部に設けられた、請求項2に記載の粘着層付き透明面材。
- 前記第1面の法線方向から見た前記透明面材の平面形状は長方形であり、
前記露出部は、前記長方形の互いに対向する2つの長辺に沿った領域であって、該2辺上それぞれの一部に設けられた、請求項3に記載の粘着層付き透明面材。 - 前記露出部は、前記矩形の4辺に沿った領域であって、該4辺上それぞれの一部に設けられた、請求項2に記載の粘着層付き透明面材。
- 前記第1面の法線方向から見た前記透明面材の平面形状は矩形であり、
前記露出部は、前記矩形の角部に設けられた、請求項1に記載の粘着層付き透明面材。 - 前記第1面の周縁部および前記第2面の周縁部のうちのいずれか一方に遮光部が設けられた、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の粘着層付き透明面材。
- 請求項7に記載の粘着層付き透明面材と、
前記粘着層付き透明面材の前記第1面に貼合された透明支持体と、
前記粘着層付き透明面材の前記第2面に貼合された表示装置本体と、を備えた、表示装置。 - 前記露出部は、少なくとも前記第1面に設けられた、請求項8に記載の表示装置。
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