JP3802791B2 - 飛翔害虫用捕獲器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛翔害虫を効率よく捕獲でき、また、使い勝手が良好な飛翔害虫捕獲器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘着剤が棒状の基体の全体に塗布されてなる飛翔害虫用捕獲器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の飛翔害虫用捕獲器は、粘着剤が、棒状の基体の表面全体にわたって塗布されていたため、ユーザーが捕獲器を取り扱う際に、ユーザーの手などに粘着剤が付着することがあり、使い勝手が悪かった。
また使用後に、ユーザーは、ハエ等の飛翔害虫が付着している捕獲器の基体の粘着剤が塗布された部分を把持して回収しなくてはならないため、不快感に襲われがちだった。さらに、捕獲性能については、改善の余地が残されていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ハエ等の飛翔害虫の捕獲性能を維持または改善しつつ、ユーザーの使い勝手を向上した飛翔害虫用捕獲器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の前述目的は、粘着性が付与された長尺状の基体を有し、基体に飛翔害虫を粘着捕獲する飛翔害虫用捕獲器であって、基体の一部に非粘着部が設けられている飛翔害虫用捕獲器によって達成することができる。
ここでいう長尺状とは、棒状、螺旋状、波状、渦巻状、扇子状、格子状等を含む。基体は、捕獲面積を広くする形状であることが好ましい。
この飛翔害虫用捕獲器の構成によれば、ユーザーは、粘着性が付与されていない非粘着部を保持しながら捕獲器を設置、移動もしくは回収することができ、粘着剤が手などに付着することがない。このため、回収時の不快感をなくすことができ、捕獲器の取り扱いが容易で、ユーザーの使い勝手が良好である。
非粘着部は、基体の一端部および他端部の少なくとも一方に設けられることができる。かかる構成によれば、ユーザーは、基体の両端部もしくは片方の端部に設けられる非粘着部を保持することで、基体の粘着性が付与された部分に触れないで済む。このため、捕獲器の移動も容易であり、使い勝手が良い。
また、本発明の前述目的は、粘着性を付与された基体を有し、基体に飛翔害虫を粘着捕獲する飛翔害虫用捕獲器であって、基体を支持する支持部材を備え、該支持部材が害虫用の誘引剤を保持する飛翔害虫用捕獲器を提供することによって達成できる。
かかる構成によれば、支持部材に保持された誘引剤から害虫誘引成分が支持部材の周囲雰囲気中に拡散され、ハエ等の飛翔害虫が基体に誘導されやすくなるため、捕獲性能が向上する。また、このような構成において、基体が中空形状であり、誘引剤の成分が基体の内部を通って外部へ拡散されるようにすれば、誘引剤の誘引成分を台座から基体の内部を通って外部へ拡散させることができ、誘引成分を拡散させるための開口などを別途に形成する必要がない。
本発明は、基体の一端部が、基体の軸方向に交わる方向に折り曲げ可能な少なくとも一つの枝部を有していることが好ましい。
かかる構成によれば、長尺状に形成された基体の枝部のそれぞれに粘着性を付与することが可能で、この枝部を広げることで、飛翔害虫が止まる部分を拡大できる。すなわち、捕獲領域が拡大する。ここで、使用前の基体は、枝部が閉じられているので、コンパクトである。そして、枝部を広げることで、より多くの飛翔害虫を捕獲することができるようになり、捕獲能力が著しく向上する。
また、本発明は、中空形状の基体の一端部が、基体の軸方向に交わる方向に折り曲げ可能な少なくとも一つの枝部を有し、前記基体の内面に粘着性が付与されていることが好ましい。
かかる構成によれば、枝部を広げることで、基体の内面の粘着性が付与された部分を外部に露呈できる。
水溶性フィルムまたは水溶性粉体層が基体の表面に設けられていてもよい。すなわち、剥離紙方式とは別に水溶性方式がある。剥離時には、粘着剤の糸引きがあり、その点を無くすため水又はお湯で洗って粘着面を露出させることが可能である。
かかる構成によれば、基体の粘着性を付与された面が使用時まで外気にさらされることがないため、使用前に粘着性が低下してしまうことがない。
捕獲器を使用の際に、基体に粘着性が付与されることが好ましい。
かかる構成によれば、使用時に粘着性が付与されるため、使用前に粘着性が低下してしまうことがない。そして、使用開始時に基体に良好な粘着性を付与することができる。このため、捕獲能力が高い。
基体が、粘着性が付与された平面部を有し、平面部が剥離紙で覆われていることが好ましい。
かかる構成によれば、平面部に剥離紙を取り付け易く、平面部から剥離紙を剥がすのも容易なため、製造し易くかつ使いやすい。
基体が、粘着性が付与された面を内側にして折り畳まれた折畳み部を有し、捕獲器を使用の際に、前記折畳み部が開かれることが好ましい。
かかる構成によれば、剥離紙を用いずに、粘着性の低下を防ぐことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1に本発明の第1実施形態である飛翔害虫用捕獲器1(以下「捕獲器1」という)の全体図を示す。捕獲器1は円柱状(棒状)の基体2を有している。かかる基体2には、粘着性を付与された粘着部3が設けられている。また、基体2は、粘着性が付与されていない、または、粘着性が除去された非粘着部4を有している。
本実施形態では、非粘着部4は円柱状の基体2の両端部に形成されている。しかし、非粘着部4は、必要に応じて基体2の端部以外の場所に設けることもできる。
【0007】
基体2は、一方の端部を、支持部材としての台座5に取外し可能に支持される。台座5には基体2を取り付けるための取付孔5aが形成されている。図1に示す例では、台座5に複数の取付孔5aが形成されており、台座5に複数の基体2を立てることができる。台座5に基体2を立てて、捕獲器1の設置が完了する。基体2は、その周囲(端部を除く)に障害物が配置されないようにセットされる。すなわち、基体2の周囲は、その全周が、飛翔害虫が接近できるように自由空間となっている。
【0008】
以上のような捕獲器1において、捕獲器1を回収するとき、ユーザーは基体2に設けられた非粘着部4を把持することができる。また、非粘着部4を把持して基体2を台座5から引き抜いて、基体2のみを飛翔害虫とともに廃棄することもできる。
【0009】
なお、基体2の構成材料としては、木材、樹脂、金属、布、紙、硝子などを例示できる。
また、基体2に粘着性を付与する方法としては、両面粘着テープ、粘着剤、高粘度の油等を用いた方法を例示できる。
粘着剤として、水で洗い流し可能なものを用いて、洗浄と粘着剤付与とを繰り返して使用してもよい。
【0010】
さらに、粘着性は必ずしも基体2の製造時に基体2に付与されている必要はなく、使用の際に基体2に粘着性を付与させることもできる。この場合、基体2を台座5などに固定した後、基体2に粘着性を付与させることで捕獲器1を使用することができる。
【0011】
また、基体2の製造時に、図2に示すように、粘着部3を剥離紙6で覆ってもよい。剥離紙6は、例えば二枚一組で、基体2の粘着部3を挟んで互いに貼りつけることができる。捕獲器1を使用の際には、剥離紙6はユーザーによって基体2から剥がされ、粘着部3が露出するようになっている。
なお、この例においては剥離紙6を用いたが、粘着部3の表面を適宜に覆うことができればビニール部材などでもかまわない。しかし、ビニール部材などを用いて粘着部3を覆う場合、粘着部3に付与された粘着性の一部が、それを覆うビニール部材の表面にも付着し、粘着部3の粘着性が劣化することが懸念される。したがって、剥離紙6を用いて粘着部3を覆うことがより好ましい。
基体2の製造時に、粘着部3を水溶性フィルムまたは水溶性粉体層で覆ってもよい。水溶性フィルムまたは水溶性粉体層は、粘着部3を外気から遮断することができれば、その構成・形状は自由に選定することができる。使用の際には、ユーザーは、水などの液体に水溶性フィルムまたは水溶性粉体層をさらすことで溶解させる。すると、基体2の粘着部3が露出する。
水溶性フィルム及び水溶性粉体層の材質としては、水に易溶性あるいは難溶性で、フィルム状である限り任意である。代表的には、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)等のセルロース誘導体、可溶性デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン誘導体、ペクチン、カラギーナン、ファーセレラン、プルラン(林原(株)製)、ローカストビーンカム、グアガム、アラビアガム、トラガントガム、キサンタンガム、アルギン酸ソーダ等の天然多糖類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の合成増粘ゲル化剤、ゼラチン、カゼインナトリウム等を例示できる。
【0012】
基体2は棒状のものだけに限られず、渦巻状、リング状、V字状等、さまざまな形状に形成することが考えられる。
図3(a)から(c)に、本発明にかかる基体2の変形例を示す。
図3(a)に示す基体2は、その一端側に平面部20を有し、他端側に円柱状の部分を有し、羽子板状に形成されている。平面部20は、対向する一対の広い面部20a、対向する一対の側面部20b、端面部(図では上面部)20cを有しており、それらの表面に粘着部3が形成されている。一方、図1に示した台座5などに取り付けられる基体2の円柱状の部分は非粘着部4となっており、粘着性を付与されない。
このような捕獲器1を回収する際、ユーザーは、この円柱状の非粘着部4を把持することで、粘着部3に触れることなく捕獲器1を取り扱うことができる。
【0013】
なお、図3(a)の例において、粘着部3を広い面部20a、側面部20b、端面部20cのそれぞれに設けたが、少なくとも平面部20のいずれか一面に設け、それ以外の面を非粘着部4としてもよい。また、広い面部20a、端面部20b、20cの各面部の一部分に粘着部3を設け、それ以外の部分を非粘着部4としてもよい。しかし、捕獲能力を向上させるため、基体2の表面積に対してできるだけ大きくなるように粘着部3を設け、非粘着部4は必要最小限の大きさにすることが好ましい。
また、この例においては、平面部20を、基体2の台座5側とは反対側の端部に設けたが、基体2の中央部に設けてもよい。
さらに、平面部20は、基体2の円柱状の部分と一体成形とする構成、または、別体とする構成のいずれでもよい。例えば、粘着部と、非粘着部とを設けた方形状の部材に、図示しない貫通孔を設け、この貫通孔に長尺状に形成した円柱状部材を挿通し、固定する構成にしてもよい。
【0014】
図3(b)に示す基体2は、図1に示す基体2とほぼ同様のものであるが、基体2の台座5側とは反対側の端部に、少なくとも一つまたは複数の枝部21が枝分かれするように、軸方向に深さを有した切れ目7が形成されていることで相違している。
切れ目7は、基体2の軸方向に沿って延びる、二つの交差する切断面であり、基体2の端部を4つの枝部21に区画している。それぞれの枝部21は、端部から引き離され、軸方向に交わる方向へ折り曲げ可能に構成されている。基体2の端部に設けられた非粘着部4は、それぞれの枝部21の先端部とともに分裂する構成となっている。
このような捕獲器1においては、基体2の端部が枝分かれし、ハエなどの飛翔害虫が止まる領域を拡大できる。また、使用前には、枝部21は閉じられているため、コンパクトである。さらに、基体2の端部から枝部21を引き離すとき、ユーザーは、枝部21の先端部に設けられた非粘着部4を把持して引き離すことができる。こうすることで、ユーザーは粘着部3に触れずに済む。
【0015】
この例において、切れ目7は、軸方向に沿って延びる二つの交差する切断面により形成されたが、三つ以上の互いに交差する切断面により形成し、より多くの枝部21を区画する構成にしてもよい。また、切断面を設けず、台座とは反対側の基体2の端部が、軸方向と交わるように折れ曲げることが可能な一つの枝部となるように構成することも可能である。
なお、枝部21は、基体2の材質の剛性が許す範囲で、曲線状、波状、螺旋状、渦巻き状に形成することが可能である。
【0016】
図3(c)に示す基体2は、角筒形状に形成されている。基体2は、軸方向に連通した中空部22を有している。
このような捕獲器1においては、その基体2内部に形成された中空部22に、飛翔害虫を誘引する薬剤等の誘引部材を入れることができる。
また、かかる誘引部材を基体表面に効果的に発散させるため、粘着部3の表面から基体内部の中空部22に貫通する微小な孔やスリット部(図示省略)を適宜設けてもよい。
ここで、誘引部材としては、害虫誘引剤を含む溶液を保持した吸水紙、吸水性樹脂などが例示できる。
【0017】
基体は、上述の各変形例を組み合せた構成にすることで害虫捕獲能力をより向上させることができる。例えば、図3(a)に示した平面部20を有する基体2に、図3(c)に示したような中空部22を形成する構成などが考えることができる。
【0018】
図3(a)に示した平面部20の粘着部3を、図2に示す剥離紙で覆うことも考えられる。
このような構成においては、棒状などの曲面に貼りつける場合と比べ、剥離紙を非常に貼り付け易く、かつ剥がし易くすることができる。
また、図3(c)に示す角筒形状の基体2に設けられた粘着部3に剥離紙を貼りつけることも考えられる。
このような構成においては、平面部20と同様に、ユーザーが剥離紙を剥がし易い。
剥離紙を基体の粘着部に貼りつける方法は、図2に示したように、剥離紙を二枚一組で貼り合わせるものに限られない。例えば、基体の形状に合わせ、剥離紙をロール状に巻きつけること、または、三枚以上の剥離紙を互いに貼り合わせることで粘着部を覆うことなども適宜採用できる。
【0019】
図4に、本発明の第2実施形態である飛翔害虫用捕獲器に係る基体32を示す。本実施形態では、円筒形状(中空形状)の基体32の一端部に、軸方向に沿って延びる複数の切れ目7を入れることで、複数の枝部41が形成されている。
そして、基体32の内面(枝部41の内面)は、粘着部3になっている。一方、基体32の外面(枝部41の外面及び円筒外周面)は、非粘着部4になっている。
【0020】
このような基体32を有する捕獲器によれば、枝部41を開く以前は、ユーザーの手が粘着部3に触れて手がべとつく等の心配がない。そして、使用時に枝部41を開くことで、粘着部3を外部に露呈して、粘着部3で飛翔害虫を捕獲できるようになる。
なお、基体32の形状は、円筒形状に限定されず、角筒形状などでもよい。
【0021】
図5に、第2実施形態に係る基体32の変形例を示す。本例では、基体32の内面(枝部41の内面)と外面とが粘着部3になっている。基体32の外面の先端部(枝部41の外面の先端部)に、非粘着部4が設けられている。
このような基体32を有する捕獲器によれば、枝部41の外面と内面、および、基体32の枝部41以外の部分の外面が、粘着部3になっているため、捕獲面積が広く、捕獲能力が極めて高い。
【0022】
図4及び図5に示した形態の基体32は、図6に示すような、支持棒35aを立設した台座35に取り付けて、捕獲器31を構成することができる。基体32の中心貫通孔に、支持棒35aが嵌挿される。図3(C)に示した形態の基体2も、図6に示すような台座35に取り付けることが可能である。
【0023】
図7に、本発明の第3実施形態である飛翔害虫用捕獲器41を示す。本実施形態における基体42は、一方の表面に粘着部3が設けられたシート状部材を折り畳んで構成された折畳み部43を有している。基体42の他方の表面は、非粘着部4になっている。折畳み部43は、粘着部3を内側にして折り畳まれている。
折畳み部43の、粘着部3が設けられた面の所定箇所(例えば角部)に、非粘着部4が設けられている。この非粘着部4から、折畳み部43を開くことができる。
折畳み部43の下端部には、シート状の差込み片48が設けられている。この差込み片48を、台座45のスリット45aに差し込むことで、基体42を台座45に立てることができる。
【0024】
このような捕獲器41によれば、剥離紙を用いなくても、基体42自身によって、粘着部3の粘着性低下を防止できる。そして、使用後には、粘着部3を内側にして折り畳むことで、飛翔害虫を折畳み部43内に閉じ込めることができ、その状態で基体42を廃棄することができる。この際、ユーザーの手が飛翔害虫や粘着部3に触れる心配がないため、使い勝手が良い。さらに、基体42がシート状であるため、流通のための包装をコンパクトにすることができる。
【0025】
図8に、本発明の第4実施形態である飛翔害虫用捕獲器を示す。
本図に示す捕獲器51は、誘引剤を収容できる容器の機能を有する台座55を備えている。台座55の内部には所定の容積を有する空間Sが設けられ、台座55の上部面には基体52を取り付けるための取付孔55aが台座55内部の空間Sと連通するように形成されている。
基体52は、表面に粘着性を付与した粘着部13を備え、両端部間が連通する中空の円筒形状を有している。基体52の両端部には、図1に示す第1実施形態と同様な非粘着部14が設けられている。
空間Sには、飛翔害虫を誘引する効果を有する、所定量の誘引剤8が収容されている。取付孔55aに基体52が取りつけられた状態において、誘引剤8の誘引成分は、基体52の内部を通って外部へ拡散される。基体52が煙突効果を奏するともいえる。ここでは、取付孔55aに対して反対側の基体52の端部から誘引成分が流出するが、基体52の中間部から周囲雰囲気に拡散するように構成してもよい。
【0026】
以上のような捕獲器51において、取付孔55aから基体52を介して拡散する誘引成分によって飛翔害虫が基体52の周囲に誘導されるので、粘着部13に付着する確率が非常に高くなり、捕獲性能が著しく向上する。また、誘引剤8を台座55に収容できるため、捕獲器51を小型化することができる。さらに、誘引剤の消費・劣化に応じて適宜に新しい誘引剤を台座に補給することも可能で、ユーザーの使い勝手が良好である。
【0027】
取付孔55aには、図示しないシール部材を設け、使用時以外に誘引剤8の誘引成分が取付孔55aから拡散するのを防ぐように構成することが好ましい。このとき、基体52の取付孔55aに取り付ける側の端部に先端が鋭利な凸部等の図示しない破断手段を形成し、使用の際にはユーザーがシール部材を破断手段によって破断させつつ基体52を台座55に設置するようにしてもよい。このような構成によれば、使用前に誘引成分が拡散することで誘引効果が劣化することを防ぐことができる。また、ユーザーは単に台座に基体を取り付けるだけでよく、シール部材を台座から剥がすなどの作業をする手間を省くことができるため、ユーザーの使い勝手が良い。
シール部材としては、樹脂フィルム、ガス遮断性を有するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のフィルムを単独若しくは組合せて使用され、気体を透過するが液体を透過しない膜としては、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸共重合体等の膜を単独若しくは組合せて使用されるものを例示できる。
【0028】
台座55の上部面には、取付孔55aとは別に、空間Sと台座55の外部とを連通させる拡散孔を形成してもよい。このような拡散孔を形成する場合、取付孔55aが空間Sに連通していなくてもよい。またこの場合、基体52を中実にしてもよい。このため基体の形状・構成に関わらず、誘引剤を基体の周囲環境に拡散させることができる。
基体の円周面に揮散孔を設けてもよい。こうすれば、誘引剤を基体の周囲環境に拡散させやすい。
拡散孔は、台座55の上面に限らず、誘引剤を適宜に拡散することができれば、台座55の側面部や、底部に形成してもよい。また、拡散孔の形状は、スリット状、メッシュ状、格子状など何でもよい。
また、拡散孔にも同様に上述のシール部材などを設けることで、使用時以外に誘引成分が拡散することを防ぐことができ、誘引剤は、使用の際に良好な誘引効果を発揮することができる。
本実施形態にかかる台座55の構成おいては、取付孔のいくつかを拡散孔として用いることができる。このとき、基体52の破断手段でシール部材を破断させ、いくつかの取付孔55aには基体52を取付け、他の取付孔は、シール部材を破断させるのみで基体52を取り付けず、拡散孔として機能させることが考えられる。このような構成に従えば、取付孔と別途に拡散孔を形成する必要がない。
【0029】
上記の誘引剤には、本発明の効果を妨げない限り、各種の添加剤を併用してもよく、例えば、殺菌剤、殺黴剤、保存剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、展着剤、キレート剤、増粘剤、誤食防止剤、香料(アセトインなど)、ハエ類の性フェロモン(例えば、(Z)−9−トリコセン)、あるいは他の誘引剤(例えば、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸プロピル、フェニル酢酸フェネチル等)等が挙げられる。この他にもハエの誘引活性を高めるために、誘引剤を色素により赤色系等に着色したりしてもよい。更に他の食餌誘引剤を用いてもよく、このようなものとして、果実(メロン、バナナ、イチゴなど)及びその抽出物や加工品、醸造品(黒酢、みそ、しょうゆなど)、醸造酒(ビール、ワイン、日本酒、果実酒など)、蒸留酒(ウイスキー、焼酎、ウォッカなど)を例示できる。これらは、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0030】
本発明の誘引剤の形態は制限されるものではなく、粉末乃至固形状、ゲル状、溶媒に溶解した液状等の形態で用いることができ、噴霧して用いられてもよい。但し、保形性から、顆粒状とすることが好ましい。顆粒状とするには、例えば、有効成分並びに添加物をコーンスターチや小麦粉等に混ぜて造粒すればよい。その際、有効成分の量は顆粒状を維持できる量であり、有効成分の種類により異なるが、概ね20〜40重量%程度である。配合量が前記値を上回る場合、崩壊しやすくなり、保管性に問題がでてくる。
【0031】
液状とする場合の溶媒としては、水、有機溶剤等が挙げられ、また、界面活性剤なども適宜用いられるが、誘引剤成分の該抽出物を調製するために用いた溶媒を用いるとよい。また、溶媒は、誘引剤とキット化され、使用時にそれらを混合するようにしてもよい。
【0032】
誘引剤を使用する際には、誘引剤を収納するものとしては、本実施形態の台座に限られない。例えば、有効成分が放出される開口等を有する容器、毛細管作用を利用して有効成分を放出できる容器、カプセルなどを台座として用いることができる。このような容器には、誘引剤使用時に誘引効果を向上させるための溶媒(誘引剤を単に担持するだけの機能を有したものでもよいし、溶解する機能を有したものでもよい)を収容することができる。
【0033】
本発明の誘引剤は、ショウジョウバエ、ノミバエ、ハヤトビバエ、イエバエ、クロバエ、キンバエ、ニクバエ、コバエなどのハエを含む飛翔害虫を対象に用いることができ、特にイエバエ等に対して高い誘引活性を有するものである。
【0034】
また、本発明の誘引剤は、ハエ用の殺虫剤に含有させることもできる。その際、誘引剤及び殺虫剤の形態は固体状、ゲル状(ゼリーなど)、溶媒に溶解した液状等の形態で用いても良く、噴霧してもよい。溶媒としては、水、有機溶剤等が挙げられ、また、界面活性剤なども適宜用いられる。
【0035】
なお、本発明は前述した例に限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能である。
また、複数の基体を台座に立てる場合、基体の高さを異ならせてもよい。
また、害虫誘引能力を有する色に基体及び台座を着色してもよい。また、基体及び台座に発光体を取り付けることも考えられる。捕獲されたハエ等の飛翔害虫を目立たなくするために、基体及び/又は粘着部を飛翔害虫と同様な色にしてもよい。
また、本発明の捕獲器と粘着性を有するリボンなどを適宜組み合せることも考えられる。
粘着剤は洗って繰り返し使えるものでもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、飛翔害虫の捕獲性能を維持または改善しつつ、ユーザーの使い勝手が良好な飛翔害虫用捕獲器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の飛翔害虫用捕獲器を示す全体図である。
【図2】第1実施形態に係る基体の一部拡大図である。
【図3】第1実施形態に係る基体の変形例を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る基体の一部拡大図である。
【図5】第2実施形態に係る基体の変形例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態の飛翔害虫用捕獲器を示す全体図である。
【図7】本発明の第3実施形態の飛翔害虫用捕獲器を示す全体図である。
【図8】本発明の第4実施形態の飛翔害虫用捕獲器を示す全体図である。
【符号の説明】
1,31,41,51 飛翔害虫用捕獲器
2,32,42,52 基体
3 粘着部
4 非粘着部
5,35,45,55 台座(支持部材)
6 剥離紙
7 切れ目
8 誘引剤
20 平面部
21,41 枝部
22 中空部

Claims (4)

  1. 非粘着部および粘着部が予め設けられた複数の長尺状の基体と、該基体用の取付孔が互いに間隔を空けて複数あけられた台座を有し、
    該基体は、一方の端部を前記台座に取外し可能に支持されてなり、かつその端部を除く全周囲に穴あきキャップからなる障害物を配置しないことにより飛翔害虫を接近しやすくしてなり、
    前記非粘着部が前記基体の一端部および他端部の少なくとも一方に設けられ、
    前記基体が、粘着性が付与された面を内側にして折り畳まれた折畳み部を有し、捕獲器を使用の際に、前記折畳み部が開かれる
    ことを特徴とする飛翔害虫用捕獲器。
  2. 使用後には、前記粘着部を内側にして折り畳むことで、飛翔害虫を折畳み部内に閉じ込めることができ、その状態で基体を廃棄することができることを特徴とする請求項1に記載の飛翔害虫用捕獲器。
  3. 前記台座が害虫用の誘引剤を保持していることを特徴とする請求項1または2に記載の飛翔害虫用捕獲器。
  4. 前記基体が中空形状であり、前記誘引剤の成分が前記基体の内部を通って外部へ拡散されることを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載の飛翔害虫用捕獲器。
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