JP2003078428A - ディジタルオーディオ放送受信装置及びその出力制御方法 - Google Patents

ディジタルオーディオ放送受信装置及びその出力制御方法

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JP2003078428A
JP2003078428A JP2001267189A JP2001267189A JP2003078428A JP 2003078428 A JP2003078428 A JP 2003078428A JP 2001267189 A JP2001267189 A JP 2001267189A JP 2001267189 A JP2001267189 A JP 2001267189A JP 2003078428 A JP2003078428 A JP 2003078428A
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audio
drc
audio frame
amplification degree
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JP2001267189A
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Tokuo Nagashima
徳夫 永島
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Kenwood KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ディジタルオーディオ放送の受信時にオーディ
オフレームの境界で発生する振幅歪を低減させる。 【解決手段】受信データからDRCデータを抽出するD
RCデコーダ35と、第n−1番目及び第n番目の夫々
のオーディオフレームで伝送された2つのDRCデータ
を格納するメモリ(37,39)と、該メモリに格納し
た2つのDRCデータを基に前記2つのDRCデータの
補間データを生成する演算手段43と、増幅度の制御が
可能な可変増幅器(28、30)とを備え、第n+1番
目のオーディオフレームのオーディオ信号を増幅する際
に、該オーディオフレームの復号後の信号を時間的に複
数の区分に分割し、該区分ごとのDRC補間データを算
出し、前記2つのDRCデータ及び前記区分ごとのDR
C補間データを用いて前記可変増幅器の増幅度を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタルオーデ
ィオ放送受信装置及びその出力制御方法に関し、特に欧
州で実用化されているディジタル音声放送(Digital A
udio Broadcasting:以下略してDABとも記す)を受
信するDAB受信装置及びその出力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルオーディオ放送では、オーデ
ィオ情報信号や画像情報信号、文字情報信号などが所定
のフォーマットで圧縮され、複数のサービスに対応でき
るように複数チャンネルの情報信号がデータ信号として
多重化されて送信される。ディジタル音声を含む前記所
定フォーマットのデータ信号を送受信するシステムとし
て、例えば欧州規格(Eureka 147)に準拠し
たDABシステムが実用化されている。前記DABシス
テムでは、1つのアンサンブルが複数のサービスで構成
され、該各サービスは複数のコンポーネントで構成され
る。その詳細については前記DABの規格書に記載され
ているので説明を省略する。
【0003】図7はDABシステムにおける伝送フレー
ムの構成を示す図である。送信されてくるDAB信号は
直交周波数分割多重変調方式即ちOFDM(Orthogonal
Frequency Division Multiplex)で変調されたOFD
M信号として送信され、図7に示す伝送フレーム(Tran
smission frame)は、前記OFDM信号を復調した復
調OFDM信号から得られる。図7に示すように、復調
OFDM信号における伝送フレームは、同期チャネル
(Synchronization Channel)、FIC(Fast Informat
ion Channel:高速情報チャネル)、MSC(Main Serv
ice Channel:メインサービスチャネル)のブロックで
構成される。前記FICは受信装置が番組を選局するの
に必要な情報や番組に対する補助情報などを伝送し、前
記MSCは音声やデータのサブチャンネル(Sub Channe
l)を伝送する。
【0004】1フレーム分の前記FICは3つのFIB
(Fast Information Block)と呼ばれるデータブロック
からなり、MSCは伝送モードにより異なるが1乃至4
のCIF(Common Interleaved Frame)と呼ばれるデー
タブロックにより構成され、CIF単位でタイムインタ
ーリーブがかけられている。前記CIFには複数のサブ
チャンネルが多重化されており、1つのサブチャンネル
は一つの番組に相当する。従って、ユーザは一つの番組
を受信しようとするときには、前記CIFから特定のサ
ブチャンネルを選択して選局する。DABシステムで
は、あるアンサンブルが受信されれば、そのアンサンブ
ルに含まれる複数のサービス、コンポーネントに関する
情報を得ることができ、受信周波数を変更することなく
異なるサービス、コンポーネントへ短時間で切り換える
ことが可能とされている。
【0005】前記伝送フレーム(Transmission frame)
の先頭には同期チャネルブロックが設けられている。こ
の同期チャネルブロックには、その先頭に粗同期用のN
ULLシンボルが配置され、続いてOFDM復調のため
の基準位相を担う位相参照シンボル(PRS)が配置さ
れている。DAB受信装置における選局はアンサンブル
を単位として行い、他のアンサンブルを受信する場合に
は、受信周波数の変更が行われる。この受信周波数の変
更に際しては、アンサンブルアップ/ダウンとも言われ
るサーチ操作(検索操作)によって受信可能なアンサン
ブルを検索して受信する。またユーザがディジタルオー
ディオ放送の受信を開始する場合にも、サーチ操作(検
索操作)によって受信可能なアンサンブルの検索をして
受信する。
【0006】前記サーチ操作は、ユーザがアップボタン
を押した場合には、周波数の低い方から高い方へ検索が
行われ、ダウンボタンを押した場合には、周波数の高い
方から低い方へ検索が行われ、前記NULLシンボルが
検出されたときにサーチは終了する。
【0007】図5は、従来のディジタルオーディオ放送
受信装置の一例を示すブロック図である。以下、図5を
基に従来のディジタルオーディオ放送受信装置50につ
いて説明する。ここではDAB受信装置を例にして説明
する。このDABシステムでは、変調方式としてOFD
M(直交周波数分割多重方式:Orthogonal FrequencyDiv
ision Multiplex)が採用されているものとして説明す
る。図5において、ディジタルオーディオ放送受信装置
での受信開始の指示やサーチ開始の指示はユーザから操
作パネル33を介してMPU31に与えられる。サーチ
時などに、受信するDAB放送の周波数情報は受信周波
数設定信号としてMPU31からフロントエンド13の
PLL14に送られる。フロントエンド13では、アン
テナ11を介して特定周波数のDAB搬送波が受信さ
れ、信号処理され、ディジタル信号処理が可能な所定の
中間周波数信号(IF信号)に変換されてアナログ/デ
ィジタル変換器(A/D変換器)15に出力される。A
/D変換器15ではアナログ信号がディジタル情報信号
に変換され、I/Q検波器16に供給される。I/Q検
波器16とFFT17とDSP18とでOFDM復調器
21を構成している。
【0008】I/Q検波器16では、後段でOFDM信
号が処理できるように、I信号とQ信号とに分割されF
FT17に供給される。FFT17とDSP(ディジタ
ル演算装置)18によって高速フーリエ変換が行われ、
チャンネルデコーダ23に供給される。チャンネルデコ
ーダ23では、信号の順番を元の順に戻すデ・インター
リーブ(de-interleaving)や、送信されなかったコー
ドビットを挿入して元のデータに戻すデ・パンクチャリ
ング(de-pancturing)や、誤り符号の検出や訂正など
が行われる。またマイクロプロセッサ(MPU)31で
は前記誤り符号の訂正と共に、符号誤り率の算出が行わ
れ、ミュート判定手段25では前記符号誤り率を基にミ
ュートをかけるかどうかの判定が行われ、符号誤り率が
予め定めた所定値より大なる時には、ディジタル/アナ
ログ変換器(D/A変換器)29からの信号送出を停止
するためのミュート制御信号がMPU31を介してMP
EGデコーダ27とD/A変換器29とに与えられる。
【0009】ミュート判定手段25は通常、チャンネル
デコーダ23の一部とMPU31などで構成されるが、
同図では別々に示されている。ミュート判定手段25と
MPU31との間の結線は図示が省略されている。ま
た、チャンネルデコーダ23については後で詳しく述べ
る。チャンネルデコーダ23からMPEGオーディオ・
レイヤ2を用いて圧縮されたオーディオ情報がMPEG
デコーダ27に供給され、MPEGデコーダ27では前
記圧縮されたオーディオ情報が復号されて圧縮が解除さ
れ、乗算器28で増幅度が制御され、D/A変換器29
でアナログ情報に変換されアナログオーディオ信号とし
て次段の増幅器30に出力される。増幅器30と乗算器
28とにより増幅度の制御が可能な可変増幅器を構成す
る。
【0010】DRC(Dynamic Range Control)データ
については後で詳述するが、DAB放送で各オーディオ
フレームに多重化して送信されてくるダイナミックレン
ジ制御用データであり、可変増幅器の増幅度制御用など
に使用される。DRCデコーダ35はDABのオーディ
オフレームから前記DRCデータを抽出し、抽出したD
RCデータを一旦DRCデコーダ35内のメモリに格納
し、その後前記DRCデータを伝送したオーディオフレ
ームの次のオーディオフレームの信号が乗算器28に出
力される直前に、マイクロプロセッサ(MPU)31か
ら与えられたタイミングでラッチ回路37に転送され
る。ラッチ回路37でラッチされたDRCデータは、該
DRCデータが含まれていたオーディオフレームの次の
オーディオフレームについての増幅度を制御するための
データであり、係数発生器45に与えられる。係数発生
器45では、ROMテーブルを参照しDRCデータが示
す増幅度の値を実際に乗算する係数に変換し、その結果
を乗算器28に与える。乗算器28は増幅器30ととも
に増幅度が制御可能な可変増幅器を構成しており、MP
EGデコーダ27の出力と係数発生器45の出力とを乗
算した結果に応じた増幅度に制御される。即ち、前記係
数に応じた増幅度に制御される。
【0011】図6はチャンネルデコーダにおける信号処
理手順を示すフローチャートである。図6のステップS
41では、図5のOFDM復調器21から出力された復
調OFDM信号について、周波数軸上での誤りをランダ
ム化するためになされた周波数インターリーブを解除し
て元に戻すデ・インターリーブが行われ、図7に示す伝
送フレームが得られる。
【0012】次に、前記FICとMSCとがステップS
43で分離される。ステップS45ではFICのデータ
に対してビダビ復号が行われ、同時にステップS47で
符号誤り率の算出が行われる。前記ステップS45とS
47は実際にはほぼ同時に行われ、符号誤り率が予め定
めた所定値より大なる時には、MPEGオーディオ信号
の復号と該復号された信号の送出とを停止するためのミ
ュート制御信号がMPEGデコーダ27とD/A変換器
29とに与えられる。前記ステップS47での符号誤り
率の算出は、ステップS45におけるビダビ復号によっ
てエラー訂正されたデータを再符号化し、該再符号化し
たデータとビダビ復号をする前のデータとを比較するこ
とによって行われる。次にステップS49でスクランブ
ルが解除され(デ・スクランブル)、ステップS51で
はFICを構成するFIBごとにCRCチェックが行わ
れ、制御信号としてマイクロプロセッサ(MPU)31
に供給される。
【0013】ステップS55では、複数のサブチャンネ
ルのうち、ユーザが選局した番組に対応するサブチャン
ネルのデータが図5に示す番組指定信号に基づいて分離
される。次に、ステップS57では、時間軸上での誤り
をランダム化するためのタイムインターリーブを解除す
るタイム・デ・インターリーブが行われる。そして、ス
テップS59ではビダビ復号、ステップS61でデ・ス
クランブルが行われ、DABオーディオフレーム(DA
B Audio frame)が図5のMPEGデコー
ダ27に出力される。なお、ステップS59ではFIC
の場合と同様に畳み込み符号化されたデータに対する符
号誤りの検出と訂正がビダビ復号により行われる。
【0014】DABの変調方式であるOFDMはマルチ
キャリア変調方式の一種であり、移動体通信においてマ
ルチパスやフェージングの受け難い安定した受信が可能
であるとされている。それでも実際には受信されたデー
タはさまざまな原因によってある程度の符号誤りを持つ
ことになる。このため前記したように、前記FIC又は
MSCのデータはビダビ復号によってエラー訂正がなさ
れ、該エラー訂正されたデータを再符号化して、エラー
訂正前のデータと比較して符号誤り率が算出される。そ
して、前記符号誤り率が所定値より大なる時には、MP
EGデコーダ27における復号動作を停止し、D/A変
換器29からの出力が停止されるようになっている。
【0015】前記DABの伝送フレームとしては、次の
ような4つの伝送モードが用意されており、いずれかの
一つの伝送モードによって各アンサンブルが送信され
る。即ち、伝送モード1では、伝送フレーム周期は96
ms、キャリア間隔は1kHz、前記CIFの数は4で
あり、伝送モード2では、伝送フレーム周期は24m
s、キャリア間隔は4kHz、CIFの数は1であり、
伝送モード3では、伝送フレーム周期は24ms、キャ
リア間隔は8kHz、CIFの数は1であり、伝送モー
ド4では、伝送フレーム周期は48ms、キャリア間隔
2kHz、CIFの数は2である。このように伝送モー
ドにより、伝送フレームの周期が異なる場合があるが、
各CIFの時間長はモードによらず24msである。
【0016】図8はDABシステムにおけるDAB A
udio frameの構成を示す図である。DABシ
ステムでは同図に示すようなDAB Audio fr
ameを連続的に送出することによりMPEGオーディ
オ・レイヤ2を用いて圧縮されたオーディオデータ等が
送信されてくる。受信時には、DAB Audiofr
ameはチャンネルデコーダ23から出力されてMPE
Gデコーダ27に与えられるが、その先頭にはDAB
Audio frame Headerがあり、続いて
エラー検出用のCRC(Cyclic Redundancy Check Wor
d)や、オーディオデータを復号するの必要な各種パラ
メータや、オーディオデータなどが配置されている。
【0017】前記ヘッダの直後のCRCにより、前記3
2ビットのヘッダの後半の16ビットとBit All
ocation、SCFSIまでのエラー訂正が行わ
れ、X−PADとF−PADの一部はその間に配置され
ているSCF CRCによりエラー訂正される。前記D
AB Audio frameの最後に配置されている
F−PADには、DRC(Dynamic Range Control)と
呼ばれる音量調整用のデータが含まれている。これは、
車輌内など騒音の大きい環境でダイナミックレンジの広
いオーディオ信号を再生すると、弱音部が周囲の騒音に
マスクされて聞き難くなるという問題に対処するために
付加されたデータであり、ETS 300 401 DAB規格で
は、音声データの各伝送フレーム(図7に示すCIFで
24ms単位)毎に、16ビットのダイナミックレンジ
制御データ(DRCデータ)を付加して伝送される。同
図のByte L Data Fieldに示すよう
に、DRCデータはByte L(8bit)における
bit7からbit2までの6bitで伝送されるデー
タである。
【0018】図10はDRCデータとGain(dB)
と係数との対応関係を示すROMテーブルの一例であ
る。同図に示すように、DRCデータにより0dB(デ
シベル)から0.25dBステップで15.75dBま
で可変増幅器の増幅度を増加することができるようにE
TS 300 401で規定されている。そして、受信
装置側で前記DRCデータに応じて可変増幅器の増幅度
を制御するDRC制御を行うことにより、実質的にダイ
ナミックレンジを狭くして、前記問題に対処しようとす
るものである。
【0019】図9はDRC制御が行われるオーディオフ
レーム番号と当該オーディオフレームに適用されるGa
inを示す図である。図9において、Audio Fr
ame nはn番目のオーディオフレームを示し、Ga
in g(n−1)はn−1番目のオーディオフレーム
で伝送されるDRCデータが示す増幅度である。言い換
えれば、n 番目のオーディオフレームで伝送されるD
RCデータはn+1番目のオーディオフレームに適用す
べきゲインのデータである。
【0020】そして、係数発生器45からは前記DRC
データに対応した係数がオーディオフレームごとに乗算
器28に与えられ、乗算器28と増幅器30で構成され
る可変増幅器に増幅度は、前記DRCデータに応じた増
幅度に制御される。これにより、各オーディオフレーム
内の期間では、可変増幅器に増幅度は一定に維持され
る。このようにして、増幅器30から出力される各オー
ディオフレームでの増幅度は、出力されるオーディオフ
レームの直前のオーディオフレームで伝送されたDRC
データに基づいて最適値に制御されるとされている。
【0021】しかしながら、CIFのフレーム長は24
msであるから、前記DRCデータは24msごとに送
信され、この24msの間、すなわち同一のオーディオ
フレーム内では可変増幅器の増幅度は一定に維持され
る。換言すれば、可変増幅器の増幅度がオーディオフレ
ームの境界で大幅に変化することがあり、オーディオフ
レームの境界近傍で信号レベルがゼロでない場合には、
可変増幅器で振幅歪が発生し、これが視聴者に違和感や
不快感をもたらすこととなる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、ディジタルオ
ーディオ放送におけるオーディオフレームの境界で発生
する振幅歪を低減させたディジタルオーディオ放送受信
装置と、その出力制御方法とを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために次のような構成でなされたものである。第1
の発明は、オーディオデータに付加して伝送されるDR
Cデータ(ダイナミックレンジ制御データ)を抽出する
DRCデコーダと、第n−1番目及び第n番目の夫々の
オーディオフレームで伝送された2つのDRCデータを
格納するメモリと、該メモリに格納した2つのDRCデ
ータを基に前記2つのDRCデータの補間データを生成
する演算手段と、増幅度の制御が可能な可変増幅器とを
備え、第n+1番目のオーディオフレームのオーディオ
信号を増幅する際に、該オーディオフレームのオーディ
オ信号を時間的に複数の区分に分割し、前記2つのDR
Cデータ及び前記区分ごとに算出した補間データに応じ
て前記可変増幅器の増幅度を制御するようにしたディジ
タルオーディオ放送受信装置である。
【0024】第2の発明は、第1の発明のディジタルオ
ーディオ放送受信装置において、第n+1番目のオーデ
ィオフレームのオーディオ信号を増幅する際に、前記メ
モリに格納した2つのDRCデータが夫々示す増幅度G
2、G1の差分(G1−G2)に応じて、前記DRCデ
ータが伝送される周期の1/N(Nは2以上の整数)ご
とに、前記可変増幅器の増幅度を(G1−G2)/Nずつ
変化させるようにしたディジタルオーディオ放送受信装
置である。
【0025】第3の発明は、第1の発明又は第2の発明
のディジタルオーディオ放送受信装置において、前記オ
ーディオデータを復号する復号手段を更に含み、前記復
号手段の出力と前記演算手段の出力とを乗算する乗算器
を用いて前記可変増幅器の増幅度を制御するようにした
ディジタルオーディオ放送受信装置である。
【0026】第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明
のいずれかのディジタルオーディオ放送受信装置におい
て、前記メモリに格納した2つのDRCデータを夫々に
対応する係数に変換し、該変換後の係数を基に前記演算
手段で前記補間データを生成するようにしたディジタル
オーディオ放送受信装置である。
【0027】第5の発明は、ディジタルオーディオ放送
の連続する2つのオーディオフレームで伝送された2つ
のDRCデータ(ダイナミックレンジ制御データ)を用
いて、前記2つのオーディオフレームに続く現オーディ
オフレームのオーディオ信号を増幅する際の増幅度を制
御するディジタルオーディオ放送受信装置の出力制御方
法であって、現オーディオフレームのオーディオ信号を
時間的に複数の区分に分割し、該各区分における増幅度
を、前記2つのDRCデータを基にして算出した区分ご
との補間データに応じて制御し、現オーディオフレーム
内で増幅度を段階的に増加させるか或いは段階的に減少
させるようにしたディジタルオーディオ放送受信装置の
出力制御方法である。
【0028】第6の発明は、ディジタルオーディオ放送
におけるオーディオフレームで伝送されるDRCデータ
(ダイナミックレンジ制御データ)のうち、第n番目の
オーディオフレームで伝送される第nのDRCデータと
その直前の第n−1番目のオーディオフレームで伝送さ
れる第n−1のDRCデータとをメモリに格納し、第n
+1番目のオーディオフレームのオーディオ信号を時間
的に複数の区分に分割し、前記格納した2つのDRCデ
ータを基にして前記区分ごとのDRCデータ補間データ
を生成し、第n+1番目のオーディオフレームのオーデ
ィオ信号を可変増幅器で増幅する際に、第n+1番目の
オーディオフレーム内の各区分のオーディオ信号と前記
各区分の補間データに応じた値とを乗算して、前記可変
増幅器の増幅度を前記乗算結果に応じた増幅度に制御
し、第n+1番目のオーディオフレーム内での増幅度を
増加方向または減少方向のいずれか一方に段階的に制御
するようにしたディジタルオーディオ放送受信装置の出
力制御方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明のディジタルオーディオ放
送受信装置及びその出力制御方法においては、オーディ
オフレーム(n−2)で伝送されるDRCデータ(n−
2)と、オーディオフレーム(n−2)に続くオーディ
オフレーム(n−1)で伝送されるDRCデータ(n−
1)とをラッチ回路でラッチし、前記DRCデータ(n
−2)と前記DRCデータ(n−1)とを基にして、前
記DRCデータ(n−2)が示す増幅度g(n−2)と
前記DRCデータ(n−1)が示す増幅度g(n−1)
との間の増幅度を示す補間データを線形補間などによっ
て算出する。この算出ではオーディオフレーム(n)の
MPEG復号後の信号を時間的に複数の区分に分割し
て、該分割した区分ごとの補間データを算出する。そし
て該補間データが示す区分ごとの増幅度によって各区分
における増幅度を制御する。なお、前記したオーディオ
フレーム(n)は時間的にn番目のオーディオフレーム
であることを示し、DRCデータ(n)はオーディオフ
レーム(n)によって伝送されるDRCデータであるこ
とを示し、nが大きいほど後から受信した新しいオーデ
ィオフレームである。
【0030】オーディオフレーム(n−1)に続くオー
ディオフレーム(n)のオーディオ信号を増幅する可変
増幅器の増幅度は、前記分割した区分ごとの補間データ
を用いて制御する。すなわち前記増幅度の制御は、MP
EGデコーダから出力されるオーディオフレーム(n)
の復号オーディオ信号と、前記区分ごとの補間データに
応じた係数とを乗算することにより行う。例えば、1オ
ーディオフレームの周期TFをN等分し、前記補間デー
タは前記増幅度g(n−2)とg(n−1)との間をN
等分するように算出し、可変増幅器の増幅度が時間TF
/Nごとに(g(n−1)−g(n−2))/Nずつ変
化するようにする。即ち、オーディオフレーム(n)の
オーディオ信号を増幅する可変増幅器の増幅度を、該フ
レーム内で増加方向または減少方向のいずれか一方に段
階的に制御するようにして、オーディオフレームの境界
で振幅歪が生じ難くする。
【0031】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。図1は本発明ディジタルオーディオ
放送受信装置の第1実施例を示すブロック図である。図
1と図5とで、同一機能、同一作用の要素には同一の符
号を付し、その説明を省略する。図1に示すディジタル
オーディオ放送受信装置10と図5に示すディジタルオ
ーディオ放送受信装置50との主たる違いは、図1では
ラッチ回路39、カウンタ41、演算器43が設けられ
ている点である。
【0032】図1において、オーディオフレーム(n−
2)で伝送されたDRCデータ(n−2)がDRCデコ
ーダ35で抽出されると、一旦DRCデコーダ35のメ
モリに格納され、その後オーディオフレーム(n−1)
の信号が乗算器28に出力される直前に、マイクロプロ
セッサ(MPU)31から与えられた同期信号に応じて
ラッチ回路37に転送される。そして次のオーディオフ
レーム(n−1)で伝送されたDRCデータ(n−1)
がDRCデコーダ35で抽出され、DRCデコーダ35
のメモリに一旦格納された後、その後オーディオフレー
ム(n)の信号が乗算器28に出力される直前に、MP
U31からの同期信号に応じて、ラッチ回路37に格納
されていたDRCデータ(n−2)はラッチ回路39に
転送され、新たに得られたDRCデータ(n−1)がラ
ッチ回路37に転送される。ラッチ回路37とラッチ回
路39から夫々DRCデータ(n−2)、DRCデータ
(n−1)が演算器43に与えられる。
【0033】カウンタ41は、MPEGデコーダ27か
ら出力されるオーディオフレームの番号が変わる直前に
MPU31からの同期信号に応じてリセットされ、1か
らスタートする。そして、オーディオフレームの周期T
F(約24ms)の1/N(Nは2以上の整数)の時間
が経過する度に、1ずつカウントアップされ、最後の値
はNとなる。カウンタ41の出力値CTは演算器43に
与えられる。即ちカウンタ41はオーディオフレームご
とに1からNまでの数値を演算器43に与える。演算器
43はDRCデータ(n−2)、DRCデータ(n−
1)、カウンタ値CTを基に分割した区分ごとにDRC
データの補間データy(n)を生成する。
【0034】図3は直前の2つのオーディオフレームで
伝送されたDRCデータを基に当該オーディオフレーム
用のDRC補間データyを算出する式を示す。ここに、
DRC(n−2)はDRCデータ(n−2)と同義であ
る。図3において、式(1)はDRC(n−2)とDR
C(n−1)とを基にオーディオフレーム(n)用のD
RC補間データy(n)を算出する式を示し、式(2)
はDRC(n−1)とDRC(n)とを基にオーディオ
フレーム(n+1)用のDRC補間データy(n+1)
を算出する式を示す。
【0035】図2は本発明に係る2つのDRCデータに
基づく増幅度制御方法を示す図である。図2において横
軸は時間軸であり、左側が過去側で、右側が未来側であ
る。そしてオーディオフレーム(n-1)の一部、オーディ
オフレーム(n)、オーディオフレーム(n+1)、オーディオ
フレーム(n+2)の一部が描かれている。縦軸はDRC補
間データとして生成されるGain値をdBで示す。図
のように、生成されたDRC補間データには基のDRC
データそのものも含まれるが、基のDRCデータそのも
のがこの例ではDRC補間データの一部となる。
【0036】図2に示すオーディオフレーム(n)のオー
ディオ信号を増幅する時の可変増幅器の増幅度は、DRC
(n-2)、DRC(n-1)、前記DRC(n-2)とDRC(n-1)とから生成
される区分ごとの補間データによって決定される。図2
に示す例では、Nは4であり、各オーディオフレームは
4つに分割され、該分割後の各区分ごとに増幅度が制御
される。Gain g(n-2)はDRC(n-1)に対応するGain[dB]を
示し、Gain g(n-1)はDRC(n)に対応するGain[dB]を示
す。オーディオフレーム(n)における第1区分のGaina1
は前記した補間データy(n)の算出式(1)でCTを1
とした時のy(n)の値であり、第2区分のGain a2は
前記した補間データy(n)の算出式(1)でCTを2と
した時のy(n)の値であり、第3区分のGain a3はCT
を3とした時のy(n)の値である。第4区分のGain a
4はCTを4とした時のy(n)の値であるが、Gain g(n-
1)となる。
【0037】同様にして、オーディオフレーム(n+1)の
オーディオ信号を増幅する時の増幅度は、DRC(n-1)、DR
C(n)、前記DRC(n-1)とDRC(n)とから生成される各補間デ
ータによって決定される。オーディオフレーム(n+1)の
第1区分のGain b1は前記した補間データy(n+1)の
算出式(2)でCTを1とした時のy(n+1)の値であ
り、第2区分のGain b2は前記した補間データy(n+
1)の算出式(2)でCTを2とした時のy(n+1)の値
であり、第3区分のGain b3はCTを3とした時のy(n+
1)の値である。第4区分のGain b4はCTを4とした時の
y(n+1)の値であるが、Gain g(n)となる。
【0038】カウンタ41のカウンタ値はフレーム周期
TFの1/Fごとに変更され、該カウンタ値CTに応じ
たDRC補間データが演算器43から係数発生器45に
出力される。係数発生器45ではROMテーブルを参照
して、演算器43から与えられた演算結果に応じた係数
を乗算器28に与える。係数発生器45から乗算器28
に与えられる係数は1区分に相当する時間TF/Fの間
一定であり、時間TF/Nごとに値が更新される。前記
したように、D/A29からオーディオ信号が入力され
る増幅器30は、乗算器28との組み合わせで、増幅度
が制御可能な可変増幅器を構成している。そしてその増
幅度は、1オーディオフレームの中で区間をN個に分割
して、区分1から区分Nまで、増幅度が次第に増加する
方向、或いは次第に減少する方向のいずれか一方に制御
され、各区分の境界に於ける増幅度の変化は、従来例デ
ィジタルオーディオ放送受信装置の場合に比して小さ
く、発生する振幅歪は少なくなる。
【0039】図4は本発明ディジタルオーディオ放送受
信装置の第2実施例を示すブロック図である。図4に示
すディジタルオーディオ放送受信装置20と図1に示す
ディジタルオーディオ放送受信装置10との違いは、図
4ではラッチ回路37とラッチ回路39の出力が夫々係
数発生器45に与えられ、係数発生器45から各DRC
データに対応する係数が演算器43bに与えられている
点であり、その他は図1と同じである。この第2実施例
装置によれば、演算器43bは係数発生器45から与え
られた2つの係数を基にして区分ごとのDRC補間デー
タを生成するから、DRCデータの分解能である6ビッ
トより高い分解能で補間データを生成することが出来る
という効果を奏する。
【0040】また、前記した第1実施例、第2実施例で
は、オーディオフレームを複数の区間に分割する際に、
各区分の時間長及び隣接区分間の増幅度の差を等しくし
たが、必ずしも等しくする必要ななく、例えばオーディ
オフレーム内に無音期間がある場合は、該無音期間がオ
ーディオフレームの一つの区分となるように分割し、前
記無音期間の前の区分と後の区分とでは増幅度の変化が
大きくなるように制御することも出来る。
【0041】さらに、演算器43での補間データの生成
は、前記した実施例ではカウンタ41から与えられたカ
ウント値CTに応じて算出したが、ラッチ回路37とラ
ッチ回路39とに夫々のDRCデータが格納されたなら
ば、演算器43で1オーディオフレームの全分割区分
(前記したでは1から4まで)のDRC補間データをす
ぐに算出して演算器43内に一時的に格納し、カウンタ
41の出力が変化した時に、その値CTに応じた補間デ
ータを演算器43から読み出して係数発生器45に与え
るようにしても良い。
【0042】以上詳細に述べた通り、本発明を適用した
実施の形態によれば、出力対象のオーディオフレームの
復号信号を複数の区分に分割するとともに、出力対象の
現オーディオフレームより前に受信した直近の2つのD
RCデータを用いて区分ごとのDRC補間データを生成
し、分割した各区分のオーディオ信号を増幅する際の増
幅度を前記区分ごとの補間データによって制御して、出
力対象のオーディオフレーム内で増幅度を段階的に増加
させるか或いは段階的に減少させる。従って、出力され
るオーディオ信号の振幅がオーディオフレームの境界で
大幅に変化することがなく、振幅歪の発生を減少させる
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ディジタルオーディオ放送受信装置の第
1実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る2つのDRCデータに基づく増幅
度制御方法を示す図である。
【図3】直前の2つのオーディオフレームで伝送された
DRCデータを基に当該オーディオフレーム用のDRC
補間データyを算出する式を示す。
【図4】本発明ディジタルオーディオ放送受信装置の第
2実施例を示すブロック図である。
【図5】従来のディジタルオーディオ放送受信装置の一
例を示すブロック図である。
【図6】チャンネルデコーダにおける信号処理手順を示
すフローチャートである。
【図7】DABシステムにおける伝送フレームの構成を
示す図である。
【図8】DABシステムにおけるDAB Audio
frameの構成を示す図である。
【図9】DRC制御が行われるオーディオフレームと当
該オーディオフレームに適用されるGainを示す図で
ある。
【図10】DRCデータとGain(dB)と係数との
対応関係を示すROMテーブルの一例である。
【符号の説明】
13 フロントエンド 14 位相同期回路(PLL) 15 アナログ/ディジタル変換器(A/D) 16 I/Q検波器 17 FFT 18 DSP 21 OFDM復調器 23 チャンネルデコーダ 25 ミュート判定手段 27 MPEGデコーダ 28 乗算器 29 ディジタル/アナログコンバータ(D/A) 31 マイクロプロセッサ(MPU) 33 入力手段(操作パネル) 35 DRCデコーダ 37、39 メモリ(ラッチ回路) 41 カウンタ 43、43b 演算器 45 係数発生器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーディオデータに付加して伝送されるD
    RCデータ(ダイナミックレンジ制御データ)を抽出す
    るDRCデコーダと、第n−1番目及び第n番目の夫々
    のオーディオフレームで伝送された2つのDRCデータ
    を格納するメモリと、該メモリに格納した2つのDRC
    データを基に前記2つのDRCデータの補間データを生
    成する演算手段と、増幅度の制御が可能な可変増幅器と
    を備え、第n+1番目のオーディオフレームのオーディ
    オ信号を増幅する際に、該オーディオフレームのオーデ
    ィオ信号を時間的に複数の区分に分割し、前記2つのD
    RCデータ及び前記区分ごとに算出した補間データに応
    じて前記可変増幅器の増幅度を制御することを特徴とす
    るディジタルオーディオ放送受信装置。
  2. 【請求項2】請求1記載のディジタルオーディオ放送受
    信装置において、第n+1番目のオーディオフレームの
    オーディオ信号を増幅する際に、前記メモリに格納した
    2つのDRCデータが夫々示す増幅度G2、G1の差分
    (G1−G2)に応じて、前記DRCデータが伝送され
    る周期の1/N(Nは2以上の整数)ごとに、前記可変
    増幅器の増幅度を(G1−G2)/Nずつ変化させること
    を特徴とするディジタルオーディオ放送受信装置。
  3. 【請求項3】請求1又は請求項2記載のディジタルオー
    ディオ放送受信装置において、前記オーディオデータを
    復号する復号手段を更に含み、前記復号手段の出力と前
    記演算手段の出力とを乗算する乗算器を用いて前記可変
    増幅器の増幅度を制御することを特徴とするディジタル
    オーディオ放送受信装置。
  4. 【請求項4】請求1乃至請求項3のいずれかに記載のデ
    ィジタルオーディオ放送受信装置において、前記メモリ
    に格納した2つのDRCデータを夫々に対応する係数に
    変換し、該変換後の係数を基に前記演算手段で前記補間
    データを生成することを特徴とするディジタルオーディ
    オ放送受信装置。
  5. 【請求項5】ディジタルオーディオ放送の連続する2つ
    のオーディオフレームで伝送された2つのDRCデータ
    (ダイナミックレンジ制御データ)を用いて、前記2つ
    のオーディオフレームに続く現オーディオフレームのオ
    ーディオ信号を増幅する際の増幅度を制御するディジタ
    ルオーディオ放送受信装置の出力制御方法であって、現
    オーディオフレームのオーディオ信号を時間的に複数の
    区分に分割し、該各区分における増幅度を、前記2つの
    DRCデータを基にして算出した区分ごとの補間データ
    に応じて制御し、現オーディオフレーム内で増幅度を段
    階的に増加させるか或いは段階的に減少させることを特
    徴とするディジタルオーディオ放送受信装置の出力制御
    方法。
  6. 【請求項6】ディジタルオーディオ放送におけるオーデ
    ィオフレームで伝送されるDRCデータ(ダイナミック
    レンジ制御データ)のうち、第n番目のオーディオフレ
    ームで伝送される第nのDRCデータとその直前の第n
    −1番目のオーディオフレームで伝送される第n−1の
    DRCデータとをメモリに格納し、第n+1番目のオー
    ディオフレームのオーディオ信号を時間的に複数の区分
    に分割し、前記格納した2つのDRCデータを基にして
    前記区分ごとのDRCデータ補間データを生成し、 第n+1番目のオーディオフレームのオーディオ信号を
    可変増幅器で増幅する際に、第n+1番目のオーディオ
    フレーム内の各区分のオーディオ信号と前記各区分の補
    間データに応じた値とを乗算して、前記可変増幅器の増
    幅度を前記乗算結果に応じた増幅度に制御し、第n+1
    番目のオーディオフレーム内での増幅度を増加方向また
    は減少方向のいずれか一方に段階的に制御することを特
    徴とするディジタルオーディオ放送受信装置の出力制御
    方法。
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