JP3798654B2 - デジタル放送受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル放送受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデジタル放送受信機において、図8のフローチャートに示すように、デジタル放送受信機の初期使用時、またはデジタル放送受信機のリセットされたとき(ステップS31)、現在受信することができる放送局を全て捜索して放送局の周波数テーブルがプリセットメモリなどに記憶されているか否かがチェックされて(ステップS32)、記憶されていないと判別されたときには、現在受信することができる放送局を全て捜索して、探索により受信することができる放送局の周波数を周波数テーブルの形でプリセットメモリなどに逐一記憶させて行き(ステップS33)、プリセットキーを押して選局を行って受信を行っている(ステップS34)。
【0003】
ステップS32において、既に現在受信することができる放送局の周波数テーブルがプリセットメモリなどに記憶されていると判別されたときは、メニュー画面を操作して、取扱説明書などから調べた現在の受信地域番号を指定し(ステップS36)、プリセットキーを押して選局を行って受信を行っている(ステップS34)。
【0004】
また、ステップS31において、初期使用時でないとき、またはリセットしたときでないときは、直接プリセットキーを押すことによって選局を行って受信を行っている。
【0005】
また、車載デジタル放送受信機等において、受信位置が移動することによって発生する受信状況の悪化を改善する目的で、図9に示すように、デジタル放送受信チューナ31とデジタル放送受信チューナ32とを使用したダイバーシティデジタル放送受信機を用いる場合は、例えば、図10のフローチャートに示すように、チューナ31によりデジタル放送を受信している間、チューナ32によって他の放送局が探索され(ステップS41)、この探索によって受信可能な放送局の周波数テーブルが作成され(ステップS42)、ステップS42により作成された周波数テーブルが既に作成されている周波数テーブルから変化しているか否かがチェックされる(ステップS43)。
【0006】
ステップS43において周波数テーブルが変化したと判別されたときはチューナ31による受信状態が変化したか否かがチェックされ(ステップS44)、受信状態が変化したと判別されたとき、新しい周波数テーブルに格納されている周波数の放送局をチューナ32にて受信する(ステップS45)ようにすることも可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の方法によるときは、例えばヨーロッパで行われているデジタル放送の場合、現行のアナログ放送と違い放送方式の多様な組み合わせが存在することからその識別に時間がかかって、放送局の探索に相当の時間を必要とするという問題点がある。
【0008】
また、デジタル放送であるためアナログ放送の場合のように速度で放送局の探索が行えず時間がかかるという問題点がある。
【0009】
さらに、初期使用時使用者が地域選択を行うためには、取扱説明書などから地域の番号を調べその入力送信モードに入る必要があり、メニュー選択動作の一つの操作としてかかる動作を行うために、電源を入れてから地域選択を終了するまでには時間がかかるという問題があった。
【0010】
さらにまた、チューナを複数使用すること非効率であるという問題もある。
【0011】
本発明は、1つのチューナで画像および受信音を実質的に途切れさせることなく、他周波数の放送局受信可否などの情報を得ることができるデジタル放送受信機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるデジタル放送受信機は、電源投入後、またはリセット後の任意の放送局の放送受信中における受信ガードインターバル期間中において他の受信放送局を自動的に探索して受信放送局の周波数テーブルを作成し、記憶させる手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明にかかるデジタル放送受信機は、電源投入後、またはリセット後の任意の放送局の放送受信中におけるOFDMシンボル期間中の終端ガードインターバル期間部分と引き続く次OFDMシンボル期間中のガードインターバル期間とにおいて他の受信放送局を自動的に探索して受信放送局の周波数テーブルを作成し、記憶させる手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明にかかるデジタル放送受信機によれば、電源投入後、またはリセット後の任意の放送局の放送受信中における、受信ガードインターバル期間中、または、OFDMシンボル期間中の終端ガードインターバル期間部分と引き続く次OFDMシンボル期間中のガードインターバル期間とにおいて、他の受信放送局が自動的に探索されて受信放送局の周波数テーブルが作成されて、記憶させられるために、1つのチューナで受信音を実質的に途切れさせることなく、他周波数の放送局受信可否などの情報を得ることができる。
【0015】
また、デジタル放送はアナログ放送と異なり、あるタイミングで切り替えないと音声が切り替えに使用した時間以上に途切れてしまうが、本発明のデジタル放送受信機では、ガードインターバル期間に探索が行われるためにこのようなことはなく、出力音声が途切れることはない。
【0016】
本発明のデジタル放送受信機において、受信放送局探索中の期間AGC回路を構成する可変利得増幅器の利得を受信放送局探索開始直前の利得に固定する手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明のデジタル放送受信機によれば、受信放送局探索中の期間AGC回路を構成する可変利得増幅器の利得が受信放送局探索開始直前の利得に固定されるために、探索された放送局の受信レベルによってAGC回路による利得が変動されて、探索された放送局の受信レベルが低いときにおいて、AGC回路のために受信可能と判別されることはない。
【0018】
本発明のデジタル放送受信機において、受信放送局探索期間中、同期検出処理を停止させる手段を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明のデジタル放送受信機によれば、受信放送局探索期間中同期検出処理が停止させられるために、他放送局の探索中、OFDMシンボル期間中の終端ガードインターバル期間部分と引き続く次OFDMシンボル期間中のガードインターバル期間との期間外の他情報のデコードが停止されることはない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるデジタル放送受信機を実施の一形態によって説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の一形態にかかるデジタル放送受信機の概略構成を示すブロック図であり、現在のヨーロッパにおける地上波DVB(Digital Video Broadcasting)受信機の場合を例示している。
【0022】
本発明の実施の一形態にかかるデジタル放送受信機1の構成説明の前に、DVBにおける伝送フレームについて説明する。
【0023】
DVBではOFDM変調が用いられており、DVBの送信方式は図5に示すように、送信モードとして2kおよび8kの2送信モード、ガードインターバルとして有効シンボル長の1/4、1/8、1/16、1/32の4種類、符号化率として1/2、2/3、3/4、5/6、7/8の5種類、変調方式としてQPSK、16−QAM、64−QAMの3種類、多重化としてなし、あり(1、2、4)の4種類、帯域幅8、7、6MHzの3種類がある。
【0024】
ガードインターバルは、図6(a)に示すように、1OFDMシンボルはガードインターバル期間(ガードインターバル=有効シンボル期間長/(4〜32))と有効シンボル期間とからなり、有効シンボル期間の後ろ部分(有効シンボル期間の1/4、1/8、1/16、または1/32がガードインターバルとして有効シンボルの前に複写されている。
【0025】
そこで、デジタル放送受信機1では、ガードインターバル期間中において他チャンネルの探索処理を行う。しかし図5に示す可能な組み合わせによっては、ガードインターバル期間は短く、処理が遅い場合は探索処理ができない場合がある。例えば、送信モード8k、ガードインターバル期間が有効シンボル期間の1/8であれば112μs、送信モード2k、ガードインターバル期間が有効シンボル期間の1/32であれば7μsしかない。このように探索期間が短いときは、2OFDMシンボル期間の2ガードインターバル期間を用いる。
【0026】
すなわち、連続する2OFDMを取れば図6(b)に示すように有効シンボルの後ガードインターバルとして有効シンボルの前に複写された部分と引き続くガードインターバルによって2OFDMシンボル期間において2ガードインターバル期間長が得られ、この期間(図6(b)において太い矢印で示した部分)において他チャンネルの探索処理を行い、該期間の前後における残り有効シンボル期間と前後のガードインターバル期間のデータとを復調データとする。
【0027】
また、伝送フレームは図7(a)に示すように、送信モード8k、ガードインターバル1/8、符号化率3/4、16QAM、帯域幅8MHzのときは、フレーム期間長Tf=68.544ms、OFDMシンボル長Ts(=Tu+Δ)=1.008ms、有効シンボル長Tu=0.896ms、ガードインターバル長Δ=0.112ms、1フレーム=680シンボル、図7(b)に示すようにスーパーフレーム=4フレームである。
【0028】
また、1OFDMフレームには参照信号(reference signal)のCP(continuous pilot) SP(scattered pilot)と呼ばれる二つの信号がある(図7(c)参照)。SP、CPはいくつかは重複し、端にはSP、またはCPが位置し、SPは端のキャリアを除いて等間隔に配置されている。なお、これらには変調はかかっておらず、実数部のみ送られてくる。この二つの信号は入力レベルはデータレベルの16/9であって、他のデータが入っている信号より送信出力が大きいため、識別することが可能である。
【0029】
ここで、CPは送られてくる位置がある計算式にしたがっていて固定である。このためメモリーに記憶された信号位置と比較を採るなどして、入力信号のタイミングをとる(フレーム同期)。SPも計算式にしたがって分散して配置されているので、これと入力信号のタイミングをとる(周波数同期)。
【0030】
また、1OFDMフレームには、TPS(transmission parameter signaling)と呼ばれる信号がある。これは、CPと同様固定の位置に配置されていて、データ信号と異なりDBPSK(differential bi-phase shift keying)で送られるが、送信出力レベルはデータ信号と同じである。この情報は合計68ビットで構成されていて1OFDMシンボル当たり1ビット情報があり、2フレームにあたる68OFDMシンボルでようやく一つ情報が得られることになる。TPSの構成図を図7(d)に示す。また、1OFDMシンボルの中に送信モード8kであれば68本、送信モード2kでは17本あり、まったく同じ情報を並列に送っている。
【0031】
図7(d)に示すようにTPSはBCH符号のパリティチェックがついている。パリティチェック後、この同期信号をとり、入力信号の変調方式を読みとりデータ信号の復調を行う。
【0032】
地上波DVBはこのTPSで得られる情報以外はMPEG−TSの中に含まれていて、MPEGデコードしないと他の情報は得られない。
【0033】
図1に戻って、デジタル放送受信機1は、受信信号は可変利得増幅器2および可変利得増幅器2の利得を制御する制御回路3をからなるAGC回路4に供給されて増幅され、AGC回路4の出力は検波器5にて検波される。検波器5の検波出力に基づき、制御のためのマイクロコンピュータ20からの出力をD/A変換器18にて変換した出力により制御回路3を介して可変利得増幅器2の利得が制御される。
【0034】
検波器5からの検波出力はミキサ6においてPLL回路7の出力と周波数混合されて中間周波信号に変換され、中間周波信号はバンドパスフィルタ8に供給されて帯域制限される。
【0035】
バンドパスフィル8からの出力は可変利得増幅器9および可変利得増幅器9の利得を制御するパワー検出器11からなるAGC回路12に供給されて増幅のうえ、A/D変換器10によってデジタルデータに変換され、パワー検出器11を介してデマッパ13に供給されてデマップされる。
【0036】
デマップされた出力はFFT回路14に供給されてFFT変換されて復調され、FFT変換されて復調された信号はデインターリブ回路21においてデインターリーブされ、デインターリーブされた出力は誤り訂正回路22において誤り訂正され、誤り訂正された出力はMPEGデコーダ23にてデコードされ、PAL/NTSCデコーダでデコードされてビデオ出力とされ、MPEGデコーダ23のデコード出力中の音声信号はD/A変換器25にて音声信号に変換される。
【0037】
さらに説明すれば、PLL回路7はマイクロコンピュータ20から出力される分周比情報を受けてミキサ6において周波数混合される周波数に設定され、ミキサ6において受信RF信号が中間周波信号に変換される。中間周波信号はA/D変換のうえパワー検出器11に供給されて、適性レベルを保つように可変利得増幅器9にてAGCされる。
【0038】
可変利得増幅器9からの出力は検波器15に供給されて検波され、検波器15からの検波出力はA/D変換器16にてA/D変換されてマイクロコンピュータ20に供給され、検波器5からの検波出力もA/D変換器17によってA/D変換されてマイクロコンピュータ20に供給され、マイクロコンピュータ20によって受信している放送の受信電波レベルが認識される。
【0039】
一方、FFT回路14からの出力はマイクロコンピュータ20に供給されて、マイクロコンピュータ20においてCP、SPを検出する同期処理がなされる。同期処理によりTPSの読み込みが行われ、ガードインターバル期間において、または図6(b)に示す実質的2ガードインターバル期間において、PLL回路7の分周比が順次変更されて他放送局の探索が行われる。
【0040】
この探索が行われている期間、パワー検出器11およびD/A変換器18を介したマイクロコンピュータ20の出力によって、AGC回路4および12を構成する可変利得増幅器2および9の利得が探索直前の利得に固定される。また、ガードインターバル期間において、または図6(b)に示す実質的2ガードインターバル期間において、他放送局の探索が行われている期間に亘り、同期処理が停止される。
【0041】
上記のように構成されたデジタル放送受信機1において、ガードインターバル期間内、または図6(b)における実質的2ガードインターバル期間内における作用について図2および図3にしたがって説明する。
【0042】
デジタル放送受信機1には、予め各地域の受信周波数テーブルの情報、各地域の代表的な周波数(日本でいえばNHKの放送局の周波数)のみの周波数テーブルzがメモリに格納されている。
【0043】
デジタル放送受信機1がリセットされると、デフォルトチャンネル放送局の放送受信にアクセスされてデフォルト放送局の放送受信が開始される(ステップS1)。ステップS1に続いて同期処理により同期が採れたか否かがチェックされ、同期が採れないと判別されると周波数テーブルzにしたがって次の周波数の放送が探索される(ステップS3)。
【0044】
同期処理については、後記の図4に基づいて説明する。
【0045】
ステップS3において同期が採れたと判別されたときには、復調がなされ映像信号および音声信号が出力される(ステップS4)。ステップS4に続いて受信した放送局の周波数が格納されている周波数テーブルがメモリから呼び出される(ステップS5)。ステップS5に続いて、ガードインターバル期間中、または実質2ガードインターバル期間中に、該当する周波数の放送のみを順次探索して該周波数の放送の受信、検波が行われる(ステップS6)。
【0046】
ステップS6における検波出力のレベルが閾値以上か否かがチェックされ(ステップS7)。ステップS7において閾値以上でないと判別されたときはステップS6から繰り返される。ステップS7において閾値以上であると判別されたときはその放送局の周波数が記憶され(ステップS8)、次の周波数の放送受信に移行させられ(ステップS9)、ステップS6からの探索操作を繰り返してn個の放送局の周波数を記憶したとき(ステップS10)、ステップS10によって得た周波数テーブルとメモリ内の周波数テーブルと比較されて該当する周波数テーブルxが選択される(ステップS11)。
【0047】
ステップS11に続いて周波数テーブルxがステップS10によって得た周波数テーブルに更新される(ステップS12)。
【0048】
ステップS1からステップS12の実行によって、リセット時における周波数テーブルxの変更が行われる。
【0049】
また、周波数テーブルxが選択されたのち、ガードインターバル期間中に全ての放送局が探索され、検波され(ステップS14)、既周波数テーブル以外の周波数の放送受信に基づく検波出力か否かがチェックされる(ステップS15)。ステップS15において、既周波数テーブル以外の周波数の放送受信に基づく検波出力でないと判別されたときはステップS14から繰り返して実行される。
【0050】
ステップS15において、既周波数テーブル以外の周波数の放送受信に基づく検波出力であると判別されると、現周波数テーブルxの他の周波数テーブルyにおける放送局の周波数に当てはまるか否かがチェックされる(ステップS16)。
【0051】
ステップS16のチェックにおいて当てはまらないと判別されると、新しい放送局の周波数が周波数テーブルxに加えられて、新たに、周波数テーブルxとされ(ステップS17)、次いでステップS14から繰り返して実行される。
【0052】
ステップS16のチェックにおいて当てはまると判別されると、ステップS16に続いて、周波数テーブルxおよび周波数テーブルyの放送局のみ順次受信し、検波され(ステップS18)、周波数テーブルyの周波数の放送受信時における検波出力が閾値を超え、かつ周波数テーブルxの周波数の放送受信時における検波出力が閾値未満かがチェックされる(ステップS19)。
【0053】
ステップS9におけるチェックにおいて、周波数テーブルyの周波数の放送受信時における検波出力が閾値を超えておらず、かつ周波数テーブルxの周波数の放送受信時における検波出力が閾値以上のときには、ステップS18から繰り返して実行され、周波数テーブルyの周波数の放送受信時における検波出力が閾値を超えており、かつ周波数テーブルxの周波数の放送受信時における検波出力が閾値未満のときには周波数テーブルyに変更される(ステップS20)。
【0054】
上記を繰り返して、閾値以上の信号レベルが存在する周波数テーブルが生成されて、この生成された周波数テーブルと予め記録されている各地区の受信周波数テーブルと比較することで、地域の特定が可能になる。
【0055】
次にステップS6およびステップS14について、ヌルシンボル期間中の探索について図3に基づいて説明する。
【0056】
放送局Aの放送が受信されている最中にステップS6、またはステップS14の実行にはいる(ステップS101)。
【0057】
ステップS101に続いて同期フラグ検出時から(T1)ms経過したか否かがチェックされる(ステップS102)。ここで、0.896ms<T1<T2<1.008msに選択してある。
【0058】
ステップS102において(T1)ms経過したと判別されたときは、AGCが固定、すなわち可変利得増幅器の利得が固定され、同期処理が停止される(ステップS103)。
【0059】
ステップS103においてAGC回路4および12による可変利得増幅器2および9の利得が固定されるのは、他の周波数の放送局を探索するときに該放送局の受信レベルによってAGC回路4および12による可変利得増幅器2および9の利得が変動させられて、前記他の放送局の受信信号レベルが低いときでも受信可能と判別しないようにするためである。
【0060】
また、ステップS103において同期処理が停止されるのは、新しい放送局を探索して受信するため、この新しい放送局の受信信号中における同期処理を停止して、OFDMシンボルの復調を行わせないためである。
【0061】
ステップS103に続いて、放送局AをNとし(ステップS104)、続いてNが最高受信周波数の放送局か否かがチェックされる(ステップS105)。ステップS5においてNが最高受信周波数の放送局であると判別されたときは、Nを最高受信周波数の放送局としてステップS105が実行される(ステップS106)。
【0062】
ステップS105においてNが最高受信周波数の放送局でないと判別されたときは放送局が次の放送局(N+1)の周波数に合わされて検波が行われ(ステップS107)、検波出力が予め定めた閾値以上か否かがチェックされる(ステップS108)。ステップS108において閾値上と判別されたときは放送局(N+1)の周波数が記憶され(ステップS109)、同期検出時から(T2)ms経過したか否かがチェックされる(ステップS110)。
【0063】
ステップS110において、(T2)ms経過したと判別されたときは放送局Aに戻される(ステップS111)。
【0064】
ステップS108において、閾値未満と判別され、かつ同期検出時から(T2)ms経過したと判別されたときは(ステップS112)、ステップS111が実行される。ステップS108において、閾値未満と判別され、かつ同期フラグ発生から(T2)ms経過していないと判別されたときは、放送局N=N+1が実行され(ステップS114)、続いてステップS105から繰り返して実行される。
【0065】
ステップS111に続いて、AGCの固定処理の解除、すなわち可変利得増幅器の利得の固定が解除され、同期処理の停止が解除され(ステップS115)、ステップS115に続いて同期フラグが検出されるのを待って(ステップS116)、放送局Aの放送受信に戻される。
【0066】
上記のように、使用者がはじめてデジタル放送受信機1に電源を入れた後、またはリセットした後、まずデフォルトの放送局の周波数にアクセスされ、この放送局が存在しなければ各地域の代表的なチャンネルのみの周波数テーブルにしたがって探索が行われる。
【0067】
この作業で受信できた初めの放送局の放送が受信され、復調されて、映像出力、音声出力がされる。この後、他の放送局の探索が行われる。このとき効率をあげるために、はじめに受信したチャンネルが登録されている一つ以上の周波数テーブルチャンネルのみシークするようにする。この作業を行っている間、映像、音声は実質的に途切れていない。
【0068】
次に、同期処理について図4に基づいて説明する。
【0069】
同期処理にはいると、帯域幅、送信モード、ガードインターバルがデフォルトの値に設定される。まず帯域幅がデフォルトの値8MHzに設定されて(ステップS201)、送信モードが2k送信モードに設定され(ステップS202)、ガードインターバルが1/32に設定され(ステップS203)、CPおよびSPが検出されたか否かがチェックされる(ステップS204)。
【0070】
ステップS204においてCPおよびSPが検出されたと判別されると、同期が採れた状態であり、TPSが読み込まれて(ステップS205)、続いて復調処理がなされる(ステップS206)。
【0071】
ステップS204において、CPおよびSPが検出されたと判別されないときはステップS204に続いてガードインターバルが1/4か否かがチェックされ(ステップS207)、1/4でないと判別されたときは続いてガードインターバル期間長が2倍に設定されて(ステップS208)、ステップS204から再び実行される。したがって、この設定変更によってCP及びSPが検出されるとステップS205が実行されて同期が採れたと判別される。
【0072】
ステップS207においてガードインターバルが1/4であると判別されたときは、ステップS207に続いて送信モードが8kモードか否かがチェックされ(ステップS209)、送信モードが8kでないと判別されると送信モードが8kモードに設定されて(ステップS210)、ステップS203から再び実行される。この実行によってCP及びSPが検出されるとステップS205が実行されて同期が採れたと判別される。
【0073】
ステップS209におい送信モードが8kモードであると判別されると、ステップS209に続いて帯域幅が6MHzか否かがチェックされて(ステップS211)、帯域幅が6MHzでないと判別されると帯域幅が1MHz減算されて(ステップS212)、ステップS202から再び実行される。この実行によってCPおよびSPが検出されるとステップS205が実行されて同期が採れたと判別される。
【0074】
ステップS211において帯域幅が6MHzであると判別されると、ステップS211に続いてステップS201から再び実行される。この実行によってCPおよびSPが検出されるとステップS205が実行されて同期が採れたと判別される。
【0075】
上記ように各組み合わせを順次変更してCPおよびSPの検出されるまで行って同期が判定されて、他放送局の探索のルーチンが続けられる。
【0076】
また、車載デジタル放送受信機などで位置が移動する場合、登録された周波数テーブルに格納されている周波数の放送局の受信ができないなど、異なる状況が発生することがある。このような状況が発生する可能性があるため、一度周波数テーブルが確定された後、すべての放送局に対し検波動作を行うようにする。このように行えば今まで受信できなかった放送局の検波出力レベルが上昇し、逆に受信可能であった放送局の検波出力レベルが下がってきたことなどが認識できて、その変化した周波数テーブルに自動的に変更することが可能になる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかるデジタル放送受信機によれば、電源投入後、またはリセット後の任意の放送局の放送受信中における受信ガードインターバル期間中において他の受信放送局を自動的に探索して放送周波数テーブルを作成し、記憶するようにしたため、映像信号、出力音声を実質的に途切れさせることなく他の放送局に対する周波数テーブルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかるデジタル放送受信機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態にかかるデジタル放送受信機の作用の説明に供するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の一形態にかかるデジタル放送受信機の作用の説明に供するフローチャートである。
【図4】本発明の実施の一形態にかかるデジタル放送受信機の作用の説明に供するフローチャートである。
【図5】DVBの伝送信号の説明に供する説明図である。
【図6】DVBの伝送信号の説明に供する説明図である。
【図7】DVBの伝送信号の説明に供する説明図である。
【図8】従来のデジタル放送受信機における他放送局の探索作用の説明に供するフローチャートである。
【図9】従来の2チューナデジタル放送受信機の構成を示す概略構成を示すブロック図である。
【図10】従来の2チューナデジタル放送受信機における他放送局の探索作用の説明に供するフローチャートである。
【符号の説明】
2および9 可変利得増幅器
4および12 AGC回路
5および15 検波器
6 ミキサ
14 FFT回路
20 マイクロコンピュータ

Claims (4)

  1. 電源投入後、またはリセット後の任意の放送局の放送受信中における受信ガードインターバル期間中において他の受信放送局を自動的に探索して受信放送局の周波数テーブルを作成し、記憶させる手段を備えたことを特徴とするデジタル放送受信機。
  2. 電源投入後、またはリセット後の任意の放送局の放送受信中におけるOFDMシンボル期間中の終端ガードインターバル期間部分と引き続く次OFDMシンボル期間中のガードインターバル期間とにおいて他の受信放送局を自動的に探索して受信放送局の周波数テーブルを作成し、記憶させる手段を備えたことを特徴とするデジタル放送受信機。
  3. 請求項1、または2記載のデジタル放送受信機において、受信放送局探索中の期間AGC回路を構成する可変利得増幅器の利得を受信放送局探索開始直前の利得に固定する手段を備えたことを特徴とするデジタル放送受信機。
  4. 請求項1、または2記載のデジタル放送受信機において、受信放送局探索期間中、同期検出処理を停止させる手段を備えたことを特徴とするデジタル放送受信機。
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