JP2003077230A - 伝送信号処理装置およびそれを使用したデジタル再生装置 - Google Patents

伝送信号処理装置およびそれを使用したデジタル再生装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】適応型等化器の発散状態を抑圧し、等化器で最
適な波形等化が行われるようにする。 【解決手段】データu(n)に対してLMSアルゴリズム
で適応的に波形等化を行う等化器105と、等化データ
y(n)より再生データを識別するビタビ復号器106
と、データu(n)より再生データを識別するビタビ復号
器107と、ビタビ復号器106の識別データd1(n)ま
たはビタビ復号器107の識別データd2(n)を出力識別
データd(n)として取り出して等化器105に供給する
セレクタ108とを有する。セレクタ108は、ビタビ
復号器106,107のメトリックの値M1,M2を用
いて、等化器105の動作が発散状態にあるときは、識
別データd1(n)に代わって識別データd2(n)を取り出
す。等化器105の動作が発散状態にある場合、識別デ
ータd1(n)に比べて誤り率の低い識別データd2(n)が等
化器105に供給されるため、等化特性は正しい方向に
向かって更新されていく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばデジタル
VTR(ビデオテープレコーダ)の再生系等に使用して
好適な伝送信号処理装置およびそれを使用したデジタル
再生装置に関する。詳しくは、この発明は、等化器を通
した伝送信号から第1の識別データを得る第1の識別器
と、この等化器を通さない伝送信号から第2の識別デー
タを得る第2の識別器と、第1の識別データまたは第2
の識別データを出力識別データとして取り出すセレクタ
とを備え、セレクタでは等化器の動作が発散状態にある
とき第1の識別データに代わって第2の識別データを出
力識別データとして取り出し、等化器を通した伝送信号
の波形がセレクタより取り出される出力識別データの波
形に近づくように等化器の波形等化特性を更新する構成
とすることによって、適応型等化器の動作の発散状態を
抑圧し、等化器で最適な波形等化が行われるようにした
伝送信号処理装置等に係るものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、一般的なデジタルVTR(Video
Tape Recorder)200の基本的構成を示している。ま
ず、記録系を説明する。入力端子201に供給される入
力ビデオ信号ViはA/Dコンバータ202でデジタル
信号に変換されて画像圧縮部203に供給される。画像
圧縮部203では、例えばブロック符号化を用いたデー
タ圧縮処理が行われる。画像圧縮部203より出力され
る圧縮符号化データは、パリティ・シンク・ID付加部
204に供給される。付加部204では、圧縮符号化デ
ータのシンクブロック毎に、エラー訂正用のパリティ、
シンクブロックの開始を示すシンク、シンクブロックの
識別のためのIDコードの付加が行われる。
【0003】付加部204より出力される各シンクブロ
ックの圧縮符号化データは、チャネルエンコーダ205
で所定の方式でデジタル変調される。チャネルエンコー
ダ205より出力されるデジタル変調信号は、記録アン
プ206で増幅された後に記録ヘッド207に供給さ
れ、磁気テープ208の記録トラックに順次記録され
る。
【0004】次に、再生系を説明する。磁気テープ20
8の記録トラックより再生ヘッド209で再生された再
生信号は再生アンプ210で増幅された後にチャネルデ
コーダ211で復調される。チャネルデコーダ211よ
り出力される各シンクブロックの圧縮符号化データはシ
ンク検出・エラー訂正部212に供給される。シンク検
出・エラー訂正部212では、シンクブロック毎に付加
されているパリティを使用してエラー訂正が行われる。
【0005】シンク検出・エラー訂正部212より出力
される各シンクブロックの圧縮符号化データは画像伸長
部213に供給される。画像伸長部213では、上述の
記録系の画像圧縮部203とは逆のデータ伸長処理が行
われる。画像伸長部213より出力されるデジタルデー
タはD/Aコンバータ214でアナログ信号に変換さ
れ、出力端子215に出力ビデオ信号Voが出力され
る。
【0006】図10は、図9に示すデジタルVTR20
0の再生系のチャネルデコーダ211からシンク検出・
エラー訂正部212に対応した構成を示している。すな
わち、再生ヘッド209(図9参照)からの再生信号S
pは、再生アンプ210で増幅された後にアナログ等化
器221に供給されて、ある程度の波形等化が行われ
る。アナログ等化器221で波形等化された再生信号は
A/Dコンバータ222に供給されると共に、PLL(P
hase-Locked Loop)回路223に供給される。PLL回
路223では、再生信号からクロックCLKが抽出され
る。A/Dコンバータ222では、PLL回路223で
抽出されたクロックCLKを使用して再生信号がデジタ
ル信号に変換される。
【0007】A/Dコンバータ222より出力されるデ
ジタルデータは適応型等化器224を介して識別器とし
てのビタビ復号器225に供給される。ビタビ復号器2
25で識別されて得られた識別データは適応型等化器2
24に供給される。適応型等化器224では、例えばL
MS(Least Mean Square)アルゴリズムにより、当該適
応型波形等化器224からの出力データの波形がビタビ
復号器225からの識別データの波形(目標波形)に近
づくように波形等化特性、例えばトランスバーサルフィ
ルタのタップ係数が適応的に変更され、これにより最適
な波形等化が行われるようにしている。
【0008】ビタビ復号器225からの識別データは再
生データとして復調器226に供給されて復調される。
この復調器226より出力される各シンクブロックの圧
縮符号化データは誤り訂正器227に供給され、シンク
ブロック毎に付加されているパリティを使用してエラー
訂正が行われる。誤り訂正器227でエラー訂正された
圧縮符号化データDpは画像伸長部213(図9参照)
に供給される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】適応型等化器224で
は、上述したように、LMSアルゴリズムにより、当該
適応型波形等化器224からの出力データの波形がビタ
ビ復号器225からの識別データの波形(目標波形)に
近づくように、波形等化特性、例えばトランスバーサル
フィルタのタップ係数が適応的に変更される。
【0010】この場合、適応型等化器224においてL
MSアルゴリズムが収束した後はビタビ復号器225で
識別された識別データの誤り率は低く、適応型等化器2
24で最適な波形等化を行うことができるが、LMSア
ルゴリズムが収束に至るまでの間にビタビ復号器225
で識別された識別データの誤り率が高い場合には、適応
型等化器224においてLMSアルゴリズムが上手く収
束できずに、波形等化特性を誤った方向に更新し、これ
によりビタビ復号器225で識別された識別データはさ
らに誤りが増大して適応型等化器224が発散した状態
となるため、適応型等化器224で最適な波形等化を行
うことが困難となる。そこで、この発明の目的は、適応
型等化器の発散状態を抑圧し、等化器で最適な波形等化
が行われるようにした伝送信号処理装置等を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係る伝送信号
処理装置は、伝送信号に対して波形等化を行う等化器
と、この等化器で波形等化された信号より伝送されたデ
ータを識別して第1の識別データを出力する第1の識別
器と、伝送信号より伝送されたデータを識別して第2の
識別データを出力する第2の識別器と、第1の識別器よ
り出力される第1の識別データまたは第2の識別器より
出力される第2の識別データを出力識別データとして取
り出す識別出力セレクタとを備え、識別出力セレクタ
は、等化器の動作が発散状態にあるときは、第1の識別
データに代わって第2の識別データを出力識別データと
して取り出し、等化器は、波形等化された信号の波形が
識別出力セレクタより取り出される出力識別データの波
形に近づくように波形等化特性を更新するものである。
【0012】この発明に係るデジタル再生装置は、記録
媒体より再生された再生信号を処理してデータの識別を
行う信号処理部を有するデジタル再生装置であって、信
号処理部は、再生信号に対して波形等化を行う等化器
と、等化器で波形等化された信号より、再生されたデー
タを識別して第1の識別データを出力する第1の識別器
と、伝送信号より再生されたデータを識別して第2の識
別データを出力する第2の識別器と、第1の識別器より
出力される第1の識別データまたは第2の識別器より出
力される第2の識別データを出力識別データとして取り
出す識別出力セレクタとを備え、識別出力セレクタは、
等化器の動作が発散状態にあるときは、第1の識別デー
タに代わって第2の識別データを出力データとして取り
出し、等化器は、波形等化された信号の波形が識別出力
セレクタより取り出される出力識別データの波形に近づ
くように波形等化特性を更新するものである。
【0013】この発明においては、伝送信号に対して等
化器で波形等化が行われる。この等化器で波形等化され
た信号より伝送されたデータが識別されて、第1の識別
データが得られる。また、伝送信号より伝送されたデー
タが識別されて第2の識別データが得られる。識別出力
セレクタでは、これら第1の識別データまたは第2の識
別データが出力識別データとして取り出され、等化器で
は、波形等化された信号の波形が識別出力セレクタより
取り出される出力識別データの波形に近づくように波形
等化特性が更新される。
【0014】ここで、等化器の動作が発散状態にある場
合は、第1の識別データに代わって第2の識別データが
出力識別データとして取り出される。例えば、第1、第
2の識別器がそれぞれビタビ復号器で構成される場合、
第1の識別器のメトリックの値をM1とし、第2の識別
器のメトリックの値をM2とし、ばらつきを考慮した任
意の値をAとするとき、M1<M2+Aを満たさなくな
るとき、第1の識別データに代わって第2の識別データ
が出力識別データとして取り出される。すなわち、等化
器の動作が発散状態となる場合は、第1の識別器のメト
リックの値M1が大きくなり、M1<M2+Aを満たさ
なくなる。これにより、等化器の動作が発散状態となる
場合は、第1の識別データに代わって第2の識別データ
が出力識別データとして取り出されることとなる。
【0015】また例えば、第1の識別器の後段に配置さ
れる第1の誤り訂正器と、第2の識別器の後段に配置さ
れる第2の誤り訂正器とをさらに備える場合、第1の誤
り訂正器における所定期間の誤り訂正数をE1とし、第
2の誤り訂正器における所定期間の誤り訂正数をE2と
して、ばらつきを考慮した任意の数をAとするとき、E
1<E2+Aを満たさなくなるとき、第1の識別データ
に代わって第2の識別データが出力識別データとして取
り出される。すなわち、等化器の動作が発散状態となる
場合は、第1の誤り訂正器の誤り訂正数E1が大きくな
り、E1<E2+Aを満たさなくなる。これにより、等
化器の動作が発散状態となる場合は、第1の識別データ
に代わって第2の識別データが出力識別データとして取
り出されることとなる。
【0016】第2の識別器で得られる第2の識別データ
は等化器で波形等化された信号より伝送されたデータを
識別して得られたものではなく、等化器の動作が発散状
態にある場合には、第1の識別データに比べて誤り率の
低いものとなっている。そのため、等化器の波形等化特
性は正しい方向に向かって更新されていく。これによ
り、等化器の動作の発散状態を抑圧でき、適応型等化器
で最適な波形等化が行われるようにできる。
【0017】また、上述した識別出力セレクタの後段
に、所定単位毎にデータの誤りを検出して訂正する誤り
訂正器が備えられる。この場合、等化器の動作が発散状
態にある場合には、第2の識別器で得られる第2の識別
データに対応する信号が誤り訂正器に供給されて誤り訂
正される。第2の識別データは等化器で波形等化された
信号より伝送されたデータを識別したものではなく、等
化器の動作が発散状態にある場合にも第1の識別データ
に比べて誤り率の低いものとなることから、等化器の動
作が発散状態にある場合であっても誤り訂正器における
誤り訂正数が極端に多くなることはなく、最終的な所定
単位のデータの誤り数(誤り率)を低減可能となる。
【0018】また例えば、第1の識別器の後段に配置さ
れ、所定単位毎にデータの誤りを検出して訂正する第1
の誤り訂正器と、第2の識別器の後段に配置され、所定
単位毎にデータの誤りを検出して訂正する第2の誤り訂
正器と、第1の誤り訂正器より出力される第1の出力デ
ータまたは第2の誤り訂正器より出力される第2の出力
データを所定単位毎に取り出す訂正出力セレクタとを備
え、訂正出力セレクタは、第1の誤り訂正器および第2
の誤り訂正器で得られる所定単位毎の出力データの誤り
情報に基づき、第1の出力データおよび第2の出力デー
タの双方が誤っていないときはいずれか一方を取り出
し、第1の出力データまたは第2の出力データが誤って
いるときは誤っていない方を取り出すようにしてもよ
い。これにより、最終的な所定単位のデータの誤り数
(誤り率)を低減することが可能となる。
【0019】なおこの場合、第1、第2の識別器を異な
るパーシャルレスポンス方式を組み合わせたビタビ復号
器とすることで、第1,第2の識別データにおける誤り
位置のずれを期待でき、これにより最終的な所定単位の
データの誤り数(誤り率)をさらに低減可能となる。ま
たこの場合、第1の識別器の出力データに対応する第1
のデータおよび第2の識別器の出力データに対応する第
2のデータの誤りを、1個の誤り訂正器で、時分割的に
検出して訂正する構成とすることで、回路規模を小さく
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施の形態について説明する。まず、第1の実施
の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態と
してのデジタルVTRの再生系100の要部構成を示し
ている。このデジタルVTRの再生系100は、再生信
号Spを増幅するための再生アンプ101と、この再生
アンプ101で増幅された再生信号に対して波形等化を
行うアナログ等化器102と、このアナログ等化器10
2で波形等化された再生信号をデジタル信号に変換する
A/Dコンバータ103と、この波形等化された再生信
号よりクロックCLKを抽出するPLL回路104とを
有している。A/Dコンバータ103では、PLL回路
104で抽出されたクロックCLKがサンプリングクロ
ックとして使用される。
【0021】また、再生系100は、A/Dコンバータ
103より出力されるデジタルデータu(n)に対して適
応的に波形等化を行う適応型等化器105と、この適応
型等化器105で波形等化されて得られたデジタルデー
タy(n)より伝送データとしての再生データを識別する
識別器としてのビタビ復号器106と、A/Dコンバー
タ103より出力されるデジタルデータu(n)より再生
データを識別する識別器としてのビタビ復号器107
と、ビタビ復号器106で得られる識別データd1(n)ま
たはビタビ復号器107で得られる識別データd2(n)を
出力識別データd(n)として取り出すセレクタ(識別出
力セレクタ)108とを有している。
【0022】ここで、セレクタ108は、ビタビ復号器
106のメトリックの値M1とビタビ復号器107のメ
トリックの値M2とを用いて、適応型等化器105の動
作が発散状態にないときは、識別データd1(n)を出力識
別データd(n)として取り出し、一方適応型等化器10
5の動作が発散状態にあるときは、識別データd2(n)を
出力識別データd(n)として取り出す。
【0023】すなわち、セレクタ108は、ばらつきを
考慮した任意の値をAとするとき、M1<M2+Aを満
たさなくなるときは、識別データd1(n)に代わって識別
データd2(n)を出力識別データd(n)として取り出す。
適応型等化器105の動作が発散状態となる場合は、ビ
タビ復号器106のメトリックの値M1が大きくなり、
M1<M2+Aを満たさなくなる。よって、セレクタ1
08では、適応型等化器105の動作が発散状態となる
場合は、識別データd1(n)に代わって識別データd2(n)
が出力識別データd(n)として取り出されることとな
る。
【0024】また、セレクタ108で取り出された出力
識別データd(n)は適応型等化器105に供給される。
適応型等化器105は、本実施の形態においてはLMS
アルゴリズムにより、当該適応型等化器105からのデ
ジタルデータy(n)の波形がセレクタ108からの出力
識別データd(n)の波形(目標波形)に近づくように波
形等化特性、つまりトランスバーサルフィルタのタップ
係数が適応的に変更され、これにより最適な波形等化を
行う。
【0025】また、再生系100は、セレクタ108か
らの出力識別データd(n)に対して復調処理を行う復調
器109と、この復調器109より出力される各シンク
ブロックの圧縮符号化データに対して、シンクブロック
毎に付加されているパリティを使用して誤り訂正を行っ
て、圧縮符号化データDpを得る誤り訂正器110を有
している。
【0026】適応型等化器105についてさらに詳細に
説明する。図2は、適応型等化器105の構成を示して
いる。この適応型等化器105は、トランスバーサルフ
ィルタ111、判定器112、制御回路113を含んで
構成される。トランスバーサルフィルタ111は、A/
Dコンバータ103(図1参照)より出力される波形等
化すべきデジタルデータu(n)と、制御回路113から
出力されるタップ係数ベクトルH(n)を入力し、デジタ
ルデータu(n)に対して伝送路の周波数対振幅・位相特
性の補償を行い、波形等化されたデジタルデータy(n)
を生成し、判定器112および識別器としてのビタビ復
号器106(図1参照)に出力する。また、トランスバ
ーサルフィルタ111はデジタルデータベクトルU(n)
を制御回路113に出力する。トランスバーサルフィル
タ111の具体的な回路構成については後に述べる。
【0027】上述せずも、ビタビ復号器106は、入力
されたデジタルデータy(n)に対して、所定の符号点配
置上、y(n)に最も近いデータd1(n)を、再生されたデ
ータとして識別し、これを識別データd1(n)として出力
する。同様に、ビタビ復号器107は、入力されたデジ
タルデータu(n)に対して、所定の符号点配置上、y(n)
に最も近いデータd2(n)を、再生されたデータとして識
別し、これを識別データd2(n)として出力する。
【0028】判定器112は、セレクタ108で取り出
された識別データd(n)と、波形等化されたデジタルデ
ータy(n)との差を求め、差分結果を誤差信号e(n)とし
て制御回路113に出力する。判定器112は加算器に
より構成されている。d(n)、y(n)、e(n)には、
(1)式の関係がある。 e(n)=d(n)−y(n) ・・・(1)
【0029】制御回路113は、誤差信号e(n)および
デジタルデータベクトルU(n)を入力し、LMSアルゴ
リズムに従って、デジタルデータベクトルU(n)が入力
される度毎に、逐次的に複数のタップ係数を更新して設
定する。設定された複数のタップ係数はタップ係数ベク
トルH(n)としてトランスバーサルフィルタ111に出
力される。ここで、タップ係数ベクトルH(n)はM個の
複数のタップ係数をベクトルの要素としており、(2)
式で定義される。 H(n)=[h1(n),h2(n),・・・,hM(n)]‘ ・・・(2) ここで、「‘」はベクトルの転置を表している(以下同
じ)。また、ベクトルの要素hi(n)(i=1,・・
・,M)はスカラー量とする。
【0030】以上のような構成の適応型等化器に105
により、時々刻々入力されるデジタルデータu(n)が等
化され、波形等化されたデジタルデータy(n)が出力さ
れていく。
【0031】ここで、M個のタップを有するトランスバ
ーサルフィルタ111の構成例を図3に示す。このトラ
ンスバーサルフィルタ111は、デジタルデータ入力端
子121、デジタルデータベクトル出力端子122、タ
ップ係数ベクトル入力端子123、レジスタ群124、
乗算器群125、加算器126、デジタルデータ出力端
子127を含んで構成される。
【0032】レジスタ群124は入力端子121からデ
ジタルデータu(n)を入力し、1サンプル期間Tだけ保
持してそのデータを順送りするシフトレジスタである。
このレジスタ群124は第1のレジスタ124-1、第2
のレジスタ124-2、・・・、第Mのレジスタ124-M
より構成される。また、乗算器群125は、第1の乗算
器125-1、第2の乗算器125-2、・・・、第Mの乗
算器125-Mより構成される。
【0033】トランスバーサルフィルタ111の各構成
要素の動作と相互関係を説明する。デジタルデータu
(n)は入力端子121を介してレジスタ124-1へ供給
される。レジスタ群124内の隣り合う各レジスタは互
いに接続されているので、1周期T毎にレジスタ124
-1の出力はレジスタ124-2の入力として、レジスタ1
24-2の出力はレジスタ124-3の入力として与えられ
る。また、レジスタ群124内の各レジスタ124-1〜
124-Mの出力は、乗算器群125の各乗算器125-1
〜125-Mの入力端にそれぞれ与えられる。さらに、レ
ジスタ群124内の各レジスタ124-1〜124-Mの出
力は、デジタルデータベクトルU(n)の要素として出力
端子122を介して出力される。
【0034】レジスタ群124の各レジスタは所定の1
サンプル期間Tの間信号を保持した後、1サンプル期間
ずつずれたデジタルデータu(n-1),u(n-2),・・・,
u(n-)を出力する。これらのデジタルデータはデジタル
データベクトルU(n)のベクトル成分となる。したがっ
て、デジタルデータベクトルU(n)は、(3)式のよう
に表される。 U(n)=[u(n-1),u(n-2),・・・,u(n-M)]‘ ・・・(3)
【0035】入力端子123からは、M個のタップ係数
1(n),h2(n),・・・,hM(n)を要素とするタップ係
数ベクトルH(n)が、乗算器群125のM個の乗算器1
25-1〜125-Mにそれぞれ入力される。そして各乗算
器125-1〜125-Mによってデジタルデータとタップ
係数の乗算が行われる。それぞれの乗算結果は加算器1
26に与えられて加算される。
【0036】例えば、乗算器125-1では、デジタルデ
ータu(n-1)とタップ係数h1(n)の乗算が行われる。ま
た乗算器125-2では、デジタルデータu(n-2)とタッ
プ係数h2(n)の乗算が行われる。これらの各乗算結果は
加算器126に出力される。加算器126は乗算器群1
25から入力される乗算結果の総和を演算し、波形等化
されたデジタルデータy(n)として出力端子127を介
して出力する。このデジタルデータy(n)は、(4)式
で表される。 y(n)=h1(n)u(n-1)+h2(n)u(n-2)+・・・+hM(n)u(n-M) ・・・(4)
【0037】図2に示した適応型等化器105において
用いられるLMSアルゴリズムは、等化器の出力と期待
される信号波形との差の2乗平均値を評価量とし、この
評価量が最小となるように逐次的にトランスバーサルフ
ィルタのタップ係数を更新するアルゴリズムである。L
MSアルゴリズムについては、例えば、羽鳥ほか:“デ
ィジタル信号処理”、丸善、6-3-2節(1994.1)などに
も記載されている。
【0038】一般に、LMSアルゴリズムによるMタッ
プのトランスバーサルフィルタの各タップ係数hi(n)
(i=1,・・・M)の更新式は、図2に示したe
(n)、u(n)を用いると、(5)式で与えられる。 hi(n+1)=hi(n)+μ・e(n)・u*(n-i) (但し、i=1,・・・,M) ・・・(5)
【0039】ここで、u*(n)はu(n)の複素共役を表す
(以下同じ)。(5)式において、μはステップサイズ
パラメータと呼ばれる微小量の実数係数である。(5)
式をH(n)、U(n)を用いてベクトル表現すれば、LMS
アルゴリズムは、(6)式のようになる。 H(n+1)=H(n)+μ・e(n)U*(n) ・・・(6)
【0040】ここで、U*(n)はU(n)の複素共役を表す
(以下同じ)。(6)式に示すように、タップ係数はデ
ジタルデータベクトルU(n)の複素共役と誤差信号e(n)
との積に、微小係数μを乗算した修正値によって更新さ
れる。
【0041】続いて、タップ係数が収束する条件につい
て述べる。デジタルデータu(n)の自己相関行列をRと
すると、Rは次の(7)式で定義される。 R=E[U(n)・U“(n)] ・・・(7)
【0042】ここで、「“」は複素共役転置を表し、E
[]は平均値を表すものとする(以下同じ)。このとき、
自己相関行列Rの最大固有値をλとすれば、タップ係数
が収束するための条件は、(8)式で表される。ステッ
プサイズパラメータμはこの(8)式を満たす値で与え
る必要がある。 0<μ<2/λ ・・・(8)
【0043】ここで、適応型等化器のタップ係数の更新
アルゴリズムの例として、LMSを用いた場合の具体的
な構成例について述べる。基本的な回路構成としては図
2に示したトランスバーサルフィルタ111をもつ適応
型等化器105と同じでもよい。このうち、上記のLM
Sアルゴリズムの機能を制御回路113内において具体
的に実現してもよい。
【0044】LMSアルゴリズムを実現する制御回路1
13の構成例を図4に示す。この制御回路113は、ト
ランスバーサルフィルタ111の各タップ係数を設定す
る複数のタップ係数設定回路を有しており、その個数は
タップ係数の個数Mに等しい。
【0045】図4に示すように制御回路113は、誤差
信号入力端子131、デジタルデータベクトル入力端子
132、タップ係数設定回路133-1,133-2,・・
・,133-M、タップ係数ベクトル出力端子134を含
んで構成される。
【0046】次に制御回路113の各構成要素の動作と
相互関係について述べる。入力端子131より誤差信号
e(n)が入力され、タップ係数設定回路133-1,1
33-2,・・・,133-Mに与えられる。また、入力端
子132よりデジタルデータベクトルU(n)が入力され
ると、U(n)の各要素であるu(n-1),u(n-2),・・
・,u(n-M)がタップ係数設定回路133-1,133-
2,・・・,133-Mにそれぞれ与えられる。
【0047】M個のタップ係数設定回路133-1,13
3-2,・・・,133-Mは、所定のアルゴリズムに基づ
き、それぞれタップ係数h1(n),h2(n),・・・,h
M(n)を演算して出力する。出力されたタップ係数h
1(n),h2(n),・・・,hM(n)は、これらを要素とする
タップ係数ベクトルH(n)として、出力端子134より
出力される。
【0048】M個のタップ係数設定回路133-1,13
3-2,・・・,133-Mは同一機能を有するが、これら
のうちの第k番目のタップ係数設定回路133-kの動作
を説明する。タップ係数設定回路133-kは、誤差信号
e(n)およびデジタルデータU(n)の要素であるu(n-k)
を入力し、タップ係数を所定のアルゴリズムによって計
算し、その結果をタップ係数hk(n)として出力する。
【0049】ここで、LMSアルゴリズムに基づいてタ
ップ係数を設定するタップ係数設定回路133-kの具体
的な構成例を、図5に示す。このタップ係数設定回路1
33-kは、誤差信号入力端子141、デジタルデータ入
力端子142、ステップサイズパラメータ設定器14
3、複素共役器144、乗算器145、乗算器146、
加算器147、レジスタ148、タップ係数出力端子1
49を含んで構成される。
【0050】タップ係数設定回路133-kの各構成要素
の相互関係と動作を説明する。入力端子141を介して
誤差信号e(n)が乗算器145に入力される。また、入
力端子142を介してデジタルデータu(n-k)が複素共
役器144に入力される。複素共役器144はデジタル
データu(n-k)の複素共役データu*(n-k)を演算し、乗
算器145に与える。乗算器145は、複素共役器14
4からの複素共役データu*(n-k)と誤差信号e(n)との
乗算を行い、乗算結果u*(n-k)・e(n)を、乗算器14
6に与える。
【0051】一方、設定器143より、所定の値のステ
ップサイズパラメータμが乗算器146に入力される。
乗算器146は、乗算器145の出力信号u*(n-k)・e
(n)と、ステップサイズパラメータμとの乗算を行っ
て、乗算結果であるμ・u*(n-k)・e(n)を加算器14
7に出力する。加算器147は乗算器146の出力信号
μ・u*(n-k)・e(n)と、レジスタ148が出力するタ
ップ係数hk(n)との加算を行って、加算結果をhk(n+1)
としてレジスタ148に出力する。レジスタ148は1
サンプル期間Tの間データを遅延し、これをタップ係数
k(n)として出力端子149を介して出力する。
【0052】図1に示す再生系100の動作を説明す
る。図示しない磁気テープから再生ヘッドで再生された
再生信号Spは、再生アンプ101で増幅された後にア
ナログ等化器102に供給されて、ある程度の波形等化
が行われる。アナログ等化器102で波形等化された再
生信号はA/Dコンバータ103に供給されると共に、
PLL回路104に供給される。PLL回路104で
は、再生信号からクロックCLKが抽出される。A/D
コンバータ103では、PLL回路104で抽出された
クロックCLKを使用して再生信号がデジタル信号に変
換される。
【0053】A/Dコンバータ103より出力されるデ
ジタルデータu(n)は適応型等化器105を介してビタ
ビ復号器106に供給される。ビタビ復号器106で
は、適応型等化器105で波形等化されて得られたデジ
タルデータy(n)より再生データが識別されて識別デー
タd1(n)が生成される。また、A/Dコンバータ103
より出力されるデジタルデータu(n)はビタビ復号器1
07に供給される。ビタビ復号器107では、デジタル
データu(n)より再生データが識別されて識別データd2
(n)が生成される。
【0054】ビタビ復号器106,107より出力され
る識別データd1(n),d2(n)はそれぞれセレクタ108
に供給される。このセレクタ108には、さらに、ビタ
ビ復号器106のメトリックの値M1とビタビ復号器1
07のメトリックの値M2とが供給される。セレクタ1
08では、メトリックの値M1,M2に基づいて、適応
型等化器105の動作が発散状態にないときは、識別デ
ータd1(n)が出力識別データd(n)として取り出され、
一方適応型等化器105の動作が発散状態にあるとき
は、識別データd2(n)が出力識別データd(n)として取
り出される。
【0055】このセレクタ108で取り出される出力識
別データd(n)は適応型等化器105に供給される。適
応型等化器105では、上述したようにLMSアルゴリ
ズムにより、当該適応型波形等化器105からのデジタ
ルデータy(n)の波形がセレクタ108からの出力識別
データd(n)の波形(目標波形)に近づくように波形等
化特性、つまりトランスバーサルフィルタのタップ係数
が適応的に変更され、これにより最適な波形等化を行う
得るようにされる。
【0056】また、セレクタ108で取り出される出力
識別データd(n)は再生データとして復調器109に供
給されて復調される。そして、この復調器109より出
力される各シンクブロックの圧縮符号化データは誤り訂
正器110に供給され、シンクブロック毎に付加されて
いるパリティを使用してエラー訂正が行われる。誤り訂
正器110でエラー訂正された圧縮符号化データDp
は、図示しない画像伸長部に供給される。なお、誤り訂
正器110から画像伸長部には、エラー訂正された圧縮
符号化データDpの各シンクブロックに誤りがあるか否
かを示す誤り情報EIも供給される。
【0057】以上説明したように、第1の実施の形態に
おいては、適応型等化器105の動作が発散状態にある
場合、セレクタ108でビタビ復号器106からの識別
データd1(n)に代わってビタビ復号器107からの識別
データd2(n)が出力識別データd(n)として取り出され
る。この識別データd2(n)は適応型等化器105で波形
等化されたデジタルデータy(n)より再生データを識別
して得られたものではなく、適応型等化器105の動作
が発散状態にある場合には、ビタビ復号器106で得ら
れる識別データd1(n)に比べて誤り率の低いものとなっ
ており、そのため、適応型等化器105の波形等化特性
は正しい方向に向かって更新されていく。このように、
第1の実施の形態においては、適応型等化器105の動
作の発散状態を抑圧でき、当該適応型等化器105で最
適な波形等化が行われるようにできる。
【0058】また、第1の実施の形態においては、セレ
クタ108で取り出された出力識別データd(n)が復調
器109に供給されて復調され、さらにこの復調器10
9より出力される各シンクブロックの圧縮符号化データ
に対して誤り訂正器110で誤り訂正が行われる。この
場合、適応型等化器105の動作が発散状態にある場合
には、ビタビ復号器107で得られる識別データd2(n)
に対応する圧縮符号化データが誤り訂正器110に供給
される。この識別データd2(n)は適応型等化器105で
波形等化されたデジタルデータy(n)より再生データを
識別して得られたものではなく、適応型等化器105の
動作が発散状態にある場合には、ビタビ復号器106で
得られる識別データd1(n)に比べて誤り率の低いものと
なっている。したがって、第1の実施の形態において
は、適応型等化器105の動作が発散状態にある場合で
あっても誤り訂正器110における誤り訂正数が極端に
多くなることはなく、最終的に誤り訂正できない誤り数
を低減できる。
【0059】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図6は、第2の実施の形態としてのデジタルVTR
の再生系100Aの要部構成を示している。この図6に
おいて、図1と対応する部分には同一符号を付し、その
詳細説明は省略する。
【0060】このデジタルVTRの再生系100Aは、
ビタビ復号器106,107で得られる識別データd1
(n),d2(n)に対して復調処理を行う復調器109-1,
109-2と、これら復調器109-1,109-2より出力
される各シンクブロックの圧縮符号化データに対して、
シンクブロック毎に付加されているパリティを使用して
誤り訂正を行って、圧縮符号化データDp1,Dp2を得る
誤り訂正器110-1,110-2と、誤り訂正器110-1
で得られる圧縮符号化データDp1または誤り訂正器11
0-2で得られる圧縮符号化データDp2を出力圧縮符号化
データDpとして取り出すセレクタ(訂正出力セレク
タ)115とを有している。
【0061】セレクタ108は、誤り訂正器110-1,
110-2より出力される所定期間毎、例えばシンクブロ
ック毎の誤り訂正数E1,E2を用いて、適応型等化器
105の動作が発散状態にないときは、識別データd1
(n)を出力識別データd(n)として取り出し、一方適応型
等化器105の動作が発散状態にあるときは、識別デー
タd2(n)を出力識別データd(n)として取り出す。
【0062】すなわち、セレクタ108は、ばらつきを
考慮した任意の数をAとするとき、E1<E2+Aを満
たさなくなるときは、識別データd1(n)に代わって識別
データd2(n)を出力識別データd(n)として取り出す。
適応型等化器105の動作が発散状態となる場合は、誤
り訂正器110-1における誤り訂正数E1が大きくな
り、E1<E2+Aを満たさなくなる。よって、セレク
タ108では、適応型等化器105の動作が発散状態と
なる場合は、識別データd1(n)に代わって識別データd
2(n)が出力識別データd(n)として取り出されることと
なる。
【0063】また、セレクタ115は、誤り訂正器11
0-1,110-2より出力される誤り情報EI1,EI2
を用いて、圧縮符号化データDp1,Dp2のいずれを取り
出すかを決める。ここで、誤り情報EI1,EI2は、
それぞれ圧縮符号化データDp1,Dp2の各シンクブロッ
クに誤りがあるか否かを示す情報である。セレクタ11
5では、圧縮符号化データDp1,Dp2のシンクブロック
のいずれにも誤りがない場合、またはいずれにも誤りが
ある場合には、例えば圧縮符号化データDp1のシンクブ
ロックが取り出される。一方、圧縮符号化データDp1,
Dp2のシンクブロックのいずれかに誤りがある場合に
は、誤りのない方のシンクブロックが取り出される。
【0064】図6に示すデジタルVTRの再生系100
Aのその他の構成は図1に示すデジタルVTRの再生系
100と同様とされている。図6に示す再生系100A
の動作を説明する。適応型等化器105、ビタビ復号器
106,107、セレクタ108の部分の動作は、図1
に示す再生系100の動作と同様であるのその説明は省
略する。ここでは、復調器109-1,109-2以降の動
作について説明する。
【0065】ビタビ復号器106で得られる識別データ
d1(n)は再生データとして復調器109-1に供給されて
復調される。そして、この復調器109-1より出力され
る各シンクブロックの圧縮符号化データは誤り訂正器1
10-1に供給され、シンクブロック毎に付加されている
パリティを使用してエラー訂正が行われる。
【0066】同様に、ビタビ復号器107で得られる識
別データd2(n)は再生データとして復調器109-2に供
給されて復調される。そして、この復調器109-2より
出力される各シンクブロックの圧縮符号化データは誤り
訂正器110-2に供給され、シンクブロック毎に付加さ
れているパリティを使用してエラー訂正が行われる。
【0067】誤り訂正器110-1,110-2でエラー訂
正された圧縮符号化データDp1,Dp2はセレクタ115
に供給される。また、セレクタ115には、誤り訂正器
110-1,110-2より出力される誤り情報EI1,E
I2も供給される。そして、セレクタ115では、圧縮
符号化データDp1,Dp2のシンクブロックのいずれにも
誤りがない場合、またはいずれにも誤りがある場合に
は、例えば圧縮符号化データDp1のシンクブロックが出
力圧縮符号化データDpとして取り出される。一方、圧
縮符号化データDp1,Dp2のシンクブロックのいずれか
に誤りがある場合には、誤りのない方のシンクブロック
が出力圧縮符号化データDpとして取り出される。
【0068】図7A〜Fは、セレクタ115の動作例を
示している。図7Aは誤り訂正器110-1からの誤り情
報EI1を示し、図7Bは誤り訂正器110-1からの圧
縮符号化データDp1を示し、図7Cは誤り訂正器110
-2からの誤り情報EI2を示し、図7Dは誤り訂正器1
10-2からの圧縮符号化データDp2を示し、図7Fはセ
レクタ115より出力される出力圧縮符号化データDp
を示し、図7Eは圧縮符号化データDpの各シンクブロ
ックに誤りがあるか否かを示す誤り情報EIを示してい
る。圧縮符号化データDp1,Dp2,Dpで、誤りがある
シンクブロックはハッチングして示している。
【0069】このようにセレクタ115で取り出される
出力符号化データDpは、図示しない画像伸長部に供給
される。なお、セレクタ115から画像伸長部には、出
力圧縮符号化データDpの各シンクブロックに誤りがあ
るか否かを示す誤り情報EIも供給される。
【0070】以上説明したように、第2の実施の形態に
おいても、適応型等化器105の動作が発散状態にある
場合、セレクタ108でビタビ復号器106からの識別
データd1(n)に代わってビタビ復号器107からの識別
データd2(n)が出力識別データd(n)として取り出され
る。したがって、この第2の実施の形態においては、第
1の実施の形態と同様に、適応型等化器105の動作の
発散状態を抑圧でき、当該適応型等化器105で最適な
波形等化が行われるようにできる。
【0071】また、セレクタ115は、誤り訂正器11
0-1,110-2からの誤り訂正情報に基づき、圧縮符号
化データDp1,Dp2のシンクブロックのいずれにも誤り
がない場合、またはいずれにも誤りがある場合には、例
えば圧縮符号化データDp1のシンクブロックを出力圧縮
符号化データDpとして取り出し、圧縮符号化データD
p1,Dp2のシンクブロックのいずれかに誤りがある場合
には、誤りのない方のシンクブロックを出力圧縮符号化
データDpとして取り出すものであり、最終的なシンク
ブロックの誤り数(誤り率)を低減できる。
【0072】なお、図6に示すデジタルVTRの再生系
100Aでは、セレクタ108は、誤り訂正器110-
1,110-2より出力される所定期間毎、例えばシンク
ブロック毎の誤り訂正数E1,E2に基づいて適応型等
化器105の動作が発散状態にあるか否かを判断して、
識別データd1(n)または識別データd2(n)を取り出すも
のであったが、図1に示すデジタルVTRの再生系10
0と同様にして、セレクタ108は、ビタビ復号器10
6,107より出力されるメトリックの値M1,M2に
基づいて適応型等化器105の動作が発散状態にあるか
否かを判断して、識別データd1(n)または識別データd
2(n)を取り出すようにしてもよい。
【0073】また、図6に示すデジタルVTRの再生系
100Aにおけるビタビ復号器106,107を異なる
方式のパーシャルレスポンス方式を組み合わせたものと
して、最終的なシンクブロックの誤り数(誤り率)を低
減する効果を高めることが考えられる。例えば、ビタビ
復号器106はPR(1,−1)を組み合わせたものと
し、ビタビ復号器107はPR(1,1)を組み合わせ
たものとする。
【0074】その場合、ビタビ復号器106は、PR
(1,−1)の伝達特性により低域の信号成分が少な
く、高域の信号成分が多い。逆に、ビタビ復号器107
は、PR(1,1)の伝達特性により高域の信号成分が
少なく、低域の信号成分が多い。このように伝達特性の
異なったビタビ復号器106,107は、それぞれ異な
った帯域での誤り率が高いことが期待され、互いに補完
し得る状態となる。したがって、セレクタ115より出
力される圧縮符号化データDpにおけるシンクブロック
の誤り数(誤り率)を一層低減することができる。
【0075】また、図6に示すデジタルVTRの再生系
100Aでは、識別器として2個のビタビ復号器10
6,107を設けたものであるが、識別方式を異にする
さらに多くの識別器を並列的に設け、それらの識別デー
タを復調する複数の復調器と、さらにこれらの復調器の
出力データに対して誤り訂正をする複数の誤り訂正器を
設け、セレクタ115でそれら複数の誤り訂正器の出力
データのうち誤りのないシンクブロックを出力圧縮符号
化データDpとして取り出す構成とすることで、最終的
なシンクブロックの誤り数(誤り率)を低減する効果を
さらに高めることができる。
【0076】次に、第3の実施の形態について説明す
る。図8は、第3の実施の形態としてのデジタルVTR
の再生系100Bの要部構成を示している。この図8に
おいて、図6と対応する部分には同一符号を付し、その
詳細説明は省略する。
【0077】このデジタルVTRの再生系100Bは、
復調器109-1,109-2より出力される各シンクブロ
ックの圧縮符号化データに対して、シンクブロック毎に
付加されているパリティを使用して誤り訂正を行って、
圧縮符号化データDp1,Dp2を得る誤り訂正器110B
を有している。
【0078】この誤り訂正器110Bは、復調器109
-1,109-2からの圧縮符号化データに対して、時分割
的に、かつ図6に示す誤り訂正器110-1,110-2の
2倍の動作速度で誤り訂正をする。セレクタ108に
は、誤り訂正器110から、復調器109-1,109-2
の出力に対する所定期間毎、例えばシンクブロック毎の
誤り訂正数E1,E2が供給される。
【0079】また、再生系100Bは、誤り訂正器11
0Bで得られる復調器109-1の出力に対応した圧縮符
号化データDp1を一時的に記憶し、圧縮符号化データD
p2との時間軸を合わせるためのメモリ116と、このメ
モリ116に記憶されている圧縮符号化データDp1また
は誤り訂正器110Bで得られる復調器109-2の出力
に対応した圧縮符号化データDp2を出力符号化データD
pとして取り出すセレクタ115Bとを有している。
【0080】セレクタ115Bには、誤り訂正器110
から、圧縮符号化データDp1,Dp2の各シンクブロック
に誤りがあるか否かを示す誤り情報EI1,EI2が供
給される。セレクタ115Bでは、図6に示すセレクタ
115と同様に、誤り情報EI1,EI2を用いて、圧
縮符号化データDp1,Dp2のいずれを取り出すかを決め
る。
【0081】図8に示すデジタルVTRの再生系100
Bのその他の構成は図6に示すデジタルVTRの再生系
100Aと同様とされている。図8に示す再生系100
Bの動作を説明する。セレクタ108には、図6に示す
再生系100Aと同様に復調器109-1,109-2の出
力に対する所定期間毎、例えばシンクブロック毎の誤り
訂正数E1,E2が供給されるものであって、適応型等
化器105、ビタビ復号器106,107、セレクタ1
08の部分の動作は、図6に示す再生系100Aの動作
と同様であるのその説明は省略する。ここでは、復調器
109-1,109-2以降の動作について説明する。
【0082】ビタビ復号器106で得られる識別データ
d1(n)は再生データとして復調器109-1に供給されて
復調される。そして、この復調器109-1より出力され
る各シンクブロックの圧縮符号化データは誤り訂正器1
10Bに供給される。また、ビタビ復号器107で得ら
れる識別データd2(n)は再生データとして復調器109
-2に供給されて復調される。そして、この復調器109
-2より出力される各シンクブロックの圧縮符号化データ
は誤り訂正器110Bに供給される。
【0083】誤り訂正器110Bでは、復調器109-
1,109-2からの圧縮符号化データに対して、時分割
的に、誤り訂正が行われる。そして、誤り訂正器110
Bで得られる復調器109-2の出力に対応した圧縮符号
化データDp2はセレクタ115Bに供給されると共に、
この誤り訂正器110Bで得られる復調器109-1の出
力に対応した圧縮符号化データDp1は、メモリ116に
より圧縮符号化データDp2との時間軸が合わせられてセ
レクタ115Bに供給される。
【0084】また、セレクタ115Bには、誤り訂正器
110Bより出力される誤り情報EI1,EI2も供給
される。そして、セレクタ115Bでは、圧縮符号化デ
ータDp1,Dp2のシンクブロックのいずれにも誤りがな
い場合、またはいずれにも誤りがある場合には、例えば
圧縮符号化データDp1のシンクブロックが出力圧縮符号
化データDpとして取り出される。一方、圧縮符号化デ
ータDp1,Dp2のシンクブロックのいずれかに誤りがあ
る場合には、誤りのない方のシンクブロックが出力圧縮
符号化データDpとして取り出される。
【0085】このようにセレクタ115Bで取り出され
る出力符号化データDpは、図示しない画像伸長部に供
給される。なお、セレクタ115Bから画像伸長部に
は、出力圧縮符号化データDpの各シンクブロックに誤
りがあるか否かを示す誤り情報EIも供給される。
【0086】以上説明したように、第3の実施の形態に
おいても、適応型等化器105の動作が発散状態にある
場合、セレクタ108でビタビ復号器106からの識別
データd1(n)に代わってビタビ復号器107からの識別
データd2(n)が出力識別データd(n)として取り出され
る。したがって、この第3の実施の形態においては、第
1、第2の実施の形態と同様に、適応型等化器105の
動作の発散状態を抑圧でき、当該適応型等化器105で
最適な波形等化が行われるようにできる。
【0087】また、第3の実施の形態においては、セレ
クタ115Bは、誤り訂正器110Bからの誤り訂正情
報EI1,EI2に基づき、圧縮符号化データDp1,D
p2のシンクブロックのいずれにも誤りがない場合、また
はいずれにも誤りがある場合には、例えば圧縮符号化デ
ータDp1のシンクブロックを出力圧縮符号化データDp
として取り出し、圧縮符号化データDp1,Dp2のシンク
ブロックのいずれかに誤りがある場合には、誤りのない
方のシンクブロックを出力圧縮符号化データDpとして
取り出すものであり、第2の実施の形態と同様に、最終
的なシンクブロックの誤り数(誤り率)を低減できる。
【0088】また、第3の実施の形態においては、復調
器109-1,109-2からの圧縮符号化データに対し
て、1個の誤り訂正器110Bで時分割的に誤り訂正を
行うものであり、第2の実施の形態に比べて、回路規模
を小さくできる。
【0089】なお、上述実施の形態においては、適応型
等化器105はLMSアルゴリズムを使用したものを示
したが、その他のアルゴリズム、例えばZF(Zero-For
cing)アルゴリズム等を使用するものであってもよい。
【0090】また、上述実施の形態においては、識別器
としてビタビ復号器106,107を使用したものを示
したが、その他の識別器を用いて構成するものにもこの
発明を同様に適用できることは勿論である。
【0091】また、上述実施の形態においては、この発
明に係る伝送信号処理装置をデジタルVTRの再生系に
適用したものであるが、これに限定されるものではな
く、この発明に係る伝送信号処理装置をその他のデジタ
ル再生装置、さらには通信装置の受信系などその他の伝
送系にも同様に適用することができる。
【0092】
【発明の効果】この発明によれば、等化器を通した伝送
信号から第1の識別データを得る第1の識別器と、この
等化器を通さない伝送信号から第2の識別データを得る
第2の識別器と、第1の識別データまたは第2の識別デ
ータを出力識別データとして取り出すセレクタとを備
え、セレクタでは等化器の動作が発散状態にあるとき第
1の識別データに代わって第2の識別データを出力識別
データとして取り出し、等化器を通した伝送信号の波形
がセレクタより取り出される出力識別データの波形に近
づくように等化器の波形等化特性を更新する構成とする
ものであり、適応型等化器の動作の発散状態を抑圧し、
等化器で最適な波形等化が行われるようにすることがで
きる。
【0093】また、この発明によれば、出力識別データ
を得るセレクタの後段に、所定単位毎にデータの誤りを
検出して訂正する誤り訂正器を備える構成とすること
で、等化器の動作が発散状態にある場合には、第2の識
別器で得られる第2の識別データに対応する信号が誤り
訂正器に供給されて誤り訂正されるため、等化器の動作
が発散状態にある場合であっても誤り訂正器における誤
り訂正数が極端に多くなることはなく、最終的な所定単
位のデータの誤り数(誤り率)を低減することができ
る。
【0094】また、この発明によれば、第1、第2の識
別器の後段にそれぞれ所定単位毎にデータの誤りを訂正
して第1、第2の出力データを得る第1、第2の誤り訂
正器を配置し、第1の誤り訂正器および第2の誤り訂正
器で得られる所定単位毎の出力データの誤り情報に基づ
き、第1の出力データおよび第2の出力データの双方が
誤っていないときはいずれか一方を取り出し、第1の出
力データまたは第2の出力データが誤っているときは誤
っていない方をセレクタによって取り出すことで、最終
的な所定単位のデータの誤り数(誤り率)を低減するこ
とができる。
【0095】この場合、第1、第2の識別器を異なるパ
ーシャルレスポンス方式を組み合わせたビタビ復号器と
することで、第1,第2の識別データにおける誤り位置
のずれを期待でき、これにより最終的な所定単位のデー
タの誤り数(誤り率)をさらに低減可能となる。またこ
の場合、第1の識別器の出力データに対応する第1のデ
ータおよび第2の識別器の出力データに対応する第2の
データの誤りを、1個の誤り訂正器で、時分割的に検出
して訂正する構成とすることで、回路規模を小さくでき
る。
【0096】また、この発明によれば、第1,第2の識
別器としての複数の識別器を設け、これらの後段にそれ
ぞれ所定単位毎にデータの誤りを検出して訂正する複数
の誤り訂正器を配置し、複数の誤り訂正器で得られる所
定単位毎の出力データの誤り情報に基づき、複数の誤り
訂正器の出力データのうち一部が誤っているときは、誤
っていない出力データのいずれかをセレクタで取り出す
ことで、最終的な所定単位のデータの誤り数(誤り率)
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としてのデジタルVTRの再
生系の要部構成を示すブロック図である。
【図2】適応型等化器の構成例を示すブロック図であ
る。
【図3】適応型等化器内のトランスバーサルフィルタの
構成例を示すブロック図である。
【図4】LMSアルゴリズムを実現する適応型等化器内
の制御回路の構成例を示すブロック図である。
【図5】制御回路内のタップ係数設定回路の構成例を示
すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態としてのデジタルVTRの再
生系の要部構成を示すブロック図である。
【図7】セレクタの動作例を示すタイミングチャートで
ある。
【図8】第3の実施の形態としてのデジタルVTRの再
生系の要部構成を示すブロック図である。
【図9】デジタルVTRの基本的構成を示すブロック図
である。
【図10】デジタルVTRの再生系の要部構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
100,100A,100B・・・デジタルVTRの再
生系、105・・・適応型等化器、106,107・・
・ビタビ復号器、108,115,115B・・・セレ
クタ、109,109-1,109-2・・・復調器、11
0,110-1,110-2,110B・・・誤り訂正器、
111・・・トランスバーサルフィルタ、112・・・
判定器、113・・・制御回路、116・・・メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C018 NA01 NA07 5C053 FA21 HA16 KA08 5D044 AB07 BC01 CC03 FG01 FG02 FG05 GL02 GL32 5K046 EE06 EE19 EE51 EF35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送信号に対して波形等化を行う等化器
    と、 上記等化器で波形等化された信号より、伝送されたデー
    タを識別して第1の識別データを出力する第1の識別器
    と、 上記伝送信号より、伝送されたデータを識別して第2の
    識別データを出力する第2の識別器と、 上記第1の識別器より出力される第1の識別データまた
    は上記第2の識別器より出力される第2の識別データを
    出力識別データとして取り出す識別出力セレクタとを備
    え、 上記識別出力セレクタは、上記等化器の動作が発散状態
    にあるときは、上記第1の識別データに代わって上記第
    2の識別データを上記出力識別データとして取り出し、 上記等化器は、上記波形等化された信号の波形が上記識
    別出力セレクタより取り出される上記出力識別データの
    波形に近づくように波形等化特性を更新することを特徴
    とする伝送信号処理装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の識別器および上記第2の識別
    器はそれぞれビタビ復号器で構成され、 上記識別出力セレクタは、上記第1の識別器のメトリッ
    クの値をM1とし、上記第2の識別器のメトリックの値
    をM2とし、ばらつきを考慮した任意の値をAとすると
    き、M1<M2+Aを満たさなくなるときは、上記第1
    の識別データに代わって上記第2の識別データを上記出
    力識別データとして取り出すことを特徴とする請求項1
    に記載の伝送信号処理装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の識別器の後段に配置される第
    1の誤り訂正器と、上記第2の識別器の後段に配置され
    る第2の誤り訂正器とをさらに備え、 上記識別出力セレクタは、上記第1の誤り訂正器におけ
    る所定期間の誤り訂正数をE1とし、上記第2の誤り訂
    正器における上記所定期間の誤り訂正数をE2として、
    ばらつきを考慮した任意の数をAとするとき、E1<E
    2+Aを満たさなくなるときは、上記第1の識別データ
    に代わって上記第2の識別データを上記出力識別データ
    として取り出すことを特徴とする請求項1に記載の伝送
    信号処理装置。
  4. 【請求項4】 上記識別出力セレクタの後段に配置さ
    れ、所定単位毎にデータの誤りを検出して訂正する誤り
    訂正器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載
    の伝送信号処理装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の識別器の後段に配置され、所
    定単位毎にデータの誤りを検出して訂正する第1の誤り
    訂正器と、 上記第2の識別器の後段に配置され、上記所定単位毎に
    データの誤りを検出して訂正する第2の誤り訂正器と、 上記第1の誤り訂正器より出力される第1の出力データ
    または上記第2の誤り訂正器より出力される第2の出力
    データを上記所定単位毎に取り出す訂正出力セレクタと
    を備え、 上記訂正出力セレクタは、上記第1の誤り訂正器および
    上記第2の誤り訂正器で得られる上記所定単位毎の出力
    データの誤り情報に基づき、上記第1の出力データおよ
    び上記第2の出力データの双方が誤っていないときはい
    ずれか一方を取り出し、上記第1の出力データまたは上
    記第2の出力データが誤っているときは誤っていない方
    を取り出すことを特徴とする請求項1に記載の伝送信号
    処理装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の識別器は、第1の方式のパー
    シャルレスポンスを組み合わせたビタビ復号器であり、 上記第2の識別器は、第2の方式のパーシャルレスポン
    スを組み合わせたビタビ復号器であることを特徴とする
    請求項4に記載の伝送信号処理装置。
  7. 【請求項7】 上記第1の識別器および上記第2の識別
    器として識別方式を異にする複数の識別器が並列的に配
    置され、 上記第1の識別器および上記第2の識別器としての複数
    の識別器の後段に配置され、所定単位毎にデータの誤り
    を検出して訂正する複数の誤り訂正器と、 上記複数の誤り訂正器の出力データのいずれかを上記所
    定単位毎に取り出す訂正出力セレクタとをさらに備え、 上記訂正出力セレクタは、上記複数の誤り訂正器で得ら
    れる上記所定単位毎の出力データの誤り情報に基づき、
    上記複数の誤り訂正器の出力データのうち一部が誤って
    いるときは、誤っていない出力データのいずれかを取り
    出すことを特徴とする請求項1に記載の伝送信号処理装
    置。
  8. 【請求項8】 上記第1の識別器および上記第2の識別
    器の後段に配置され、上記第1の識別器の出力データに
    対応する第1のデータおよび上記第2の識別器の出力デ
    ータに対応する第2のデータの所定単位毎の誤りを、時
    分割的に検出して訂正する誤り訂正器と、 上記誤り訂正器より出力される上記第1のデータおよび
    上記第2のデータのうち一方のデータに対応した第1の
    出力データを格納する記憶素子と、 上記第1の誤り訂正器より出力される上記第1のデータ
    および上記第2のデータのうち他方のデータに対応した
    第2の出力データまたは上記記憶素子に格納された上記
    第1の出力データを所定単位毎に取り出す訂正出力セレ
    クタとをさらに備え、 上記訂正出力セレクタは、上記誤り訂正器で得られる上
    記第1の出力データおよび上記第2の出力データの上記
    所定単位毎の誤り情報に基づき、上記第1の出力データ
    および上記第2の出力データの双方が誤っていないとき
    はいずれか一方を取り出し、上記第1の出力データまた
    は上記第2の出力データが誤っているときは誤っていな
    い方を取り出すことを特徴とする請求項1に記載の伝送
    信号処理装置。
  9. 【請求項9】 記録媒体より再生された再生信号を処理
    してデータの識別を行う信号処理部を有するデジタル再
    生装置であって、 上記信号処理部は、 上記再生信号に対して波形等化を行う等化器と、 上記等化器で波形等化された信号より、再生されたデー
    タを識別して第1の識別データを出力する第1の識別器
    と、 上記伝送信号より、再生されたデータを識別して第2の
    識別データを出力する第2の識別器と、 上記第1の識別器より出力される第1の識別データまた
    は上記第2の識別器より出力される第2の識別データを
    出力識別データとして取り出す識別出力セレクタとを備
    え、 上記識別出力セレクタは、上記等化器の動作が発散状態
    にあるときは、上記第1の識別データに代わって上記第
    2の識別データを上記出力データとして取り出し、 上記等化器は、上記波形等化された信号の波形が上記識
    別出力セレクタより取り出される出力識別データの波形
    に近づくように波形等化特性を更新することを特徴とす
    るデジタル再生装置。
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