JP2003075919A - 映像表示システム - Google Patents

映像表示システム

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JP2003075919A
JP2003075919A JP2001263167A JP2001263167A JP2003075919A JP 2003075919 A JP2003075919 A JP 2003075919A JP 2001263167 A JP2001263167 A JP 2001263167A JP 2001263167 A JP2001263167 A JP 2001263167A JP 2003075919 A JP2003075919 A JP 2003075919A
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勝義 水野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臨場感の高い映像表示システムを提供する。 【解決手段】 複数の鑑賞者が収容可能な略完全球形の
スクリーンを有する球形のシアタを用い、映像体験を他
者と共有でき、映像に対する高い没入感を感じさせる可
能性が生ずる映像表示システムを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人間に勇気と感動
を与えることができるような映像表現を実現し得る、今
までにない画期的な映像表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、映像を鑑賞する際に鑑賞者が感じ
る臨場感をより高めるために、様々な工夫がなされてき
ている。そして、映像の臨場感を高めるためには、画像
の解像度を高める方法、立体視のように映像に奥行きを
与える方法など、幾つかの方法が知られているが、その
うちの一つとして映像を投射するスクリーンの画角を広
げる方法が存在する。
【0003】画角を広げる方法は、一般的に、通常の人
の水平視界が180度以上であることを考慮して、映像
を表示するディスプレイの表示面積を広げ、人間の実際
の視界により近い映像を表示するようにしたものであ
る。
【0004】このような画角を広げる方法のうち、従来
最も広く利用されている形態としては、幅広のスクリー
ンを湾曲状にして映像を投影する、いわゆるワイドスク
リーンというものがある。
【0005】このワイドスクリーンは、ディスプレイの
表示面積を水平方向に拡大したものであり、中には、実
際の人間の可視範囲である約240度を超える円周型の
ものも登場している。ここで、通常は、人間が可視範囲
に属さない部分にも物や人が存在することを意識しなが
ら生活していることを考えると、この円周型のワイドス
クリーンは、人間の視界を超える角度までディスプレイ
を拡大することにより、よりリアリティの高い映像を提
供できるものであると言える。
【0006】しかし、ワイドスクリーンは、上述のよう
に水平方向にのみ画角を広げたものであり、鉛直方向の
視界については、実際の人間の視界とのギャップが埋め
られたとは言い難いのも事実である。
【0007】この点を改良するために、ドーム型の半球
面スクリーンに映像を投影する方法が実用化されてきて
いる。この半球面スクリーンでは、水平視界及び垂直視
界の両方について画角を広げているため、ワイドスクリ
ーンと比較すると、現実の人間の視界に近づけるという
点である程度の成功は収めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半球面
スクリーンを用いて映像を鑑賞しているときに、鑑賞者
が眼球を動かさずに半球面の中心のみに焦点を合わせて
映像を鑑賞することは有り得ず、眼球を動かしたときの
人間の水平視界が約240度であることを考慮すると、
鑑賞者が物足りなさを感じてしまっていることは否めな
い事実である。
【0009】その一方、完全球面のスクリーンも提案さ
れてきているが、現在提案されている球面のスクリーン
は、スクリーンに投影される投影光が鑑賞者に遮られ、
球面全体に映像を表示できないといった問題を解決でき
ているものはほとんどなく、実際には、完全な球面から
一部を切り出した形状のものばかりで、映像に対する没
入感に欠けたものとなっている。
【0010】本発明は、上述したごとき課題に鑑みてな
されたものであり、略完全球形のスクリーンを用いて、
映像に対する高い没入感を感じさせる映像表現を実現す
ることができるような映像表示システムを提供すること
を特徴とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために、本発明においては、複数の投影機と、その
投影機の投影光が投射されるスクリーンを略完全球形ス
クリーンとし、しかもこのスクリーンの内側には複数の
鑑賞者を収容するものとしたことを特徴とする。
【0012】より具体的には、本発明は、以下のような
ものを提供する。
【0013】(1) 複数の投影機と、前記複数の投影
機の投影光が投射されるスクリーンと、からなる映像表
示システムにおいて、前記スクリーンは、略完全球形ス
クリーンであって、その内側に複数の鑑賞者を収容する
ものであることを特徴とする映像表示システム。
【0014】上記(1)の発明によれば、球形のスクリ
ーンを利用することで、鑑賞者に高い没入感と臨場感を
与えることが可能である。また、複数の鑑賞者を収容す
ることができることにより、従来いくつか見られるよう
な一人用の球形のスクリーンと異なり、映像体験を他者
と共有し共感することが可能となる。
【0015】(2) 前記略完全球形スクリーンは、実
写風景が投影されるものであることを特徴とする(1)
に記載の映像表示システム。
【0016】(3) 前記実写風景とは、街の風景であ
ることを特徴とする(2)に記載の映像表示システム。
【0017】(4) 前記略完全球形スクリーンは、複
数の立ち見席もしくは座席もしくはこれらの両方が設け
られているものであることを特徴とする(1)に記載の
映像表示システム。
【0018】(5) 前記略完全球形スクリーンの内部
には、略透明の部材により形成され、前記鑑賞者が収容
可能な鑑賞者支持台が設けられていることを特徴とする
(1)から(4)いずれかに記載の映像表示システム。
【0019】(6) 前記投影機は、前記略完全球形ス
クリーンに対して複数設置されていることを特徴とする
(1)から(5)いずれかに記載の映像表示システム。
【0020】[用語の定義等]「略完全球形」とは、完
全な球形をさすのみでなく、窓や扉があることにより、
一部に歪みがあって完全な球形であるとはいえないもの
も含む概念である。ただし、球形から一部を切り出した
ような構造のものは含まないものとする。
【0021】「複数の鑑賞者を収容する」とは、二人以
上の鑑賞者を収容する目的で製造されたことを示す概念
であり、単独の鑑賞者を収容する目的で製造されたもの
は含まないことをさすものである。
【0022】「実写風景」とは、現実に存在する場所や
建造物等をさす概念であり、動体物や植物等も含むもの
である。
【0023】「街の風景」とは、実写風景のうち特に現
実に存在する場所、建造物をさす概念である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例について
図面に基づいて説明する。
【0025】[映像表示システムの構成の概要]図1
は、本発明にかかる映像表示システムの一実施形態を示
す概略図である。シアタ10の内面は、映像を投影する
ためのスクリーン11となっており、スクリーン11の
一部には、開閉自在な扉12が形成されている。映像を
鑑賞する鑑賞者は、扉12からシアタ10の内部に入
り、鑑賞者支持部13に収容される。鑑賞者支持部13
の下部及び上部の一部には、シアタ10の底部から延び
る支柱14が設置されており、鑑賞者支持部13を支え
るようになっている。シアタ10は、複数の鑑賞者を収
容できるように、球の直径が約20〜30mの大きさと
なっている。
【0026】〔シアタの構造〕まず、球形のシアタ10
の構造について説明する。
【0027】シアタ10は、基本ユニットとなる三角形
を5つずつ組み合わせた正五角形を用い、その正五角形
をさらに組み合わせて球形を作っていく、いわゆるフラ
ードームと呼ばれる球体建築方法を用いて作られる。こ
の建築方法では、基本ユニットを三角形とすることによ
り、強度と柔軟性を併せ持つ球体を作り上げることがで
きる。
【0028】[略完全球形スクリーンの内部構造]次
に、球形スクリーンの内部構造について詳細に説明す
る。
【0029】〈球形スクリーンの構造〉シアタ10の内
面を球面のスクリーンにする方法としては、二つの方法
が考えられる。
【0030】一つの方法はシアタ10の内壁を塗装して
球形にする方法で、塗装には反射を抑えるための物質、
例えば発泡剤等を混ぜて塗布すればよい。この方法で球
面のスクリーンを形成すると、つなぎ目のない一体感の
あるスクリーンで映像を楽しむことができる。
【0031】もう一つの方法は、シアタ10の内部に有
孔スクリーンを張る方法で、シアタ10の内壁には、ス
クリーンを張るために必要な構造、例えばスクリーンを
引っ張るための引っ張り部材等を設ければよい。この方
法で球面のスクリーンを形成すると、スクリーンとシア
タの内壁との間にできた空間にスピーカーを設置するこ
とが可能なため、より臨場感のある映像体験を味わうこ
とができる。
【0032】スクリーン11は、シアタ10の底部まで
球状に形成され、鑑賞者は球面スクリーン全体の映像を
楽しむことができるように構成されている。
【0033】《第一の実施形態》〈鑑賞者支持部の構
造〉次に、上述した鑑賞者が収容される鑑賞者支持部1
3の構造について説明する。
【0034】図1に示すように、鑑賞者支持部13は、
略透明の強化ガラスを素材として形成され、前述したス
クリーン11の球の中心付近を通るように水平に設置さ
れたものである。
【0035】鑑賞者支持部13は略円形の形状で、その
円周部分が球形シアタ10の内壁に到達するような大き
さを持っており、鑑賞者支持部13の円周部分を球形シ
アタ10の内壁に固定することで位置決めをする。鑑賞
者支持部13の下部中央には、球形シアタ10の底部中
央から鑑賞者支持部13に向けて伸びるように支柱14
が設置され、支柱14は鑑賞者支持部を支える役目を果
たしている。
【0036】鑑賞者支持部13の上面は、鑑賞者を収容
可能な空間となっている。鑑賞者は、立ったままで又は
座席に座って映像を鑑賞することができる。立ち見の場
合には、鑑賞者は円周外側に向かって立つようにして映
像を鑑賞すれば好適であり、座席に座って鑑賞する場合
には、鑑賞者が座る椅子を透明のものにすれば、鑑賞の
邪魔にならないので好適である。
【0037】鑑賞者支持部13を球形シアタ10の中央
部に設けたことにより、鑑賞者は球形スクリーンに投影
機から投影される映像を上下左右、すなわち360度鑑
賞することができる。特に、球形スクリーンの底部全面
に投影される映像を足下に鑑賞できるような構造となっ
ているため、鑑賞者は映像に没入している感覚を味わう
ことができ、臨場感も増すこととなる。
【0038】なお、鑑賞者支持部13を固定する方法
は、上記実施形態においては、球形シアタ10の内壁と
支柱14を用いて固定する方法を用いていたが、本発明
ではこれに限らず、図2に示すように球形シアタ10の
内壁から複数の鉄骨15を用いて固定する方法も考えら
れる。鉄骨を用いて鑑賞者支持部を固定する場合、鑑賞
者支持部13が球形シアタ10の中空に浮かんだような
構造となるため、鑑賞者の安全を確保するために、鑑賞
者を収容する部分の外縁には柵16を設けるようにす
る。なお、映像の鑑賞を妨げることのないように、柵1
6も透明な部材を用いて形成されていることが望まし
い。
【0039】鉄骨15を用いて鑑賞者支持部13を球形
シアタ10の中空に浮かぶように固定することにより、
鑑賞者は先述した没入感、臨場感に加えて、浮遊感も楽
しむことができるようになる。
【0040】さらに、鑑賞者支持部13は、図2の鉄骨
による固定に代えて、球形シアタ10に固定されたワイ
ヤを用いて吊り上げるように固定するようにしてもよ
い。
【0041】〈設備等の配置〉鑑賞者支持部13の上面
中央部には、支柱14を球形シアタ10の上部に向けて
延長するように芯柱17が設けられている。芯柱17及
び支柱14は、内部が空洞になるように構成されてお
り、この内部又は外側に、映像を球形スクリーン11に
投影するための投影機18が複数設置されている。ま
た、芯柱17には、鑑賞者が快適に映像を鑑賞すること
ができるように、空調設備等も内蔵することができるよ
うになっている。
【0042】[スクリーンに投影する映像の作成方法・
投影方法]次に、投影機からスクリーンに投影する映像
の作成方法、投影方法及び投影機の配置について説明す
る。
【0043】〈映像の作成方法〉球形のスクリーンを含
め、曲面形状のスクリーンに映像を投影する方法には、
撮影段階で予め歪ませた映像を作成して曲面形状のスク
リーンに投影する方法と、平面状のスクリーン用の映像
を電子的に又は光学的に補正して球面形状のスクリーン
に投影する方法の二つがある。
【0044】撮影段階で予め歪ませた映像を作成する方
法としては、曲面鏡によって反射される映像をカメラで
撮影する方法が知られている。この撮影方法において
は、カメラレンズの前方に楕円鏡等の曲面鏡を配置し、
カメラで曲面鏡に映し出される風景等を撮影することと
なる。曲面鏡を用いた撮影では、1回の撮影で、球面ス
クリーン11のうち半球面に相当する分の映像を作成す
ることができる。
【0045】この方法によれば、球形スクリーン11の
全面に投影する映像を、上半分と下半分の2つに分けて
撮影すればよいため、撮影の回数が他の方法より少なく
てすむこととなる。
【0046】平面状のスクリーン用の映像を電子的に補
正して球面スクリーンに投影する方法としては、所定の
プログラムを用いて球面用の画像を生成する方法が知ら
れている。一般に、プログラムにおいては、球形スクリ
ーンの半径や鑑賞者からの仰角、俯角から平面上の画像
を曲面用にどの程度歪ませるかを計算して、球面用の画
像を生成するようにしている。
【0047】本実施形態における球面スクリーン用の画
像の生成においては、まず、投影機の数に対応する数に
平面状のスクリーン用の映像を分割し、各投影機から投
影する画像を決定してからプログラムによる処理を行う
のが好適である。例えば、球形スクリーンの上半球、下
半球に、それぞれ8つずつの投影機が設置されている場
合においては、まず画像を上下2つに分割した後に、縦
に8等分してから球面スクリーン用の画像を生成するよ
うにする。
【0048】平面状のスクリーン用の映像を光学的に補
正して球面スクリーンに投影する方法としては、投影機
から平面状のスクリーン用の映像を凸面鏡に向けて投影
し、凸面鏡の表面で反射させてからスクリーンに映し出
すような方法が知られている。凸面鏡は、球形スクリー
ンの半径や鑑賞者からの仰角、俯角からその曲率半径を
計算されて製造されたものを用いる必要がある。
【0049】これらの方法によれば、既存の映像用ソフ
トをそのまま流用することができるため、新たに撮影を
行う必要がなく、安価でたくさんの映像を鑑賞者に提供
することができることとなる。
【0050】なお、上述した撮影方法では、主に2次元
の映像を作成する方法を示しているが、本発明ではこれ
に限らず、球形のスクリーンに3次元の映像を投影する
こととしてもよい。この場合、上述の方法で作成された
2次元の映像を、所定のプログラムを用いることにより
3次元の映像に変換する必要がある。
【0051】〈映像の投影方法〉次に、作成された映像
を投影する方法について説明する。なお、上述したよう
に、映像の作成方法によって投影機の数や設置位置に違
いがあるため、球形シアタ10の内部構造もそれに合わ
せて異なるものとなることがあり、映像の投影方法に合
わせてこれらを適宜選択する必要がある。
【0052】撮影段階で予め歪ませた映像を作成し、そ
の映像を球形シアタ10の内部で上映する場合、必要な
投影機は、上半球に映像を投影するものと下半球に映像
を投影するものの合計2つが必要である。上半球に映像
を投影する投影機は上半球の最上部に向けて、下半球に
映像を投影する投影機は下半球の底部に向けて設置する
こととなるため、前述した図1に示したような、支柱を
設置したタイプの球形シアタでは下半球に映像を投影す
る投影機を設置することができない。従って、図2に示
したようなタイプの球形シアタを用いることとなる。
【0053】図2に示したタイプの球形シアタ10の鑑
賞者支持部13には、その中央部に上述した芯柱17が
設けられている。芯柱17は、図3に示すように、鑑賞
者支持部13の上面に迫り出すように設けられた部分で
ある芯柱上部17aと、鑑賞者支持部13の下面に突出
して設けられた部分である芯柱下部17bとからなる。
2つの投影機20a、20bは、それぞれその投影部
を、上半球の最上部と下半球の底部の方向に向けて設置
されている。
【0054】投影機20a、20bから球形スクリーン
11に向けて投影される映像は、それぞれ独立して表示
されるものであるため、2つの投影機を同期させる必要
がある。
【0055】投影機20a、20bの同期には、一般に
普及しているプロセッサを用い、二つの投影機の間で同
期信号を送受信することにより、投影機20a、20b
を同期させればよい。
【0056】また、投影機20a、20bから球形スク
リーン11に向けて投影される映像は、その境界がそれ
ぞれ球形シアタ10の赤道に相当する辺りになるため、
二つのプロジェクタから投影される映像を切れ目のない
連続したものとするために、映像の境界どうしをつなぎ
合わせる必要がある。
【0057】映像の境界どうしを自然につなぎ合わせる
には、一方の映像の境界部分での解像度に対し、その映
像の透明度を維持したまま他方の映像の境界部分におけ
る色を除去し、それによりつなぎ合わせた部分の光の反
射を取り除くようなプログラムが組み込まれたソフトを
用いればよい。
【0058】平面状のスクリーン用の映像を電子的に補
正し、その映像を球形シアタ10の内部で上映する場
合、必要な投影機は、上半球に映像を投影するものと下
半球に映像を投影するものをそれぞれ複数個ずつ用意す
るのが好適である。球形スクリーンの上半球は、投影機
の数に対応するように複数に等分割(例えば8等分)さ
れ、分割された各スクリーンに向けて1つずつ投影機を
設置する。下半球も同様に設置する。この方法で映像を
投影する場合には、図1に示したようなタイプの球形シ
アタでも、図2に示したようなタイプの球形シアタで
も、いずれを用いてもよい。
【0059】図1に示したタイプの球形シアタ10に
は、鑑賞者支持部13の下部中央部に支柱14が、上部
中央部に芯柱17が設けられている。図4に示すよう
に、球形スクリーン11の下半球に映像を投影する投影
機20a〜20hは、それぞれ支柱14に固定されてい
る。また、球形スクリーン11の上半球に映像を投影す
る投影機21a〜21hは、それぞれ芯柱17に固定さ
れている。
【0060】図2に示したタイプの球形シアタ10に
は、鑑賞者支持部13の下部中央部に芯柱下部17b
が、鑑賞者支持部13の上部中央部に芯柱上部17aが
設けられている。図5に示すように、球形スクリーン1
1の下半球に映像を投影する投影機20a〜20hは、
それぞれ芯柱下部17bに固定されている。また、球形
スクリーン11の上半球に映像を投影する投影機21a
〜21hは、それぞれ芯柱上部17aに固定されてい
る。
【0061】また、上記の複数の投影機を同期させる方
法及び映像の境界どうしを自然につなぎ合わせる方法
は、上述した方法を同様に用いればよい。
【0062】平面状のスクリーン用の映像を光学的に補
正し、その映像を球形シアタ10の内部で上映する場合
には、投影機は、上半球に映像を投影するものと下半球
に映像を投影するものの合計2つが必要である。すなわ
ち、球面スクリーン11に向けて映像を反射するための
凸面鏡が、上半球用と下半球用の2つ必要であり、その
凸面鏡に映像を投影する投影機が2つ必要となるのであ
る。2つの凸面鏡については、上半球に映像を反射する
凸面鏡23aは上半球の最上部に向けて設置し、下半球
に映像を反射する凸面鏡23bは下半球の底部に向けて
設置することとなる。このため、前述した図1に示した
ような支柱を設置したタイプの球形シアタでは下半球に
映像を投影する投影機を設置することができない。従っ
て、図2に示したようなタイプの球形シアタを用いるこ
ととなる。
【0063】図2に示したタイプの球形シアタ10に
は、鑑賞者支持部13の下部中央部に芯柱下部17b
が、鑑賞者支持部13の上部中央部に芯柱上部17aが
設けられている。投影機の設置方法は、図6に示すよう
に、球形スクリーン11の下半球に映像を投影する投影
機20bは、平面鏡22bに向けて映像を投影するよう
な向きに固定されている。平面鏡22bにおいて反射さ
れた映像は、凸面鏡23b表面で再び反射され、球形ス
クリーン11の下半球に投影される。また、球形スクリ
ーン11の上半球に映像を投影する投影機20aは、平
面鏡22bに向けて映像を投影するような向きに固定さ
れている。平面鏡22bにおいて反射された映像は、凸
面鏡23aを経て球形スクリーン11の上半球に投影さ
れる。
【0064】上記の複数の投影機を同期させる方法及び
映像の境界どうしを自然につなぎ合わせる方法は、上述
した方法を同様に用いればよい。
【0065】なお、上記の実施形態では、鑑賞者支持部
を球形のシアタ10の中央部に設け、それを支柱等で支
え、その支柱に投影機を設置するような構造を採ってい
るが、本実施形態ではこれに限らず、鑑賞者支持部の中
央部を中空にして、その周に沿って鑑賞者用の座席を設
けることとしてもよい。以下、この実施形態について簡
単に説明する。
【0066】《第二の実施形態》図7に第二の実施形態
である鑑賞者支持部30を用いた球形のシアタ10内部
構造を表す平面図を示す。鑑賞者支持部30は、前述し
た第一の実施形態の鑑賞者支持部13と同様に、略透明
の強化ガラスを素材として形成され、シアタ10の球の
中心付近を中空にして、水平に設置されたものである。
【0067】鑑賞者支持部30の上面は、鑑賞者を収容
可能な空間となっている。鑑賞者は、鑑賞者支持部30
の上面に設置された透明部材で作られた座席に座って映
像を鑑賞することができる。
【0068】なお、鑑賞者支持部30を固定する方法
は、上記実施形態と同様に、球形シアタ10の内壁に鑑
賞者支持部を内接させることにより固定してもよいし、
図2で示したように球形シアタ10の内壁から複数の鉄
骨を用いて固定する方法を用いてもよい。
【0069】さらに、鑑賞者支持部30を、図2の鉄骨
による固定に代えて、球形シアタ10に固定されたワイ
ヤを用いて吊り上げるように固定するようにしてもよ
い。
【0070】鑑賞者支持部30の中央に作られた空間に
は、通常、シアタ10の底部に収容されているステージ
31が、昇降柱32(図8参照)により昇降可能となっ
ている。昇降柱32は油圧シリンダー式のもので、ステ
ージ31をシアタ10の底部に収容するとき、又はステ
ージ31を鑑賞者支持部30の位置まで上昇させるとき
に用いられるものである。
【0071】ステージ31はその上面で演技等を行うも
のであり、これにより、シアタ10は、鑑賞者がスクリ
ーン11に映し出される映像を鑑賞するためのものだけ
ではなく、鑑賞者がステージ31上で行われるコンサー
トや舞台演技等を鑑賞することも可能となるのである。
【0072】また、第一の実施形態では、スクリーン1
1に映像を投影する投影機を、鑑賞者支持部13を支え
る支柱14の中に内蔵させるようにしていたが、本実施
形態においては、図8に示すように、投影機33は、鑑
賞者支持台30の周縁に設置することとする。なお、投
影機はシアタ10の中心方向に投影する部分を向け、設
置する位置はスクリーン11から3m程度の距離を開け
るようにするのが好適である。
【0073】投影機33からスクリーン11に投影され
る映像は、上述したような方法で球面スクリーン用に電
子的に補正されたものである。また、投影機33は、球
形スクリーンの上半球に映像を投影するものと下半球に
投影するものに分かれて設置されるものとする。
【0074】以上のような構成とすることにより、球形
のシアタ10の内部では、様々なコンテンツを鑑賞者に
提供することができる。
【0075】特に、本発明においては、上下左右360
度に広がるスクリーンに投影される映像を鑑賞すること
が可能なため、日常生活では体験できないような映像を
提供するようにすることが好適である。例えば、ナノテ
クノロジーを駆使した極微の世界を映像化したもの、反
対に超望遠鏡で極大に挑み天空の世界を映像化したも
の、富士山から見た360度に広がる景色を映像化した
もの、又は地球の内部から地上の映像までを一体にして
映像化したもの等を投影することにより、鑑賞者の没入
感及び臨場感は高まる可能性がある。
【0076】また、上述したステージを用いてオーケス
トラ等の演奏を行えば、球体という異空間ならではの音
響効果を楽しむこともできる。ステージでは、各種のイ
ベント、例えば成人式、結婚式等を行うことも可能であ
る。なお、スクリーンに映し出しながら、その映像につ
いてステージ上で解説者が解説を行うような形態、例え
ば学会等のプレゼンテーションや新商品のプロモーショ
ン等に効果的に用いることも可能である。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、水平方向のみならず、
鉛直方向も含めた360度全体に映像が広がるため、鑑
賞者の視野を超えたものとなり、鑑賞者が映像の中に没
入している感覚を強く味わうことができる。
【0078】また、鑑賞者を複数収容できるようにした
ことにより、自分以外の他者と映像を鑑賞することがで
き、体験を共有することが可能となる。
【0079】さらに、鑑賞者を収容する場所を、スクリ
ーンの中央部に浮かぶような形で設置したことにより、
鑑賞者は自分の足下に広がる映像を鑑賞できるばかりで
なく、一種の浮遊感を感じることもできる。
【0080】総じて、鑑賞者にとって、より臨場感の高
い映像を表示できるような映像表示システムを提供でき
ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる映像表示システムの一実施形
態を説明する説明図である。
【図2】 本発明にかかる映像表示システムの別の実施
形態を説明する説明図である。
【図3】 投影機の設置方法の一実施形態を説明する説
明図である。
【図4】 複数の投影機の設置方法の一実施形態を説明
する説明図である。
【図5】 複数の投影機の設置方法の別の実施形態を説
明する説明図である。
【図6】 凸面鏡を用いた投影機の設置方法の一実施形
態を説明する説明図である。
【図7】 第二の実施形態に係る球形シアタの内部構造
を上方から見た平面図である。
【図8】 第二の実施形態に係る球形シアタの内部構造
を上下方向に切断した縦断面図である。
【符号の説明】
10 シアタ 11 球形スクリーン 12 扉 13 鑑賞者支持部 14 支柱 15 鉄骨 16 柵 17 芯柱 20、21 投影機 22 平面鏡 23 凸面鏡 30 鑑賞者支持部 31 ステージ 32 昇降柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 簗嶋 武彦 東京都世田谷区駒沢3−2−1伊藤ビル3 階 株式会社日本ギャラクシーエンジニア リング内 Fターム(参考) 2H021 AA08 5C058 BA21 BA23 EA31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の投影機と、前記複数の投影機の投
    影光が投射されるスクリーンと、からなる映像表示シス
    テムにおいて、 前記スクリーンは、略完全球形スクリーンであって、 その内側に複数の鑑賞者を収容する構造を備えているも
    のであることを特徴とする映像表示システム。
  2. 【請求項2】 前記略完全球形スクリーンは、実写風景
    が投影されるものであることを特徴とする請求項1記載
    の映像表示システム。
  3. 【請求項3】 前記実写風景とは、街の風景であること
    を特徴とする請求項2に記載の映像表示システム。
  4. 【請求項4】 前記略完全球形スクリーンは、複数の立
    ち見席もしくは座席又はこれらの両方が設けられている
    ものであることを特徴とする請求項1に記載の映像表示
    システム。
  5. 【請求項5】 前記略完全球形スクリーンの内部には、
    略透明の部材により形成され、前記鑑賞者が収容可能な
    鑑賞者支持台が設けられていることを特徴とする請求項
    1から請求項4いずれかに記載の映像表示システム。
  6. 【請求項6】 前記投影機は、前記略完全球形スクリー
    ンに対して複数設置されていることを特徴とする請求項
    1から請求項5いずれかに記載の映像表示システム。
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